株譜
AI 銘柄分析 · 空運業 · 試作

アジア航測株式会社 9233

自社の航空機で測る空間情報の老舗。公共の需要は堅いが人の工数が天井で、10 年の価値は今の値段の周辺か、やや下

適正
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)1,149 円209 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,113 円203 億円差 +3.2%
10 年後から見ると 適正 価値 1,149 円209 億円 · 差 +3.2% · 期待の年率 +6.6%
期待の年率リターン(10 年)+6.6%資本コスト比 −0.6 pt
推定の資本コスト7.2%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.2% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アジア航測は、自社の航空機で地形を測り、そのデータを解析して防災や都市づくりに売る会社だ。売上の約6割が空間情報、約4割が河川・砂防などの建設コンサルである。

結論から言う。筆者は、10年後の本質価値は今の時価総額206億円とほぼ同じか、1割ほど下回ると見る。公共の予算は堅いが、稼ぎは技術者の工数に縛られ、利益率は7%前後で頭打ちだ。

足元は強くない。2026年9月期の通期予想は、7月に経常利益を2,670百万円へ下方修正した。中期経営計画の営業利益30億円には届かない見通しだ。

強みは、自社の航空機7機と、災害の現場へ素早く出る機動力だ。ただ、この強みは衛星やドローンに侵食される側にもある。純現金は8億円まで細り、安全域は厚くない。

数字で言えば、純利益18億円を11倍ほどで見た値が今の時価総額だ。成長で正当化するには、利益が物価を超えて伸びる理由が要る。その理由を、筆者はまだ見つけていない。

逆に、公共の需要は10年後も消えない。悲観の筋書きでも会社は残り、価値の下げは限られる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、この会社は悪い会社ではないが、安く買える会社でもない。10年後も事業は残るが、堀は普通で、稼ぎが物価を超えて伸びる理由は少ない。

株主に残る利益、つまりオーナー利益は、純利益18億円ほどだ。そこから設備と人材への再投資が出ていく。配当で半分近くを返してくれるのは評価できるが、残りは自己資本に積み上がり、ROEを薄める。

今の時価総額206億円は、この稼ぎを11倍ほどで見た値だ。資本コスト7.25%で割り引いた本質価値は、それをやや下回る。

安全域は薄い。航空測量が衛星に侵食される悲観の筋書きでは、価値は半分近くまで下がる。筆者は、強みが残る確証が持てるまで、様子を見る立場を取る。

事業の質は、利益率の低さを堅い公共需要で補う型だ。景気が崩れても落ち込みは浅いが、好況でも大きくは伸びない。そういう会社に、成長の期待を乗せた値を払うのは避けたい。

何で稼ぐ会社か

事業は2つに分かれる。空間情報と建設コンサルタントで、売上の比はおおよそ6対4だ。

空間情報は、自社の航空機にカメラやレーザ計測機を載せて地形を測り、3次元のデータにして売る事業だ。調布と八尾の空港を拠点にする。国や自治体の防災、河川、道路の台帳づくりが中心で、鉄道会社や電力会社などの民間も顧客だ。

建設コンサルタントは、河川・砂防、森林、環境、土壌・地下水の対策、災害復興の計画と設計を請け負う。報酬は技術者の稼働に応じて積み上がる受託型だ。

近年は新しい種を探している。2024年に事業の将来を探るCVCを設立し、2025年3月には北海道で系統用の蓄電所を稼働させた。北光コンサルの買収など、小粒の同業取得も続く。連結の従業員は1,800人ほどで、技術士や測量士の資格者が300人以上いる。2025年9月期の売上は416億円、営業利益は29億円だった。

収益の形は、官公庁との年度契約が中心だ。受注は年度の前半に取り、売上は下期に偏る。年度末に利益が集まる季節性があるため、四半期の増減だけで判断しにくい。受注残が多いのは安心材料で、翌期の売上をある程度見通せる。

優良さと弱いところ

強みは3つある。自社で運航する航空機、空間データの蓄積、そして官公庁との長い取引だ。災害の直後に自社機で現場に入り、被害の全体像をつかめる会社は多くない。

ただ、堀、つまり他社がまねできない強みは普通の水準と見る。発注の大半は入札で決まり、価格を自分で決めにくい。計測は衛星やドローンでも代替が進む。技術者が転職すれば知見も動く。

