株譜
FUTURES BASIS

先物の理論価格とベーシス

株価指数は「原資産+SQ日までの金利−その期間に落ちる配当」で理論価格を出し、先物価格との差を並べます。 国債・コモディティ・為替は原資産も保管コストも観測できないので、 限月カーブの傾きそのものをコンタンゴ/バックワーデーションとして出します。どちらも年率に直しています。

株価指数:理論価格 = 原資産 + 原資産 × 建て通貨の金利 × 残日数/365 - その期間に落ちる配当 為替:理論価格 = 現物 × (1 + 円金利 × 残日数/365) ÷ (1 + 相手通貨の金利 × 残日数/365) 債券・コモディティ:理論価格は作れない(保管コストと利便利回りが観測できない)。限月カーブの傾きで見る

先物価格は JPX が毎日出す清算値段(その日の日中立会の引けにあたる値)です。 原資産・限月も同じ JPX「先物・オプション清算値段等」2026-09-28 分。 金利はその先物が建てられている通貨のものを使います。円は日本証券業協会の国庫短期証券 (残存1年超は財務省の国債金利)、ドルは米国債とFF金利、ユーロはECBのユーロ圏AAA国債カーブ。いずれもSQ日まで補間。 配当は構成銘柄の会社予想1株配当と、直近1年の権利落ち日の並びから積み上げています。 作成 2026-09-28T21:21

コンタンゴとバックワーデーションの一覧(53銘柄)

限月カーブの傾きを年率に直して、バックワーデーションが強い順に並べています。 原資産の価格を使わないので、株価指数も国債もコモディティも同じ物差しで比べられます。 マイナス=バックワーデーション(期先が安い。買い持ちで乗り換えると理屈のうえでは取れる)、 プラス=コンタンゴ(期先が高い。乗り換えるたびに払う)。

