株譜
AI 銘柄分析 · 石油・石炭製品 · 試作

ENEOSホールディングス 5020

国内の燃料油は年2〜3%縮み、石油開発は油価次第。事業ごとに積み直すと、本業の稼ぎ力は今より細る

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)799 円2.12 兆円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,428 円3.79 兆円差 −44.0%
10 年後から見ると 割高 価値 799 円2.12 兆円 · 差 −44.0% · 期待の年率 +1.3%
期待の年率リターン(10 年)+1.3%資本コスト比 −7.7 pt
推定の資本コスト9.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ENEOSホールディングスは、国内の白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)で約45%のシェアを持つ最大手の石油元売りだ。稼ぎの柱は燃料油で、石油・天然ガス開発、機能材(合成ゴムなど)、電気がそれを支える。JX金属は持分法の会社になり、持ち株は約35%まで下げた。この持ち株は事業とは別の資産として数える。

筆者の結論は、10年後の価値が今の値段を大きく下回る、というものだ。理由は事業の積み上げにある。国内の燃料油需要は年2〜3%縮み、10年で2割前後減る。石油開発は、業種の前提(10年後の油価は名目で55ドル)に置くと、利益が今の半分以下になる。電気と再エネは育つが、利益の規模はまだ小さい。

以前は低炭素事業を「再エネ容量×単価」でまとめて積んでいた。開示のセグメントは石油製品ほか・石油開発・機能材・電気・再エネの5つで、実態に合っていなかった。今回は燃料油を販売数量と利益、石油開発を生産量と油価、電気と再エネを発電量と単価で積み直した。

JX金属の持ち株は、時価の税引き後7割にあたる約6,900億円を別に足している。2026年4〜6月の営業利益は中東情勢の追い風で4,800億円に膨らんだが、一時のものとして10年の見立てには入れていない。

バリュー投資の観点から

株主が自由に使える利益を、バリュー投資家は慎重に見る。燃料油の利益は在庫評価と製油所の稼働で毎年大きく揺れ、設備の更新費もかかる。見かけの純利益よりも、平均的な年の稼ぎを基準にするのが筋だ。

10年後もこの事業は残るが、今より強いとは言いにくい。需要は年2〜3%縮み、堀は弱い。電気や機能材は、利益の規模が小さく、資本を食う。だから、本業の稼ぎ力は今より細ると見る。

資本配分は悪くない。JX金属を段階的に売り、自社株買いと借金返済に回した。持ち株の約6,900億円(時価の税引き後7割)は、事業とは別の資産として評価できる。一方で、海外の精製やC4素材の買収が高い値段にならないかは、これから見る点だ。

安全域は薄い。事業の稼ぎ力と持ち株の合計に対して、今の値段は高い。燃料油の縮小が一巡する材料がなく、わかりやすい事業だが、10年後の収益を高い確信で見通せる会社ではない。

何で稼ぐ会社か

収益の大半は石油製品ほか(燃料油)で、2026年3月期の売上は約10兆円、営業利益は約2,900億円だった。原油を輸入して国内の製油所で精製し、全国約1万1千のサービスステーションと業者向けに売る。白油の販売数量は年4,300万キロリットル。国内シェアは約45%で、出光興産、コスモエネルギーHDとの3社が市場の大半を分け合う。

石油・天然ガス開発は、マレーシアのSK10鉱区、インドネシアのタングーLNG、パプアニューギニアのPNG LNGなどに持ち分を持つ。生産は日量約9.5万バレル(原油換算)で、7割強が天然ガスだ。営業利益は約500億円。売上の2割強を稼ぐ。

機能材は、低燃費タイヤ向けの合成ゴム(S-SBR)や、自動車の窓枠ゴムの原料ENBを作る。売上は約3,400億円、営業利益は百億円規模。2026年10月には米国のC4素材会社TPCの買収を終える予定だ。

電気は、千葉の五井火力発電所(3基で234万kW)を軸に、発電から小売まで手がける。持ち分の発電容量は約220万kW。売上は約3,500億円、営業利益は約220億円。再生可能エネルギーは太陽光・風力・バイオマスで稼働約133万kW、売上は約490億円で、利益はまだゼロ近辺だ。

