結論
西部ガスホールディングスは、福岡市と北九州市を地盤とする都市ガス大手だ。ガスのほか、LPG、電力、分譲マンションと賃貸を手がける。筆者の結論は「やや割高」である。事業は良くなっているが、株主に残る利益が資本コストに届かないからだ。
追い風は本物だ。北九州のひびきLNG基地の償却が終わり、2026年3月期の営業利益は18%増の125億円になった。2026年3月末には、九州電力と共同で建てたひびき発電所(62万キロワット)が動き出した。西部ガスは2割を出資する。
ただ、重荷も同じくらい大きい。純有利子負債は2,620億円で、自己資本の2.3倍ある。借り換えが進めば、利払いは10年で65億円ほど増える。今の営業利益の半分にあたる額だ。
会社は2027年度に営業利益135億円、自己資本利益率8%を掲げる。しかし資本全体の利回り(ROIC)の目標は2.3%にとどまる。借金の金利より低い。成長しても、その分を借金の利子が食う構図は変わらない。
10年後の中立は、営業利益が約200億円、純利益が約100億円だ。それでも自己資本利益率は6%に届かない。ここに借金の重さを織り込んだ資本コスト8%を当てると、価値は今の時価総額を2割ほど下回る。上振れの余地はある。ひびき基地の増強で産業用の石炭転換が進めば、利益は倍に近づく。その確率は1割と見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「良い事業の一部」と「重い資産の塊」が同居している。見分けが要る。
良い部分は、北部九州で導管とLNG基地を握り、工場の燃料転換という10年単位の需要を取りにいけることだ。ひびき発電所の2割出資も、長く効く資産になる。
悪い部分は資本の効率だ。純負債は自己資本の2.3倍あり、株主のものになる利益は、増えた営業利益の大半を借金の利子に取られる。目標のROIC2.3%は、経営自身が資本コストに届かないと認めているに等しい。
オーナー利益、つまり株主が自由に使える利益で見ると、10年後の中立でも純利益は約100億円だ。そのうち配当と自社株買いに回るのは半分ほど。残りは基地や不動産に再投資され、再投資の稼ぎは資本コスト以下にとどまる。ためた利益の1単位が、1単位に満たない価値しか持たない構造だ。
だから筆者は、資産の厚みを理由に安全域があるとは見ない。安全域は、稼ぐ力に対して払う値段で測る。いまの値段は、中立の価値を上回る。楽観の筋書きが実現して初めて割安と呼べる水準だ。
経営が不動産の流動化と資本コスト経営で借金を減らせるかを、最大の観察点とする。実際に減れば、事業の質の評価は変わる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は四つある。売上の約7割を占めるのが、都市ガス・LNG・LPGのガスエネルギー事業だ。2015年度には8割あった。福岡県を中心に家庭、商業、工場へ都市ガスを導管で届ける。工場へはLNGをローリー車で運ぶ。都市ガスの販売量は全国5位で、お客さま口座は約117万件ある。
二つ目は電力その他エネルギーだ。2016年の自由化で電気の小売に入った。北部九州で低圧を売り、いまは高圧と卸にも広げている。2026年3月期の上半期の販売量は前年の6割増だった。国際エネルギー事業ではLNGの取引も手がける。
三つ目は不動産で、営業利益は45億円前後で安定している。分譲マンションと戸建ての分譲、賃貸、建設が中心だ。福岡市の人口増に乗って育てた。ただ、土地や物件を自社で抱える作りで、資産効率は低かった。中期計画では物件の流動化に取り組む。
四つ目は食品販売、炭素材、情報処理、飲食などの「その他」だ。赤字の年が多い。タイの不動産では、上半期だけで評価損と減損が12億円出た。
ガスの原料はLNGで、仕入れ値の変動は原料費調整制度で料金に移せる。ただし数カ月の遅れがある。その遅れが利益を振らす。
中心の設備は北九州のひびきLNG基地だ。2029年度の運転開始を目指して3号タンクを増設中で、これが次の10年の稼ぎの土台になる。
優良さと弱いところ
筆者が見る限り、西部ガスの強みは地域に深く根を張った信用と、顧客との直接の接点だ。ガス、電気、LPG、住宅設備の修理まで、約117万口座に営業員が顔の見える形で付き合う。エネルギー会社としては珍しい資産といえる。
堀、つまり他社がまねできない強みは、導管とLNG基地という設備にある。北九州の基地は、石炭や重油から天然ガスに燃料を替えたい工場にとって、供給の頼みになる。折衝中の需要は30万トンを超える。導管網と基地を一体で運用できる点が、この会社の武器だ。ただ、導管網は規制で利益が抑えられる。値段を自分で決められるわけではない。
資本の使い方は課題だ。ROICの2027年度目標は2.3%で、借金の金利にも届かない。この会社自身が「資本収益性の向上」を課題に挙げてきた。不動産の保有を積み上げた過去の拡大が、いまは重しになっている。
自己資本比率は25%ほどで、純負債は自己資本の2倍を超える。営業利益で利息をまかなえる倍率は6倍弱にとどまり、余裕は薄い。
