結論
IDOMは、ガリバーを通じて中古車を買い取り、小売と業者向け販売で稼ぐ会社である。筆者の結論は割安だが、その根拠は強固な独占ではなく、弱い堀でも残る収益に対して値段が低いことにある。査定、在庫管理、整備、保証という仕事は、10年後も必要とされる。国内需要が縮んでも、小規模店からのシェア獲得で販売台数を増やす余地がある。[資料1]
ただし、大型店を増やせば価値も増えるとは限らない。直近2年は在庫と店舗への投資が先行し、増えた資金に対する利益の伸びは鈍かった。2026年10月の説明でも、採用と顧客管理システムへの支出が収益改善に先行している。会社の中期目標をそのまま将来の稼ぎと受け取る段階ではない。[資料2][資料3]
中立では、国内小売の市場が1割縮むなかで、同社の販売台数は21万台に増える。整備と販売後の顧客接点は育つが、利益率が過去の最高水準に戻るとは考えない。値上がりする在庫を抱える資金と借り換え利息を負担しても、10年後の純利益は約202億円まで伸びる見通しだ。
確率を踏まえた価値は、基準時価総額を約48%上回る。しかし、販売現場の質が崩れ、信用損失と閉店費用が重なる場合には、元本の大幅な毀損が残る。これは放置してよい高収益企業ではない。既存店の生産性と投資回収を確かめながら、長く持つ株主が事業の改善を待つ種類の割安さである。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、魅力は中古車という商材そのものより、仕入れから換金までの仕組みにある。車には1台ごとの状態差があり、査定、整備、保証を引き受ける業者は10年後にも必要だ。IDOMはその仕事を全国で行える。ただし、客が他店へ移る手間は小さく、名の通った看板だけに高い値段を払う事業ではない。
稼いだ利益は、値上がりする在庫と設備の更新に回るため、すべてが株主の使える現金になるわけではない。じしゃロンでは、売上を立てた時点と代金を回収する時点が離れる。利益が増えた年ほど現金が足りなくなることさえある。中立の終点でも、更新と通常の運転資金を確保した後の現金は年150億円前後とみる。[資料1][資料2]
それでも、現在の値段には一定の安全域がある。国内市場の成長も、海外での成功も、最高益時の利益率の復活も必要条件ではない。既存店の生産性を取り戻し、販売後の顧客を少しずつ積み上げれば、基準時価総額を上回る価値が残る。
確信を持ちすぎてはいけないのは、再投資の利回りである。低採算の新店を止め、在庫と債権から現金を回収する判断ができるかが、株主の取り分を決める。出店数や売上が伸びても、その判断が伴わなければ割安さは消える。必要なのは壮大な新事業ではなく、店と1台の車から確実に現金を戻す経営である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの出発点は、単に安く買うことではなく、どこで誰に売れる車かを見極め、適切な値段で仕入れることである。個人からの買取と業者間市場からの仕入れを組み合わせ、自社の店頭で売る車と、業者向けに売却する車を選ぶ。小売は1台から得る利益が厚い反面、展示場所と販売員を必要とし、高い車を売るほど、売れるまで寝かせる資金も大きい。卸売は薄利だが、在庫を早く換金し、次の車を仕入れる資金を戻す逃げ道になる。[資料1][資料2]
主力は日本であり、海外を成長の前提にはしない。開示上の区分は日本とその他だが、同じ車でも小売と卸売では利益の生まれ方が違う。国内の小売車両売上は約3542億円、卸売車両売上は約1520億円である。米国事業は残るものの、日本の看板がそのまま通用するとは限らず、売上の中心でも競争優位の源でもない。[資料1]
販売後の接点が、単発の車売買を少しずつ継続取引へ変える。車検、整備、保証、コーティングに加え、ローンと保険の取次手数料が収益になる。ただし、前受けした保証料は将来の修理義務を伴い、そのまま株主へ配れる現金ではない。顧客が契約を更新する仕組みと、販売時に追加商品を付ける仕組みは、同じ継続収益として扱えない。[資料1]
じしゃロンの割賦販売とNORELのリースは、購入方法の選択肢を広げる事業である。その代わり、会社が顧客の返済能力や車両の残存価値を引き受ける。営業特化の人材紹介子会社もあるが、独立した売上と成約件数は開示されていない。車を売る会社から金融や情報の会社へ変わったと評価するだけの収益の証拠は、まだ乏しい。
優良さと弱いところ
堀、つまり競合がまねしにくい強みは、全国の買取接点と在庫を動かす組織にある。ガリバーの知名度は、知らない業者へ高額な車を売る不安を減らす。販売先を小売と卸売から選べることも、車種や地域による需給の違いを吸収する力になる。ただし、これは有利な出発点であって、顧客を囲い込む独占ではない。[資料1][資料2]
値決め力は弱い。買い手は車種、年式、走行距離、総支払額を比較でき、売り手は複数社から査定を取れる。小売の1台当たり粗利は足元で改善したが、在庫構成の入れ替えと付帯商品の影響を含む。同じ品質の車を継続して高く売れた証拠とは区別すべきだ。[資料3]
再投資の質は、既存事業の見かけの自己資本利益率(ROE)ほど強くない。添付の数字から概算すると、直近2年の増分の税後営業利益は、増えた投下資金の約5.3%にとどまる。 新店が成熟途中であることは割り引く必要があるが、会社全体の高い成長率だけでは追加投資の採算を証明できない。投下資本の税後利回りであるROICも、会社公表では6.8%へ低下している。[資料2]
整備工場と顧客管理の充実が再来店を増やせば、堀は少し広がる。逆に、販売目標を優先して不要な付帯商品や不適切な金融契約を勧めれば、看板の価値は薄れる。今のIDOMは、設備を増やす局面から、それを利益と現金に変える現場の力量を問われる局面へ移っている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
中古車市場は、車が不要になる市場ではなく、供給と需要の組み合わせが変わる市場である。会社が引用する国内小売市場は約250.8万台で、金額では約4.4兆円だ。登録統計には業者間の移転も含まれるため、名義変更の総数を消費者への販売台数と混同してはいけない。[資料1]
この小売市場に対するIDOMの直営販売台数は、概算で6.5%に当たる。ネクステージの公表小売台数は約18.5万台だが、新車を含むため、同じ分母で求める7.4%は参考上限である。WECARSやメーカー系列も有力であり、同じ範囲の小売台数が確認できない会社のシェアは断定しない。大手の競争相手が消えた市場ではない。
業者間市場は、むしろ小規模業者にも在庫を融通する。USSの出品台数シェアは43.2%に達し、共通の売買市場と相場情報が発達している。IDOMはこの市場を換金先として利用できるが、全国の車を調達する力を独占しているわけではない。小売と卸売の市場金額を足し合わせると、同じ車を二度数える。
