結論
ティアは、名古屋で培った会員基盤を軸に、直営と加盟店で葬儀を提供する会社だ。長く持つ株主の目ではやや割安だが、その理由は高齢化ではなく、地域の信頼を生かして既存会館の稼働を上げられる余地にある。新しい建物を増やすだけでなく、同じ人員と設備で受けられる葬儀を増やすことが、長期の価値を左右する。
葬送の仕事は残るが、現在の葬儀の形は残るとは限らない。家族葬や一日葬への移行は、死亡者が増えても一件から得られる収入を削る。会員との接点や近隣会館の使いやすさには価値があるものの、値上げを無条件に通せるほどの強さはない。全国の需要の大きさより、個々の商圏で顧客との接点を守り、競合より少ない負担で運営できるかが問われる。
買収後の規模拡大を、そのまま株主価値の拡大と見ることはできない。八光殿と東海典礼の通年寄与で件数は増えたが、既存店の伸びは鈍かった。さらに会社は2026年度の利益見通しを大幅に引き下げ、名古屋市内でもシェアの回復を課題としている。[資料1・資料2]
将来の配当を含む現在価値は約116億円で、基準時価総額を約2割上回る。ただし中立だけの価値は約103億円にとどまり、割安さの一部は統合と出店が成功する場合の大きな上振れに依存する。のれんを多く抱えるため、帳簿の自己資本がそのまま下値を守るわけでもない。安定需要を持つ会社ではあるが、安心して放置できる強い堀の会社とは評価しない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、この会社の分かりやすさは魅力である。人が亡くなった後の搬送や安置、遺族への対応は、画面の中だけでは完結しない。近くの会館と信頼できる担当者を選びたいという需要も残る。しかし、仕事が必要であることと、その会社が高い利益を取り続けられることは別である。
手元に残る現金を見る必要がある。2025年度は営業キャッシュフローから設備投資を引いても、配当を賄う余裕があった。[資料3] 一方、これから建てる会館や改装には上昇後の建築費がかかり、古い建物の償却費が据え置かれることを、そのまま利益の増加とは受け取れない。現場を維持した後に、株主が受け取れる金額が本当の稼ぎである。
筆者が最も重く見るのは、拡大を急がずに済む経営かどうかだ。既存の商圏で密度を上げる投資には意味があるが、利益の薄い買収を繰り返すと、葬儀が増えても株主の取り分は増えない。加盟店の拡大は資本を軽くできるものの、現時点では全社を変えるほど大きくない。
現在価値は時価総額を上回るが、安全域は厚くない。中立の見通しでは差が小さく、買収や出店の失敗時には配当も資産価値も同時に傷む。安定需要を理由に高い値を払う会社ではなく、資本を増やさず稼ぎを増やせる証拠を、継続して確かめたい会社である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、遺族から受け取る一件ごとの葬儀代金である。搬送や安置から式場運営、生花、法要までをつなぎ、必要なときに近くで頼れる体制を売る。直営では会館と人員を先に抱えるため、同じ商圏で受ける件数が増えるほど利益が残りやすい。葬儀以外の関連売上もあるため、公表された葬儀単価だけを件数に掛けても、セグメント全体の売上には一致しない。[資料1]
2025年度の連結葬儀件数は約2万件で、加盟店を含むネットワークでは約2万6500件だった。ただし加盟店の葬儀代金は、ティアの連結売上には入らない。本部が受け取るのはブランド使用料、商品供給代金、システム利用料や研修料であり、直営と加盟店では必要な資本も利益の残り方も異なる。加盟店が建物や人員を負担する仕組みは本部の資本を軽くするが、本部が料金だけを取り続けられるほど加盟先の採算が良いかも確かめる必要がある。
地域密度がこの商売の要である。会館を近接させれば、夜間の搬送要員や施行担当者を融通し、生花の供給もまとめられる。逆に遠くへ点々と出店すると、広告費と待機人員が先行し、売上が増えても利益が増えにくい。名古屋の実績を、関東や関西でも同じ費用で再現できるとは限らない。
葬儀後には相続専門家の紹介、不動産の売買や仲介、遺品などのリユースにも接点が広がる。ティアネクストの再販事業は、紹介中心の仕事と違って物件取得資金が必要になる。[資料2] これらの小事業は件数の開示が十分ではなく、公開された相談実績や買取額による推計を含む。葬儀の現場を担う仕事はAI代替の人月型には該当しないが、有料研修、操作システム、相続の情報仲介は別に扱う。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が簡単にはまねできない強みは、地域の知名度と顧客との接点にある。会員向けの相談会や葬儀後の対応を通じ、必要になる前から相談先として選ばれる。会館の密度と現場教育も、夜間を含む対応品質を支える。これは全国一律の独占ではなく、地元の紹介や評判を時間をかけて積み上げることで生まれる優位である。[資料1]
ただし、会員数は将来売上の予約残高ではない。会費を積み立て続ける仕組みではなく、遺族が他社を選ぶこともできる。利用者の再入会率が高いという説明も、毎年更新される契約の解約率とは異なる。地域の信頼は認めるが、顧客を長期に縛る仕組みとまでは評価できない。
価格を守る力は限定的で、2025年度のグループ単価上昇には買収先の通年寄与が影響した。ティア単体の家族葬単価はむしろ低下しており、統合後の平均単価だけでは値上げの成功を判断できない。透明な料金体系は信頼につながる反面、競合との比較もしやすくする。価格転嫁を判断するには、買収による構成変化を除いた件数と単価が、同時に保たれている必要がある。
資本効率は改善を確かめたい段階にある。2023年度からの投下資本増加に対する営業税引後利益の増加は、概算で年4%程度にとどまる。ただし買収後ののれん償却と立ち上げ費用を含むため、買収そのものの現金利回りとは一致しない。新規投資の回収実績が開示されるまでは、規模の拡大だけを堀の拡大と見なさない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
葬儀市場は、数量が急増する市場ではなく、限られた需要を取り合う市場に近づいている。会社資料に掲載された総務省統計の月額を合計すると、2024年の売上規模は約1.55兆円となる。[資料2] 社人研の2023年推計では、2036年の死亡数は約165.2万人で、2040年ごろが頂点となる。近年の実績がすでに160万人規模である以上、高齢化だけで今後の件数が大きく増えるとは考えにくい。
全国では市場が分散し、ティアの連結施行件数は全国死亡数の約1.2%で、加盟店を含めても約1.7%にすぎない。一方、燦ホールディングスは、こころネットとの統合後の全国シェアを2.7%と説明する。名古屋では平安閣などの地場事業者とも競い、ネットの低価格窓口も選択肢を増やす。ティアの名古屋市内斎場シェアは2025年度に29.2%だったが、翌上期には低下した。[資料2]