このほか、舗装・建設のNIPPOを持つ。JX金属は2025年に上場させて持分法の会社とした。持分法の利益は営業利益に入り、2026年3月期は約440億円あった。この利益は事業の稼ぎから外し、持ち株の時価として別に数える。

優良さと弱いところ

強みは、規模と、調達から販売までの一体運用だ。原油の調達、精製、物流、販売を自社で回せるため、2026年の中東情勢の混乱でも国内への供給を保った。国内シェアは首位で、製油所の統廃合が進むほど供給側の規律が働きやすい。

ただ、燃料油の中身は規格がほぼ共通で、値段は原油と需給で決まる。ブランドで利幅を厚くする余地は小さい。稼ぎは製油所の稼働に左右され、2025年度は故障が重なって稼働率が8割にとどまった。会社は2027年度に定修を除いて90%を目指す。

資本効率は高くない。ROEは過去10年の中央値で8%台、2015年3月期、2016年3月期、2020年3月期は赤字だった。市況の山で稼いでも、資本コストを超える水準は続かなかった。堀、つまり他社がまねできない強みは弱い。

伸ばしたい電気、機能材、石油開発は、どれも燃料油の縮小を埋めるほどの利益規模がない。筆者は、事業ごとに稼ぐ力を見ると、本業の収益は今より細ると考える。一方で資本の使い方は評価できる。JX金属の売却代金を、自社株買いと借金の返済に回してきた。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

国内の燃料油需要は、2007年度の2.2億キロリットルから2025年度の1.4億キロリットルへ、18年で4割減った。年率では2.5%の減少で、直近の3年は年3%に速まっている。経済産業省は、ガソリンが2030年度に2024年度比で1割強減ると見る。燃費の改善、EV、人口減が重なる構造的な縮小で、止まる材料は乏しい。

供給側は、2017年の出光興産と昭和シェルの統合などを経て、ENEOS、出光、コスモの3社体制になった。各社が製油所の能力を減らすほど、残る設備の稼働が上がり、利幅は守られやすい。ENEOSも和歌山の精製を止め、横浜の製造所の生産を2028年3月までに段階的に止める。海外勢が国内に入る余地は、規制と物流の制約でほとんどない。

2026年は例外の年だ。中東情勢でホルムズ海峡の通行が乱れ、原油価格は期末に1バレル120ドルを超えた。輸入の乱れで稼働率は下がったが、海外の製品市況が高く、4〜6月の営業利益は在庫評価益を含めて4,800億円に膨らんだ。これは一時の追い風だ。

石油開発の値段は、鉱業の業種ノートの前提に合わせる。10年後の油価は、中立で名目55ドル、楽観で70ドル、悲観で30ドル。電気は卸電力の値動きと燃料費の転嫁に、再エネは固定価格買取の終わりに左右される。機能材は、タイヤ向けの合成ゴムが世界で伸びる一方、原料のブタジエン市況に利益が振れる。

資本政策と M&A

株主還元は、第4次中期経営計画(2025〜2027年度)で、配当を下げない累進配当と、3か年平均の総還元性向50%以上を掲げる。年間の配当は約900億円で、自社株買いは2026年5月に500億円を上限として決めた。業績に応じた追加の還元も、手法を含めて検討中だ。

資産の入れ替えが進んでいる。JX金属は2025年に上場し、2026年5月の自社株公開買付けにも応じて、持ち株を約35%まで下げた。2027年3月期の計画には、追加売却による約1,100億円の利益が入っている。

買う側の案件もある。米国のC4素材会社TPC(営業利益は約155億円)を2026年10月に取得し、東南アジアと豪州の石油精製販売事業、マレーシアのLNG事業ティガへの参画も決めた。さらに数千億円規模の案件を複数、検討している。

筆者は、買収の値段が事業の価値を超えないかを見る。海外の精製やトレーディングは、国内の縮小を埋める一手だが、利益の質は国内の元売りより劣る。全国のサービスステーション用地や製油所の跡地には含み益があるとの指摘もあるが、金額の開示はなく、数字には入れていない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

国内シェア首位の規模は、製油所の統廃合が進むほど価格を守る力になる。和歌山の精製停止に続き、横浜でも生産を段階的に止める。出光やコスモも能力を調整している。残った設備の稼働が上がれば、1キロリットル当たりの利益は今より厚くなる。会社は2027年度に定修を除く稼働率90%を目指しており、2025年度の故障による取りこぼしは取り戻せる。

