株譜
AI 銘柄分析 · 海運業 · 試作

東海汽船 9173

伊豆諸島の航路をほぼ独占するが、ROE は 3% 前後。安全の不祥事と船の更新、重い借金を考えると大きく割高

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)770 円17 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)2,848 円63 億円差 −73.0%
10 年後から見ると 割高 価値 770 円17 億円 · 差 −73.0% · 期待の年率 −5.4%
期待の年率リターン(10 年)−5.4%資本コスト比 −14.6 pt
推定の資本コスト9.3%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.3% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

東海汽船は、東京の竹芝と伊豆諸島を結ぶ船会社だ。大型の客船とジェット船で大島から八丈島までを結び、島の暮らしの物資も運ぶ。筆者の結論は割高、それも大きく割高だ。2025 年 12 月期の営業利益は 5.2 億円で、過去 10 年の ROE の中央値は 3.3% にすぎない。2026 年は上期に 8.4 億円の営業損失を出し、通期の予想も営業利益 2.6 億円と細い。

さらに、安全の不祥事が重なった。2026 年 10 月、酒気帯びでの当直や検査の記録の不実記載で、3 隻が 20 日間の使用停止の処分を受け、社長が辞任する。古いジェット船の更新も控え、造船の値段は上がっている。純有利子負債は 67 億円で、自己資本 53 億円より重い。中立の筋書きでは、10 年後の純利益は 2 億円弱にとどまる。今の時価総額 63 億円は、乗船券の割引の優待を目当てにした個人の買いに支えられていると筆者はみる。確率で重みを付けた価値は今の値段の 3 割に届かない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、この会社は「長く持ちたい事業」に入らない。航路の独占という堀はある。島の人がいる限り船は要り、国と都が支える。だが、その堀は株主のために稼ぐ堀ではない。運賃は公の目で抑えられ、利益は燃料と人件費と船の更新に消える。過去 10 年の ROE の中央値は 3.3% で、資本コストの 3 分の 1 だ。

オーナーとして見ると、事業を続けるために船を造り続けなければならず、自由に使える現金は残らない。借金は自己資本より重い。そこに安全の不祥事が重なった。安全は運輸の会社の土台で、ここが揺らいだのは重い。

株価は自己資本の 1.2 倍で、稼ぐ力に比べて高い。優待の割引券を目当てにした個人の買いが値段を支えていると筆者はみる。優待は会社の売上を削るので、事業の価値を上げるものではない。

何で稼ぐ会社か

事業は 3 つに分けて見る。柱は海運関連で、売上 143 億円のうち 126 億円を占める。竹芝桟橋から大島、利島、新島、式根島、神津島へは高速のジェット船と大型の客船で、三宅島、御蔵島、八丈島へは大型の客船で結ぶ。2025 年の乗船客は 64.6 万人、貨物は 28.4 万トンだった。島の人にとって、この船は通勤や通院、物資の運搬に欠かせない足だ。そのため国と都の航路の補助金があり、売上の一部になっている。夏は観光客で混み、冬は空く。上期は毎年赤字で、夏の下期で稼ぐ形だ。東京湾の夜景を楽しむ納涼船も夏の名物だ。

2 つ目は商事料飲で、売上 13 億円。島向けのセメントや建築資材、船の燃料を売り、船内の自動販売機やレストランも営む。3 つ目は島の中の事業で、大島温泉ホテルと大島のバスを合わせて売上 6 億円ほどだ。

資産は重い。船の帳簿は約 100 億円で、毎年 12 億円ほどを償却する。船を造る時は国の補助金を受け、その分を帳簿から差し引いている。差し引いた額は 41 億円に上り、公の支えの厚さを物語る。

優良さと弱いところ

強みは、伊豆諸島の航路をほぼ独占していることだ。島へ大量の人と物を運べる定期の船は、事実上この会社しかない。島の暮らしに欠かせない航路なので、国と都が補助金で支え、航路が無くなる心配は小さい。新しい会社が入る余地もほとんど無い。

