結論
グリーンズは、コンフォートホテルを主力に国内の宿泊施設を運営する会社である。筆者の結論は割安であり、会社計画より遅い出店と物価並みの値上げでも、長く残る宿泊利益に対して現在の時価総額は小さい。
中立では、10年後も客室を貸して稼ぐ事業の形は変わらない。国内の出張需要が細っても、旅行客の取り込みと運営施設の増加が補い、純利益は約80億円に育つ。営業利益率は足元を上回らず、国内市場全体の数量も急拡大しない。成長の中心は、ホテルの運営を集約する力と物価並みの値上げである。
ただし、宿泊需要が続くことと、この会社の取り分が守られることは別だ。主力ブランドの契約は2033年末に期限を迎え、家主やブランド保有者への支払いも残る。過去の債務超過を踏まえると、高い自己資本利益率だけを優良さの証拠にはできない。部屋を増やすたびに、改装費と固定的な支出の約束も増える。[資料1]
確率を織り込んだ現在価値は約616億円で、基準の時価総額287億円を大きく上回る。これは大幅な株主還元や買収プレミアムを当てにした結論ではなく、余剰現金の全額回収も見込んでいない。一方、ブランド更新と店舗採算がともに崩れる悲観では、資産売却後に残る株主価値は小さい。安全域はあるが、元本が守られる資産株とは考えない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって分かりやすいのは、客室の必要性である。人が実際に移動する限り、目的地で眠る場所は必要になる。しかし、宿泊産業が必要だからといって、すべての運営会社に高い値段を払ってよいわけではない。立地を押さえる家主とブランド保有者の間で、運営会社にどれだけ利益が残るかを見なければならない。
筆者が重く見るのは、会計利益よりも更新後に残る現金である。改装や設備更新を先送りすれば、短期の利益は増えても客室の競争力は落ちる。中立の10年後には、維持更新を済ませた株主の利益は年70億円台になる余地がある。ただし、そこからさらに出店を続ける分の資金は、自由に配れる利益から差し引かれる。
資本配分にも条件が付く。新店の家賃と改装投資を負担した後の利回りが低ければ、店舗数を追うより還元を増やす方がよい。過去の優先株支援は、経営の継続と普通株主の豊かさが同じではないことを示した。高いROEが続くことではなく、積み上がる資本が無駄にならないことを評価したい。[資料1]
それでも、基準の時価総額には十分な安全域があると判断する。独占的な堀を持つ会社ではないため、ブランド更新も出店採算も無条件には信じない。成長が鈍り、現金の一部が株主に戻らない場合まで含めても、現在の値段と持続的な稼ぎの隔たりは大きい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、泊まりたい場所に清潔な客室を用意し、一夜ごとの利用料を受け取ることである。会計上はホテル事業の単一セグメントだが、開示されるブランド別の運営実態に沿って事業を見る。主力のチョイスブランドは100施設を運営し、客室は1万4517室ある。コンフォートホテルのほか、道路沿いのコンフォートインや観光客を意識したERAが含まれる。[資料1]
もう一方のオリジナルブランドは20施設で、三重県を中心に展開する。ホテルグリーンパーク津などでは、宿泊に加えてレストランや宴会場も地域需要を取り込む。したがって、この部分の売上をすべて宿泊料金と呼ぶことはできない。客室の利用に付随する収入と、地元客による料飲収入を併せ持つ事業である。[資料1]
土地建物を全部買いそろえなくても出店できることが、運営会社としての利点だ。2024年には22施設の運営引き継ぎで、道路沿いの客室網を一度に広げた。ただし、不動産を持たないことは固定費がないことを意味しない。家賃には売上連動部分もあるが、最低保証などの契約上の負担は空室が増えても残る。[資料1]
客を集める力だけでなく、予約仲介サイトへの手数料、清掃費、朝食原価まで含めた採算が問われる。ERAへの転換は宿泊単価や館内収入を伸ばす余地を持つが、改装投資を回収して初めて株主の利益になる。AI エージェント代替の対象業態には該当しない。従業員を抱える事業ではあるものの、人月やソフトの席数ではなく、現地の客室と宿泊体験を売っているからである。
優良さと弱いところ
運営の標準化には強みがあるが、客を囲い込む堀は深くない。全国で清掃、接客、予約販売をそろえられることは、独立系ホテルに対する競争力になる。しかし、宿泊客が次回に東横インやアパホテルへ移る費用は小さい。無料朝食や共用空間も、他社が再現できない仕組みではない。
値上げの実績は確かにある。2026年6月期のチョイスブランドは平均客室単価が4.7%上がり、稼働率も改善した。オリジナルブランドでも値上げと稼働改善が両立しており、直近の価格転嫁力は評価できる。ただし、同じ地域の需要が強かった効果を、自社だけの独占力と取り違えてはいけない。[資料1]
最も大きな留保は、主力ブランドを所有していないことだ。国内の運営網は相手方にも価値があるため、契約継続には経済的な合理性がある。それでも、更新時の対価や開発義務まで今と同じとは限らない。堀が広がるとすれば、看板そのものではなく、家主から良い物件の運営を任され続ける実力によってである。[資料1]
資本効率は回復したが、その高さには薄くなった自己資本の影響もある。店舗ごとの投資額と成熟後利益の組み合わせは開示されず、実績の増分投下資本利益率は断定できない。中立の資本経路では簡便な増分利回りが約12%となり、資本コストを上回る余地はある。これは賃料を費用に残す分析上の推計であり、会社が保証した投資採算ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
宿泊需要は残るが、日本人の宿泊数まで増え続ける市場ではない。2025年の国内延べ宿泊者数は約6.61億人泊だった。日本人は前年比2.7%減り、外国人の9.4%増が補った。ビジネスホテルの客室稼働率は75.3%に達しており、空室を埋めるだけで今後も大きく伸びる余地は限られる。[資料3]
競争相手は同社よりはるかに大きく、駅前、観光地、道路沿いの各立地で集客と物件取得を競っている。民間の施設登録データでは、ビジネス、シティ、リゾートを合わせた母集団は約139.6万室になる。同じ母集団に対する客室シェアは、東横インとアパがそれぞれ約5.2%である。ルートインは約4.6%で、グリーンズ全体の約1.21%を大きく上回る。
