オプション研究
「オプション」は、株や指数を決めた値段で売り買いする約束(=一種の保険)を売買するしくみです。
保険を売る側は保険料(プレミアム)を受け取れますが、大きく動くと払う側になります。
その保険料が割高かどうかを表すのが IV(インプライドボラティリティ=予想される値動きの大きさ)。IVが高い=保険料が割高=売り手に有利、という関係です。
このページでは「どんな売り方/買い方が、過去に長く続けて得だったか」「今はどんな相場か」を、実際の数字で確かめられます。
📊 きょうの市況シグナル
このタブでわかること:いまの相場が「オプション売り」に向いているかを、16の資産についてまとめて確認できます。保険料(IV)が普段より高いほど、売り手にとって有利なサインです。
🧭 いまの環境は?
下のカードは、各資産の保険料の割高度(IVランク)を見て「売りやすい環境か」をざっくり判定したものです。緑が多いほど、いま保険料が割高=売り手に追い風、という目安です。
📋 きょうの市場スナップショット
表の見かた:IVランクが高い(緑)=保険料がこの1年で割高な水準=売り妙味あり。VRPがプラスなら「保険料の取りすぎ」が起きていて、売り手に有利です。
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用語:IV=予想される値動きの大きさ(保険料の割高度)/IVランク1y=この1年でどのくらい高い位置か(0〜100、高いほど割高)/IV%ile=同じく百分位/RV20=直近20日の実際の値動き(実現ボラ)/VRP=IV−実際の値動き(保険料の取りすぎ分)。
🎯 この環境でのおすすめ戦略過去統計
いまのIV環境(割高/割安)と同じ条件だった過去の局面だけを取り出して、そこで成績が良かった戦略を並べたものです。将来を保証するものではありません。カードをクリックすると「戦略をためす」タブでその設定を再現できます。
🏆 全期間で強かった戦略全期間トップ5
約7,800通りの設定を全部試したなかで、リスクに対する儲けの効率(シャープレシオ)が高かった上位5つです。カードをクリックすると「戦略をためす」タブでその設定を再現できます。売り戦略は成績が良く見えやすい点に注意(くわしくは「この研究について」)。
📐 保険料のかたち(スキュー・期間構造)
下ほど安心を買う人が多いので、下側の保険(プット)ほど保険料率(IV)が高くなります。ATM(いまの価格ちょうど)からの距離でどう変わるかの実測です。左軸が保険料率(IV)、右軸が保険料そのもの(現在値に対する%)です。
⏳ 時間で目減りする保険料(シータの目安)
オプションを売ると、何も起きなくても1日ごとに保険料が少しずつ目減りし、それが売り手の利益になります(=シータ)。下の表は、いまの保険料と価格から計算したATM(現在値ちょうど)オプションの1日あたりの目減り額の概算です(ブラック・ショールズ理論による概算値)。
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🧪 戦略をためす
このタブでわかること:資産・戦略・条件を自分で選んで、その売買を過去ずっと続けていたらどうなったかを、成績グラフと数字で確かめられます。売り戦略は成績が良く見えやすい点に注意(この研究について)。
まず5つを選びます。モネネス=いまの価格から何%離れたところで約束するか(−5%=5%下で売る約束)/DTE=満期までの日数/IVフィルタ=「保険料が高いときだけ売る」などのタイミング条件。
資産の増え方(エクイティカーブ)対数軸・危機の帯つき
見かた:線が右肩上がりで、へこみ(下落)が浅いほど良い戦略です。灰色の点線は「同じ資産をただ買って持っていた場合」。縦の灰色帯は過去の相場ショックの時期です。
どれだけへこんだか(最大ドローダウン)
見かた:0に近いほど安全。下に大きく落ちるほど、途中で資産が大きく減った(=つらい時期があった)ことを表します。
直近1年の成績の推移
「その時点から過去12ヶ月」のもうけ。0より上ならプラスの年でした。
効率の推移(36ヶ月シャープ)
「その時点から過去3年」のリスク効率。1より上なら優秀な時期。
成績まとめ(数字で確認)
数字の意味:シャープ=リスク1単位あたりの儲け(1超なら優秀)/最大DD=途中で最大何%へこんだか/ソルティノ・Calmar=下落リスクだけで見た効率/勝率=プラスで終わった取引の割合。
リスクをそろえたら?(同じ危険度で指数と勝負)
シャープが高くても、この戦略はリスク(値動きの幅)が小さいと儲けの「額」は小さいままです。そこでただ買って持つ場合と同じリスク量まで倍率(レバレッジ)をかけたら、もうけがどう変わるかを示します。年率の値動き幅をそろえる場合と、最大のへこみをそろえる場合の2通りです。