10年後の中立では、国内小売の台数は約226万台に減る。IDOMが21万台を販売すればシェアは9.3%であり、業界拡大ではなく集約が成長の源になる。整備市場が緩やかに縮むという添付の前提も維持し、用品市場の数字を車両本体の需要に流用しない。 電動化は車の流通自体を消さないが、電池の劣化判定と残価予測に対応できる会社へ利益を移す。
資本政策と M&A
還元の現行ルールは連結純利益の30%を配当に回すものだ。自己株取得はPBR1倍への接近時に検討するが、取得額の約束はない。直近の実施は2020年である。次の還元方針は2027年4月に発表予定で、自己資本に対する配当比率(DOE)や総還元性向の新しい数値はまだ約束されていない。[資料2][資料3]
現行中計は、営業利益300億円を目指す。2027年2月期の小売は17万〜19万台が目標だ。ROICの目標は8%以上へ見直され、フリーキャッシュフローは同年度の黒字化が目標だ。売上とROEは確認した原文では数字の約束なしであり、足元の利益計画の下方修正は実行の難しさを示す。[資料2][資料3]
2015年以降の豪州ディーラー買収から2022年の売却へ転じ、日本の小売に資金を寄せた判断は評価できる。ただし、取得から撤退までの全資金収支を確かめられず、買収全体が高収益だったとは断定しない。政策保有株や土地の含み益を、投資採算の弱さを埋める財産とも見ない。[資料1]
優待は上期に7億円の費用を生み、現行制度は2027年8月の権利分で終了する。中立で見込む残りの優待費用は21億円で、対象者数は変動するため概算である。未公表の新しい優待を、将来の還元へ先回りして期待すべきではない。創設後すぐの見直しは、還元にも投資と同じ事前検証が必要なことを示している。[資料3]
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
人口が減ることと、IDOMの販売が減ることは同じではない。現在の国内小売シェアは1割に届かず、地域の小規模店から顧客が移る余地が大きい。車の在庫、広告、採用、整備設備を全国で共用できる会社は限られる。店舗を増やす時期を過ぎれば、先に負担した費用を既存の設備で回収できる。[資料1][資料2]
大型店の利益は、開業直後の数字だけでは測れない。販売員が育ち、店の認知が広がり、購入客が車検や買い替えに戻るまでには時間がかかる。足元で小売の1台当たり粗利が改善していることは、在庫の選別と売り方の改善が効き始めた証拠である。顧客管理が定着すれば、毎回広告費を払って新しい客を探す負担も軽くなる。[資料3]
付帯サービスは、車両だけの薄い利益を補う余地がある。整備を自社で行い、保証やローンの選択肢をそろえることで、購入後も収益機会を持てる。中古車価格が名目で上がる世界では、台数を大きく増やさなくても、適正な粗利額を確保できる。需要が成熟していることは、全国展開企業の集約余地までなくす理由にはならない。
さらに、将来価値を成立させるために新たな海外買収は要らない。国内の既存拠点を成熟させ、資金回収を改善するだけでも価値は増える。成長が鈍くても利益を残せる会社が、投資先行の苦しさだけで評価され続けるなら、長期株主には機会となる。
慎重な見方
出店による売上成長と、株主価値の成長には大きな隔たりがある。IDOMでは在庫、店舗、割賦債権が増えたのに、営業利益の増加が小さい時期が続いた。低金利の借入で支えられた拡大を、金利が上がる環境でも同じように続けられるとは限らない。過去のROEは、追加投資の採算を保証しない。[資料1][資料2]
規模が大きくても、車の仕入れ価格を自由には決められない。USSなどの市場が調達と売却を容易にし、消費者もオンラインで総支払額を比べる。ネクステージとメーカー系列は、IDOMと同じ顧客を狙っている。仕入れで競り負ければ品ぞろえが弱まり、競り勝つために高く買えば小売の利益が薄くなる。
付帯サービスの成長にも限界がある。保証や整備の品質が伴わないまま販売比率を上げれば、後から修理費や苦情対応費が膨らむ。じしゃロンとリースは、販売機会を作る半面、信用損失と残価損失を会社に残す。売掛金の流動化で現金が入っても、引き受けた経済的リスクがすべて消えるとは言えない。[資料1]
資本配分への信頼も、まだ十分ではない。中期目標の見直しに加え、株主数の増加で優待費用が想定を超え、制度の再設計が必要になった。新店や新サービスでも同様に需要を楽観していれば、黒字の会計利益が資金の余裕を意味しなくなる。借金を減らすまでの長い時間に、店舗の家賃は待ってくれない。[資料3]
どちらに重みを置いたか
全国の買取網と既存店の成熟余地を評価するが、投資回収を疑う見方にも重みを置く。上振れより下振れの合計確率を厚くしたのは、拡大投資に利益が追い付かない実績と、現行中計の実行遅れがあるためだ。中古車需要が消えるという想定ではない。
それでも、低い利益率と市場縮小を織り込んだ後の価値は基準時価総額を上回る。割安という結論と、経営への高い確信は別である。販売後の再来店が増え、在庫と債権が現金に変わることが、長期の価値を実現する条件になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 2,425 円2,435 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 441 円442 億円)。 今の値に割り戻すと 1,423 円1,429 億円、今との差 +44.5%、 期待の年率 +11.3%(資本コスト 8.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 5,810 円5,834 億円 | 835 円839 億円 | +574.7% | +21.0% | 532 円534 億円 |
| やや楽観 | 20% | 3,874 円3,890 億円 | 637 円640 億円 | +358.0% | +16.4% | 902 円906 億円 |
| 中立 | 36% | 2,583 円2,594 億円 | 492 円494 億円 | +212.2% | +12.1% | 1,107 円1,112 億円 |
| やや悲観 | 25% | 854 円857 億円 | 247 円248 億円 | +11.7% | +1.1% | 275 円276 億円 |
| 悲観 | 11% | 379 円380 億円 | 69 円69 億円 | −54.6% | −7.6% | 49 円49 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,425 円2,435 億円 | 441 円442 億円 | +190.9% | +11.3% | 2,865 円2,877 億円 |