弱点をもう一つ。電力は九州電力が相手だ。ひびき発電所は同社との共同事業なので、手を組みつつ客を奪い合う関係になる。
経営は、利益だけでなくバランスシートも見る方向へ舵を切った。ROICツリー管理は2026年度から本格化する。筆者はその方向を支持する。ただ、成果が数字に出るのはこれからだ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の都市ガスは、成熟した市場だ。販売量の約6割は工場向けで、家庭用は2割強にとどまる。人口が減り、電化と省エネが進むので、家庭用は年々細る。西部ガスの供給エリアも、福岡都市圏を除けば人口は減る。
ただ、北部九州は様子が違う。福岡市は人口が増え、再開発が続く。熊本には半導体工場が集まり、西九州新幹線も開業した。工業団地ではガス需要が強い。会社の都市ガス販売量は、過去最高を更新している。
最大の変化は、石炭や重油から天然ガスへの切り替えだ。国のエネルギー基本計画は、天然ガスを脱炭素のあとも重要な燃料に位置づけた。セメント工場のキルンで天然ガスを4割混ぜて燃やす実証試験に、西部ガスは成功した。2035年度までに27万トンの需要を取るのが目標だ。LNGで走る船への燃料供給にも手を広げている。
競合は燃料ごとに違う。家庭ではオール電化を売り込む九州電力がいる。工場では電気、LPG、自家発電が相手になる。2017年のガス小売自由化では、約3.8万件のお客さまが他社へ移ったと報じられた。一方で電力では約4.2万件を取った。
LNGの調達は、中東や米国の情勢で値が大きく動く。原料費調整で料金に移せるが、移るまでに数カ月かかる。2022年3月期には、この遅れが業績を直撃し、営業利益は4億円まで落ちた。
電力は、ひびき発電所の動き出しで原価が下がる。自前の電源を持てば、小売と卸の両方で戦える。ただ、九州の卸電力市場は価格が荒れやすい。
資本政策と M&A
資本政策は、配当に下限を置き、機動的に自社株を買う方針だ。配当は2019年3月期から同じ水準が続き、総額で年25億円前後になる。2026年3月期の総還元性向は63.5%だった。
投資の中心はひびきLNG基地の増強で、2029年度に3号タンクが動く。ひびき発電所は九州電力が8割、西部ガスが2割の出資だ。重い投資を続けながら、借金は純負債2,620億円まで積み上がった。
大阪ガスとは、再エネ分野の共同検討を2020年に始め、のちに資本業務提携に進んだ。持株の割合までは確かめられていない。大株主には地元の銀行と生命保険が並び、政策保有の色が濃い。
再編の可能性は残る。時価総額は900億円に満たず、導管と基地は戦略資産だ。大手ガスや電力会社が関心を持ってもおかしくない。ただ、規制、地域の目、九州電力との共同事業という縛りがあり、実現は読みにくい。
不動産は、保有物件の流動化とファンド活用で資産を軽くする方針だ。筆者は、これが実行されれば自己資本利益率の改善に最も効くと見る。いまの課題は、利益を増やすことと借金を減らすことを同時に進める点にある。
減価償却は物価で増やさない。今ある設備の償却は取得した時の値段のままで、増えるのは更新と新規の分だけだ。償却は今の94億円が10年後に約 115億円。更新投資は建築費の上昇で膨らみ、足りない分は借入になって利払い(3.5%)が増える。会計の利益と現金の動きは同じ向きに動かない。送配電などの規制事業の償却と利払いは託送料金で売上に戻るので、この数字は規制外の分だけだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ひびきLNG基地の償却が終わり、都市ガスの利益は構造的に底上げされた。2029年度には3号タンクが動き、LNGの取り扱いは100万トンを超える。石炭から天然ガスへの転換需要は30万トン以上が折衝中で、実証試験にも成功している。九州のセメントや鉄鋼は、脱炭素の期限に追われる。この需要は他に取れる会社が少ない。
電力はもっと大きい。ひびき発電所の電気を自前で持てば、原価が下がり、卸と高圧に売り先を広げられる。上半期の販売量はすでに6割増だ。電力の営業利益は今の8億円から、中計の通り45億円へ育つ余地がある。
不動産は福岡の人口増に乗る。物件の流動化が進めば、資産は軽くなり、自己資本利益率は上がる。
時価総額は900億円に満たない。純利益が150億円を超え、自己資本利益率が10%に迫れば、再評価は大きい。大阪ガスなどとの再編も視野に入る。10年という長さでは、構造転換の果実が表に出る。
借金の重さも、見方を変えれば改善の余地だ。不動産の流動化で資産を軽くし、基地の増強が稼働に乗れば、営業利益が増える分だけ借金の比率は下がる。投資の山を越えた後の会社は、今と同じ顔にはならない。
慎重な見方
利益が伸びても、株主には残らない。純負債は2,620億円で、借り換えで利払いは10年で65億円増える。営業利益が今から8割増えても、増分の相当部分が利息に消える計算だ。自己資本利益率は6%に届かず、資本コストを下回り続ける。