物価を除いた市場の伸びは限られる。業態別の稼働率から推計すると、上の客室群は年約3.72億室泊を売る。人泊と室泊を区別した概算だが、登録の新旧や集計時点が混ざるため正確な全数調査ではなく、シェアは競争規模を知る目安にとどまる。中立では国内需要の減少を訪日客が補い、利用量と供給客室はともに10年で約1割増える。
成長の余地は市場全体よりも、運営集約によるシェア拡大にある。中立で同社の客室シェアは約1.45%となり、チョイスの成長が地方の自社ブランドの縮小を補う。建築費の上昇は新規参入を抑えるが、家主に払う賃料や改装費にも跳ね返る。予約サイトの価格比較も続くため、全国シェアの小ささを成長余地とだけ解釈せず、物価以上の値上げとシェア拡大が永久に続くとは考えない。
資本政策と M&A
資本配分は、危機後の正常化まで評価し、手放しでは称賛しない。2017年の上場後に店舗網を広げたが、感染症危機では65億円の優先株による支援を要した。A種優先株は2026年6月までに取得・消却を終えたが、これは普通株主への自社株買いとは違う。2024年の22施設の運営引き継ぎは、不動産取得とは区別すべき拡大策である。[資料1]
中期計画の最終年度は2028年である。売上600億円と営業利益70億円を目指す。純利益目標は45億円で、ROEは20%以上とする。自己資本比率の目標は54%である。[資料2]
その先の2030年の売上目標は700億円以上である。客室は計画最終年度に1万8000室へ増やす。その先の2030年には2万室へ広げる方針だ。3年間の投資枠は費用を含め50億円であり、維持更新にも配分する。[資料2]
普通株への還元は安定配当と業績連動が基本で、直近の配当性向は約14%である。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額には数字の約束なし。中立の配当性向20%は会社公約でなく、漸進的な改善という仮定である。優待原価は年0.12億円と推定し、10年の還元に含めた。[資料1][資料2]
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
宿泊運営の価値は、豪華な建物を保有することだけから生まれるのではない。多数の施設で予約、接客、清掃の質をそろえ、家主に安定した運営実績を示せることにも価値がある。2024年の22施設の運営引き継ぎは、グリーンズがこの能力を客室網の拡大に結びつけた実例だ。市場全体が急成長しなくても、独立系施設から運営を集約できれば会社は成長する。[資料1]
価格転嫁にも現実の裏付けがある。主力ブランドでは直近の値上げ後も稼働率が上がり、客室を空けて単価だけを引き上げたわけではない。ERAへの転換や観光向け施設の充実は、既存の顧客層を少しずつ広げる。こうした改善が建物を一から取得するほどの資金を必要としないなら、再投資の利回りは十分に高くなりうる。
優先株の整理が終わったことで、今後の利益が普通株主に残る道筋も明確になった。これまで優先株の買い戻しに使っていた資金を、すべて新店へ回す必要はない。国内客の減少を前提にしても、物価に沿った単価と緩やかなシェア拡大が両立すれば、維持更新後の現金は増える。高い利益率や大量の自社株買いを前提にしなくても、基準の時価総額を超える価値を説明できる。
ブランド契約の更新にも相互の利益がある。日本の運営網を一から組み直すより、実績ある運営会社に任せる方が相手方にも合理的だ。条件が多少厳しくなっても、客室と顧客が一度に消えるわけではない。契約リスクを見落とさずに評価しても、稼ぎのすべてを疑う必要はない。
慎重な見方
見かけの軽い貸借対照表に安心してはいけない。ホテルは毎日売れ残る在庫を抱え、空室になった日の売上を翌日に取り戻せない。家賃に変動部分があっても、最低保証と人員維持の負担は残る。2021年の債務超過は、需要が急減した際に普通株主の資本がいかに速く失われるかを示している。[資料1]
現在の高収益が、そのまま新店の高い投資利回りを意味するわけでもない。2025年の会社説明では、新店による増収に対する営業利益の寄与はまだ小さかった。取得済みの建物の償却額が物価で増えなくても、新しい設備や改装費は高くなる。建築費上昇の恩恵だけを受けて、更新費用を負担しないホテル運営会社にはなれない。
主力の看板が借り物である点も重い。2033年末の契約期限は今回の評価期間の中にあり、今の条件がその先も続く保証はない。開発義務を満たすために採算の悪い出店を増やせば、ブランドを守りながら株主価値を損なうこともある。楽天トラベルやBooking.comで比較される客室に、顧客の強い乗り換え障壁はない。[資料1]
利益が増えても、普通株主への還元が比例するとは限らない。還元の数値公約がない以上、現金が低採算の新店や買収に流れる余地は残る。中立で見込む全国シェアの上昇さえ、強い競合と物件を取り合う中では簡単ではない。価値の大部分を将来の営業利益に依存する会社だけに、ブランド条件と出店規律を読み違えた場合の損失は大きい。
どちらに重みを置いたか
事業の不確実性については、慎重な見方を少し重く受け止める。主力ブランドの期限が評価期間内に来ることと、新店の成熟後採算を外から十分に検証できないことが、その理由である。ただし、それは今の時価総額が妥当だという意味ではない。
数量の伸びを市場全体の急拡大に頼らず、利益率も足元以下とした中立で、価値は基準の時価総額を十分に上回る。強い成長より失敗の余地をやや重く扱っても、価格に対する価値の議論では割安という判断が残る。したがって、会社を無条件の優良企業と認める結論ではなく、弱点を含めた稼ぎに対して値段が低いという結論である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した株価時価総額 8,456 円1,161 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 835 円115 億円)。 今の値に割り戻すと 4,485 円616 億円、今との差 +116.9%、 期待の年率 +16.2%(資本コスト 8.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 19,566 円2,687 億円 | 1,908 円262 億円 | +938.4% | +26.4% | 2,147 円295 億円 |
