株譜
AI 銘柄分析 · 電気・ガス業 · 試作

アースインフィニティ 7692

代理店で小さな店や工場に電気を売る新電力。伸びは速いが、発電所を持たず市場で電気を買う商売に堀はなく、値段は高い

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)51 円56 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)72 円79 億円差 −29.1%
10 年後から見ると やや割高 価値 51 円56 億円 · 差 −29.1% · 期待の年率 +4.0%
期待の年率リターン(10 年)+4.0%資本コスト比 −5.0 pt
推定の資本コスト9.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アースインフィニティは、大阪の新電力だ。自前の発電所は持たず、卸電力の市場で電気を買い、小さな工場や店、飲食店、家庭に売る。筆者の結論は「割高」である。伸びは速いが、利益の源泉がまねされやすく、市場の電気の値段が跳ねれば一気に赤字になる。

2026 年 7 月期は売上 77 億円、営業利益 8.2 億円だった。営業利益率は 10%を超え、新電力としては高い。代理店を使って契約を増やし、市場の仕入れ値を料金に映す独自の仕組みで、値段の振れを客に回している。会社は来期の売上を 37%増と見込む。

ただ、この高い利益率が 10 年続くとは考えにくい。同じ仕組みは他の新電力もまねでき、大手電力も小さな客を取り返しに来る。2022 年 7 月期には市場の高騰で営業赤字に落ちた。売掛金の回収の遅れも増えている。

時価総額 82 億円は、今の純利益の 14 倍だ。筆者は、伸びが続く間の値打ちは認めるが、利益率の縮みと市場の急騰の危うさを考えると、今の値段に安全域はないと見る。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、この会社は「わかりやすいが、長く持ちたい事業ではない」。電気を市場で仕入れて、代理店を通じて小さな客に売る。仕組みは単純で、資本はほとんど要らない。今は高い利益率で稼いでいる。

だが、10 年後に今より強くなっている姿は描けない。電気は値段で選ばれる商品だ。今の利幅は、他社がまだ取りに来ていない隙間で稼いでいるにすぎない。隙間はいずれ埋まる。

もう一つの危うさは、市場の急騰だ。料金に仕入れ値を映す仕組みがあっても、高騰が長引けば客は離れ、払えない客も増える。2022 年 7 月期の赤字は、その小さな予告だった。

筆者は、伸びが続く数年は利益が増えると見る。それでも、10 年の利益の平均と、急騰の年の損を合わせて考えると、今の値段は高い。安全域のない値段で、堀のない事業を買う理由は乏しい。

何で稼ぐ会社か

事業はほぼ電気の小売だけだ。売上の 98.5%がエネルギー事業で、残りは電子ブレーカーの販売である。

電気の売り先は、低圧の小規模な工場、商店、飲食店、一般家庭と、高圧の中小規模の工場やビルだ。都市ガスも売る。契約は 2024 年 9 月に 5 万件を超え、売上の伸びから見て今は 6 万件前後とみられる。1 件あたりの売上は年 13 万円ほどになる。

仕入れは日本卸電力取引所(JEPX)の市場からだ。発電所を持たない分、設備の投資はほとんど要らない。その代わり、市場の値段が跳ねると仕入れ値がそのまま上がる。会社は独自の燃料費等調整額で、市場の仕入れ値を料金に映す仕組みを入れた。値段の振れを客に回し、自社の損を抑える狙いだ。

売り方は代理店が中心だ。自社の営業の人手を増やさずに契約を広げられるが、代理店に払う手数料がかかり、客の質も代理店に左右される。電子ブレーカーは、店や工場の契約の電気の容量を下げて基本料金を減らす機器で、電気の契約を取る入り口にもなる。本社は大阪で、社員は少なく、固定費の軽さが利益率の高さを支えている。

優良さと弱いところ

強みは、小さな客に絞った販売の仕組みだ。大手電力が手間をかけにくい小さな店や工場に、代理店を通じて安い料金を示し、契約を積み上げてきた。営業利益率は 10%を超え、自己資本利益率は 40%台と高い。設備をほとんど持たないので、少ない資本で稼げる。