ひびき基地の償却終了は、一度きりの増益だ。3号タンクが動けば、償却費はまた戻る。電力は九州電力が主戦場で、卸電力の価格が荒れれば、増やした売上が利益にならない。ひびき発電所の電気を売る側と、九州電力は手を組んで競う関係だ。
不動産は景気に弱い。分譲は売れた年と売れない年で利益が振れ、タイの事業ではすでに減損が出た。食品や炭素材は赤字が続く。
家庭用ガスは電化と人口減で細り、福岡以外の地域は特に弱い。中計の目標にも、ROICは2.3%しか置かれていない。目標が資本コストを下回る会社を、割高な倍率で買う理由はない。
大株主に地元の銀行と生命保険が並ぶ株主構成も、株主に厳しい資本効率の改善を促す力は弱い。再編が語られる日まで、株価を支えるのは配当の下限だけという見方もできる。
どちらに重みを置いたか
両方の言い分に理があるが、筆者は慎重な見方が強いと判断した。強気の根拠は事業の改善で、これは事実だ。ただ、価値は事業の改善だけでなく、株主に残る利益と資本コストの差で決まる。そこで借金の重さが効く。
確率は楽観を1割、やや楽観を2割強に置き、中立を3割強とした。やや悲観と悲観は合わせて3割強で、借金の重さの分だけ悲観を厚くした。悲観を12%にしたのは、利払い増と電力・不動産の悪化が重なると、自己資本を大きく削る点を重く見たからだ。加重平均では、今の値段が価値を上回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 3,924 円1,412 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,042 円375 億円)。 今の値に割り戻すと 2,527 円910 億円、今との差 +3.1%、 期待の年率 +7.3%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 7,740 円2,786 億円 | 1,834 円660 億円 | +290.4% | +14.6% | 957 円345 億円 |
| やや楽観 | 22% | 5,829 円2,098 億円 | 1,409 円507 億円 | +195.2% | +11.4% | 1,592 円573 億円 |
| 中立 | 34% | 4,192 円1,509 億円 | 1,006 円362 億円 | +112.0% | +7.8% | 1,767 円636 億円 |
| やや悲観 | 22% | 1,628 円586 億円 | 797 円287 億円 | −1.1% | −0.1% | 534 円192 億円 |
| 悲観 | 12% | 704 円253 億円 | 264 円95 億円 | −60.5% | −8.9% | 116 円42 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,924 円1,412 億円 | 1,042 円375 億円 | +102.6% | +7.3% | 4,967 円1,788 億円 |
今の株価時価総額 2,452 円883 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 基地増強と電力で産業用の転換を総取りし、資本効率も改善する 利益 184 億円 · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 7,740 円2,786 億円
3号タンクが2029年度に動き、LNGの販売量は100万トンを大きく超える。セメントや鉄鋼のキルンで天然ガスへの転換が一気に進み、ガスエネルギーの営業利益は今の2倍を超える。LNGバンカリングや海外への出荷も立ち上がる。
電力は、ひびき発電所の原価の低さを武器に、九州全域の高圧と卸へ広がる。販売量は今の2倍に近づき、利益率も上がる。
不動産は福岡の人口増に乗り、流動化で資産を軽くしながら利益を伸ばす。
営業利益は300億円を超え、利払いが増えても純利益は180億円ほどになる。自己資本利益率は10%に届き、資本コストを初めて明確に上回る。ここまで来れば、大手ガスや電力との再編の話も現実味を帯びる。減価償却は物価で増やさず、今ある設備は取得原価のまま、更新と新規の投資だけ新しい値段で35年に按分した。償却は今の94億円が10年後に約 115億円(物価で一律に増やすと約 101億円)。営業利益は +14億円。建築費の上昇で膨らむ投資を借入で賄うため、新しい借入の利払い年 8億円(3.5%)を純利益から引いた。送配電などの規制事業(償却の約40%)は、償却と利払いが託送料金(収入上限)などで売上に戻るので、利益には動かしていない。上の数字は規制外の分。
- ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG):数量 1,316(都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標)× 価格 243(平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標))→ 売上 3,198 億円・営業利益 199 億円。数量 1.40 倍・価格 1.36 倍(名目)・営業利益率6.2%・償却は物価で増やさず按分(10年後 115億円)
