結論
タダノは、重い物を持ち上げるクレーンと、その稼働を支える部品・整備で稼ぐ機械メーカーである。筆者の結論は割安だが、その根拠は世界首位への期待ではなく、国内の信用と補修事業に対して払う値段の低さにある。買収の失敗も織り込んだ現在価値は約2,244億円となり、基準時価総額を約34%上回る。
クレーンが必要とされなくなる姿は想像しにくい。橋梁の更新、工場の建設、港湾の荷役では、重い物を安全に動かす機械が欠かせない。故障による工事の停止は機械の購入価格以上の損失になりうるため、整備網と部品供給の確かさが価格差を支える。ただし、必要な製品を作る会社が、高い投資利回りを得られるとは限らない。
最大の疑問は、買収で広げた事業を利益と現金に変えられるかである。過去の自己資本利益率の中央値は5.6%にとどまり、ドイツの再建も終わっていない。2025年度の純利益には資産売却などが含まれ、翌年上期にも関税還付があるため、見かけの回復を恒久的な稼ぐ力と取り違えてはならない。[資料1・3]
中立では、国内の台数は少し減り、海外の販売と保守が補う。中国メーカーにすべて勝つ必要はないが、欧州の赤字と買収先の重複費用を抑える必要はある。悲観では約870億円の資産回収価値まで下がる余地があり、安さは元本の保証ではない。予測の確かさは中程度で、良い製品と優れた資本配分を分けて評価したい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、最も魅力があるのは一度売った機械が長く現場に残ることだ。安全にかかわる部品と修理を、価格だけで簡単に切り替える顧客は多くないはずである。新車の購入が一時的に止まっても、使い続ける機械には手入れが要る。この関係が続くなら、設置済みの機械群は次の売上を生む土台になる。
ただし、利益を留保すれば自動的に株主が豊かになる会社ではない。在庫と設備が必要で、海外の再建や買収にも現金が出ていく。既存設備の償却費は物価に連動しないが、更新する機械や建屋の支払額は上がるため、会計利益よりも株主が使える現金が少なくなる場面がある。再投資の利回りが改善しないなら、事業の整理と還元を優先してほしい。
国内の整備網は理解しやすい一方、欧州の競争と買収先の統合は読み切れない。そのため世界首位の構想を評価の中心にせず、地域ごとの強弱を残した。評価額が基準時価総額を上回るのは、全ての買収の成功を見込むからではなく、強い部分と弱い部分を分けても稼ぐ力が残るためだ。
安全域はあるが、その幅は資本配分で失われうる。価格の低さだけで長期保有に向く会社と断定せず、留保した利益が翌年以降の利益と現金をどれだけ増やしたかを確かめ続ける必要がある。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、新車を売る商売と、売った機械を長く動かす商売である。主要顧客はクレーンのレンタル会社、建設会社、設備工事会社などで、彼らは購入価格だけでなく稼働率と中古売却価格を見ている。新車の受注は工事量や金利で揺れるが、現場に残る機械は修理と部品交換を必要とする。[資料1]
建設用クレーンでは、不整地で作業するラフテレーンクレーンに強い。大型のオールテレーンクレーンと、履帯で走るクローラクレーンでは、ドイツの技術と工場も使う。国内の小型機と海外の大型機では単価も競争相手も異なり、販売台数だけを一緒にすると事業の姿を見誤る。
車両搭載型クレーンは、トラックの荷台に載せて荷物を積み降ろしする製品である。国内では古河ユニックと競い、Manitexの買収後は折り畳み式のPMなども加わった。高所作業車は、人を高い場所へ運ぶ機械であり、国内のトラック式と海外に広げたい自走式では市場が違う。タダノユーティリティの増産は後者の供給力を広げるが、販売網の整備も必要になる。[資料3]
旧IHI運搬機械の運搬システム事業は、港湾や建設現場に据える大型機と、その保守を担う。2025年度は半年分しか連結されておらず、翌年の増収には買収後の通年化が混じる。長い納入実績は魅力だが、駐車場事業まで取得したわけではない。
なお、周辺には受託開発、配車管理ソフト、教習事業もある。連結外部売上は非開示のため小額の推計として分け、機械の補修と同じ継続性は与えない。機械製造と実機の修理は、AI エージェント代替の直接対象ではない。以下の区分は数量と単価を考えるための製品別区分であり、会社が開示する所在地別セグメントとは異なる。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が短期間ではまねできない強みは、故障させず、故障しても早く復旧させる仕組みにある。国内には指定サービス工場360か所と認定技術者823人があり、機械の履歴を共有する仕組みも備える。顧客が他社へ乗り換える際には、操作への習熟、部品在庫、修理先、中古売却先まで見直す必要がある。[資料1]
値上げが全く通らない会社ではない。2025年度の営業利益増減では、販売価格の改善が約50億円の押し上げになった。ただし、材料費や関税の負担を十分に上回ったわけではなく、価格を一方的に決められる独占企業とは違う。欧州では製品構成と価格の競争力が課題に残り、国内の強みをそのまま世界全体へ広げて評価できない。
資本効率の実績は、製品への評価ほど高くない。2019年3月期から直近までに投下資本は大きく増えたが、営業利益の増加は小さい。買収時期などの影響を受ける粗い比較でも、増やした資本に十分な利益が付いてきたとは言いにくい。過去の自己資本利益率が資本コストを下回る事実を、将来の成長率で覆い隠すべきではない。
中立で改善を認めるのは、値上げの実績、工場再編、取得済み事業の保守収益という具体的な変化があるためだ。それでも整備網は地域ごとに作る必要があり、競合も似た網を持つ。堀は普通と判断し、強い独占やネットワーク効果に与える評価はしない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
クレーン市場は、世界の建設機械市場全体とは分けて見る必要がある。タダノ推計の2025年の車輪式クレーン需要は15,970台で、同社の台数シェアは12%である。この母集団は中国とロシアの国内需要を除き、中国製の輸出を含む。クローラクレーンも対象外であり、全世界の全クレーンに対するシェアではない。[資料1]
国内と北米には強い足場がある。会社推計の台数シェアは国内59%、北米40%だが、欧州は5%にとどまる。全体シェアは2023年の15%から下がっており、中国製トラッククレーンの輸出増と、タダノ自身の競争力低下を分けて観察したい。大型機ではLiebherrやGrove、国内では加藤製作所、新興国では徐工や三一などが競争相手になる。
国内の搭載型クレーンは、年約1.1万台の市場でタダノが49%を占める。古河ユニックも自社資料で約50%としており、この分野の寡占は比較的はっきりしている。国内トラック式高所作業車では、年約3,600台に対してタダノは41%で、アイチコーポレーションが主要な競合である。残りのすべてをアイチのシェアと決めつけることはできない。
自走式高所作業車では、中期計画が示す対象地域の需要は合計26,600台である。これは世界の全高所作業車を含む数字ではなく、JLGやGenieなどの大手に対するタダノの正確なシェアも非開示である。TISの建築用クレーンには旧IHI時代の国内シェア約50%という実績があるが、港湾機械全体に同じ比率は使えない。定義のそろわない市場では、見かけだけ精密な世界シェアを作らない。
10年の中立では、海外の実質需要は年率1~3%という業種共通の範囲を使い、国内は人口と工事の制約で少し細る。電動化や安全装置は単価を支える一方、稼働効率の向上は必要台数を減らす。中国メーカーの海外整備網が育てば、価格差を正当化する力は今より厳しく問われる。
資本政策と M&A
中期計画24-26は、最終年度の売上高3,300億円と営業利益300億円を掲げた。資本効率の目標はROIC8%とROE9.5%で、配当性向の目標は30%である。DOE、総還元性向、自社株買いの固定額については数字の約束なしだ。[資料2]
2026年の説明では、計画期間の投資配分は成長投資600億円、株主還元100~140億円へ見直された。借入返済と運転資金にも多くを振り向けるため、利益のすべてが株主の自由になるわけではない。売上規模が当初目標を超えても、足元の営業利益予想は当初目標に届かず、買収による増収と価値創造は別問題である。
