結論
レオン自動機は、パンや菓子の生地を傷めずに成形する機械を世界に売り、米国では冷凍生地も製造する会社だ。長く持つ株主としての結論は「割安」であり、今の値段は、機械の更新と保守から続く利益を過小評価していると考える。強みは食品そのものの需要増加より、味と食感を保ちながら人手を減らす工程に入り込んでいることだ。
顧客が買うのは機械の外形ではなく、原料や配合が違っても同じ品質で作り続けられる能力である。試作、調整、部品供給まで含む関係が、安い類似機への乗り換えを難しくする。ただし、国内の限定分野で示された高いシェアを、世界の食品機械全体の独占と読み替えてはならない。[資料1]
最大の分かれ目は米国の増産投資である。既存工場の稼働が詰まっている事実は新工場を支えるが、売上が増えるだけで投資が成功したことにはならない。償却費や運転資金も増えるため、機械の高い収益性が食品工場の低い投資利回りで薄められる危険がある。[資料3]
確率加重した現在の本質価値は約780億円で、基準日の時価総額に対して約96%の上値余地となる。一方、構造的に競争力を失えば資産処分後の回収額は大きく下がり、純資産があるから安全とはいえない。製品別販売数量と工場の採算には未開示部分が多く、この差は精密な目標値ではなく、確認すべき条件を伴う広い安全域である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって魅力なのは、食品の流行を当てなくても、成形と省人化に必要な機械や部品を売れることだ。良い食感を量産するという仕事は理解しやすく、顧客にとっての停止損失も明確である。ただし、世界中の顧客がいることと、全員から高い利益を取り続けられることは同じではない。
株主のものになる利益は、損益計算書の純利益より少ない。中立では、再投資と運転資金を賄った後に還元か現金増加へ回せる資金は、10年合計で約280億円となる。会計上の累計純利益は約521億円なので、成長が無料で手に入るわけではない。現に新工場への資金流出が続く間は、手元現金をそのまま余剰財産とみなせない。[資料3]
問うべきことは、次の工場や買収に投じる資金が、既存株主の持分を増やす以上の利益を生むかである。稼働率の高い既存工場を補う投資には合理性があるが、立ち上がりが遅れても追加投資を続ける経営なら評価は下がる。大型買収や第三者による買収成立を期待しなくても価値が成り立つことが重要だ。
現在の値段には安全域があると判断するが、安い帳簿資産を買う投資ではない。機械の優位が残り、食品の増産が現金収益に変わることを待つ投資である。数量の推定幅が大きい分、楽観的な成功よりも、中立の条件が崩れていないかを継続して見たい。
何で稼ぐ会社か
主力の包あん機は、生地の中に餡や具材を包み、一定の重さと形に整える機械である。製パン設備は、生地を薄く延ばし、分割し、折り重ねる工程を自動化する。材料を強く押せば形は作れても食感が変わるため、粘りや弾力の違う材料を扱う経験が重要になる。[資料1]
機械の購入者には食品メーカーだけでなく、製パン・製菓の専門店も含まれる。標準機の販売から大規模ラインの設計まで商談の大きさは異なり、設備投資の延期も起こる。その一方、納入後の修理や部品供給が続くため、新品販売だけの会社ではない。修理等の売上は地域別の商品構成から約66億円に相当するが、定額契約による継続課金とは違う。[資料1]
オレンジベーカリーは、自社の機械技術を使い、米国の外食・小売向けにクロワッサンなどの冷凍生地を製造する。食品事業には機械を長時間使って改善点を見つける役割もあるが、収益の大きな事業であり、単なる実験工場ではない。既存の食品売上は全体の約38%を占め、原材料費、工場稼働率、顧客の仕入れ判断に左右される。日本のホシノ天然酵母パン種は、発酵による風味を重視する小さな別事業である。[資料1][資料2]
機械は主に日本で作り、海外の販売・技術支援網を通じて供給するので、日本地域の利益には海外向け製造の利益も含まれる。したがって、日本の対外売上と地域利益だけを比べると収益性を読み違える。長期の収益を支えるのは、食品メーカーの設備更新、人手不足への対応、設置後の部品需要であり、半導体向け工作機械の投資循環とは区別すべき会社である。[資料2]
優良さと弱いところ
競争上の強みは、生地を扱う技術と、顧客が求める食感を量産条件に落とし込む経験の組合せにある。価格差が多少あっても、不良品や停止時間が増える機械への切り替えは顧客にとって高くつく。多数の食品と現地の原料に対応してきた蓄積は価値があるが、顧客同士が増えるほど自動的に優位が強まる事業ではない。[資料1]
値決め力には実例と限界がある。会社は米国の機械輸入にかかった関税を顧客に転嫁できたと説明しており、単なる最安値競争ではない。一方で部品や資材の値上がりには警戒しており、あらゆる原価増をいつでも転嫁できるとは述べていない。冷凍生地では他社への発注切り替えが可能なので、全社を独占企業とは評価できない。[資料3]
再投資の成績も一様ではない。過去の純現金を除く資本増加に対する税後営業利益の増分は、比較の起点によって約6.9〜11.5%となり、常に資本コストを上回ったとは断定できない。建設中の設備と為替換算の影響を含む概算であり、個別工場の投資利回りは別に確かめる必要がある。
機械の堀は比較的強い一方、食品工場の拡大は資本を多く使い、世界の製パン設備には有力な競争相手もいる。中立で必要なのは突出した新技術ではなく、既存技術の優位を保ち、新設備を適切に稼働させることである。強い部分と普通の部分を併せ持つ会社であり、全体の堀は「普通」と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
包あん機と自動化シートラインは、食品機械全体より狭い専門市場である。会社が国内で約9割と説明したのはこの限定市場であり、資料は2022年時点のものだ。現在も同じ占有率だと仮定した国内包あん機の市場は約38億円となるが、これは公的統計ではない。シートラインも数十億円規模という粗い見当は付くものの、開示される製パン機器の売上範囲と完全には一致しない。
包あん機ではコバードやANKO、製パン設備ではRademaker、FRITSCH、RONDOなどと競う。Rademakerは2024年の全社売上を約1.4億ユーロと説明しており、レオンだけが量産技術を持つわけではない。世界市場の統一された範囲と競合別売上が開示されていないため、各社の世界シェアを確かな数値として示すことはできない。保守の対象は自社の設置先であり、世界の顧客約1万7400社という基盤はあるが、全社が毎年有償サービスを買うわけではない。
