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株式会社ゴールドウイン 8111

国内外のノースフェイスが価値の土台。新規投資の失敗を織り込んでも、長期の稼ぐ力に対して割安である

割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)3,456 円4,728 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)2,162 円2,958 億円差 +59.9%
10 年後から見ると 割安 価値 3,456 円4,728 億円 · 差 +59.9% · 期待の年率 +11.5%
期待の年率リターン(10 年)+11.5%資本コスト比 +4.5 pt
推定の資本コスト7.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(ChatGPT)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ゴールドウインは、ザ・ノース・フェイスを中心に、機能性衣料の企画と販売で稼ぐ会社だ。筆者の結論は割安であり、日本と韓国に根づいた既存事業の収益力が、その最大の理由である。長期の見通しを確率で重みづけした現在価値は、添付の時価総額を約56%上回る。

評価の土台は、新ブランドの大成功ではない。日本と韓国のノースフェイス商標は自社保有であり、期限付きの販売ライセンスが切れる会社とは違う。商品開発と店頭販売の蓄積も強みだが、消費者が別の服を選ぶのは簡単である。商標を持つことと、需要を独占することは分けて考えたい。

中立では、主力衣料の販売数量はほぼ横ばいに近い。靴の浸透と自社ブランドGoldwinの成長が補い、10年後の営業利益は約404億円になる。Goldwinは成長するが、会社の500億円構想を予定どおり達成するほどの成功は前提にしない。利益率も過去最高を超えず、公園事業には低い収益しか期待していない。[資料1・3]

注意したいのは、現金の厚さよりも、その使い道である。海外店の先行費用と新規事業が重なり、直近の会社説明では計画の再点検が必要になっている。韓国の関連会社も同じブランドに依存しており、地域分散ほど事業リスクは分散されていない。安全域はあるが、ブランドの衰退と投資の失敗が重なれば、元本を大きく損なう余地も残る。

バリュー投資の観点から

長く持つ株主が買うのは、服の流行そのものではなく、顧客から継続して対価を得る仕組みである。ゴールドウインは、技術と販売の蓄積を持ち、主力の商標も自社で保有する。雨や寒さをしのぎ、快適に動きたいという需要は、10年後もなくならない。ただし、その需要が同じブランドへ向かい続けるかには、不確かさが残る。

株主のものになる現金は、会計上の純利益より慎重に考えたい。直近の営業キャッシュフローから固定資産取得を差し引いた額は約202億円であり、利益の全額を配れるわけではない。海外出店と公園開発では、維持費や更新投資も増える。韓国持分の利益についても、親会社へ配当として届くことを確かめる必要がある。[資料2]

それでも、現在の値段には安全域があると判断する。中立の価値は、主力の実質数量が急増せず、Goldwinの拡大が会社構想より遅れる場合にも支えられる。資金の使い道に不確かさを残し、余剰現金を全額そのまま株主の価値にはしていない。それでも、稼ぐ力と還元を合わせた価値は、現在の時価総額を明確に上回る。

保有の根拠が崩れるのは、一時的な暖冬よりも、定価で売れる量が減り続ける時だ。新しい店舗や施設への投資で、その衰えを隠すようになれば慎重さが必要になる。良い会社という評判ではなく、顧客の支持と追加投資の採算を、保有を続ける判断の中心に置きたい。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの中心は、技術のある衣料を、日常でも着たい商品に仕立てて売ることだ。ノースフェイスは登山用の雨具から街着、バッグ、靴まで広がる。製品の多くは外部工場で生産し、自社は素材選定と設計、品質管理、売場づくりを担う。直営店と電子商取引では小売の利益を取り、卸売では他社の販売網を使う。[資料1]

韓国からの収益には、二つの入口がある。商標使用に対するロイヤルティは連結売上に入り、40.7%を保有するヤングワン・アウトドアの利益は営業外に入る。後者の売上を連結売上へ足してはいけないし、その持分価値を利益の評価に重ねてもいけない。韓国の工場運営会社や、Goldwinブランドの韓国合弁会社とも区別が必要である。[資料2]

自社ブランドGoldwinは、主力とは異なる成長投資だ。機能と簡潔な意匠を両立させ、高価格帯の顧客を海外でも開拓している。2026年3月期の売上は65億円だが、まだ赤字であり、海外店の開業がそのまま株主利益になる段階ではない。ヘリーハンセンやカンタベリーなどの既存ブランドは裾野を支えるが、すべてが同じ成長力を持つわけではない。[資料1]

旅行会社の取得と富山の公園計画は、商品販売から体験への拡張である。顧客との接点は増えるものの、施設の固定費と運営能力が新たに必要になる。法定開示は単一セグメントのため、以下の六区分は経済性を見るための分析区分であり、開示された部門損益ではない。衣料品と現地の体験が売り物で、人月や席課金を売る事業ではなく、指定されたAIエージェント代替の型には該当しない。

優良さと弱いところ

堀、つまり他社が簡単にまねできない強みは、商標だけでなく、日本向けの商品を作り続けた蓄積にある。登山で使える性能を日常着へ移し、修理や接客も含めて顧客の信頼を積んできた。日本と韓国のノースフェイス商標を保有するため、本国の所有者から単純に契約を切られるリスクを主役に据えるのは誤りだ。ただし、他地域の商標まで自由に使えるわけではない。

値決め力はあるが、無制限ではない。2026年にはGoldwinの一部小物で実際に値上げをしているが、それだけでは販売数量が維持された証拠にならない。冬物の苦戦や卸販売の弱さが現れれば、在庫処分と高い粗利益の間で選択を迫られる。競合への乗り換え費用は小さく、堀の持続は強い独占事業ほど確かではない。[資料1]

過去の再投資は大きな価値を生んだが、最近の追加投資はまだ同じ成績を示していない。添付の財務から概算すると、過去10年に増えた事業資本の利回りは、税後営業利益からみて約32%である。しかし、直近2年では約7%まで低下し、資本コストに近づく。これは正式な事業別ROICではないが、海外出店や新施設に過去の高収益をそのまま期待できないという警告になる。

したがって、優良さを守る条件は拡大の速さではなく、増えた投資が現金を生むことである。主力の商品開発と販売網には蓄積がある一方、公園や新興素材への投資には同じ実績がない。高い利益率を持つ会社として評価するが、どの再投資も成功する会社とは評価しない。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