石油製品以外にも手がある。機能材は、低燃費タイヤ向けのS-SBRの販売数量が過去最大で、四日市で生産能力を増やす。TPCの買収で、ブタジエンの生産能力は世界3位になる。電気は五井火力が全基そろい、蓄電池の運用も始めた。石油開発は、パプアニューギニアのPapua LNGやマレーシアのティガで増産の芽がある。

財務も整っている。JX金属の売却代金で借金を減らし、自社株買いを続けられる。持ち株の時価は約1兆円で、時価総額の4分の1を超える。油価が名目で70ドル前後に戻り、国内の需要減が年1〜2%に収まれば、本業の利益は今を上回る。

慎重な見方

国内の需要は18年で4割減り、直近は年3%の減少に速まった。10年で2割以上減るのが普通で、EVの普及が前倒しになれば3割を超える。製油所を減らしても、固定費の重さは残る。利幅は守られるどころか、薄まりやすい。

石油開発の稼ぎは油価で決まる。業種の前提は10年後に名目55ドルで、実質では今の6割弱にあたる。この値段では、持ち分の多いガス事業の利益は今の半分以下になる。確認済みの資源量も、今の生産で約8年分しかない。

「低炭素」の看板で、電気や再エネ、水素の利益を厚く見積もるのは誤りだ。電気の営業利益は200億円台、再エネは赤字に近い。燃料油の利益3,000億円を埋めるには遠い。

買収の値段にも注意がいる。海外の精製やトレーディングは、国内の縮小を埋める手段だが、市況に左右される。JX金属の持ち株も、銅や半導体材料の相場次第で値が動く。ROEは過去10年の中央値で8%台と、資本コストの9%に届かない。

どちらに重みを置いたか

強気の見方が正しいのは、国内の供給の規律と、財務の余裕、JX金属の持ち株だ。慎重な見方が正しいのは、燃料油の構造的な縮小と、石油開発の油価前提、低炭素事業の利益の小ささだ。事業ごとに積み直すと、中立の営業利益は今の水準に名目でほぼ横ばいとなる。物価で3割強増える分を、数量の減少と油価の低下が打ち消す形だ。確率は、楽観の条件が重なる難しさから慎重な側に寄せた。最大手の規模と財務、JX金属の持ち株は評価に入れている。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 1,120 円2.97 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 502 円1.33 兆円)。 今の値に割り戻すと 799 円2.12 兆円、今との差 −44.0%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 9.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 11% 1,742 円4.62 兆円 724 円1.92 兆円 +72.7% +5.6% 271 円7,193 億円
やや楽観 21% 1,451 円3.85 兆円 618 円1.64 兆円 +44.9% +3.8% 435 円1.15 兆円
中立 32% 1,215 円3.22 兆円 531 円1.41 兆円 +22.3% +2.0% 559 円1.48 兆円
やや悲観 24% 732 円1.94 兆円 408 円1.08 兆円 −20.2% −2.2% 274 円7,257 億円
悲観 12% 491 円1.30 兆円 207 円5,500 億円 −51.1% −6.9% 84 円2,223 億円
加重平均100% 1,120 円2.97 兆円502 円1.33 兆円 +13.6% +1.3% 1,622 円4.30 兆円

今の株価時価総額 1,428 円3.79 兆円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。

楽観 11% 油価が戻り、国内の需要減が緩やかで、周辺事業も伸びる 利益 3,022 億円 · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 1,742 円4.62 兆円

国内の燃料油需要の減少は年1〜2%にとどまり、白油の販売数量は10年で1割強減るだけに終わる。製油所の統廃合が進んで稼働率は90%を超え、1キロリットル当たりの営業利益は、物価の上昇に加えて実質でも1割強厚くなる。燃料油の営業利益は3,400億円台に乗る。

油価は名目70ドルに戻る。石油開発は、パプアニューギニアのPapua LNGなどで生産が日量12万バレル台に増え、営業利益は700億円近くになる。機能材はS-SBRの増産とTPCの上乗せで460億円、電気は蓄電池と新しい電源で440億円、再エネは洋上風力の運開で270億円に育つ。