2019年のデマーグ、2024年のタダノユーティリティ、2025年のManitexとTISへ資本を投じた。直近の取得価額はManitexが約167億円、TISが約118億円だが、成功の判定には時間が要る。政策保有の上場株式は親会社分で約94億円残り、減らす数量目標は確認できない。
JACとの提携には資本配分を改善する余地があるが、少数株主としての関与であり、TOBとは区別する。還元は配当性向30%を軸とし、未発表の大型自社株買いは当てにしない。調査日までにTOBや上場廃止予定は確認されず、中間決算の継続企業注記も該当なしである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
国内のクレーンと搭載型クレーンには、まだ十分に評価されていない顧客基盤がある。購入価格が低い機械でも、部品が届かず工事が止まれば安くない。地域のサービス工場、熟練した整備士、機械の履歴という組み合わせは、製品の図面だけでは手に入らない。中国メーカーの輸出が増えても、安全と稼働の確かさを重視する顧客は残る。
買収先の負担と、その先の可能性を区別したい。Manitexは海外の販売網へ異なる製品を載せる機会を与え、TISは長い保守関係を持つ顧客を加えた。自走式高所作業車では新工場が実際に動き始めており、単なる構想ではなく供給力が増えている。ドイツの大型機と日本の小型機の役割を整理できれば、重複する開発や生産の負担も軽くなる。[資料1・3]
値上げによる利益の押し上げは、既に決算で確認できる。これまでの低収益には買収時の費用や再編の負担が含まれ、すべてを恒久的な競争力不足と考えるのも厳しすぎる。保守の比重が高まり、工場の稼働が安定すれば、新車の数量が急増しなくても利益率は改善しうる。
現在の値段は、世界首位になることを必要としていない。海外の一部で競争に負けても、国内と補修事業の利益が残れば、株主には配当と残存価値がある。経営が買収の件数ではなく投下資本の利回りを優先するようになれば、過去の低い資本効率をそのまま将来へ延ばす見方には上振れの余地がある。
慎重な見方
良いクレーンを作ることと、買収へ投じた資本に十分な利益を得ることは別である。デマーグの取得から時間が経ってもドイツの再建は続き、会社は顧客や仕入先との関係の修復も課題だと説明している。生産の混乱を直しても、失った受注や競争力のある機種がすぐ戻るとは限らない。工場の費用だけを削れば解決する問題ではない。[資料3]
中国メーカーの脅威は、安い機械を売ることにとどまらない。販売台数が積み上がれば現地の整備網も育ち、中古機の売買や部品供給の弱点が縮む。タダノの世界シェア低下には市場構成の影響があるとしても、欧州の低いシェアと価格競争力の不足を説明し切れない。レンタル会社が複数メーカーを使い分ければ、乗り換えの壁も思うほど高くない。
売上が伸びても現金が増えない危険がある。機械を作るための仕掛品と在庫、取得した無形資産、各地域の開発費が資本を縛る。2025年度の純利益には大きな資産売却益があり、翌年の関税還付も繰り返し得られる利益ではない。これらを除くと、事業が稼ぐ力の回復は見かけより弱い。
保守にも限界がある。新品の販売台数を長く失えば、将来整備する自社製品の数も減り、顧客が自前で整備する部分も増える。利益の大半を留保しながら資本コストに届かない再投資を続ければ、帳簿の自己資本が増えても株主価値は増えない。安く見える値段が、低収益の長期化を正しく表している可能性は残る。
どちらに重みを置いたか
製品の必要性と国内の信用では前向きな見方が強いが、再投資の実績では慎重な見方が勝る。欧州の再建が長引き、海外のシェア低下も続いているため、中立を中心にしながら下向きの結果を厚く見る。買収の失敗を資本コストにも重ねて上乗せすることはせず、販売量と採算の差で受け止める。
それでも、強い地域と保守の稼ぎが残るなら基準時価総額には割安さがある。判断の条件は世界首位ではなく、国内の信用を守り、海外の赤字へ際限なく資本を入れないことだ。最終評価は割安だが、資本配分を信頼して放置できる会社という評価ではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 3,037 円3,874 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 410 円523 億円)。 今の値に割り戻すと 1,759 円2,244 億円、今との差 +38.6%、 期待の年率 +10.5%(資本コスト 7.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 8,359 円1.07 兆円 | 874 円1,115 億円 | +627.6% | +22.0% | 739 円942 億円 |
| やや楽観 | 18% | 5,374 円6,854 億円 | 642 円819 億円 | +374.0% | +16.8% | 1,083 円1,381 億円 |
| 中立 | 34% | 3,142 円4,008 億円 | 462 円589 億円 | +184.0% | +11.0% | 1,225 円1,563 億円 |
| やや悲観 | 26% | 912 円1,163 億円 | 227 円289 億円 | −10.3% | −1.1% | 296 円378 億円 |
| 悲観 | 14% | 682 円870 億円 | 63 円81 億円 | −41.2% | −5.2% | 104 円133 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,037 円3,874 億円 | 410 円523 億円 | +171.7% | +10.5% | 3,447 円4,397 億円 |
今の株価時価総額 1,269 円1,619 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 買収先と整備網が利益を生む 利益 638 億円 · PER 16.7 倍 · 株価時価総額 8,359 円1.07 兆円
日本の信用を守りながら、海外で取得した製品群の販売が広がる。ドイツでは新機種が顧客を呼び戻し、日本との生産分担が定着する。世界の車輪式需要は約2.2万台へ増え、タダノのシェアも約13%へ戻る。中国製品は数量を伸ばすが、高い稼働率を求める顧客との価格差は残る。
PMの製品を既存の販売店が扱い、自走式高所作業車も新工場の供給力を生かす。TISは既納機の改修を広げ、新設案件でも無理な安値受注を避ける。部品とサービスの売上が増え、製品価格には安全装置や使いやすさの改善も反映される。
追加の大型買収を必要とせず、取得済み事業の統合が利益につながる。ただし増産には在庫と設備が必要で、借入負担まで消えるわけではない。AIが周辺の受託開発や画面操作を圧迫しても、物理的な荷役と補修の価値は残り、株主は改善した利益から継続的な配当を受ける。
- 国内向け建設用クレーン:数量 850(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.86(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 729 億円・営業利益 139 億円。国内市場1400台前後で主力の地位を維持。
- 海外向け建設用クレーン:数量 2,450(販売台数(台、年、推定))× 価格 1.68(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 4,121 億円・営業利益 495 億円。世界車輪式22000台、全社シェア約13%。大型機が回復。
- 国内向け車両搭載型クレーン:数量 5,700(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.05(1台当たり実現売上(億円、クレーン部分))→ 売上 261 億円・営業利益 44 億円。国内市場11400台前後、シェア50%。
- 海外向け車両搭載型クレーン:数量 6,000(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.11(1台当たり実現売上(億円、製品構成込み))→ 売上 664 億円・営業利益 86 億円。販路を共用しPMとブームトラックが伸びる。
- 高所作業車:数量 4,600(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.18(1台当たり実現売上(億円、機種構成込み))→ 売上 813 億円・営業利益 114 億円。自走式の販売地域が広がり機種構成も上がる。
