結論
チャーム・ケア・コーポレーションは、首都圏と近畿圏を中心に有料老人ホームを運営する会社である。筆者の結論は割安であり、主な理由は、既存ホームの稼ぐ力と再投資の余地に対して値段が低いことだ。10年後の事業と途中の株主還元から見た現在価値は、基準の時価総額を約79%上回る。
強みは高齢者が増えること自体ではなく、空室の多い施設を立て直す運営力にある。成熟した介護付きホームの入居率は94.5%で、買収したライクも高稼働に育った。[資料1] この実績は、次の施設への投資が単なる規模拡大で終わらない可能性を示すが、全国的な独占力まで意味するものではない。入居後の生活環境を変える負担は継続性を支える一方、新しい入居者を集める努力は毎年必要になる。
中立では、年間平均の入居者が約1.1万人に増え、民間利用料の改定が公定報酬の伸び悩みを補う。建築費や賃金の上昇は重く、売上が増えるほど利益率も上がるとは考えない。不動産開発売却の終了も織り込み、本業の成長と小さな周辺事業だけで価値を支える。
最も警戒するのは、採用難のまま開設と買収を急ぎ、サービス品質と入居率を同時に落とすことだ。薄い純現金の背後には長期の家賃負担があり、現金豊富な会社と同じ安心感は持てない。悲観では赤字が残り、資産回収を頼りにしても投下額の相当部分を失うため、割安という判断は無条件の安泰を意味しない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、この会社の魅力は、暮らしを支える仕事の寿命と、運営改善を繰り返せる余地にある。介護を必要とする本人や家族が求める安心は、画面上の情報だけでは代替できない。建物を建てる能力より、職員が定着し、入居者が暮らし続けられる現場を保つ能力に価値がある。
ただし、会計の利益がそのまま自由に使える現金になるわけではない。古い設備の減価償却費は取得時の価格に基づくが、更新する設備や新しい建物は高くなる。入居一時金も将来のサービス提供と結び付いており、成長時の資金流入を余剰資金と取り違えると、株主の取り分を大きく見誤る。
筆者は、良い施設に再投資できる限り、現在の還元率でも利益留保に意味があると考える。中立では再投資の採算が資本コストを上回るが、採用難や建築費高騰でその差が消えるなら、開設数を守るより還元を増やすべきである。長期の部屋数目標を達成したこと自体に価値はない。
基準の値段には安全域があると判断する。ただし、その根拠は高齢化という標語でも、帳簿純資産が守ってくれるという期待でもない。新しい施設の収入と費用が合い、失敗した投資から撤退できるという条件が必要であり、その条件を最も早く映すのは入居率と職員の定着である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、住まいと介護を一体で提供し、入居者が暮らし続ける間に収入を得る仕組みである。家賃相当額や食費などの民間利用料に、介護保険の報酬が加わる。前払いの入居金も受け取った年に全額が利益になるわけではなく、サービス提供期間に応じて収益になるため、手元資金と株主の利益を混同してはいけない。[資料2]
2026年6月期の介護事業は、年間平均6,851人が収益の基礎となった。[資料1] 高価格帯の「チャームプレミア」も展開するが、設備の豪華さだけで継続入居を得る事業ではない。家族への説明、夜間対応、食事、認知症への理解まで含めた日々の運営が、退去と紹介の流れを左右する。
新しいホームは、開業すれば直ちに成熟施設と同じ利益を生むわけではない。入居者が集まる前から職員と家賃が必要で、開設直後の赤字が既存施設の利益を薄める。ケア21から引き継いだホームは改善途上にあり、買収価格だけでなく、満室に近づくまでの追加負担が投資の成否を決める。[資料1] 施設を賃借することで初期資金を抑えられても、家賃の約束そのものが消えるわけではなく、開業後の収支を見誤ったときの逃げ道は狭い。
グッドパートナーズは介護・看護の派遣に加え、訪問看護や医療型住宅を営む。チャームシニアリビングの入居紹介は別の収益源だが、事務派遣と紹介・情報仲介にはAIによる代替圧力がある。不動産の開発売却は終了しており、残る小規模な賃貸収益を、過去の売却売上と一緒に伸ばしてはいけない。[資料1]
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が容易にまねできない強みは、施設の内装よりも運営の積み重ねにある。地域の紹介元との関係、採用と教育、開設後の営業がかみ合うと、同じ建物でも入居率と利益は変わる。ライクの改善はその証拠だが、ベネッセスタイルケアやSOMPOケアにも同様の能力があり、独占的な堀とは評価しない。[資料1]
値上げを通す力はあるが、自由自在ではない。会社は一般ホームの食費・管理費を改定し、高価格帯でも管理費改定を進めてきた。成熟施設の高い入居率は一定の受容を示すものの、同一条件での値上げ率と解約率は開示されておらず、価格弾力性を厳密には確認できない。保険収入を会社の判断で上げられない点も残る。
再投資の採算は良いが、数字を額面どおり受け取らない。過去の増益と投下資本の増加を比べると高い増分収益率がうかがえるものの、賃借による資本の軽さや資産売却の影響も混じる。中立の将来投資には資本コストを上回る採算が残ると考えるが、更新費と買収後の立て直し費用を賄った後の現金を見続ける必要がある。
生産性改善にも実績と限界がある。人員配置の緩和が認められた施設は増えたが、2026年の検証には不合格や継続検証もあった。[資料1] 安全性を確かめず全施設の人件費を一律に削れる会社ではなく、この慎重さを失うと堀そのものが崩れる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
有料老人ホームは、需要が残る一方で供給を増やしにくい市場である。厚生労働省資料では、2024年の定員は約67.4万人に達する。[資料3] 総人口の減少をそのまま需要減少と読むべきではないが、高齢者の人数だけでなく、支払い能力と介護職員の供給が実際の市場を決める。
全国の市場はなお分散している。会社掲載の業界順位表では、ベネッセスタイルケアの定員が約2.1万人、SOMPOケアが約2万人である。[資料1] 同じ全国定員と機械的に比べれば、それぞれ約3%の規模にとどまる。集計年や施設区分が完全にはそろわないため厳密な最新シェアではないが、チャームの約1%台という位置と、買収余地の大きさを知る物差しにはなる。
筆者は2036年の有料ホーム定員を中立で80万人と見込む。会社の平均供給定員が1.2万人に増えれば、全国の約1.5%であり、市場全体の急成長を必要としない。増加分には首都圏での開設と既存事業者の承継を含むが、職員を確保できない計画は数量に数えない。
競争の焦点は、安い土地を早く押さえることから、建築費と賃金を負担しても採算が合う施設を選ぶことへ移る。介護付きホームには行政の指定という供給制約がある反面、報酬改定という価格制約もある。[資料3] 訪問看護・医療型住宅は保険請求の適正化の影響を受けやすく、主力の定額的な介護報酬と同じ安定性を与えない。小規模な事務派遣と入居紹介については、人口動態よりAIによる仲介・事務処理の代替を強く見る。