営業利益の合計は5,800億円。今の約4,200億円(JX金属の持分法利益を除く)を、3割強上回る。ただし、この筋書きには、燃料油の利幅の上振れと油価の戻りが同時に要る。

  • 燃料油(石油製品ほか):数量 3,720(白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質))× 価格 25(白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る)→ 売上 92,628 億円・営業利益 3,441 億円。数量は国内の需要減、利幅は1klあたりの営業利益で置いた。売価は原油連動が約7割で、油価は名目55〜70ドルのため物価ほど上がらない
  • 石油・天然ガス開発:数量 125(原油換算の販売量(千バレル/日・実質))× 価格 6.34(原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動))→ 売上 2,893 億円・営業利益 677 億円。生産量と油価(名目)で置いた。利益は売上の36%+固定費の物価上昇
  • 機能材:数量 135(エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質))× 価格 43(販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動))→ 売上 5,760 億円・営業利益 461 億円。販売指数と原料市況で置いた
  • 電気(発電・小売):数量 120(発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定)× 価格 49(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む))→ 売上 5,849 億円・営業利益 439 億円。発電量と単価で置いた
  • 再生可能エネルギー:数量 70.0(発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定)× 価格 19(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない))→ 売上 1,330 億円・営業利益 266 億円。発電量と単価で置いた

倍率:事業の純利益 2,926 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.6% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 11.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)6,872 億円。全体の PER 11.6 倍、時価総額 40,816 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:楽観には、油価の戻り、燃料油の利幅の上振れ、周辺事業の伸びが同時に要る。会社の計画と国内の統廃合は支えになるが、3つが重なる確度は高くない。

やや楽観 21% 国内の統廃合が利幅を支え、周辺事業が着実に育つ 利益 2,457 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 1,451 円3.85 兆円

国内の需要は年2%ほど減り、白油の販売数量は3,560万キロリットルになる。製油所の統廃合と稼働率の改善で、1キロリットル当たりの営業利益は実質で5%厚くなる。燃料油の営業利益は3,000億円。

油価は名目62ドル。石油開発は生産を日量10万バレル台に保ち、営業利益は430億円。機能材は360億円、電気は340億円、再エネは190億円。周辺事業は計画どおり育つが、合計の営業利益は4,800億円で、物価の上昇ほどには伸びない。

株主還元は累進配当と自社株買いで続く。JX金属の持ち株は引き続き事業とは別に評価する。

  • 燃料油(石油製品ほか):数量 3,560(白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質))× 価格 23(白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る)→ 売上 81,951 億円・営業利益 3,005 億円。数量は国内の需要減、利幅は1klあたりの営業利益で置いた。売価は原油連動が約7割で、油価は名目55〜70ドルのため物価ほど上がらない
  • 石油・天然ガス開発:数量 108(原油換算の販売量(千バレル/日・実質))× 価格 5.62(原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動))→ 売上 2,215 億円・営業利益 433 億円。生産量と油価(名目)で置いた。利益は売上の36%+固定費の物価上昇
  • 機能材:数量 128(エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質))× 価格 40(販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動))→ 売上 5,153 億円・営業利益 361 億円。販売指数と原料市況で置いた
  • 電気(発電・小売):数量 108(発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定)× 価格 47(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む))→ 売上 5,029 億円・営業利益 342 億円。発電量と単価で置いた
  • 再生可能エネルギー:数量 60.0(発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定)× 価格 19(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない))→ 売上 1,110 億円・営業利益 189 億円。発電量と単価で置いた

倍率:事業の純利益 2,360 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.5% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)6,872 億円。全体の PER 11.11 倍、時価総額 33,096 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:統廃合が利幅を支え、電気・機能材・再エネが計画どおり育つ筋書き。国内の供給の規律と、財務の余裕を重く見て、楽観より厚く置いた。

中立 32% 燃料油は縮み、石油開発は薄くなり、周辺事業が補いきれない 利益 1,920 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 1,215 円3.22 兆円

国内の燃料油需要は年2.3%のペースで減り、白油の販売数量は10年で3,400万キロリットルまで下がる。統廃合は進むが、1キロリットル当たりの営業利益は物価ほど伸びず、実質で5%目減りする。燃料油の営業利益は2,600億円にとどまる。