米国の冷凍生地ではRich Products、Bridor、Europastryなどが競争相手となり、大口の小売・外食側にも交渉力がある。製造者の出荷と卸売・小売の金額を混ぜると市場を過大に見積もるため、対象を業務用冷凍生地に絞った市場規模と競合別シェアは未確認である。天然酵母パン種も一般的な製パン用酵母とは市場が異なり、白神こだま酵母などとの比較に使える販売数量は確認できない。いずれも、分からない市場シェアを高く見せることは成長の根拠にならない。
長期では食品の大量消費より、製造の省人化、多品種化、歩留まり改善が機械の需要を支える。中立では対象市場の実質数量が緩やかに増え、レオンは包あん機の占有率をほぼ保ち、製パン設備と米国食品で小幅に広げる姿になる。海外の顧客開拓と既存工場の能力不足には具体性がある一方、同業の増産や低価格機の改良がその成長を奪う可能性もある。
資本政策と M&A
過去10年の配当は概算で約84億円となり、近年は設備投資と還元の両方を増やしている。ただし、政策保有株は約24億円残り、直近年度に保有銘柄の削減実績はない。買収を繰り返して成長した会社というより、既存事業に資本を積み上げてきた会社である。[資料2]
最新中計の最終年度の売上目標は444億円である。営業利益率12.4%、ROE8.5%を目指すが、当初のROE目標より低く、新工場の償却負担が先に来る。中計の成長投資枠は165〜200億円で、その中には小規模な事業投資や買収も含まれる。[資料1]
配当性向は40%以上で、中計期間の2028年3月期までは累進配当を掲げる。DOEや総還元性向について別の数字の約束はない。自己株取得の上限は10億円で、9月末までに約2.86億円を実行しているが、毎年同額を買う約束ではない。
自社株買いは本分析の事業価値を下回る水準なら既存株主に有利だが、規模はまだ小さい。設備や小型買収への支出は、売上増ではなく投資後の利益と現金回収で評価する必要がある。工場が一段落した後も資本効率が戻らなければ、投資予算を使い切るより追加還元を優先する方が株主の利益になる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
食品メーカーの人手不足は、職人の作業をそのまま速くするだけでは解決しない。材料を傷めず、重量を揃え、品種変更に対応する機械が必要であり、レオンには試作から量産まで支援する経験がある。導入済みの工程を替えるには食品の品質確認も伴うので、機械の購入価格だけでは競争が決まらない。
設置先が増えれば、新品販売の波が弱い年にも修理や部品の需要が残る。古い機械を長く支えてきた実績は、売った後の責任を重視する顧客にとって有力な選択理由である。米国で関税分を顧客に負担してもらえたという説明も、少なくとも一部の用途で代替品への切り替えが容易ではないことを示す。[資料3]
オレンジベーカリーの増産は、需要が全く見えない場所に巨大工場を建てる話ではない。会社によれば既存工場の多くは昼夜操業しており、新工場は供給側の制約を外せる。新設備で生産と物流が改善し、機械でも標準部品や共通設計を増やせれば、売上以上の速さで利益が増える余地がある。[資料1][資料3]
成長の全てを新興国の急拡大に頼る必要もない。既存顧客の更新と海外での小幅な採用増が続き、値上げが原価上昇を補えば、平常の利益は今より大きくなる。技術や現地保守を補う小型買収には意味があるが、巨額買収やTOBの上乗せ価格がなくても、現在の価格を上回る価値を作れる会社である。
慎重な見方
国内の高シェアは、世界で自由に値上げできることの証明ではない。古い限定市場の数字を現在の全製品に広げると、競争力を過大評価する。海外には大規模な製パン設備メーカーが存在し、包あん機でも標準的な用途なら安い機械で十分になる可能性がある。
会社の製品別販売台数と実売単価は十分に開示されていない。顧客数が多くても、更新周期が長くなったり、他社の部品で修理したりすれば売上には結び付かない。過去の円建て売上増には為替の影響も含まれており、同じ伸びが物理的な販売数量で再現されるとは限らない。[資料1]
最も重い問題は、食品工場を増やすほど株主に回る現金が遅れることだ。会社自身も中計終点のROE低下を見込み、増産初年度には償却負担を先に受けると説明している。競合も能力を増やし、大口顧客が発注先を変えれば、新工場は価格競争を避けるための投資ではなく、価格競争に参加するための固定費になりうる。[資料3]
純現金の厚さも、その全額を自由に配れることを意味しない。顧客の前受金、追加設備、在庫に資金が必要で、政策保有株の削減も進んでいない。[資料2] 売上を守るための買収や設備増強が続き、投資利回りが資本コストを下回れば、利益と自己資本が増えても既存株主の価値は増えない。
どちらに重みを置いたか
機械の存続と顧客の切り替え負担については、価値が残るという見方が強い。一方、新工場に追加投入した資本が十分に稼ぐかについては、慎重な指摘を重く見る。そのため上側を30%、下側を33%とし、中立を37%とした。
それでも結論は割安であり、極端な成功だけに頼らず、中立の利益と還元でも現在価格を上回る価値になる。ただし、現在の工場稼働の高さを永久の需要保証とせず、世界シェアや販売数量の未確認部分を強さの証拠に使わない。投資後の現金回収が確認できなければ、会社が成長していても評価を下げる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 4,662 円1,255 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 756 円204 億円)。 今の値に割り戻すと 2,909 円783 億円、今との差 +100.5%、 期待の年率 +14.1%(資本コスト 7.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 10,607 円2,856 億円 | 1,234 円332 億円 | +716.0% | +23.4% | 1,066 円287 億円 |
| やや楽観 | 21% | 7,386 円1,989 億円 | 1,007 円271 億円 | +478.5% | +19.2% | 1,763 円475 億円 |
| 中立 | 37% | 4,737 円1,275 億円 | 803 円216 億円 | +281.8% | +14.3% | 2,050 円552 億円 |