区分 銘柄 限月 期近 金利の通貨 傾き(年率) 金利では説明できない分 その中身 理論との差(期近・年率) 判定
エネルギー LNG(プラッツJKM)先物 15本 18日 円 -28.67% -30.36% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
エネルギー ドバイ原油先物 15本 3日 円 -27.93% -29.61% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
エネルギー CMEPI先物 6本 4日 円 -26.87% -28.21% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(中部・日中)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
電力 電力(東・日中)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
電力 電力(中部・年度ベース)先物 2本 182日 円 -17.25% — — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(東・年度日中)先物 2本 182日 円 -17.15% — — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(中部・ベース)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
電力 電力(東・年度ベース)先物 2本 182日 円 -17.00% — — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(東・ベース)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
電力 電力(西・年度ベース)先物 2本 182日 円 -14.45% — — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(中部・年度日中)先物 2本 182日 円 -13.94% — — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(西・日中)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
電力 電力(西・年度日中)先物 2本 182日 円 -11.49% — — バックワーデーション(期先が安い)
エネルギー バージ軽油先物 6本 25日 円 -9.90% -11.26% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
電力 電力(西・ベース)先物 24本 3日 円 単調でない — — 季節性あり・単調でない
株価指数 東証REIT指数先物 3本 74日 円 -3.79% 5.35% 配当利回り -0.10% 構成銘柄から積み上げ バックワーデーション(期先が安い)
債券 長期国債先物 3本 84日 円 -3.32% — — バックワーデーション(期先が安い)
債券 ミニ長期国債先物 3本 77日 円 -3.32% — — バックワーデーション(期先が安い)
為替 米ドル/円先物 5本 78日 円 -3.00% 4.70% 相手通貨の金利 +1.80% バックワーデーション(期先が安い)
貴金属 白金先物(ラージ) 6本 29日 円 -2.94% -4.47% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
貴金属 白金先物(ミニ) 6本 29日 円 -2.94% -4.47% 保管・利便利回り — バックワーデーション(期先が安い)
債券 中期国債先物 3本 84日 円 -1.63% — — バックワーデーション(期先が安い)
為替 ユーロ/円先物 5本 78日 円 -1.52% 3.21% 相手通貨の金利 +1.98% バックワーデーション(期先が安い)
債券 超長期国債先物 3本 84日 円 -1.07% — — バックワーデーション(期先が安い)
株価指数 東証銀行業指数先物 3本 74日 円 -0.83% 2.38% 配当利回り -0.34% 構成銘柄から積み上げ バックワーデーション(期先が安い)
株価指数 S&P/JPX 500 ESG先物 3本 74日 円 -0.51% 2.06% 配当利回り -0.15% 目安(別の指数で代用) バックワーデーション(期先が安い)
株価指数 FTSE JPXネットゼロ先物 3本 74日 円 -0.49% 2.05% 配当利回り -0.14% 目安(別の指数で代用) バックワーデーション(期先が安い)
株価指数 ミニTOPIX先物 3本 74日 円 -0.49% 2.25% 配当利回り -0.48% 構成銘柄から積み上げ バックワーデーション(期先が安い)
株価指数 RNP先物 5本 74日 円 単調でない 2.24% 配当利回り — 季節性あり・単調でない
株価指数 JPXプライム150先物 5本 74日 円 単調でない 2.23% 配当利回り -0.21% 目安(別の指数で代用) 季節性あり・単調でない
株価指数 JPX日経400先物 5本 74日 円 単調でない 2.23% 配当利回り -1.11% 構成銘柄から積み上げ 季節性あり・単調でない
株価指数 TOPIX先物 13本 74日 円 単調でない 2.25% 配当利回り -0.48% 構成銘柄から積み上げ 季節性あり・単調でない
株価指数 TOPIX Core30先物 3本 74日 円 -0.23% 1.79% 配当利回り -0.14% 構成銘柄から積み上げ バックワーデーション(期先が安い)
エネルギー 中京ガソリン先物 6本 25日 円 0.00% -1.35% 保管・利便利回り — ほぼフラット
エネルギー 中京灯油先物 6本 25日 円 0.00% -1.35% 保管・利便利回り — ほぼフラット
エネルギー バージガソリン先物 6本 25日 円 0.00% -1.35% 保管・利便利回り — ほぼフラット
エネルギー バージ灯油先物 6本 25日 円 0.00% -1.35% 保管・利便利回り — ほぼフラット
貴金属 パラジウム先物 6本 29日 円 0.00% -1.53% 保管・利便利回り — ほぼフラット
農産物 小豆先物 6本 29日 円 0.00% -1.35% 保管・利便利回り — ほぼフラット
貴金属 銀先物 6本 29日 円 0.00% -1.53% 保管・利便利回り — ほぼフラット
株価指数 日経平均気候変動指数先物 3本 74日 円 +0.19% 1.37% 配当利回り +0.17% 目安(別の指数で代用) コンタンゴ(期先が高い)
為替 オフショア人民元/円先物 5本 78日 円 +0.31% 1.38% 相手通貨の金利 — コンタンゴ(期先が高い)
ゴム 上海天然ゴム先物 3本 112日 円 +0.74% -0.82% 保管・利便利回り — コンタンゴ(期先が高い)
ゴム ゴム(RSS3)先物 12本 28日 円 単調でない -0.59% 保管・利便利回り — 季節性あり・単調でない
株価指数 東証グロース市場250指数先物 5本 74日 円 +1.14% 0.65% 配当利回り +0.43% 構成銘柄から積み上げ コンタンゴ(期先が高い)
株価指数 日経225mini 16本 11日 円 +1.16% 1.26% 配当利回り -2.30% 構成銘柄から積み上げ コンタンゴ(期先が高い)
株価指数 日経225マイクロ 4本 11日 円 +1.21% 1.26% 配当利回り -2.30% 構成銘柄から積み上げ コンタンゴ(期先が高い)
株価指数 FTSE中国50先物 4本 2日 USD +1.43% 2.80% 配当利回り -10.04% 目安(先物カーブから逆算) コンタンゴ(期先が高い)
株価指数 日経225先物 19本 74日 円 +1.45% 1.26% 配当利回り -0.73% 構成銘柄から積み上げ コンタンゴ(期先が高い)
貴金属 金先物(ラージ) 6本 29日 円 +2.59% +1.06% 保管・利便利回り — コンタンゴ(期先が高い)
貴金属 金先物(ミニ) 6本 29日 円 +2.59% +1.06% 保管・利便利回り — コンタンゴ(期先が高い)
株価指数 NYダウ先物(大阪) 4本 84日 USD +4.19% 0.45% 配当利回り -2.40% 目安(先物カーブから逆算) コンタンゴ(期先が高い)

