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1812 鹿島建設 銘柄分析・適正株価

鹿島建設 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
R&I A+ (positive)
現在値
時価総額
投資テーゼ
国策案件(原子力・防衛・半導体工場・データセンター)の大型受注が積み上がり、スーパーゼネコンとしての技術力と施工管理ノウハウが参入障壁を形成する。資材・人件費高騰は業界共通の逆風だが、受注残高の厚みと価格転嫁力が収益の下支えとなる。
7
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
7
株主還元
配当・自社株買い
8
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.6/10
競争優位性
7
業界成長性
6
リスク耐性
5
株主還元
7
見通し
8
📋 事業内容
29,118億円
売上高
FY2025実績
1,258億円
親会社帰属
純利益
306億円
営業CF
FY2025実績
36.4%
自己資本
比率
10.0%
ROE
FY2025

鹿島建設はスーパーゼネコン四社の一角を占め、建築・土木の両領域で国内最高水準の施工実績を誇る。原子力発電所・防衛関連施設・超高層建築・海洋土木など高難度案件への対応力が顧客基盤の礎となっている。海外事業も展開しており、アジアを中心にグローバルな受注ネットワークを持つ。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

高難度施工の技術蓄積

原子力・地下大深度・超高層など特殊技術を要する案件での実績が競合との差異化を生む。長年の施工データと専門人材の蓄積は短期間では再現できない固有資産である。

発注者ネットワークと信頼関係

官公庁・電力・大手デベロッパーとの長期関係は随意契約や優先指名の源泉となっている。国策案件においては発注者との緊密な協議体制が施工者選定を左右する重要要素である。

スーパーゼネコン寡占構造

国内建設市場の最上位層はスーパーゼネコン数社が事実上分割しており、新規参入者が超大型案件を受注することは現実的に困難な構造がある。この寡占は規模・実績・財務力の三要素が複合的に絡み合い維持されている。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

半導体工場・データセンター・防衛インフラの発注が集中する現局面では、受注残高の積み上がりが売上成長の先行指標として機能している。資材・労務費の価格転嫁が進めば利益率の改善余地も顕在化し、数年単位での増益基調が想定される。

長期構造的トレンド

国内インフラの老朽化更新・カーボンニュートラル対応・国土強靭化という複数の長期テーマが建設需要の底上げを支える。特に原子力リプレースと再エネ関連インフラは超大型工事が継続的に創出される領域であり、鹿島の強みが最大限に発揮される市場環境が続く見通しである。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

中リスク

鉄骨・コンクリート・設備機器の価格上昇と技能労働者不足による労務費高騰が採算を継続的に圧迫するリスクがある。固定価格型の既受注案件では後からの価格転嫁が困難であり、損失工事発生の懸念が残る。

中リスク

技能者不足や資材調達難による工期遅延は追加費用発生と顧客関係悪化を招く。超大型案件では一件の損失工事が期間利益に対して無視できない影響を与える可能性がある。

中リスク

金利環境の変化は不動産・設備投資の採算性に影響し、民間建築需要の下押し要因となり得る。国策案件で補完されるとはいえ、民間建築比率が高い建築部門では受注競争が激化するリスクがある。

中リスク

海外事業は現地政治情勢・規制変化・為替変動にさらされており、案件によっては大幅な採算悪化が生じる可能性がある。新興国での大型プロジェクトは完工リスクも伴い、財務的影響が読みづらい局面がある。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 8/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

TSMC熊本第二工場をはじめとする半導体製造拠点の国内回帰と、AI需要を背景としたデータセンターの急増が建設需要の新たな柱として台頭している。これらは高度な設備・クリーンルーム施工技術を要求するため鹿島の技術力が直接的な優位性となり、受注競争での勝率が高い。

防衛費増額に伴う基地・施設整備の発注拡大は、国家機密・セキュリティ要件を満たした施工実績を持つゼネコンに有利に働く。長期・大型の防衛関連工事は安定的な受注基盤として機能し、収益の平準化にも寄与する。