今の株価時価総額 985 円989 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 全国の在庫網と整備網が一体で利益を生む 利益 432 億円 · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 5,810 円5,834 億円
全国の店舗網が、広告と在庫を共同で使う利点を発揮する。国内小売市場の台数は今とほぼ同じだが、IDOMのシェアは11%台に達する。小売は28万台となり、販売員の育成が進んだ大型店で、追加売上に対する費用の増加が小さくなる。
整備工場と顧客管理がつながり、購入後の車検や買い替えが次の販売を生む。保証と金融は強引な追加販売に頼らず、実際の利便性で選ばれる。リースの残価管理も機能し、車を持つ方法の多様化が会社の稼ぎを補う。
地域の店や整備拠点を引き継ぐ余地はあるが、大型の海外買収に再び賭ける必要はない。利益率の上昇は競合が弱るからではなく、既存設備の稼働率と再来店が改善するためだ。成長に必要な在庫と債権も増えるが、その負担を上回る利益が残り、配当も厚くなる。
ただし、値決め力が独占企業のように強くなるわけではない。競合も使える業者間市場を前提に、顧客に選ばれる品ぞろえと、販売後の対応で差を付け続ける必要がある。出店が一巡した後にも資金効率を維持できることが、この上振れの条件となる。
- 国内中古車小売:数量 280,000(国内直営小売販売台数(台/年))× 価格 307(車両本体の平均売上(万円/台、名目))→ 売上 8,591 億円・営業利益 326 億円。国内小売市場250.8万台に対し11.16%。価格は1.42倍で、物価に加えて車両構成が改善。
- 国内中古車卸売:数量 180,000(国内直営卸売販売台数(台/年))× 価格 140(業者向け平均売上(万円/台、名目))→ 売上 2,521 億円・営業利益 76 億円。全国の換金網を保ち18万台。単価1.40倍でも過大な在庫を抱えない。
- 国内整備・保証・金融取次等:数量 330,000(サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年))× 価格 40(1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目))→ 売上 1,305 億円・営業利益 235 億円。新規納車28万台と既販客5万台相当。単価1.45倍は利用項目の増加を含む。
- 国内リース・レンタル:数量 15,000(平均稼働契約台数(台年/年、推定))× 価格 76(1台年当たり利用料(万円、名目))→ 売上 113 億円・営業利益 23 億円。平均稼働1.5万台。残価と貸倒を管理し、減価償却を差し引いて20%の営業利益率。
- 米国中古車販売等:数量 6,000(米国小売・卸売販売台数(台/年、推定))× 価格 361(車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目))→ 売上 217 億円・営業利益 7 億円。6000台。為替150円のまま地域の顧客を増やす。
- 外部人材紹介(非開示部分の感応度枠):数量 100(年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定))× 価格 134(1成約当たり紹介料(万円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。成約は仮定の100人を上限とする。AI販売の売上証拠はなく、成長利益を認めない。
倍率:終点の自己資本2787.241億円、純利益432.362億円からROE15.512%。k8%、g2%、超過収益の残存3分の1なのでRONICは10.504%、正当化PER=(1−0.02÷RONIC)÷0.06=13.493292倍。上限をそのまま使用し、利益×倍率のみで時価総額を求めた。10年間の純利益合計2725.629億円から配当30%の817.689億円を引き、開始自己資本879.3億円に加えた。初年度純利益105億円、2年目150億円、その後8年で終点へ移る仮定で、会社予想を保証するものではない。優待21.00億円は費用化済みのため自己資本から二重控除せず、payoutには配当に加えて計上した。将来の投下資金は売上×現在の資本密度0.276880で3529.697億円となり、純借入742.457億円と自己資本で賄う。留保資金は事業と返済に使われ、独立した余剰現金はない。銀行純借入を含むEV÷営業利益は9.89倍で、既存の金融リース債務約97億円を加えても20倍未満。償却費は旧資産の残存分と新規・更新分を分け、終点115億円を費用に含む。償却以外の賃金・本社費・通常の家賃も原則1.34倍の費用水準を負担する。償却の内訳は既存資産の残存分15億円と、10年間の新規・更新投資分100億円の推定で、既存資産の取得原価を物価で膨らませていない。
確率:大型店の成熟、顧客の再来店、金融の健全成長が同時に実現する必要がある。直近の投資効率からは連続成功を標準にはできず8%とする。買収プレミアムやAI新事業の成功は加えない。
やや楽観 20% 大型店の成熟が先行投資を回収する 利益 295 億円 · PER 13.2 倍 · 株価時価総額 3,874 円3,890 億円
国内小売市場は緩やかに減るが、全国チェーンへの集約が続く。IDOMは24.5万台を販売し、シェアは10%強まで高まる。新規出店より既存店の成熟が利益を押し上げ、採用と顧客管理への支出が先に増えた負担を吸収する。
整備と保証は、車の販売台数を上回る速さで顧客基盤を広げる。ローンと保険の取次では比較と説明を徹底し、手数料を守るために信用を削ることを避ける。ネクステージやメーカー系列との競争は残るが、価格だけでなく、購入後の対応でも選ばれる会社になる。
買収は地理的な空白を埋める小規模なものに限られ、大きな希薄化を伴う拡大は起きない。出店の速度を落とす判断も働き、資金は返済と配当に回り始める。強固な独占にはならなくても、既存の看板と設備から安定して現金を回収できる企業へ近づく。
車両価格の上昇を利用して名目の売上だけを膨らませるのではなく、滞留在庫を早く入れ替える規律が働く。大手との仕入れ競争は続いても、整備と再来店で1人の顧客から得る利益が増え、薄い車両利益を補う。
- 国内中古車小売:数量 245,000(国内直営小売販売台数(台/年))× 価格 294(車両本体の平均売上(万円/台、名目))→ 売上 7,199 億円・営業利益 230 億円。国内市場238.26万台に対し10.28%。価格1.36倍、既存店の生産性が改善。
- 国内中古車卸売:数量 160,000(国内直営卸売販売台数(台/年))× 価格 134(業者向け平均売上(万円/台、名目))→ 売上 2,145 億円・営業利益 54 億円。16万台。小売優先でも卸売網を維持し、在庫回転を守る。