- 移動式機械の部品・整備・中古車等:数量 205,000(収益対象となる稼働機械(台年、推定))× 価格 0.01(稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 1,135 億円・営業利益 261 億円。設置機械が増え、純正部品・改修の捕捉率も上がる。
- 定置式クレーン・運搬機械の新設:数量 72.0(納入基数(基、売上認識相当、推定))× 価格 3.99(1基当たり平均売上(億円))→ 売上 287 億円・営業利益 29 億円。通年換算40基から72基へ拡大。
- 定置式機械の保守・改修:数量 1,450(保守売上の基盤となる設備(基年、推定))× 価格 0.32(設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 458 億円・営業利益 92 億円。通年1000基年から1450基年へ拡大。
- 外部向け受託開発・IT支援:数量 240(外部顧客への請求人月(人月、年、推定))× 価格 0.02(1人月当たり売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI売上の実証がないため数量は現状上限。
- 配車・業務管理ソフト:数量 200(年間契約相当数(社、推定))× 価格 0.01(1契約年当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。数量は現状上限。物価未満の値上げ。
- 外部向け教習・安全教育:数量 8,000(延べ受講件数(人コース、年、推定))× 価格 0.00(1受講当たり税抜平均売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。数量は現状上限。拠点の再拡大は織り込まない。
倍率:期末ROEは13.683%、kは7.5%。堀は普通で超過収益の残存割合を1/2とし、RONIC=7.5%+(ROE-7.5%)/2=10.592%。gは全社換算3.49%で、正当化PER=(1-g/RONIC)÷(k-g)=16.720508倍の上限そのものを使う。時価総額は全社純利益×PER。余剰現金は0、終点EV÷営業利益は11.20倍で20倍を下回る。純利益の10年合計は3717.017億円。105.7億円から終点へ線形に変わる経路を年央で10区分し、黒字年の利益の30%を還元する。自己資本は2058.6億円+累積純利益-還元。現在の投下資本密度(2058.6+593.9)÷3494.8を増収分にも維持し、留保利益で足りない分を負債で賄うため、終点純負債は1774.80億円。追加負債の税後金利負担を純利益へ織り込んでおり、余剰現金の自動加算は行わない。各製品の営業利益率には償却を含む。10年後の償却費は全社223億円、期間の設備投資は約2373億円の仮定で、既存資産の取得原価を物価で増やしていない。
確率:8%。工場再編、新機種、相互販売、保守拡大が同時に成功する必要がある。各施策には実体があるが、過去の買収と欧州再建の実績から連続成功を中心にはしない。
やや楽観 18% 再建と販路拡大が着実に進む 利益 440 億円 · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 5,374 円6,854 億円
国内の数量はほぼ横ばいだが、値上げと補修の需要が利益を支える。海外の車輪式市場は約2.05万台へ増え、タダノは約12.4%のシェアを得る。ドイツの顧客は一気には戻らないものの、新機種と納期の安定によって失った注文を少しずつ回復する。
ManitexとPMでは共通部品の調達と販路の相互利用が進む。自走式高所作業車は工場の能力増強が売上へつながり、TISの保守も安定する。中国メーカーとの価格競争は続くため、大型機すべてで高い利益率を得られるわけではない。
経営は買収を重ねるより、既存事業の投下資本を回収することを優先する。値上げの一部は材料と人件費へ消えるが、機種構成と生産の改善が残る。周辺ITと教習の縮小を抱えながらも、本業の改善が上回り、利益と配当が過去より安定して積み上がる。
- 国内向け建設用クレーン:数量 820(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.83(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 679 億円・営業利益 115 億円。国内市場1350台前後で販売を維持。
- 海外向け建設用クレーン:数量 2,100(販売台数(台、年、推定))× 価格 1.59(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 3,342 億円・営業利益 317 億円。世界車輪式20500台、全社シェア約12.4%。
- 国内向け車両搭載型クレーン:数量 5,500(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.04(1台当たり実現売上(億円、クレーン部分))→ 売上 246 億円・営業利益 37 億円。国内市場11000台前後、シェア約50%。
- 海外向け車両搭載型クレーン:数量 5,000(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.11(1台当たり実現売上(億円、製品構成込み))→ 売上 526 億円・営業利益 55 億円。調達と相互販売が部分的に成功。
- 高所作業車:数量 3,900(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.17(1台当たり実現売上(億円、機種構成込み))→ 売上 656 億円・営業利益 79 億円。能力増強に見合う顧客獲得が進む。
- 移動式機械の部品・整備・中古車等:数量 190,000(収益対象となる稼働機械(台年、推定))× 価格 0.01(稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 1,022 億円・営業利益 215 億円。稼働機械数と補修の捕捉率が緩やかに増える。
- 定置式クレーン・運搬機械の新設:数量 60.0(納入基数(基、売上認識相当、推定))× 価格 3.83(1基当たり平均売上(億円))→ 売上 230 億円・営業利益 18 億円。通年換算の1.5倍、安値受注は抑える。
- 定置式機械の保守・改修:数量 1,320(保守売上の基盤となる設備(基年、推定))× 価格 0.30(設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 397 億円・営業利益 71 億円。通年換算の1.32倍、改修が安定。
- 外部向け受託開発・IT支援:数量 216(外部顧客への請求人月(人月、年、推定))× 価格 0.02(1人月当たり売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。人月数量0.90倍。
- 配車・業務管理ソフト:数量 180(年間契約相当数(社、推定))× 価格 0.01(1契約年当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.90倍、価格1.12倍。
- 外部向け教習・安全教育:数量 6,800(延べ受講件数(人コース、年、推定))× 価格 0.00(1受講当たり税抜平均売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。受講数量0.85倍。
倍率:期末ROEは11.089%、kは7.5%。堀は普通で超過収益の残存割合を1/2とし、RONIC=7.5%+(ROE-7.5%)/2=9.294%。gは全社換算3.49%で、正当化PER=(1-g/RONIC)÷(k-g)=15.573768倍の上限そのものを使う。時価総額は全社純利益×PER。余剰現金は0、終点EV÷営業利益は10.72倍で20倍を下回る。純利益の10年合計は2729.076億円。105.7億円から終点へ線形に変わる経路を年央で10区分し、黒字年の利益の30%を還元する。自己資本は2058.6億円+累積純利益-還元。現在の投下資本密度(2058.6+593.9)÷3494.8を増収分にも維持し、留保利益で足りない分を負債で賄うため、終点純負債は1425.48億円。追加負債の税後金利負担を純利益へ織り込んでおり、余剰現金の自動加算は行わない。各製品の営業利益率には償却を含む。10年後の償却費は全社184億円、期間の設備投資は約1905億円の仮定で、既存資産の取得原価を物価で増やしていない。