油価は名目55ドル。実質では今の6割弱で、石油開発の営業利益は今の約500億円から220億円に落ちる。電気は250億円、機能材は260億円、再エネは120億円まで育つ。それでも、燃料油の縮小を埋める規模にはならない。

NIPPOなどを足した営業利益は3,850億円。物価で3割強増える分を、数量の減少と油価の低下が打ち消し、名目でほぼ横ばいとなる。金利の上昇で利払いも増え、純利益は1,900億円ほどになる。配当の下限は守る。

  • 燃料油(石油製品ほか):数量 3,400(白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質))× 価格 21(白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る)→ 売上 72,692 億円・営業利益 2,598 億円。数量は国内の需要減、利幅は1klあたりの営業利益で置いた。売価は原油連動が約7割で、油価は名目55〜70ドルのため物価ほど上がらない
  • 石油・天然ガス開発:数量 90.0(原油換算の販売量(千バレル/日・実質))× 価格 4.98(原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動))→ 売上 1,636 億円・営業利益 224 億円。生産量と油価(名目)で置いた。利益は売上の36%+固定費の物価上昇
  • 機能材:数量 122(エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質))× 価格 38(販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動))→ 売上 4,656 億円・営業利益 256 億円。販売指数と原料市況で置いた
  • 電気(発電・小売):数量 96.0(発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定)× 価格 44(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む))→ 売上 4,190 億円・営業利益 251 億円。発電量と単価で置いた
  • 再生可能エネルギー:数量 50.0(発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定)× 価格 18(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない))→ 売上 900 億円・営業利益 117 億円。発電量と単価で置いた

倍率:事業の純利益 1,824 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.5% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)6,872 億円。全体の PER 11.11 倍、時価総額 27,139 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:国内の需要が年2%余り減り、油価が業種ノートの中立(名目55ドル)に収まる、中心の筋書き。周辺事業は育つが、燃料油の縮小は埋めきれない。

やや悲観 24% EVが前倒しで進み、油価も下がる 利益 1,231 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 732 円1.94 兆円

EVとハイブリッドの普及が早まり、国内の需要は年3%超のペースで減る。白油の販売数量は3,150万キロリットル。製油所の統廃合が需要の減少に追いつかず、稼働率が下がって、1キロリットル当たりの営業利益は実質で2割減る。燃料油の営業利益は2,000億円。

油価は名目42ドル。石油開発は生産が日量7.5万バレルに落ち、利益はほぼゼロになる。電気は競争で140億円、機能材は110億円、再エネは40億円にとどまる。営業利益の合計は2,650億円。

自社株買いは止め、配当を下限に近い水準で続ける。JX金属の持ち株は、手元の余力として0.75倍で数える。

  • 燃料油(石油製品ほか):数量 3,150(白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質))× 価格 18(白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る)→ 売上 57,740 億円・営業利益 2,025 億円。数量は国内の需要減、利幅は1klあたりの営業利益で置いた。売価は原油連動が約7割で、油価は名目55〜70ドルのため物価ほど上がらない
  • 石油・天然ガス開発:数量 75.0(原油換算の販売量(千バレル/日・実質))× 価格 3.80(原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動))→ 売上 1,040 億円・営業利益 10 億円。生産量と油価(名目)で置いた。利益は売上の36%+固定費の物価上昇
  • 機能材:数量 108(エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質))× 価格 34(販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動))→ 売上 3,699 億円・営業利益 111 億円。販売指数と原料市況で置いた
  • 電気(発電・小売):数量 85.0(発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定)× 価格 40(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む))→ 売上 3,401 億円・営業利益 136 億円。発電量と単価で置いた
  • 再生可能エネルギー:数量 38.0(発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定)× 価格 16(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない))→ 売上 608 億円・営業利益 37 億円。発電量と単価で置いた

倍率:ROE 3.4% は k 9.0% 以下で、PER の上限は 1÷k の 11.1 倍。利益が縮み続ける途中の姿なので、上限の約 8 割の 9.0 倍に置く。余り資産は JX 金属の持分の 0.75 倍(5154 億円)を足す。