資本効率は並だ。ROEは過去10年の中央値で9%、直近は8%に下がった。営業利益率は2021〜2025年9月期に7%前後で安定したが、2026年9月期は6%台へ落ちる見込みだ。原価の上昇とIT投資で販売費が増えた。

財務は堅い。自己資本比率は55%、純現金は8億円。借金はほぼなく、利払いの負担もない。配当は性向35%以上を方針とし、自社株買いの実績は直近でない。

もう1つの弱みは利益の薄さだ。営業利益率は同じ建設コンサルの首位、建設技術研究所の水準より低く、7%を超えた年はない。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

公共の測量とコンサルは、国の予算で動く。国土強靱化の実施中期計画が2026年度から続き、河川、道路、上下水道の老朽化対策が予算を支える。数量は技術者の数が天井になり、実質では横ばいに近い。

単価は予定価格で決まり、人件費の上昇を転嫁するのに時間がかかる。この会社の利益率が7%前後で動かないのは、そのためだ。

変化の中心は、測る道具だ。ドローンの計測が安くなり、衛星の画像の精度も上がった。AI は点群の分類や作図を自動化し、人手の工数を減らす。発注側は、工数の減った分を値下げとして求めてくる。

一方、3次元の都市データや、自動運転向けの高精度地図、防災のデジタル化など、空間情報の需要そのものは広がる。同業はパスコ(非上場)、国際航業、朝日航洋などが競合になる。分かれ目は、データの利用料のような積み上がる収入を作れるか、人の工数に頼ったままかだ。

気象の激甚化も追い風になる。豪雨の頻度が増えるほど、河川の氾濫の予測、土砂災害の危険区域の見直し、被災直後の空撮の需要は高まる。ただ、需要の増加は予算が付くかどうかで決まり、予算は国と自治体の財政に縛られる。

資本政策と M&A

配当は性向35%以上が中期計画の方針で、実績は44%前後だ。自社株買いの実績は直近の10年で見当たらない。純現金は2024年9月期の約50億円から、2025年9月期は8億円に減った。蓄電所などの設備投資と、小粒の買収に使ったとみられる。

買収は同業の北光コンサルなどで、規模は小さい。今後も小粒の取得が続き、のれんの重さは限られる。CVCでAI・IoT系の出資も進めるが、金額は大きくない。

TOBは、特定の大株主が見当たらず、当面は考えにくい。筆者は、手元の現金が細った今は、配当より投資の回収を優先する局面だと見る。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

国土強靱化の予算は2030年度までの5年で20兆円を超え、河川・道路・上下水道の更新が続く。災害が増えるほど、自社の航空機で素早く現場に入れるこの会社の価値は上がる。空間データの蓄積は、3次元の都市データや自動運転の高精度地図、防災のデジタル化など、新しい需要にも使える。AI は作図と解析の工数を減らし、同じ人員でより多くの案件をこなせるようにする。中期計画の営業利益30億円にはあと一歩のところまで来ており、人材投資とIT投資が実を結べば利益率は一段上がる。配当を安定して払い、財務も堅い。災害の激甚化は構造的で、国も自治体も発注を止めにくい。自社の航空機を持つ強みは、買収や新規参入では簡単に埋まらない。民間でも、鉄道や電力が老朽化した設備の点検に空間データを使う動きが広がっており、官公庁一辺倒の収入構造は少しずつ変わる。北光コンサルのような地域の同業を取り込めば、採用難の中でも技術者を増やせる。

慎重な見方

稼ぎは技術者の工数に縛られ、人員を増やせなければ売上は伸びない。単価は予定価格で縛られ、人件費の上昇を転嫁しきれない。2026年9月期は7月に通期予想を下げ、中期計画の営業利益30億円は届かない。航空測量はドローンと衛星に置き換わり、AI の自動化は発注側の値下げ要求になる。純現金は1年で40億円ほど細り、投資の回収も見えない。自社の航空機と計測機器を維持する固定費は重く、需要が減ればそのまま利益を削る。ROEは資本コストに届かず、時価総額を支える根拠が薄い。株主の取り分である純利益は、設備への再投資と新規事業の費用を引くと小さい。配当の原資が細れば、財務の余裕はさらに薄くなる。民間向けは小さく、官公庁に偏る構造は変わらない。予算の削減や入札の競争が強まれば、価格の主導権はさらに失われる。技術者を取り込む買収で人員を増やしても、単価が上がらなければ、増えるのは人件費だけになる。競合のパスコは国内の測量で最大手とされ、国際航業も同じ領域にいる。価格競争は続く。