「金利を引いた残り」は、傾きから同じ期間の円金利を引いたもの(貴金属・エネルギー・ゴム・農産物だけ)。 金なら保管・保険・調達の上乗せ、原油やゴムならマイナス側に出る分が利便利回り (現物を手元に置けること自体の値打ち)にあたります。 「理論との差」は株価指数だけ。配当まで積み上げられた指数にしか入りません。 ほかに 11銘柄を下に畳んでいます。

傾きを出していない 11銘柄(売買が無い・期間が短い・持ち越しの損得で決まらない)
区分銘柄 限月出していない理由
電力 電力(西・週間日中)先物 5本 期間が短く年率にできない
電力 電力(東・週間日中)先物 5本 期間が短く年率にできない
ボラティリティ 日経平均VI先物 8本 持ち越しの損得では決まらない
金利 無担保コールO/N物金利先物 20本 金利建て(価格と金利が逆)
農産物 とうもろこし先物 6本 売買が成立していない
農産物 大豆先物 6本 売買が成立していない
ゴム ゴム(TSR20)先物 12本 売買が成立していない
配当指数 日経平均配当指数先物 8本 持ち越しの損得では決まらない
株価指数 台湾加権指数先物 5本 前日から動いていない
電力 電力(東・週間ベース)先物 5本 期間が短く年率にできない
電力 電力(西・週間ベース)先物 5本 期間が短く年率にできない

日経225先物

限月 最終取引日 SQ日 残日数 先物価格 原資産 期間金利
(建て通貨)
金利ぶん 配当見込み 理論価格 乖離 乖離率 年率換算 1枚あたり 判定
2026-12 2026-12-10 2026-12-11 74日 65,570.0 65,877.6 1.200% 160.27 370.6
12か月 1.72%
65,667.3 -97.3 -0.15% -0.73% -97,285円 バックワーデーション
2027-03 2027-03-11 2027-03-12 165日 65,820.0 65,877.6 1.346% 400.77 507.7
12か月 1.72%
65,770.7 +49.3 +0.07% +0.17% +49,325円 コンタンゴ
2027-06 2027-06-10 2027-06-11 256日 65,730.0 65,877.6 1.454% 671.70 1,003.4
12か月 1.72%
65,545.9 +184.1 +0.28% +0.40% +184,114円 コンタンゴ
2027-09 2027-09-09 2027-09-10 347日 66,000.0 65,877.6 1.550% 970.45 1,115.0
12か月 1.72%
65,733.1 +266.9 +0.41% +0.43% +266,888円 コンタンゴ
1年より先の限月も見る(3本)
限月SQ日 残日数先物価格 理論価格乖離 年率換算
2027-12 2027-12-10 438日 65,920.0 65,711.2 +208.8 +0.26%
2028-03 2028-03-10 529日 66,170.0 65,898.8 +271.2 +0.28%
2028-06 2028-06-09 620日 66,170.0 65,743.9 +426.1 +0.38%

期先はほとんど売買が無く、成立しなかった日の清算値は JPX が自分の理論価格をそのまま当てます。差を「市場の値付け」として読まないでください。

限月カーブ(期近から期先への並び)

こちらは原資産を一切使わず、同じ配信の同じ時刻に出た限月どうしだけを比べたものです。 上の理論価格の表は原資産(指数の引け値)と先物(清算値)を突き合わせるので、 両者の時刻が15分ずれます。カーブのほうはそのズレが入りません。 債券やコモディティは原資産価格も保管コストも観測できないので理論価格が作れません。 そもそも商品先物でいうコンタンゴ/バックワーデーションは、 理論価格との乖離ではなく、この限月カーブの傾きそのものを指します。

コンタンゴ(期先が高い) 期近→最期先の傾き(年率)+1.45% 同じ期間の円金利2.69% カーブが織り込む配当利回り1.26%
限月 残日数 先物価格 前の限月との差 率 年率換算 期近との差(年率)
2026-12 74日 65,570.0 — — — —
2027-03 165日 65,820.0 +250.0 +0.38% +1.5% +1.5%
2027-06 256日 65,730.0 -90.0 -0.14% -0.5% +0.5%
2027-09 347日 66,000.0 +270.0 +0.41% +1.6% +0.9%
2027-12 438日 65,920.0 -80.0 -0.12% -0.5% +0.5%
2028-03 529日 66,170.0 +250.0 +0.38% +1.5% +0.7%
2028-06 620日 66,170.0 0.0 0.00% 0.0% +0.6%
2028-12 802日 66,500.0 +330.0 +0.50% +1.0% +0.7%
2029-06 984日 66,900.0 +400.0 +0.60% +1.2% +0.8%
2029-12 1173日 67,390.0 +490.0 +0.73% +1.4% +0.9%
2030-06 1355日 67,850.0 +460.0 +0.68% +1.4% +1.0%
2030-12 1537日 68,500.0 +650.0 +0.96% +1.9% +1.1%
2031-06 1719日 69,040.0 +540.0 +0.79% +1.6% +1.2%
2031-12 1901日 69,640.0 +600.0 +0.87% +1.7% +1.2%
2032-06 2083日 69,700.0 +60.0 +0.09% +0.2% +1.1%
2032-12 2265日 70,100.0 +400.0 +0.57% +1.2% +1.2%
2033-06 2447日 70,510.0 +410.0 +0.58% +1.2% +1.2%
2033-12 2629日 71,990.0 +1,480.0 +2.10% +4.2% +1.4%
2034-06 2811日 72,710.0 +720.0 +1.00% +2.0% +1.5%