確率:EVの普及が前倒しになり、油価も下がる筋書き。製油所の統廃合が需要の減少に追いつかず、利幅が薄まる。国内の需要は直近の3年で年3%減と、すでに速い。

悲観 12% 構造的に負ける:国内の需要が4割減り、油価も30ドル 利益 −150 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 491 円1.30 兆円

EVの急速な普及と人口減で、国内の白油は10年で4割減り、2,650万キロリットルまで落ちる。製油所は過剰になり、値引き競争で、1キロリットル当たりの営業利益は0.15万円ほど(実質で2割以下)に薄くなる。燃料油の営業利益は400億円に細る。

油価は名目30ドル。石油開発は赤字になり、電気と再エネも、卸電力の値下がりと減損で赤字に近づく。営業利益の合計は370億円で、利払いを引くと純利益は赤字になる。

資産を売って借金を返し、配当は削る。値段の下限は、事業用資産の半値売却と、JX金属の持ち株で支える。国内シェア5割と製油所網という事業基盤は残るが、規模の優位はもう利益に結びつかない。

  • 燃料油(石油製品ほか):数量 2,650(白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質))× 価格 16(白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る)→ 売上 41,102 億円・営業利益 398 億円。数量は国内の需要減、利幅は1klあたりの営業利益で置いた。売価は原油連動が約7割で、油価は名目55〜70ドルのため物価ほど上がらない
  • 石油・天然ガス開発:数量 50.0(原油換算の販売量(千バレル/日・実質))× 価格 2.72(原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動))→ 売上 496 億円・営業利益 −186 億円。生産量と油価(名目)で置いた。利益は売上の36%+固定費の物価上昇
  • 機能材:数量 90.0(エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質))× 価格 31(販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動))→ 売上 2,759 億円・営業利益 0 億円。販売指数と原料市況で置いた
  • 電気(発電・小売):数量 65.0(発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定)× 価格 35(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む))→ 売上 2,246 億円・営業利益 −23 億円。発電量と単価で置いた
  • 再生可能エネルギー:数量 25.0(発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定)× 価格 14(1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない))→ 売上 350 億円・営業利益 −18 億円。発電量と単価で置いた

倍率:営業利益が 370 億円で、利払いを引くと赤字。稼ぐ力では値が付かず、売れる資産の床で置く。事業用資産の半値売却で借金を返した残りに、JX 金属の持分の 0.4 倍を足した約 13,027 億円を価値とし、今の自己資本に 0.387 倍を掛けた。営業利益が薄く、純有利子負債(約 1.3 兆円)を足した EV÷営業利益は意味を持たない(EV でなく売れる資産で見ている)。

確率:国内の需要が10年で4割減り、油価も名目30ドルに落ちる、構造的な負けの筋書き。国内の需要の減り方は速いが、3社の統廃合と財務の余裕があるため、確率は1割強にとどめた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

燃料油(石油製品ほか)

原油を輸入・精製し、ガソリン・軽油・灯油・A重油を国内に売る。輸出、石油化学、潤滑油、SAFなど石油製品ほかセグメントの全体を、白油の国内販売数量で代表させる。

数量白油(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売数量(万kl・実質)価格白油1klあたりの売上(原油・製品原価+税+マージンを含む名目、万円/kl)。利益は1klあたりの営業利益(万円/kl)× 数量で見る売上営業利益
今 2026/03 4,306 24 103,953 3,002
10 年後 中立 3,400 21 72,692 2,598

取り方:数量は2025年度の白油4品の販売数量4,306万kl(決算説明資料)。売上は石油製品ほかセグメントの10兆3,953億円を白油の数量で割り、1klあたり24.14万円とした(輸出・化学品・潤滑油の売上も含む)。営業利益は在庫影響を除いた3,002億円で、1klあたり約0.70万円(1リットルあたりでは10分の1)。この中に海運事業の売却益など一過性の約600億円が入っており、通常の年は1klあたり0.6万円前後。10年の置き方はこの通常の利幅から始める。国内の白油需要は直近の3年で年3%減、18年では年2.5%減。