- 国内整備・保証・金融取次等:数量 275,000(サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年))× 価格 37(1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目))→ 売上 1,020 億円・営業利益 153 億円。新規24.5万台と既販客3万台相当。価格1.36倍で付帯収益を伸ばす。
- 国内リース・レンタル:数量 11,000(平均稼働契約台数(台年/年、推定))× 価格 73(1台年当たり利用料(万円、名目))→ 売上 81 億円・営業利益 15 億円。平均稼働1.1万台。増車に必要な資金と減価償却を負担。
- 米国中古車販売等:数量 5,000(米国小売・卸売販売台数(台/年、推定))× 価格 351(車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目))→ 売上 175 億円・営業利益 4 億円。5000台。米国の市場全体を大きく取る想定ではない。
- 外部人材紹介(非開示部分の感応度枠):数量 85.0(年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定))× 価格 134(1成約当たり紹介料(万円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替を反映し、仮定の成約0.85倍。利益はゼロ。
倍率:終点の自己資本2323.325億円、純利益295.087億円からROE12.701%。k8%、g2%、超過収益の残存3分の1なのでRONICは9.567%、正当化PER=(1−0.02÷RONIC)÷0.06=13.182477倍。上限をそのまま使用し、利益×倍率のみで時価総額を求めた。10年間の純利益合計2062.893億円から配当30%の618.868億円を引き、開始自己資本879.3億円に加えた。初年度純利益105億円、2年目140億円、その後8年で終点へ移る仮定で、会社予想を保証するものではない。優待21.00億円は費用化済みのため自己資本から二重控除せず、payoutには配当に加えて計上した。将来の投下資金は売上×現在の資本密度0.276880で2940.858億円となり、純借入617.533億円と自己資本で賄う。留保資金は事業と返済に使われ、独立した余剰現金はない。銀行純借入を含むEV÷営業利益は9.91倍で、既存の金融リース債務約97億円を加えても20倍未満。償却費は旧資産の残存分と新規・更新分を分け、終点95億円を費用に含む。償却以外の賃金・本社費・通常の家賃も原則1.34倍の費用水準を負担する。償却の内訳は既存資産の残存分15億円と、10年間の新規・更新投資分80億円の推定で、既存資産の取得原価を物価で膨らませていない。
確率:既存の大型店と工場が収益化し、集約の恩恵を得る筋書きに20%。小売の粗利改善という事実は支えになるが、競合も拡大するため、二桁シェアを容易に達成するとは見ない。
中立 36% 縮む市場の集約を取り込み、薄利を守る 利益 202 億円 · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 2,583 円2,594 億円
中古車の国内需要は縮むが、地域店から大手へ顧客が移る。IDOMの小売は21万台へ増え、全国の拠点が地方の需要を拾う。会社が掲げるシェア拡大は進むものの、競合の成長と販売員不足に阻まれ、計画ほど速くは進まない。
車両価格は物価とともに上がるが、仕入れ代金や人件費も上がる。整備と既販客へのサービスは育つ一方、ローンや保険の手数料を大きく引き上げる余地は乏しい。店の成熟による改善と費用増が相殺され、全社の利益率は過去最高から離れた水準にとどまる。
大型買収や海外の急拡大はなく、稼いだ資金の多くが在庫、債権、設備と借入返済へ向かう。配当は増えるが、利益の全額が自由な現金になるわけではない。10年後も必要な流通機能を担いながら、控えめな収益力で株主価値を積み上げる姿である。
中計が期待した収益力に近づくまで、相応の時間がかかる。高い成長率を守るための買収よりも、不採算店を直し、長期在庫を減らす地道な改善が価値を支える。電動車の診断にも対応しながら、無理なく扱える車種と顧客を選ぶ経営になる。
- 国内中古車小売:数量 210,000(国内直営小売販売台数(台/年))× 価格 290(車両本体の平均売上(万円/台、名目))→ 売上 6,080 億円・営業利益 158 億円。国内市場225.72万台に対し9.30%。物理台数1.28倍、単価1.34倍を分ける。
- 国内中古車卸売:数量 145,000(国内直営卸売販売台数(台/年))× 価格 134(業者向け平均売上(万円/台、名目))→ 売上 1,943 億円・営業利益 43 億円。全国市場が1割縮むなか14.5万台。小売への転換で台数は今より少ない。
- 国内整備・保証・金融取次等:数量 230,000(サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年))× 価格 37(1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目))→ 売上 841 億円・営業利益 101 億円。新規21万台と既販客2万台相当。物価1.34倍、金利収入の増加は元本と混同しない。
- 国内リース・レンタル:数量 8,000(平均稼働契約台数(台年/年、推定))× 価格 72(1台年当たり利用料(万円、名目))→ 売上 58 億円・営業利益 9 億円。平均稼働8000台。価格1.34倍だが資金・残価管理の費用が残る。
- 米国中古車販売等:数量 4,000(米国小売・卸売販売台数(台/年、推定))× 価格 346(車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目))→ 売上 138 億円・営業利益 2 億円。4000台、単価1.34倍。為替や海外買収による上振れは加えない。
- 外部人材紹介(非開示部分の感応度枠):数量 65.0(年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定))× 価格 134(1成約当たり紹介料(万円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替の人月準用。数量0.65倍、価格1.34倍、利益ゼロ、部門gは0%。