中立では、業界全体の件数はほぼ横ばいと考える。実効単価は物価ほど上がらず、家族葬への移行を織り込んだ市場規模は10年後に約1.9兆円となる。ティアの伸びは、その市場を前提に全国の連結件数シェアが約1.5%へ広がることから生まれる。加盟店向けの各サービスは同じ葬儀市場に従属するため、別の巨大市場として足し合わせない。
周辺事業にも成長余地はあるが、買取再販ではカチタスなどが先行し、全国的な優位はまだない。国交省資料の既存住宅流通量は2023年で約31.9万戸であり、同社の公表成約実績は全国比で0.03%未満の規模だ。リユースは環境省推計の自動車等を除く市場が約1.28兆円だが、同社の推計売上はその0.1%未満にとどまる。相続紹介は直接対応する士業とも競い、比較可能な全国市場額や競合シェアは確認できない。
資本政策と M&A
資本配分の焦点は、還元よりも買収と出店の回収にある。2023年の八光殿と東海典礼の取得額は合計約73億円だった。その後に売上は増えたが、利益の伸びは小さく、借入と大きなのれんが残った。過去10年には増資もあり、自社株買いで既存株主の持分を厚くしてきた会社ではない。[資料3]
旧中期計画は、2028年度に売上257.9億円と営業利益25.45億円を掲げた。純利益目標は13.4億円だったが、初年度の2026年度から利益予想を下方修正している。ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額には、確認できた資料で数字の約束なし。旧目標を達成の確約とは扱わない。[資料1・資料2]
配当は安定を基本とし、業績向上時に増やす方針である。2026年度の予定総額は約5.18億円だが、約0.68億円は一回限りの記念配当に相当する。将来は利益の回復に応じた増配を想定し、減益が続けば減配する。株主優待は廃止済みで、将来の費用は加えていない。
政策保有株は僅少で、売却を大きな原資とは見込まない。余剰現金による守りもなく、新たな大型買収より既存会館の回収と借入抑制が先である。2026年10月23日までの確認範囲で、分析を除外すべきTOB等の公表や継続企業の前提に関する注記は見当たらない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
名古屋で築いた顧客との関係は、価格比較だけでは置き換わらない。遺族が短時間で判断を迫られるとき、場所と対応品質を知っている葬儀社には選ばれやすさがある。会館が近接していれば、人員や車両の待機費用を分担でき、追加の一件から残る利益も大きくなる。
全国での連結件数シェアはまだ小さい。死亡数が伸びなくても、後継者に悩む地域事業者から顧客と人員を引き継ぎ、既存商圏の密度を高める余地はある。八光殿と東海典礼の統合では、仕入れや教育を共通化しながら、地元で親しまれた看板を生かせる。名古屋の知名度を全国で一から作るより、現実的な拡大方法である。
会計利益だけでは、買収後の稼ぐ力を低く見過ぎる可能性もある。のれん償却は毎年の現金流出を伴わず、2025年度の営業キャッシュフローには設備投資と配当を賄う力があった。[資料3] 更新投資を抑えたまま稼働を上げられれば、借入を減らしながら還元を増やせる。
加盟店と葬儀後の接点は、既存の信用を少ない追加費用で使う手段になる。デジタル研修や操作システムの料金は下がっても、葬儀の現場を支えるブランドと供給網は残る。人材教育と会館運営の標準化が進めば、成長のたびに本社費を同じ割合で増やす必要もなくなる。そこまで実現すれば、今の利益水準は長期の実力をかなり低く示している。
慎重な見方
死亡者が増えることは、株主利益が増えることを意味しない。家族葬への移行で一件の規模は縮み、新しい会館が同じ商圏の顧客を奪い合う。会員は他社を選べるため、集客のための広告や割引を止めにくい。2025年度の既存店の件数が伸びなかったことは、この構造を見落とせない証拠である。[資料1]
中期計画の初年度から大きく下振れした点も重い。会社は2026年度に積極的な増益を見込んでいたが、実際には件数の弱さと先行費用が重なった。名古屋市内のシェア低下まで起きており、すべてを死亡数の一時的な減少で説明することはできない。[資料2]
買収の代金は、のれん償却が非現金費用であっても、すでに現金で支払っている。回収前に競争が激しくなれば、将来の現金収入が減る一方で借入は残る。古い会館の償却費が増えなくても、建て替えや賃借料の負担は消えず、低い会計費用に支えられた利益を全額配ることはできない。
相続不動産の再販へ広がるほど、在庫と資金繰りのリスクも加わる。葬儀で得た信頼が、不動産価格の見極めや売却期間の短縮を保証するわけではない。自己資本の大部分は、売却を容易に見込めない買収関連の無形資産に対応している。配当を保つために借入が増える局面では、安定配当の実績がかえって判断を鈍らせる。
どちらに重みを置いたか
葬送需要の持続性と地域の接点には価値があるが、再投資の成果については慎重な見方が勝る。既存店の伸び悩み、名古屋のシェア低下、買収後の利益回収の遅さは、単なる景気の波では片付けられない。
そのため、中立を中心にしつつ下側の可能性をやや厚くした。ただし、全国シェアの小ささと会館稼働の改善余地から、成功した場合の伸びも切り捨てない。結果はやや割安だが、中立だけでは大きな差がなく、広い安全域があるという結論ではない。AIの小部分への影響は数量と長期成長に反映し、確率をさらに引き下げる理由には重ねていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した株価時価総額 742 円167 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 225 円51 億円)。 今の値に割り戻すと 517 円116 億円、今との差 +20.7%、 期待の年率 +8.5%(資本コスト 7.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 2,364 円532 億円 | 517 円116 億円 | +573.1% | +21.0% | 230 円52 億円 |
| やや楽観 | 22% | 1,340 円302 億円 | 330 円74 億円 | +290.2% | +14.6% | 367 円83 億円 |
| 中立 | 32% | 617 円139 億円 | 231 円52 億円 | +98.0% | +7.1% | 271 円61 億円 |
| やや悲観 | 26% | 221 円50 億円 | 127 円29 億円 | −18.7% | −2.0% | 90 円20 億円 |