石油・天然ガス開発

マレーシアSK10鉱区、インドネシアのタングーLNG、パプアニューギニアのPNG LNGなどで石油・天然ガスを生産・販売する。生産の7割強が天然ガス。

数量原油換算の販売量(千バレル/日・実質)価格原油換算1バレルあたりの売上(千円/バレル・名目。油価に連動)売上営業利益
今 2026/03 95.0 6.25 2,167 508
10 年後 中立 90.0 4.98 1,636 224

取り方:2025年度の販売量は日量9.5万バレル(原油換算)、売上は2,167億円。1バレルあたり約6.25千円(約41ドル)で、ブレント平均69ドルの約6割にあたる。rev_factorは、365日×千バレル×千円÷1億=3.65。営業利益は508億円(持分法の利益約120億円を含む)。会社の開示ではドバイ原油が5ドル動くと営業利益が約90億円動くので、油価の変化に対する利益の感応度は売上の約36%。のこりの費用は固定とみなし、10年で物価並みに上がるとした。

機能材

低燃費タイヤ向けの合成ゴム(S-SBR)、自動車の窓枠ゴムの原料ENB、特殊溶剤などを作る。2026年10月に米国のC4素材会社TPCを買収予定。

数量エラストマーの販売指数(2022年度=100、実質)価格販売指数1ポイントあたりの売上(億円・名目。ブタジエンなど原料市況に連動)売上営業利益
今 2026/03 105 32 3,390 111
10 年後 中立 122 38 4,656 256

取り方:2025年度のエラストマー販売指数は105(2022年度を100とする会社開示)。売上3,390億円を指数で割り、1ポイントあたり32.29億円とした。営業利益は子会社の減損を含む111億円(前の年は177億円)。通常の営業利益率は4〜5%。TPCの買収は値段が事業の価値に見合うと考え、数字には入れていない。

電気(発電・小売)

五井火力発電所(3基・234万kW)と製油所の発電設備を軸に、発電から電力小売までを手がける。持ち分の発電容量は約220万kW。

数量発電量(億kWh・実質)。持ち分容量220万kW×設備利用率50%の推定価格1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。燃料費の転嫁と小売料金を含む)売上営業利益
今 2026/03 96.0 36 3,492 220
10 年後 中立 96.0 44 4,190 251

取り方:持ち分の発電容量220万kWに設備利用率50%を置き、発電量を約96億kWhと推定した(開示は無い)。売上3,492億円÷発電量96億kWh=36.4(円/kWh)。営業利益220億円は、同じく2.3(円/kWh)にあたる。2026年度の会社計画は150億円で、卸電力市場の値動きと連系線の制度の終了で下がる見込み。

再生可能エネルギー

太陽光・陸上風力・バイオマスの開発と発電。2026年6月末の稼働容量は約133万kW(太陽光105万kW、風力19万kW、バイオマス9万kW)。洋上風力の八峰能代を開発中。

数量発電量(億kWh・実質)。稼働容量×設備利用率の推定価格1kWhあたりの売上(円/kWh・名目。固定価格買取の分は物価で上がらない)売上営業利益
今 2026/03 20.0 24 487 −9
10 年後 中立 50.0 18 900 117

取り方:2025年度の平均稼働容量を約110万kWと見て、設備利用率20%で発電量を約20億kWhと推定した(開示は無い)。売上487億円÷発電量20億kWh=24.35(円/kWh)。固定価格買取の高い単価が混じる。営業損益は一部の開発中止に伴う減損を含む9億円の赤字。

リスクと懸念

国内の燃料油需要が想定より速く減る

国内の白油需要は直近の3年で年3%減り、18年では年2.5%減った。EVとハイブリッドの普及が前倒しになれば、10年で3割を超える減少もありうる。製油所を減らしても固定費は残るので、数量の減少は1キロリットル当たりの利益を直接押し下げる。

油価、在庫評価、中東情勢による利益の振れ

燃料油の利益は在庫評価と原油の調達で毎年大きく動く。2026年4〜6月の営業利益4,800億円のうち、在庫評価益が約2,000億円を占めた。中東の混乱が収まれば、この追い風は逆回転する。10年の見立てには入れていない。

製油所のトラブルと稼働率

2025年度は製油所の故障が重なり、稼働率が8割にとどまった。会社は2027年度に定修を除いて90%を目指す。実現しなければ、統廃合で守るはずの利幅が戻らない。原油の調達が止まる事態も、稼働を直接下げる。