| やや悲観 | 24% | 1,529 円412 億円 | 506 円136 億円 | +40.2% | +3.4% | 488 円131 億円 |
| 悲観 | 9% | 414 円111 億円 | 169 円45 億円 | −59.8% | −8.7% | 52 円14 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,662 円1,255 億円 | 756 円204 億円 | +273.4% | +14.1% | 5,419 円1,459 億円 |
今の株価時価総額 1,451 円391 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 9% 楽観:世界で採用が広がり、増産投資が高い利益を生む 利益 144 億円 · PER 19.8 倍 · 株価時価総額 10,607 円2,856 億円
食品の多品種化と省人化が進み、材料への対応力が評価されて海外の製パン設備で採用が広がる。市場全体の緩やかな成長に加え、競合から受注を取り、包あん機でも国外の占有率が上がる。国内の高い地位を守るだけでなく、販売後の支援を通じて海外でも更新が次の注文につながる。
米国の新工場は既存顧客の需要を吸収し、地域の供給体制が改善する。追加増設も稼働率を確認しながら進み、食品出荷量は現在の約1.9倍になる。機械の共通設計と部品調達の規模が効き、原価を上回る値上げが一部で通る。
全社の営業利益率は約17.5%に達するが、これは過去最高の延長ではなく、海外数量増と設備効率の改善が両立した結果である。現地支援や技術を補う小さな買収は可能でも、大型の株式交換やTOB成立に頼る必要はない。増産には資金を使い続けるので、利益の大半が直ちに余剰現金になるわけではない。
- 包あん機・食品成形機:数量 1,815(年間販売台数(台、全機種合計の推定))× 価格 0.10(1台当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 174 億円・営業利益 50 億円。対象市場の実質数量1.35倍に対し自社1.65倍で、相対シェア22.2%改善。価格1.48倍には物価以上の品質対価を含む。原価共通化と稼働率改善で部門利益率29%。
- 製パン設備・周辺機器:数量 740(年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定))× 価格 0.45(1案件当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 334 億円・営業利益 80 億円。対象市場1.40倍に対し案件数1.85倍で相対シェア32.1%改善。価格1.48倍には大型案件構成と機能の改善を含め、同じ効果を案件数に重ねない。部門利益率24%。
- 機械の修理・部品等:数量 18,662(年間有償対応顧客数(顧客年、推定))× 価格 0.01(対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目))→ 売上 156 億円・営業利益 47 億円。有償対応顧客数1.65倍。設置基盤の拡大と純正部品の利用率上昇で、支出単価1.42倍。増員と遠隔支援の効率化を併せて利益率30%。
- 米州の冷凍生地・食品:数量 38,000(年間食品出荷重量(トン、推定))× 価格 0.01(出荷重量1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 421 億円・営業利益 48 億円。対象市場1.35倍に対し出荷1.90倍で相対シェア40.7%改善。追加設備も高稼働となり、単価1.42倍で利益率11.5%。競合の増産を上回る顧客獲得が必要な上側仮説。
- 日本の天然酵母パン種:数量 184(年間乾燥パン種販売重量(トン、推定))× 価格 0.04(乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。用途の広がりで物量1.15倍、単価1.42倍。小規模な固定費を吸収して利益率10%。全社の成長説明をこの小事業に依存しない。
倍率:余剰現金と税後利息を除く事業純利益144.1686億円、事業自己資本908.4263億円からROE15.8702%。RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=11.4351%。g=3.5%として(1−g÷RONIC)÷(7%−g)=19.82640594倍をそのまま使用。事業純利益×PER+余剰現金0.0000億円×0.75=2858.3461億円。過去や現在の市場PERから決めていない。年別純利益は2027年3月期から順に43.00、44.00、51.04、59.20、68.66、79.65、92.38、107.16、124.29、144.17億円。累計813.5439億円、還元332.5580億円なので、自己資本427.4404781+累計利益−還元=908.4263億円。配当は最初の2年に年15.6億円以上、その後は黒字純利益の40%という近似で、未実行の自己株取得7.1404781億円を一度だけ加えた。実行済取得は起点から控除済み。年別利益の表示は丸めであり、自己資本は丸め前の合計で整合させた。
確率:世界での採用増、新工場の順調な稼働、追加投資の高収益が同時に必要なため9%。既存工場の高稼働と顧客基盤は根拠になるが、世界シェアの拡大や過去最高を大きく上回る利益率は未確認であり、主筋にはしない。
やや楽観 21% やや楽観:既存の強みと新工場が無理なく収益を広げる 利益 107 億円 · PER 18.6 倍 · 株価時価総額 7,386 円1,989 億円
国内では更新需要を取り込み、海外では生地を傷めにくい成形と試作対応を理由に採用が少しずつ増える。製パン設備は市場より速く伸びるが、競争相手を大きく押しのけるほどではない。増えた設置先から修理と部品の収入が育ち、値上げも多くの製品で原価増を補う。
米国の新工場は立ち上がりの負担を越え、既存客への供給と新しい地域の販売を増やす。食品出荷量は現在の約1.6倍となり、大きな失注や長期の価格競争は避けられる。工場の品質が安定し、物流と稼働率の改善が追加の償却費を吸収する。
全社の営業利益率は約15.9%まで高まるが、利益の増加に見合う設備や運転資金も必要になる。利益連動の配当を続け、買収は技術や保守の不足を補う範囲にとどまる。大型増資や買収提案の上乗せ価格ではなく、現在の事業が強くなることで株主価値が増える。
