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1944

きんでん 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電気工事・設備工事 関西電力系・安定受注・インフラ施工 JCR AA- (stable)
現在値
時価総額
投資テーゼ
きんでんは関西電力グループ傘下の大手電気設備工事会社であり、電力インフラ・産業設備・社会インフラ分野で圧倒的な施工実績と技術力を有する。国内の脱炭素化・デジタル化投資拡大を背景に受注増勢が続き、FY2025の売上・営業利益ともに過去最高水準を更新している。PBR1倍前後の割安感と増配基調が継続しており、インフラ関連の安定成長銘柄として評価が高まりつつある。
7
競争優位性
業界内MOAT
7
業界成長性
セクター動態
6
リスク耐性
財務・事業安定性
7
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
6.8/10
競争優位性
7
業界成長性
7
リスク耐性
6
株主還元
7
見通し
7
📋 事業内容
7,507億円
売上高
FY2026実績
694億円
親会社帰属
純利益
877億円
営業CF
FY2026実績
72.3%
自己資本
比率
10.5%
ROE
FY2026

株式会社きんでんは関西電力グループの中核企業として、電力流通設備・発電設備・産業設備・社会インフラ設備の設計・施工・保守を主業とする大手電気工事会社である。本社を大阪に置き、全国展開する拠点網と約2万人規模の技術者集団を擁する。電力会社向け工事から半導体工場・データセンターなど産業向け電気設備工事まで幅広い施工領域を持ち、近年は環境・再生可能エネルギー関連工事の受注拡大が顕著である。売上規模は約7,000億円超とセクター最大級であり、安定した受注残高を背景に増収増益基調が続いている。

競争優位性(業界内MOAT) 7/10

①関西電力グループとの強固な取引関係

関西電力グループの系列会社として電力インフラ工事を安定的に受注できる基盤を持つ。電力会社向けの大型工事は技術・安全基準が極めて厳格であり、既存の信頼関係なしに参入することは事実上困難。この関係性が安定した収益の源泉となっている。

②高圧・超高圧電気工事の専門技術力

超高圧変電設備や送電線工事など、高度な技術資格と施工経験が必要な領域で長年実績を積み上げてきた。有資格技術者の育成・確保において業界最高水準を維持しており、競合他社が容易に模倣できない技術的参入障壁を形成している。

③大規模プロジェクト管理のノウハウ蓄積

複数の専門工種を統合した大規模設備工事の施工管理能力は、長年の経験によって培われた組織的資産である。複合工事における工程管理・品質管理・安全管理の統合運営能力は顧客からの高い評価につながり、継続受注の源泉となっている。

📈 業界の成長性・セクター動態 7/10

中期見通し

2〜3年の視点では、国内の大型データセンター新設・半導体工場建設ラッシュに伴う電気設備工事需要が旺盛である。また政府の2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた電力インフラ整備加速が受注残高を押し上げており、FY2026以降も増収トレンドが継続すると見込まれる。人件費・資材コスト上昇は単価転嫁で吸収できる局面にあり、利益率の改善余地もある。

長期構造的トレンド

5〜10年の超長期では、再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統安定化投資・蓄電設備工事、EV充電インフラ整備、スマートグリッド化への対応など巨大な設備投資が見込まれる。また老朽化した電力インフラの大規模更新需要も持続的に発生する。さらに東南アジアなど新興国での電力インフラ整備需要の取り込みも中長期の成長ドライバーとなり得る。

⚠️ リスクファクター分析 6/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク資材・人件費の高騰による採算悪化

電気工事に必要な銅線・変圧器などの資材価格上昇と、有資格技術者の採用難による人件費高騰が利益率を圧迫するリスクがある。受注時の単価転嫁が追いつかない場合、採算悪化が収益に直撃する。

高リスク大口顧客・関西電力グループへの依存リスク

関西電力グループからの受注比率が高く、同グループの投資計画変更や業況悪化の影響を直接受けやすい。顧客集中によるリスクは事業の安定性を低下させる可能性がある。

中リスク大型工事での施工トラブル・品質問題

大規模インフラ工事では設計ミスや施工不良が発生した場合、損失補填・補修費用が多額に上る可能性がある。特に原子力関連設備など高度な品質要求を伴う工事でのトラブルは信用棄損につながるリスクもある。

中リスク技術者不足・高齢化による施工能力の低下

建設・電気工事業界全体で深刻な技術者不足と高齢化が進んでいる。受注拡大局面で十分な施工リソースを確保できない場合、受注機会の損失や工期遅延によるペナルティが発生するリスクがある。

低リスク海外事業の地政学的リスク

東南アジアなど海外での事業展開を進める場合、現地の政治情勢・規制変更・為替変動などのカントリーリスクにさらされる可能性がある。現時点での海外依存度は低いが、将来の成長戦略上のリスクとして注視が必要である。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

データセンター・半導体工場の電気設備工事急増

国内でのデータセンター建設ラッシュおよび半導体工場の新設・増設計画が相次いでおり、大規模電気設備工事の需要が急拡大している。技術力と施工実績を持つきんでんにとって最大の収益拡大機会となっている。