確率:18%。値上げの実績と2026年の新工場稼働を評価する一方、顧客関係の修復と競合に対する機種の不足が残るため、全面的な改善より限定的な改善を厚くする。
中立 34% 国内を守り、海外は緩やかに改善 利益 287 億円 · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 3,142 円4,008 億円
国内の成熟した市場は少し縮むが、タダノは主要顧客との関係を守る。海外の車輪式市場は約1.9万台へ増え、会社の数量シェアは約11.6%へやや下がる。中国製トラッククレーンが市場全体を広げるためであり、高単価の主力市場を一斉に失う姿ではない。
ドイツは生産の混乱を抑えるが、競争力のある機種をそろえるまで時間がかかる。Manitexの販路拡大と自走式高所作業車の増産は緩やかに進み、TISの保守は安定収益になる。TISの増収の一部は買収年度が半年だったことによる通年化で、実力の急成長とは区別する。
製品価格は物価に沿って上がるものの、材料と賃金も上がる。留保利益だけでは増える運転資金と設備を賄い切れず、借入も増えるため、営業利益の伸びがそのまま株主の利益にはならない。周辺の受託開発とソフトはAI代替で縮むが、会社全体の方向を変える規模にはならない。
- 国内向け建設用クレーン:数量 760(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.80(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 611 億円・営業利益 92 億円。国内数量0.95倍。価格1.34倍。
- 海外向け建設用クレーン:数量 1,800(販売台数(台、年、推定))× 価格 1.52(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 2,742 億円・営業利益 192 億円。世界車輪式19000台、全社シェア約11.6%。
- 国内向け車両搭載型クレーン:数量 5,120(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.04(1台当たり実現売上(億円、クレーン部分))→ 売上 224 億円・営業利益 29 億円。国内数量0.95倍。物価並みの値上げ。
- 海外向け車両搭載型クレーン:数量 4,200(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.10(1台当たり実現売上(億円、製品構成込み))→ 売上 429 億円・営業利益 34 億円。市場の実質成長と販売網の相互利用。
- 高所作業車:数量 3,250(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.16(1台当たり実現売上(億円、機種構成込み))→ 売上 524 億円・営業利益 52 億円。トラック式約1400台、自走式等1850台。
- 移動式機械の部品・整備・中古車等:数量 175,000(収益対象となる稼働機械(台年、推定))× 価格 0.01(稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 914 億円・営業利益 165 億円。稼働機械1.25倍、捕捉率は横ばい。
- 定置式クレーン・運搬機械の新設:数量 52.0(納入基数(基、売上認識相当、推定))× 価格 3.69(1基当たり平均売上(億円))→ 売上 192 億円・営業利益 12 億円。半期から通年化した上で実質1.30倍。
- 定置式機械の保守・改修:数量 1,200(保守売上の基盤となる設備(基年、推定))× 価格 0.29(設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 350 億円・営業利益 56 億円。半期から通年化した上で実質1.20倍。
- 外部向け受託開発・IT支援:数量 156(外部顧客への請求人月(人月、年、推定))× 価格 0.02(1人月当たり売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI人月型。数量0.65倍、価格1.34倍、部分gは0%。
- 配車・業務管理ソフト:数量 160(年間契約相当数(社、推定))× 価格 0.01(1契約年当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI画面型。数量0.80倍、価格1.10倍、部分gは−0.5%。
- 外部向け教習・安全教育:数量 5,200(延べ受講件数(人コース、年、推定))× 価格 0.00(1受講当たり税抜平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI研修型を保守的に適用。数量0.65倍、価格1.34倍。
倍率:期末ROEは8.361%、kは7.5%。堀は普通で超過収益の残存割合を1/2とし、RONIC=7.5%+(ROE-7.5%)/2=7.930%。gは全社換算3.49%で、正当化PER=(1-g/RONIC)÷(k-g)=13.963248倍の上限そのものを使う。時価総額は全社純利益×PER。余剰現金は0、終点EV÷営業利益は10.07倍で20倍を下回る。純利益の10年合計は1963.758億円。105.7億円から終点へ線形に変わる経路を年央で10区分し、黒字年の利益の30%を還元する。自己資本は2058.6億円+累積純利益-還元。現在の投下資本密度(2058.6+593.9)÷3494.8を増収分にも維持し、留保利益で足りない分を負債で賄うため、終点純負債は1115.43億円。追加負債の税後金利負担を純利益へ織り込んでおり、余剰現金の自動加算は行わない。各製品の営業利益率には償却を含む。10年後の償却費は全社154億円、期間の設備投資は約1548億円の仮定で、既存資産の取得原価を物価で増やしていない。中立の償却154億円は既存取得分の残存25億円と、年135億円を起点に年3%増える新規・更新取得分を平均12年で償却する約129億円の合計。共通費は現在91.24億円のうち償却5.5億円を分け、その他を1.34倍、共通部門の終点償却を8.4億円として約123.3億円。材料・人件費等の物価上昇は製品利益率にも反映する。
確率:34%。国内の高シェアと保守が残り、海外は全面勝利でも全面敗北でもない結果を最も起こりやすいと判断する。下に寄せる理由:デマーグ取得後も再建が続き、欧州の台数シェアが2023年の9%から2025年の5%へ下がり、2026年説明会でも顧客・仕入先関係と機種構成の課題が残る。上側26%、下側40%とするが、これは通常の循環やAI代替を資本コストと重複して数えた結果ではない。
やや悲観 26% 海外の低収益が定着する 利益 87 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 912 円1,163 億円
建設需要は残るが、タダノは海外でじわじわと顧客を失う。世界の車輪式市場は約1.7万台へ増えても、会社のシェアは約10.6%へ下がる。欧州では製品更新が競合に遅れ、価格を下げなければ注文を取れない状況が続く。
ManitexとPMの相互販売は計画ほど進まず、新工場の能力も十分には使えない。製品価格は物価に追いつかない一方、材料と技能者の賃金は上がる。TISの保守と国内の整備網は残るが、不採算拠点を支える費用が利益を薄くする。
買収をさらに重ねることは避けても、過去の投資を回収するには時間がかかる。低い利益に合わせて配当も縮み、留保した資本の利回りは資本コストに届かない。単なる不況の谷ではなく、機種と販路の弱さが定着した会社となるため、成長企業としての価値は認めにくい。
- 国内向け建設用クレーン:数量 650(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.75(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 488 億円・営業利益 49 億円。国内シェアと台数が後退。