しかし堀、つまり他社がまねできない強みはない。電気は誰から買っても同じで、客は値段で選ぶ。市場の仕入れ値を料金に映す仕組みも、他の新電力がすでに使っている。大手電力や都市ガス会社、通信会社も小さな客を取りに来る。

利益の質も危うい。2022 年 7 月期は市場の高騰で 4 億円の営業赤字だった。売掛金はこの 1 年で 5 億円増え、回収の遅れた長期滞留債権も 1.6 億円に膨らんだ。小さな客に売る商売は、景気が悪くなると払えない客が増える。筆者は、今の高い利益率は伸びの途中の一時的なものと見る。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

電力の小売は 2016 年に全面自由化された。新電力の販売量のシェアは 2 割強、家庭や小さな店の低圧では 26%ほどだ。2022 年度に燃料と市場の電気が高騰し、多くの新電力が撤退や倒産に追い込まれた。大手の旧一般電気事業者は今も 8 割前後を握る。

生き残った新電力は、市場の仕入れ値を料金に映す形に変わった。客に値段の振れを負わせるので、新電力の損は減る。ただ、客から見れば料金が読めない。市場が落ち着いている間は安いが、高騰すれば大手の規制料金より高くなる。その時、客は大手に戻る。

国内の電力の量は、データセンターと半導体の工場で増える見込みだ。しかしアースインフィニティの客の小さな店や工場は、人口減で数が細る。値段は燃料と市場で決まり、物価並みに上がるとみるのが自然だ。

競争は激しい。大手電力、都市ガス、通信、石油元売りの子会社が、ポイントやセット割で客を囲う。代理店で契約を取る新電力は数多く、手数料の競争で利幅は削られていく。発電所を持つ大手は、市場が高い時ほど有利になる。自前の電源がない新電力は、その時に最も弱い立場に立たされる。

資本政策と M&A

株主への還元は配当が中心だ。配当性向は 5 割前後を保ち、2026 年 7 月期は総額 2.9 億円を払った。2027 年 7 月期も増配を見込む。自社株買いの実績はほとんどない。

財務は軽い。借入と社債は 11 億円、現金は 5 億円で、純負債は 6 億円ほどだ。設備投資は年に数百万円しか要らない。ただ、売上が増えるほど売掛金がふくらみ、運転資金を短期の借入で賄う形になっている。この 1 年で短期借入は 2 億円増えた。

買収の計画はない。上場は 2020 年と新しく、創業者の濵田幸一社長が経営を率いる。小さな新電力どうしの再編や、大手への身売りが起きる可能性はあるが、発表はない。株主優待はない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

伸びは本物だ。売上は 2025 年 7 月期に 34%、2026 年 7 月期に 15%伸び、会社は来期にさらに 37%増を見込む。営業利益は 10 億円を超える計画だ。代理店を使えば、自社の人手を増やさずに契約を積み増せる。

利益の仕組みも改善した。市場の仕入れ値を料金に映す独自の調整額を入れ、2022 年のような高騰でも損を客に回せる。設備を持たないので、売上が増えた分はほとんど利益になる。自己資本利益率は 40%台で、配当は利益の半分を払う。

市場は広い。低圧の小さな店や工場は全国に数百万件あり、6 万件はそのごく一部だ。大手電力は小さな客に手間をかけない。電子ブレーカーで基本料金を下げる提案は、客の入り口として効く。契約が 15 万件に届けば、利益は今の 3 倍になる。それでも全国の小さな客の数パーセントにすぎない。

都市ガスとの組み合わせや、再生可能エネルギーの電気の調達でも、客を広げる余地がある。2022 年の高騰を乗り越えたこと自体が、仕組みの強さの証拠だ。多くの新電力が消えた中で生き残り、残った客を取り込める立場にある。

