株譜kabufu
📊 概要・チャート・財務 📋 銘柄分析スクリーニング一覧へ 🏭 建設業の業界分析

1950

日本電設工業 銘柄分析・適正株価・割安/割高判定
東証プライム 電気設備工事 インフラ受注・安定収益モデル
現在値
時価総額
投資テーゼ
日本電設工業は鉄道・電力・通信インフラを主軸とする電気設備工事の老舗専業大手で、JR東日本との深い協業関係が受注基盤を支える。国内インフラ老朽化更新・再生可能エネルギー拡大・データセンター建設急増が中期成長ドライバーとなり、売上は直近3期で2,169億円まで拡大基調。PER水準は割安感があり、増配トレンドも続いており、配当利回りが評価の下値を支えるバリュー+グロース銘柄として位置づけられる。
5
競争優位性
業界内MOAT
6
業界成長性
セクター動態
5
リスク耐性
財務・事業安定性
6
株主還元
配当・自社株買い
7
見通し
上振れ経路の確度
総合スコア
5.8/10
競争優位性
5
業界成長性
6
リスク耐性
5
株主還元
6
見通し
7
📋 事業内容
2,169億円
売上高
FY2025実績
132億円
親会社帰属
純利益
-43億円
営業CF
FY2025実績
66.0%
自己資本
比率
6.7%
ROE
FY2025

日本電設工業(1950)は1942年創業の電気設備工事専業大手で、鉄道・電力・通信・ビルを主要セグメントとする。東証プライム上場。JR東日本グループとの緊密な関係を軸に、新幹線・在来線の電気設備から変電所・信号・通信インフラまで手掛ける。近年はデータセンター・再生可能エネルギー関連工事の拡大にも注力し、売上は直近期で2,169億円を達成。国内インフラ維持更新サイクルの本格化を背景に受注残高は高水準を維持しており、中長期の業容拡大が見込まれる。

競争優位性(業界内MOAT) 5/10

①鉄道電気設備の専門技術・認定資格

新幹線や都市鉄道の電気・信号・通信設備は国土交通省の認定や独自技術が必要で、参入障壁が高い。同社は数十年に及ぶ施工実績と技術蓄積を持ち、JR各社からの指名受注が継続する。安全性重視の鉄道インフラでは既存業者への信頼が優先され、競合排除効果が働きやすい。

②JR東日本との長期戦略的取引関係

JR東日本は日本電設工業の筆頭株主かつ主要発注元であり、グループ内外の電気設備案件において優先的な受注機会を享受している。この関係性は容易に代替されず、安定した売上基盤を形成する。JR東日本の設備投資計画に連動した受注見込みが立てやすい点も強みである。

③多様なインフラ領域にまたがる施工能力

電力・通信・交通・建築設備と幅広い電気工事領域をカバーする総合力は、単一分野専業他社にはない競争優位となる。顧客の複合的なニーズに対してワンストップ対応が可能であり、大型複合プロジェクトでの元請け受注を獲得しやすい。多領域の技術者・施工チームを社内に保有する点も模倣困難な強みである。

📈 業界の成長性・セクター動態 6/10

中期見通し

FY2026~2028にかけてはデータセンター向け大型電気工事・再エネ系統連系工事の増加が牽引役となり、売上2,300億円超を目指す展開が想定される。国の「GX(グリーントランスフォーメーション)」投資計画や電力網強化策が後押しとなり、電気工事需要は構造的な上昇局面にある。人材確保・生産性向上が課題だが、省力化投資や協力会社との連携強化で対応する方針。営業利益率は10%超への改善余地がある。

長期構造的トレンド

日本のインフラ老朽化は2030年代にかけて更新投資のピークを迎えるとされ、鉄道・電力・通信の三大インフラすべてで大規模更新工事が計画されている。また、再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統増強工事・蓄電池設備・EV充電インフラ整備は10年単位で持続的な需要を生む。加えて、AIインフラとしてのデータセンター建設の急拡大が電気設備工事の中核的な需要源として台頭しており、長期的な受注環境は良好である。

⚠️ リスクファクター分析 5/10

スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。

高リスク人材不足・技術者確保困難

建設・電気工事業界全体で技術者・施工管理者の高齢化と若手不足が深刻化している。採用難や労務費高騰が続けば、受注増加局面でも施工能力が制約され、収益性の悪化や受注辞退につながるリスクがある。

高リスク原材料・資材価格高騰

銅・鋼材・電線など主要資材の価格は国際商品市況や円安の影響を受けやすく、固定価格契約案件では利益を圧迫する。インフレ継続局面では既受注案件の採算悪化リスクが高まり、FY2025のFCFマイナスのような現金流出が繰り返される可能性がある。