- 包あん機・食品成形機:数量 1,540(年間販売台数(台、全機種合計の推定))× 価格 0.09(1台当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 140 億円・営業利益 39 億円。対象市場1.25倍に対し物量1.40倍、相対シェア12%改善。価格1.40倍で原価上昇をやや上回り、利益率28%。
- 製パン設備・周辺機器:数量 620(年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定))× 価格 0.43(1案件当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 265 億円・営業利益 60 億円。対象市場1.25倍に対し案件1.55倍、相対シェア24%改善。価格1.40倍は物価と案件構成の改善。設計の共通化で利益率22.5%。
- 機械の修理・部品等:数量 16,400(年間有償対応顧客数(顧客年、推定))× 価格 0.01(対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目))→ 売上 132 億円・営業利益 38 億円。有償対応顧客1.45倍、平均支出1.37倍。設置先増と部品需要の増加を中心とし、利益率29%。
- 米州の冷凍生地・食品:数量 32,000(年間食品出荷重量(トン、推定))× 価格 0.01(出荷重量1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 342 億円・営業利益 36 億円。対象市場1.28倍に対し出荷1.60倍、相対シェア25%改善。単価1.37倍、稼働率改善後の利益率10.5%。
- 日本の天然酵母パン種:数量 168(年間乾燥パン種販売重量(トン、推定))× 価格 0.04(乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。物量1.05倍、単価1.37倍。国内の大幅な需要増は見込まず、固定費吸収で利益率8.5%。
倍率:余剰現金と税後利息を除く事業純利益106.9175億円、事業自己資本816.6861億円からROE13.0916%。RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=10.0458%。g=3.5%として(1−g÷RONIC)÷(7%−g)=18.61703463倍をそのまま使用。事業純利益×PER+余剰現金0.0000億円×0.75=1990.4873億円。過去や現在の市場PERから決めていない。年別純利益は2027年3月期から順に42.00、40.00、45.23、51.15、57.83、65.40、73.95、83.62、94.55、106.92億円。累計660.6435億円、還元271.3979億円なので、自己資本427.4404781+累計利益−還元=816.6861億円。配当は最初の2年に年15.6億円以上、その後は黒字純利益の40%という近似で、未実行の自己株取得7.1404781億円を一度だけ加えた。実行済取得は起点から控除済み。年別利益の表示は丸めであり、自己資本は丸め前の合計で整合させた。
確率:既存工場の能力不足という具体的な出発点があり、中立を上回る増産と海外採用は十分にありうるため21%。ただし競合の増設もあるので、全分野で大幅にシェアを奪うほどの確率は与えない。過去の安定性はkに反映済みで重ねない。
中立 37% 中立:機械の優位を保ち、米国の投資を時間をかけて回収する 利益 74 億円 · PER 17.1 倍 · 株価時価総額 4,737 円1,275 億円
包あん機は対象市場とほぼ同じ速度で増え、国内の高い地位を守りながら海外での採用を積み上げる。製パン設備では更新と省人化需要を取り込み、相対的なシェアが小幅に改善する。修理と部品の対象も増えるが、老朽機の引退があるため累計納入台数がそのまま継続収入になるわけではない。
米国では新工場の償却負担が先行した後、既存客への供給と周辺地域の販売が伸びる。食品出荷は現在の約1.35倍となるが、価格競争も残るので食品利益率は約9%にとどまる。天然酵母パン種の数量は横ばいで、全社の名目売上増には物価上昇も相当部分含まれる。
全社の営業利益率は約13.2%で、過去最高を上回る収益構造を必要としない。必要な設備投資を続けながら利益連動の配当を行い、大型買収や大型増資には頼らない。既存報酬権利が全て行使される想定でも、現在株主の取り分は約99.91%残る。
- 包あん機・食品成形機:数量 1,298(年間販売台数(台、全機種合計の推定))× 価格 0.09(1台当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 113 億円・営業利益 29 億円。対象市場実質1.20倍×相対シェア0.9833倍=物量1.18倍。国内では人口減を更新・省人化が補い、海外で採用増。価格は物価のみ1.34倍、利益率26%。
- 製パン設備・周辺機器:数量 512(年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定))× 価格 0.41(1案件当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 209 億円・営業利益 42 億円。対象市場実質1.18倍×相対シェア1.08475倍=案件1.28倍。大型化による特別な値上げは含めず、単価1.34倍、利益率20%。
- 機械の修理・部品等:数量 14,138(年間有償対応顧客数(顧客年、推定))× 価格 0.01(対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目))→ 売上 111 億円・営業利益 30 億円。有償対応顧客1.25倍、単価は物価1.34倍。新規設置増と旧型退役の両方を織り込み、利益率27%。サポート方針変更による全顧客の囲い込みは仮定しない。
- 米州の冷凍生地・食品:数量 27,000(年間食品出荷重量(トン、推定))× 価格 0.01(出荷重量1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 282 億円・営業利益 25 億円。対象市場実質1.20倍×相対シェア1.125倍=出荷1.35倍。単価1.34倍で、追加償却・物流・競争を考慮し利益率9%。市場数量は分析仮説で公表予測ではない。