- 電力その他エネルギー事業:数量 1,800(電力販売量(百万kWh、小売+卸))× 価格 44(平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標))→ 売上 784 億円・営業利益 65 億円。数量 1.80 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 8.3%
- 不動産事業:数量 1,540(取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標))× 価格 5,520(1戸あたり売上相当(万円/戸))→ 売上 850 億円・営業利益 73 億円。数量 1.10 倍・価格 1.38 倍(名目)・営業利益率 8.6%
倍率:事業の純利益 182 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.8% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)90 億円。全体の PER 14.35 倍、時価総額 2,706 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 13.98 倍・時価総額 2,572 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:ひびき基地の増強と石炭からの転換は、折衝中の需要が30万トン超あり、会社自身も2035年度に27万トン獲得を掲げる。実現すれば大きいが、実証から商業運転まで読めない点も多いので1割にとどめた。
やや楽観 22% 転換需要は半分ほど実現し、電力が育って自己資本利益率は8%へ 利益 147 億円 · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 5,829 円2,098 億円
転換需要の半分ほどが実現する。ひびき基地の増強で工場向けのLNGが伸び、ガス販売量は今の3割増になる。ただ、LNGの調達や設備の償却が戻り、利益率の伸びは限られる。
電力はひびき発電所の効果で2倍近く伸びるが、卸の値段は荒れ、利益率は1割に届かない。
不動産は福岡の需要に支えられて安定し、流動化で資産を軽くする。
営業利益は260億円ほどで、純利益は140億円台になる。自己資本利益率は8%で、資本コストとほぼ並ぶ。株主に残る利益は増えるが、再投資の稼ぎは資本コスト並みにとどまる。
会社の目標である自己資本利益率8%には、10年かけて届く。ただ、それは2027年度の計画より遅い。筋書きとしては、計画が数年遅れで実現する形になる。減価償却は物価で増やさず、今ある設備は取得原価のまま、更新と新規の投資だけ新しい値段で35年に按分した。償却は今の94億円が10年後に約 115億円(物価で一律に増やすと約 102億円)。営業利益は +13億円。建築費の上昇で膨らむ投資を借入で賄うため、新しい借入の利払い年 8億円(3.5%)を純利益から引いた。送配電などの規制事業(償却の約40%)は、償却と利払いが託送料金(収入上限)などで売上に戻るので、利益には動かしていない。上の数字は規制外の分。
- ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG):数量 1,222(都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標)× 価格 241(平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標))→ 売上 2,948 億円・営業利益 168 億円。数量 1.30 倍・価格 1.35 倍(名目)・営業利益率5.7%・償却は物価で増やさず按分(10年後 115億円)
- 電力その他エネルギー事業:数量 1,600(電力販売量(百万kWh、小売+卸))× 価格 43(平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標))→ 売上 692 億円・営業利益 55 億円。数量 1.60 倍・価格 1.31 倍(名目)・営業利益率 8.0%
- 不動産事業:数量 1,470(取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標))× 価格 5,520(1戸あたり売上相当(万円/戸))→ 売上 811 億円・営業利益 70 億円。数量 1.05 倍・価格 1.38 倍(名目)・営業利益率 8.6%