- 海外向け建設用クレーン:数量 1,400(販売台数(台、年、推定))× 価格 1.40(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 1,957 億円・営業利益 49 億円。世界車輪式17000台、全社シェア約10.6%。
- 国内向け車両搭載型クレーン:数量 4,500(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.04(1台当たり実現売上(億円、クレーン部分))→ 売上 184 億円・営業利益 15 億円。古河ユニックとの価格競争が強まる。
- 海外向け車両搭載型クレーン:数量 3,200(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.09(1台当たり実現売上(億円、製品構成込み))→ 売上 300 億円・営業利益 11 億円。販売増が乏しく統合費用が残る。
- 高所作業車:数量 2,500(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.15(1台当たり実現売上(億円、機種構成込み))→ 売上 376 億円・営業利益 15 億円。新工場の稼働率が不足。
- 移動式機械の部品・整備・中古車等:数量 150,000(収益対象となる稼働機械(台年、推定))× 価格 0.00(稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 731 億円・営業利益 102 億円。顧客内製と独立修理への流出が増える。
- 定置式クレーン・運搬機械の新設:数量 40.0(納入基数(基、売上認識相当、推定))× 価格 3.44(1基当たり平均売上(億円))→ 売上 138 億円・営業利益 3 億円。通年数量は横ばい。採算の低い案件が残る。
- 定置式機械の保守・改修:数量 1,000(保守売上の基盤となる設備(基年、推定))× 価格 0.27(設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 272 億円・営業利益 35 億円。通年数量は横ばい。人件費転嫁が遅れる。
- 外部向け受託開発・IT支援:数量 120(外部顧客への請求人月(人月、年、推定))× 価格 0.02(1人月当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。数量0.50倍。
- 配車・業務管理ソフト:数量 130(年間契約相当数(社、推定))× 価格 0.01(1契約年当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.65倍。
- 外部向け教習・安全教育:数量 4,400(延べ受講件数(人コース、年、推定))× 価格 0.00(1受講当たり税抜平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。数量0.55倍。
倍率:期末ROE3.191%はk7.5%を下回る。成長による超過価値を認めず、稼ぐ力の上限である1/k=13.333333倍とする。純利益÷kによる時価総額は約1163.04億円で、資産回収の床870.2805億円を上回る。終点EV÷営業利益は11.14倍。過去の低PBRからは決めていない。純利益の10年合計は964.640億円。105.7億円から終点へ線形に変わる経路を年央で10区分し、黒字年の利益の30%を還元する。自己資本は2058.6億円+累積純利益-還元。現在の投下資本密度(2058.6+593.9)÷3494.8を増収分にも維持し、留保利益で足りない分を負債で賄うため、終点純負債は644.20億円。追加負債の税後金利負担を純利益へ織り込んでおり、余剰現金の自動加算は行わない。各製品の営業利益率には償却を含む。10年後の償却費は全社130億円、期間の設備投資は約1261億円の仮定で、既存資産の取得原価を物価で増やしていない。
確率:26%。設備の再編だけでは製品競争力や販売店との関係が直らず、国内と保守の利益で海外の低採算を支える展開には相応の現実味がある。新たな買収の失敗を前提にせず、既存事業の改善の遅さを評価する。
悲観 14% 競争に敗れ、縮小と資産回収へ 利益 −101 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 682 円870 億円
中国メーカーの整備網が育ち、安い購入価格と十分な部品供給を両立する。タダノは欧州だけでなく新興国でも顧客を失い、世界の車輪式市場が約1.5万台ある中でシェアは約8%へ落ちる。国内でも顧客の集約と複数メーカーの使い分けが進み、値上げが通りにくくなる。
取得した事業は相互販売よりも固定費の増加をもたらし、工場と開発体制の整理が遅れる。新車を失った影響は補修対象の機械群にも及び、保守が本業の赤字を吸収できなくなる。周辺ITと教習も縮小し、赤字の期間は配当を止める。
この段階では世界首位を目指すより、不採算地域からの撤退と資産売却が株主の利益にかなう。残る価値は、無形資産を除き、在庫や設備の処分損と閉鎖費用を負担した後の資産回収にある。これは10年後も赤字経営を無期限に続けられるという意味ではなく、縮小・処分を実行することが下値の条件になる。
- 国内向け建設用クレーン:数量 450(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.69(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 311 億円・営業利益 12 億円。価格差を維持できず販売が縮小。
- 海外向け建設用クレーン:数量 900(販売台数(台、年、推定))× 価格 1.25(1台当たり実現売上(億円))→ 売上 1,125 億円・営業利益 −39 億円。世界車輪式15000台、全社シェア約8%。
- 国内向け車両搭載型クレーン:数量 3,500(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.04(1台当たり実現売上(億円、クレーン部分))→ 売上 132 億円・営業利益 5 億円。顧客集約で価格圧力が強まる。
- 海外向け車両搭載型クレーン:数量 2,100(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.08(1台当たり実現売上(億円、製品構成込み))→ 売上 176 億円・営業利益 −4 億円。買収先の固定費を吸収できない。
- 高所作業車:数量 1,800(販売台数(台、年、推定))× 価格 0.14(1台当たり実現売上(億円、機種構成込み))→ 売上 249 億円・営業利益 −2 億円。供給過剰と値下げで赤字。
- 移動式機械の部品・整備・中古車等:数量 115,000(収益対象となる稼働機械(台年、推定))× 価格 0.00(稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 502 億円・営業利益 50 億円。新車減少の累積が補修対象機械も減らす。
- 定置式クレーン・運搬機械の新設:数量 28.0(納入基数(基、売上認識相当、推定))× 価格 3.17(1基当たり平均売上(億円))→ 売上 89 億円・営業利益 0 億円。新設案件が減り利益を生まない。
- 定置式機械の保守・改修:数量 850(保守売上の基盤となる設備(基年、推定))× 価格 0.25(設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない))→ 売上 213 億円・営業利益 21 億円。保守は残るが赤字部門を支え切れない。
- 外部向け受託開発・IT支援:数量 96.0(外部顧客への請求人月(人月、年、推定))× 価格 0.01(1人月当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.40倍、赤字化。
- 配車・業務管理ソフト:数量 100(年間契約相当数(社、推定))× 価格 0.01(1契約年当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.50倍、赤字化。