| やや楽観 | 20% | 13,227 円1,817 億円 | 1,280 円176 億円 | +601.5% | +21.5% | 2,901 円399 億円 |
| 中立 | 36% | 9,483 円1,303 億円 | 904 円124 億円 | +402.3% | +17.5% | 3,739 円514 億円 |
| やや悲観 | 21% | 1,887 円259 億円 | 237 円33 億円 | +2.7% | +0.3% | 446 円61 億円 |
| 悲観 | 13% | 339 円47 億円 | 98 円14 億円 | −78.9% | −14.4% | 57 円8 億円 |
| 加重平均 | 100% | 8,456 円1,161 億円 | 835 円115 億円 | +349.3% | +16.2% | 9,291 円1,276 億円 |
今の株価時価総額 2,068 円284 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 運営集約と観光向け改装がともに成功 利益 164 億円 · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 19,566 円2,687 億円
運営引き継ぎと観光向け出店がともに成功し、グリーンズが独立系ホテルの有力な受け皿になる。訪日客の増加と地方への分散が進み、ホテル市場の実質利用量は約23%増える。客室供給も増えるが、同社は約2万9800室へ広がり、広義の国内客室シェアは約1.71%になる。東横インやアパと同じ土俵で規模を競うのではなく、家主が運営を任せたい地域で選ばれる。
チョイスの客室シェアは約1.55%に伸び、ERAと観光型施設の組み合わせが単価を押し上げる。オリジナルも一部の引き継ぎ案件を得るが、全国シェアが大きく上がるほどは拡大しない。2033年末を越えるブランド契約は、採算を保てる条件で更新される。
清掃や予約販売の生産性も改善し、出店投資を負担してなお株主に残る利益が増える。買収は施設運営や小さな地域網の取得が中心で、大型の不動産買収に資金を集中しない。現金は厚くなるが、その全額が直ちに普通株主へ渡るわけではない。強い成長と資本規律が同時に続く、成立条件の多い筋書きである。
- チョイスブランド:数量 828(年間販売客室数(万室泊、実質))× 価格 16,653(販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計))→ 売上 1,379 億円・営業利益 248 億円。27000室×365日×稼働率84%で数量を算出。合成単価は現在の1.5000倍。市場供給は現在の1.25倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約1.55%。現在の宿泊ADRと付帯収入を同じ倍率で動かす。
- オリジナルブランド・その他:数量 79.7(年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量))× 価格 13,911(販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの))→ 売上 111 億円・営業利益 13 億円。2800室×365日×稼働率78%で数量を算出。合成単価は現在の1.4000倍。市場供給は現在の1.25倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.16%。料飲・宴会の独立した高成長は加えず、宿泊施設の稼働縮小・拡大に連動させる。
倍率:余剰現金の利息を除く事業純利益160.06億円を、自己資本から余剰現金を除いた649.25億円で割った事業ROEは24.65%。k=8%、g=3%、堀の残存割合1/3により、RONIC=8%+(ROE−8%)/3=13.551%。正当化PER=(1−3%÷RONIC)÷(8%−3%)=15.57223倍をそのまま採用する。時価総額は(全社純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75で2687.45億円。明示した将来余剰現金260.02億円のほかに、留保利益や現在の現金を自動で重ねて加えない。 最初の2年の事業純利益は50億円と55億円。その後8年は70億円から終点まで段階的に増える仮定である。余剰現金の期間平均を期末の半分として税後利息を加え、累計純利益は1043.43億円となる。現金配当は累計利益の25%で260.86億円、優待原価1.20億円を加えた還元は262.06億円。自己資本は126.7+累計純利益−現金配当=909.27億円で、優待費用は二度控除しない。 余剰現金は、留保利益に累計償却205億円を戻し、投資600億円、運転資金・敷金の増加80億円、既存金融リース元本26億円を引き、借入金と運転用現金の増減を反映した残り。借入金は現在117.14億円から180億円、運転用現金は115.59億円から200億円へ変わると仮定する。借入金増加を利益には数えず、その利息を純利益に反映した。 期末償却費31億円は既存資産の残存償却3億円と新店・更新資産の償却28億円からなる。既存償却へ物価を一律に掛けない。期末の年間維持更新投資は40億円、成長投資は40億円を想定し、償却と実際の資金支出の差を残した。本社費30億円は現在推定11.33億円に対する物価上昇を反映している。
確率:10%。既存22施設の引き継ぎ実績と物価を超えた直近の単価改善は上振れを支える。ただし、継続的な物件獲得、観光向け改装の成功、ブランド契約更新、資本規律が同時に必要であり、強い成長を中心にはしない。
やや楽観 20% 出店と価格転嫁が利益に結び付く 利益 114 億円 · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 13,227 円1,817 億円