倍率:終点の自己資本1982.497億円、純利益201.888億円からROE10.184%。k8%、g2%、超過収益の残存3分の1なのでRONICは8.728%、正当化PER=(1−0.02÷RONIC)÷0.06=12.847470倍。上限をそのまま使用し、利益×倍率のみで時価総額を求めた。10年間の純利益合計1575.995億円から配当30%の472.799億円を引き、開始自己資本879.3億円に加えた。初年度純利益105億円、2年目125億円、その後8年で終点へ移る仮定で、会社予想を保証するものではない。優待21.00億円は費用化済みのため自己資本から二重控除せず、payoutには配当に加えて計上した。将来の投下資金は売上×現在の資本密度0.276880で2508.906億円となり、純借入526.409億円と自己資本で賄う。留保資金は事業と返済に使われ、独立した余剰現金はない。銀行純借入を含むEV÷営業利益は10.00倍で、既存の金融リース債務約97億円を加えても20倍未満。償却費は旧資産の残存分と新規・更新分を分け、終点80億円を費用に含む。償却以外の賃金・本社費・通常の家賃も原則1.34倍の費用水準を負担する。償却の内訳は既存資産の残存分15億円と、10年間の新規・更新投資分65億円の推定で、既存資産の取得原価を物価で膨らませていない。留保利益約1103億円は、事業資金の増加約951億円と純借入の返済約152億円に対応する。優待21億円は、直近上期費用7億円を年率14億円へ換算し、制度終了までの残存期間を約1.5年として見積もった。
確率:市場数量が1割減ってもシェアが6.54%から9.30%へ上がる筋書きを中心の36%とする。会社の2033年シェア10%超目標より遅く、小売利益率も控えめ。上側合計28%に対し下側36%としたのは、先行投資の回収遅れと現行中計の実行難を重視したためであり、価格競争を資本コストと確率で二重に加点したものではない。
やや悲観 25% 台数は残るが、付帯収益と投資採算が痩せる 利益 69 億円 · PBR 1.0 倍 · 株価時価総額 854 円857 億円
国内需要の減少に対し、店舗の数と広さを十分に調整できない。小売は16万台前後にとどまり、安い車へ顧客が移るため、平均売価は物価ほど上がらない。仕入れと小売の利幅は薄くなり、買取網の維持にも費用がかかる。
整備の内製化は進んでも、工場の稼働率と再来店率が期待に届かない。ローンと保険の比較が容易になり、付帯商品の利益も削られる。割賦販売では貸倒費用が増え、残価を高く見積もったリース契約の採算も悪化する。
会社は出店を抑え、在庫と債権を減らして借入を返す。買収で穴を埋める余力は乏しく、配当も利益に応じて減る。事業は存続するが、資本を留保しても十分な利益が増えず、成長企業というより現金回収を優先する会社へ変わる。
会社全体で大きな赤字を出さなくても、株主には十分に苦しい経路となる。自己資本は積み上がるのに、それを使って稼ぐ力が弱く、長期間待っても期待した現金が戻らない。現場の縮小と投資の停止を遅らせるほど、回復は遠のく。
- 国内中古車小売:数量 160,000(国内直営小売販売台数(台/年))× 価格 270(車両本体の平均売上(万円/台、名目))→ 売上 4,321 億円・営業利益 43 億円。国内市場213.18万台に対し7.51%。販売台数はほぼ横ばいでも廉価車への構成変化が利益を削る。
- 国内中古車卸売:数量 135,000(国内直営卸売販売台数(台/年))× 価格 125(業者向け平均売上(万円/台、名目))→ 売上 1,688 億円・営業利益 25 億円。13.5万台。単価は1.25倍にとどまり、買取・換金費用が利益を圧迫。
- 国内整備・保証・金融取次等:数量 160,000(サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年))× 価格 33(1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目))→ 売上 524 億円・営業利益 39 億円。新規納車以外の継続利用が育たない。価格1.20倍、手数料と稼働率が低下。
- 国内リース・レンタル:数量 5,000(平均稼働契約台数(台年/年、推定))× 価格 65(1台年当たり利用料(万円、名目))→ 売上 32 億円・営業利益 3 億円。稼働5000台で足踏み。貸倒と残価の損失で営業利益率8%。
- 米国中古車販売等:数量 3,000(米国小売・卸売販売台数(台/年、推定))× 価格 323(車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目))→ 売上 97 億円・営業利益 0 億円。3000台。販路を維持するだけで固定費の吸収が進まない。
- 外部人材紹介(非開示部分の感応度枠):数量 55.0(年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定))× 価格 120(1成約当たり紹介料(万円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。成約0.55倍、単価1.20倍。小規模な情報仲介は費用を吸収できない。
倍率:ROE4.827%はk8%を下回るため成長価値を加えず、純利益68.583億円÷8%による稼ぐ力857.283億円と、回収資産649.3億円の大きい方を採用。表示するPBR0.974961倍は開始自己資本879.3億円に対する換算であり、10年後の自己資本に掛けない。累計純利益773.622億円、配当232.087億円、費用化済み優待15.75億円から還元を計上する。純利益は初年度105億円、2年目80億円、その後8年で終点へ移る仮定。自己資本は879.3+累計純利益−配当であり、優待を再控除しない。売上に必要な投下資金1844.799億円に対し、純借入は423.964億円となる。終点償却60億円は更新設備と縮小を反映し、固定家賃を含む。借入込みEV÷営業利益は11.67倍。償却の内訳は既存資産の残存分10億円と、10年間の新規・更新投資分50億円の推定で、既存資産の取得原価を物価で膨らませていない。
確率:大型店を維持しても再来店と販売員の生産性が伸びず、付帯収益が圧迫される可能性に25%。金利そのものは利益へ織り込み済みで、ここでは中計の未達、在庫の長期化、新しい信用供与の実行失敗を評価する。悲観と合わせ36%で、対象となる人材紹介のAI代替規則の下側35%以上も満たす。
悲観 11% 信用と販売力を失い、店舗を縮小する 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 379 円380 億円
販売と付帯サービスの品質が崩れ、顧客が競合へ移る。国内市場が2割縮むだけでなく、IDOM自身もシェアを失い、小売は10.5万台まで落ちる。売れ残りを処分しても、広い展示場の家賃と販売組織の費用はすぐには減らない。