どちらに重みを置いたか

公共の建設コンサルは堅く、AI の影響は事務部分にとどまる。一方、航空測量は代替されやすい。慎重な見方のほうが利益率の天井と直近の下方修正で裏付けがあり、悲観側の確率を3割5分に寄せた。公共の建設コンサルは堅い一方、航空測量の置き換えは遅れて効いてくるため、10年の視野では慎重な見方の影響が大きい。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)

確率で加重した株価時価総額 1,651 円300 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 467 円85 億円)。 今の値に割り戻すと 1,149 円209 億円、今との差 +3.2%、 期待の年率 +6.6%(資本コスト 7.2%)→ 適正

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 2,652 円483 億円 643 円117 億円 +196.0% +11.5% 231 円42 億円
やや楽観 20% 2,183 円397 億円 566 円103 億円 +147.0% +9.5% 550 円100 億円
中立 38% 1,854 円337 億円 506 円92 億円 +112.0% +7.8% 897 円163 億円
やや悲観 24% 1,230 円224 億円 385 円70 億円 +45.1% +3.8% 388 円71 億円
悲観 11% 266 円48 億円 220 円40 億円 −56.4% −8.0% 53 円10 億円
加重平均100% 1,651 円300 億円467 円85 億円 +90.3% +6.6% 2,118 円385 億円

今の株価時価総額 1,113 円203 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。

楽観 7% 防災・国土強靱化の予算と空間情報の需要が重なり、利益率が一段上がる 利益 35 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 2,652 円483 億円

国土強靱化の予算が予定どおり進み、河川・砂防・道路の更新と防災の計測が増える。3 次元の都市データや自動運転向けの高精度地図の仕事も広がり、空間情報の人員は 15% 増える。国内の単価は物価並みに上がり、AI での作図の自動化が利益率を押し上げる。営業利益率は 8% を超え、売上は 630 億円ほどになる。ただ、公共の予定価格は入札で縛られるので、過去の山の 7.4% を大きく超える水準は、この筋書きだけのものだ。この筋書きは、予算の追い風と利用料型の収入の立ち上がりが両方そろう場合に限る。蓄電所とCVCの新規事業も、小さいながら黒字で貢献する。配当は性向44%で払い続け、自己資本は積み上がる。

  • 空間情報(航空測量・データ解析・システム):数量 1,265(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 3,142(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 398 億円・営業利益 32 億円。人員 1.15 倍・単価 1.34 倍・営業利益率 8.0%
  • 建設コンサルタント:数量 770(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 3,024(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 233 億円・営業利益 25 億円。人員 1.10 倍・単価 1.34 倍・営業利益率 10.5%

倍率:事業の純利益 35 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.5% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 483 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:強靱化の予算は確かだが、利益率が過去の山を超えるには計画の達成実績が要る。同社は直近の中期計画の利益目標を下方修正しており、楽観は 7% に絞った。

やや楽観 20% 強靱化の予算が続き、国内の利益率が少し戻る 利益 29 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 2,183 円397 億円

予算は予定どおり進み、人員は 3〜5% 増える。単価は物価に少し届かず、10 年で 1.32 倍。営業利益率は 7.5% 前後に戻り、会社が掲げる目標に近づく。AI による作図の自動化は工数を減らすが、減った分は新しい案件に回る。海外や民間の売上は小さく、全体の姿は今とほぼ同じだ。配当は性向44%で払い続け、自己資本は積み上がる。株主還元は厚くならないが、安定は保たれる。海外や新規事業は育たないが、赤字にもならない。災害の増加で防災の計測と河川の設計の需要が増え、会社の稼働率は高く保たれる。ただ、技術者の採用が追いつかず、売上の伸びは人員の天井で決まる。

  • 空間情報(航空測量・データ解析・システム):数量 1,155(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 3,095(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 358 億円・営業利益 26 億円。人員 1.05 倍・単価 1.32 倍・営業利益率 7.2%
  • 建設コンサルタント:数量 721(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,979(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 215 億円・営業利益 21 億円。人員 1.03 倍・単価 1.32 倍・営業利益率 9.8%

倍率:事業の純利益 29 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.2% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.7%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 397 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:公共の予算は堅く、会社の計画(営業利益 30 億円)も一度は達成に近づいた。ただ直近は原価と人件費の上昇で足踏みしたので、20% とした。