国内衣料は成熟市場であり、名目の増収を販売数量の増加と読み違えてはいけない。添付の業界前提では、国内アパレル小売市場は約8.5兆円だが、人口減少は続く。機能性衣料は相対的に強くても、中立で国内の衣料数量が大きく増えるとは考えにくい。ノースフェイスの衣料は小幅なシェア獲得、その他ブランドは緩やかな数量減少を見込む。

比較する市場の定義にも注意が要る。矢野経済研究所の2025年スポーツアパレル市場予測は、メーカー出荷額で約6,471億円である。販売経路をそろえた概算では、ノースフェイス衣料の国内シェアは9%前後となる。モンベルやコロンビア、アークテリクスが競合するが、日本の同一範囲での各社シェアは公表資料だけでは確定できない。

韓国では競争相手の規模まで見えやすい。業界紙が集計した2025年の主要9ブランド市場は、約3.38兆ウォンだった。ノースフェイスは34.5%で、ディスカバリー、K2、コーロンスポーツはいずれも約11%台である。ただし、これは全アウトドア市場の統計ではなく、中立でも首位の強さが無制限に広がるとは考えない。

伸びしろは、国内人口とは別の場所にある。ノースフェイスの靴は参入余地があり、Goldwinは世界の高価格帯でまだ小さな存在だ。しかし、競合も商品と店舗に投資し、国内では手頃な価格の機能服が品質を上げている。中立の10年は数量が穏やかに増え、物価並みの値上げが売上成長の大きな部分を占める姿であり、訪日客や中国での成功だけに依存させない。市場統計と比較範囲は各事業のhowに示した。

資本政策と M&A

資本配分には、本業での成功と新規投資での失敗が混在する。店舗と商品開発への投資は稼ぐ力を高めたが、Spiber関連では評価損と売却損が生じた。会社は関連処理の完了を説明しており、同じ損失を将来へ重ねないが、投資判断の教訓は残る。旅行会社の買収と公園開発にも、衣料品とは別の採算規律が必要だ。[資料1・2]

中期計画は2029年3月期の売上1,885億円、営業利益360億円を掲げる。ROEは20%以上、株主資本配当率であるDOEは6%以上を目標とする。総還元性向は40%を目安とし、自社株買いの固定額の約束はない。もっとも、2026年8月の説明では計画を見直し、11月に方向を示す予定となっており、従来目標を確約とは扱わない。[資料3]

直近2期の自社株取得額は約97億円だが、株式給付などの処分もあり、取得額だけで株主の取り分が増えたとは言えない。政策保有株の含み益は既に自己資本に入り、韓国持分は収益と別に足さない。優待負担は全株主数と現物・クーポンの推定負担から年約1.4億円と見積もり、中立の10年還元に14億円を含めた。2026年10月23日までの確認範囲で、TOB・MBOや上場廃止予定、継続企業の前提の注記は確認されなかった。[資料2]

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

ノースフェイスの価値を、海外ブランドの販売代理店として見るのは過小評価である。日本と韓国の商標を持ち、日本の生活に合う商品を開発してきた蓄積がある。売れ筋の反応を店頭から企画へ戻せるため、同じロゴの商品を輸入するだけの会社よりも、顧客の変化へ対応しやすい。

成長のために、国内の服の枚数が増える必要はない。衣料で定価販売を守りつつ、まだ規模の小さい靴を育てれば、既存の販売網から追加の利益を得られる。Goldwinの海外販売も、すでに売上が立っている投資であり、単なる構想ではない。店の認知が高まり、先行費用の増加が落ち着けば、増収が利益へ移る余地は大きい。[資料1]

韓国の事業には、自社で全店舗を連結運営しなくても利益を得られる強さがある。ロイヤルティと持分利益の両方が入り、成熟したブランドの利益を他地域の開発へ回せる。現金の厚さも、景気が悪い時に品質や商品開発を犠牲にせず、需要の戻りを待てる余地になる。[資料2]

株主にとっては、すべての計画が成功しなくても価値が残る点が魅力だ。中立では新ブランドの拡大を抑え、公園を低収益にとどめても、既存事業が利益と還元を生む。むしろ成長投資の採算が確認され、余剰資金の還元が強まれば、慎重な前提で見落とした価値が現れる可能性がある。現在の利益水準だけでなく、投資の谷を越えた後の現金創出力まで見る必要がある。

慎重な見方

主力ブランドが強いことと、その強さが10年続くことは別である。日本の街着と韓国のアウトドア衣料が同じ流行に支えられているなら、国が違っても需要は同時に弱りうる。商標を保有していても、顧客がアークテリクスやモンベルへ移ることは止められない。売上の大部分を一つのブランドに依存する構造は残っている。[資料1]

海外出店は、既存ブランドの成功を再現する保証にならない。Goldwinは増収でも赤字が続き、黒字化の見通しも後ろへずれた。中国で目立つ旗艦店の売上を、これから増やす店舗の平均へ広げるのは危険である。欧米の高い家賃と人件費を負担しても、現地で支持を得られなければ資本は回収できない。[資料1・3]

現金にも、見た目ほど自由はない。店舗家賃は売上が落ちても残り、在庫処分や撤退費用は悪い時に重なる。Spiber関連の損失は過去の話で終わっても、未実証の公園や出資案件へ利益を振り向け続ければ、株主が受け取る現金は細る。自社株買いについても、株式給付による処分と合わせた実質的な効果を確認したい。[資料2]

直近の業績悪化には、単なる納品時期のずれでは説明しきれない部分がある。訪日需要と卸販売が弱い中で販管費が増えれば、売上成長の鈍化が利益を大きく削る。成熟後のブランドに高い値を払うには、販売数量と値引き率の開示がなお乏しい。数量推計が過大だった場合、利益と余剰現金の両方を下方修正する必要がある。

どちらに重みを置いたか

既存事業の稼ぐ力を評価する見方が、価値の判断では優勢である。商標保有と商品開発の実績があり、新ブランドの全面的な成功を必要としないからだ。ただし、成長計画の実行については慎重な指摘を重く受け止める。