石油開発の油価と資源量

石油開発の利益は油価に強く連動する。ドバイ原油が5ドル動くと営業利益が約90億円動く。業種の前提(10年後は名目55ドル)では今の半分以下になる。確認済みの資源量は今の生産で約8年分で、探鉱や新規参画で置き換え続ける必要がある。

JX金属の持ち株の値動き

JX金属の持ち株は約35%で、時価は約1兆円ある。ENEOSの価値の2割を占める資産だが、値は銅と半導体材料の相場で決まる。段階的な売却で得た資金を、自社株買いや借金の返済に回し続けられるかが、価値に届く条件になる。

買収の値段と海外事業の質

米国のC4素材会社TPC、東南アジアと豪州の石油精製販売、マレーシアのLNG事業ティガの取得を決めた。数千億円規模の案件も検討中だ。国内の縮小を埋める手段だが、値段が高すぎれば、株主の取り分を減らす。海外の精製や取引は市況の振れも大きい。

電気と再エネの収益化の遅れ

電気の営業利益は200億円台で、2026年度の計画は150億円に下がる。再エネは減損もあってゼロ近辺にとどまる。固定価格買取の終了や、卸電力の値下がり、開発中止が重なれば、燃料油の縮小を補う役は果たせない。

今後の分かれ目

国内の白油の販売数量が年3%を超えて減り続けたら
やや悲観・悲観の確率を上げる。1キロリットル当たりの営業利益が下がり始めたかを、統廃合の進み方と合わせて確かめる。
製油所の稼働率が定修を除いて90%に近づいたら
燃料油の利幅の前提を実質で5〜10%上げてよい。楽観・やや楽観の筋書きの確率も上がる。
油価が名目70ドル近辺で1年以上続いたら
石油開発と燃料油の売上単価の前提を上げ直す。ただし在庫評価益は除いて考える。業種全体の前提を変える判断になる。
JX金属の持ち株を追加で売却したら
代金を自社株買いや借金返済に回したかを確かめる。使い道が買収なら、買収の値段が事業の価値に見合うかを見る。
海外の精製・素材の買収が数千億円規模で決まったら
取得の値段を営業利益で割り、国内の元売りと同じ水準かを見る。高い値段なら、中立から慎重な側に確率を寄せる。
電気・再エネの営業利益が、計画を上回って積み上がったら
電気と再エネの発電量と単価の前提を見直す。ただし、燃料油の縮小を埋めるには数百億円規模の上積みが要る。

見ておくもの

  • 白油の国内販売数量と、1キロリットル当たりの営業利益(在庫影響を除く)
  • 製油所の稼働率(定修除き)と、統廃合の進み方
  • 石油・天然ガス開発の生産量(日量)と、ドバイ原油の水準
  • 電気と再エネの営業利益、再エネの発電量
  • JX金属の持ち株の売却と、売却代金の使い道

倍率と資本コストの決め方

倍率は、ROEが資本コスト以下の会社に当たる式(上限は1÷k、約11.1倍)の約9割に置いた。今の株価、過去の倍率、同業の倍率には寄せていない。燃料油の縮小はkの寿命に入れてあるので、倍率では引かない。

中立の価格が今の1.34倍を下回る理由は3つある。燃料油の売上単価は原油連動が約7割で、中立の油価は名目55ドルと今の72ドルより低い。石油開発の単価は油価そのもの。再エネは固定価格買取の高い単価が切れて、市場価格に移る。

JX金属の持分法利益(2026年3月期は営業利益に約440億円)は営業利益から外し、持ち株の時価の税引き後7割で別に足した(重ねない)。営業利益は家賃を費用に入れる今の形でそろえ、新リース会計基準の影響は入れていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10→11.6 倍・やや楽観 PER 10→11.11 倍・中立 PER 10→11.11 倍)。

資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k=基本 7.5%+quality +1.5%=9.0%。内訳と理由は quality_why。

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読んだ資料

  1. ENEOSホールディングス 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
  2. ENEOSグループ 2026年度第1四半期 参考資料集(セグメント別の数量・容量)
  3. ENEOSホールディングス 第4次中期経営計画(2025-2027年度)の策定について

分析日 2026-10-16