資産の増え方の比べっこ(対数軸・戦略そのまま/リスクそろえ/ただ買い持ち)
設定を少し変えたら?(近傍比較)
いまの設定を基準に、価格からの距離・満期・タイミング条件だけを1つずつ動かすと効率(シャープ)がどう変わるかを並べました。青が今の設定です。
モネネス(価格からの距離)
DTE(満期までの日数)
IVフィルタ(建てる条件)
年ごとの成績(戦略 vs ただ買い持ち)
緑がプラス、赤がマイナスの年。下段の「B:」は同じ資産をただ買って持った場合です。
相場ショックのときの成績(イベント別)
リーマン・コロナ・2022年の利上げなど、過去の大きな下落局面でこの戦略がどれだけ耐えた/損したかを、ただ買い持ちと比べます。
🏆 最強ランキング
このタブでわかること:約7,800通りの戦略パラメータを全部試して、成績順に並べたものです。行をクリックすると「戦略をためす」タブでその設定を再現できます。売り戦略はシャープが良く見えやすいので、ソルティノ・Calmar・最大DDも一緒に見てください(この研究について)。
並べ替えの基準:シャープ=効率(1超で優秀)/ソルティノ=下落だけで見た効率/Calmar=もうけ÷最大のへこみ/CAGR=年あたりのもうけ/同リスクCAGR=指数と同じリスク量にそろえた時のもうけ(後述)/最大DD=最大のへこみ。
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ひと目でわかる成績地図(ヒートマップ)
見かた:資産と戦略を1つずつに絞ると、満期の長さ×価格からの距離のマス目を色分けします。緑が濃いほど好成績、赤が濃いほど不調。マスをクリックすると「戦略をためす」タブへ。
🗓️ いつ効いた?
このタブでわかること:戦略の成績を「いつ効いたか」で分解します。年ごと・相場ショックごと・「保険料が高いときだけ売ったか」の3つの角度で見比べられます。
年ごとの成績地図(戦略 × 年)
見かた:緑がプラスの年、赤がマイナスの年。横に見ると「その戦略が良かった年・悪かった年」が、縦に見ると「その年に強かった戦略」がわかります。行をクリックすると「戦略をためす」タブへ。
相場ショックのときの成績(戦略 × イベント)
リーマン・コロナなど過去の大きな下落局面ごとに、どの戦略が耐えた(緑)/損した(赤)かを並べます。
「保険料が高いときだけ売る」と得か?(IV条件別)
見かた:同じ戦略・同じ設定で、建てるタイミングの条件だけを変えた比較です。「保険料がとても高い(hi75)」の行でCAGRやシャープが良くなっていれば、高いときだけ売るのが有利だったサインです。
※ 売り戦略はシャープが良く見えやすい点に注意(この研究について)。
💧 売りの旨み(VRP)
このタブでわかること:VRP(保険料の取りすぎ分)を見ます。VRP=IV(予想された値動き)−実際の値動き。プラスが大きいほど、保険を売った人が得しやすい相場です。オプション売りの利益のみなもとがこれです。
予想の値動き vs 実際の値動き vs 取りすぎ分(月ごと)
見かた:青(IV=予想)が緑(実現ボラ=実際)より上にあるほど、保険料を取りすぎ=売り手に有利。その差が緑の太線(VRP)です。0より上ならプラス。
資産を横に並べて比較(最新)
見かた:棒が長い(上にある)ほど、いま売りの旨みが大きい資産です。左は取りすぎ分(VRP)、右は保険料の割高度(IVランク)。
いまの取りすぎ分 VRP(IV−実際の値動き)
いまの保険料の割高度 IVランク(1年, 0〜100)
保険料のかたち(期間構造・スキュー)蓄積中
見かた:満期の長さごとの保険料(ATM IV)と、下落保険(25デルタ・プット)・上昇保険(25デルタ・コール)の割高さ。プットの線が上にあるほど、下落への備えが割高(スキューが強い)。データは2026-07-20以降に蓄積中でまだ疎です。
🧩 組み合わせ
このタブでわかること:複数の戦略をまぜて(等ウェイトで合成して)持つと、成績が良くなるかを試します。値動きの向きが違う(相関が低い)ものを組むと、効率(シャープ)が上がりやすいのがポイント。最大4つまで。
下で1つ選んで「+ 追加」を押すと組み合わせに入ります。まずは下のプリセットを試すのが手軽です。
まぜた場合の資産の増え方(対数軸)
見かた:黒の太線が「まぜて持った場合」。細い各色(個別戦略)より、黒線のへこみが浅く右肩上がりなら、まぜた効果ありです。
値動きの似ぐあい(相関行列)
見かた:青(数字が0や小さい)=値動きが似ていない=まぜる効果が大きい。赤(1に近い)=値動きがそっくりで、まぜても分散になりにくい、という意味です。