| 悲観 | 12% | 27 円6 億円 | 36 円8 億円 | −85.5% | −17.5% | 7 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 742 円167 億円 | 225 円51 億円 | +125.9% | +8.5% | 967 円218 億円 |
今の株価時価総額 428 円96 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 地域密度と統合が高い利益に結びつく 利益 35 億円 · PER 15.3 倍 · 株価時価総額 2,364 円532 億円
地域の信用と会館の密度が、出店の速さより強く効くようになる。名古屋では既存店の稼働が上がり、関西でも八光殿の看板とティアの供給網が相互に補完する。成長は死亡数の増加に頼らず、連結施行シェアが全国の約2.1%まで広がることから生まれる。
家族葬でも価格の透明性と対応品質が選ばれ、追加サービスの無理な販売をせずに収入を確保する。買収は既存商圏に近い小規模案件に絞り、新規会館の立ち上がりも早い。人員配置と仕入れが共通化され、本社費を同じ割合で増やさずに件数を受けられる。
加盟店の現場売上は伸びるが、有料システムと研修の数量は増えない。不動産とリユースも既存顧客との接点を生かして広がるものの、全社の成長を主導するのは葬儀である。更新投資を賄った後の現金が増え、増配を続けられる。需要の安定性だけでなく、再投資の成果まで伴った場合の姿である。
成功の条件は、物価上昇分の料金改定と、人員の定着を両立することだ。全社の利益率が過去の山を上回るため、他の筋書きより高い実行力を必要とする。
- 葬祭施行・関連サービス:数量 34,000(連結葬儀施行件数(件/年))× 価格 135(施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円))→ 売上 459 億円・営業利益 90 億円。全国件数シェア約2.06%。実効単価は現状比1.34倍。変動費62万円/件、葬祭部門の償却等20億円、その他固定費138.70億円。高稼働と統合で部門利益率19.5%。
- FCのブランド使用料・商品供給等:数量 12,000(FC会館の葬儀施行件数(件/年))× 価格 10(FC施行1件当たりの本部実効収入(万円))→ 売上 12 億円・営業利益 3 億円。ロイヤリティ料率3%は固定。施行件数と加盟店単価、商品供給等の構成が本部収入を決める。
- FC業務システム利用料:数量 72.0(年間平均の有料契約会館数(会館年))× 価格 97(1契約会館の年間利用料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料契約数量は現在の1.00倍、価格は1.15倍。AIによる操作画面の代替を反映する。
- FC有料研修:数量 4.0(有料研修の年間受講組数(組/年))× 価格 121(1組の研修料金(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料研修組数は現在の1.00倍、価格は1.34倍。
- 不動産売買・仲介・空き家活用:数量 180(年間の成約・売却件数(件/年、推計))× 価格 900(成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。成約件数×仲介と自己物件売却を含む実効収入。物件価格そのものではなく、在庫投資も必要。
- 相続の専門家紹介・情報支援:数量 468(収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計))× 価格 27(1収益案件当たりの実効紹介収入(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。収益紹介案件は現在の1.00倍、単価は1.34倍。自社AIの商用実績がないため数量増は見込まない。
- リユース品の買取・販売:数量 12,000(年間販売取引数(件/年、推計))× 価格 16(販売取引1件当たり売上(万円))→ 売上 19 億円・営業利益 1 億円。店舗数と店当たり取引数による販売件数。値段には物価を含むが数量には混ぜない。
倍率:10年後ROEは17.402%。k=7.5%、超過収益の残存割合1/2からRONIC=12.451%。全社のg=2.0%として、PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=15.261245倍の上限そのものを用いる。市場のPERとの比較や手動の割引は行わない。余剰現金は0で、時価総額は純利益×PER。現在の純負債を据え置いた参考EV/営業利益は9.09倍で20倍を下回る。
確率:8%。地域密度の向上、買収統合、単価維持、人員配置の改善が同時に成功する必要がある。全国での余地は大きいが、現在の既存店と計画未達の実績から、上側の極端な成功を中心にはしない。
やや楽観 22% 会館の成熟で再投資と増配が両立する 利益 21 億円 · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 1,340 円302 億円
会館ごとの採算を優先する出店へ移り、先行費用の重さが次第に薄れる。名古屋のシェアを維持しながら、関東と関西の既存会館も成熟する。連結の施行件数は全国の約1.8%となるが、業界全体が急拡大するわけではない。
買収先の仕入れと教育を共通化し、地元ブランドの顧客流出を抑える。家族葬への移行は続くものの、生活費の上昇に応じた料金改定がある程度受け入れられる。一般葬への回帰を期待せず、小さな葬儀でも採算が取れる運営へ変わる。
加盟店が増えることで、資本の軽いブランド収入が厚くなる。一方、操作システムや研修は汎用AIとの競争を免れず、相続の情報仲介も伸びない。不動産は成約の増加を追うが、在庫を抱え過ぎない。過去最高を超える利益率ではなく、既存会館の回収と増配が両立する会社へ近づく。
借入を増やさずに新設会館を回せることが、回復の質を示す。買収額を競って地域を広げるのではなく、既存拠点の近くに投資を集める経営が続く。
- 葬祭施行・関連サービス:数量 29,000(連結葬儀施行件数(件/年))× 価格 127(施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円))→ 売上 368 億円・営業利益 63 億円。全国件数シェア約1.76%。単価は現状比1.26倍。変動費60万円/件、部門償却等17.5億円、その他固定費114.19億円。連結利益率は約10%で過去最高を超えない。