- 日本の天然酵母パン種:数量 160(年間乾燥パン種販売重量(トン、推定))× 価格 0.04(乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。人口減と専門店・家庭の需要維持が相殺し、数量は横ばい。価格1.34倍、固定費吸収で利益率7%。
倍率:余剰現金と税後利息を除く事業純利益73.0550億円、事業自己資本698.0181億円からROE10.4661%。RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=8.7330%。g=3.5%として(1−g÷RONIC)÷(7%−g)=17.12064577倍をそのまま使用。事業純利益×PER+余剰現金34.2423億円×0.75=1276.4298億円。過去や現在の市場PERから決めていない。年別純利益は2027年3月期から順に40.20、37.00、40.32、43.93、47.87、52.16、56.84、61.93、67.48、73.53億円。累計521.2673億円、還元216.4474億円なので、自己資本427.4404781+累計利益−還元=732.2604億円。配当は最初の2年に年15.6億円以上、その後は黒字純利益の40%という近似で、未実行の自己株取得7.1404781億円を一度だけ加えた。実行済取得は起点から控除済み。年別利益の表示は丸めであり、自己資本は丸め前の合計で整合させた。
確率:中立37%。食品の物理的な加工と省人化には持続性がある一方、未開示の販売数量や新工場の投資回収を高確度とは扱わない。上側合計30%、下側33%とわずかに下へ寄せるのは、ROE目標の後退と増産競争を重くみるためであり、単なる景気警戒ではない。
やや悲観 24% やや悲観:競合に更新を奪われ、新工場の回収が遅れる 利益 30 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 1,529 円412 億円
食品の加工設備の市場は消えないが、標準的な用途では競合の機械でも十分という顧客が増える。市場が緩やかに伸びる間にレオンは更新を失い、包あん機と製パン設備の販売数量は現在より減る。修理収入は設置基盤に支えられるものの、値上げは物価に追いつかない。
米国では新工場が稼働しても、同業の増産と大口顧客の発注分散により、食品出荷はほぼ横ばいになる。販売を守るための値引きと追加対応が必要で、固定費を十分に吸収できない。既存の投資に加え、能力過剰や採算の低い事業投資に資金が固定される。
利益は残るが、全社の営業利益率は約7.2%まで下がる。累進配当の約束が終われば利益の低下に応じて配当も伸びなくなり、追加買収より現金の返還が重要になる。将来の正常回復を自動的に期待せず、長期の顧客流出が稼ぐ力を少しずつ削る会社として評価される。
- 包あん機・食品成形機:数量 968(年間販売台数(台、全機種合計の推定))× 価格 0.08(1台当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 77 億円・営業利益 15 億円。対象市場1.05倍に対し物量0.88倍、相対シェア16.2%低下。価格1.22倍は物価未達。値引きと国内固定費で利益率20%。
- 製パン設備・周辺機器:数量 352(年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定))× 価格 0.37(1案件当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 129 億円・営業利益 18 億円。対象市場1.05倍に対し案件0.88倍、相対シェア16.2%低下。価格1.20倍、顧客別設計費を吸収できず利益率14%。
- 機械の修理・部品等:数量 11,876(年間有償対応顧客数(顧客年、推定))× 価格 0.01(対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目))→ 売上 89 億円・営業利益 21 億円。有償対応顧客は1.05倍にとどまり、価格1.28倍。純正部品離れと人件費増で利益率23%。
- 米州の冷凍生地・食品:数量 21,000(年間食品出荷重量(トン、推定))× 価格 0.01(出荷重量1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 203 億円・営業利益 11 億円。対象市場1.10倍に対し出荷1.05倍、相対シェア4.5%低下。価格1.24倍では原価増を吸収しきれず利益率5.5%。
- 日本の天然酵母パン種:数量 144(年間乾燥パン種販売重量(トン、推定))× 価格 0.04(乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。専門店減少で物量0.90倍、価格1.28倍。固定費が残り利益率4.5%。
倍率:余剰現金を除く事業ROE5.3700%は資本コストを下回る。更新顧客の流出が2036年以後も続くという構造から名目利益成長−1%の稼ぐ力を採り、1÷(7%+1%)=12.5倍。事業純利益28.4928億円×12.5+余剰現金74.3707億円×0.75=411.9377億円。無成長の上限1÷7%より低く、資産処分の床よりは高い。現在の市場倍率からの割引ではない。年別純利益は2027年3月期から順に37.00、32.00、31.68、31.36、31.05、30.74、30.44、30.13、29.83、29.53億円。累計313.7731億円、還元136.2497億円なので、自己資本427.4404781+累計利益−還元=604.9638億円。配当は最初の2年に年15.6億円以上、その後は黒字純利益の40%という近似で、未実行の自己株取得7.1404781億円を一度だけ加えた。実行済取得は起点から控除済み。年別利益の表示は丸めであり、自己資本は丸め前の合計で整合させた。
確率:やや悲観24%。世界の製パン機器に有力競合が存在し、米国食品では顧客側の調達選択肢が多いこと、新中計でも資本収益性の低下を見込むことを反映した。事業が必要でもレオンが高収益で供給できるとは限らず、下側を上側より3ポイント多くした。
悲観 9% 悲観:機械の差が薄れ、食品投資の失敗で資産回収が中心になる 利益 −4 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 414 円111 億円
