4023 クレハ 銘柄分析・適正株価
5.6Sol 個別レビュー
投資テーゼ
クレラップ等の安定収益と高機能材料の選択肢はあるが、いわき増強後のPVDF稼働率とPGA採算が負債削減を左右する。
主な懸念
FY26減損は需要予測の誤差を示す。ESS比率低下、中国供給、原燃料、追加減損を同時に監視する。
シナリオ内訳
| シナリオ | 確率 | 妥当価値 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| PVDF過剰供給・PGA再編失敗 | 12.0% | 0円 | PVDF・PGA・PPS・農薬・樹脂の結果を連結正常EPSへ一度だけ統合。いわき減価償却とネット負債を株数・EPS経路へ織込み、配当と買戻しを二重計上しない。 |
| 低稼働・中国価格圧力継続 | 25.0% | 460円 | PVDF・PGA・PPS・農薬・樹脂の結果を連結正常EPSへ一度だけ統合。いわき減価償却とネット負債を株数・EPS経路へ織込み、配当と買戻しを二重計上しない。 |
| 稼働正常化・安定事業支え | 40.0% | 2,533円 | PVDF・PGA・PPS・農薬・樹脂の結果を連結正常EPSへ一度だけ統合。いわき減価償却とネット負債を株数・EPS経路へ織込み、配当と買戻しを二重計上しない。 |
| ESS/PPS/PGA拡大 | 18.0% | 5,692円 | PVDF・PGA・PPS・農薬・樹脂の結果を連結正常EPSへ一度だけ統合。いわき減価償却とネット負債を株数・EPS経路へ織込み、配当と買戻しを二重計上しない。 |
| 複数材料platform成功 | 5.0% | 9,431円 | PVDF・PGA・PPS・農薬・樹脂の結果を連結正常EPSへ一度だけ統合。いわき減価償却とネット負債を株数・EPS経路へ織込み、配当と買戻しを二重計上しない。 |
FY2025実績
純利益
FY2025実績
比率
FY2025
同社は特定用途に合わせた化学素材や機能材を提供し、顧客の製品性能を下支えする。採用までに評価の手間がかかるぶん、いったん入ると関係が続きやすい。量よりも配合や品質の作り込みが価値の源泉になりやすい。現場で効く小さな違いを積み重ねる事業と言える。
特殊化学は、処方の勘所と品質の再現性が競争力の中心になる。顧客の工程に合わせた微調整の蓄積は、外から簡単に模倣しにくい。採用後の切替には検証負担が伴うため、スイッチングコストも働きやすい。単なる原料供給にとどまらない関係を築けるかが堀の厚みを決める。
成長余地は、採用用途を増やしながら高付加価値の比率を高めるところにある。派手な拡大でなくても、深く刺さる分野を広げられれば利益の質は上がりやすい。環境対応や軽量化などの課題が追い風になる場面も多い。ニッチでも強い場所を増やせるかが見通しを左右する。
スコアは「リスクが小さい」ことではなく、「リスクに対する財務・構造的耐性の高さ」を評価したものです。
新しい用途で採用が進まないと、期待した伸びが後ろへずれやすい。ニッチ領域ほど一案件の重みも増しやすい。
原料環境の変化が大きいと、加工で稼ぐ部分まで圧迫されることがある。転嫁力の差が収益の差になりやすい。
特定の顧客や用途への依存が強い場合、調整の影響を受けやすい。良い時の強さが裏返しで弱点にもなる。
業績を構造的に変える可能性のある具体的な上振れ経路のみ。種まき新規事業・ニュースに出た小さな特許・抽象的な期待論は対象外。
既存技術が別の分野にも広がれば、成長の物語が厚くなる。ひとつの成功が次の採用を呼び込みやすい。
単価より価値で選ばれる比率が上がれば、利益の見え方が変わりやすい。素材メーカーとしての評価も引き上がる。
環境負荷の低減に寄与する素材は、長期の追い風を受けやすい。外部環境が見通しを支える形になりうる。
継続投資が必要な素材企業だが、成熟度が上がるほど還元余地も見えやすくなる。大切なのは、短期的な配分より研究と設備に無理のない規律があることだ。強いテーマに投資しながら、株主への姿勢もぶらさない会社は安心感が出る。収益の粘りがそのまま還元の継続性につながる。
リスク耐性スコア 6/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2025年度 -99億円 / 2024年度 -227億円 / 2023年度 116億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥87。成長率は過去DPS CAGR(10年=9.1%、直近3年=7.4%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(12年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥4,018、配当性向58%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥288、総合スコア6.4から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.85倍、現BPS=¥4,018。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥288。
10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.03% | 7.53% | 12.03% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,542 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,542 | ||
| スタート時の状態 | 衰退(名目永続成長率 1.8%、直近売上成長 -0.9%) | ||
※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (35%) | 中立 (33%) | 楽観 (32%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥1,082 | ¥1,926 | ¥4,116 | ¥2,331 |
| 残余利益 | ¥1,979 | ¥5,421 | ¥10,210 | ¥5,749 |
| PERマルチプル | ¥2,881 | ¥4,322 | ¥6,914 | ¥4,647 |
| PBR分位法 | ¥2,928 | ¥3,418 | ¥3,853 | ¥3,386 |
| PER分位法 | ¥3,426 | ¥5,492 | ¥8,316 | ¥5,673 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥4,357 | ||
¥2,459 FV¥4,357 割高
¥6,682 ¥8,353