2270 雪印メグミルク 銘柄分析・適正株価
5.6Sol 個別レビュー
投資テーゼ
FY27会社EPS413円は本社売却益を含むため、主評価の年0正常化EPSは230円とした。現値3,655円は正常化EPSの約15.9倍。ブランド・冷蔵流通と構造改革を認めつつ、資本コスト7.16%で数量・原価・設備投資を厳格に置く。
主な懸念
Q1純利益145億円には固定資産売却益174億円があり、営業利益37億円と分離する。買戻し、政策株売却、土地売却、設備集約を継続利益へ二重計上しない。
シナリオ内訳
| シナリオ | 確率 | 妥当価値 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 乳価・原料高と数量崩壊 | 10.0% | 396円 | 乳価・包装・物流・電力上昇を転嫁できず、人口減とPBで数量を失う。 |
| 価格改定後の数量減と成熟 | 25.0% | 1,166円 | 価格改定で売上は保つが数量減、販促、固定費が利益を圧迫。 |
| ブランドmixと構造改革 | 42.0% | 3,566円 | チーズ・機能性・白物のmix、価格転嫁、省人化で低成長でも利益率を改善する。 |
| 機能性・チーズ・海外成長 | 18.0% | 6,126円 | 国内高付加価値と海外・応用事業が人口減を上回る。 |
| 乳由来機能性・精密発酵プラットフォーム | 5.0% | 12,029円 | 機能性素材・代替食品・精密発酵が乳業を高付加価値化する低確率ケース。 |
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
同社は加工食品や調味料などを通じて、家庭や業務の食需要を支える。毎日の食卓に近いぶん、派手さはなくても継続需要が見込みやすい。味の再現性と供給の安定が何よりの価値になる。定番を守りつつ、新しい提案で棚を広げられるかが大切だ。
食品ではブランド認知、棚取り、品質の安定が堀の中心になる。生活者に繰り返し選ばれる商品を持つ企業は、価格以外の理由を作りやすい。流通との関係や製造の細かな運営力も、見えにくい強みとして効く。とはいえ比較されやすい市場だけに、堀の維持には手入れが欠かせない。
成長の角度は高くなくても、高付加価値化や販路拡張で質を高める余地はある。家庭内需要に加え、業務向けや周辺カテゴリへ広げられれば厚みが出る。健康、簡便、個食といった流れを捉えられる企業は見通しを作りやすい。成熟市場でも、提案のうまさ次第で差は生まれる。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
原材料の価格や調達環境が揺れると、利益の見え方が崩れやすい。値上げの浸透に時間がかかる場面は重い。
流通での競争が強まると、定番でも置き場を守る努力が要る。販促負担が膨らむと収益性が薄くなりやすい。
大きな市場拡大が見込みにくく、同じ棚の奪い合いになりやすい。新鮮味を欠くと存在感が弱まりやすい。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
品質や利便性で選ばれる商品が増えれば、価格勝負を和らげやすい。成熟市場でも印象を変えられる。
業務用や新しい食シーンへ広がれば、定番依存を和らげやすい。見通しの厚みづくりにつながる。
地味でも長く支持される商品は、守りの強さとして見直されやすい。安定株としての評価にもつながる。
食品は守りの効く業態として、還元の継続性が見られやすい。もっとも原料や物流への投資を怠ると、短期の配分は長続きしない。事業基盤を守りながら株主にも向き合う姿勢が望ましい。安定感のある配分は、企業の成熟度を映す鏡になりやすい。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のFCFブレが30%超のため、DCF法による算定を見送り(年次変動が大きく将来推計が困難)
直近3期FCF: 2025年度 26億円 / 2024年度 242億円 / 2023年度 72億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥100。成長率は過去DPS CAGR(10年=10.3%、直近3年=18.6%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(11年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥3,624、配当性向49%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥221、総合スコア4.8から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.91倍、現BPS=¥3,624。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥221。
10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 3.00% | 5.50% | 10.00% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥3,544 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥4,265 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 1.1%、直近売上成長 3.3%) | ||
※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (29%) | 中立 (48%) | 楽観 (23%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,907 | ¥5,228 | ¥5,767 | ¥4,389 |
| 残余利益 | ¥1,501 | ¥5,031 | ¥4,136 | ¥3,801 |
| PERマルチプル | ¥1,765 | ¥2,648 | ¥4,192 | ¥2,747 |
| PBR分位法 | ¥2,855 | ¥3,314 | ¥4,153 | ¥3,374 |
| PER分位法 | ¥2,220 | ¥2,936 | ¥3,582 | ¥2,877 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥3,438 | ||
¥2,050 FV¥3,438 割高
¥4,366 ¥5,458