弱みは、その独占が稼ぐ力につながっていないことだ。運賃は島の人の負担を考えると大きく上げにくく、燃料と人件費の上昇に追いつかない年が多い。客は夏に集中し、天候で欠航すれば売上は消える。2020 年と 2023 年には営業赤字を出した。さらに安全の不祥事が続いた。2025 年 4 月に是正命令、2026 年 8 月に安全の責任者の解任命令、10 月に船の使用停止の処分を受けた。安全の仕組みの立て直しには費用と時間がかかる。資本コストは、循環 +0.5%、値決め 0、借金 +0.75%、寿命 +0.25% で、k は 9.25% とした。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

離島の航路は、日本の各地で人口の減りに苦しんでいる。伊豆諸島も例外ではなく、島の人口は少しずつ減り、島の人の行き来と生活の物資は細る。一方で、東京から船で行ける自然の島として、観光の価値は高い。大島の椿まつりや、新島や式根島の海、御蔵島のイルカ、八丈島の温泉と、島ごとに見どころがある。訪日客は都心で増えているが、島への広がりはまだ小さい。

航路の競争相手は、飛行機と他の船だ。大島、三宅島、八丈島には空港があり、調布や羽田から便がある。神新汽船など小さな船会社もある。ただ大量に人と物を運べるのは東海汽船の船だけだ。

費用の面では、船の燃料、船員の人件費、船の修繕の費用が上がっている。船員は高齢化し、若い人が集まりにくい。働く時間の管理も厳しくなり、減便につながった。船を造る値段も上がっており、古いジェット船の更新は国と都の補助金に頼る。離島の航路は、公の支えなしには成り立ちにくい事業になっている。国の安全の目も厳しくなり、船員の飲酒の検査や働く時間の記録など、守るべき決まりは年ごとに増えている。

資本政策と M&A

還元は細い。2025 年 12 月期の配当は 1 株 10 で、総額 0.2 億円ほど。2026 年の配当は未定だ。その代わりに株主優待が厚く、100 株で乗船券の 35% 割引の券が年 20 枚もらえる。株主は 7,334 名で、個人が多い。筆者は優待の値打ちを年 0.8 億円ほどと見て、還元に足した。純有利子負債は 67 億円で、EBITDA の 4 倍近く、自己資本より重い。大株主は藤田観光が 18%、DOWA が 7% で、親会社は無い。持ち合いの安定株主が厚く、資本の使い方に外から声が届きにくい。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

航路の独占は本物だ。伊豆諸島に大量の人と物を運べる船は東海汽船しかなく、国と都が補助金で支える。航路が無くなることはまず無い。

観光の伸びしろもある。東京から船で行ける自然の島は珍しく、訪日客が都心から島へ足を延ばせば、乗船客はコロナ前を超えうる。2024 年に運賃を改定し、2025 年の営業利益は 5 億円台を保った。新しい社長のもとで安全の仕組みを作り直せば、減便は解け、客は戻る。

株主優待も魅力だ。100 株で乗船券の 35% 割引の券が年 20 枚もらえ、島へ行く人には配当以上の値打ちがある。藤田観光や DOWA など安定株主も厚く、会社が揺らぐ心配は小さい。

資産の面でも、船と土地、現金を合わせれば借入を返してなお株主に残る分がある。島の航路の担い手として、最悪の時は都や大株主が手を差し伸べる。利益の小ささだけで見るのは、この会社の公の役割を見落とす。上期の赤字は毎年のことで、夏の稼ぎで取り戻す形は変わらない。

慎重な見方

稼ぐ力が弱すぎる。過去 10 年の ROE の中央値は 3.3% で、2020 年、2021 年、2023 年は赤字だった。2026 年は上期に 8.4 億円の営業損失を出し、通期の予想も営業利益 2.6 億円にすぎない。そこへ 10 月の船の使用停止が加わった。

安全の不祥事は 2 年続いた。酒気帯びの当直や記録の不実記載は、仕組みが根から崩れていることを示す。立て直しには費用がかかり、減便も長引く。

古いジェット船の更新も控える。造船の値段は上がり、補助金で圧縮しても償却は重くなる。純有利子負債は 67 億円で自己資本より重く、金利が上がれば利払いが増える。今の株価は自己資本の 1.2 倍で、優待目当ての買いに支えられているにすぎない。優待は会社の売上を削る仕組みで、事業の価値を生むものではない。優待が縮めば、その支えは一度に消える。藤田観光など安定株主の持ち分も、資本の使い方を変える力にはなっていない。