- FCのブランド使用料・商品供給等:数量 10,500(FC会館の葬儀施行件数(件/年))× 価格 9.50(FC施行1件当たりの本部実効収入(万円))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。ロイヤリティ料率3%は固定。施行件数と加盟店単価、商品供給等の構成が本部収入を決める。
- FC業務システム利用料:数量 72.0(年間平均の有料契約会館数(会館年))× 価格 92(1契約会館の年間利用料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料契約数量は現在の1.00倍、価格は1.10倍。AIによる操作画面の代替を反映する。
- FC有料研修:数量 3.6(有料研修の年間受講組数(組/年))× 価格 121(1組の研修料金(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料研修組数は現在の0.90倍、価格は1.34倍。端数は年間期待受講数。
- 不動産売買・仲介・空き家活用:数量 140(年間の成約・売却件数(件/年、推計))× 価格 800(成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。成約件数×仲介と自己物件売却を含む実効収入。物件価格そのものではなく、在庫投資も必要。
- 相続の専門家紹介・情報支援:数量 421(収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計))× 価格 27(1収益案件当たりの実効紹介収入(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。収益紹介案件は現在の0.90倍、単価は1.34倍。AIと専門家への直接依頼が数量を削る。
- リユース品の買取・販売:数量 9,600(年間販売取引数(件/年、推計))× 価格 15(販売取引1件当たり売上(万円))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。店舗数と店当たり取引数による販売件数。値段には物価を含むが数量には混ぜない。
倍率:10年後ROEは12.958%。k=7.5%、超過収益の残存割合1/2からRONIC=10.229%。全社のg=2.0%として、PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=14.626920倍の上限そのものを用いる。市場のPERとの比較や手動の割引は行わない。余剰現金は0で、時価総額は純利益×PER。現在の純負債を据え置いた参考EV/営業利益は9.29倍で20倍を下回る。
確率:22%。既存会館の成熟と小規模な統合効果は十分あり得る。ただし名古屋以外への展開費用と家族葬への移行を考え、価格・数量・利益率の三つが穏やかに改善する場合に限る。
中立 32% 件数シェアは広がるが単価と固定費が重い 利益 10 億円 · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 617 円139 億円
葬儀の必要性は変わらないが、業界全体の件数増加は小さい。ティアは小型会館を中心に商圏を広げ、連結の施行件数は全国の約1.5%に達する。既存店が急に強くなるのではなく、採算を確かめながら会館と地域の接点を少しずつ増やす。
名古屋では平安閣などとの競争が続き、家族葬や一日葬への移行が実効単価の上昇を抑える。八光殿と東海典礼の統合は一定の成果を出すが、全国どこでも同じ収益力を得られるわけではない。会館を維持する人員と家賃の負担は残り、利益率はかつての高水準には戻らない。
加盟店向けの情報サービスは縮小し、相続の事務的な紹介もAIの普及に押される。不動産やリユースは入口となる葬儀の増加に伴って緩やかに広がる。更新投資が現金を吸収するため、利益をすべて還元することはできない。配当は回復するが、借入に頼らず大きく増やせるほどの余裕は生まれない。
本業の顧客接点は維持されても、使わない会館を抱え続ける余裕はない。会館ごとの採算管理を続け、古くなった拠点の更新と撤退を選び直す必要がある。
- 葬祭施行・関連サービス:数量 25,000(連結葬儀施行件数(件/年))× 価格 120(施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円))→ 売上 300 億円・営業利益 44 億円。全国件数シェア約1.51%。利益に寄与する連結会館を概ね140から180台へ増やす。実効単価は現状比1.194倍。変動費55万円/件、その他固定費104.5億円、償却・のれん償却14.5億円から部門利益43.5億円。
- FCのブランド使用料・商品供給等:数量 8,800(FC会館の葬儀施行件数(件/年))× 価格 8.89(FC施行1件当たりの本部実効収入(万円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。ロイヤリティ料率3%は固定。施行件数と加盟店単価、商品供給等の構成が本部収入を決める。
- FC業務システム利用料:数量 61.2(年間平均の有料契約会館数(会館年))× 価格 92(1契約会館の年間利用料(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料契約数量は現在の0.85倍、価格は1.10倍。AIによる操作画面の代替を反映する。
- FC有料研修:数量 2.6(有料研修の年間受講組数(組/年))× 価格 121(1組の研修料金(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料研修組数は現在の0.65倍、価格は1.34倍。端数は年間期待受講数。
- 不動産売買・仲介・空き家活用:数量 100(年間の成約・売却件数(件/年、推計))× 価格 749(成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。成約件数×仲介と自己物件売却を含む実効収入。物件価格そのものではなく、在庫投資も必要。
- 相続の専門家紹介・情報支援:数量 304(収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計))× 価格 27(1収益案件当たりの実効紹介収入(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。収益紹介案件は現在の0.65倍、単価は1.34倍。AIと専門家への直接依頼が数量を削る。