資本政策と M&A
資本配分は、本業への集中という点では改善している。2020年にグッドパートナーズ、2021年にライクを買収したが、成果が明確なのは後者の稼働改善だ。ケア21からの承継施設は再建途上であり、不動産開発売却からの撤退と合わせ、拡大する事業を選び直している。[資料1]
2027年6月期からの中期計画は、2029年6月期の売上622億円と営業利益73.35億円を掲げる。純利益目標は46.15億円で、ROEは15%以上を維持する方針である。既に決まった開設計画を柱とし、未確定の追加買収による利益を目標へ上乗せしていない。[資料1]
還元は配当性向30%以上が数字の約束である。2026年6月期は34.7%、翌期計画は38.7%となり、増配の実績も続く。DOEの下限、総還元性向、自社株買い額には数字の約束がなく、株主優待もないため、未発表の買戻しを価値に足さない。[資料1][資料2]
2020年6月期には株数が約16%増え、過去の成長には希薄化も伴った。 ウェルヴィル投資では減損を経験し、政策保有株にも縮減の強い約束はない。資本効率を守るには、部屋数目標を追うより、低採算案件を見送って還元へ回す規律が必要である。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
既存ホームの利益は、新設施設の先行赤字に隠れて見えにくい。成熟した介護付きホームは高い入居率を維持し、新しい施設が育てば、本社費を増やす以上の利益を生みやすい。買収したライクで稼働が改善した事実も、運営手法を別の施設へ移せる可能性を示す。[資料1]
成長の余地は全国市場を独占しなくても大きい。中立の供給能力でも全国のシェアはわずか1.5%程度であり、地域事業者の承継と首都圏での選択的な開設で届く範囲である。既存建物を使う方法が広がれば、新築価格の上昇を全面的に引き受けずに入居者を増やせる。建物よりも運営に問題を抱える施設を選べるなら、地域全体の需要増加に依存しない成長になる。
人件費の上昇は弱い事業者には痛手だが、採用と教育に投資できる会社には事業承継の機会にもなる。見守り機器や記録の効率化は、身体介護そのものを売れなくする技術ではない。安全性を保ちながら付随作業を減らせれば、賃上げと採算維持を両立できる余地がある。
値段の前提に、医療型住宅の大成功やAI商品の外販は要らない。大半の価値は介護事業から生まれ、開発売却の利益がなくても成立する。今後の還元と本業の蓄積が両立すれば、規模の拡大よりも、一つ一つの施設が生む現金の積み重ねによって株主価値は大きく育つ。
慎重な見方
高い入居率は、値上げを無制限に通せる証拠ではない。これまでの単価上昇には高価格帯への構成変化が混じり、同じ施設での価格改定後にどれだけ顧客が残ったかは十分に分からない。保険報酬が賃上げに追い付かなければ、民間利用料だけで全費用を吸収する必要がある。
賃借中心の経営は、投下資本を小さく見せる代わりに家賃の支払いを長く固定する。入居率が下がっても職員と家賃をすぐには減らせず、薄い純現金は大きな防波堤にならない。[資料2] 現在の高い資本効率を、借りている建物の負担を忘れて将来へ延ばすと、価値を過大に見積もる。
買収の成功例だけを選んではいけない。ケア21から引き継いだホームには赤字が残り、新規開設と統合が重なるほど、管理者の育成が追い付かなくなる。[資料1] 既存施設の運営を弱めてまで買収を続ければ、買うほど価値を減らす循環に入る。
医療型住宅は、報酬と運営ルールの変化で拡大の採算が変わりうる。事務派遣と入居紹介にはAIによる代替圧力もあり、新しい事業を一括して高成長とみなせない。悲観で資産回収額を残していても、現実に施設や事業を適切な時期に譲渡できる保証はなく、長い赤字と退出費用が続けば安全域は想定より薄くなる。
どちらに重みを置いたか
主力の運営力と再投資余地を評価する見方が、総合的には優勢である。ただし、高価格帯の拡大と買収施設の再建を同時に成功させる必要があり、上振れを中心には据えない。下側の確率を上側よりやや厚くしたのは、直近の承継施設に赤字が残り、人員配置の緩和も全施設で成功していないからだ。
それでも、金利と更新費を負担し、不動産開発売却を除いた中立の価値は基準時価総額を上回る。結論は割安であるが、施設数より入居率と再投資の採算を重視する。AIの影響は該当する小規模事業へ限定し、身体介護の需要まで一律に削らない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 4,144 円1,354 億円(+ 還元の換算額還元の合計 545 円178 億円)。 今の値に割り戻すと 2,495 円815 億円、今との差 +84.4%、 期待の年率 +14.4%(資本コスト 7.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 9,541 円3,118 億円 | 1,029 円336 億円 | +681.2% | +25.1% | 1,268 円415 億円 |
| やや楽観 | 20% | 6,346 円2,074 億円 | 779 円255 億円 | +426.6% | +19.8% | 1,425 円466 億円 |
| 中立 | 32% | 4,061 円1,327 億円 | 591 円193 億円 | +243.8% | +14.5% | 1,489 円486 億円 |
| やや悲観 | 24% | 1,503 円491 億円 | 288 円94 億円 | +32.4% | +3.1% | 430 円141 億円 |
| 悲観 | 12% | 577 円189 億円 | 62 円20 億円 | −52.7% | −7.5% | 77 円25 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,144 円1,354 億円 | 545 円178 億円 | +246.5% | +14.4% | 4,689 円1,532 億円 |
今の株価時価総額 1,353 円442 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 運営手法が広く再現され、選択的な買収が連続して成功 利益 164 億円 · PER 19.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 9,541 円3,118 億円
良い施設を選んで引き継ぐ手法が定着し、首都圏に加えて新しい地域でも運営の質を保てる。全国の有料ホーム定員が90万人へ増える中、会社の平均供給定員は1.7万人に達する。年間平均の入居者は1.6万人となり、新設赤字より成熟施設の利益が大きく積み上がる。
民間利用料の改定と高価格帯の構成上昇が、人件費と食材費の増加を吸収する。人員配置緩和は安全性を保てる施設へ広がり、職員の負担軽減と賃上げを両立する。介護事業の利益率は成熟施設の実績に近づくが、それを超える例外的な採算は求めない。