低価格機が生地の扱いを改善し、量産設備の標準化によってレオン固有の調整技術の差が小さくなる。世界の市場が縮まなくても、更新時に他社へ切り替える顧客が増え、包あん機と製パン設備の数量はほぼ半分になる。古い機械の引退と修理の内製化で部品需要も減り、高収益の支えが弱くなる。
米国では大口顧客を失い、新工場は固定費を抱えたまま価格競争に入る。事業を守る追加投資や小型買収が回収できず、大きな減損も発生する。食品製造自体は必要でも、レオンがその供給者として利益を残せない状態である。
人員や拠点を減らしても全社の営業赤字が続き、配当は累進方針の期間後に縮小する。価値の中心は企業の成長ではなく、現金、回収可能な債権、土地や設備などの処分となる。倒産を前提にはしないが、帳簿通りの換価や即時の全額返還は期待せず、高い買収価格による救済も数えない。
- 包あん機・食品成形機:数量 605(年間販売台数(台、全機種合計の推定))× 価格 0.07(1台当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 44 億円・営業利益 5 億円。対象市場は横ばいでも物量0.55倍となり相対シェア45%低下。低価格機と工程標準化に押され単価1.12倍、利益率12%。
- 製パン設備・周辺機器:数量 200(年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定))× 価格 0.34(1案件当たり平均売上(億円、名目))→ 売上 67 億円・営業利益 4 億円。対象市場は横ばいでも案件0.50倍。価格1.10倍では設計・サービス網を維持できず利益率6%。単年不況でなく競争力喪失。
- 機械の修理・部品等:数量 7,917(年間有償対応顧客数(顧客年、推定))× 価格 0.01(対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目))→ 売上 54 億円・営業利益 10 億円。有償対応顧客0.70倍、支出1.16倍。更新失注後の旧型退役と第三者修理で利益率18%。
- 米州の冷凍生地・食品:数量 14,000(年間食品出荷重量(トン、推定))× 価格 0.01(出荷重量1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 124 億円・営業利益 1 億円。対象市場1.05倍に対し出荷0.70倍、相対シェア3分の1低下。価格1.14倍、規模縮小後も設備費用が重く利益率1%。
- 日本の天然酵母パン種:数量 120(年間乾燥パン種販売重量(トン、推定))× 価格 0.03(乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。物量0.75倍、価格1.20倍。規模縮小で損益均衡となり、株主価値の逃げ場にはならない。
倍率:営業赤字が恒常化するためPERを使わず、下記の回収可能資産111.48035857億円を価値とする。PBRはこの額÷添付の現在自己資本430.3億円=0.2590758972倍。将来の帳簿自己資本397.90億円を床として掛けたのではない。留保利益の自動加算もせず、同じ現金を余剰として足し直さない。年別純利益は2027年3月期から順に35.00、24.00、16.00、-42.00、2.00、-3.00、-4.00、-4.00、-4.00、-4.00億円。累計16.0014億円、還元45.5405億円なので、自己資本427.4404781+累計利益−還元=397.9014億円。配当は最初の2年に年15.6億円以上、その後は黒字純利益の40%という近似で、未実行の自己株取得7.1404781億円を一度だけ加えた。実行済取得は起点から控除済み。年別利益の表示は丸めであり、自己資本は丸め前の合計で整合させた。
確率:悲観9%。機械の差別化喪失と米国食品の投資失敗が重なる必要があるため主筋ではないが、技術の標準化と顧客の乗り換えで起こりうる構造的敗北として残す。単年不況からの自動回復や、第三者が高値で買収する救済は仮定しない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
包あん機・食品成形機
生地で具材を包み、重量と形を揃える標準機や応用機。
| 数量年間販売台数(台、全機種合計の推定) | 価格1台当たり平均売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,100 | 0.06 | 71 | 19 |
| 10 年後 中立 | 1,298 | 0.09 | 113 | 29 |
取り方:売上は有報の機械地域別対外売上に決算説明資料8〜11頁の包あん機構成比を適用して71.29億円。日本30%、米州21%、欧州24%、アジア36%であり、全社売上の恣意的な割当ではない。全機種の販売台数は未開示。旧中計7頁には2022年度(2023年3月期)のCN700販売166台があるが、これを2026年の全機種実績とは扱わない。顧客17,400社の80%が対象機を使い、平均1.1台、更新15年と仮定すると更新約1,021台で、新規等約80台を加え年間1,100台を検証用の中心とした。80%、1.1台、15年は筆者の仮定であり、実測ではない。全体は800〜1,500台程度の不確実性を持ち、平均単価は開示売上÷仮定台数で整合させたもの。製品別利益も未開示で19.25億円は機械利益合計からの推定配分。2022年資料の国内90%が維持されるという条件付きなら、国内対外売上約34.45億円から対象市場約38.3億円となる。世界の同一母数の市場規模と競合別シェアは確認できず、コバード・ANKOに対する独占とはしない。数量の中立伸びは対象市場実質1.20倍×相対シェア0.9833倍=1.18倍という仮説。出典:顧客数 https://www.rheon.com/ir/individual/individual_data/ 、機種台数 https://www.rheon.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/b7c68797d8be4a9a7edb5d9cdec10be5.pdf 、過去の国内シェア https://www.rheon.com/wp/wp-content/uploads/2022/12/1ef9c88d4cf8c3bddf335a8b09c44f59-1.pdf 、商品構成[資料1]。会社の地域別報告を経済性の異なる5区分に組み替えた。現状の5区分売上合計420.10億円、利益合計75.85億円に本社・内部消去・丸め調整−24.15億円を加え営業利益51.70億円。地域別の日本利益を国内対外売上の利益率として延長しない。機械商品別の推定利益は合計60.35億円だけが開示合計と一致する。台数の絶対水準と単価の分解には識別限界があり、価値の主な感応度は将来の更新率・シェア・実質値上げ・工場稼働率にある。同じ売上になるよう数量と単価を逆向きに動かしても、予測精度が上がるわけではない。