- リユース品の買取・販売:数量 7,800(年間販売取引数(件/年、推計))× 価格 14(販売取引1件当たり売上(万円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。店舗数と店当たり取引数による販売件数。値段には物価を含むが数量には混ぜない。
倍率:10年後ROEは8.066%。k=7.5%、超過収益の残存割合1/2からRONIC=7.783%。全社のg=2.0%として、PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=13.509544倍の上限そのものを用いる。市場のPERとの比較や手動の割引は行わない。余剰現金は0で、時価総額は純利益×PER。現在の純負債を据え置いた参考EV/営業利益は9.95倍で20倍を下回る。
確率:32%。地域のブランドを維持し、数量はシェア拡大で増えるが、価格は物価に追いつかない状態を中心とする。下に寄せる理由:2025年度の既存店停滞、2026年度の大幅下方修正、名古屋市内のシェア低下、買収後の低い増分利益という会社固有の実績が重なるため。上側30%、下側38%であり、AI代替を確率にも重ねたわけではない。
やや悲観 26% 事業は残るが投下資本の回収が進まない 利益 4 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 221 円50 億円
家族葬会館の供給が増え、出店しても既存店から顧客を移すだけの場面が多くなる。全国での連結件数シェアは約1.3%にとどまり、投じた資本ほど施行件数が増えない。名古屋の知名度は残るが、値上げより割引や広告で集客を支える局面が続く。
買収先の統合にも時間がかかり、仕入れの共通化だけでは待機人員と賃借料を吸収しきれない。会社は大型買収を止め、新規出店も絞る。会館を閉じても撤退費用が必要で、全社の固定費をすぐに下げることはできない。
加盟店の伸びも鈍り、デジタルの有料サービスは切り離されていく。不動産の成約は減り、周辺事業が主力の弱さを埋める展開にはならない。営業黒字は保つが、借り換えの負担で株主に残る利益は薄い。配当を減らして更新投資を続けるため、事業は存続しても、株主にとって満足できる10年にはならない。
売上が緩やかに増えるため、経営が問題を認めるまでに時間がかかる。配当を支える現金が増えていないことが、事業規模より先に表れる警告になる。
- 葬祭施行・関連サービス:数量 21,000(連結葬儀施行件数(件/年))× 価格 112(施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円))→ 売上 235 億円・営業利益 33 億円。全国件数シェア約1.27%。単価上昇は約11%。変動費52万円/件、償却等14億円、その他固定費79.07億円。残る家賃を含め、部門黒字でも全社の収益は低い。
- FCのブランド使用料・商品供給等:数量 6,500(FC会館の葬儀施行件数(件/年))× 価格 8.00(FC施行1件当たりの本部実効収入(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。ロイヤリティ料率3%は固定。施行件数と加盟店単価、商品供給等の構成が本部収入を決める。
- FC業務システム利用料:数量 50.4(年間平均の有料契約会館数(会館年))× 価格 84(1契約会館の年間利用料(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料契約数量は現在の0.70倍、価格は1.00倍。AIによる操作画面の代替を反映する。
- FC有料研修:数量 2.0(有料研修の年間受講組数(組/年))× 価格 108(1組の研修料金(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料研修組数は現在の0.50倍、価格は1.20倍。
- 不動産売買・仲介・空き家活用:数量 60.0(年間の成約・売却件数(件/年、推計))× 価格 650(成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。成約件数×仲介と自己物件売却を含む実効収入。物件価格そのものではなく、在庫投資も必要。
- 相続の専門家紹介・情報支援:数量 234(収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計))× 価格 24(1収益案件当たりの実効紹介収入(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。収益紹介案件は現在の0.50倍、単価は1.20倍。AIと専門家への直接依頼が数量を削る。
- リユース品の買取・販売:数量 5,400(年間販売取引数(件/年、推計))× 価格 12(販売取引1件当たり売上(万円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。店舗数と店当たり取引数による販売件数。値段には物価を含むが数量には混ぜない。
倍率:ROE3.700%はk=7.5%を下回る。構造的に成長価値を認めず、稼ぐ力の上限1/k=13.333333倍を用いる。純利益÷kによる49.81億円は資産回収の床6億円より高く、両者を加算はしない。将来留保利益にPBRを掛けて価値を水増ししない。参考EV/営業利益は13.21倍。
確率:26%。会社が実際に抱える課題は、需要消失ではなく会館稼働と単価の弱さである。ブランドは残っても出店と買収の回収が遅れる場合を、破綻に近い極端な場合より厚くする。
悲観 12% 顧客流出と過剰会館で優良さを失う 利益 −6 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 27 円6 億円
競争の激しい地域で低価格の葬儀が定着し、ティアの会員基盤からの受注も減る。買収先の看板だけでは顧客流出を止められず、全国の連結件数シェアは1%を下回る。会館を減らしても、閉鎖後の賃借負担と残った拠点の人員費が利益を圧迫する。
これは短期の死亡数減少ではなく、投資した会館と顧客関係が期待した収益を生まない状態である。途中で買収関連資産に大きな減損を計上し、新規買収は止まる。相続の情報仲介は汎用AIと直接依頼に押され、不動産再販でも在庫を早く処分するために採算を失う。
初めは配当を保つものの、その後は減配を経て無配となる。現場の一部と顧客関係には譲渡可能性が残るが、買い手が過去の取得価格を払うとは考えない。借入や顧客への義務を果たした後に残る資産だけが株主の価値となる。葬儀の需要がなくならなくても、現在の会社の優良さは失われる。
会社全体が直ちに倒産するという想定ではない。採算の取れる拠点を残す再建は可能でも、その利益や資産の多くが債権者と事業維持のために使われる。