- 外部向け教習・安全教育:数量 3,600(延べ受講件数(人コース、年、推定))× 価格 0.00(1受講当たり税抜平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。数量0.45倍、赤字化。
倍率:終点は赤字のため利益倍率を用いない。現在の自己資本2058.6億円に、下記の資産回収額÷現在自己資本=0.422754を掛けるPBR方式。将来自己資本1999.39億円へこの倍率を掛ける方式ではない。時価総額870.2805億円は資産回収の床と一致し、将来の利益留保を床へ加えない。時価総額と10年還元の合計約951.18億円は基準時価総額1674.79億円を下回る。純利益の10年合計は21.692億円。105.7億円から終点へ線形に変わる経路を年央で10区分し、黒字年だけ利益の30%を還元する。赤字年は無配。自己資本は2058.6億円+累積純利益-還元であり、床の計算に将来の留保利益は加えない。回収までの運転資金負担を考えて終点純負債800億円を想定し、税効果を見込まない金融費用等40億円を営業損失から差し引く。各製品の営業利益率には償却を含む。10年後の償却費は全社92億円、期間の設備投資は約800億円の仮定で、既存資産の取得原価を物価で増やしていない。
確率:14%。中国メーカーの輸出拡大と現地サービス網の整備が、タダノの弱い地域と買収先を同時に圧迫する構造的敗北を想定。国内の信用が直ちに消えるとは見ないので最大確率にはしない。AI対象事業を含むため下側合計40%は指定の35%以上を満たすが、AIを理由に追加の確率上乗せはしていない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内向け建設用クレーン
ラフテレーンクレーンを中心とする国内向け新車。部品と中古車は別区分とする。
| 数量販売台数(台、年、推定) | 価格1台当たり実現売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 800 | 0.60 | 480 | 77 |
| 10 年後 中立 | 760 | 0.80 | 611 | 92 |
取り方:製品別売上480.04億円は資料1の開示。車輪式国内市場1330台×会社シェア59%=約785台に、統計外のクローラ等を15台と推定して800台とした。約15台は開示実績ではなく、総台数の妥当な幅は750~850台である。単価0.60005億円は製品別売上をこの台数で割った実現平均で、定価ではない。中立は国内市場約1200台、車輪式のシェア約62%、クローラ等を含め760台。会社以外の41%には加藤製作所やLiebherr等が含まれるが、同一定義の個社シェアは確認できない。大型機の価格帯の確認には会社発表AC5.250-2の税抜希望価格4.3~4.6億円を参照したが、これを平均単価にはしていない。補足:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000092573.html 。現在の製品別営業利益は会社開示ではなく、地域別採算と事業特性を参照した分析上の配賦。全区分合計から共通費91.24295億円を引き、添付の営業利益185.5億円へ一致させる。数量と単価の小数は再現用であり推計精度を意味しない。
海外向け建設用クレーン
海外向けのラフテレーンクレーン、大型オールテレーンクレーン、クローラクレーン。
| 数量販売台数(台、年、推定) | 価格1台当たり実現売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,400 | 1.14 | 1,591 | 40 |
| 10 年後 中立 | 1,800 | 1.52 | 2,742 | 192 |
取り方:資料1の海外製品売上1591.28億円を製品別合計に合わせ1591.29億円へ丸めた。車輪式は15970台×12%-1330台×59%=約1131台で、クローラ等を約269台加えて1400台と推定する。後者は非開示で200~350台程度の幅を持たせた。地域別シェアは整数丸めのため、各地域の積み上げと世界合計は完全には一致しない。平均単価1.13664億円は大型機を含む実現平均で、クローラを車輪式の市場へ混ぜてシェアを計算しない。中立の世界車輪式市場は19000台、会社は国内外で約2195台となり、シェア約11.6%。クローラ等を加えた海外台数は1800台。Liebherrの2025年の移動式・クローラ部門売上は36.5億ユーロだが、品目とサービス範囲が異なるのでタダノの台数市場と直接割り算しない。補足:https://www.liebherr.com/en-int/group/annual-reports/annual-report-2025/product-segments/mobile-and-crawler-cranes-8945409 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
国内向け車両搭載型クレーン
トラックの荷台に搭載する国内向けカーゴクレーン。
| 数量販売台数(台、年、推定) | 価格1台当たり実現売上(億円、クレーン部分) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,390 | 0.03 | 176 | 23 |
| 10 年後 中立 | 5,120 | 0.04 | 224 | 29 |
取り方:資料1の国内需要図を約11000台と読み、開示シェア49%を掛け5390台と推定した。グラフの読取値であり1台単位の実績ではない。国内製品売上176.24億円から単価0.0326976億円。古河ユニックの公式事業紹介は国内約50%としており、双方を合わせるとほぼ二社の市場である。中立は国内需要10450台前後とシェア49%を維持する5120台で、数量は人口要因を踏まえて現状比0.95倍、価格は1.34倍。補足:https://www.furukawakk.co.jp/business/unic/ 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
海外向け車両搭載型クレーン
Manitexのブームトラック、PMの折り畳み式クレーンなど。
| 数量販売台数(台、年、推定) | 価格1台当たり実現売上(億円、製品構成込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,000 | 0.08 | 229 | −7 |
| 10 年後 中立 | 4,200 | 0.10 | 429 | 34 |
取り方:海外製品売上228.80億円は資料1。現時点の統一された市場台数、PMとManitexの販売台数、競合各社の同一定義のシェアは確認できない。会社沿革が示すPMの過去の年間生産2000台規模と、Manitexの製品・販売網を手掛かりに、PM等2500台とブームトラック等500台、計3000台を推定した。沿革の生産台数は1990年の情報で、現在の実績ではないため2000~4000台という広い感応度を残す。平均売上は0.0762667億円となる。全世界の折り畳み式と北米中心のブームトラックは異なる市場であり、同一定義の一次統計が得られなかったため、合算した市場規模や個社シェアは断定しない。PalfingerとHiabを有力競合とし、中立は市場の実質1.2~1.3倍と販路拡大によって4200台。取得時の費用を含む現在の営業利益率は分析上の推定である。補足:https://www.tadano.co.jp/history/ja/ 、https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1302028/000095017024022676/mntx-20231231.htm 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
高所作業車
国内トラック式と、タダノユーティリティ・Oil & Steelの自走式等。
| 数量販売台数(台、年、推定) | 価格1台当たり実現売上(億円、機種構成込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,500 | 0.12 | 301 | 21 |
| 10 年後 中立 | 3,250 | 0.16 | 524 | 52 |