確率は上側31%に対して下側34%と、わずかに下へ寄せた。理由は、Goldwinの黒字化の遅れと、訪日・卸需要が弱い中での固定費増である。財務の強さを理由に下振れを消すことも、計画未達を理由にブランドの価値まで否定することもしない。この配分でも現在価値は時価総額を明確に上回り、結論は割安となる。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 5,533 円7,569 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 903 円1,235 億円)。 今の値に割り戻すと 3,456 円4,728 億円、今との差 +59.9%、 期待の年率 +11.5%(資本コスト 7.0%)→ 割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 11,125 円1.52 兆円 1,379 円1,886 億円 +478.3% +19.2% 1,250 円1,711 億円
やや楽観 21% 8,236 円1.13 兆円 1,114 円1,524 億円 +332.5% +15.8% 1,964 円2,686 億円
中立 35% 6,071 円8,305 億円 933 円1,277 億円 +224.0% +12.5% 2,451 円3,354 億円
やや悲観 23% 2,268 円3,103 億円 794 円1,087 億円 +41.6% +3.5% 704 円964 億円
悲観 11% 402 円550 億円 194 円266 億円 −72.4% −12.1% 66 円90 億円
加重平均100% 5,533 円7,569 億円903 円1,235 億円 +197.7% +11.5% 6,435 円8,804 億円

今の株価時価総額 2,162 円2,958 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。

楽観 10% 既存ブランドと海外投資がともに実る 利益 710 億円 · PER 20.5 倍 · 株価時価総額 11,125 円1.52 兆円

ノースフェイスが登山と日常着の両方で支持を広げ、靴が第二の数量成長源になる。国内の服の市場自体は大きく伸びないが、衣料のシェアと定価販売の比率が高まり、靴やバッグは海外競合から顧客を取り込む。韓国でも首位が強まり、主要ブランド市場での占有率は4割台へ上がる。

Goldwinは中国の出店を採算に結びつけ、欧米の旗艦店も継続購入を生むようになる。世界アウトドア衣料での存在感はなお数%未満だが、会社の500億円構想を越えて成長する。先行費用の負担が薄まり、ブランド全体が高い利益を生むため、連結の収益性も過去の水準を上回る。

公園は衣料販売を補う事業に育ち、取得した旅行会社との送客も機能する。ただし、大型買収による売上の上乗せはなく、品質管理と出店の積み重ねが成長の中心である。十分な投資を続けながら還元も増え、過去に成功した資本配分を新しい市場でも再現する10年となる。

  • ノースフェイス衣料:数量 850(販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定))× 価格 17,400(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 1,480 億円・営業利益 429 億円。数量1.35倍、単価1.45倍。国内の成熟需要を上回る増分は、機能服への移行と自社シェア拡大による。
  • ノースフェイスの靴・バッグ等:数量 455(販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定))× 価格 15,225(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 693 億円・営業利益 187 億円。数量1.90倍、単価1.45倍。靴が新たな柱となり、既存店の販売密度も上がる。
  • 自社ブランドGoldwin:数量 173(販売点数(万点、推定))× 価格 44,400(税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合))→ 売上 770 億円・営業利益 154 億円。数量8倍、単価1.48倍。海外店が成熟し、世界アウトドア衣料の範囲調整後シェアは約2%以内に広がる。
  • その他の衣料ブランド:数量 321(販売点数(万点、推定))× 価格 11,900(税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合))→ 売上 382 億円・営業利益 46 億円。数量1.10倍、単価1.40倍。競技用途の支持と販売経路改善で成熟市場の減少を上回る。
  • 旅行・自然体験等:数量 61.5(参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計))× 価格 18,634(税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映))→ 売上 115 億円・営業利益 14 億円。旅行1.5万参加×44.4万円と、公園60万利用相当×8,000円。需要と採算はいずれも分析上の仮説。
  • 韓国ノースフェイスの商標使用料:数量 14,790(韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定))× 価格 0.01(対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映))→ 売上 81 億円・営業利益 74 億円。市場実質1.10倍、自社数量1.40倍で主要ブランド集計シェア約43.9%。商品価格1.45倍、実効料率は維持。

倍率:余剰現金の税後利息を除く事業純利益は689.42億円、事業自己資本は2627.68億円、事業ROEは26.24%。k7%、超過収益の残る割合1/2からRONICは16.62%。g3%として、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=20.486948倍の上限をそのまま採用し、任意の倍率割引はしない。時価総額は(純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75。10年間の純利益合計4680.05億円から還元1886.02億円を差し引き、起点1,294.10億円を加えると期末自己資本4088.13億円となる。各年の還元は純利益40%と期首自己資本6%の大きい方に優待を加えた。DOEの分母は株主資本の将来内訳がないため自己資本で近似し、やや厚い還元になりうる。必要事業資本は1,034.1億円+増収額×0.65+追加投資200億円で、余剰現金1460.45億円は還元後の残額。減価償却費は10年後65億円を営業利益に織り込んだ。既存設備の取得原価を物価で増やさず、新規投資と更新分だけを新しい価格で償却する。

確率:10%とした。既存ブランドの数量拡大、靴の浸透、Goldwinの海外採算、公園の黒字化という複数の成功が必要で、会社計画だけを根拠に高い確率は付けない。海外の小さな出発点からの成長余地はあるため、可能性を切り捨てもしない。

やや楽観 21% 靴が育ち、Goldwinの海外店が利益を生む 利益 527 億円 · PER 20.1 倍 · 株価時価総額 8,236 円1.13 兆円

ノースフェイスの街着としての支持が続き、靴の新しい顧客が既存の売場へ入ってくる。衣料の伸びは限定的でも、バッグと靴の構成が高まり、販売網全体の採算が良くなる。韓国の主要ブランド市場でもシェアは4割前後まで広がるが、競合を退け続ける独占には至らない。

Goldwinの海外店は、開業直後の費用を吸収できる売上へ育つ。会社の500億円構想には遅れて到達するものの、中国だけでなく日本と韓国でも顧客が増える。世界の高価格帯で一定の地位を築き、機能と意匠の両立が値引きに頼らない販売を支える。

公園と旅行事業は小さな利益を生むが、全社の評価を決めるほどにはならない。新たな大型買収よりも、既存ブランドの販路と在庫管理へ資本が向かう。追加投資の採算が改善するため、成長と株主還元の両方を保てる姿になる。