2つ以上の戦略を追加してください。
個別 vs まぜた場合の比べっこ
一番下の「合成」の行が、個別の平均よりシャープが高ければ、まぜたことで効率が上がったということです。
📘 この研究について
このタブでわかること:この研究のやり方と、正直に知っておいてほしいクセ・注意点、そして用語のかんたん辞典です。数字を見る前にここを読むと、結果を正しく受け取れます。
何をしている研究か
株価指数・金・原油・為替・大型個別株など16の資産について、プット売り・ストラドル売り・カバードコールなど8つのオプション戦略を、 約7,800通りの設定(価格からの距離・満期・建てるタイミング条件)で、過去のデータに当てはめて計算しています。 保険料(オプション価格)は、各資産の「予想される値動きの大きさ(IV)」からブラック・ショールズという教科書的な計算式で理論値を出しています。 その結果を、もうけ・効率・へこみ具合などの数字で比べられるようにしたのが、このページです。
正直に知っておいてほしいこと(クセ・注意点)
- 売り戦略は、実際より少し良く見えます。 保険料は「IVから5%だけ差し引いた値」で売れる前提にしています(=保険料の取りすぎ分をほぼ満額もらえる想定)。現実はここまで有利には売れません。
- 計算はシンプルな前提です。 月末に決済、途中で権利行使しない、下落保険の割高さ(スキュー)は考えない、金利と配当は0、としています。
- 「シャープ」は売り戦略をひいき目に評価します。 シャープは「値動きが左右対称」と仮定しますが、売り戦略はふだん小さく勝って、たまに大きく負ける形です。だからソルティノ・Calmar・最大DD(下落だけを見る数字)も必ず一緒に確認してください。
- 日経225の保険料は暫定値です。 本物の「日経VI(日経の恐怖指数)」がたまるまで、実際の値動きから推定した代わりの値を使っています。
- 一部データには終わりがあります。 STOXX50の恐怖指数は2016年で、EURUSDは2025年3月で計測が終わっており、それ以降はテストできません。
- 手数料は差し引き済みです。 「CAGR」と「シャープ」だけ手数料込み(グロス)と手数料引き後(ネット)の両方を持ち、それ以外の数字はすべて手数料引き後(ネット)です。
- これは投資助言ではありません。 過去こうだった、という記録であって、将来を約束するものではありません。
用語のかんたん辞典
むずかしい言葉を、それぞれ1〜2行でやさしく説明します。
- IV(インプライドボラティリティ)
- これから予想される値動きの大きさ。保険料の割高度を表し、高いほど保険料が高い=売り手に有利。
- 実現ボラ(RV)
- 実際に起きた値動きの大きさ。あとから測る「本当の揺れ」。IVが予想、RVが結果。
- モネネス
- いまの価格から何%離れた行使価格か。−5%なら「5%下の値段で売る約束」。
- DTE(Days To Expiration)
- 満期までの残り日数。30日なら約1ヶ月で決済。
- SQ(清算値)
- 満期日に損益を確定させるための最終的な決済価格。
- シャープレシオ
- リスク1単位あたりのもうけ。1を超えると優秀とされる効率の指標。
- ソルティノレシオ
- シャープの仲間。下がる方の揺れ(マイナス)だけでリスクを測るので、売り戦略の弱点が見えやすい。
- Calmar(カルマー)
- 年あたりのもうけ ÷ 最大のへこみ。大きいほど「へこみの割によく稼いだ」。
- 最大ドローダウン(最大DD)
- 途中で資産が最大で何%減ったか。−40%なら一時4割減。0に近いほど安全。
- VRP(ボラティリティリスクプレミアム)
- IV−実際の値動き=保険料の取りすぎ分。プラスが大きいほど売り手の利益のもと。
- デルタ
- 原資産が1動いたとき、オプション価格がどれだけ動くか。ATM(現在値ちょうど)のプットはおよそ0.5。
- シータ
- 時間による目減り。1日過ぎるだけで保険料がいくら減るか。売り手にはプラスに働く。
- ガンマ
- デルタの動きやすさ。大きいほど価格が動いたときに損益が急変しやすい(売り手は急落に弱い)。
- ベガ
- IV(保険料の割高度)が1変わると、オプション価格がどれだけ動くか。売り手はIV上昇に弱い。
- スキュー
- 下落に備える保険(プット)ほど割高になりやすい傾向。急落の怖さが値段に表れたもの。
- レバレッジ k
- 倍率のこと。k=2なら2倍のリスクとリターン。「リスクをそろえる」比較で使う調整倍率。
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