倍率:事業の純利益 145 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.8% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)90 億円。全体の PER 13.06 倍、時価総額 1,988 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 12.7 倍・時価総額 1,867 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:中計は営業利益135億円・ROE8%を掲げ、2026年3月期は営業利益が期初の見通しを上回った。実績が積み上がれば届く道筋なので、中立の次に厚い2割強を置いた。
中立 34% 転換需要は緩やかに進み、利益は増えるが利払いが相殺する 利益 102 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 4,192 円1,509 億円
ガスエネルギーは、家庭用の減少を工場の転換需要が補う。販売量は10年で2割増える。単価は物価並みに上がり、営業利益は今の5割増の120億円ほどになる。ただ、3号タンクの償却が戻るので、利益率は5%を切る。
電力はひびき発電所で伸び、営業利益は40億円ほどになる。中計の45億円には届かない前提だ。
不動産は数量が横ばいで、価格が物価並みに上がる。営業利益は60億円ほど。
合計の営業利益は約200億円。ただ、利払いが今の21億円から86億円まで増える。ひびき発電所などからの持分利益を足しても、純利益は約100億円にとどまる。自己資本利益率は6%に届かない。会社の目標である8%には距離が残る。減価償却は物価で増やさず、今ある設備は取得原価のまま、更新と新規の投資だけ新しい値段で35年に按分した。償却は今の94億円が10年後に約 115億円(物価で一律に増やすと約 104億円)。営業利益は +11億円。建築費の上昇で膨らむ投資を借入で賄うため、新しい借入の利払い年 10億円(3.5%)を純利益から引いた。送配電などの規制事業(償却の約40%)は、償却と利払いが託送料金(収入上限)などで売上に戻るので、利益には動かしていない。上の数字は規制外の分。
- ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG):数量 1,128(都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標)× 価格 239(平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標))→ 売上 2,701 億円・営業利益 133 億円。数量 1.20 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率4.9%・償却は物価で増やさず按分(10年後 115億円)
- 電力その他エネルギー事業:数量 1,350(電力販売量(百万kWh、小売+卸))× 価格 43(平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標))→ 売上 579 億円・営業利益 41 億円。数量 1.35 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率 7.0%
- 不動産事業:数量 1,400(取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標))× 価格 5,360(1戸あたり売上相当(万円/戸))→ 売上 750 億円・営業利益 61 億円。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 8.1%
倍率:事業の純利益 100 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.3% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)90 億円。全体の PER 12.5 倍、時価総額 1,344 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:稼ぎは増えるが、借金が重く、再投資の稼ぎは資本コスト以下という筋が最も素直な落としどころだ。中計の営業利益135億円も、会社自身の2027年3月期の見通し(100億円)を見ると届くかは微妙で、利払いは確実に増える。3割強の確率を置いた。
やや悲観 22% 転換は遅れ、電力は価格競争、利払いが利益を削る 利益 39 億円 · PER 7.0 倍 · 株価時価総額 1,628 円586 億円
工場の転換が想定の半分に届かない。石炭から天然ガスへの切り替えは、補助金や炭素の値段が整わないと進まない。ガス販売量は10年で数%しか増えず、3号タンクの稼働で償却費は戻る。ガスの利益率は4%を切る。