プラスは期先のほうが高い=コンタンゴ。買い持ちで限月を乗り換えていくときの損益は、この符号の逆になります。 隣の限月と10日未満しか離れていない行、期近と30日未満しか離れていない行は、年率にすると値が暴れるので出していません。

カーブから逆算した配当利回り(原資産を使わない検算)

限月カーブの傾きは 金利 − 配当利回り です。だから傾きと金利が分かれば、 市場がこの指数の配当をいくらと見ているかが逆算できます。 ここで原資産の価格は割り算の分母にしか出てこないので、引け時刻が15分ずれていても答えはほとんど動きません (原資産が 0.3% ずれても配当利回りは 0.004ポイントしか動かない。 同じ 0.3% が理論価格との乖離では年率 1.26% 動きます)。

  • 使った2本:2026-12限 と 2027-12限(364日離れ、1年)
  • この期間の先渡し金利 1.79% - カーブの傾き 0.54% = 市場が織り込む配当利回り 1.26%
  • 同じ2つのSQ日のあいだを、こちらが構成銘柄から積み上げると 1.72%。 差は -0.47ポイント (市場 − 当方)。

時価総額加重の指数で市場のほうが少し高く出るのは、来期以降の増配を市場が織り込んでいるのに対し、 こちらは会社予想を横置きしているためです。日経225だけ逆に市場のほうが低いのは、 株価換算係数を1として扱っている影響で、日経平均配当指数先物との突き合わせと同じ向きに出ています。

この指数で使っている前提

  • 金利(JPY 建て):国庫短期証券 国庫短期証券1386(2026-12-10 1.200%)と国庫短期証券1406(2026-12-14 1.200%)を74日へ補間 (対照:JPX が同じ限月に使っている金利は 1.4066%)
  • 配当 構成銘柄から積み上げ:構成銘柄の予想配当を積み上げ(母集団225銘柄:配当あり217=重み95.9%/無配8=重み4.1%/値が取れない0)
    今後12か月ぶんを年率に直すと 1.72%。 表の「配当見込み」はSQ日までに実際に落ちる分なので、3月末・9月末を跨ぐ限月では年率よりずっと大きくなります。
  • 2026-12限(SQ 2026-12-11)までに落ちる想定: 2026-09-29 に 370.61(合計 370.6)
  • 2027-03限(SQ 2027-03-12)までに落ちる想定: 2026-09-29 に 370.61 / 2026-12-29 に 116.65 / 2027-02-25 に 16.91 / 2027-01-28 に 3.54(合計 507.7)
  • 2027-06限(SQ 2027-06-11)までに落ちる想定: 2027-03-30 に 486.75 / 2026-09-29 に 370.61 / 2026-12-29 に 116.65 / 2027-02-25 に 16.91 / ほか2日(合計 1,003.4)
  • 2027-09限(SQ 2027-09-10)までに落ちる想定: 2027-03-30 に 486.75 / 2026-09-29 に 370.61 / 2026-12-29 に 116.65 / 2027-06-29 に 72.54 / ほか5日(合計 1,115.0)

配当見込みの検算(日経平均配当指数先物との突き合わせ)