中期計画を足場に出店が進み、既存ホテルの改装も宿泊単価の向上につながる。国内客の減少を訪日客が補い、ホテル市場の利用量は約16%増える。同社は約2万6000室を運営し、国内客室シェアは約1.58%に上がる。全国市場の成長以上に伸びる部分は、運営引き継ぎと物件選別の成果である。
チョイスのシェアは約1.43%へ広がり、ERAの付加価値が物価を少し上回る単価上昇を支える。オリジナルの施設数はほぼ維持されるが、市場全体が広がるためシェアはやや下がる。ブランド契約の更新では一定の負担増があっても、客室収入と業務改善で吸収できる。
利益率は高まるものの、人件費や改装費の増加がすべて消えるわけではない。東横イン、アパ、ルートインとの物件獲得競争は続き、好条件の案件だけを無制限に増やせるとは考えない。投資回収を確かめながら小さな引き継ぎを重ね、増えた利益の一部を配当に回す姿が定着する。
- チョイスブランド:数量 708(年間販売客室数(万室泊、実質))× 価格 15,543(販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計))→ 売上 1,100 億円・営業利益 176 億円。23500室×365日×稼働率82.5%で数量を算出。合成単価は現在の1.4000倍。市場供給は現在の1.18倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約1.43%。現在の宿泊ADRと付帯収入を同じ倍率で動かす。
- オリジナルブランド・その他:数量 69.4(年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量))× 価格 13,354(販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの))→ 売上 93 億円・営業利益 9 億円。2500室×365日×稼働率76%で数量を算出。合成単価は現在の1.3439倍。市場供給は現在の1.18倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.15%。料飲・宴会の独立した高成長は加えず、宿泊施設の稼働縮小・拡大に連動させる。
倍率:余剰現金の利息を除く事業純利益110.69億円を、自己資本から余剰現金を除いた544.25億円で割った事業ROEは20.34%。k=8%、g=3%、堀の残存割合1/3により、RONIC=8%+(ROE−8%)/3=12.113%。正当化PER=(1−3%÷RONIC)÷(8%−3%)=15.04654倍をそのまま採用する。時価総額は(全社純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75で1816.77億円。明示した将来余剰現金201.68億円のほかに、留保利益や現在の現金を自動で重ねて加えない。 最初の2年の事業純利益は47億円と50億円。その後8年は60億円から終点まで段階的に増える仮定である。余剰現金の期間平均を期末の半分として税後利息を加え、累計純利益は793.88億円となる。現金配当は累計利益の22%で174.65億円、優待原価1.20億円を加えた還元は175.85億円。自己資本は126.7+累計純利益−現金配当=745.93億円で、優待費用は二度控除しない。 余剰現金は、留保利益に累計償却180億円を戻し、投資470億円、運転資金・敷金の増加60億円、既存金融リース元本26億円を引き、借入金と運転用現金の増減を反映した残り。借入金は現在117.14億円から130億円、運転用現金は115.59億円から170億円へ変わると仮定する。借入金増加を利益には数えず、その利息を純利益に反映した。 期末償却費26億円は既存資産の残存償却3億円と新店・更新資産の償却23億円からなる。既存償却へ物価を一律に掛けない。期末の年間維持更新投資は33億円、成長投資は27億円を想定し、償却と実際の資金支出の差を残した。本社費25億円は現在推定11.33億円に対する物価上昇を反映している。
確率:20%。会社の2030年2万室目標を越えても緩やかな出店が続き、ERAの単価改善が投資費用を上回る可能性を認める。ただし、成熟後の新店採算の開示は不足しており、利益率改善を当然とはしない。
中立 36% 競争を受けながら緩やかにシェアを広げる 利益 80 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 9,483 円1,303 億円
主力ブランドの契約は更新され、グリーンズは全国で客室を運営する現在の形を保つ。国内客の宿泊需要は少し減るが、訪日客が補い、ホテル市場全体の実質利用量は約1割増える。会社の客室数は2万2300室へ広がり、国内客室シェアは約1.45%になる。成長は巨大な買収ではなく、新規出店と既存施設の運営引き継ぎから生まれる。
チョイスの客室シェアは約1.30%へ上がる一方、オリジナルは約0.15%へ下がる。チョイスの稼働率は足元より少し低くなり、単価の伸びも基本的には物価並みにとどまる。地方の自社ブランドでは採算の弱い施設を減らし、売上の量を無理に追わない。
家賃、人件費、予約販売費、更新投資が増えるため、全社の営業利益率は足元を下回る。既存設備の償却額が物価で増えない利点はあるが、新店と更新設備の償却がそれを一部相殺する。優先株整理後も配当が急増するとは考えず、財務の余裕を保ちながら少しずつ還元を厚くする。高いROEの持続ではなく、普通の競争環境で利益を積み上げる筋書きである。
- チョイスブランド:数量 584(年間販売客室数(万室泊、実質))× 価格 14,920(販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計))→ 売上 871 億円・営業利益 126 億円。20000室×365日×稼働率80%で数量を算出。合成単価は現在の1.3439倍。市場供給は現在の1.10倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約1.30%。現在の宿泊ADRと付帯収入を同じ倍率で動かす。