電力は九州電力との競争が厳しくなる。卸電力の価格が下がり、ひびき発電所の電気を売っても利益が薄い。
不動産は福岡の分譲が一服し、タイの事業の失敗が尾を引く。
営業利益は130億円ほどで今とほぼ同じだが、利払いが増えて純利益は40億円台に落ちる。自己資本利益率は3%で、配当を維持するのがやっとになる。減価償却は物価で増やさず、今ある設備は取得原価のまま、更新と新規の投資だけ新しい値段で35年に按分した。償却は今の94億円が10年後に約 115億円(物価で一律に増やすと約 108億円)。営業利益は +7億円。建築費の上昇で膨らむ投資を借入で賄うため、新しい借入の利払い年 15億円(3.5%)を純利益から引いた。送配電などの規制事業(償却の約40%)は、償却と利払いが託送料金(収入上限)などで売上に戻るので、利益には動かしていない。上の数字は規制外の分。
- ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG):数量 987(都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標)× 価格 232(平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標))→ 売上 2,293 億円・営業利益 92 億円。数量 1.05 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率4%・償却は物価で増やさず按分(10年後 115億円)
- 電力その他エネルギー事業:数量 1,100(電力販売量(百万kWh、小売+卸))× 価格 40(平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標))→ 売上 436 億円・営業利益 17 億円。数量 1.10 倍・価格 1.20 倍(名目)・営業利益率 4.0%
- 不動産事業:数量 1,330(取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標))× 価格 5,200(1戸あたり売上相当(万円/戸))→ 売上 692 億円・営業利益 47 億円。数量 0.95 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率 6.8%
倍率:稼ぐ力は純利益44億円÷k 8%=約530億円。ROEが3.0%でkを大きく下回り、ためた利益は額面未満の価値なので、その6割弱の7.0倍(308億円)に置いた。中立の9.2倍より低く、PBRは0.2倍台で今の自己資本1,152億円を下回る。純有利子負債2,620億円を足したEV÷営業利益は約23倍だが、これは利払いで純利益が削られる筋書きのためで、値は稼ぐ力から置いている。
確率:転換需要の遅れと電力の価格競争は、どちらも十分に起こり得る。ひびき基地の償却が戻り、利払いが増える局面で重なると、利益は伸びずに削られる。借金の重さを踏まえ、2割強を置いた。
悲観 12% 家庭用の電化、電力の価格戦争、不動産の不振が重なり赤字が続く 利益 −42 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 704 円253 億円
家庭用ガスの電化が想定より速く進み、福岡以外の地域は特に細る。工場の転換需要も補助金頼みで続かず、ひびき基地の3号タンクは稼働率が上がらない。ガスの利益率は2%まで落ちる。
電力は九州電力との価格競争で利益が消え、卸の値段も下がる。
不動産は分譲が不況で売れず、物件の評価損が出る。
営業利益は30億円台まで落ち、利払いが増えて赤字になる。自己資本は減損で削られ、増強した基地の償却費だけが残る。会社は配当を守れず、資産の売却と再編に追い込まれる。
ひびき発電所の持分は売却候補になり、基地の増強は規模を絞られる。大手ガスや電力会社に傘下に入る話も出るが、そのときの値段は今の自己資本を大きく割る。減価償却は物価で増やさず、今ある設備は取得原価のまま、更新と新規の投資だけ新しい値段で35年に按分した。償却は今の94億円が10年後に約 115億円(物価で一律に増やすと約 116億円)。営業利益は −1億円。建築費の上昇で膨らむ投資を借入で賄うため、新しい借入の利払い年 24億円(3.5%)を純利益から引いた。送配電などの規制事業(償却の約40%)は、償却と利払いが託送料金(収入上限)などで売上に戻るので、利益には動かしていない。上の数字は規制外の分。
- ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG):数量 846(都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標)× 価格 223(平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標))→ 売上 1,890 億円・営業利益 37 億円。数量 0.90 倍・価格 1.25 倍(名目)・営業利益率2%・償却は物価で増やさず按分(10年後 115億円)
