住宅は資産としてどうだったか
住宅・株式・国債・短期国債の総収益率を1870年から並べます。住宅は家賃収入と値上がりの合計、株式は配当と値上がりの合計です。価格の推移だけを見ると住宅は地味に見えますが、家賃を足すと見え方が変わります。
出典: Jordà, Knoll, Kuvshinov, Schularick, Taylor『The Rate of Return on Everything, 1870–2015』(JST マクロヒストリー・データベース R6)。16の国について収録しています。
🇧🇪 ベルギー:1単位を置いておいたらどうなったか
4つの資産がそろっている、いちばん長い連続区間だけで積み上げています。その最初の年を100。名目です(物価は引いていません)。桁が変わるので既定は対数目盛にしています。
資産ごとに別々の年から積むと、開始年が違うだけで「住宅が株式に負けている」ように見えてしまいます(日本は住宅が1930〜1944年で切れ、株式は1876年からでした)。そろう区間だけを使っています。国によって区間の長さが違うので、国どうしでこのチャートの終点を比べないでください。
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年あたりの収益率(中央値と、上下10%を除いた幅)
平均ではなく中央値です。ドイツの1923年のように桁の違う年が1つ混じるだけで平均は壊れます。小さい字は10パーセンタイル〜90パーセンタイルで、「ふつうの年はこのあたり」という幅です。
| 国 | 住宅 | 株式 | 国債 | 短期国債 | 住宅−株式 |
|---|---|---|---|---|---|
| 🇫🇮 フィンランド | +14.09% -2〜29% | +9.07% -15〜46% | +6.84% -3〜17% | +4.26% 2〜7% | +5.02% |
| 🇵🇹 ポルトガル | +12.36% 1〜27% | +7.51% -15〜35% | +7.15% -3〜23% | +5.00% 1〜12% | +4.85% |
| 🇸🇪 スウェーデン | +11.96% 2〜20% | +10.11% -12〜37% | +4.49% -1〜18% | +4.10% 2〜8% | +1.85% |
| 🇳🇴 ノルウェー | +11.74% 0〜21% | +6.94% -12〜35% | +4.35% -1〜14% | +3.50% 1〜6% | +4.80% |
| 🇩🇰 デンマーク | +11.38% 1〜21% | +8.00% -8〜33% | +4.54% -2〜14% | +4.97% 2〜10% | +3.38% |
| 🇧🇪 ベルギー | +10.30% 2〜23% | +6.14% -11〜38% | +5.07% -3〜17% | +3.18% 1〜8% | +4.16% |
| 🇪🇸 スペイン | +10.00% -4〜28% | +8.78% -10〜40% | +5.58% 1〜14% | +4.00% 3〜12% | +1.22% |
| 🇫🇷 フランス | +9.96% 2〜28% | +5.25% -17〜31% | +4.25% -4〜20% | +3.08% 1〜9% | +4.71% |
| 🇳🇱 オランダ | +9.38% -3〜21% | +9.19% -14〜33% | +4.51% -3〜12% | +3.01% 1〜6% | +0.19% |
| 🇺🇸 アメリカ | +8.99% -1〜17% | +12.54% -13〜32% | +3.50% -3〜15% | +4.00% 1〜7% | -3.54% |
| 🇬🇧 イギリス | +8.88% -4〜22% | +8.77% -6〜28% | +3.69% -6〜18% | +3.41% 1〜9% | +0.11% |
| 🇦🇺 オーストラリア | +8.49% 2〜18% | +11.42% -8〜28% | +4.22% -2〜16% | +4.30% 2〜9% | -2.94% |
| 🇩🇪 ドイツ | +8.42% 2〜21% | +8.90% -14〜38% | +4.92% 1〜11% | +3.63% 2〜7% | -0.48% |
| 🇯🇵 日本 | +8.16% 0〜25% | +10.22% -16〜47% | +5.66% 1〜13% | +4.34% 0〜8% | -2.07% |
| 🇨🇭 スイス | +7.77% 1〜14% | +7.65% -12〜29% | +3.55% 0〜11% | +3.40% 1〜4% | +0.12% |
| 🇮🇹 イタリア | +6.80% -2〜23% | +8.35% -17〜36% | +5.97% -1〜18% | +4.86% 2〜12% | -1.55% |
それぞれの資産の収録年数は国で違います(住宅は1870年から、株式はそれより短い国があります)。同じ行の数字どうしを比べるときは、国別ページの「出典そのままの系列」で期間を確かめてください。
ここに出ているのは名目の収益率です。インフレ率の高かった国・時代では、名目が高くても実質では負けていることがあります。実質で見たいときは、同じ国のインフレ率を引いてください。
この数字の読み方
- 住宅の総収益率=家賃収益率+値上がり率。価格だけを見ると住宅は株式に見劣りしますが、家賃を足すと差は縮みます。国別ページの「資産の収益率」に内訳を出しています。
- 取引費用・税・空室・修繕は入っていません。実際に手元に残る額はこれより小さくなります。
- その国の住宅全体の平均です。個別の物件がこう動いたという話ではありません。
- 元になった論文は、住宅の収益率が株式に近く、しかも振れ幅が小さいことを指摘しています。ただしこれは収録されている国・期間での話で、将来の話ではありません。