- 葬祭施行・関連サービス:数量 16,000(連結葬儀施行件数(件/年))× 価格 112(施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円))→ 売上 179 億円・営業利益 19 億円。全国件数シェア約0.97%。単価上昇は約11%。変動費52万円/件、減損・閉鎖後の償却等10.5億円、その他固定費66.68億円。主力部門の利益では全社費用を賄えない。
- FCのブランド使用料・商品供給等:数量 4,500(FC会館の葬儀施行件数(件/年))× 価格 7.50(FC施行1件当たりの本部実効収入(万円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。ロイヤリティ料率3%は固定。加盟店の減少と低価格化でブランド収入も縮む。
- FC業務システム利用料:数量 36.0(年間平均の有料契約会館数(会館年))× 価格 76(1契約会館の年間利用料(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料契約数量は現在の0.50倍、価格は0.90倍。AIによる操作画面の代替を反映する。
- FC有料研修:数量 1.2(有料研修の年間受講組数(組/年))× 価格 90(1組の研修料金(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。有料研修組数は現在の0.30倍、価格は1.00倍。端数は年間期待受講数。
- 不動産売買・仲介・空き家活用:数量 40.0(年間の成約・売却件数(件/年、推計))× 価格 550(成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。成約減少と在庫の処分損を反映する。物件売却総額と仲介手数料の混合であり、物件価格そのものではない。
- 相続の専門家紹介・情報支援:数量 140(収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計))× 価格 20(1収益案件当たりの実効紹介収入(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。収益紹介案件は現在の0.30倍、単価は1.00倍。AIと専門家への直接依頼が数量を削る。
- リユース品の買取・販売:数量 3,600(年間販売取引数(件/年、推計))× 価格 11(販売取引1件当たり売上(万円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。取引件数減少に対し、査定人員・店舗・物流の費用が残る。
倍率:継続利益が赤字なので利益倍率を使用しない。現在の自己資本86億円から求めた資産回収額6億円に対応するPBRは6÷86=0.069767倍。将来自己資本32.72億円へ掛ける倍率ではなく、過去の市場PBRにも依存しない。途中の30億円の減損は純利益累計に一度だけ含め、床への別加算や二重控除はしない。
確率:12%。会館過剰と顧客流出が続き、買収関連資産の回収が難しくなる場合。現在のGC注記やTOBの事実を意味しない。のれんの厚さにより株主の損失が非対称になり得る一方、需要自体は残るため、この筋書きを中心にはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
葬祭施行・関連サービス
直営と連結子会社の葬儀、法要、生花など。葬儀後の独立した不動産・相続・リユース収入は別にする。
| 数量連結葬儀施行件数(件/年) | 価格施行1件当たりの葬祭セグメント実効収入(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 19,773 | 100 | 199 | 33 |
| 10 年後 中立 | 25,000 | 120 | 300 | 44 |
取り方:数量19773件は資料1の18頁、内訳はティア15889件、八光殿2285件、東海典礼1599件。19頁の葬儀基本単価89.7万円を掛けると177.36億円となり、セグメント売上198.65億円との差21.29億円は法要等の関連売上を含む。この差を明示して実効収入100.465281万円としたもので、会社開示の葬儀単価とは異なる。葬儀以外を含むため関連売上の独立数量は把握できない。TLDの売上は既存セグメントに含まれ、別に足さない。国全体の死亡数は社人研2023年推計の2036年165.2万人を共通母数とし、中立25000件は全国件数シェア約1.51%。市場自身の成長ではなく、会館の純増と地域シェア拡大を見込む。実効単価は100.47万円から120万円と、物価より低い上昇にとどめる。人口推計の出典:https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf の表1-5。現場型であり人月・席課金のAI代替型には該当しない。全国シェアは暦年と決算年度の異なる概算である。燦の統合後2.7%の出典は同社の統合発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000146686.html 。
FCのブランド使用料・商品供給等
加盟店の葬儀に対応するブランド使用料、備品・商品供給、開業支援等。情報システムと有料研修は分ける。
| 数量FC会館の葬儀施行件数(件/年) | 価格FC施行1件当たりの本部実効収入(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 6,697 | 7.41 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 8,800 | 8.89 | 8 | 1 |
取り方:資料1のFC施行6697件とFC外部売上5.60億円を使用。公式加盟条件ではロイヤリティは総合売上の3%、別に商品供給等がある。下記のシステム0.6048億円と研修0.036億円を推計控除し、残り4.9592億円を施行1件当たり7.405107万円とした。3%は料率であり物価を掛けず、加盟店の葬儀単価や商品価格の上昇だけを実効収入に反映する。対象市場は国内葬儀であり、別の最終需要ではない。期末74の加盟会館は全国11955会館の約0.62%に相当するが、全国のFCだけを母数とするシェアではない。中立8800件への増加は加盟網の拡大による。直接の人月売りではない現場の供給網として扱う。料金出典:https://fc.tear.co.jp/about_fc および https://tear-fclp.com/ 。内部の利益配分は推計であり、FC全体の営業利益0.94億円に一致させた。