- オリジナルブランド・その他:数量 61.3(年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量))× 価格 13,354(販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの))→ 売上 82 億円・営業利益 7 億円。2300室×365日×稼働率73%で数量を算出。合成単価は現在の1.3439倍。市場供給は現在の1.10倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.15%。料飲・宴会の独立した高成長は加えず、宿泊施設の稼働縮小・拡大に連動させる。不採算店の整理と現場運営の改善により拠点利益率は8.5%を確保する仮定で、本社費は別途控除する。
倍率:余剰現金の利息を除く事業純利益77.56億円を、自己資本から余剰現金を除いた414.25億円で割った事業ROEは18.72%。k=8%、g=3%、堀の残存割合1/3により、RONIC=8%+(ROE−8%)/3=11.574%。正当化PER=(1−3%÷RONIC)÷(8%−3%)=14.81615倍をそのまま採用する。時価総額は(全社純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75で1302.53億円。明示した将来余剰現金204.50億円のほかに、留保利益や現在の現金を自動で重ねて加えない。 最初の2年の事業純利益は45億円と45.5億円。その後8年は50億円から終点まで段階的に増える仮定である。余剰現金の期間平均を期末の半分として税後利息を加え、累計純利益は615.06億円となる。現金配当は累計利益の20%で123.01億円、優待原価1.20億円を加えた還元は124.21億円。自己資本は126.7+累計純利益−現金配当=618.75億円で、優待費用は二度控除しない。 余剰現金は、留保利益に累計償却155億円を戻し、投資350億円、運転資金・敷金の増加40億円、既存金融リース元本26億円を引き、借入金と運転用現金の増減を反映した残り。借入金は現在117.14億円から100億円、運転用現金は115.59億円から125億円へ変わると仮定する。借入金増加を利益には数えず、その利息を純利益に反映した。 期末償却費21億円は既存資産の残存償却3億円と新店・更新資産の償却18億円からなる。既存償却へ物価を一律に掛けない。期末の年間維持更新投資は26億円、成長投資は14億円を想定し、償却と実際の資金支出の差を残した。本社費21億円は現在推定11.33億円に対する物価上昇を反映している。
確率:36%。現行の運営網と会社計画を起点としつつ、国内客減少、既存店稼働の平常化、物価並みの値上げを組み合わせた中心の見込みである。上側合計30%、下側合計34%とした。下に寄せる理由:主力ライセンスの2033年末の更新が評価期間に含まれ、家主・ブランド側への利益移転と出店採算を外部から十分に検証できないためである。一般的な景気循環やAI代替を理由に確率を重ねて下げてはいない。
やや悲観 21% 客室は残るが契約負担で利益が育たない 利益 16 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 1,887 円259 億円
旅行需要は残るが、新店の採算とブランド更新条件が期待を下回る。国内客の減少を訪日客が十分には補えず、市場の利用量は現在より約3%減る。その間も新しいホテルが供給され、既存施設の空室が増える。同社は客室を大きく増やせず、国内客室シェアも約1.19%にとどまる。
チョイスの客室シェアは約1.06%を保つものの、稼働率と実質的な客室単価が下がる。オリジナルは地方需要の減少で施設を閉じ、シェアは約0.14%へ縮む。予約仲介への依存が高まり、ブランド契約の更新負担も含めて売上から差し引かれる費用が増える。
出店と小規模買収を抑えるため現金は残るが、事業へ再投資した資金の利回りは資本コストに届かない。最低保証家賃と本社機能を減収に合わせてすぐには減らせず、利益の回復は鈍い。配当も低下し、株主は、現金があることと十分な利益が戻ることの違いを経験する。破綻ではなく、拡大路線が低収益事業に変わる筋書きである。
- チョイスブランド:数量 407(年間販売客室数(万室泊、実質))× 価格 13,100(販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計))→ 売上 534 億円・営業利益 40 億円。15500室×365日×稼働率72%で数量を算出。合成単価は現在の1.1800倍。市場供給は現在の1.05倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約1.06%。現在の宿泊ADRと付帯収入を同じ倍率で動かす。
- オリジナルブランド・その他:数量 49.6(年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量))× 価格 11,427(販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの))→ 売上 57 億円・営業利益 2 億円。2000室×365日×稼働率68%で数量を算出。合成単価は現在の1.1500倍。市場供給は現在の1.05倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.14%。料飲・宴会の独立した高成長は加えず、宿泊施設の稼働縮小・拡大に連動させる。
倍率:事業純利益14.64億円を余剰現金控除後の自己資本204.25億円で割ったROEは7.17%で、k=8%を下回る。新規投資による超過価値を見込まず、稼ぐ力の上限1÷8%=12.5倍を使う。時価総額は(全社純利益−余剰現金×1.4%)×PER+余剰現金×0.75で259.13億円。明示した将来余剰現金101.58億円のほかに、留保利益や現在の現金を自動で重ねて加えない。 余剰現金利息を除く各年純利益は37、30、24、21、18、16、15、14、14、14.64億円とし、早期から採算が悪化する。余剰現金の期間平均を期末の半分として税後利息を加え、累計純利益は210.75億円となる。現金配当は累計利益の15%で31.61億円、優待原価0.90億円を加えた還元は32.51億円。自己資本は126.7+累計純利益−現金配当=305.83億円で、優待費用は二度控除しない。 余剰現金は、留保利益に累計償却130億円を戻し、投資200億円、運転資金・敷金の増加20億円、既存金融リース元本26億円を引き、借入金と運転用現金の増減を反映した残り。借入金は現在117.14億円から140億円、運転用現金は115.59億円から100億円へ変わると仮定する。借入金増加を利益には数えず、その利息を純利益に反映した。 期末償却費16億円は既存資産の残存償却3億円と新店・更新資産の償却13億円からなる。既存償却へ物価を一律に掛けない。期末の年間維持更新投資は20億円、成長投資は0億円を想定し、償却と実際の資金支出の差を残した。本社費17億円は現在推定11.33億円に対する物価上昇を反映している。