医療型住宅も適正な請求と入居確保が両立し、周辺事業が補完役に育つ。開発売却やAI外販の利益に頼らず、本業への再投資と配当が継続する。資金需要が大きいため余剰現金は残らず、少額の追加借入を伴うが、既存株主の取り分は開示済みの株式報酬等を除き保たれる。
- 介護付き・住宅型有料老人ホーム:数量 16,000(年間平均入居者数(人))× 価格 899(入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む))→ 売上 1,439 億円・営業利益 245 億円。平均供給定員17,000人×稼働94.1%。全国定員90万人の約1.89%。単価は現在の1.40倍。
- 介護・看護等の現場派遣(外部売上推計):数量 53,619(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 29,914(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。現場稼働1.60倍、単価1.45倍。人材確保力が継続する場合。
- 事務派遣(非開示部分の保守的推計):数量 3,724(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 27,644(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI商品の外販売上は数えず、数量上限は現在の1.00倍。
- 医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計):数量 800(通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量))× 価格 2,250(運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計))→ 売上 180 億円・営業利益 18 億円。平均800室年。施設外サービスも同じ代理量に連動する上振れ。
- 入居相談・紹介:数量 321(年間成約件数(件、推計))× 価格 26(成約1件当たり紹介料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量は現在以下。独自の必須データ基盤への転換は仮定しない。
- 不動産開発売却(終了事業):数量 0.0(年間売却案件数(件))× 価格 29(1案件当たり売却売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。開発売却は再開しない。
倍率:事業ROE19.230%、RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=13.115%。g=2.9%、k=7.0%より、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=18.997063倍。上限から任意に割り引かない。時価総額=(純利益164.393986−余剰現金0.000000×1.4%)×PER+余剰現金×0.75=3123.002873億円。必要自己資本は859.486億円。全社売上1638.482億円は数量区分の合計1637.102億円に残存賃貸1.380億円を加えた額。10年の純利益経路は[44, 52, 65, 74.213, 84.732, 96.742, 110.454, 126.110, 143.985, 164.394]億円、合計961.632億円。還元合計336.851億円、自己資本は230.1+961.632−336.851=854.881億円。還元は純利益の35%を基本とし、初年度は会社計画の配当15.68億円を下回らせない。自社株買いは仮定しない。必要自己資本は230.1+0.548397×max(将来売上−490.8,0)。係数0.548397は過去10期の(自己資本+純有利子負債)÷売上の中央値で、現在値0.4664より軽くしていない。現在は純借入がほぼないため増加資本を原則自己資金で賄う。自己資本から必要額を引いた正の差を将来余剰現金とし、別途の自動留保現金加算は行わない。追加借入4.605億円には3.5%の利率と税率30%を適用し、純利益を0.113億円減らす。残存賃貸利益0.80億円から本社費30億円を引く。既存取得額の償却は物価で膨らませず、新増設・更新に対応する全社償却費を約35億円と見込む。
確率:12%。ライクで示した改善力を多数の買収先へ再現し、採用と品質維持を両立する必要がある。成熟施設並みの利益率を全社の介護事業へ近づける条件は厳しく、人口増加だけでは実現しないため上振れの端を厚くしすぎない。
やや楽観 20% 買収施設の改善と新設の成熟が、費用増加を上回る 利益 111 億円 · PER 18.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,346 円2,074 億円
ケア21から引き継いだ施設の赤字が解消し、新設ホームも無理のない期間で成熟する。全国定員85万人に対し、会社の平均供給定員は1.45万人となる。平均入居者は1.35万人に増えるが、全国的な独占を築くのではなく、良い地域と物件を選ぶことでシェアを広げる。
利用料改定が概ね受け入れられ、賃上げとサービス品質を両立できる。見守りと記録の効率化が進み、既存の運営力は少しずつ強くなる。一方、ベネッセスタイルケアやSOMPOケアとの競争は残り、単価を物価以上に引き上げ続ける力までは持たない。
医療型住宅は成長するものの、主力を置き換える大黒柱にはならない。買収価格と立て直し費用を管理し、事業に必要な投資を済ませた後には現金も残る。増配を続けても資本が不足しない状態となり、事務派遣と紹介の弱さを身体介護の増益が補う。
- 介護付き・住宅型有料老人ホーム:数量 13,500(年間平均入居者数(人))× 価格 848(入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む))→ 売上 1,145 億円・営業利益 172 億円。平均供給定員14,500人×稼働93.1%。全国定員85万人の約1.71%。
- 介護・看護等の現場派遣(外部売上推計):数量 46,917(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 28,470(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。現場稼働1.40倍、単価1.38倍。外部顧客の獲得が進む。
- 事務派遣(非開示部分の保守的推計):数量 3,351(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 26,819(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.90倍、単価1.30倍。AIによる縮小を楽観側でも残す。