保証の支払いや割賦債権の焦げ付きが増え、リース車の売却価格も想定を下回る。減損と閉店を伴う再編が必要になり、事業は薄い営業黒字でも、借入費用の後では純損失となる。これを通常の景気循環の底として扱わず、以前の収益力へ戻らない姿と考える。
店舗や在庫の譲渡、採算拠点への集約で会社は存続するが、買収者が高い価格で救済するとは想定しない。還元は細り、株主の支えは残る在庫、債権、設備の回収価値になる。過去に積み上げた自己資本が、そのまま株主へ戻るわけではない。
同じ店でも立地と設備によって譲渡価格は大きく違う。土地の資産価値に頼れる会社ではないため、買い手が使わない店舗設備は回収できない。資産の床は保証された最低価格ではなく、撤退と譲渡を実行できた場合の回収見込みにすぎない。
- 国内中古車小売:数量 105,000(国内直営小売販売台数(台/年))× 価格 238(車両本体の平均売上(万円/台、名目))→ 売上 2,496 億円・営業利益 −5 億円。国内市場200.64万台に対し5.23%へシェア低下。固定家賃と値引きで車両小売は赤字。
- 国内中古車卸売:数量 95,000(国内直営卸売販売台数(台/年))× 価格 110(業者向け平均売上(万円/台、名目))→ 売上 1,045 億円・営業利益 7 億円。9.5万台へ縮小。換金の機能は残すが利益率は0.7%。
- 国内整備・保証・金融取次等:数量 110,000(サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年))× 価格 29(1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目))→ 売上 315 億円・営業利益 11 億円。既販客も他社へ移り11万台相当。価格1.05倍、修理と説明責任の費用が残る。
- 国内リース・レンタル:数量 3,000(平均稼働契約台数(台年/年、推定))× 価格 57(1台年当たり利用料(万円、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 0 億円。3000台へ縮小。残価損失を負担し、営業利益はほぼ残らない。
- 米国中古車販売等:数量 2,000(米国小売・卸売販売台数(台/年、推定))× 価格 284(車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目))→ 売上 57 億円・営業利益 −1 億円。2000台。拠点縮小と価格競争で赤字。
- 外部人材紹介(非開示部分の感応度枠):数量 30.0(年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定))× 価格 100(1成約当たり紹介料(万円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。成約0.30倍、単価据え置き。AIへの代替と競争で撤退に近づく。
倍率:終点純利益は-1.871億円の赤字なので、利益倍率ではなく今の資産から求める回収価値380.3億円を採用。PBR0.432503倍は現在の自己資本879.3億円にのみ掛ける。純利益の10年経路は105、40、−300、−150、0、5、10、15、20、−1.871億円であり、赤字期には閉店・減損・信用損失を含む。累計純利益−256.871億円、黒字期のみの配当58.5億円から終点自己資本563.929億円となる。費用化済み優待10.5億円を還元に足すが、自己資本から再控除しない。純借入600億円を残し、終点償却45億円と解約できない家賃を負担する。銀行純借入込みEV÷営業利益は約82倍で20倍を超えるが、低利益の成長継続価値ではなく、閉店・資産譲渡による回収を根拠とするためである。償却の内訳は既存資産の残存分5億円と、10年間の新規・更新投資分40億円の推定で、既存資産の取得原価を物価で膨らませていない。
確率:相場の一時的な谷ではなく、販売品質への信頼低下、競争劣位、割賦・残価損失が重なる構造的な失敗に11%。全国網が一度に無価値になるとはせず、現在の資産の回収可能額を残す。倒産を前提にせず、回復費用と株主の損失を大きく見込む。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内中古車小売
個人客へ車両を販売する。付帯サービスの収入と車両本体の収入を分け、同じ売上を二重に数えない。
| 数量国内直営小売販売台数(台/年) | 価格車両本体の平均売上(万円/台、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 163,931 | 216 | 3,542 | 80 |
| 10 年後 中立 | 210,000 | 290 | 6,080 | 158 |
取り方:有報84頁の日本の小売販売3542.08億円と、会社の四半期データの通期直営小売163931台を使用。平均単価は両者から216.071396万円と求めた。台数は単体直営、売上は日本連結なので小規模子会社の範囲差がある近似であり、車両価格そのものの公表値ではない。出典は資料1と https://idom-inc.com/wp-content/uploads/2026/10/Quarter-Data-j-20261014_V5.pdf 。国内小売250.8万台に対する数量シェアは6.54%。中立は市場0.90倍、シェア9.30%で21万台、価格1.34倍とする。部門営業利益は非開示のため、仕入・店舗・本社費を配賦した推定値。車両の仕入れと引渡しはAI代替表の人月・席型には該当しない。所属業種は2026年10月1日に卸売業から小売業へ変更されたため、sectorには現行の東証33業種を記載。出典は https://idom-inc.com/ir/notice/20261001-38699.html 。
国内中古車卸売
自社で小売しない車両をオークションなどで業者へ販売し、在庫を換金する。小売の残余ではなく、仕入れと換金能力を維持する独立した販路である。
| 数量国内直営卸売販売台数(台/年) | 価格業者向け平均売上(万円/台、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 151,985 | 100 | 1,520 | 45 |
| 10 年後 中立 | 145,000 | 134 | 1,943 | 43 |