慎重な見方

堀がない。電気はどこから買っても同じで、客は値段で選ぶ。市場の仕入れ値を料金に映す仕組みは他の新電力も使い、大手電力やガス、通信の会社もセット割で小さな客を囲う。今の 10%を超える利益率は、競争が追いつくまでの一時的なものだ。

市場の急騰は必ずまた来る。2022 年 7 月期には 4 億円の営業赤字に落ちた。料金に仕入れ値を映しても、高騰が長引けば客は大手の規制料金に戻る。その時、新電力は客を失い、残った客は払えなくなる。

回収の遅れはすでに出ている。売掛金はこの 1 年で 5 億円増え、長期滞留債権は 9 倍の 1.6 億円になった。営業の現金の出入りは赤字だった。売上を増やすほど運転資金が要り、短期の借入で賄っている。

代理店頼みの販売は、客の質を代理店に委ねる。手数料の競争で利幅は削られ、無理な契約の解約も増える。今の値段は、この伸びが 10 年続く前提に近い。上場から 6 年で、利益が安定して続いた実績はまだ短い。赤字の年を含めて見れば、利益の平均は今よりかなり低い。

どちらに重みを置いたか

慎重な見方にやや分がある。伸びは本物で、数年は利益が増える見込みが強い。しかし堀がなく、市場の急騰と回収の遅れという、利益を一気に消す危うさを抱える。確率は中立に 4 割弱を置き、やや悲観と悲観に合わせて 4 割弱を置いた。会社の伸びの計画には、やや楽観に 2 割弱で重みを残した。楽観は利幅を保ったまま件数が 2.5 倍になる形で、新電力に例がないため 1 割未満にとどめた。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/07 期)

確率で加重した株価時価総額 80 円89 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 26 円29 億円)。 今の値に割り戻すと 51 円56 億円、今との差 −29.1%、 期待の年率 +4.0%(資本コスト 9.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 231 円254 億円 54 円60 億円 +296.3% +14.8% 20 円22 億円
やや楽観 18% 156 円171 億円 40 円44 億円 +171.7% +10.5% 35 円39 億円
中立 37% 89 円98 億円 29 円32 億円 +63.5% +5.0% 44 円48 億円
やや悲観 24% 12 円14 億円 15 円16 億円 −62.6% −9.4% 6 円7 億円
悲観 14% 3 円4 億円 7 円8 億円 −85.4% −17.5% 1 円2 億円
加重平均100% 80 円89 億円26 円29 億円 +48.2% +4.0% 107 円117 億円

今の株価時価総額 72 円79 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。

楽観 7% 契約が 15 万件に伸び、利幅も保つ 利益 18 億円 · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 231 円254 億円

代理店の網が全国に広がり、契約は 15 万件に届く。大手電力が手間をかけない小さな店や工場で、確かな地盤を築く。都市ガスや電子ブレーカーとの組み合わせで、客は離れにくくなる。

市場の仕入れ値を料金に映す仕組みが定着し、高騰の年も大きな損を出さない。値段は物価並みに上がる。セグメントの利益率は 13%を保ち、営業利益は 27 億円になる。

配当は性向 5 割で増え続ける。小さな新電力どうしの再編で、客を買い取る側に回ることもある。長期滞留債権も回収の仕組みで減り、利益の質も上がる。自己資本は 70 億円を超え、運転資金の借入も要らなくなる。

  • エネルギー(電気・都市ガスの小売):数量 150(契約件数(千件))× 価格 1.34(1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 255 億円・営業利益 33 億円。数量 150、単価 1.34 倍、利益率 13.0%
  • 電子機器(電子ブレーカー):数量 150(出荷量の指数(2026/07 = 100))× 価格 1.34(単価の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。数量 150、単価 1.34 倍、利益率 25.0%

倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 24.6% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 14.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.4 倍。全体の PER 14.37 倍、時価総額 253 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:会社の来期の計画は売上 37%増で、伸びの勢いはある。ただ、利幅を保ったまま件数を 2.5 倍にするのは新電力では例がなく、1 割を切る。