再生可能エネルギー・系統安定化投資の拡大

太陽光・洋上風力発電の大量導入に伴う送配電網の増強・スマートグリッド化工事、蓄電池設備工事の需要が中長期的に拡大する。電力インフラ施工の専門性が高く評価される分野であり、受注拡大余地が大きい。

EV充電インフラ・スマートビル設備の整備需要

EV普及に伴う急速充電器設置工事やBEMS(ビルエネルギー管理システム)導入工事など、新たな電気設備領域での需要が顕在化しつつある。既存の顧客基盤・施工網を活用した横展開により、新規収益源として育成が期待できる。

💰 株主還元政策 7/10

きんでんは増配を継続的に実施しており、FY2019のDPS30円からFY2025の90円へと6年間で3倍増の実績を持つ。配当性向は約38%程度で財務的余裕を残しており、今後も業績連動での増配が期待できる。自己株買いを組み合わせた機動的な資本効率改善も検討課題として意識されており、PBR改善を目指した総還元強化の可能性がある。安定したOCF創出を背景とする株主還元の継続性は高いと評価できる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(建設・ゼネコン)×0.74
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.81%
リスク耐性スコア調整(6/10)+0.00%
MOAT スコア調整(7/10)-0.30%
格付け調整(JCR AA-)-0.50%
当社中立CoE6.71%
悲観 CoE
9.7%
中立 CoE
6.7%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(6/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 34%
中立 43%
楽観 23%
悲観 34% — 受注失速・コスト高止まり
中立 43% — インフラ投資拡大で着実成長
楽観 23% — 脱炭素・DX需要急拡大で急成長
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥6,747/株
悲観34% / 中立43% / 楽観23%
リスク耐性スコア 6/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2026年度 278億円 / 2025年度 282億円 / 2024年度 163億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥130。成長率は過去DPS CAGR(10年=16.4%、直近3年=48.1%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。

悲観 34%
受注失速・コスト高止まり
¥2,777
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト9.7%
ターミナル成長率0.8%
中立 43%
インフラ投資拡大で着実成長
¥11,467
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.7%
ターミナル成長率1.8%
楽観 23%
脱炭素・DX需要急拡大で急成長
¥40,769
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率3.1%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥3,338、配当性向37%でBPS追跡。

悲観 34%
受注失速・コスト高止まり
¥1,549
推定フェアバリュー/株
CoE9.7%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.5%
TV成長率0.8%
中立 43%
インフラ投資拡大で着実成長
¥5,459
推定フェアバリュー/株
CoE6.7%
ROE(初年→10年目)9.1%→9.1%
TV成長率1.8%
楽観 23%
脱炭素・DX需要急拡大で急成長
¥8,271
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.8%→8.8%
TV成長率3.1%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥351、総合スコア6.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 34%
受注失速・コスト高止まり
¥3,505
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥351
想定PER10倍
中立 43%
インフラ投資拡大で着実成長
¥5,258
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥351
想定PER15倍
楽観 23%
脱炭素・DX需要急拡大で急成長
¥8,763
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥351
想定PER25倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.73倍、現BPS=¥3,338。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.59) 中央値 (0.73) 上位25% (0.88)
悲観 34%
受注失速・コスト高止まり
¥1,977
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.59倍
中立 43%
インフラ投資拡大で着実成長
¥2,443
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.73倍
楽観 23%
脱炭素・DX需要急拡大で急成長
¥2,927
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR0.88倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥351。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (12.7) 中央値 (15.9) 上位25% (23.9)
悲観 34%
受注失速・コスト高止まり
¥4,459
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER12.7倍
中立 43%
インフラ投資拡大で着実成長
¥5,579
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER15.9倍
楽観 23%
脱炭素・DX需要急拡大で急成長
¥8,379
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER23.9倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 9.0%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -12.7% / 中央 -2.7% / 上振れ 7.7%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥668 / 中央 ¥3,275 / 上振れ ¥12,322
現在 ¥8,310 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.2%
10年後の状態: 成長27% 横ばい64% 衰退8% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
株主還元強化
51.9%
景気後退・需要減
51.8%
好況・上振れサイクル
45.3%
バリュエーション低下
44.9%
利益率改善
28.6%
バリュエーション上昇
25.7%
利益率悪化
23.2%
大幅業績ショック
22.2%
構造的衰退
11.8%
競争優位低下
11.2%
過剰債務・既存株主毀損
9.3%
TOB・買収
4.6%
希薄化・増資
2.5%
倒産・上場廃止
1.9%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥8,310(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.77%8.27%12.77%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥3,551
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥3,551
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 8.4%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (34%) 中立 (43%) 楽観 (23%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥2,777 ¥11,467 ¥40,769 ¥15,252
残余利益 ¥1,549 ¥5,459 ¥8,271 ¥4,776
PERマルチプル ¥3,505 ¥5,258 ¥8,763 ¥5,468
PBR分位法 ¥1,977 ¥2,443 ¥2,927 ¥2,396
PER分位法 ¥4,459 ¥5,579 ¥8,379 ¥5,842
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥6,747
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,569 割安
¥2,853
FV¥6,747 割高
¥13,822
¥17,278
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
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