中リスクJR東日本依存による受注集中リスク

JR東日本グループが主要発注元であるため、同社の設備投資計画の変更・縮小が直接的な受注減に直結するリスクがある。公共・民間への受注分散が戦略的課題であり、依存度低減が求められる。

中リスクキャッシュフローの変動性

大型工事の進行に伴い、OCFやFCFの年度間変動が大きい。FY2025はOCF-43億・FCF-101億と大幅なキャッシュアウトとなった。運転資金の需要増や工事原価の前払いが続く局面では流動性管理に注意が必要である。

低リスク大規模自然災害・事故リスク

施工中の大型事故や自然災害による工事中断・損害賠償は財務に影響しうる。安全管理体制の強化が進んでいるが、地震多発国である日本では施工現場の被災リスクはゼロではない。

💡 見通し(上振れ経路と実現確度) 7/10

業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。

データセンター建設ラッシュ

AI・クラウド需要拡大に伴い日本国内でのデータセンター投資が急増しており、大規模電気設備工事の発注が急拡大している。同社の高圧受変電・幹線工事の技術力は大型DC案件に直結し、今後数年間の有力な成長ドライバーとなる。

再生可能エネルギー系統連系工事

洋上風力・太陽光の大規模導入に不可欠な系統連系工事・変電所増設は国策として進められている。電気設備工事の最大需要源のひとつであり、GX関連投資が本格化するFY2026以降の受注増加が期待できる。

海外インフラ輸出・ODA案件

東南アジアを中心とした新興国の都市鉄道・電力インフラ整備においてODA案件への参画機会がある。国内市場の飽和に備えた中長期的な多角化の選択肢として、海外事業の拡大余地が存在する。

💰 株主還元政策 6/10

同社はFY2019のDPS35円からFY2025のDPS90円へ6年間で2.6倍に増配しており、株主還元の強化が明確なトレンドとなっている。配当性向はEPSの約40%程度で推移しており、持続可能な水準。自社株買いも機動的に実施されており、総還元性向の向上姿勢が見られる。現在の株価水準(4,890円)に対する配当利回りは約1.8%。業績拡大に伴う増配継続が期待でき、株主還元の観点からも評価できる。

EPS / DPS 長期推移(年次・全期間)
EPS(1株益) DPS(1株配当年間)
⚖️ 内在価値の推定(確率加重フェアバリュー)
📐 株主資本コスト(CoE)の算出
30年国債利回り(リスクフリーレート)+3.70%
成熟市場ERP(Damodaran)+4.23%
日本カントリーリスクプレミアム+0.91%
業種ベータ(建設・ゼネコン)×0.74
 → 業種調整後の市場リスクプレミアム+3.81%
リスク耐性スコア調整(5/10)+0.00%
MOAT スコア調整(5/10)+0.00%
当社中立CoE7.51%
悲観 CoE
10.5%
中立 CoE
7.5%
楽観 CoE
6.0%
リスク耐性スコア(5/10)を用いて3シナリオに確率ウェイトを配分。安定性が高いほど中立シナリオの比重が増し、リスクが高いほど悲観・楽観シナリオの比重が増加する。各モデルの確率加重平均を等ウェイトで平均した値を総合フェアバリューとして表示。
悲観 35%
中立 40%
楽観 25%
悲観 35% — 受注減・コスト高騰
中立 40% — 安定成長継続
楽観 25% — インフラ特需フル活用
総合フェアバリュー(確率加重・4モデル平均)
¥3,717/株
悲観35% / 中立40% / 楽観25%
リスク耐性スコア 5/10 より算出
DCF法による算定を見送り
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -101億円 / 2024年度 32億円 / 2023年度 8億円

2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥90。成長率は過去DPS CAGR(10年=13.1%、直近3年=42.7%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。

悲観 35%
受注減・コスト高騰
¥1,407
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト10.5%
ターミナル成長率0.7%
中立 40%
安定成長継続
¥4,446
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト7.5%
ターミナル成長率1.6%
楽観 25%
インフラ特需フル活用
¥15,000
推定フェアバリュー/株
株主資本コスト6.0%
ターミナル成長率2.8%

2段階残余利益モデル。BPS₀=¥3,321、配当性向40%でBPS追跡。

悲観 35%
受注減・コスト高騰
¥1,374
推定フェアバリュー/株
CoE10.5%
ROE(初年→10年目)-5.0%→6.5%
TV成長率0.7%
中立 40%
安定成長継続
¥4,342
推定フェアバリュー/株
CoE7.5%
ROE(初年→10年目)8.9%→8.9%
TV成長率1.6%
楽観 25%
インフラ特需フル活用
¥7,684
推定フェアバリュー/株
CoE6.0%
ROE(初年→10年目)12.5%→8.8%
TV成長率2.8%