- 医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計):数量 500(通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量))× 価格 2,112(運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計))→ 売上 106 億円・営業利益 10 億円。平均500室年、単価1.22倍。診療報酬の無制限な上昇は見込まない。
- 入居相談・紹介:数量 289(年間成約件数(件、推計))× 価格 25(成約1件当たり紹介料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.90倍、単価1.15倍。
- 不動産開発売却(終了事業):数量 0.0(年間売却案件数(件))× 価格 29(1案件当たり売却売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。開発売却は0件。
倍率:事業ROE16.877%、RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=11.939%。g=2.9%、k=7.0%より、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=18.465608倍。上限から任意に割り引かない。時価総額=(純利益111.285564−余剰現金45.172672×1.4%)×PER+余剰現金×0.75=2077.157133億円。必要自己資本は655.639億円。全社売上1266.769億円は数量区分の合計1265.481億円に残存賃貸1.288億円を加えた額。10年の純利益経路は[42, 46, 54, 59.877, 66.393, 73.618, 81.630, 90.513, 100.363, 111.286]億円、合計725.679億円。還元合計254.968億円、自己資本は230.1+725.679−254.968=700.812億円。還元は純利益の35%を基本とし、初年度は会社計画の配当15.68億円を下回らせない。自社株買いは仮定しない。必要自己資本は230.1+0.548397×max(将来売上−490.8,0)。係数0.548397は過去10期の(自己資本+純有利子負債)÷売上の中央値で、現在値0.4664より軽くしていない。現在は純借入がほぼないため増加資本を原則自己資金で賄う。自己資本から必要額を引いた正の差を将来余剰現金とし、別途の自動留保現金加算は行わない。残存賃貸利益0.70億円から本社費25億円を引く。全社償却費は既存設備の残存償却と新増設・更新を積み上げた約28億円を想定し、今の償却費に物価を一律には掛けない。
確率:20%。既存ホームの高稼働と買収後改善の実績には裏付けがある。ただし新地域での採用と民間利用料改定の両立まで必要となるため、中立より高い成功率は与えない。
中立 32% 本業は着実に増えるが、賃金と公定報酬が利益率を抑える 利益 72 億円 · PER 17.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,061 円1,327 億円
有料ホームの全国定員は80万人まで増えるが、伸びは過去ほど速くない。会社は首都圏を中心とする新設と選択的な承継により、平均供給定員を1.2万人へ増やす。平均入居者は1.1万人となり、買収後の改善が遅れる施設と高稼働の成熟施設が併存する。
民間利用料は物価に沿って上がるが、保険報酬は遅れる。賃上げと建築費の上昇を省力化だけで消すことはできず、介護事業の利益率は現在より少し低くなる。管理者の育成に合わせて開設を進め、利益率を守るために品質を落とす運営は選ばない。
医療型住宅は約300室年まで育つが、報酬の制約から利益への貢献は限定的である。事務派遣と入居紹介はAIによる縮小を受け入れ、不動産開発売却も復活しない。それでも主力の入居者増加が全社利益を押し上げ、必要な投資と配当を済ませた後に、株主へ戻せる現金が徐々に積み上がる。
- 介護付き・住宅型有料老人ホーム:数量 11,000(年間平均入居者数(人))× 価格 803(入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む))→ 売上 883 億円・営業利益 117 億円。平均供給定員12,000人×稼働91.7%。全国定員80万人の1.50%。数量1.606倍、単価1.25倍。
- 介護・看護等の現場派遣(外部売上推計):数量 40,215(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 27,644(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。身体介護の稼働1.20倍、単価1.34倍。
- 事務派遣(非開示部分の保守的推計):数量 2,606(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 24,756(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替:数量0.70倍、単価1.20倍、長期成長0%。
- 医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計):数量 300(通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量))× 価格 1,991(運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計))→ 売上 60 億円・営業利益 4 億円。平均300室年、単価1.15倍。残余売上のため数量・単価の推計確度は主力より低い。
- 入居相談・紹介:数量 225(年間成約件数(件、推計))× 価格 24(成約1件当たり紹介料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替:数量0.70倍、単価1.10倍、長期成長0%。
- 不動産開発売却(終了事業):数量 0.0(年間売却案件数(件))× 価格 29(1案件当たり売却売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。開発0件。残存賃貸の利益は本社費等の調整へ含む。