FC業務システム利用料
加盟店向けの業務システム。操作画面への定額課金部分をブランド収入と区別する。
| 数量年間平均の有料契約会館数(会館年) | 価格1契約会館の年間利用料(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 72.0 | 84 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 61.2 | 92 | 1 | 0 |
取り方:公式加盟条件の月7万円を12か月分とし、年間84万円。期末加盟会館74に対して稼働時期を考慮した平均72会館を推計し、売上0.6048億円とした。既存契約への料金適用と会館別の開始時期は非開示であり、実績内訳ではない。対象市場は自社FC網に限定し、汎用業務ソフトの市場を足さない。AI エージェント代替の型は操作画面が価値の中心。中立数量0.85倍、価格1.10倍、当該部分のg_longは0%。加盟店が増えても有料システムを別途使う比率が下がる。規制対応・解約率等の堀の証拠は二つ揃わず、記録の正本とは分類しない。料金出典:https://fc.tear.co.jp/about_fc 。個別営業利益も分析上の推計で、FC事業の開示利益からの配分である。
FC有料研修
加盟店の開業に伴う有料教育。社内教育費や現場施行の代金とは区別する。
| 数量有料研修の年間受講組数(組/年) | 価格1組の研修料金(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 4.0 | 90 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.6 | 121 | 0 | 0 |
取り方:公式加盟条件の3か月研修90万円、最大4名までを使用。FC会館の期末増加を手掛かりに年4組と推計したが、新規開業数、再受講数、収益認識時期は非開示であり、0.036億円は推計内訳。市場は自社FCの新規・追加教育需要で、全国研修市場は使用しない。AI エージェント代替は研修を売る人月・工数型。中立数量0.65倍、価格1.34倍、当該部分のg_longは0%。楽観でも自社AI研修の売上開示がないため数量を現在以上に増やさない。料金出典:https://fc.tear.co.jp/about_fc 。個別営業利益も分析上の推計で、FC事業の開示利益からの配分である。
不動産売買・仲介・空き家活用
葬儀や相続の接点から発生する物件売買、仲介、再販等。紹介だけの相続情報サービスを除く。
| 数量年間の成約・売却件数(件/年、推計) | 価格成約1件当たりの売上計上額(万円、総額売上と手数料の混合) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 74.0 | 559 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 100 | 749 | 7 | 1 |
取り方:公式 https://tear-fudosan.com/ の年間相談357件・成約74件を数量の校正値にした。対象年度の明示がなく、2025年度の監査済み件数ではない。その他売上11.36億円から、買取額に基づくリユース推計6.293333億円を除き、不動産・相続の計5.066667億円を求めた。資料2の現在の構成比では相続手続き18.4%、それ以外81.6%なので、後者4.1344億円を不動産に仮配分し、実効売上558.702703万円とした。年度の異なる構成比を用いる推計であり、これは物件そのものの平均価格ではない。国交省「既存住宅市場の整備・活性化に向けて」14頁の2023年流通31.9万戸に対する74件は約0.023%だが、土地・仲介を含むため厳密な同一定義のシェアではない。中立100件でも全国の0.04%未満で、業界支配ではなく自社顧客からの成約増を想定する。再販競合のカチタスは同資料21頁で5535戸、上位50社の合計26834戸の約20.6%。全国市場全体の20.6%ではない。資料:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001849549.pdf 。営業利益0.70億円は、その他事業の開示利益1.28億円を配分した推計で、個別事業の開示値ではない。
相続の専門家紹介・情報支援
相続相談を整理して専門家につなぐ部分。物件売買や資格者自身の法定業務の売上は含めない。
| 数量収益につながる年間紹介案件数(件/年、推計) | 価格1収益案件当たりの実効紹介収入(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 468 | 20 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 304 | 27 | 1 | 0 |
取り方:公式 https://www.tearnext.co.jp/ の年間相談2600件超を利用。これは2026年設立子会社の現在の表示で、2025年度実績と同一とは確認できない。初回相談は無料なので、相談全件を売上件数とせず、18%が収益案件になると仮定した468件を校正値に用いる。上記不動産・相続推計売上の18.4%は0.932267億円で、単価は19.920228万円。料金を遺族が直接支払うという意味ではなく、紹介収入等の実効値である。全国の同一定義の市場額と競合別シェアは非開示で、潜在需要は年間の相続発生件数に結びつく。AI エージェント代替は情報・相談サービスとして人月型に準じ、中立数量0.65倍、価格1.34倍、当該部分のg_longは0%。顧客データがあるだけでは記録の正本と扱わない。営業利益0.25億円は、その他事業の開示利益1.28億円を配分した推計で、個別事業の開示値ではない。
リユース品の買取・販売
八光殿グループのリサイクルマート店舗による現物買取と販売。相続時の処分需要も入口となる。
| 数量年間販売取引数(件/年、推計) | 価格販売取引1件当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 6,000 | 10 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 7,800 | 14 | 11 | 1 |