やや楽観 18% 伸びは続くが、競争で利幅が少し縮む 利益 12 億円 · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 156 円171 億円

代理店の網は広がり続け、契約は 11.5 万件になる。値段は物価並みよりわずかに弱い。大手電力やガス会社との競争で、セグメントの利益率は 12.5%に縮む。

営業利益は 18 億円になり、今の 2 倍強だ。市場の高騰の年は利益が落ちるが、赤字にはならない。売掛金の回収の仕組みも整い、貸し倒れは抑えられる。

配当は性向 5 割を保つ。運転資金は利益で賄え、借入は増えない。新電力の中では、生き残った側の一社になる。それでも発電所を持たない以上、市場の高い年の利益の落ち込みは避けられない。利益は年ごとに上下しながら伸びる。

  • エネルギー(電気・都市ガスの小売):数量 115(契約件数(千件))× 価格 1.32(1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 193 億円・営業利益 24 億円。数量 115、単価 1.32 倍、利益率 12.5%
  • 電子機器(電子ブレーカー):数量 130(出荷量の指数(2026/07 = 100))× 価格 1.32(単価の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。数量 130、単価 1.32 倍、利益率 25.0%

倍率:事業の純利益 12 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 23.0% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 13.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.1 倍。全体の PER 14.14 倍、時価総額 165 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:会社の来期の計画と、この数年の売上の伸びの実績が根拠。競争で利幅は縮むが、件数の伸びがそれを補う形で 2 割弱。

中立 37% 件数は 9 万件で頭打ち、利幅は普通の新電力へ 利益 7 億円 · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 89 円98 億円

代理店による契約の積み増しは数年続き、その後は解約と新規が釣り合う。契約は 9 万件で頭打ちになる。値段は燃料と市場で決まり、1 件あたりの売上は 10 年で 1.3 倍だ。

競争で利幅は削られ、セグメントの利益率は今の 17%から 11%に下がる。本社と代理店の費用は物価で増える。営業利益は 10 億円、売上の 7%だ。

市場の高騰の年は利益が大きく落ちるが、料金に映す仕組みで赤字は避ける。配当は性向 5 割を保ち、自己資本はゆっくり厚くなる。目立たない中堅の新電力として残る。大手に客を取り返される年もあれば、他社の撤退で客が増える年もある。

  • エネルギー(電気・都市ガスの小売):数量 90.0(契約件数(千件))× 価格 1.30(1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 149 億円・営業利益 16 億円。数量 90、単価 1.30 倍、利益率 11.0%
  • 電子機器(電子ブレーカー):数量 120(出荷量の指数(2026/07 = 100))× 価格 1.30(単価の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。数量 120、単価 1.30 倍、利益率 25.0%

倍率:事業の純利益 7 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.2% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 12.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.4 倍。全体の PER 13.37 倍、時価総額 91 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:伸びの勢いはあるが、堀がなく利幅は競争で縮むとみるのが自然。会社の計画の数年先で伸びが止まる形が最も起きやすい。

やや悲観 24% 大手の取り返しと回収の遅れで、利益がほぼ消える 利益 0 億円 · PBR 0.6 倍 · 株価時価総額 12 円14 億円

大手電力とガス、通信の会社がセット割で小さな客を囲い、代理店の手数料の競争も激しくなる。契約は 6 万件のまま増えない。

料金に仕入れ値を映す仕組みは客に嫌われ、市場の高い年に解約が増える。払えない客も増え、貸し倒れが利益を削る。セグメントの利益率は 7%に落ち、本社の費用を引くと営業利益はほぼゼロだ。

配当は細り、自己資本は伸びない。代理店の網を保つのも難しくなる。売上はあっても、株主に残るものはほとんどない新電力になる。身売りの話が出ても、客の質の悪さが値段を下げる。残るのは回収の遅れた売掛金と、代理店に払い続ける手数料だ。