PERマルチプル法。ピークEPS=¥224、総合スコア5.8から指数関数的に倍率算出。

悲観 35%
受注減・コスト高騰
¥2,015
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥224
想定PER9倍
中立 40%
安定成長継続
¥2,910
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥224
想定PER13倍
楽観 25%
インフラ特需フル活用
¥4,924
推定フェアバリュー/株
ピークEPS¥224
想定PER22倍

過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.70倍、現BPS=¥3,321。

PBR推移(月次・全期間)
PBR月次 下位25% (0.58) 中央値 (0.70) 上位25% (0.88)
悲観 35%
受注減・コスト高騰
¥1,931
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PBR0.58倍
中立 40%
安定成長継続
¥2,317
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PBR0.70倍
楽観 25%
インフラ特需フル活用
¥2,937
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PBR0.88倍

過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥224。

PER推移(月次・全期間、赤字年除外)
PER月次 下位25% (11.5) 中央値 (13.4) 上位25% (15.8)
悲観 35%
受注減・コスト高騰
¥2,578
推定フェアバリュー/株
分位下位25%
適用PER11.5倍
中立 40%
安定成長継続
¥3,010
推定フェアバリュー/株
分位中央値
適用PER13.4倍
楽観 25%
インフラ特需フル活用
¥3,535
推定フェアバリュー/株
分位上位25%
適用PER15.8倍

10年後の株価を 5000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-05-10)

総合判定(期待利回り vs 必要利回り)
回避
期待年利が必要利回りを上回る確率: 5.6%
期待年利(10年保有した場合)
下振れ -11.9% / 中央 -2.7% / 上振れ 6.3%
中央シナリオで必要利回り(7〜8%目安)を超えるか
10年後株価の幅(5000シナリオ)
下振れ ¥540 / 中央 ¥1,726 / 上振れ ¥5,110
現在 ¥4,730 → 分布の下から 1%地点(低いほど割安)
10年以内の倒産・上場廃止確率
0.4%
10年後の状態: 成長19% 横ばい63% 衰退17% 倒産・上場廃止0%
事象タグ別の10年発生確率
景気後退・需要減
49.7%
株主還元強化
49.0%
好況・上振れサイクル
44.3%
バリュエーション低下
35.2%
利益率改善
29.8%
バリュエーション上昇
27.3%
大幅業績ショック
21.2%
利益率悪化
21.2%
競争優位低下
14.3%
構造的衰退
12.8%
TOB・買収
12.6%
希薄化・増資
4.1%
過剰債務・既存株主毀損
4.1%
倒産・上場廃止
2.5%
銘柄の状態、業種の景気敏感度、スコア、資本効率、現在PBRなどから各事象の露出度を作り、EPS/BPSシミュレーション内で発生させています。
📊 10年後の株価予想分布(5000通りのシナリオ)
横軸 = 10年後の株価 / 縦軸 = その株価に到達するシナリオ数。 現在 ¥4,730(赤線)より右に分布があれば株価上昇期待、左なら下落リスク。
株価の10年推移予想(中央線=中央シナリオ、帯=下振れ〜上振れ)
入力値 / 各モデルの結果下振れ中央上振れ
必要利回り(株主資本コスト)4.77%8.27%12.77%
成長持続年数(競争優位性に連動)7年10年13年
EPS/BPS-first MC 適正株価(中央)¥2,085
10年後EPS/BPS×出口評価(中央)¥2,085
スタート時の状態S(名目永続成長率 0.5%、直近売上成長 5.5%)

※ 試算精度について:現在は 5000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。

評価モデル 悲観 (35%) 中立 (40%) 楽観 (25%) 加重平均
DCF
配当割引 ¥1,407 ¥4,446 ¥15,000 ¥6,021
残余利益 ¥1,374 ¥4,342 ¥7,684 ¥4,139
PERマルチプル ¥2,015 ¥2,910 ¥4,924 ¥3,100
PBR分位法 ¥1,931 ¥2,317 ¥2,937 ¥2,337
PER分位法 ¥2,578 ¥3,010 ¥3,535 ¥2,990
モデル平均 ↑ 各モデルの確率加重平均 ¥3,717
📊 株価チャート
バリュエーションゾーン
¥1,024 割安
¥1,861
FV¥3,717 割高
¥6,816
¥8,520
本レポートは公開情報(有価証券報告書・IR資料・各種統計)に基づく定性・定量分析であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。財務数値はEDINET開示データより自動取得しており、最新の決算発表を反映していない場合があります。割引率は NYU Stern Damodaran (Jan 2026) の Japan ERP および日本国債利回りを基に算定。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。
利用規約 | プライバシーポリシー | サイトマップ