倍率:事業ROE14.506%、RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=10.753%。g=2.9%、k=7.0%より、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=17.812273倍。上限から任意に割り引かない。時価総額=(純利益71.830112−余剰現金99.503152×1.4%)×PER+余剰現金×0.75=1329.271660億円。必要自己資本は485.584億円。全社売上956.675億円は数量区分の合計955.438億円に残存賃貸1.236億円を加えた額。10年の純利益経路は[40.5, 42.5, 46.15, 49.161, 52.368, 55.785, 59.424, 63.301, 67.431, 71.830]億円、合計548.450億円。還元合計193.462億円、自己資本は230.1+548.450−193.462=585.087億円。還元は純利益の35%を基本とし、初年度は会社計画の配当15.68億円を下回らせない。自社株買いは仮定しない。必要自己資本は230.1+0.548397×max(将来売上−490.8,0)。係数0.548397は過去10期の(自己資本+純有利子負債)÷売上の中央値で、現在値0.4664より軽くしていない。現在は純借入がほぼないため増加資本を原則自己資金で賄う。自己資本から必要額を引いた正の差を将来余剰現金とし、別途の自動留保現金加算は行わない。主力の現在費用は、人件費194億円、賃料91.33億円、償却10.84億円、その他80.56億円という概算分解で検討した。人件費とその他は開示実額ではなく費用構造の推計。中立の人件費は数量1.606倍、賃金年3.3%上昇、生産性8%改善から約396.5億円。賃料は旧契約と新施設を合わせ約175.6億円、その他は数量と物価を反映して約173.8億円、介護の償却は旧設備残存約6億円と新増設・更新約14億円の計20億円である。全社償却は約22億円。全社本社費21.8億円は現在13.54億円の物価分約18.2億円に管理体制拡充を加え、残存賃貸利益0.67億円を調整で戻す。更新支出は年約25億円と見込み、償却との差額や成長投資は必要資本に含めた。末期の成長前オーナー利益は純利益約72+償却約22−更新約25=約69億円であり、開設資金まで自由に配れるとはみなさない。
確率:32%。成熟ホームの高稼働と中期の開設予定を評価する一方、直近の再建途上施設と報酬の制約を残す中心見通しである。上側合計32%、下側合計36%とやや下へ寄せる理由は、買収後赤字と人員配置緩和の不合格・継続検証という当社固有の実行リスク。小規模なAI該当事業があるため下側35%以上も満たすが、同じ代替理由を資本コストへ重ねていない。
やや悲観 24% 買収の回復が遅れ、入居者増加の大半を費用が吸収 利益 31 億円 · PER 14.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,503 円491 億円
開設できた施設でも職員と入居者の集まりが遅く、買収施設の再建にも時間がかかる。全国定員76万人に対し、会社の平均供給定員は1.05万人へ増えるが、平均入居者は9,000人にとどまる。部屋数は増えても、低稼働の期間が長いまま家賃と人件費を払い続ける。
競合との比較で値上げを抑えざるを得ず、民間利用料も物価に追い付かない。管理者不足が教育と営業に響き、過去に見られた買収後改善の速度は再現できない。介護という仕事の需要は残るものの、チャームだけが高い利益を取れる強みは薄くなる。
医療型住宅の拡大も鈍り、事務派遣と紹介の縮小を補えない。経営は大きな買収を止め、配当を減益に合わせて抑えるため、赤字転落は避けられる。投資の抑制で現金は残るが、留保する資本全体の採算は低く、資産が増えたことだけを株主価値の向上と呼べない。
- 介護付き・住宅型有料老人ホーム:数量 9,000(年間平均入居者数(人))× 価格 745(入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む))→ 売上 671 億円・営業利益 60 億円。平均供給定員10,500人×稼働85.7%。全国定員76万人の約1.38%。価格転嫁不足と固定家賃を利益率へ反映。
- 介護・看護等の現場派遣(外部売上推計):数量 31,837(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 26,407(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。数量0.95倍、単価1.28倍。採用コストの上昇で利益率低下。
- 事務派遣(非開示部分の保守的推計):数量 2,048(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 22,693(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。数量0.55倍、単価1.10倍。
- 医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計):数量 170(通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量))× 価格 1,731(運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円。平均170室年、単価据え置き。
- 入居相談・紹介:数量 177(年間成約件数(件、推計))× 価格 22(成約1件当たり紹介料(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。数量0.55倍、単価据え置き。相談体制の固定費が残る。
- 不動産開発売却(終了事業):数量 0.0(年間売却案件数(件))× 価格 29(1案件当たり売却売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。開発売却は0件。
倍率:事業ROE8.334%、RONIC=7%+0.5×(事業ROE−7%)=7.667%。改善投資の超過収益を認めず、無成長の利益還元価値1÷k=14.285714倍。時価総額=(純利益30.612613−余剰現金99.607236×1.4%)×PER+余剰現金×0.75=492.107019億円。必要自己資本は350.606億円。全社売上710.542億円は数量区分の合計709.438億円に残存賃貸1.104億円を加えた額。10年の純利益経路は[35, 33, 31, 30.944, 30.889, 30.833, 30.778, 30.723, 30.668, 30.613]億円、合計314.448億円。還元合計94.334億円、自己資本は230.1+314.448−94.334=450.213億円。還元は各年の黒字の30%で、赤字年は0。必要自己資本は230.1+0.548397×max(将来売上−490.8,0)。係数0.548397は過去10期の(自己資本+純有利子負債)÷売上の中央値で、現在値0.4664より軽くしていない。現在は純借入がほぼないため増加資本を原則自己資金で賄う。自己資本から必要額を引いた正の差を将来余剰現金とし、別途の自動留保現金加算は行わない。本社費20億円、残存賃貸利益0.55億円、全社償却約19億円を想定する。既存取得額の償却は据え置き、新設と更新の増分だけを加える。事業ROEは8.33%でkをわずかに上回るが、回復への追加投資に超過価値は認めず、倍率は無成長の稼ぐ力1÷7%とする。