配当の積み上げが当たっているかは、市場が同じものに値を付けている 日経平均配当指数先物と比べれば分かります。1.00 に近いほど一致しています。

  • 1.019 — 当方の見込み1003.4点 ÷ NKDV清算値985.0点(期間 2026-03-31〜2027-03-31。当方は当日以降の落ち分だけなので1未満になる)
  • 0.936 — 当方の見込み1132.9点 ÷ NKDV清算値1210.0点(期間 2027-03-31〜2028-03-31。当方は当日以降の落ち分だけなので1未満になる)
  • 0.370 — 当方の見込み500.1点 ÷ NKDV清算値1350.0点(期間 2028-03-31〜2029-03-30。当方は当日以降の落ち分だけなので1未満になる)

先の期ほど 1.00 から離れるのは、こちらが「来期以降も同じ配当が続く」前提で置いているのに対し、 市場は増配を織り込んでいるためです。直近の限月に効くのは最初の1本だけなので、そこを見てください。

読み方

コンタンゴは先物が理論価格より高い状態、バックワーデーションは安い状態です。 裁定が効いていれば差はほぼ 0 になります。差が残るのは、現物を持つ側の資金・在庫コスト、 空売りの手当てのしにくさ、需給の偏り(ヘッジ売り・買い)などが理由です。

「年率換算」は、その差をSQ日までの日数で割り戻して1年あたりに直したものです。 たとえば残り3か月で −0.5% なら年率 −2% 相当になります。 残り10日を切った限月は年率を薄く出し、判定を「期日直前」にしています。 同じ 0.1% のズレでも、残り1日なら年率では40%近くに化けるためです (実測: 2026-09-10 のTOPIX 9月限で −39.22%)。 先物を買って現物を売る/その逆の持ち切りで、理屈のうえで取れる差の目安です (実際には売買手数料・証拠金・貸株料・配当課税が乗るので、そのままの利回りにはなりません)。

債券・コモディティ・為替はなぜ理論価格を出さないのか

株価指数の理論価格が出せるのは、原資産(指数そのもの)に値段が付いていて、 持ち越しの損得が金利と配当の2つだけで説明できるからです。 国債先物・コモディティ・為替はそうなりません。

  • コモディティ:保管料・保険料と、現物を手元に置けること自体の値打ち(利便利回り)が効きます。 どちらも市場で値段が付いていないので、外から観測できません。 そもそも商品先物でいうコンタンゴ/バックワーデーションは、 理論価格との比較ではなく限月カーブの傾きそのものを指します。
  • 国債先物:受渡適格銘柄のうち一番安い1本(CTD)と交換比率で値段が決まります。 限月をまたぐとCTDが入れ替わることがあるので、限月間の差をそのままキャリーとは読めません。 ここではCTDまでは見ていません。
  • 為替:傾きは2つの通貨の金利差そのものです。円建て・外貨1単位の建て方なので、 円金利 − 傾きで相手通貨の金利が逆算できます。表に出しているのはその値です。

そのかわり、どの資産でも限月カーブの傾きは同じやり方で出せます。 カーブは同じ配信の同じ時刻に出た限月どうしを比べるだけなので、 原資産の引け時刻とのズレも、取引時間外の動きも入りません。上の一覧はこの傾きで並べています。

売買が無い銘柄をどう扱っているか

JPX の配信は、売買が成立しなかった日でも値段の欄を空にはしません。前の日の値がそのまま残ります。 小豆・大豆・とうもろこし・バージガソリンなどは全限月が同じ値で、前日からも1円も動いていません。 これを「完全にフラット」という発見として出すと嘘になるので、 「売買が成立していない」と名前を付けて一覧から畳んでいます (11銘柄。畳んだ中身も上で開けます)。

配当をどう出しているか

指数の配当は「利回り×日数」では出していません。日本株の配当落ちは3月末と9月末に固まって起きるので、 日数で割ると実態から大きく外れます。ここでは構成銘柄ごとに 直近1年に実際に権利落ちした日を見て、それを翌年の同じ位置(月末から数えて何営業日目か)へ写し、 会社予想の1株配当を割り付けています。指数への効きは日経225なら株価、TOPIXなどは時価総額で加重しています。

限界:日経225の株価換算係数は1として扱っています。TOPIX系の加重は浮動株比率ではなく総額です。 どちらもこの差は上の検算に出ます。来期以降の増配は織り込んでいないので、 1年より先の限月ほど配当を小さく見積もり、コンタンゴ側へ寄ります。

限月の切り替わり

表に出る限月は毎日この計算をやり直した結果です。12月限の最終取引日を過ぎると、 翌営業日にはJPXの配信から12月限が消え、3月限が先頭に来ます。ページを直す必要はありません。