取り方:有報84頁の日本の卸売販売1520.24億円と、四半期データの151985台から平均単価100.025660万円。単体台数と日本連結売上の範囲差は小売と同じ。USSの2026年3月期成約約234万台と出品シェア43.2%から、他会場も同じ成約率と仮定すると全国成約約542万台、自社は約2.8%となる粗い参考値である。出典は https://www.ussnet.co.jp/auction/advantage/index.html と https://www.ussnet.co.jp/ir/item/explanation2026_4Q.pdf 。出品シェアを成約シェアと断定せず、小売市場にも加算しない。中立の14.5万台は全国市場0.90倍なら約3.0%に当たる。部門利益は推定配賦。物理的な車両売買であり、人月・席型には該当しない。
国内整備・保証・金融取次等
整備、保証、ローン・保険の取次など、車両購入に付随し、購入後にも続くサービスで稼ぐ。手数料売上を融資元本とは区別する。
| 数量サービス収入を生む小売顧客の年間納車換算台数(台相当/年) | 価格1納車換算台当たり付帯収入(万円/年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 163,931 | 27 | 447 | 73 |
| 10 年後 中立 | 230,000 | 37 | 841 | 101 |
取り方:有報84頁の車両整備177.35億円、手数料175.18億円、その他95.57億円の合計448.10億円から、人材紹介の感応度用仮置き1億円と丸め差0.02億円を除いた。実在する小売納車163931台を顧客獲得の母数とし、過去の販売客からの収入も含めた年額を1納車当たり27.272450万円に換算する。独立した整備作業件数や契約数を開示したものではなく、台数と価格の区分には推定誤差がある。中立23万台相当は新規納車21万台に既販客の継続利用を2万台相当加える仮定。整備市場は添付の約5.9兆円を共通の基準とし、現在の整備売上だけなら約0.30%、中立の整備相当売上約333億円は縮小後市場約4.8〜5.3兆円の0.63〜0.69%となる。ネクステージの整備売上216億円は同じ現市場の約0.37%。競合の出典は https://contents.xj-storage.jp/xcontents/31860/4563a517/87d8/41f3/9a65/0f2380441a8c/20260220121836711s.pdf 。金融取次等に同一範囲の市場シェアはなく、小売顧客シェアを獲得機会の代理とする。本社費と連結調整を含めた部門営業利益は推定配賦。整備はAI代替表の現場型であり、信用供与と保証も人月・席売上ではない。
国内リース・レンタル
NOREL等を通じて車両を貸し、期間に応じて利用料を得る。満了時の残価と利用者の信用リスクを負う。
| 数量平均稼働契約台数(台年/年、推定) | 価格1台年当たり利用料(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 5,000 | 54 | 27 | 5 |
| 10 年後 中立 | 8,000 | 72 | 58 | 9 |
取り方:有報のその他の収益27億円をリース・レンタル収入の近似とする。平均稼働台数は非開示で、リース車両約100億円を1台当たり簿価約200万円で割った約5000台を推定に用い、年額54万円とした。NORELの公表月額プランとの整合も確認したが、期末保有と期中稼働の差、外部仲介の収入を分離できない。出典は資料1・2と https://norel.jp/go 。2025年3月末の個人向けリース保有約72万台という業界規模に対する約0.7%は、法人等を混ぜる可能性のある参考値で、オリックス等との厳密な同範囲比較ではない。業界資料は https://www.aba-j.or.jp/info/industry/24149/ 。中立8000台を将来市場90万台と比較すれば約0.9%となる。部門利益5億円はリース収入への配賦推定で、子会社全体の利益とは異なる。AIによる査定改善を見込んでも、席課金ソフトの収益にはしない。
米国中古車販売等
米国の中古車小売と卸売、関連サービスを行う。売却済みのオーストラリアのディーラー事業は含めない。
| 数量米国小売・卸売販売台数(台/年、推定) | 価格車両・付帯サービスの平均売上(万円/台、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 3,500 | 258 | 90 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4,000 | 346 | 138 | 2 |
取り方:有報84頁のその他セグメント90.30億円を使用。内訳は小売63.11億円、卸売20.26億円、その他約6.92億円。会社の米国在庫価格を参考に、小売平均約2.1万ドル、卸売約0.9万ドル、1ドル150円とすると、小売約2000台と卸売約1500台になる推定である。合計3500台へ付帯収入を含めて平均258万円とした。会社開示の販売台数ではない。出典は資料1と https://gulliverusa.net/used-car_search/used-car_search_result/ 。Coxの米国中古車小売約2040万台と比べると自社小売は約0.01%にすぎず、CarMaxやCarvanaと同じ全国規模の優位は見込まない。市場資料は https://www.coxautoinc.com/insights/used-retail-vehicle-sales-december-2025/ 。中立の小売相当約2300台でもシェアは約0.01%である。非連結の海外新事業に別の価値は付けず、為替は全筋書きで150円に固定する。
外部人材紹介(非開示部分の感応度枠)
営業職の人材紹介を行う小規模な新規事業。規模の開示がないため、独立した成長価値は認めない。
| 数量年間成約人数(人、実績ではなく感応度用仮定) | 価格1成約当たり紹介料(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 100 | 100 | 1 | −1 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 134 | 1 | 0 |
取り方:IDOM Career Connectionsは2025年10月に営業を始めたが、売上・成約人数は非開示。100人は会社実績の推定値ではなく、未知の規模を過大評価しないための感応度用仮定である。1成約100万円は、紹介料が年収の30〜35%という紹介会社の公表慣行と年収300万円の仮定から得る。1億円を他の国内収入から移すだけで連結売上は増やさない。出典は https://idom-inc.com/news/press/20251212-38179.html と https://www.jac-recruitment.jp/market/knowhow/agent/agent-cost/ 。独立市場シェアは確認不能で、採用情報大手に対する堀も実証されていない。AI エージェント代替は情報仲介として人月・工数型を準用し、中立は成約0.65倍、単価1.34倍、同部門の長期成長0%。楽観でも成約は100人を超えず、楽観〜中立の利益はゼロとする。社内BPOとシステム開発は外販売上として二重計上しない。この仮置きを0〜5億円へ変えても、中立の全社価値への影響は小さい。