どちらに重みを置いたか

慎重な見方がはっきり勝つ。航路の独占と公の支えは本物だが、それは事業を続けさせる力で、株主のために稼ぐ力ではない。ROE は資本コストの 3 分の 1 で、安全の不祥事と船の更新、重い借金が重なる。確率は中立を軸に、2026 年の処分と過去の赤字を重く見て、やや悲観と悲観を厚くした。優待の値打ちは還元に足したが、それでも差は埋まらない。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 1,232 円27 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 407 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 770 円17 億円、今との差 −73.0%、 期待の年率 −5.4%(資本コスト 9.3%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 6% 4,725 円104 億円 592 円13 億円 +86.7% +6.4% 319 円7 億円
やや楽観 17% 2,301 円51 億円 524 円12 億円 −0.8% −0.1% 480 円11 億円
中立 40% 911 円20 億円 465 円10 億円 −51.7% −7.0% 550 円12 億円
やや悲観 25% 638 円14 億円 319 円7 億円 −66.4% −10.3% 239 円5 億円
悲観 12% 273 円6 億円 137 円3 億円 −85.6% −17.6% 49 円1 億円
加重平均100% 1,232 円27 億円407 円9 億円 −42.5% −5.4% 1,638 円36 億円

今の株価時価総額 2,848 円63 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.3% を下回るほど割高。

楽観 6% 島の観光が伸び、運賃の値上げも通って利益が戻る 利益 10 億円 · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 4,725 円104 億円

安全の立て直しが実り、行政処分の傷は数年で癒える。訪日客が都心から東京の島へ足を延ばし、自然を楽しむ旅が広がる。乗船客は 10 年で 3 割増え、コロナ前の水準を超える。燃料と人件費の上昇は運賃の改定で取り戻し、1 人あたりの売上は物価を上回って上がる。古いジェット船の更新は国と都の補助金で賄い、償却の増え方は抑えられる。海運の利益率は 8% に戻る。大島温泉ホテルとバスも観光客の増加で稼ぐ。ROE は k をわずかに超え、借入は減り、配当と優待も厚くなる。納涼船も元の形に戻り、夏の稼ぎが増える。

  • 海運関連(伊豆諸島航路):数量 84.0(乗船客数(万人・年))× 価格 28,189(乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む))→ 売上 237 億円・営業利益 19 億円。乗船客 1.30 倍・1 人あたり 1.45 倍(運賃改定)・利益率 8%
  • 商事料飲:数量 120(取扱量(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.18(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 22 億円・営業利益 2 億円。取扱量 1.20 倍・単価 1.40 倍
  • 島内(ホテル・バス):数量 130(利用(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.09(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。利用 1.30 倍・単価 1.45 倍

倍率:事業の ROE は 9% 台で k 9.25% をわずかに超える。g 4%、RONIC = k + (ROE − k) ÷ 2 として正当化 PER は 10.88 倍。純有利子負債 60 億円台を足した EV ÷ EBITDA は 6 倍前後。

確率:訪日客が東京の島に広がり、乗船客がコロナ前を超える筋書き。2012 年の利益率 8% 以来、届いていない水準なので 6%。

やや楽観 17% 安全を立て直し、運賃の改定で 2024 年並みの利益を保つ 利益 5 億円 · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 2,301 円51 億円

新しい社長のもとで安全の仕組みを作り直し、減便は 2〜3 年で解ける。乗船客は 10 年で 1 割強増え、島の観光が少しずつ戻る。島の人口は減るが、工事の荷物と観光の荷物で貨物は保つ。運賃は燃料と人件費の上昇に合わせて改定し、1 人あたりの売上は物価並みに上がる。ジェット船の更新で償却は重くなるが、補助金の圧縮で一部を抑える。海運の利益率は 6.5% になる。借入の金利の上昇で利払いは増え、ROE は 6% 前後で k に届かない。配当は今の水準を保ち、優待も続く。商事料飲とホテルも、観光客の戻りで少しずつ伸びる。