確率:21%。値上げの一部が賃料や販売費に吸収され、運営引き継ぎを増やしても利益が育たない可能性は、直近の高収益から見える印象より大きい。ブランド契約は継続するが条件が悪化し、低い再投資利回りが定着する場合を中心にした。
悲観 13% ブランド条件と出店採算が崩れて縮小する 利益 2 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 339 円47 億円
ホテル需要そのものは消えないが、グリーンズの運営網は構造的に弱くなる。国内客も訪日客も伸びず、広いホテル市場の利用量は約12%減る。価格競争の中で採算の悪い契約を抱え、ブランド更新でも厳しい条件を受け入れるか、一部を別ブランドへ変えることになる。同社の客室シェアは約0.98%へ下がる。
チョイス系の運営客室シェアは約0.86%に縮み、オリジナルも約0.12%まで後退する。値下げで部屋を埋めようとしても、家賃の最低保証と更新負担は残る。閉店、減損、敷金の回収損、再ブランド化が重なり、途中の年度では大きな赤字が続く。
保有物件の売却と金融機関の返済条件変更で事業を縮小し、普通株の配当は停止する。10年後には小幅な黒字へ戻るが、以前の高収益企業ではない。損失処理後の資産の回収額が価値の中心となり、たまるはずだった利益には期待しない。倒産を前提とする筋書きではないが、銀行の協力が得られなければ損失はさらに深くなる。
- チョイスブランド:数量 272(年間販売客室数(万室泊、実質))× 価格 11,657(販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計))→ 売上 317 億円・営業利益 24 億円。12000室×365日×稼働率62%で数量を算出。合成単価は現在の1.0500倍。市場供給は現在の1.00倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.86%。現在の宿泊ADRと付帯収入を同じ倍率で動かす。不採算契約を整理した後の残存店の利益率であり、閉鎖費用や契約整理損は途中の純利益に含める。
- オリジナルブランド・その他:数量 38.5(年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量))× 価格 9,936(販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの))→ 売上 38 億円・営業利益 0 億円。1700室×365日×稼働率62%で数量を算出。合成単価は現在の1.0000倍。市場供給は現在の1.00倍、同じ国内ホテル母集団での客室シェアは約0.12%。料飲・宴会の独立した高成長は加えず、宿泊施設の稼働縮小・拡大に連動させる。
倍率:事業利益の資本還元価値は1.57億円÷8%=約19.62億円で、資産回収価値46.52億円を下回る。よって後者を採用し、表示上のPBRは46.52÷現在の自己資本126.7=0.36716倍とする。10年後の積み上がった帳簿に倍率を掛けたものではなく、過去の株価やPBRの底も根拠にしていない。余剰現金はゼロ。 各年純利益は40、28、15、3、−20、−30、−55、−25、−8、1.57億円。撤退費用、減損、契約整理損を含む累計損失50.43億円を現在の自己資本から引く。最初の4年の現金配当12.9億円と優待原価0.6億円を還元に含め、その後は配当を止める。期末自己資本は63.37億円。銀行の財務制限条項の緩和を必要とする経路であり、無条件に存続できるという仮定ではない。 10年間の設備・更新支出160億円から物件売却収入56億円を引いた純投資は104億円。累計償却110億円、敷金等の回収20億円、金融リース元本返済26億円を見込む。銀行借入は150億円へ増え、運転用現金は85億円へ減る。非資金減損の追加戻入を数えない保守的な資金試算でも、期末の上積みは約0.12億円にすぎず、余剰現金として価値に足さない。新たな普通株増資は基本経路に入れていないが、条件変更が得られなければ希薄化や倒産で下振れる。 期末償却費12億円は既存資産の残存償却3億円と新店・更新資産の償却9億円からなる。既存償却へ物価を一律に掛けない。期末の年間維持更新投資は14億円、成長投資は0億円を想定し、償却と実際の資金支出の差を残した。本社費15.2億円は現在推定11.33億円に対する物価上昇を反映している。
確率:13%。2021年に債務超過となった事実が固定負担の重さを示す。ただし感染症の再来をそのまま繰り返すのではなく、不採算契約、ブランド条件悪化、設備更新不足が重なって構造的に負ける場合を数える。更新失敗そのものの確率を13%と断定したものではない。資産売却と銀行の条件変更による存続を前提とし、既知のTOBを期待した確率は加えていない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
チョイスブランド
コンフォートホテル、ERA、イン、スイーツ、Ascendの国内ホテル運営。会計上の報告セグメントではなく、会社開示に沿う管理区分である。
| 数量年間販売客室数(万室泊、実質) | 価格販売済み1室泊当たり売上(円、宿泊料と付帯収入の合計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 425 | 11,102 | 472 | 75 |
| 10 年後 中立 | 584 | 14,920 | 871 | 126 |