リスクと懸念
店舗を増やしても、増分の投資利回りが上がらない
大型店は販売台数が立ち上がる前から、人員、展示在庫、家賃を必要とする。既存店の利益増が追加投資に追い付かなければ、会計上は増収でも株主に回せる現金は増えない。中立で想定する再来店と生産性の改善が止まることが、長期価値の最大の下振れ要因である。全社平均ではなく、開業年別の利益と回収期間を確認する必要がある。既存店が悪化しても新店の売上で覆い隠せる点にも注意したい。
在庫相場の下落と資金拘束
車両価格の下落は、仕入れ済みの在庫に先に効き、新たな安い仕入れの効果は後から現れる。全国網があっても、滞留車の値下げと保有期間中の金利は避けられない。需要減少と在庫日数の長期化が重なる場合には、評価損だけでなく、本来売れる車を追加で仕入れる資金も細る。相場上昇期に積んだ高額車ほど下落時の損失が大きく、売上の伸びが仕入れ判断の正しさを示すとは限らない。
割賦債権・保証・リースの損失が遅れて出る
じしゃロンでは販売時の利益と回収の完了が離れ、保証では受け取った代金と修理費の発生が離れる。リースも残価の見込み違いを満了時に認識する。債権の流動化や前受金で当面の現金が増えても、将来負担がなくなったとは限らない。車両販売とは別に信用費用と契約義務を追う必要がある。正常な顧客と延滞顧客を分けた回収実績が十分に開示されなければ、利益の持続性に対する確信を高められない。
固定家賃と更新投資が縮小の速度を制限する
売上が落ちても、店舗と工場の家賃は直ちには下がらない。古い設備の減価償却額は物価で増えないが、建て替えや設備交換には高くなった代金が必要になる。新リース会計で負債の表示が変わっても、この固定の約束は以前から存在する。純借入だけを見て財務余力を評価すると、縮小時の費用を見落とす。店舗を譲渡できず解約負担が重なれば、資産の床も低下する。残る建物が帳簿の価格で売れるという想定はしていない。
保険・金融の販売品質と顧客の信頼
車両の利益を補うために保証、保険、ローンの販売を急ぐと、説明不足と苦情が増え、長期の再来店を損なう。競合比較や規制対応の費用も必要になる。特定の行政処分を既成事実とはせず、適正販売が崩れた場合に、付帯収益と車両販売の双方が傷む経路を悲観の筋書きに含める。取次件数が増えるだけでなく、契約の継続率、解約、苦情と是正対応も確認したい。看板への不信は、将来の買取にも及ぶ。
AI エージェント代替
主業の査定後の引渡し、現場整備、在庫と信用リスクの引受けは、人月や席課金の事業ではない。ただし、外部人材紹介は情報仲介として代替対象であり、中立の成約数量を縮め、長期成長も認めない。車の価格比較と金融商品の選別も容易になり、販売員の省力化による利益を、競争相手に渡さず残せるとは限らない。人材紹介の実際の売上と成約数は確認できておらず、感応度枠の数字を開示実績と混同してはいけない。
資本配分と需要の構造変化
国内の追加出店が成熟した後、経営が新しい大型買収へ資金を振り向ければ、既存株主の回収期間は再び長くなる。人口減少、カーシェア、電動化で商圏や整備内容が変わると、成功した店の立地や設備も陳腐化しうる。低採算投資を止めて返済と還元へ切り替えられるかが、会社の規模よりも重要になる。拡大余地が乏しい時に現金を戻さず別分野へ投じれば、本業が残っても既存株主の価値が増えるとは限らない。
今後の分かれ目
- 大型店の開業後2〜3年の営業利益と資金回収が改善し、追加投資の利回りが借入を含む資金費用を継続して上回る。
- 中立からやや楽観へ重みを移す。店数の増加ではなく、成熟した店の利益と回収期間の改善を条件にする。
- 在庫日数が100日を超える状態が続き、値下げ後も営業キャッシュフローが改善しない。
- 小売と卸売の利益率を下げ、運転資金と借入費用を増やす。短期相場の谷ではなく、仕入れと販売能力の不一致を疑う。
- 整備や保証の継続利用が増え、苦情と保証修理費を抑えながら販売後の顧客収益が伸びる。
- サービスの顧客換算台数を増やす。販売時の付帯率だけの上昇では、継続収益と堀の改善を認めない。
- 割賦債権の延滞・貸倒率、流動化費用、リース満了時の損失が売上の伸びを上回って増える。
- 金融関連の単価と利益率を引き下げる。販売台数が伸びても、信用リスクを過小評価した成長と判断する。
- 2027年4月の新しい還元方針で数値目標が示され、過大な投資を抑えたうえで配当や自己株取得の実績が伴う。
- その時点の配当・取得方針で還元と自己資本の流れを更新する。発表だけで余剰現金の戻り方を1.0に引き上げない。
- 国内小売シェアが7%未満で停滞し、値引きや付帯商品の押し込みが販売維持の主因になる。
- 中立の9.3%へのシェア拡大を撤回する。やや悲観を中心に移し、店舗の回収可能額も点検する。
- 人材紹介などの外販規模と利益が独立して開示される、または新規買収が連結利益に重要な割合を占める。
- 未知の事業を1億円の感応度枠に押し込めず、数量、単価、資本負担を別に作り直す。AI代替の型と成長率も、その事業ごとに再判定する。
見ておくもの
- 直営小売・卸売の販売台数、同一条件で比較した1台当たり粗利、既存店の生産性。
- 新規出店費用、開業年別の店舗利益、整備工場の稼働率と既販客の再来店。
- 在庫日数、長期滞留車の割合、営業キャッシュフローと更新投資後の現金。
- 割賦債権の延滞・貸倒引当、流動化後に残るリスク、リースの実現売却価格。
- 保証・整備に関する契約負債、実際の修理費、顧客の苦情と是正状況。
- 2027年4月の中計・還元方針、2027年11月までの現行優待費用。
倍率と資本コストの決め方
財務・株価・株数は添付の基準を固定した。 数量、単価、費用と投下資金を先に決め、倍率はk8%、g2%、超過収益の残存3分の1から求めた。中立以上は式の上限そのものを使い、現在や同業の市場倍率には合わせていない。終価と期間還元を割り引いた後に時価総額と比較した。2026年の売上認識時点変更による遡及数値には置き換えない。新リース会計は2月決算の同社では原則2029年2月期からとなるが、10年後も家賃を営業費用に含む同じ経済的表示で比較する。調査時点でTOB・MBO・上場廃止の公表は確認されず、最新中間短信の継続企業注記も該当なし。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%に、事業の質の差0.5%を加えた株主資本コスト。ROICと比較する総資金の費用とは区別する。現在の資本構成と借入3.5%、税率30%から求める参考の加重資本コストは約5.6%である。