  • 海運関連(伊豆諸島航路):数量 72.4(乗船客数(万人・年))× 価格 26,829(乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む))→ 売上 194 億円・営業利益 13 億円。乗船客 1.12 倍・1 人あたり 1.38 倍・利益率 6.5%
  • 商事料飲:数量 110(取扱量(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.18(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。取扱量 1.10 倍・単価 1.35 倍
  • 島内(ホテル・バス):数量 115(利用(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.09(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。利用 1.15 倍・単価 1.38 倍

倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.9% が k 9.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.8 倍。全体の PER 10.81 倍、時価総額 50 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:2024〜2025 年の営業利益 5〜6 億円を、値上げと観光の回復で少し上回る筋書き。過去 10 年で 3 度あった水準なので 17%。

中立 40% 島の航路は続くが、安全の費用と船の更新で利益は細る 利益 2 億円 · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 911 円20 億円

伊豆諸島の航路は島の暮らしに欠かせず、国と都の補助金に支えられて続く。乗船客は観光の回復と島の人口の減りが打ち消し合い、10 年で横ばいになる。運賃は燃料と人件費の上昇に合わせて改定するが、物価には少し届かない。行政処分の後、船員の働く時間の管理と安全の体制に費用がかかり、減便も一部で続く。古いジェット船の更新で償却が重くなり、海運の利益率は 5.5% にとどまる。借入の金利も上がる。ROE は 3% 前後で、k の 3 分の 1 にすぎない。配当は細く、優待が還元の中心になる。借入は船の更新で減らない。

  • 海運関連(伊豆諸島航路):数量 64.6(乗船客数(万人・年))× 価格 25,273(乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む))→ 売上 163 億円・営業利益 9 億円。乗船客 1.00 倍・1 人あたり 1.30 倍・利益率 5.5%(安全の費用と船の更新の償却)
  • 商事料飲:数量 100(取扱量(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.17(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。取扱量 1.00 倍・単価 1.30 倍
  • 島内(ホテル・バス):数量 100(利用(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.08(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。利用 1.00 倍・単価 1.30 倍

倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.9% が k 9.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.8 倍。全体の PER 10.81 倍、時価総額 20 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:過去 10 年の ROE の中央値は 3.3% で、営業利益は 5 億円前後と赤字を行き来した。2026 年の予想 2.6 億円と行政処分の重さを見て、ここを中心に置く。

やや悲観 25% 安全の不祥事が尾を引き、客が離れて赤字に戻る 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 638 円14 億円

行政処分の後も安全の体制の立て直しに手間取り、減便が長引く。島へ行く観光客は飛行機や他社の船に流れ、乗船客は 10 年で 15% 減る。島の人口の減りで貨物も細る。運賃の改定は島の人の負担を考えると大きくはできず、燃料と人件費の上昇に追いつかない。古いジェット船の更新で償却が増え、海運はほぼ稼げなくなる。借入の金利が上がり、純損益は赤字が続く。配当は止まり、優待も縮む。自己資本は削られる。船の更新は補助金の割合を上げてもらって何とか進めるが、借入は増え、利払いがさらに利益を食う。株価は優待の縮みとともに下がる。

  • 海運関連(伊豆諸島航路):数量 54.9(乗船客数(万人・年))× 価格 23,718(乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む))→ 売上 130 億円・営業利益 4 億円。乗船客 0.85 倍・1 人あたり 1.22 倍・利益率 3%
  • 商事料飲:数量 90.0(取扱量(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.16(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。取扱量 0.90 倍・単価 1.20 倍
  • 島内(ホテル・バス):数量 85.0(利用(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.08(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。利用 0.85 倍・単価 1.20 倍

倍率:赤字で稼ぐ力は無く、売れる資産の床で置いた。床 14 億円は今の自己資本 52.8 億円に対する PBR で書いた。船は島の航路にしか使えず、売値は帳簿を大きく下回る。