取り方:資料1の国内トラック式需要図は約3600台、会社シェア41%で約1476台。これにタダノユーティリティと海外製品を1024台と推定して計2500台とした。国内向け売上241.73億円にタダノユーティリティ分も含まれるため、全額を1476台だけで割らない。総製品売上300.53億円から平均単価0.120212億円。資料2が示す自走式の対象需要は欧州4600台、北米15000台、日本1500台、アジア5500台の合計26600台で、世界の全高所作業車ではない。1024台を全て同じ対象と仮定した上限的シェアは3.8%であり、実際には機種範囲が異なる。中立はトラック式約1400台と自走式等1850台。対象市場約32600台に対する後者のシェアは約5.7%の分析仮定で、2026年7月の工場稼働と能力1.5倍を根拠にする。JLG、Genie、アイチの同一定義のシェアは未確認。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
移動式機械の部品・整備・中古車等
設置済みの機械群に対する部品、修理、中古売買、レンタルなど。周辺IT・教習は下で除外する。
| 数量収益対象となる稼働機械(台年、推定) | 価格稼働1台年当たり売上(億円、契約料金ではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 140,000 | 0.00 | 546 | 109 |
| 10 年後 中立 | 175,000 | 0.01 | 914 | 165 |
取り方:資料1の移動式その他553.87億円から、下記の受託開発3億円、ソフト2億円、教習3.2億円を推定分離した。丸め差0.03億円をここで吸収し、全社売上を添付3494.8億円へ合わせる。稼働機械14万台年は、建設用年約2000台×稼働20年、搭載型年約8000台×10年、高所作業車年約2000台×10年を概算合計した値で、契約台数の開示ではない。買収前の納入機械を含み、同じ機械の新車売上と補修売上は別の取引として数える。公式2024統合報告の2023年度内訳は、その他468.06億円のうち部品修理390.83億円、中古車77.23億円であり、全額を定期課金とは扱わない。市場はこの機械群の維持費と中古流通で、独立整備業者や顧客内製と競う。メーカー捕捉率は非開示のため単価に含め、中立では捕捉率横ばい、稼働機械17.5万台年とする。補足:https://www.tadano.co.jp/wp-content/uploads/2025/01/integrated_report2024_8.pdf 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
定置式クレーン・運搬機械の新設
TISの港湾荷役機械、建築用ジブクライミングクレーンなどの新設。
| 数量納入基数(基、売上認識相当、推定) | 価格1基当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.0 | 2.75 | 55 | 0 |
| 10 年後 中立 | 52.0 | 3.69 | 192 | 12 |
取り方:資料1の55.07億円は買収後2025年7~12月の新設売上であり、通年ではない。検収台数は非開示のため、旧IHIの累計1000台超の建築用クレーン納入実績と、港湾・大型機の製品構成から半期20基、幅10~30基と推定した。工事進捗による認識を含むので物理的な完成・引渡台数とは必ずしも一致しない。平均2.7535億円はこの仮定に対応するもので、特定機種の価格ではない。中立52基は通年換算40基から実質30%増。IHI統合報告2023の建築用クレーン国内シェア50%は過去の事実として使うが、港湾機を含む全体に外挿しない。港湾荷役機械まで合算した市場規模と競合別シェアは、同一定義の一次資料が得られず算定しない。新設52基の仮定は、確認できた国内建築用の地位と業種共通の実質需要成長に基づく。補足:https://www.ihi.co.jp/recruit/group/profile/index03.html 、https://www.ihi.co.jp/en/ir/library/annual/pdf/2023/35.pdf 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
定置式機械の保守・改修
TISの既納機に対する保守、部品交換、大規模改修等。
| 数量保守売上の基盤となる設備(基年、推定) | 価格設備1基年当たり平均売上(億円、契約料金ではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 0.22 | 109 | 13 |
| 10 年後 中立 | 1,200 | 0.29 | 350 | 56 |
取り方:資料1の2025年7~12月の定置式その他108.90億円を使用。旧IHIの累計納入実績1000台超と、TISが説明する50年以上使われる設備もある長い製品寿命を手掛かりに、対象設備1000基×半年=500基年と推定した。1000台超という累計納入数が現在の稼働台数を示すわけではなく、港湾機の追加と廃棄を相殺する分析仮定である。1基年当たり0.2178億円には大型改修を含み、毎年全顧客が払う定額ではない。市場は自社既納設備の補修需要で、内製や独立施工会社と競合する。数量・捕捉率の正確な開示がなく、設備数700~1500基で感応度を持たせる。中立1200基年は通年1000基から20%増で、半期からの通年化と実質成長を分けた。補足:https://www.tadano-infra.com/ja/recruit/about/ 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
外部向け受託開発・IT支援
タダノシステムズの個別開発など。連結内の開発受託は除外する。
| 数量外部顧客への請求人月(人月、年、推定) | 価格1人月当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 240 | 0.01 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 156 | 0.02 | 3 | 0 |
取り方:子会社公式概要の2026年10月時点の従業員41人と、個別システム開発・IT支援の事業記載を確認した。外販比率と実績売上は非開示のため、外部請求相当20人×12か月=240人月、1人月0.0125億円、売上3億円と推定し、移動式その他から分離した。41人全員を外販へ数えない。現在の数量は2025年実績を確認できた値ではなく基準規模の仮定で、売上1~5億円程度の感応度を持つ。AI エージェント代替は人月型を適用し、中立数量0.65倍、単価1.34倍、当部分のg_longは0%。成果報酬やAI商品の売上実績を確認できないので楽観でも数量1.0倍を超えない。市場規模とシェアは非開示で、極小の地域特化事業として扱う。補足:https://sys.tadano.co.jp/systems/company/outline/ 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
配車・業務管理ソフト
ATACKS、Quickx等の外部向け業務ソフトと保守。
| 数量年間契約相当数(社、推定) | 価格1契約年当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 200 | 0.01 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 160 | 0.01 | 2 | 0 |
取り方:ATACKSが配車の画面操作を中心とし、請求・会計をOBC等の外部製品へ連携することを公式製品説明で確認した。利用社数と価格は非開示で、国内の指定サービス工場360か所とクレーン顧客基盤を手掛かりに200契約相当、年0.01億円、売上2億円と推定した。実契約数の開示ではなく100~400契約の幅を持ち、移動式その他から分離する。AI エージェント代替は操作画面中心の業務ソフト型で、中立数量0.80倍、価格1.10倍、当部分のg_longは−0.5%。低解約率や法令対応による値上げ実績など二つ以上の証拠がないため「記録の正本」に格上げしない。楽観も数量1.0倍以下。補足:https://sys.tadano.co.jp/systems/products/atacks/ 、https://sys.tadano.co.jp/systems/products/quickx/ 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