取り方:会社の2025年10月個人投資家資料にある3店舗と2025年度上期の買取額2.36億円を数量・価格推計の起点とした。上期を年換算した買取原価4.72億円に、仮定の粗利益率25%を用いると売上は6.293333億円。1店舗年間2000件、3店舗計6000件は取引件数の仮定であり、売上から架空の実績数量を逆算したものではない。両者から単価10.488889万円とする。仕入れと売上の期ずれ、貴金属相場、卸売の比率は不明で、その他事業の中では推計幅が大きい。環境省の2024年国内消費者向け市場は自動車等を除き12813億円で、比較用の規模感は0.05%程度。ただし卸売を含む可能性があり厳密なシェアではない。中立は店舗と取引数の小幅増、価格は物価並み。競合はコメ兵、セカンドストリート等だが、同一定義の国内品目別シェアは確認できない。出典:https://www.tear.co.jp/company/pdf/index/202501014kojin.pdf 、https://www.env.go.jp/content/000321557.pdf 。営業利益0.33億円は、その他事業の開示利益1.28億円を配分した推計で、個別事業の開示値ではない。
リスクと懸念
家族葬への移行と会館同士の顧客の奪い合い
死亡数が横ばいでも、一般葬から家族葬や一日葬へ移れば、一件の売上と必要な会館面積が変わる。自社の小型会館が既存の大型会館から顧客を奪う場合もあり、出店件数だけでは成長を測れない。既存店の施行件数と単価を別々に確認し、材料費が減っても待機人員と家賃が残る点を見る。
買収代金の回収と無形資産の減損
2025年度末ののれんと顧客関連資産は合計約65億円ある。[資料3] 買収先の件数が伸びなければ、支払済みの取得代金を将来の現金で回収できなくなる。償却費が非現金費用であることは、買収が成功した証拠ではない。追加買収で既存事業の低成長を覆う場合は、帳簿の利益と投資回収の双方を疑う。
借り換え金利と家賃という固定負担
純負債に加えて、会館の賃借は毎年支払う約束である。借り換え金利が上がる局面で配当と出店を維持すると、営業利益の回復が株主利益に届きにくい。新リース会計の適用で貸借対照表が膨らんでも、経済的な負担が突然増えたと取り違えない。反対に、現行の帳簿に載らない家賃負担を無視して財務を強いとも評価しない。
死亡数の頂点と名古屋への依存
死亡数の長期推計は、10年後からその先の永久成長を支えるものではない。名古屋市内での高いシェアも、全国で同じ比率を獲得できる証拠ではない。人口や死亡数の短期変動に、特定地域の競争激化が重なると、安定需要の会社でも利益は縮む。全国件数と主要商圏のシェアを分けて点検する。
人員不足とサービス品質の毀損
夜間の搬送、遺体の取り扱い、遺族への説明は、人数を減らすだけでは効率化できない。出店が教育と採用を先行すると、応援人員や外注の費用が増えるうえ、一度の重大な対応不備が地域の信用を傷つける。会館数の拡大より、経験者の定着と施行品質を優先できるかが長期の件数を左右する。
AI エージェント代替
主力の葬儀施行は現場型だが、有料研修、操作システム、相続の情報仲介は代替圧力を受ける。これらは推計で売上の約0.7%であり、全社を人月型として縮小させるのは不適切である。一方、AIによる料金比較は主力の値上げも難しくする。直接対象部分の数量・価格と長期成長に反映し、資本コストや確率には同じ理由を重ねない。
不動産再販への拡大と推計の不確かさ
相続相談から物件を取得する事業は、紹介収入と違って在庫資金と売却損を抱える。葬儀で得た信用を損なわない取引条件も欠かせない。周辺事業の数量や利益は細かく開示されず、本分析には公開相談件数や買取額からの推計を含む。主力以外の収益を精密な実績と誤認せず、内訳開示が進めば数量と資金需要を更新する。
今後の分かれ目
- 既存店の施行件数が継続して増え、名古屋市内斎場シェアが29%台を回復する。
- 需要の回復だけでなく競争力の回復も確認できる。中立の数量達成への確信を強め、出店を伴わない増益が続くなら上側の確率を高める。
- ティア単体の葬儀単価が物価に沿って上がり、同時に件数と顧客満足が維持される。
- 買収先の構成変化ではない価格転嫁の証拠になる。中立の実効単価と利益率を見直すが、単価だけ上がって件数が減る場合は評価を上げない。
- 新設会館と買収先について、更新投資後の現金回収が開示され、再投資利回りが資本コストを安定して上回る。
- 拡大が株主価値を増やしていると判断できる。追加投資を認める余地が増え、逆に回収の遅れを追加買収で覆うなら下側を厚くする。
- 純負債が営業利益の4倍以内へ減り、配当後の現金収支も継続して黒字になる。
- 借り換えへの依存が薄れる。規定の負債補正を再判定するとともに、初めて自由に還元できる余剰現金があるかを確認する。
- FCのシステム利用料や研修料が縮んでも、加盟店の施行件数とブランド使用料が増える。
- デジタル部分の代替と現場ネットワークの価値を分けて評価する。情報サービスの成長率を戻す理由にはせず、ブランド収入の数量だけを更新する。
- 不動産の在庫保有期間が長期化し、売上が増えても営業キャッシュフローが悪化する。
- 周辺事業の利益率と投下資本を引き下げ方向に見直す。葬儀の安定収入を在庫投資へ吸い上げる構造なら、配当の継続可能性も再評価する。
- 会館を減らしても既存店の数量と利益率が戻らず、減損と減配が繰り返される。
- 一時的な投資負担ではなく、商圏内の構造的な敗退に近い。悲観の比重を上げ、帳簿資本ではなく債務控除後の資産回収額を改めて点検する。
見ておくもの
- 買収による連結範囲の増加を除いた、既存店の葬儀件数と実効単価。
- 名古屋市内斎場シェアと、関東・関西の会館別稼働率。
- 新設会館の開業後3年間の利益・現金回収と、閉鎖会館の賃借負担。
- 営業キャッシュフローから更新投資と配当を引いた残額、純負債、借入金利。
- 八光殿・東海典礼・ティア北海道の既存店利益と、のれんの回収可能性。
- FCの施行件数、年平均契約会館数、システム・研修の料金改定。
- ティアネクストの成約件数、在庫回転、買取再販と紹介収入の内訳。
倍率と資本コストの決め方
財務・株価・株数は添付を正本とし、株価基準日は2026年10月19日で固定した。 予測は2027~2036年度の10期。確定自己資本を2026年度の利益・配当予想で橋渡しし、権利落ち済みの2026年度配当は将来還元に含めない。数量と名目単価から利益を出し、倍率はk・ROE・長期成長だけで決めた。株価が半分でも価値は変わらない。悲観の床に過去PBRや留保利益は使わず、のれん等を除いた資産回収額を用いる。新リース会計が適用される2028年9月期以降も、家賃を営業費用に含める現行形式で比較した。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に、過去の利益変動と純負債から求める補正を合算した。小型株であること、株価の変動率、買収の成否、名古屋への集中を別の上乗せにはしていない。最後の二つは数量・利益率と確率で扱う。