確率:24%。採用難や建築費高騰は既に事業運営上の制約であり、承継施設の収益回復も一様ではない。需要消失ではなく、運営面の遅れで採算を落とす失敗は、上振れの連続成功より起こりやすいと判断する。
悲観 12% サービス品質と地域の信頼を失い、赤字を抱えた再建へ 利益 −3 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 577 円189 億円
急な開設と買収で管理者の層が薄くなり、サービス品質の低下が地域の紹介元にも伝わる。全国定員が72万人にとどまる中、会社の平均供給定員は8,000人前後から増えない。平均入居者は6,000人まで減り、競合へ流れた顧客を値引きだけでは戻せなくなる。
利用料は名目で上がっても、賃金と維持費の増加には届かない。職員を急減させることはできず、長期の家賃も残るため、主力の利益は大幅に細る。医療型住宅の拡大を止めても本社費と周辺事業の損失を吸収できず、10年後も全社では小幅な赤字が続く。
配当は早期の黒字期間に限られ、追加買収ではなく施設譲渡と再建を優先する。生活を支える事業は残っても、かつての優良な運営会社としての地位は失われる。残存資産を処分・承継できる価値は認めるが、蓄積した利益やのれんを額面どおり株主の財産とはみなさず、退出が遅れるほど回収額も危うくなる。
- 介護付き・住宅型有料老人ホーム:数量 6,000(年間平均入居者数(人))× 価格 739(入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む))→ 売上 443 億円・営業利益 16 億円。平均供給定員8,000人×稼働75%。全国定員72万人の約1.11%。単価1.15倍に対し賃金と固定家賃が重い。
- 介護・看護等の現場派遣(外部売上推計):数量 23,458(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 24,756(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。数量0.70倍、単価1.20倍。採用費負担で利益は残らない。
- 事務派遣(非開示部分の保守的推計):数量 1,303(外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計))× 価格 20,630(8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。数量0.35倍、単価据え置き。
- 医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計):数量 70.0(通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量))× 価格 1,471(運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。平均70室年、単価0.85倍。閉鎖・縮小後も損失が残る。
- 入居相談・紹介:数量 112(年間成約件数(件、推計))× 価格 19(成約1件当たり紹介料(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。数量0.35倍、単価0.90倍。
- 不動産開発売却(終了事業):数量 0.0(年間売却案件数(件))× 価格 29(1案件当たり売却売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。開発売却は再開しない。
倍率:赤字のためPERは使わず、現在の自己資本230.1億円から、のれん21.70億円、その他無形資産2.26億円、繰延税金資産17.18億円を除く188.96億円を資産回収の床とする。PBR0.821208倍は現在の自己資本へ掛け、10年後に積み上がった自己資本へは掛けない。帳簿代理値であって査定済みの清算価値ではない。全社売上460.831億円は数量区分の合計459.911億円に残存賃貸0.920億円を加えた額。10年の純利益経路は[30, 22, 12, 4, -35, -8, -6, -4, -3, -2.941]億円、合計9.059億円。還元合計20.400億円、自己資本は230.1+9.059−20.400=218.759億円。還元は各年の黒字の30%で、赤字年は0。本社費18.5億円は現在額を物価並みに増やした水準で、縮小だけを理由に消していない。残存賃貸利益は0.40億円、全社償却は約17億円。主力は入居者減少に対して家賃が固定され、介護利益率3.5%まで低下する。赤字年の還元は0とし、損失に税効果の回収を認めない。2031年の純損失35億円には不採算施設整理とのれん・税効果等の評価見直しを含む。留保利益は低稼働施設等に残るため、将来余剰現金としては数えない。
確率:12%。人材流出、買収統合の失敗、価格転嫁不足が重なり、施設への紹介と入居率を構造的に失う場合である。高齢化だけではこの失敗を防げず、賃料の固定負担が損失を増幅するため無視できない。ただし過去の運営改善実績を踏まえ、中心見通しにはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
介護付き・住宅型有料老人ホーム
入居者の住まいと身体介護を継続提供する主力事業。介護保険、民間利用料、前払金の期間収益を含む。
| 数量年間平均入居者数(人) | 価格入居者1人当たり年間売上(万円、保険収入・前払金償却を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 6,851 | 642 | 440 | 63 |
| 10 年後 中立 | 11,000 | 803 | 883 | 117 |
取り方:[資料1]5〜6ページの各運営区分の年間平均入居者を合計すると6,851人となる。介護売上440.17億円をこの実人数で割り、年額642.4901万円を得た。これは月額利用料の表示価格ではなく保険収入を含む実効単価で、期末定員7,980人を年間入居者に取り違えていない。中立の単価1.25倍は、概ね民間部分63%を1.344倍、保険部分37%を1.105倍とする合成に相当し、物価未満となる理由は公定報酬の遅れである。2036年の全国定員は中立80万人、会社の平均供給定員1.2万人、平均稼働率91.7%を想定する。添付sector.mdには市場前提が記載されていないため、この市場見通しは[資料3]の実績からの独自推計である。2024年の全国定員67.37万人に対する会社の2026年定員は概算1.2%で、年次差を含む。競合のベネッセ約3.2%、SOMPO約2.9%も会社掲載の定員と全国値を比べた参考値であり、同一年同一区分の厳密なシェアではない。値上げの経緯は会社説明会記録 https://minkabu.jp/news/4165275 で確認したが、純粋な同一施設の改定率と退去率は非開示である。AI エージェント代替の型は現場の体で、事務型の数量縮小は適用しない。現在の6区分の売上合計は489.86億円で、残存賃貸0.92億円を足すと490.78億円となる。添付490.8億円との差0.02億円は表示丸めである。営業利益は6区分65.82億円に本社費マイナス13.54億円、残存賃貸0.50億円、丸め0.02億円を加え52.8億円に一致する。2017〜2026年の増分税後営業利益÷増分(自己資本+純負債)は約20.1%で、賃借資産を含まない概算にすぎない。中立の将来増分でも約13.1%となりk7%を上回るが、これを個別案件の確定IRRとは呼ばない。財務の起点は添付を優先する。