取り方:[資料1]の期首1万4127室と期末1万4517室、稼働率81.5%、平均客室単価であるADR1万882円を使用した。水戸128室は2025年11月5日、ERA札幌北口122室は12月18日、千歳142室は2026年6月15日に開業している。各開業日から期末までを日数で加重し、横浜関内の2室減は時期が不明なため半期分とした。年間供給を約521.25万室泊、販売客室を約424.82万室泊と推定した。ADRによる宿泊売上は約462.29億円で、開示売上との差約9.35億円を有料朝食やその他の付帯収入等の残差とする。したがってpriceは実際のADRそのものではなく、付帯分を含む1室泊当たり収入である。改装休止日の全明細は非開示であり、数量と付帯収入の分解には誤差がある。開業日の一次資料は https://www.choice-hotels.jp/news/detail.php?id=1729 、 https://www.choice-hotels.jp/news/detail.php?id=1748 、 https://www.choice-hotels.jp/news/detail.php?id=2036 。営業利益のブランド別開示はないため、現在の拠点利益率16%と本社費控除前利益75.46億円は分析上の推定である。オリジナルの推定利益と合わせ、本社費11.33億円を引くと添付の全社営業利益69.6億円になる。将来も家賃と外部へのブランド対価は営業費用に残す。 市場母集団は、https://hotelbank.jp/investment/adults-only-hotel-109k-room-stock-prefecture-station-zoning-2026/ の運営元が集計した2026年9月時点の登録客室から、ビジネス100万6416室、シティ22万9100室、リゾート16万897室を合算した139万6413室とした。旅館、簡易宿所、海外、未開業の開発案件は混ぜない。ただし登録には過去情報も含まれるため、稼働中の完全な全数統計ではない。同社の現在の客室シェアはチョイス約1.04%、オリジナル約0.17%。競合は国際ホテル旅館の独自調査 https://ihr-news.jp/2026/01/05/%E5%85%A8%E5%9B%BD5700%E8%BB%92%E3%83%BB88%E4%B8%87%E5%AE%A4%E8%B6%85%E3%82%92%E4%B8%80%E6%96%89%E8%AA%BF%E6%9F%BB-%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%AF%94%E7%8E%87/ の2026年1月1日国内営業客室数を使用した。東横イン7万3197室、アパ7万2279室、ルートイン6万4167室を同じ母集団で割り、約5.2%、約5.2%、約4.6%と推計した。アパの参画施設込みのネットワーク室数や海外客室は使っていない。これは広い競争範囲での近似シェアであり、都市別の競争力を直接示すものではない。添付sector.mdには業界前提の本文がなかったため、この市場前提を全筋書きで共用した。AI エージェント代替の対象業態ではない。 市場の約3.72億室泊は各業態の客室数に[資料3]の稼働率75.3%、74.1%、56.9%と365日を掛けて合算した。需要経路は日本人約72.8%、外国人約27.2%という2025年の人泊構成を近似の重みとして使う。10年の日本人需要は楽観から順に0.98、0.98、0.95、0.90、0.85倍、外国人は1.90、1.65、1.50、1.15、0.95倍と仮定する。人数の構成と1室当たり人数が大きく変わらないという近似であり、政府予測ではない。各筋書きの市場数量は約1.23、1.16、1.10、0.97、0.88倍となる。新店利益の確認には2025年6月期決算説明資料 https://daiwair.webcdn.stream.ne.jp/www11/daiwair/qlviewer/pdf/2508256547kshj0EuWe.pdf を使用した。同資料の増収44.83億円に対する新店営業利益寄与1.88億円は開業費用等を含む寄与であり、成熟後ROICとは同一視しない。将来の室数、稼働率、利益率、投資額、資本政策は特記した会社目標を除き分析上の仮定であり、会社予想ではない。
オリジナルブランド・その他
三重県などの自社ブランドホテルと、その施設に関係するレストラン、宴会、少額のその他収入。付帯事業を別の高成長事業として扱わない。
| 数量年間販売客室数(万室泊、付帯事業を伴う施設の実質稼働量) | 価格販売済み1室泊当たり総収入(円、ADRに料飲・宴会・その他の換算収入を加えたもの) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 68.8 | 9,936 | 68 | 5 |
| 10 年後 中立 | 61.3 | 13,354 | 82 | 7 |
取り方:[資料1]の期首2565室、期末2425室、稼働率75.1%、ADR7737円を使用した。名古屋栄の146室は2026年2月9日の閉店以降を除き、レストイン多賀の6室増は6月からと仮定する。年間供給を約91.57万室泊、販売客室を約68.77万室泊と推定した。宿泊売上は約53.21億円で、開示されたオリジナル・その他売上68.33億円との差約15.12億円を料飲、宴会、駐車場、少額のその他事業等とする。全社売上を比率で割り振った数字ではないが、宴会客数と料飲単価の実績は非開示であり、残差の内訳を確定できない。priceの約9936円は宿泊ADRではなく、これらを客室稼働量に換算した総収入である。将来の宴会需要に客室と独立した成長は付けず、人口減少と施設縮小を数量側に反映した。ブランド別利益も非開示のため、現在の拠点利益率8%は推計である。現在の両区分売上合計539.97億円と添付540.0億円との差は丸めとして扱う。市場はチョイスと同じ国内ホテル139.6万室を用い、現在の客室シェアは約0.17%。宴会単独の市場規模とシェアは確認できず、ホテル付帯収入として内数で扱った。AI エージェント代替の対象業態ではない。
リスクと懸念
2033年末のブランド契約更新
