6999 KOA 銘柄分析・適正株価
5.6Sol 個別レビュー
投資テーゼ
26/3期は売上722.9億円(+12.7%)・営業利益36.5億円(+210%)・純利益39.5億円と底打ちし、27/3期は日本・中国・アジアの産業機器需要とAI関連機器需要を背景に営業利益を28.3億円から53.6億円へ上方修正、配当も32円から63円へ倍増を計画する。抵抗器はAIサーバーと産業機器の電動化で数量トレンドが上向いており、回復自体は本物。ただし評価は特別利益を除いた実力ベースで行う必要があり、正常化営業利益率7〜7.5%・売上850億円で実力EPS125〜157円というのが中立の姿。ここにPER14倍を当てると1750〜2200円で、5シナリオの確率加重適正値は2159.5円、現値2378円を9.2%下回る。適正PBR=(ROE-g)/(COE-g)によるクロスチェックでも、COE7.89%・g1.5%、正常化純利益47億円・自己資本885.6億円で持続ROE5.3%なら適正PBR0.60倍=1419円と、むしろシナリオPERより厳しい答えが出る。現値はPBR1.00倍ちょうどで、持続ROE7.9%(COE並み)を織り込む水準だが、過去5期の平均ROEは4%台にすぎない。上振れ余地はあるが特別利益依存の予想EPSを額面どおりに評価すると誤る。
主な懸念
DBのeps_0=118.0はTTM集計で26/3期実績EPS106.4を+10.9%上回り、revenue_0=749.5億円も実績722.9億円と+3.7%ズレる。dividend_0=34.7も実績32円と不一致。bps_0=2385.1はIR BANKの2385.1と一致し、shares_0=37,132,082も純利益39.51億円÷EPS106.4=3713万株と整合するので1株指標は使える。最大の罠は27/3期会社予想で、売上873億円・営業利益53.6億円・経常利益60.4億円に対し純利益77.4億円と、純利益が経常利益を17億円上回る。EPS208.42円は特別利益ないし税効果込みの数字で、経常60.4億円に実効税率30%を当てた実力EPSは114円程度、現値2378円は実力PER20.9倍になる。1Qも売上208.8億円(+23.9%)・営業利益8.5億円(+70.2%)に対し経常13.15億円(+148.0%)・純利益16.29億円(+288.4%)と同じ構図で、営業利益率は4.1%と通期計画6.1%に届いていない。バランスシートの劣化も見過ごせず、有利子負債は22/3期65.7億円から26/3期454.1億円へ7倍に膨らみ、自己資本比率は70.6%から58.4%へ低下した。営業利益率は22/3期8.8%、23/3期13.6%、24/3期5.1%、25/3期1.8%、26/3期5.0%と振れ幅が大きい典型的シクリカルで、直近の回復局面の利益にピーク倍率を当てるべきではない。
シナリオ内訳
| シナリオ | 確率 | 妥当価値 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 悲観 | 18.0% | 1,200円 | 産業機器の設備投資が一巡し営業利益率が24/3期5.1%・25/3期1.8%の水準へ逆戻り、EPS60円台。過去5期で2度起きた事象で、有利子負債454億円の重さが同時に効く。PER19倍でも1200円。 |
| 弱気 | 27.0% | 1,750円 | 正常化営業利益率6%・売上820億円で実力EPS125円に落ち着きPER14倍。特別利益を除いた27/3期の実力EPS114円とほぼ同じ収益力が続くケース。 |
| 中立 | 28.0% | 2,200円 | AI・産業機器需要が続き営業利益率7.5%・売上870億円で実力EPS157円、PER14倍。会社計画の営業利益53.6億円は達成するが純利益の特別要因は剥落する。 |
| 強気 | 18.0% | 2,900円 | 23/3期ピークのEPS198.74円を上回る210円が定着しPER13.8倍。抵抗器の数量と単価が同時に改善し営業利益率が二桁へ復帰するケース。 |
| 楽観 | 9.0% | 3,700円 | AIサーバー向けで抵抗器需給が構造的にタイト化し営業利益率13%超・EPS260円、PER14.2倍。増設した設備の稼働率が上がり有利子負債も自律的に減る。 |
FY2026実績
純利益
FY2026実績
比率
FY2026
リスク耐性スコア 5/10 より算出
直近3期のいずれかでFCFが赤字のため、DCF法による算定を見送り
直近3期FCF: 2026年度 20億円 / 2025年度 -158億円 / 2024年度 -103億円
2段階配当割引モデル(2-Stage DDM)。ベースDPS=¥32。成長率は過去DPS CAGR(10年=4.8%、直近3年=-13.8%)から算出、MOATスコアに応じたフェード期間(10年)でターミナル成長率に収束。
2段階残余利益モデル。BPS₀=¥2,386、配当性向30%でBPS追跡。
PERマルチプル法。ピークEPS=¥199、総合スコア4.6から指数関数的に倍率算出。
過去長期(10年以上)のPBR分位 × 現BPS。市場の不況・好況局面を含む歴史的レンジから価値帯を算定。中央値PBR=0.83倍、現BPS=¥2,386。
過去長期(10年以上、赤字年除外)のPER分位 × ピーク/正規化EPS。歴史的バリュエーションレンジから価値帯を算定。基準EPS=¥199。
10年後の株価を 1000通りの未来シナリオでシミュレーション。 業績の成長・横ばい・衰退・倒産の確率を過去データから推定し、1株利益の動きと適正株価の幅を予測します。 (最終計算: 2026-07-29)
| 入力値 / 各モデルの結果 | 下振れ | 中央 | 上振れ |
|---|---|---|---|
| 必要利回り(株主資本コスト) | 4.39% | 7.89% | 12.39% |
| 成長持続年数(競争優位性に連動) | 7年 | 10年 | 13年 |
| EPS/BPS-first MC 適正株価(中央) | ¥1,033 | ||
| 10年後EPS/BPS×出口評価(中央) | ¥1,033 | ||
| スタート時の状態 | S(名目永続成長率 1.7%、直近売上成長 2.2%) | ||
※ 試算精度について:現在は 1000通りのシミュレーションで、売上成長・利益率・株数からEPSとBPSを作り、配当は総リターンに、内部留保と自社株買いはBPS/株に反映します。10年後EPS/BPSに対して出口PER/PBR/PSRを評価し、赤字パスでは黒字時のPERを使わず、資産・売上倍率ベースの低い評価に切り替えます。さらにTOB、競争優位低下、景気後退、赤字からの回復、利益率変化、希薄化、バリュエーション変化などの事象タグを各銘柄の露出度に応じて発生させています。TOBは時価総額が大きい銘柄ほど発生確率を下げています。
| 評価モデル | 悲観 (36%) | 中立 (30%) | 楽観 (34%) | 加重平均 |
|---|---|---|---|---|
| DCF | — | — | — | — |
| 配当割引 | ¥153 | ¥339 | ¥958 | ¥483 |
| 残余利益 | ¥1,055 | ¥2,933 | ¥6,143 | ¥3,348 |
| PERマルチプル | ¥1,590 | ¥2,584 | ¥4,174 | ¥2,767 |
| PBR分位法 | ¥1,608 | ¥1,971 | ¥2,378 | ¥1,979 |
| PER分位法 | ¥2,324 | ¥3,574 | ¥5,540 | ¥3,792 |
| モデル平均 | ↑ 各モデルの確率加重平均 | ¥2,474 | ||
¥1,346 FV¥2,474 割高
¥3,839 ¥4,799