中立 38% 公共の需要は堅いが、人の工数が天井。物価並みに伸びるだけ 利益 24 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 1,854 円337 億円

国の予算と地方の更新需要が続き、人員は横ばいに近い。技術者の採用と定着が天井になり、数量は伸びない。単価は人件費の上昇を転嫁しきれず、10 年で 1.28〜1.30 倍にとどまる。AI による作図・点群解析の自動化は工数を減らすが、発注側が予定価格を下げる動きが出るので、利益率の改善は小さい。営業利益率は 6.9% で、今の水準を保つ。蓄電所などの新規は利益に効くほどに育たない。配当は性向44%前後を保ち、残りは自己資本に積み上がる。そのため自己資本の伸びに利益が追いつかず、ROEは7%を下回る。蓄電所とCVCは損益に影響しない。

  • 空間情報(航空測量・データ解析・システム):数量 1,045(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 3,002(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 314 億円・営業利益 20 億円。人員 0.95 倍・単価 1.28 倍・営業利益率 6.5%
  • 建設コンサルタント:数量 700(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,934(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 205 億円・営業利益 19 億円。人員 1.00 倍・単価 1.30 倍・営業利益率 9.0%

倍率:事業の純利益 24 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.4% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.3%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 325 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:公共の需要は堅く、数量は横ばいから微増が妥当。単価は物価に少し届かない 1.28〜1.30 倍とし、利益率は過去の山以下に置く。

やや悲観 24% 航空測量が衛星・ドローンと AI に侵食され、値段が下がる 利益 16 億円 · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 1,230 円224 億円

航空機で撮る従来型の測量は、ドローンと衛星の画像に仕事を奪われ、空間情報の人員は 15% 減る。AI が作図と点群の解析を自動化し、発注側は工数の減った分を値下げとして求める。単価は物価に届かず、10 年で 1.22 倍。建設コンサルは予算に守られて持ちこたえるが、採用難で人員は 1 割ほど減る。営業利益率は 5.8% に下がる。配当は性向を保つが、利益が減るため額は減る。固定費の重い航空機は稼働を下げる。新規事業の投資は回収できず、減損が出る年もある。建設コンサルは採用難で受注を絞り、受注残が減る年が出る。値下げ圧力と固定費の重さが重なり、営業利益は今の水準を下回る。

  • 空間情報(航空測量・データ解析・システム):数量 935(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,861(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 268 億円・営業利益 13 億円。人員 0.85 倍・単価 1.22 倍・営業利益率 5.0%
  • 建設コンサルタント:数量 644(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,821(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 182 億円・営業利益 14 億円。人員 0.92 倍・単価 1.25 倍・営業利益率 7.5%

倍率:ROE 4.9%。ROE が k 7.25% を下回る稼ぎで、1÷k = 12.9 倍の下に置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 12.29 倍・時価総額 194 億円。上の倍率は置き直す前の値)

確率:航空測量は衛星やドローンに置き換わりやすく、AI の点群解析で単価に下押しがかかる筋書き。直近の通期予想の下方修正も、利益の足踏みを示す。

悲観 11% 空間情報が構造的に縮み、公共予算も抑えられる 利益 4 億円 · PER 11.0 倍 · 株価時価総額 266 円48 億円

衛星・ドローン・AI で航空測量の値段が大きく下がり、自社の航空機と計測機器の稼働が落ちる。空間情報の人員は 35% 減り、航空機や機器は減損する。建設コンサルも予算の抑制と AI による作図の自動化で、人員が 3 割減る。営業利益率は 2〜4% まで落ち、会社は人員を減らして規模を小さくする。利益は小さく、自己資本は減損で細る。自社の航空機は売却や整理が進み、空間情報は小さな専門会社になる。建設コンサルも縮み、人員の削減で固定費を絞るが、赤字は避けられない年が出る。公共の予算が抑制され、入札の競争が強まる。航空測量の収益が落ちる中で、蓄電所などの新規事業も投資の回収が遅れ、営業利益は薄くなる。

  • 空間情報(航空測量・データ解析・システム):数量 715(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,626(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 188 億円・営業利益 5 億円。人員 0.65 倍・単価 1.12 倍・営業利益率 2.5%
  • 建設コンサルタント:数量 490(技術者・稼働人員(人、推定))× 価格 2,483(1人あたり年間売上(万円))→ 売上 122 億円・営業利益 5 億円。人員 0.70 倍・単価 1.10 倍・営業利益率 4.0%