  • エネルギー(電気・都市ガスの小売):数量 60.0(契約件数(千件))× 価格 1.25(1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 95 億円・営業利益 7 億円。数量 60、単価 1.25 倍、利益率 7.0%
  • 電子機器(電子ブレーカー):数量 100(出荷量の指数(2026/07 = 100))× 価格 1.25(単価の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量 100、単価 1.25 倍、利益率 20.0%

倍率:利益は薄く、稼ぐ力(純利益 ÷ k)は 4 億円ほどしかない。それより高い売れる資産の床(floor_assets、約 7 億円)で見て、facts の今の自己資本 12 億円への PBR 0.58 倍にあたる。PBR は中立より低い。

確率:売掛金の増加と長期滞留債権の 9 倍増はすでに起きている。大手の囲い込みも進んでおり、4 分の 1 近くを置く。

悲観 14% 市場の高騰が長引き、赤字と貸し倒れで縮む 利益 −6 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 3 円4 億円

燃料と卸電力の市場の高騰が長引く。料金に映すと客は大手の規制料金に戻り、映しきれない分は損になる。契約は 3 万件に半減する。

小さな客の倒産で貸し倒れが増え、売掛金の回収が止まる。営業赤字が続き、配当は止まる。運転資金の借入の返済に追われ、事業の縮小を迫られる。

値打ちは事業の稼ぎでは測れない。残るのは回収できる売掛金と、わずかな現金だけだ。他の新電力か大手に客ごと売られるとしても、高い値段は付かない。2022 年度に撤退した多くの新電力と同じ道をたどる。創業から築いた代理店の網も、ほとんど値打ちを持たない。

  • エネルギー(電気・都市ガスの小売):数量 30.0(契約件数(千件))× 価格 1.20(1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 46 億円・営業利益 −1 億円。数量 30、単価 1.20 倍、利益率 -3.0%
  • 電子機器(電子ブレーカー):数量 80.0(出荷量の指数(2026/07 = 100))× 価格 1.20(単価の指数(2026/07 = 1.00))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量 80、単価 1.20 倍、利益率 10.0%

倍率:赤字で稼ぐ力はない。売れる資産の床(floor_assets、約 3.6 億円)で見て、facts の今の自己資本 12 億円への PBR 0.3 倍にあたる。売掛金は貸し倒れで目減りし、借入を返すと残る資産は小さい。

確率:2022 年度の高騰では多くの新電力が撤退・倒産し、同社も営業赤字になった。発電所を持たない会社に同じ形が長引けば起きうるので 1 割強。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

エネルギー(電気・都市ガスの小売)

卸電力の市場で電気を買い、代理店を通じて小さな工場・店・家庭に売る。都市ガスも売る。

数量契約件数(千件)価格1 件あたり年間売上の指数(2026/07 = 1.00)売上営業利益
今 2026/07 60.0 1.00 76 13
10 年後 中立 90.0 1.30 149 16

取り方:件数の最新の開示はなく推定。2024 年 9 月に 5 万件を超えたとの発表と、その後の売上の伸びから 6 万件とし、決算短信のエネルギー事業の売上 76.17 億円を割って 1 件あたり年 12.7 万円を rev_factor とした。セグメント利益 12.76 億円。

電子機器(電子ブレーカー)

店や工場の契約容量を下げる電子ブレーカーを売る。

数量出荷量の指数(2026/07 = 100)価格単価の指数(2026/07 = 1.00)売上営業利益
今 2026/07 100 1.00 1 0
10 年後 中立 120 1.30 2 1

取り方:量の開示がないので、決算短信の売上 1.16 億円を指数 100 とした。セグメント利益 0.33 億円。

リスクと懸念

卸電力の市場の高騰

電気は全量を JEPX の市場から買う。2022 年度のように燃料と市場の値段が跳ねれば、仕入れ値が料金を上回る。2022 年 7 月期は 4 億円の営業赤字だった。料金に仕入れ値を映す仕組みはあるが、長引けば客が離れる。