  • ノースフェイス衣料:数量 743(販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定))× 価格 16,800(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 1,249 億円・営業利益 343 億円。数量1.18倍、単価1.40倍。街着需要を取り込み、緩やかにシェアを広げる。
  • ノースフェイスの靴・バッグ等:数量 371(販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定))× 価格 14,700(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 546 億円・営業利益 136 億円。数量1.55倍、単価1.40倍。靴の販売とバッグの更新需要が衣料の成熟を補う。
  • 自社ブランドGoldwin:数量 130(販売点数(万点、推定))× 価格 42,000(税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合))→ 売上 546 億円・営業利益 87 億円。数量6倍、単価1.40倍。会社の500億円構想に遅れて到達し、出店初期費用の負担が薄れる。
  • その他の衣料ブランド:数量 292(販売点数(万点、推定))× 価格 11,560(税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合))→ 売上 337 億円・営業利益 34 億円。数量横ばい、単価1.36倍。不採算商品の整理が数量減少を抑える。
  • 旅行・自然体験等:数量 46.1(参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計))× 価格 17,343(税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映))→ 売上 80 億円・営業利益 6 億円。旅行1.1万参加×42万円と、公園45万利用相当×7,500円。衣料への波及効果は別に加算しない。
  • 韓国ノースフェイスの商標使用料:数量 12,677(韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定))× 価格 0.01(対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映))→ 売上 67 億円・営業利益 61 億円。市場実質1.03倍、自社数量1.20倍で主要ブランド集計シェア約40.2%。商品価格1.40倍、実効料率は維持。

倍率:余剰現金の税後利息を除く事業純利益は507.46億円、事業自己資本は2136.04億円、事業ROEは23.76%。k7%、超過収益の残る割合1/2からRONICは15.38%。g3%として、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=20.123065倍の上限をそのまま採用し、任意の倍率割引はしない。時価総額は(純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75。10年間の純利益合計3774.29億円から還元1523.71億円を差し引き、起点1,294.10億円を加えると期末自己資本3544.67億円となる。各年の還元は純利益40%と期首自己資本6%の大きい方に優待を加えた。DOEの分母は株主資本の将来内訳がないため自己資本で近似し、やや厚い還元になりうる。必要事業資本は1,034.1億円+増収額×0.65+追加投資160億円で、余剰現金1408.64億円は還元後の残額。減価償却費は10年後55億円を営業利益に織り込んだ。既存設備の取得原価を物価で増やさず、新規投資と更新分だけを新しい価格で償却する。

確率:21%とした。Goldwinの売上成長と靴の小さな市場占有率は成長の足場になるが、収益化には店舗の成熟が必要である。会社の500億円構想には遅れて到達する程度であり、全面成功より実現余地が大きい。

中立 35% 主力を守り、新ブランドは緩やかに育つ 利益 388 億円 · PER 19.7 倍 · 株価時価総額 6,071 円8,305 億円

ノースフェイスは主力の地位を保つが、国内の衣料販売は緩やかな伸びにとどまる。市場の数量が少し縮む中で、機能性と街着需要を取り込み、小幅にシェアを広げる。靴は販売量を増やすものの、国内市場を塗り替える規模にはならず、衣料の成熟を補う役割となる。

Goldwinは海外で支持を積み上げるが、出店計画の実現には時間がかかる。10年後の売上は約349億円となり、会社が掲げた500億円構想には届かない。韓国のノースフェイスは首位を維持する一方、競合への対応費用が増え、利益率は現在より下がる。

公園と旅行は営業を続けられるが、投資に見合う高収益にはならない。大きな買収で成長を補わず、本業の商品開発と店舗更新を続ける。全社の営業利益率は過去最高を下回り、還元後にも資金が残るため、会計上のROEは低下する。ブランドの稼ぐ力と、余剰資金をどう扱うかが、別々の経営課題として残る10年である。

  • ノースフェイス衣料:数量 661(販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定))× 価格 16,127(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 1,067 億円・営業利益 277 億円。数量1.05倍。市場実質0.98倍に対して推定シェア約8.9%から約9.5%へ。単価は年3%の物価並み。
  • ノースフェイスの靴・バッグ等:数量 299(販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定))× 価格 14,111(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 422 億円・営業利益 97 億円。数量1.25倍。靴約100万足、その他約199万点を想定し、単価は物価並み。
  • 自社ブランドGoldwin:数量 86.7(販売点数(万点、推定))× 価格 40,317(税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合))→ 売上 349 億円・営業利益 42 億円。数量4倍、単価は物価並み。世界市場実質1.2倍に対して範囲調整後シェア約1%。会社構想より遅い拡大。
  • その他の衣料ブランド:数量 277(販売点数(万点、推定))× 価格 11,423(税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合))→ 売上 316 億円・営業利益 25 億円。市場と自社の数量はともに0.95倍。推定シェアは横ばいで、単価だけが物価並みに上がる。
  • 旅行・自然体験等:数量 30.8(参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計))× 価格 17,017(税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映))→ 売上 52 億円・営業利益 1 億円。旅行8,000参加×30万円×1.03^10と、公園30万利用相当×5,000円×1.03^10。平均単価低下は構成差。
  • 韓国ノースフェイスの商標使用料:数量 11,093(韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定))× 価格 0.01(対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映))→ 売上 56 億円・営業利益 51 億円。主要ブランド市場の実質数量は横ばい、自社数量1.05倍でシェア約36.2%。価格だけを物価で増やす。

倍率:余剰現金の税後利息を除く事業純利益は368.68億円、事業自己資本は1711.52億円、事業ROEは21.54%。k7%、超過収益の残る割合1/2からRONICは14.27%。g3%として、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=19.744411倍の上限をそのまま採用し、任意の倍率割引はしない。時価総額は(純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75。10年間の純利益合計3062.36億円から還元1277.00億円を差し引き、起点1,294.10億円を加えると期末自己資本3079.46億円となる。各年の還元は純利益40%と期首自己資本6%の大きい方に優待を加えた。DOEの分母は株主資本の将来内訳がないため自己資本で近似し、やや厚い還元になりうる。必要事業資本は1,034.1億円+増収額×0.65+追加投資100億円で、余剰現金1367.95億円は還元後の残額。減価償却費は10年後45億円を営業利益に織り込んだ。既存設備の取得原価を物価で増やさず、新規投資と更新分だけを新しい価格で償却する。中立45億円は既存資産の残存償却約5億円と、新設・更新資産約40億円の推定。本社共通費は現在の推定65.66億円から89億円へ増やし、賃金と家賃の物価上昇を反映した。