確率:2025 年 4 月の是正命令に続き、2026 年は船の使用停止を受けた。2020〜2023 年に赤字を 3 度出した実績もあり 25%。

悲観 12% 事故や再度の処分で信頼を失い、航路の補助に頼る会社になる 利益 −7 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 273 円6 億円

安全の体制が立て直せないまま、重い事故や再度の処分が起きる。客は離れ、乗船客は 10 年で 3 割減る。島の人口の減りで貨物も細る。航路は島の暮らしに欠かせないので国と都が支えるが、その代わりに運賃の改定は抑えられ、会社に残る利益はほとんど無い。古いジェット船の更新の費用も重く、営業赤字が続く。借入の返済が苦しくなり、自己資本は大きく削られる。最後は都や大株主の支援を受けて、株主の取り分は細る。増資で株が増える形の支援なら、今の株主の取り分はさらに薄まる。優待も止まり、株主に残るのは資産の売値から借入を返した残りだけになる。

  • 海運関連(伊豆諸島航路):数量 45.2(乗船客数(万人・年))× 価格 22,357(乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む))→ 売上 101 億円・営業利益 1 億円。乗船客 0.70 倍・1 人あたり 1.15 倍・利益率 0.5%
  • 商事料飲:数量 80.0(取扱量(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.15(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。取扱量 0.80 倍・単価 1.15 倍
  • 島内(ホテル・バス):数量 70.0(利用(指数・2025/12 期=100))× 価格 0.07(指数 1 あたり売上(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。利用 0.70 倍・単価 1.15 倍

倍率:赤字で稼ぐ力は無く、売れる資産の床で置いた。床 6 億円は今の自己資本 52.8 億円に対する PBR で書いた。

確率:安全の不祥事が 2 年続いた。重い事故が起きれば、航路の免許や客の信頼を失う。2023 年の営業赤字 6 億円の再来を含めて 12%。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

海運関連(伊豆諸島航路)

竹芝と大島・利島・新島・式根島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島を結ぶ大型客船とジェット船。島の生活の物資を運ぶ貨物、東京湾の納涼船も含む。国と都の航路の補助金も売上に入る。

数量乗船客数(万人・年)価格乗船客 1 人あたりの海運売上(円・名目、貨物と補助金を含む)売上営業利益
今 2025/12 64.6 19,441 126 9
10 年後 中立 64.6 25,273 163 9

取り方:2025/12 期の海運関連の売上 125.6 億円を乗船客 64.6 万人で割った値。貨物 28.4 万トンと航路の補助金も含めて 1 人あたりに按分した。営業利益はセグメント利益 8.75 億円。

商事料飲

島向けのセメント・建築資材・船の燃料の販売、船内の自動販売機とレストラン。

数量取扱量(指数・2025/12 期=100)価格指数 1 あたり売上(億円・名目)売上営業利益
今 2025/12 100 0.13 13 1
10 年後 中立 100 0.17 17 1

取り方:2025/12 期の商事料飲の売上 13.1 億円を指数 100 として置いた。営業利益はセグメント利益 1.16 億円。

島内(ホテル・バス)

大島温泉ホテルと、大島の路線バス・貸切バス。路線バスは大島町の支援を受ける。

数量利用(指数・2025/12 期=100)価格指数 1 あたり売上(億円・名目)売上営業利益
今 2025/12 100 0.06 6 0
10 年後 中立 100 0.08 8 0

取り方:2025/12 期のホテル 3.45 億円とバス 2.92 億円の合計 6.4 億円を指数 100 として置いた。営業利益は 2 つのセグメント利益の合計 0.33 億円。

リスクと懸念

安全の不祥事と行政処分

2025 年 4 月の是正命令、2026 年 8 月の安全の責任者の解任命令、10 月の 3 隻の使用停止と続いた。立て直しが遅れれば、さらに重い処分や事故で客の信頼を失う。