製パン設備・周辺機器
生地の分割、シート化、折り重ねを行う装置、ライン及び周辺オーブン。
| 数量年間納入案件数(件、単体装置とライン一式を含む推定) | 価格1案件当たり平均売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 400 | 0.30 | 122 | 23 |
| 10 年後 中立 | 512 | 0.41 | 209 | 42 |
取り方:地域別製パン機器の売上推計117.29億円に国内の周辺機器等4.59億円を合わせ121.89億円。会社の製パン区分には単体分割機もあり、400件は大型ライン400本という意味ではない。旧中計の2022年度VX222販売87台を起点に、主力単体機が現在約100件で全案件の4分の1を占めるという仮定から、全体400件とした。この機種比率は未確認で、件数は概ね280〜520件の幅を持つ。平均単価は案件構成を一定として開示売上に整合させ、将来の大型化は価格側だけに反映する。製品別利益23.15億円は推定である。国内の自動化シートライン90%以上という過去の説明を現在の製パン売上全体に適用するのは範囲が違い、国内市場40〜50億円という値は限定的な目安にとどまる。競合Rademakerの2024年全社売上約1.4億ユーロと稼働ライン約1,200本は競合の規模を示すが、サービス等を含み世界シェアの分母にはできない。中立の対象市場実質1.18倍に対し自社案件数1.28倍で、相対シェアは約8.5%改善する仮説。出典:[資料1]、https://www.rheon.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/b7c68797d8be4a9a7edb5d9cdec10be5.pdf 、競合への直接取材 https://nevi.nl/kennislab/rademaker-transformeert-inkooppraktijk-richard-doze-bouwt-aan-een-compleet-team 。
機械の修理・部品等
納入済み機械の修理、交換部品、関連サービス。
| 数量年間有償対応顧客数(顧客年、推定) | 価格対応顧客1社・年当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 11,310 | 0.01 | 66 | 18 |
| 10 年後 中立 | 14,138 | 0.01 | 111 | 30 |
取り方:決算説明資料の修理等構成比は日本29%、米州26%、欧州26%、アジア12%。各地域の対外売上に適用すると66.47億円。公表顧客17,400社のうち年65%に有償の部品・修理等が発生すると仮定し11,310顧客年とした。これは開示された契約数でも実際の年間訪問数でもなく、金額と更新母集団を結ぶ仮説である。同じ平均支出を全顧客に適用した潜在支出は約102.3億円だが、業界市場規模ではない。他社修理や内製整備の比率は未確認。利益17.95億円は商品別推定であり、保守全体が高利益率の定額収入とはみなさない。中立では稼働機の純増と純正部品の利用により有償対応顧客が1.25倍、平均支出は物価のみ1.34倍。製造終了から25年以上の一部機種の支援終了予定と、中古流通品のサポート制限があるため、累計顧客が永久に残る前提ではない。出典:[資料1]、https://www.rheon.com/ir/individual/individual_data/ 、支援期限 https://www.rheon.com/general-topics/13625/ 、中古機方針 https://www.rheon.com/general-topics/13522/ 。
米州の冷凍生地・食品
オレンジベーカリーによるクロワッサン等の冷凍生地製造。
| 数量年間食品出荷重量(トン、推定) | 価格出荷重量1トン当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 20,000 | 0.01 | 156 | 15 |
| 10 年後 中立 | 27,000 | 0.01 | 282 | 25 |
取り方:有報の米州食品売上155.92576億円を、商品構成比の丸めを含めて添付の全社420.1億円に一致させるため155.89億円とした。数量・工場別能力・メーカー実売単価は未開示。既存4工場のうち3工場がほぼ24時間操業という会社説明を確認したが、それだけで重量は特定できない。4工場×年250日×平均20時間×有効出荷1トン毎時という検証用仮定を置くと2万トンとなり、平均出荷単価は約779円/kgに対応する。稼働日・有効処理量は会社開示ではなく、数量は1.5万〜3万トン程度の幅で扱う。商品カタログで確認できるのは重量単位で、卸売価格や生産能力の証明ではない。Rich Products、Bridor、Europastryとの同範囲の数量・市場シェアは確認できない。中立の対象市場実質1.20倍と自社出荷1.35倍は、市場統計からの予測ではなく新工場による供給制約緩和と相対シェア12.5%改善という分析仮説。世界全体を4%占有する等の未確認の絶対シェアは使わない。出典:[資料2]、[資料3・9頁]、商品 https://orangebakery.com/croissant/ 。
日本の天然酵母パン種
ホシノ天然酵母パン種の発酵種製品。
| 数量年間乾燥パン種販売重量(トン、推定) | 価格乾燥パン種1トン当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 160 | 0.03 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 160 | 0.04 | 6 | 0 |