- 電力その他エネルギー事業:数量 900(電力販売量(百万kWh、小売+卸))× 価格 36(平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標))→ 売上 327 億円・営業利益 0 億円。数量 0.90 倍・価格 1.10 倍(名目)・営業利益率 0.0%
- 不動産事業:数量 1,120(取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標))× 価格 4,600(1戸あたり売上相当(万円/戸))→ 売上 515 億円・営業利益 22 億円。数量 0.80 倍・価格 1.15 倍(名目)・営業利益率 4.3%
倍率:稼ぐ力は赤字なので使えず、資産で測る。今の自己資本1,152億円に0.22倍を掛けた(253億円)。導管・基地・発電持分は売れても借金返済に消え、株主に残るのは自己資本の2割強という見方。赤字でEV÷営業利益は意味を持たず、純有利子負債2,620億円を返したあとの資産の残りで見ている。
確率:電化と人口減、電力の価格戦争、タイの不動産の損失が10年のどこかで重なる構造的な負けを想定した。純負債が自己資本の2.3倍あるため、重なった時の傷は大きい。5%を超える理由は、借金の重さだ。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ガスエネルギー事業(都市ガス・LNG・LPG)
福岡・北九州を中心に都市ガスを導管で、工場へはLNGをローリー車で供給する中核事業。LPGも含む。2024年度は売上の約7割。
| 数量都市ガス販売量(百万m3、45MJ基準)。LNG・LPGの売上は単価に含めた代理指標 | 価格平均単価(円/m3、LNG・LPGの売上を都市ガス販売量で割った代理指標) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 940 | 179 | 1,680 | 82 |
| 10 年後 中立 | 1,128 | 239 | 2,701 | 133 |
取り方:都市ガス販売量は2026年3月期上半期が4.28億m3(前年比+0.6%)で、通期は約940百万m3と置く(中計の2027年度目標は990)。売上は上半期の説明資料のガス719億円とLPG112億円(セグメント間の消去前)を2倍して、通期のガス・LPGを約1,680億円と推定した。営業利益82億円は、ひびきLNG基地の償却終了による増益を含む推定(開示は上半期でガス25億円・LPGは季節で赤字)。数量は実質で、家庭用の減少を工場の転換需要が補う。単価は原料費調整で物価に追随する。
電力その他エネルギー事業
電力の小売・卸、国際エネルギー(LNG取引)、再エネ発電を担う。ひびき発電所の稼働で卸と高圧に広げる。
| 数量電力販売量(百万kWh、小売+卸) | 価格平均単価(円/kWh、国際LNG取引・再エネの売上を含む代理指標) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 33 | 330 | 8 |
| 10 年後 中立 | 1,350 | 43 | 579 | 41 |
取り方:電力販売量は2026年3月期上半期が508百万kWh(前年比+61%)で、通期は約1,000百万kWhと置く(中計の2027年度目標は900)。売上は上半期160億円を2倍して約330億円と推定。営業利益は上半期10.8億円に対し、期初の通期見通しが1億円だったので、需要期の下期の悪化を見て約8億円と推定した。単価は小売と卸の混合で、卸が増えると下がる。
不動産事業
分譲マンション・戸建て、賃貸、建設を手がける。2021〜2024年度の営業利益は37〜46億円で、中計は2027年度に45億円を見込む。
| 数量取扱戸数相当(戸。分譲の販売戸数と賃貸・建設の収入を戸数に換算した代理指標) | 価格1戸あたり売上相当(万円/戸) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,400 | 4,000 | 560 | 48 |
| 10 年後 中立 | 1,400 | 5,360 | 750 | 61 |
取り方:売上は2026年3月期上半期が283億円(前年比+80%)で、通期は分譲が下期に偏ることを見て約560億円と推定した。分譲を約半分と見て1戸あたり約4,000万円、換算戸数を約1,400戸とした代理指標で、開示の戸数そのものではない。営業利益48億円は、上半期22.8億円と通期見通し40億円から推定。数量は福岡の需要で伸びにくく、価格は物価並みに動く前提。
リスクと懸念
借金と利払いの重さ
純有利子負債は2,620億円で、自己資本の2.3倍ある。借り換えのたびに金利が上がり、10年で利払いは65億円ほど増える見込みだ。営業利益が増えても、株主に残る分が増えにくい。自己資本比率は25%ほどで、赤字が続けば財務の余裕は一気に薄れる。
