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1808

 長谷工コーポレーション 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム マンション建設・ゼネコン 大規模分譲マンション専業・工事請負 JCR A+ (stable) R&I A (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
長谷工コーポレーションは国内マンション建設において圧倒的な施工実績と標準化工法を持ち、累計施工戸数100万戸超のスケールが参入障壁を形成する。首都圏を中心とした旺盛な分譲マンション需要を背景に売上高は直近5年で3割超拡大しており、受注残高の積み上がりが中期的な収益の視界を確保している。PER約21倍・配当利回り約3.1%は堅実な事業基盤に対し過度に割安ではないが、業界最大手のブランド力と安定配当継続方針が下値を支える。
7
競争優位性
業界内MOAT
5
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
7
株主還元
配当・自社株買い
6
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.0/10
競争優位性
7
業界成長性
5
リスク耐性
5
株主還元
7
見通し
6
📋 事業内容
11,774億円
売上高
FY2025実績
345億円
親会社帰属
純利益
39億円
営業CF
FY2025実績
38.9%
自己資本
比率
6.4%
ROE
FY2025

長谷工コーポレーション(1808)は分譲マンションの設計・施工を中核とする国内最大手の建設会社。累計施工戸数は100万戸を超え、三井不動産レジデンシャル・住友不動産・野村不動産など大手デベロッパー全社との取引実績を持つ。事業はマンション建設(請負)を主体とし、設計・監理・不動産開発支援・マンション管理まで一気通貫のサービスを展開。売上高は直近FY2025に1兆1,774億円と過去最高水準を更新し続けており、首都圏を中心とした旺盛な分譲需要が業績を下支えしている。ただしFY2025は工事原価上昇により純利益が前年比38%減の344億円に圧縮されており、採算管理が重要課題となっている。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①累計100万戸超の施工ノウハウと標準化工法

長谷工が長年かけて蓄積した大規模マンション専用の設計・施工標準化システムは業界随一。工期短縮・コスト削減を実現するプレキャストコンクリート工法や独自の施工管理体制は、新規参入者が短期間で模倣することが困難な無形の競争優位となっている。

②大手デベロッパーとの長期的パートナーシップ

三井・住友・野村・東急など主要デベロッパー全社との長年にわたる取引関係は、高いスイッチングコストを生む。施工品質・納期・アフターサービスで培った信頼は容易に代替されず、各社のマンション建設計画における「ファースト・コール」としての地位を確立している。

③業界最大規模の施工体制と協力会社ネットワーク

全国各地に展開する施工拠点と長年かけて構築した協力会社・職人ネットワークは、大量・多拠点同時施工を可能にする規模の経済を実現。資材調達の交渉力や繁忙期の人材確保力においても中堅ゼネコンを圧倒しており、受注競争における価格競争力につながっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 5/10

中期見通し

2〜3年の視点では首都圏・大阪圏での都市再開発プロジェクトの増加と老朽マンション建替え需要の顕在化が受注増の主因となる見込み。一方で建設コスト高騰(資材・人件費)が採算を圧迫しており、値上げ交渉力の向上と工法改善による原価低減が課題。受注残高は高水準を維持しており、2〜3年の売上視界は相対的に良好といえる。

長期構造的トレンド

5〜10年スパンでは新築マンション市場の縮小が避けられない一方、老朽化ストックの建替え・再生需要が本格化する。2040年代にかけて築40年超のマンションが急増する日本では、建替えコンサルティングから施工・管理まで一括受託できる長谷工の強みが顕在化する可能性が高い。また政府の省エネ・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)推進政策も高付加価値工事の需要を押し上げる追い風となる。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク建設コスト高騰による採算悪化

資材価格(鋼材・コンクリート)と人件費の高止まりが工事採算を圧迫。受注時と施工時の価格差を価格転嫁できない場合、大幅な利益率低下につながる。FY2025純利益の急減はこの問題が既に顕在化していることを示す。

高リスク金利上昇によるマンション需要急冷

日銀の金融政策正常化に伴う住宅ローン金利上昇はマンション購買力を低下させ、デベロッパーの新規開発計画を抑制する。長谷工は需要の川下(デベロッパー)に依存しており、受注量の急減が業績に直撃する構造リスクがある。

中リスク建設人材不足と技能労働者の高齢化

建設業の担い手不足は業界共通の課題で、熟練技能者の高齢化により施工能力が制約される恐れがある。工期遅延や追加コスト発生が受注企業との関係に悪影響を及ぼす可能性がある。

中リスク大型工事の瑕疵担保・損害賠償リスク

マンション施工における設計ミスや施工不良が発覚した場合、多数の区分所有者への損害賠償と社会的信用失墜につながる。過去業界では大規模訴訟事例も発生しており、品質管理体制の維持が不可欠。

低リスク競合ゼネコンの大型マンション市場参入

大成・鹿島・清水など総合ゼネコン大手がマンション特化施工に本腰を入れた場合、長谷工の受注シェアが脅かされる可能性がある。ただし現時点では専業特化による競争優位が維持されており、近い将来の大規模シフトは起こりにくい。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 6/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