主力のマスターフランチャイズ契約は2033年末までで、更新条件は確認できない。開発義務を守れない場合の追加負担もあり、出店の判断が株主利益とずれる余地がある。仮にブランド関連負担が売上の1ポイント増えれば、中立の税後利益は年約6.1億円減る。これは感応度であり、現在の料率や将来の引き上げ予告ではない。[資料1]
家賃と借換えは見かけの純負債より重い
単体の年間賃借料は129.41億円で、変動部分を含む。連結の解約不能リースの未経過支払額は175.97億円あり、空室が増えても負担のすべては消えない。主要借入契約は2030年に期限を迎え、純資産や連続営業赤字に関する条項もある。純有利子負債が小さいことだけで、資金繰りの安全を断定できない。[資料1]
高い客室単価と稼働率が同時に続くとは限らない
足元の値上げは成功しているが、ホテル間の乗り換えは容易である。東横イン、アパ、ルートインの新規供給や予約サイトの価格比較が強まれば、値上げと稼働維持の両立は難しくなる。ERAへの転換で全体の平均単価が上がっても、既存の同じ部屋の採算が改善したとは限らず、施設構成の変化を除いて見る必要がある。
更新投資が会計利益を上回る負担になる
今ある設備の償却額は物価では増えないが、家具、浴室、空調の更新費用は上がりうる。新店の初期費用と保証金も増え、営業利益だけでは投資回収を測れない。中立では期末の維持更新投資を償却費より多く見込んだ。それでも必要な工事を過小評価していれば、株主に残る現金と将来余剰現金は双方とも減る。
国内需要の縮小と訪日客への依存
地方人口の減少や企業の出張抑制は、特にオリジナルブランドの客室と宴会場に響く。訪日客が補っても、利用する地域や曜日が既存施設と合わなければ稼働は上がらない。災害、感染症、渡航規制による需要減も固定負担と組み合わさる。為替は全筋書きで固定しており、円安による追加成長を重ねていない。
留保した利益が普通株主の利益にならない
配当性向や総還元性向に数値公約はない。優先株の整理後も、低採算の新店や高値の買収に資金を使えば、現金の増加は株主価値の増加と一致しない。ブランド契約の支配権変更条項も、買収による出口を制約しうる。将来余剰現金の全額回収を前提とせず、普通株への実際の配当や買い戻しを確認する必要がある。[資料1][資料2]
AI エージェント代替は客室より集客に作用する
客室そのものはAI エージェント代替の対象ではなく、人月や席課金の減少率は適用しない。ただし、予約代行が料金比較を徹底すれば、ブランド名だけで選ばれる余地が減り、販売経路の力関係も変わる。予約事務の省力化は費用を下げうるが、その分が手数料増や価格競争に吸収される可能性もあり、独立したAI売上は見込まない。
今後の分かれ目
- 既存の同一施設で、物価並み以上の単価上昇と約80%の稼働率が複数年にわたり両立したら
- 価格転嫁力の証拠が増える。新しい高単価施設への構成変化と切り分けたうえで、やや楽観側の利益率と確率を見直す。
- 開業後数年を経た施設について、家賃と維持更新を差し引いた増分投資利回りが8%を継続して上回る開示が出たら
- 出店による価値創造への確信を強める。反対に下回る施設が増えれば、客室数目標を維持していても再投資と余剰現金の前提を引き下げる。
- 2028年の1万8000室、2030年の2万室へ向かう増床が、開業後の採算悪化を伴わず進んだら
- 中立の客室成長の裏付けになる。室数を達成するために家賃条件を悪化させている場合は、目標達成だけで評価を上げない。
- 2033年末を越えるブランド契約が公表され、更新対価と開発義務が明らかになったら
- 契約の不確実性を利益の具体的な差に置き換える。負担率が1ポイント増える場合は、中立の税後利益から年約6.1億円を差し引く方向で再計算する。
- 税金を平常化した営業資金収支が、維持更新投資と保証金増加を継続して賄えなくなったら
- 会計利益が増えていても、将来余剰現金と還元の前提を下げる。改装の先送りで一時的に現金を作っている場合も同様に扱う。
- 普通株の配当性向や総還元性向が数値で約束され、複数年の実行が確認できたら
- 配当経路と現金の戻り方を見直す。優先株償還を普通株主の還元実績には数えず、配当増加分を将来余剰現金からも減らす。
- 連続営業赤字や純資産の減少で借入条項に抵触し、銀行との条件変更が難しくなったら
- 縮小による存続を前提とした悲観では足りない。追加増資による希薄化、資産の急売、契約違約金を織り込み、資産回収の床も下げる。
見ておくもの
- ブランド別の既存店稼働率、平均客室単価、販売可能客室当たり売上を、施設構成の変化と分けて確認する。
- 新店と運営引き継ぎ施設の開業後採算、投資額、保証金、採算が安定するまでの期間を追う。
- 2033年末以降のマスターフランチャイズ契約、最低開発義務、追加負担、支配権変更条項を確認する。
- 最低保証家賃と売上連動家賃の内訳、解約不能支払額、借入条項への余裕を確認する。
- 維持更新投資と成長投資、既存設備と新規設備の償却を分け、税金を平常化した資金収支と比べる。
- 普通株への配当と買い戻し、優待の実際の原価、現金の使途を確認する。
- 国内客と訪日客の人泊、地域別ホテル供給、会社の客室シェアを同じ母集団で追う。
- 2028年6月期からの新リース会計適用後も、家賃を費用に戻した同じ基準で利益と負債を比較する。
倍率と資本コストの決め方
客室数、稼働率、単価から利益を出し、倍率はk8%、長期g3%、超過ROEの残存1/3から決めた。現在や同業のPER・PBRを倍率の根拠にしていない。余剰現金は投資と還元の後だけを別加算した。株価・株数・基準財務は添付の2026年10月16日基準を維持する。有報の自己株控除後株数との差652株は約0.005%であり、指定値を書き換えていない。2026年10月23日までに確認できた開示に、TOB・MBO・上場廃止予定・GC注記はない。新リース会計は同社では2028年6月期からで、将来利益も家賃を営業費用に残す比較可能な形とした。リース負債を後からもう一度引くこともしない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。共通の基本7.5%にqualityの+0.5%を足す。βと時価総額による補正はしない。比較資料のワシントンホテル、アメイズと同じ8.0%であり、ABホテルの7.8%との差は品質項目の結果である。賃料とブランド対価を費用に残すため、同業の高い営業利益率をそのまま移していない。比較資料:。