原料費調整のタイムラグ
LNGの輸入価格や為替の変動は、数カ月遅れで料金に移る。この遅れの間は利益が振れる。2022年3月期のように、LNG高と円安が急に重なると、料金転換が追いつかず利益が大きく削られる。2027年3月期の見通しも、原油と為替の前提の見直しで利益の形が変わっている。
電力事業の競争と市況
九州電力が主戦場で、ひびき発電所は同社との共同事業だ。協力と競争が同居する。卸電力の価格が下がれば、増やした販売量が利益にならない。中計は2027年度の電力営業利益を45億円と置くが、市況に左右されやすい。
不動産の景気と海外事業
不動産は営業利益の3割を占める。分譲マンションは売れた年と売れない年で利益が大きく動く。タイの不動産事業では2026年3月期の上半期だけで評価損と減損が12億円出た。資産効率の改善を掲げているが、流動化が進まなければ借金の重しが残る。
家庭用の電化と人口減
福岡都市圏を除く供給エリアは人口が減り、オール電化の営業攻勢も続く。家庭用ガスの需要は長期で細る。工場向けの転換需要で補えるかが分かれ目で、補助金や炭素の値段など政策に左右される。
基地増強の投資負担
ひびきLNG基地の3号タンクは2029年度の運転開始を目指す。投資は借金で賄う部分が大きく、完成後は償却費が戻る。需要の獲得が遅れれば、増強した能力が遊び、減価償却だけが利益を圧迫する。
再編と資本政策の不確実性
大株主に地元の銀行と生命保険が並び、政策保有の色が濃い。大阪ガスとの提携も資本の厚みは確認できていない。再編や持ち合いの解消は、価格にも事業にも影響しうるが、時期と形は読めない。
今後の分かれ目
- 工場の石炭からの転換が進み、ひびき基地の3号タンクが満載に近い稼働になる
- ガスエネルギーの利益が構造的に上がり、楽観に近づく。自己資本利益率は8〜10%に届き、資本コストを上回る。
- ひびき発電所の電気で卸と高圧が伸び、電力の営業利益が45億円に達する
- 中計の2027年度の目標に近づき、やや楽観以上の筋書きが濃くなる。
- 不動産の流動化が進み、保有資産が軽くなって借金が減る
- 利払い増の重しが和らぎ、純利益の取り分が増える。自己資本利益率の改善が確かになる。
- LNG高や円安が急に重なり、原料費調整が追いつかない
- 一時的に利益が大きく削られる。2022年3月期のような谷が再来すれば、悲観の筋書きに近づく。
- 九州電力との電力の価格競争が激しくなる
- 電力の利益は計画に届かない。ひびき発電所の効果が相殺され、やや悲観に寄る。
- 大手のガス・電力会社が資本提携や買収に動く
- 導管と基地という戦略資産に値がつく。ただ株主還元の中身次第で、価値の評価は上にも下にも動く。
見ておくもの
- ひびきLNG基地3号タンクの工事の進み方(2029年度上期の運転開始)
- 都市ガス・LNG販売量(中計の2027年度目標は80.6万トン)と石炭からの転換需要の獲得状況
- 電力販売量と電力セグメントの営業利益(2027年度の目標は45億円)
- ひびき発電所の稼働率と持分法利益
- 不動産の流動化の進捗と有利子負債の水準(純負債が減り始めるか)
- ROIC・ROEの実績(2027年度の目標は2.3%・8.0%)
- 支払利息の推移(借り換えで金利がどこまで上がるか)
- タイなど海外事業の損益と、食品・炭素材など「その他」事業の黒字化
倍率と資本コストの決め方
今の株価やPER・PBRは見ていない。セグメントごとに、数量(ガス販売量・電力販売量・取扱戸数相当)と名目の単価を10年先まで積み、営業利益を出した。純利益は、利払いを今の21億円から86億円に増やし、持分法などの営業外の利益を足して置いた。倍率は利益ベースの正当化PER(=(1−g÷RONIC)÷(k−g))の上限9割で、kは基本7.5%に借金+1.0%・循環+0.25%・規制-0.5%を足した8.25%。中立の自己資本利益率は6%に届かずkを下回るので、RONICはk未満になる。悲観は稼ぐ力と今の自己資本から出し、過去のPBRの底は使っていない。リースは小規模で、新リース会計基準(2028年3月期から)で営業利益と純負債の形が少し変わるが、10年後の数字は今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)で置いた。EV÷営業利益は中立で17倍ほど。
(2026-10-19 見直し)政策保有株・不動産の含み益(税後)120億円を余り資産として足した(戻り方0.5)。利益で測る倍率には入らない価値を漏らさないため。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に、借金の重さで+1.0%、循環+0.25%、規制の値決め-0.5%を足して8.25%。同じ領域の大手3社は借金が軽く0%としているので、この会社だけ高い。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.25% → 8.00%。