確率:35%とした。商標保有と既存の商品開発力を認めつつ、国内衣料の大幅な数量成長を見込まず、Goldwinも会社構想を下回る。上側31%、下側34%と、左右対称を既定にせずわずかに下へ寄せた。固有の理由はGoldwinの黒字化遅延と、訪日・卸需要の弱さに対して先行費用が増えていることである。2026年8月6日の第1四半期説明資料では通期・中期計画の再点検と11月の説明予定を確認した。https://ssl4.eir-parts.net/doc/8111/ir_material_for_fiscal_ym/209996/00.pdf

やや悲観 23% 主力の支持が薄れ、新規投資が利益を食う 利益 179 億円 · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 2,268 円3,103 億円

ノースフェイスは必要とされ続けるが、街着での新鮮さを失い、競合へ顧客が移る。国内市場の縮小以上に衣料数量が減り、値上げも物価に追いつかない。靴の販売強化は続くものの、大手スポーツブランドとの差を埋められず、全体の減速を覆せない。

Goldwinは店舗数を増やしても売上の伸びが鈍く、海外店の家賃と人件費が利益を吸収する。構想した国際ブランドへの成長は進まず、事業全体は損益分岐点付近にとどまる。韓国でもノースフェイスのシェアは3割前後へ下がり、ロイヤルティと持分利益の両方が弱くなる。

公園は維持費を回収できず、他事業の利益で支える状態になる。買収や出店を絞っても、契約した家賃と人員の費用はすぐには減らない。還元方針は維持するものの、自社株買いの余地は狭まり、価値の回復には既存事業の採算改善が必要となる。

  • ノースフェイス衣料:数量 517(販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定))× 価格 14,640(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 756 億円・営業利益 151 億円。数量0.82倍、単価1.22倍。国内市場以上に顧客が流出し、値引きで実質単価が下がる。
  • ノースフェイスの靴・バッグ等:数量 228(販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定))× 価格 12,810(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 291 億円・営業利益 50 億円。数量0.95倍、単価1.22倍。靴は大手との差を埋められず、在庫処分が増える。
  • 自社ブランドGoldwin:数量 34.7(販売点数(万点、推定))× 価格 36,000(税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合))→ 売上 125 億円・営業利益 0 億円。数量1.60倍、単価1.20倍。出店しても販売密度が上がらず、営業利益はほぼゼロ。
  • その他の衣料ブランド:数量 233(販売点数(万点、推定))× 価格 10,370(税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合))→ 売上 242 億円・営業利益 10 億円。数量0.80倍、単価1.22倍。国内市場の縮小に加えてブランド間競争に負ける。
  • 旅行・自然体験等:数量 18.6(参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計))× 価格 17,710(税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映))→ 売上 33 億円・営業利益 −2 億円。旅行6,000参加×36.6万円、公園18万利用相当×6,100円。稼働率不足と固定費で営業赤字。
  • 韓国ノースフェイスの商標使用料:数量 8,980(韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定))× 価格 0.00(対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映))→ 売上 41 億円・営業利益 36 億円。市場実質0.95倍、自社数量0.85倍でシェア約30.9%。商品価格は1.22倍で、物価に追いつかない。

倍率:事業純利益は165.38億円、事業ROEは13.69%。競争上の優位が弱まり、追加投資による成長価値を付けず、継続する稼ぐ力を1÷k=14.285714倍で評価する。時価総額は(純利益−余剰現金×1.4%)÷7%+余剰現金×0.75。10年間の純利益合計1987.68億円から還元1086.77億円を差し引き、起点1,294.10億円を加えると期末自己資本2195.02億円となる。各年の還元は純利益40%と期首自己資本6%の大きい方に優待を加えた。DOEの分母は株主資本の将来内訳がないため自己資本で近似し、やや厚い還元になりうる。必要事業資本は1,034.1億円+増収額×0.65+追加投資100億円で、余剰現金987.23億円は還元後の残額。減価償却費は10年後38億円を営業利益に織り込んだ。既存設備の取得原価を物価で増やさず、新規投資と更新分だけを新しい価格で償却する。

確率:23%とした。直近の卸需要と訪日販売の弱さ、海外店の先行費用は、既存のブランド力だけでは消せない。単なる一季節の不振ではなく、数量の長期減少と新ブランドの低採算が併存する場合として、やや楽観より少し重くした。

悲観 11% 日韓でブランドが衰え、投資の回収に失敗する 利益 33 億円 · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 402 円550 億円

日本と韓国でノースフェイスの流行が長期に衰え、権利を持つブランドが十分な需要を生まなくなる。国内衣料の数量はほぼ半分へ減り、値上げは物価に大きく遅れる。韓国の主要ブランド市場でのシェアも2割程度へ落ち、使用料の条件と関連会社の利益率がともに悪化する。

Goldwinの海外出店は顧客の定着につながらず、店舗閉鎖と在庫処分が続く。公園も固定費を回収できず、保有する資産の売却価値は投資額を大きく下回る。商標そのものを奪われるのではなく、需要の縮小と投資の回収不能によって、かつての優良さを失う筋書きである。

途中で赤字と減損が発生し、会社はDOEの維持より資金保全を優先する。自社株買いは止まり、配当も縮小するが、主力の一部と韓国収入は残るため倒産近くまでは想定しない。再編による割増価格は期待せず、残った収益と処分可能資産だけが株主価値を支える。