老朽マンション建替え・都市再開発の本格化

築40年超マンションが2040年代に急増する中、建替えコンサルティングから施工まで一括対応できる長谷工の総合力が最大の差別化要因となる。政府の容積率緩和・建替え促進策も追い風で、大型案件の安定受注が期待できる。

省エネ・ZEH対応工事の高付加価値化

政府の省エネ基準義務化やZEHマンション推進に伴い、高性能断熱・太陽光・蓄電設備を組み込んだ付加価値の高い工事需要が拡大。長谷工の標準化工法にこれらを組み込むことで、単価上昇と競争力向上を同時に実現できる。

アジア新興国への施工技術・ノウハウ輸出

ベトナム・インドネシア等の都市化が進むアジア諸国では日本式高品質マンションへの需要が顕在化しつつある。長谷工の施工ノウハウ・管理システムを現地デベロッパーへライセンス供与または合弁展開することで、国内市場縮小を補う新たな収益源となり得る。

💰 株主還元政策 7/10

長谷工は「安定的な配当の実施」を株主還元の基本方針として掲げ、直近7期でDPSを60→85円へ段階的に引き上げてきた。FY2025は純利益が大幅減少したにもかかわらず85円配当を維持しており、株主還元への強いコミットメントを示している。配当性向は純利益変動により年度によってはかなり高くなるが、キャッシュフロー創出力を背景に維持する方針。自社株買いも状況に応じ実施しており、総合的な資本効率改善への意識は高い。現在の配当利回り約3.1%は安定大型株として一定の魅力を持つ。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(建設・ゼネコン)×0.74
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.81%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(JCR A+ / R&I A)-0.20%
当社中立CoE7.01%
悲観 CoE
10.0%
中立 CoE
7.0%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 36%
中立 30%
楽観 34%
悲観 36% — 金利上昇・マンション需要急減
中立 30% — 首都圏マンション需要底堅く安定成長
楽観 34% — 再開発・建替え需要爆発・海外展開加速
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥4,147/株
悲観36% / 中立30% / 楽観34%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -286億円 / 2024年度 752億円 / 2023年度 -1,074億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥85。成長率は過去DPS CAGR(10年=29.1%、直近3年=2.0%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 36%
金利上昇・マンション需要急減
¥891
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.0%
ターミナル成長率0.4%
中立 30%
首都圏マンション需要底堅く安定成長
¥2,896
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.0%
ターミナル成長率1.1%
楽観 34%
再開発・建替え需要爆発・海外展開加速
¥8,567
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥1,949、配当性向67%でBPS追跡。

悲観 36%
金利上昇・マンション需要急減
¥931
推定フェアバリュー/株
CoE10.0%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.5%
TV成長率0.4%
中立 30%
首都圏マンション需要底堅く安定成長
¥2,600
推定フェアバリュー/株
CoE7.0%
ROE(初年→10年目)8.8%→8.8%
TV成長率1.1%
楽観 34%
再開発・建替え需要爆発・海外展開加速
¥3,723
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)11.8%→8.8%
TV成長率2.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥440、総合スコア6.0から指数関数的に倍率算出。

悲観 36%
金利上昇・マンション需要急減
¥3,960
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥440
想定PER9倍
中立 30%
首都圏マンション需要底堅く安定成長
¥6,160
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥440
想定PER14倍
楽観 34%
再開発・建替え需要爆発・海外展開加速
¥9,680
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥440
想定PER22倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(債務超過/赤字年あり)

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥440。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (5.9) 中央値 (8.2) 上位25% (10.2)
悲観 36%
金利上昇・マンション需要急減
¥2,577
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER5.9倍
中立 30%
首都圏マンション需要底堅く安定成長
¥3,598
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER8.2倍
楽観 34%
再開発・建替え需要爆発・海外展開加速
¥4,507
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER10.2倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 32.6%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -6.8% / 中央 4.6% / 上振れ 14.7%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥441 / 中央 ¥1,746 / 上振れ ¥5,936
現在 ¥2,758 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長45% 横ばい41% 衰退14% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
57.3%
景気後退・需要減
49.0%
好況・上振れサイクル
43.2%
バリュエーション低下
37.9%
利益率改善
33.9%
バリュエーション上昇
27.1%
大幅業績ショック
23.0%
利益率悪化
21.3%
構造的衰退
12.7%
競争優位低下
11.4%
TOB・買収
7.5%
希薄化・増資
4.0%
倒産・上場廃止
2.2%
過剰債務・既存株主毀損
2.2%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥2,758(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.77%8.27%12.77%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥2,480
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥2,480
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 8.5%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (36%) 中立 (30%) 楽観 (34%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥891 ¥2,896 ¥8,567 ¥4,102
残余利益 ¥931 ¥2,600 ¥3,723 ¥2,381
PERマルチプル ¥3,960 ¥6,160 ¥9,680 ¥6,565
PBR分位法
PER分位法 ¥2,577 ¥3,598 ¥4,507 ¥3,540
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥4,147
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,150 割安
¥2,090
FV¥4,147 割高
¥6,619
¥8,274
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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