倍率:稼ぎが小さくなった事業の純利益に 1÷k 近い倍率を置いた。減損で自己資本を減らして PBR は低い。

確率:航空測量の置き換え、公共予算の抑制、採用難の三つが重なる構造的な負け。公共の建設コンサルは落ち込みが浅いので、悲観の確率は 11% にとどめた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

空間情報(航空測量・データ解析・システム)

自社の航空機やドローンで計測し、3次元データと地理情報システムにして官公庁・民間に提供する。

数量技術者・稼働人員(人、推定)価格1人あたり年間売上(万円)売上営業利益
今 2025/09 1,100 2,345 258 16
10 年後 中立 1,045 3,002 314 20

取り方:過去の開示で情報システム系が売上の約6割。2025年9月期の売上416億円の62%を258億円とした。人員は連結1,800人ほどから推定。営業利益はセグメント別が確認できず、全社の営業利益29億円から本社費を引く形で推定。計測は物理だが、解析・作図は工数型で AI エージェント代替が効くため、中立の人員は0.95倍に置いた。

建設コンサルタント

河川・砂防、森林、環境、土壌・地下水の対策、災害復興の計画と設計。

数量技術者・稼働人員(人、推定)価格1人あたり年間売上(万円)売上営業利益
今 2025/09 700 2,257 158 15
10 年後 中立 700 2,934 205 19

取り方:売上の約38%を158億円とした。人員は推定。営業利益は推定。技術士の署名と入札が要る許認可の型で、現場の体に近い。AI エージェント代替は事務部分に限り、中立は人員1.0倍・単価1.30倍に置いた。

リスクと懸念

航空測量の置き換え(AI エージェント代替を含む)

ドローンと衛星の画像が安くなり、AI が点群の分類と作図を自動化する。自社の航空機と計測機器の稼働が落ち、発注側は工数の減った分の値下げを求める。悲観では空間情報の人員が3分の2に減る。

公共予算の抑制

売上の大半が官公庁の予算に依存する。強靱化の予算が縮めば、数量が減る。入札の競争は厳しく、予定価格も単価を縛る。

技術者の採用難

数量の天井は技術者の数だ。採用と定着がうまくいかなければ売上が伸びない。人件費の上昇を単価に転嫁しきれない問題も続く。

中期計画の未達

2026年9月期の通期予想を7月に下げた。営業利益30億円の目標に届かず、販売費の増加が利益を削った。計画の達成実績がまだ見えない。

新規投資の回収

蓄電所とCVCに資金を回し、純現金は1年で大きく減った。収益が見えない投資が増えれば、財務の余裕を食う。

設備の固定費

航空機と計測機器の維持費は重い。需要が減ると稼働率が下がり、利益が急に削られる。

今後の分かれ目

空間情報で利用料型の収入が開示され、売上の1割を超える
工数に頼らない稼ぎが育ったと確認でき、楽観の確率が上がる。
2027年9月期に営業利益率が7%を超えて定着する
原価上昇の転嫁が進んだと言え、やや楽観の筋書きに近づく。
ドローン・衛星の計測受注が増え、航空機の稼働が下がる
空間情報の人員が減る筋書きに近づく。やや悲観の確率が上がる。
強靱化の予算が前倒しで縮む
建設コンサルの数量が減り、悲観の確率が上がる。
純現金がさらに減り、借入が増える
安全域が薄まり、資本コストの借金の項を見直す。

見ておくもの

  • 通期の受注高と受注残
  • 営業利益率(6%台が底か)
  • 航空機の稼働と計測方式の内訳
  • 蓄電所とCVCの収益
  • 技術者の採用数と離職率
  • 純現金の水準

倍率と資本コストの決め方

倍率は正当化 PER の式から出した。ROE が資本コストに届かない中立は 1÷k を上限に置いた。今の株価や過去の PER、同業の値付けは使っていない。AI エージェント代替は、数量・単価(空間情報の解析部分)と k の寿命に入れ、確率や g には重ねていない。償却は取得額のままとし、人件費など償却以外の費用を物価で増やした。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.4→13.79 倍・やや楽観 PER 12.9→13.79 倍・中立 PER 12.5→13.79 倍・やや悲観 PER 11.5→12.29 倍)。

資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

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分析日 2026-10-22