回収の遅れと貸し倒れ

売掛金はこの 1 年で 5 億円増え、長期滞留債権は 0.2 億円から 1.6 億円に膨らんだ。小さな店や工場は景気に弱く、払えない客が増えれば利益が削られる。営業の現金の出入りは 2026 年 7 月期に赤字だった。

大手と異業種の囲い込み

大手電力、都市ガス、通信、石油の会社が、ポイントやセット割で小さな客を取りに来る。電気は値段で選ばれ、乗り換えの手間も小さい。今の高い利益率は競争で薄れやすい。

代理店頼みの販売

契約の多くは代理店が取る。手数料の競争で利幅が削られ、無理な契約や説明不足の苦情が増えれば、解約や行政の指導につながる恐れがある。

制度の変更

容量市場の負担金、再生可能エネルギーの賦課金、託送料金など、制度で決まる費用が多い。制度の変更で新電力の負担が増えれば、料金に映しきれない分が利益を削る。

今後の分かれ目

2027 年 7 月期に売上 105 億円・営業利益 10 億円の計画を達成したら
件数の伸びが本物で、やや楽観の確率を上げる。
卸電力の市場の値段が高騰し、四半期で営業赤字になったら
危うさが表に出た形で、やや悲観と悲観の確率を上げる。
長期滞留債権と貸倒引当金がさらに増えたら
客の質が落ちている証拠で、利益率の見方を下げる。
大手電力や他の新電力が買収を提案したら
株主の顔ぶれが変わり、TOB の可能性が出る。分析の前提を見直す。
契約件数の開示を始め、解約率も示したら
数量の推定を開示の数に置き換え、確率を見直す。

見ておくもの

  • 契約件数と解約の動き
  • エネルギー事業のセグメント利益率
  • JEPX のスポット価格
  • 売掛金と長期滞留債権・貸倒引当金
  • 営業キャッシュ・フロー

倍率と資本コストの決め方

今の株価からは置かず、契約件数 × 1 件あたり売上で積んだ。件数は 2024 年 9 月の 5 万件の発表から推定した。facts は 2025/07 期までなので、2026/07 期の決算短信の売上・利益・自己資本を起点にした。倍率は ROE と k から正当化 PER を出し、堀が弱いので残る割合を 1/3 にした。中立は ROE が k を上回るので下限の 1÷k。リースはほとんどなく、新リース会計基準の影響は小さい。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.1→14.37 倍・やや楽観 PER 10.7→14.14 倍・中立 PER 10.5→13.37 倍)。