古い船の更新

ジェット船には古いものがあり、10 年のうちに更新が要る。造船の値段は上がっており、補助金で圧縮しても償却と借入は増える。

燃料と人件費

船の燃料と船員の人件費の上昇は、運賃の改定で取り戻すまでに時間がかかる。島の人の負担を考えると、改定の幅にも限りがある。

借入と金利

純有利子負債は 67 億円で自己資本より重い。借り換えのたびに金利が上がれば、細い利益がさらに削られる。

島の人口の減り

伊豆諸島の人口は減り続け、島の人の行き来と生活の物資は細る。観光で補えなければ、乗船客と貨物は減っていく。

優待の見直し

株価は優待目当ての個人の買いに支えられている面がある。会社が優待を縮めれば、株価が大きく下がる恐れがある。

今後の分かれ目

2027 年に減便が解け、営業利益が 5 億円台に戻ったら
安全の立て直しが進んだとみて、やや楽観に確率を寄せる。
再び行政処分や重い事故が起きたら
悲観の確率を上げる。
ジェット船の更新を決め、補助金の割合が分かったら
償却と借入の見込みを直し、海運の利益率を引き直す。
乗船客が 2 年続けて 70 万人を超えたら
観光の回復が本物とみて、乗船客の倍率を上げる。
優待を縮めたら
還元の見込みを下げ、株価の支えが弱まることを見込む。

見ておくもの

  • 乗船客数と貨物の量
  • 安全の改善計画の進み具合
  • ジェット船の更新の計画と補助金
  • 運賃の改定
  • 配当と優待の方針

倍率と資本コストの決め方

今の時価総額 63 億円や PBR 1.2 倍には寄せていない。乗船客と 1 人あたりの売上から 10 年の利益を積み、倍率は ROE が k に届かないので 1÷k = 11.1 倍を上限に、中立 9 割・やや楽観 8.5 割で置いた。やや悲観と悲観は船と土地と現金から借入を引いた床で置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.3→10.88 倍・やや楽観 PER 9.5→10.81 倍・中立 PER 10→10.81 倍)。

資本コスト 9.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

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やや割安 飯野海運9119 タンカーの荒波と都心のビルを抱える堅実な会社。ただし稼ぐ力に比べ今の値段はやや重い 本質価値との差 +24.0% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) やや割安 共栄タンカー9130 VLCCを貸す船主。今の市況は山で、利益に出るのはこれから。ただし新造船の波と大きな借金があり、中立の値付けは今の値段とほぼ釣り合う 本質価値との差 +12.4% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) 適正 栗林商船9171 北海道の物流を担う内航RORO船の会社。持ち合い株と含み資産は厚いが、借金も重く、値段は割高寄り 本質価値との差 +3.3% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 乾汽船9308 海運の市況に乗りつつ、勝どきの不動産が土台を支える。含み益を足さずに測ると今の値段は高い 本質価値との差 +1.4% · 10 年 適正(年 +7.2%) やや割高 川崎汽船9107 ONEの振れが3社で最も大きく、大型株主還元で自己資本を絞る分、資本コストに届きにくい「やや割高」 本質価値との差 −17.8% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) 割高 日本郵船9101 ONEの市況の山を10年に延ばさなければ、資本コストに届かず「割高」に出る 本質価値との差 −31.7% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 商船三井9104 ONEと自動車船の市況の山を均すと資本コストに届かず、レバレッジの重さも加わり「割高」寄り 本質価値との差 −32.0% · 10 年 割高(年 +3.1%) 割高 玉井商船9127 日本軽金属のアルミ原料と全農の穀物を運ぶ小さな船主。市況の山でも ROE は資本コストに届きにくく、平年の稼ぎで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −32.4% · 10 年 割高(年 +3.3%) 割高 明海グループ9115 船を貸して稼ぐ外航船主。借金が重く、ホテルは利益が出ない。含み益の根拠を足さずに測ると、今の値段は高い 本質価値との差 −35.7% · 10 年 割高(年 +3.5%)

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読んだ資料

  1. 東海汽船 2025年12月期 決算短信
  2. 東海汽船 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信
  3. 東海汽船 一般旅客定期航路事業に係る行政処分に関するお知らせ
  4. 東海汽船 代表取締役の異動(辞任および選任)に関するお知らせ
  5. 東海汽船 2026年定時株主総会招集通知

分析日 2026-10-19