  • ノースフェイス衣料:数量 346(販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定))× 価格 12,600(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 437 億円・営業利益 61 億円。数量0.55倍、単価1.05倍。長期の流行離れと値引きが同時に進み、閉店後も販管費が残る。
  • ノースフェイスの靴・バッグ等:数量 156(販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定))× 価格 11,550(税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合))→ 売上 180 億円・営業利益 22 億円。数量0.65倍、単価1.10倍。靴の拡大に失敗し、旧商品を処分しても利益率は戻らない。
  • 自社ブランドGoldwin:数量 17.3(販売点数(万点、推定))× 価格 31,500(税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合))→ 売上 55 億円・営業利益 −7 億円。数量0.80倍、単価1.05倍。海外店の撤退後も商品開発費と閉店関連費用が負担になる。
  • その他の衣料ブランド:数量 190(販売点数(万点、推定))× 価格 9,775(税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合))→ 売上 185 億円・営業利益 4 億円。数量0.65倍、単価1.15倍。競争に負けたブランドを縮小し、残る事業だけで小幅な黒字。
  • 旅行・自然体験等:数量 8.4(参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計))× 価格 17,036(税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映))→ 売上 14 億円・営業利益 −4 億円。旅行3,500参加×31.5万円、公園8万利用相当×4,000円。維持費と低稼働で赤字が続く。
  • 韓国ノースフェイスの商標使用料:数量 5,810(韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定))× 価格 0.00(対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映))→ 売上 19 億円・営業利益 15 億円。市場実質0.90倍、自社数量0.55倍でシェア約21.1%。商品価格1.10倍と実効料率0.80倍を分け、商標消滅とはしない。

倍率:事業純利益は31.65億円、事業ROEは2.20%。競争上の優位が弱まり、追加投資による成長価値を付けず、継続する稼ぐ力を1÷k=14.285714倍で評価する。時価総額は(純利益−余剰現金×1.4%)÷7%+余剰現金×0.75。10年間の純利益合計538.47億円から還元265.71億円を差し引き、起点1,294.10億円を加えると期末自己資本1566.87億円となる。期間純利益は順に210、180、140、80、−100、−50、10、15、20、33.473億円。初めの2年は還元方針を維持し、3年目から構造的な悪化に伴いDOEを撤回する。以後の還元は黒字年の純利益30%と縮小した優待のみで、赤字期の減損等は期間純利益に含む。新たに蓄積した現金は価値に加えず、起点の余剰現金の半額130億円だけを残す。減価償却費は10年後25億円を営業利益に織り込んだ。既存設備の取得原価を物価で増やさず、新規投資と更新分だけを新しい価格で償却する。処分可能資産の床450億円より稼ぐ力による価値が高いため後者を採用した。床と収益価値は足し合わせない。

確率:11%とした。商標を保有しても顧客の選好は固定できず、日韓でのブランド集中と海外・施設投資の失敗が重なる余地がある。一方、権利の期限切れや資金繰り破綻を既定の原因にはしない。財務の強さをkと確率の両方で重ねて評価せず、事業が構造的に負ける頻度として判断した。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

ノースフェイス衣料

国内を中心とする機能性衣料と街着。韓国ロイヤルティを分析上切り分けた商品販売である。

数量販売点数(万点、衣料・帽子を含む推定)価格税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合)売上営業利益
今 2026/03 630 12,000 756 212
10 年後 中立 661 16,127 1,067 277

取り方:[資料1]23頁のブランド内訳は衣料785.81億円、ギア261.40億円。[資料2]の韓国ロイヤルティ39.85億円について、ブランド内訳への収録箇所は明示されていないため、TNF合計に含まれると仮定し、衣料とギアから売上比で控除して別掲した。これは分析上の再分類で、会社が開示した国内衣料売上ではない。実売点数と平均単価も非開示である。 価格の外部の足場は公式商品の税抜き水準であり、Tシャツ約5,500円とシェル約41,000円を確認した。https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/NT82639 、https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/NP62550 。商品構成を含む平均小売価格16,000円、実現率95%、売上に占める直販60%、卸売価格は小売の60%と仮定すると、認識売上単価は16,000×0.95÷(0.60+0.40÷0.60)=12,000円となる。したがって約630万点である。構成比と数量は推定で、実測ではない。 矢野経済研究所の2025年スポーツアパレル出荷市場6,470.9億円に対し、直販分を卸売相当に直す係数0.76を使うと、当区分の範囲調整後シェアは約8.9%。https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3719 。中立は市場実質数量0.98倍、シェア約9.5%で、自社数量1.05倍を想定する。市場と商品の範囲は完全一致せず、競合の同一定義の国内シェアは非開示である。衣料の現在利益率28%は本社費配賦前の推定であり、開示値ではない。現在の部門利益合計324.26億円から推定本社共通費65.66億円を引くと、添付の全社営業利益258.6億円となる。

ノースフェイスの靴・バッグ等

靴、バッグなどの非衣料商品。靴の販売拡大を、衣料とは異なる数量成長の余地として扱う。

数量販売点数(万点、靴は一足を一点とする推定)価格税抜き平均売上単価(円/点、卸売と直販を混合)売上営業利益
今 2026/03 239 10,500 251 60
10 年後 中立 299 14,111 422 97

取り方:[資料1]のギア261.40億円から、前区分と同じロイヤルティの推定配賦分を控除した。公式バッグの税込価格20,900円を確認し、靴と小物を含む商品構成および卸売の値差から、認識単価を平均10,500円と推定する。https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/NM82255 。数量は約239.5万点となる。うち靴は[資料1]25頁の売上62億円を足場に約50万足、残りはバッグ等と推定した。 矢野経済研究所の2025年国内アウトドア小売市場予測は5,059.5億円である。https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3923 。卸売を小売へ直す係数1.2667を使うと当区分は同市場の約6.3%に相当するが、衣料やキャンプ用品を含む広い市場なので、厳密なギアのシェアではなく規模の比較である。靴だけなら、2025年国内靴小売市場1兆2,478億円の約0.6%に相当する。https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3944 。 中立は靴約100万足、その他約199万点とし、全体数量1.25倍を見込む。靴の広義シェアは約1.2%まで上昇する計算で、衣料と同じ市場成長を一律に掛けていない。競合はサロモン、ホカ、アシックスやアウトドア各社だが、対象商品の国内シェアをそろえる開示は得られなかった。現在利益率24%は本社費配賦前の推定である。

自社ブランドGoldwin

機能性と意匠を組み合わせた高価格帯の衣料。日本、中国、韓国、欧米で展開する成長投資である。

数量販売点数(万点、推定)価格税抜き平均売上単価(円/点、地域と販売経路を混合)売上営業利益
今 2026/03 21.7 30,000 65 −9
10 年後 中立 86.7 40,317 349 42