資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

同じ業種(電気・ガス業)の AI 分析

割安 北陸電力9505 水力と規制事業の土台は厚いが、純負債が自己資本の2倍超で利払い増が重く、志賀の再稼働は見えない。本質価値は今の時価総額を1割強上回る(やや割安) 本質価値との差 +54.8% · 10 年 割安(年 +12.3%) 割安 北海道瓦斯9534 札幌を握る道内の都市ガス。近年の高い利益率は平常へ戻り、北海道電力の参入が重い。本質価値は今の値段を2割ほど上回る(やや割安) 本質価値との差 +54.0% · 10 年 割安(年 +11.2%) 割安 東北電力9506 女川2号機の再稼働が利益を支えるが、借金が重く金利上昇が効く。資本コスト8.25%で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +36.8% · 10 年 割安(年 +10.6%) やや割安 九州電力株式会社9508 原子力4基の稼働とTSMC熊本需要で収益は底を打ったが、自己資本比率19.9%の財務の脆さと送配電の利幅低下が重く、資本コスト7.75%で測っても本質価値は今の値段とほぼ並ぶ 本質価値との差 +16.6% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) 適正 中部電力9502 浜岡の審査撤回で信頼を失い、原発の緩衝材もない。借り換えの利払い増と資本コスト7.75%を入れると、本質価値は今の株価をやや下回る 本質価値との差 +6.7% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 メタウォーター9551 水道を守る手堅い会社だが、利益率が薄く、10年先の価値は今の時価総額をやや下回る 本質価値との差 +4.7% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 西部ガスホールディングス9536 ガス・電力・不動産の三本柱へ移る途上。稼ぎは増えるが借金の利払いが重く、資本コスト8.25%ではやや割高 本質価値との差 +3.1% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 東京瓦斯9531 国内都市ガスは人口減で薄利が続くが、米シェールガスと不動産の含み益が支え、エリオットの圧力で還元も厚くなる。資本コスト7.5%で測ると本質価値は今の値段を下回るやや割高 本質価値との差 −2.4% · 10 年 適正(年 +6.3%) 適正 大阪瓦斯9532 国内は薄利だが米国の発電・ガスが稼ぎ頭に。利益の倍率とEVの両方で測り、資本コスト7.5%では今の値段はやや割高 本質価値との差 −5.1% · 10 年 適正(年 +5.7%) 適正 北陸瓦斯9537 新潟の導管網は堅い。ただ稼ぎは資本コストに届かず、直近の増益は山。10年で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −6.8% · 10 年 適正(年 +6.5%) やや割高 関西電力9503 原発7基とデータセンター需要で収益は底を打ったが、借り換えの利払い増を入れ資本コスト7.5%で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −10.0% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 京葉瓦斯9539 千葉北西部のガス網は堅いが、資本の稼ぎが薄すぎる。10年で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −12.2% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 広島ガス9535 地域の導管網は堅いが、稼ぐ力が資本コストに届かない。半導体の追い風を見込んでも10年で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −12.5% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 沖縄電力9511 他地域とつながらない島の電力会社で、燃料の振れと借金の重さを資本コスト 8.75% で測ると、今の値段はかなり割高 本質価値との差 −16.7% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 静岡ガス9543 静岡のガス独占は堅いが、成長投資の稼ぎが資本コストに届かない。10年で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −18.7% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 中国電力9504 島根2号機で息を吹き返したが、純有利子負債は自己資本の3.7倍。借り換えの利払いが利益を削り、本質価値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −19.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 北海道電力9509 泊3号機の再稼働と半導体・データセンター需要に賭ける北海道の独占電力。借金と利払い増を引くと、10年先の価値は今の値段を3割ほど下回る(割高) 本質価値との差 −20.5% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 四国電力9507 原発1基と規制事業で稼ぐ四国の地域電力。今期の利益は一時要因で膨らんだ姿で、借り換えの利払い増も重く、資本コスト8.0%で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 東邦瓦斯9533 中部の都市ガスを握る安定企業だが、足元の利益は期ずれの差益でかさ上げされ、実力は薄い。資本コスト7.5%で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −24.6% · 10 年 やや割高(年 +2.7%) やや割高 電源開発9513 石炭と海外発電で稼ぐ卸電力会社、脱炭素の重荷と借金の金利上昇を今の値段は見落としている 本質価値との差 −27.5% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 イーレックス9517 バイオマス発電と新電力の二刀流、逆ざやの傷は癒えたが利益の質はまだ読み切れない 本質価値との差 −28.2% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) 割高 東京電力ホールディングス9501 機構の優先株1兆円が普通株に換われば今の株主の取り分は約3分の1。原発とデータセンターで本業は良くなるが、普通株は割高 本質価値との差 −37.2% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 レノバ9519 太陽光・風力・バイオマスを借金で積み上げる再エネ開発会社、金利上昇で利益が薄く今の値段は先走りと見る 本質価値との差 −52.3% · 10 年 割高(年 +0.2%) 割高 エフオン9514 木を燃やす発電所5か所を持つ会社。FITの固定単価に物価が追いつき、借金も重く、割高 本質価値との差 −53.3% · 10 年 割高(年 −0.4%) 割高 アストマックス7162 先物の会社から電力の取引へ。前期の大きな黒字はヘッジの計上のずれで、実力の稼ぎは資本コストに遠い 本質価値との差 −54.6% · 10 年 割高(年 −0.8%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. アースインフィニティ 2026 年 7 月期 決算短信
  2. アースインフィニティ 電気の契約件数 5 万件突破のお知らせ

分析日 2026-10-20