取り方:有報の日本食品売上約4.56億円を使用。公開商品の500g包装を基準に、年32万袋相当、すなわち160トンと仮定し、平均メーカー売上2,850円/kgに整合させた。包装重量以外の数量・単価は未確認であり、年間120〜220トン程度の範囲を持つ。この仮定を公開実績とは扱わない。一般製パン用イーストの市場を天然酵母パン種の市場と置き換えることはできず、白神こだま酵母等との比較可能な市場規模・競合別シェアも確認できない。市場の大きさを推定値で膨らませず、中立は物理量横ばい、価格のみ物価1.34倍とした。規模が全社売上の約1%なので、ここを成長の柱にはしない。出典:[資料2]、製品 https://www.hoshino-koubo.co.jp/ 。
リスクと懸念
機械の差別化が標準化と低価格機に削られる
生地を傷めない技術が価値を持っていても、顧客の全てが最高の性能を必要とするわけではない。標準品向けの品質が競合機で十分になれば、国内の過去の高シェアは更新時の失注を防げない。値引きで台数を守ると、顧客別の試作や保守費用を回収できず、売上以上に利益が落ちる。国内の成熟で更新案件の比重が高まるほど、一度の失注が次の保守収入まで奪う。
米国の増産と大口顧客の需要がずれる
既存工場が高稼働でも、新工場の完成時に同じ需要が続くとは限らない。同業も供給を増やし、顧客が発注先を分散すれば、能力増強は値下げと固定費増につながる。稼働率だけでなく、出荷単価、廃棄、物流費、償却後の利益を見ないと、新工場の成功を早く判断しすぎる。[資料3] 建物の完成ではなく、追加投下資本からの税後利益で成功を判断する必要がある。
資本配分が株主への現金回収を遅らせる
成長投資の予算が大きく、利益が増えても設備と在庫に資金が吸収されやすい。回収の遅い工場を抱えたまま買収で売上を補い、政策保有株も維持すれば、会計上の純資産だけが積み上がる。配当性向の引上げは前進だが、余った資金を継続して返すことが確認できるまでは全額を額面評価できない。[資料1][資料2] 中計に記された投資予算は、使えば価値が生まれることを約束したものではない。
食品安全と品質事故が二つの事業に波及する
食品の異物混入や品質不良は、回収費用だけでなく継続受注の喪失につながる。機械側でも顧客の食品品質や停止時間に問題が出れば、試作・保守の信頼そのものを傷つける。事故対応中も人員と設備の費用は残り、食品と機械の両方を持つことが常に分散効果になるわけではない。機械販売と食品製造の評判が同時に傷つく点は、両事業を持つ固有の弱みである。
関税・資材制約・地域需要の変化
直近に関税を転嫁できたことは、将来の税制変更でも販売数量が落ちないという保証ではない。資材の入手難や納期延長、国内の顧客数減少が重なると、修理需要だけでは新品の減少を埋めにくい。為替を将来の利益改善策にせず、地域ごとの実質需要と受注価格を分けて見る必要がある。[資料3] 販売地域が多くても、生産拠点が限られる部分には共通の供給障害が残る。
AI エージェント代替
主な売り物は食品を物理的に加工する機械、部品、食品であり、人月・席課金や操作画面中心のソフトには当たらないため、直接代替型の数量縮小規則は適用しない。ただしAIが競合の設計や支援費用を下げ、制御やロボット工程を標準化すれば技術差は縮む。自社の効率化だけを利益増の根拠にしない。逆に、実際の原料を扱う技能と品質保証は、画面上の処理が安くなるだけでは不要にならない。
今後の分かれ目
- 新工場が通期操業して2年以上たっても、米州食品の営業利益率が8%に届かず、出荷の伸びも市場を下回る。
- 一時的な立上げ費ではなく投資回収の問題と判断し、中立の出荷増と部門利益率を下げ、やや悲観の比重を高める。
- 機械の値上げが物価を2年続けて下回り、為替を除いた販売数量と修理等の収入も同時に弱くなる。
- 単なる受注時期のずれではなく切り替え負担の低下を疑い、包あん機と製パン設備の相対シェア、利益率、堀の評価を見直す。
- 設備投資が一巡した後、3年合計の営業キャッシュフローから設備取得支出を引いた額が純利益の7割以上となり、稼働率も安定する。
- 利益が株主に回せる現金へ変わった証拠とみなし、追加投資の負担と必要現金の留保額を再検証する。定期預金移動などを設備投資と混ぜない。
- 5年以上の実績で配当性向中央値50%以上、または5%以上の純株数減が確認でき、資金不足を新株発行で埋めていない。
- 余剰現金の返還係数を0.75から1.0へ改める条件が整う。単発の買戻し枠や方針発表だけでは変更しない。
- 自己資本の1割を超える買収を発表する、または利益が弱いまま当初計画以上の増設を繰り返す。
- 買収先・新設備の投資利回り、借入、追加株式、既存顧客とのつながりを個別に確認し、回収できない資本と希薄化を計算し直す。
- 製品別台数、実売価格、新工場の能力と投資後利益が開示され、現在の仮定数量を直接検証できるようになる。
- 仮定の台数や重量を実数に置き換え、売上の単なる換算ではなく更新周期と市場占有率を再推定する。AI制御の競合機が同品質で低価格なら、価格とシェアの両方を引き下げる。
見ておくもの
- 包あん機の機種別販売台数と実売単価。大型ラインと単体分割機を分けた受注・納入案件数。
- 地域別の為替を除く受注と受注残。展示会や関税前の駆込みを恒久的な市場成長と混同しない。
- 米国新工場の稼働開始、出荷重量、主要顧客の継続、廃棄率、物流費、償却後利益。
- 営業キャッシュフロー、設備への実際の支払、前払設備代、在庫と前受金。利益増と現金増の一致。
- 純正部品・修理等の収入と旧型機の支援終了。新規設置先が継続顧客に変わっているか。
- 配当・買戻しの実行額、純株数、未行使報酬権利、政策保有株の売却、買収後の利益と減損。
倍率と資本コストの決め方
価格基準は2026年10月16日、開示確認は10月23日。TOB・MBO・上場廃止予定は確認されず、直近四半期の継続企業注記は該当なし。添付の財務・株数を維持した。 数量の未開示部分は仮説と明示し、価格や倍率を現在の時価総額へ逆算していない。PERはk・g・事業ROEの指定式、悲観は換価資産で決めた。既存償却やリース費用、保有株、前受金、買戻しを二重計上せず、将来の現金と希薄化を区別した。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に品質調整−0.5%を加え7.0%。業種ノートの工作機械の受注急増は使わず、食品設備と食品製造の実績変動に従う。比較表の澁谷工業と同程度だが、食品の必需性だけでさらに引き下げない。会社自身のCAPMによる資本コスト推計とは計算体系が異なる。