政府の原子力回帰方針を受け、既存炉の建て替えや次世代炉建設への需要が中長期で顕在化する見通しである。原子力施工実績を持つ国内ゼネコンは限られており、鹿島の参画機会は競争が限定された高採算案件となる可能性が高い。

💰 株主還元政策 7/10

配当は安定的に維持されており、業績連動での増配余地も存在する。自己資本比率は建設業として適切な水準にあり財務健全性は高い。受注残の厚みが将来キャッシュフローの可視性を高めており、長期保有時の総株主還元の蓋然性は相対的に高いと評価できる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
10年国債利回り(リスクフリーレート)+2.61%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(建設・ゼネコン)×0.74
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.81%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(R&I A+)-0.20%
当社中立CoE5.92%
悲観 CoE
8.9%
中立 CoE
5.9%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 30%
中立 45%
楽観 25%
悲観 30% — 悲観シナリオ
中立 45% — 中立シナリオ
楽観 25% — 楽観シナリオ
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥4,628/株
悲観30% / 中立45% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -742億円 / 2024年度 608億円 / 2023年度 -1,109億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥104。成長率は過去DPS CAGR(10年=21.9%、直近3年=21.5%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 30%
悲観シナリオ
¥3,144
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト8.9%
ターミナル成長率1.0%
中立 45%
中立シナリオ
¥7,273
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト5.9%
ターミナル成長率2.1%
楽観 25%
楽観シナリオ
¥8,663
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.6%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,665、配当性向39%でBPS追跡。

悲観 30%
悲観シナリオ
¥1,075
推定フェアバリュー/株
CoE8.9%
ROE(初年→10年目)-5.0%→5.4%
TV成長率1.0%
中立 45%
中立シナリオ
¥4,284
推定フェアバリュー/株
CoE5.9%
ROE(初年→10年目)7.8%→7.8%
TV成長率2.1%
楽観 25%
楽観シナリオ
¥5,033
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.4%→7.7%
TV成長率2.6%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥266、総合スコア6.6から指数関数的に倍率算出。

悲観 30%
悲観シナリオ
¥2,398
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥266
想定PER9倍
中立 45%
中立シナリオ
¥3,731
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥266
想定PER14倍
楽観 25%
楽観シナリオ
¥6,396
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥266
想定PER24倍
PBR法による価値算定を見送り
過去BPSデータの連続性に問題があるため、PBR法による価値算定を見送り(時系列に不連続な急変あり(株式分割の遡及反映が不完全な可能性))

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥266。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (8.0) 中央値 (14.5) 上位25% (33.6)
悲観 30%
悲観シナリオ
¥2,131
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER8.0倍
中立 45%
中立シナリオ
¥3,877
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER14.5倍
楽観 25%
楽観シナリオ
¥8,958
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER33.6倍

10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-06-05)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 10.7%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -21.0% / 中央 -9.0% / 上振れ 7.5%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(1000シナリオ)
下振れ ¥548 / 中央 ¥2,234 / 上振れ ¥11,923
現在 ¥5,760 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長25% 横ばい53% 衰退21% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
rate environment net interest bridge
94.3%
株主還元強化
55.9%
景気後退・需要減
50.7%
好況・上振れサイクル
48.3%
バリュエーション低下
40.8%
ordinary_nominal_recession_catchup
39.1%
利益率改善
34.5%
バリュエーション上昇
28.2%
利益率悪化
23.4%
大幅業績ショック
21.8%
TOB・買収
16.2%
構造的衰退
14.4%
distress restructuring survival
11.4%
希薄化・増資
10.8%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(1000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥5,760(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)3.75%7.25%11.75%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥1,102
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥1,102
スタート時の状態S(名目永続成長率 1.3%、直近売上成長 7.1%)

※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (30%) 中立 (45%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥3,144 ¥7,273 ¥8,663 ¥6,382
残余利益 ¥1,075 ¥4,284 ¥5,033 ¥3,509
PERマルチプル ¥2,398 ¥3,731 ¥6,396 ¥3,997
PBR分位法
PER分位法 ¥2,131 ¥3,877 ¥8,958 ¥4,623
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥4,628
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,203 割安
¥2,187
FV¥4,628 割高
¥7,263
¥9,079
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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