取り方:売上65億円と内部管理上の営業利益率−14.3%は[資料1]28頁。数量は非開示のため、[資料3]15頁にある北京店の購入客単価6万円超を価格の足場にした。平均購入点数1.5点、消費税相当の調整、卸売と値引きを含む実現係数0.825を仮定すると、6万円÷1.5÷1.1×0.825=3万円/点となり、約21.7万点に相当する。旗艦店の客単価を全店の実績とみなしたものではなく、地域構成を簡略化した推定である。 Fortune Business Insightsの世界アウトドア衣料市場は2025年186.6億ドル。https://www.fortunebusinessinsights.com/ko/outdoor-apparel-market-105788 。固定為替150円と小売換算を用いると、当ブランドの現在の規模は約0.3%に相当する。中立では市場実質1.2倍、当社数量4倍で、範囲調整後のシェアは約1%となる。高級街着も含むため厳密な市場占有率ではない。 競合のアークテリクスを含むアメアスポーツのTechnical Apparelは2025年売上28.56億ドルで、規模の隔たりは大きい。これは複数ブランド等を含み、その全額をアークテリクスの衣料シェアとは扱わない。https://investors.amersports.com/financial-news/news-details/2026/Amer-Sports-Reports-Fourth-Quarter-and-Fiscal-Year-2025-Financial-Results-and-Provides-2026-Outlook/default.aspx 。会社の500億円構想に対し、中立は2036年でも約349億円であり、出店計画の全面達成を前提にしない。

その他の衣料ブランド

ヘリーハンセン、カンタベリー、スピードなど。競技・生活の用途が異なるブランド群をまとめた分析区分である。

数量販売点数(万点、推定)価格税抜き平均売上単価(円/点、商品構成と販売経路を混合)売上営業利益
今 2026/03 292 8,500 248 25
10 年後 中立 277 11,423 316 25

取り方:添付の全社売上から、開示されたTNF、Goldwinおよびその他カテゴリーの売上を控除した残額247.81億円を対象とする。残額をそのまま数量にはせず、公式ヘリーハンセンTシャツの税込8,800円を足場に、競技衣料、水着、アウターを含む平均税抜き小売価格約11,000円と卸売・値引きの差から、認識単価8,500円を推定した。https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/HO62604 。数量は約291.5万点であり、ブランド別の実売点数は開示されていない。 国内の主な比較対象は、TNF衣料と共通のスポーツアパレル出荷市場6,470.9億円で、卸売相当への調整後では約2.9%に相当する。ただし当区分には街着等もあり、厳密なシェアではない。競合はデサント、ミズノ、アシックス等であり、対象分野に限定した各社シェアは確認できなかった。市場実質数量を10年で0.95倍、自社も0.95倍とし、縮む市場でのシェア急増を前提にしない。現在利益率10%は本社費配賦前の推定である。

旅行・自然体験等

アルパインツアーなどの旅行と、将来の公園利用を含む。衣料とは固定費と単価の性質が違う。

数量参加・有料利用相当件数(万件、旅行一参加と施設一利用の合計)価格税抜き一件当たり平均売上(円、旅行と施設利用の構成を反映)売上営業利益
今 2026/03 0.5 300,000 15 1
10 年後 中立 30.8 17,017 52 1

取り方:[資料1]21頁のその他カテゴリー15.18億円を旅行等の収入相当額として使用した。純粋な旅行売上として開示された値ではなく、数量も旅行換算の推定である。アルパインツアーの公式募集では、国内旅行に6万~24万円程度、海外旅行に70万~90万円程度の例がある。https://www.alpine-tour.com/japan_tour/ 、https://www.alpine-tour.com/world_category/oceania/ 。国内外の構成を仮定した平均認識単価30万円では約5,060参加に相当する。 旅行と公園を同じ市場で測る信頼できる統計や会社シェアは確認できなかったため、国内旅行市場全体を獲得可能な市場とはみなさない。2036年中立は旅行8,000参加に加え、公園の年間有料利用相当30万件を想定する。旅行単価は30万円、公園利用単価は5,000円を起点として、それぞれ物価上昇を反映する。来園数、料金、採算はいずれも会社の開示目標ではない。 公園利用が加わると平均単価が大幅に下がるが、同じサービスの値下げではなく構成の変化である。数量も独立した仮説で、国内旅行客全体の増加は前提にしない。中立の利益率2%には施設維持と人件費を織り込み、成長による高収益を評価に持ち込まない。

韓国ノースフェイスの商標使用料

韓国の販売規模に応じたロイヤルティ。ヤングワン・アウトドアの持分利益は、この売上とは別に全社純利益へ反映する。

数量韓国対象売上の実質額(億ウォン、2026/03の価格で固定)価格対象実質売上1億ウォン当たりの使用料収入(億円、物価と実効料率を反映)売上営業利益
今 2026/03 10,564 0.00 40 36
10 年後 中立 11,093 0.01 56 51

取り方:[資料2]101頁にヤングワン・アウトドアの売上1兆564.49億ウォン、当社持分40.7%、当社のロイヤルティ39.85億円が開示されている。対象売上との対応を取る係数は39.85÷10,564.49であり、契約上の料率そのものではない。円換算と対象商品の範囲を含んだ実効係数である。株式保有による持分利益77.7億円は数量にも売上にも重ねない。 韓国繊維新聞の2025年主要9ブランド集計は3兆3,793億ウォンで、TNF34.5%、ディスカバリー11.6%、K2が11.4%、コーロンスポーツ11.0%。https://ktnews.com/news/articleView.html?idxno=143365 。小売集計と関連会社の会計売上は範囲が違うため、33,793×34.5%に調整係数約0.906を掛けて10,564.49に接続する。公的な全市場シェアではない。 中立は主要ブランド市場の実質数量を横ばい、TNFのシェアを約36.2%として、自社対象数量1.05倍を見込む。価格には物価だけを入れ、為替の有利な変動は入れない。悲観では商品の名目価格1.10倍に対し、流通条件悪化で実効料率を20%引き下げるため、この価格係数は0.88倍となる。商標そのものの喪失ではない。現在利益率90%は管理費を残した推定である。

リスクと懸念

同じブランドに集中する日韓の利益

日本と韓国から利益が入っても、需要の源が同じノースフェイスである点は変わらない。商標保有は契約終了への防御にはなるが、流行離れへの防御ではない。衣料の定価販売数量が複数年減り、靴も穴を埋められなければ、売上と利益率が同時に下がる。地域数だけで事業が分散されていると判断しない。