介護・看護等の現場派遣(外部売上推計)
グッドパートナーズのうち、現場での身体介護や看護を提供する派遣。内部取引を除いた経済的な部分を示す。
| 数量外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計) | 価格8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 33,512 | 20,630 | 7 | 0 |
| 10 年後 中立 | 40,215 | 27,644 | 11 | 1 |
取り方:GPの法定開示は東京246人、関西55人。8時間平均料金はそれぞれ23,315円、19,912円であり、人数加重平均を税込みと仮定して1.1で除した20,630.1722円を使用する。期中平均人数と実働日数は未開示のため、301人×年225日=67,725日、派遣総売上13.9718億円と推定した。内部売上消去6.29億円の帰属も未開示であり、すべてを派遣へ帰属させて外部売上7.6818億円を得る。その90%を身体介護等、10%を事務とする保守的な仮配分で、実際の開示比率ではない。数量はこの外部売上に対応する稼働日であり、内部派遣を主力介護の売上と二重に足さない。法定開示の対象期間は2024年5月〜2025年4月で、2026年6月期への橋渡しは推計である。根拠は https://goodpartners.co.jp/wp-content/themes/goodpartners_init/pdf/info_tokyo_2025.pdf と https://goodpartners.co.jp/wp-content/themes/goodpartners_init/pdf/info_kansai_2025.pdf 。全国の全職種派遣約220万人に対するGP301人は約0.014%の規模だが、介護限定市場のシェアではない。全職種派遣の統計は https://www.mhlw.go.jp/content/001684019.pdf 。介護限定の競合シェアは検証できず、多数の同業と競う小規模事業として扱う。AI エージェント代替の型は現場の体で、中立は実働数量1.2倍、単価1.34倍。
事務派遣(非開示部分の保守的推計)
法定開示の対象職種に含まれる一般事務等。全社の主力事業と混同せず、AIによる縮小を別に評価する。
| 数量外部向け年間稼働日数(8時間換算日、推計) | 価格8時間当たり派遣料金(円、税抜き推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 3,724 | 20,630 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,606 | 24,756 | 1 | 0 |
取り方:現場派遣のhowと同じ法定開示を基礎に、外部派遣売上推計7.6818億円の10%を事務と仮定した。職種別人数と単価は未開示で、10%は会社の実績値ではなく代替リスクを落とさないための仮定である。派遣全市場での規模はGP全体でも約0.014%にすぎず、この事務部分の独立シェアを正確に算定する資料はない。AI エージェント代替の型は人月・工数型。中立の数量は0.70倍、単価は1.20倍、10年より先の名目成長は0%。外販AIの売上証拠がないため楽観でも数量は現在を超えない。現場派遣と同一の現在料金を使う誤差はあるが、現在の全社売上の約0.16%にとどまる。
医療型住宅・訪問看護等(周辺サービスを含む推計)
グッドパートナーズの医療型住宅、訪問看護、生活支援等。主力の介護付きホームとは別の報酬制度と立上げ負担を持つ。
| 数量通期換算の運営居室数(室年、関連サービスの規模代理量) | 価格運営1室年当たり売上(万円、施設外訪問看護等を含む推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 70.6 | 1,731 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 300 | 1,991 | 60 | 4 |
取り方:GP売上26.19億円から、法定人数と料金に基づく派遣総売上推計13.9718億円を除き、12.2182億円を医療・生活支援等へ帰属させた。独立に確認できる住宅規模は玉川学園42室と、2025年12月開設の久我山49室であり、42+49×7÷12=70.5833室年を代理量とする。公式施設情報は https://attenity.jp/ と https://attenity.jp/nurshome/kugayama/ 。単価には施設外の訪問看護や紹介・生活支援等も含まれ、入居者1人への実際の請求額ではない。サービス別売上と訪問件数が未開示のため、主力より推計精度が低い。住宅型ホーム全国定員36.99万人に対する現在の住宅部分は0.03%未満の規模だが、医療特化市場のシェアではない。複数サービスを合算した同一定義の市場規模と競合シェアは算定できず、全国シェア上昇を根拠にせず増床計画の延長で数量を決める。中立300室年、単価1.15倍は保険報酬の制約を反映する。AI エージェント代替の型は現場の体である。
入居相談・紹介
チャームシニアリビングによる入居先の相談と成約支援。情報検索・比較の代替圧力を別に評価する。
| 数量年間成約件数(件、推計) | 価格成約1件当たり紹介料(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 321 | 22 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 225 | 24 | 1 | 0 |
取り方:[資料3]の紹介料平均21.5万円を外部単価として用い、CSL売上0.69億円に対応する成約を年320.93件と推定した。実際の成約件数と内部紹介の内訳は非開示であり、ここでは全額を外部売上扱いとして、連結消去は派遣側にまとめている。全国定員67.37万人、稼働90%、平均滞在4年、外部紹介利用50%を仮定すると紹介市場は年約7.6万件、約163億円となり、同社は約0.42%に相当する。滞在年数と紹介利用率は仮定であり、公的な市場推計でも競合別の確定シェアでもない。大手検索・紹介事業者との競争を前提とし、AI エージェント代替は情報・調査サービスとして人月型に準じる。中立数量0.70倍、単価1.10倍、長期成長0%とし、独自データの堀を示す証拠が不足するため記録の正本型にはしない。
不動産開発売却(終了事業)