外部向け教習・安全教育
運転資格や技能講習、安全教育。機械の修理工数とは別に扱う。
| 数量延べ受講件数(人コース、年、推定) | 価格1受講当たり税抜平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8,000 | 0.00 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 5,200 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:公式サイトが示す年間9708人は2019年4月~2020年3月の古い実績であり、2025年の受講者数ではない。小型移動式クレーンや玉掛け等の公開料金と免許課程を組み合わせ、基準規模を8000受講、税抜平均0.0004億円、売上3.2億円と推定して移動式その他から分離した。2026年3月末の東京教習所閉鎖を確認しており、古い受講数を将来へ固定しない。実技には物理的な指導が残るが、座学のAI化と拠点縮小を見て、合算部分には保守的に人月・研修型を適用する。中立数量0.65倍、価格1.34倍、当部分のg_longは0%、楽観も数量1.0倍以下。新しい受講者数が開示されればこの仮定を差し替える。補足:https://tadano-license.co.jp/school_kagawa 、https://tadano-license.co.jp/common/reissue-tokyo.html 。営業利益は分析上の推定配賦であり、開示された製品別利益ではない。
リスクと懸念
中国メーカーが価格差を埋める
中国メーカーの輸出が増えるだけなら、市場の機種構成が変わった影響もある。本当に痛いのは、北米や日本で部品供給と中古流通まで整い、高い購入価格を正当化できなくなることだ。新車のシェア喪失は将来の補修対象も減らすため、数量の低下と保守利益の低下が時間差で重なる。
ドイツ再建は工場の整理だけでは終わらない
会社は2026年の説明会で、生産の改善に加えて顧客・仕入先との関係や機種構成に課題が残ると説明している。原価に占める購入材料の比重も大きく、建屋と人数を減らすだけでは競争力は戻らない。新機種の投入が遅れれば、売れない機械と仕掛品が資本を占有し、追加の再編費用も必要になる。[資料3]
成長が現金ではなく在庫と借金を増やす
製品の大型化と販売地域の拡大には、在庫、売掛金、設備の増加が伴う。中立でも留保利益だけでは必要資本を賄い切れないため、配当を払いながら借入が増える。既存設備の償却は取得価格のままだが、更新投資は物価で高くなる。新リース会計で見える負債が増えても経済負担が突然生まれるわけではなく、従来からの賃料負担は残る。
売却益と関税還付が回復を大きく見せる
2025年度の資産売却益と、2026年上期の関税還付は繰り返し得られる稼ぎではない。買収時の費用が消える効果も、毎年続く成長とは異なる。為替は全筋書きでドル円150円に固定したが、実際の為替や通商条件が異なれば販売価格と現地調達の見直しが必要になる。還付前後の数字ではなく、製品別の継続採算を確かめたい。
安全と稼働率の改善が必要台数を減らす
重大な製品不具合は、修理費だけでなく、安全を理由に選ばれてきた信用を傷つける。逆に自動化や配車の高度化が順調でも、一台の稼働率が上がれば市場が必要とする台数は減りうる。電動化も大型機では重量と充電の制約があり、開発費の増加を必ず販売単価へ移せるわけではない。
AI エージェント代替は周辺IT・教習に適用する
タダノシステムズの受託開発と配車管理ソフト、教習の座学には代替リスクがある。該当売上は外部開示がなく、合計約8.2億円を分析上分離した。記録の正本という例外を認める証拠は不足しているため、数量と価格、該当部分の長期成長を抑えた。機械製造や実機修理まで同じ縮小率を掛けず、小さい推定部門の不確かさを全社へ過大に広げない。
資産回収の床も処分の実行に依存する
在庫と専用設備は、帳簿の金額で売れるとは限らない。悲観では無形資産を全額除き、在庫や設備にも処分損を見込んだが、回収額は市況と売却時期で変わる。経営が撤退せず赤字投資を続ければ、処分できたはずの資産も失われる。約870億円は現在の資産を基礎とした条件付きの回収価値であり、株価の保証額ではない。
今後の分かれ目
- ドイツ事業が会社の目指す2026年の営業キャッシュフロー均衡、2027年の営業黒字化を達成し、新機種の受注も増えたら
- 単なる在庫削減による現金改善と区別したうえで、海外建設用クレーンの利益率と、やや楽観の確率を引き上げる。工場整理の実施だけでは評価を変えない。
- 北米の主要機種や国内の数量シェアが下がり、中古価格と純正部品の利用も同時に弱まったら
- 世界全体の機種構成の変化ではなく堀の侵食と判断し、新車数量と将来の補修対象機械を下げる。やや悲観と悲観へ重みを移す。
- TISの売上が通年化した後も、保守・改修の受注と利益が増え、追加資本の負担が小さかったら
- 買収後の単純な連結期間増加を除いて、定置式保守の捕捉率と増分資本利益率を引き上げる。新設機械の数量を同じ率で増やすことはしない。
- 売上が増えても在庫と売掛金が膨らみ、設備投資後の営業キャッシュフローが複数年改善しなかったら
- 資本密度と借入金利負担を引き上げ、会計利益から株主が使える現金までの差を広げる。余剰現金や自社株買いを価値へ追加しない。
- 価格改定が材料費と人件費の上昇を継続的に吸収し、販売数量と顧客維持率も落ちなかったら
- 単なる大型機への構成変化と区別して値決め力を見直す。利益率の改善を先に認め、強い堀への格上げには地域をまたぐ持続性の証拠を求める。
- JACとの対話が、低収益事業の縮小や政策保有株の売却、投資基準と還元目標の具体化につながったら
- 資本配分の改善として、将来の再投資額と還元を更新する。少数株主の参画だけでTOBの価格や未発表の買付けを織り込まない。
- 周辺ITの外部売上、利用社数、解約率、料金体系、教習の実際の受講者数が開示されたら
- 仮置きした約8.2億円の規模と数量を実績へ置き換える。AI商品の売上や二つ以上の堀の証拠がない限り、受託・画面型を記録の正本型へ変更しない。
見ておくもの
- 地域別・機種別の車輪式需要と台数シェア。中国・ロシア国内とクローラを含めるかを毎回確認する。
- ドイツの営業利益、営業キャッシュフロー、新機種の納期、受注残と仕掛品の推移。
- TISの通年化後の新設と保守の内訳、保守受注、低採算工事、保証費用。
- 価格改善額から材料・人件費・関税を差し引いた実質的な採算改善。
- 在庫・債権回転日数、設備投資と償却の差、純有利子負債、ROICの推移。
- 政策保有株の売却実績、配当性向30%の履行、一般株主への自社株買いと従業員信託の区別。
- 受託開発・業務ソフト・教習の外部売上と数量。非開示部分の仮定が大きく外れていないか。
倍率と資本コストの決め方
株価・株数・財務は添付brief.txtとfacts.jsonを優先し、株価基準日は2026年10月16日、調査日は同月23日とした。 数量は市場台数と稼働機械から、価格は製品売上と別に推定した。倍率はROE・k・gから決め、市場のPER・PBRには寄せていない。評価は基準日から10年の近似で、終点に近い2036年12月期を表示し、直近通期の自己資本を起点に10年分の利益と還元を流した。従業員信託を再控除せず、既実施の還元も再加算しない。新リース会計の適用後も賃料を営業費用とする同じ経済条件で比較する。各積算、確率合計、倍率上限、自己資本の流れと悲観の資産回収の床を数値検算した。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計。β、時価総額、過去の市場倍率は使用しない。営業黒字と財務余力があり、継続企業の前提の注記もないためdistress加算なし。上場廃止等の確認は2026年10月23日までの開示を対象とした。継続企業注記は https://www.tadano.co.jp/wp-content/uploads/2026/05/2608shihanki.pdf 、JACの少数持分取得の性格は https://jac-prd.cdn.prismic.io/jac-prd/aTD8C3NYClf9nyeo_tadano.pdf で確認した。