海外出店の売上と採算のずれ

Goldwinは販売が増えても赤字が残り、店舗の先行費用を吸収するまで時間がかかる。中国の旗艦店での高い客単価が他都市や欧米でも続くとは限らない。賃貸借の固定費、現地人員、商品在庫が先に増え、合弁相手への利益配分もあるため、売上の成長率ほど親会社の利益が増えない可能性がある。[資料1・3]

暖冬と値引き、家賃の固定性

冬物の不振は単なる販売の翌期繰越とは限らず、旧商品の値引きや処分につながる。直営店の家賃は売上に比例して減らず、営業費用としての負担が残る。解約不能の営業リース残高だけでは店舗網の実質的な固定費を測れない。新リース会計で負債が見えるようになっても、その時に初めて負担が生まれるわけではない。素材規制が強化されれば、代替素材の検証や原価増も必要になる。[資料2]

本業で得た現金を低採算投資へ回す危険

Spiber関連の処理が完了しても、経営の投資判断が無条件に改善したとは言えない。公園、旅行、新素材への出資は、本業の衣料とは違う運営能力と投資回収を要する。新規事業の売上が伸びても、維持更新費を引いた現金が残らなければ株主価値は増えない。投資の拡大を理由に還元が後回しになる経路にも注意する。[資料1・2]

韓国持分の会計利益と受け取る現金の違い

関連会社の利益は当社の純利益に入るが、同額の現金が直ちに届くわけではない。韓国で在庫や店舗投資が増え、配当が減れば、当社の資金余力は会計利益ほど改善しない。ロイヤルティと持分利益は同じブランドの販売環境に依存するため、一方が他方を常に補うものでもない。利益率と配当受領額を合わせて確認する。[資料2]

数量推計と販売経路の非開示

ブランドごとの実売点数、平均単価、利益配賦の開示は十分ではない。小売価格と客単価から組み立てた数量には、商品構成と卸売比率の誤差がある。韓国ロイヤルティをTNFの商品売上から切り分けた位置にも推定が含まれる。全社売上は添付と一致させたが、数量と部門利益の細かい数字が測定された事実を意味するわけではない。

AIエージェント代替と競争手段の変化

指定された人月・席課金型のAIエージェント代替には該当せず、衣料や現地体験の数量をその型で減らしていない。ただし、AIによる企画支援や価格比較は競合にも使え、商品の模倣と顧客獲得の競争を速めうる。自社だけの大幅な省人化利益は見込まず、品質、接客、修理など実物に関わる違いを維持できるかを確認する。

今後の分かれ目

ノースフェイスの値引き前販売数量と粗利益率が複数年にわたり維持され、靴も在庫を増やさず伸びたら
値上げの受容と販売網の効率が確認できるため、やや楽観の数量・利益率に近づける。名目増収だけでは判断を変えない。
Goldwinが2028年3月期に黒字化し、成熟店の更新投資後の資本利回りが7%を継続して上回ったら
新規出店の価値創出が確認できるため、中立の拡大余地を見直す。開業店舗数より、成熟店の採算と回収期間を優先する。
2026年11月の計画見直しで、成長投資の抑制とDOE・総還元方針の維持が具体的に示されたら
短期の売上目標が下がっても、資本配分の規律が強まる可能性がある。反対に、採算の説明なしに投資だけが増えるなら下側を重くする。
韓国の主要ブランド集計でTNFのシェアが3割を割り、関連会社の純利益率が12%を下回る状態が続いたら
一時的な在庫循環より構造的な競争力低下を疑い、ロイヤルティと持分利益を同時に見直す。市場統計と会社売上の範囲差は維持して比較する。
自己株式の処分を差し引いても株数が5%以上減るか、実際の配当性向が継続的に50%以上となったら
余剰資金が株主へ戻る実績が強まるため、現金の戻り方0.75を1.0へ見直す余地が生まれる。自社株買いの発表額だけでは変更しない。
公園や新規出資への支出が増える一方、既存店の売上密度と営業キャッシュフローが低下したら
資本が低収益事業へ移っている可能性を重くみる。成長用資金を余剰現金へ数えず、事業資本と減損負担を増やして価値を下げる。

見ておくもの

  • ノースフェイスの定価消化率、値引き率、在庫回転と、可能なら実売点数。売上だけでは数量と価格を区別できない。
  • 靴の売上と在庫、卸売先の販売実績、直営店の既存店売上。前倒し納品と実需を分けて確認する。
  • Goldwinの地域別売上、成熟店利益、開業後の回収期間、2028年3月期の黒字化進捗。
  • ヤングワン・アウトドアの実質売上と利益率、ロイヤルティ、持分利益、受取配当の関係。
  • 訪日売上の比率と国別構成。直営店に対する比率を全社売上の比率へ読み替えない。
  • 2026年11月の計画見直し、設備投資と減価償却の差、公園の稼働率と現金収支。
  • 配当・自社株買いと自己株式処分の差、優待負担、政策保有株の売却、還元後の余剰現金。

倍率と資本コストの決め方

株価と株数は添付の2026年10月16日基準を固定し、事業情報は同月23日まで確認した。物価年3%とドル円150円を固定し、数量と単価を先に組み立てた。上側三筋書きの倍率はk7%、g3%、事業ROEから算出した上限そのものとした。現在・過去・同業の市場倍率は使っていない。各筋書きの余剰現金を明記したため、留保現金の自動加算は重ねない。配当済み資金も残存現金に含めない。2028年3月期以降の新リース会計にかかわらず、家賃を営業費用に含める現在と同じ形で比較する。現在の株価が倍でも半分でも、数量・利益・倍率の見積もりは変わらない。

資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality−0.5%を加え、kは7.0%。事業継続に疑義はなく、extraは0。ブランド集中、海外展開、投資判断の失敗は利益と確率で扱い、個別リスクの上乗せはしない。

読んだ資料

  1. 資料1:2026年3月期決算説明会資料、2026年5月13日。ブランド内訳、Goldwin500の採算、投資・還元方針。
  2. 資料2:第75期有価証券報告書、2026年6月23日。韓国関連会社、貸借対照表、キャッシュフロー、リース、優待。
  3. 資料3:中期5ヶ年経営計画、2024年7月3日。2029年3月期目標と資本配分。最新の見直し状況は中立のprob_whyに別記。

分析日 2026-10-16