2026年6月期の国領案件売却を最後に終了した開発事業。運営施設のセール&リースバックとは区別する。
| 数量年間売却案件数(件) | 価格1案件当たり売却売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 1.0 | 29 | 29 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 29 | 0 | 0 |
取り方:[資料1]の最終案件1件を数量とし、不動産売上30.02億円から翌期以降も残る収入0.92億円を除いた29.10億円を売却単価とする。残存収入0.92億円と営業利益約0.50億円は開発数量に混ぜず、後者だけを本社費等のadjust_okuへ含める。残存賃貸の面積・物件別単価は確認できず、連結売上の約0.2%については物理数量による分解ができていない。将来もその賃貸収入だけを継続させ、開発売却は全筋書きで0件とするため、2036年の開発市場シェアは0。現在の開発市場に対するシェア拡大を価値の根拠にしない。現在の利益1.34億円は不動産利益1.84億円から残存利益0.50億円を除く推計である。AI エージェント代替の対象事業ではない。
リスクと懸念
採用難が開設数ではなく利益率を決める
職員を採れなければ、建物が完成しても予定どおり入居を受け入れられない。採用広告費や派遣費だけが先に増え、教育不足は事故と離職を通じて入居率にも響く。人員配置緩和には認められない施設もあり、機器導入だけで全社の人件費を一律に削減できると考えるのは危険である。[資料1]
民間利用料だけで物価上昇を吸収できるか
公定報酬が賃金や食材費に追い付かないと、収益を守るには民間利用料の改定が必要になる。会社には改定実績があるが、同一施設での純粋な値上げと高価格帯への構成変化は分離できない。家族の支払い能力を超えれば、値上げが空室増加を招き、単価と数量を同時に失う。
賃貸借の固定負担と建て替え費用
解約不能として開示された未経過賃料は366.22億円に上る。[資料2] 主要な長期賃貸借の契約残高は約2,323億円で、前者とは集計範囲が異なる。純負債が小さいだけで財務を軽いと判断できない。賃料は利益から既に引いているため価値から全額を再控除しないが、低稼働時にも残る固定費と退出費用は悲観の利益を深く削る。
買収と開設の同時進行による運営力の希薄化
ライクの改善実績は有力な証拠だが、ケア21からの承継施設は同じ速度では改善していない。[資料1] 買収件数の増加が管理者育成を上回ると、既存施設の品質まで落とす危険がある。買収価格に加え、赤字補填、改装、採用を含めた回収期間が長引くほど、会計上の増収と株主価値は離れていく。
医療型住宅の報酬と適正運営
訪問看護を組み合わせる住宅は、主力の介護付きホームとは収益制度が異なる。給付の適正化や過剰な紹介料への監督が強まれば、成長できても利益が残らない可能性がある。[資料3] グッドパートナーズのサービス別売上は未開示部分が多く、数量と単価の推計精度も主力より低いため、高い利益率を中立に採用していない。
AI エージェント代替は事務と情報仲介へ限定
身体介護、看護、生活支援は現場での対応を要し、人月型の事務仕事と同じ縮小率は当てはめない。一方、事務派遣と入居候補の検索・比較・紹介は代替圧力を受ける。事務部分の売上割合は非開示のため保守的な仮配分を行い、中立の数量を減らした。自社AI商品の外販売上は確認できず、上振れ収益には数えていない。
資産の床は換金の保証ではない
悲観の資産価値は現在の自己資本からのれん等を除く代理値であり、買い手の提示価格ではない。施設の専用性、原状回復、契約承継の条件で回収額は下振れしうる。政策保有株や周辺技術への投資が増え、低採算施設の整理が遅れれば、想定した床を現実の株主が受け取れない危険がある。[資料2]
今後の分かれ目
- 成熟した介護付きホームの入居率が94%前後を保ち、改定後も入居相談と成約が落ちなければ
- 価格受容と地域営業の強さを確認できる。単価改善を数量減で相殺する必要が薄れ、やや楽観側の確度が高まる。
- ケア21からの承継施設の入居率が継続して90%へ近づき、施設単位で黒字化すれば
- 買収後の運営手法に再現性があると判断する。追加買収は取得対価だけでなく改装・赤字補填を含む回収率を確認した上で数量へ反映する。
- 人員配置緩和の適用施設が増えても、事故、苦情、離職が増えなければ
- 省力化を一時的な人員削減でなく、持続する生産性改善として評価できる。賃上げを続けながら利益率を守れる余地が広がる。
- 建築費と募集賃料が上がり、開設延期や初期赤字の長期化が続けば
- 部屋数計画より再投資採算を優先し、数量成長を下げる。既存建物の承継も含めて採算が合わなければ、還元を増やさない経営の評価を下げる。
- 医療型住宅の報酬改定後に、入居者当たり収入と請求の適正性が確認できなければ
- 周辺事業の増床を抑え、単価と利益率を見直す。主力介護事業と制度が異なるため、医療型住宅の成長計画を一括して全社の強みとは扱わない。
- 配当性向30%以上を維持しつつ、余剰資金を不採算買収に使わず還元する実績が積み重なれば
- 余剰現金の戻り方を引き上げる根拠になる。反対に成長投資の採算が下がっても買収額だけが増える場合は、留保利益の価値を引き下げる。
- 入居紹介の成約数や事務派遣の稼働日数が減り、AIを介した直接契約が増えれば
- 該当部分の数量減少を加速させる。身体介護の数量まで一律に落とすのではなく、事業ごとの代替可能性を分けて見直す。
見ておくもの
- 成熟ホーム、新設ホーム、買収ホームごとの入居率と営業損益。全社平均だけで改善を判断しない。
- 同一ホームの民間利用料改定率と入居相談・成約・退去の推移。高価格帯への構成変化と区別する。
- 介護職員の定着、採用単価、派遣依存度、付加価値額。人員配置緩和の適用件数と安全指標も併せて確認する。
- 開設予定の延期、リユース物件の比率、買収後の追加投資と施設別回収期間。
- 新リース会計の適用後も、家賃を費用とする同じ尺度に戻した利益と固定支払負担。
- 配当性向、運転資金と前受金を除いた現金の増減、政策保有株・周辺技術投資への資金流出。
倍率と資本コストの決め方
価格と株数は添付の2026年10月16日基準に固定した。2026年10月23日までの公式開示を確認し、全市場からの上場廃止を伴うTOB・MBOやGC注記は確認されない。主力の数量と単価から利益を作り、倍率はk7.0%、g2.9%、通常の堀による正当化PERで決めた。現行・同業の市場PERや添付mc_refの評価値は使わない。将来余剰現金は筋書きに明記し、自動加算との二重計上を避けた。新リース会計は当社では2028年6月期からで、全期間を家賃費用控除後の形に統一する。確率、自己資本の流れ、還元、希薄化を検算し、悲観の時価総額188.96億円が定義した資産の床を下回らないことも確認した。上場状態の確認先は https://www.charmcc.jp/corp/information/ir/ 。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。