株譜
AI 銘柄分析 · エネルギー · 試作

アパッチ APA

石油主体の低コスト生産にエジプトと 2028 年稼働のスリナムを足した会社。戦争の高値を外し、埋蔵量の寿命 6.2 年の年金で測ると、本質価値は今の時価総額を 1 割あまり下回る(やや割高)

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)43.39 ドル156 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)49.4 ドル177 億ドル差 −12.2%
10 年後から見ると やや割高 価値 43.39 ドル156 億ドル · 差 −12.2% · 期待の年率 +5.0%
期待の年率リターン(10 年)+5.0%資本コスト比 −5.0 pt
推定の資本コスト10.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 10.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アパッチ(APA コーポレーション。以下 APA)は、米国のパーミアン盆地(ミッドランドとデラウェア)、エジプトの西部砂漠、英国北海、スリナム沖の鉱区で石油とガスを掘る生産会社である。2025 年(WTI 65 ドルの年)の売上は 89 億ドル、税引前利益は 28 億ドル、APA 帰属の純利益は 14 億ドルで、生産は報告ベースで日量 46 万 boe。2026 年 4〜6 月期は中東の戦争による原油高で純利益 7.5 億ドル、FCF 7.4 億ドルを出し、純負債は 2025 年末の 43 億ドルから 33 億ドルへ減った。

価値の中心は 3 つ。第 1 に、パーミアンの原油(2026 年は日量 12.3 万バレル)を、会社の説明では 10 年以上横ばいで保てる在庫で掘ること。第 2 に、エジプトの生産物分与契約で、法人税が国営会社の取り分から払われ、会社の費用にならないこと。第 3 に、トタルエナジーズが運営するスリナムの GranMorgu(日量 22 万バレル、2028 年中ごろに初油)に、総投資 105 億ドルのうち一部の負担(キャリー)で入っていること。

一方、EOG やダイヤモンドバック・エナジーほどの低コスト・無借金の会社ではない。現金費用は 1 boe あたり約 15 ドルで FANG の 11 ドルより高く、エジプトは政府と少数株主(シノペック)の取り分、北海は 2030 年前の生産終了と廃止費、2020〜21 年には自己資本がマイナスになった傷もある。2026 年の戦争の高値は 10 年の置き方に持ち込まず、2028 年に WTI 76 ドル、2035 年に名目 97 ドル(実質 72 ドル)とし、資本コスト 10.0%(基本 8.0% に、価格の振れ・価格受容者・集中の危うさで 2.0%)・埋蔵量の寿命 6.2 年の年金(長期の g は 1%)で倍率を出すと(10 年の中立は PER 3.9 倍)、悲観を厚くした確率加重は今の時価総額を 1 割あまり下回り、総合はやや割高である。ただし寿命 6.2 年は確認埋蔵量だけの数字で、スリナムの追加や発見で伸びれば倍率は上がる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、10 年後もこの事業は存在するか、と聞かれれば存在する(石油・ガスの需要は 2035 年までなくならず、エジプトの利権は長く続く)。ただし「今より強いか」には慎重で、北海は 2030 年前に終わり、エジプトと米国はほぼ横ばい、伸びはスリナムの GranMorgu に頼る。堀は広いとは言えず、価格を決められる産業でもない。EOG(無借金・自力で在庫を足す)に比べ、APA は借金・傷んだ自己資本・少数株主と政府の取り分を抱える会社で、堀の幅は劣る。

オーナー利益(株主のものになる利益)は、維持の設備投資とエジプト・北海の廃止費で純利益より小さくなる。このメモの中立では、2035 年の純利益 26 億ドルに対して FCF は約 25 億ドルで、FCF は純利益の 96% で、設備投資が償却とほぼ釣り合う。ならした利益は 2028 年に約 16 億ドルと置いた。

今の時価総額 176 億ドルは、2025 年の純利益の 12 倍、中立の 2028 年の利益に対しては約 11 倍、スリナムが立ち上がった後の 2030 年の利益(約 23 億ドル)に対しては約 8 倍である。埋蔵量の寿命 6.2 年の年金で測る PER は 10 年の中立で 3.9 倍と低く、確率加重の価値は今の値段を 1 割あまり下回る。この低さは、確認埋蔵量が 6 年分しかないことと、資本コスト 10.0% による(傷んだ自己資本から出る高い ROE は、寿命の年金が頭を押さえるので倍率に効かない)。わかりやすい事業だが外から価格が決まるので、確信度は中程度で、割高の幅をそのまま信じず、埋蔵量が伸びる余地を見て読む。

何で稼ぐ会社か

売上は原油・NGL・天然ガスの販売で、利益の大半は外から決まる原油価格で動く。このメモでは生産を 4 つに分け、数量(日量 千 boe)× 実現価格(ドル/boe)で置いた。

米国(パーミアン)は 2026 年 4〜6 月期で日量 26.3 万 boe(原油 12.3 万バレル、NGL 7.2 万、ガス 4.0 億立方フィート)。実現価格は原油 98 ドル、ガスは Waha の割引でマイナス 3 ドル/Mcf、NGL 25 ドル。会社は 2026 年の設備投資を約 13 億ドル、リグ 4〜4.5 本で、原油日量 12.3 万バレルを保つとする(以前の想定は 8 リグ・約 17 億ドル)。ガスの輸送権(GCX など)は会社のガスの量を上回るが、最初の契約の期限は 2029 年で、延長の選択肢がある。

エジプトは 6 つの利権を持つ統合契約で、費用の回収は売上の 40%、残りの利益は 30% を国側へ分ける固定の取り決め。法人税は国営会社(EGPC)が自分の取り分から払い、APA に経済的な費用はないが、報告の生産量と売上にはその税バレルが入る。現地子会社の 3 分の 1 はシノペックが持ち、純利益のうち 2025 年は 2.6 億ドルがそちらへ流れた。価格が上がると費用回収の分が減り、報告の生産量が減る仕組みで、2026 年 4〜6 月期の報告 12.5 万 boe(調整後 6.1 万)は 2025 年の 14.6 万から落ちた。ガスは 2025 年 1 月から最低 2.65 ドル/MMBtu、増産分は高い価格。

北海は 2023 年に掘削を止め、2030 年前に設備の生産を終える見込みで、いまは 2.2 万 boe まで落ちている。スリナムはブロック 58 の 50% で、GranMorgu の初油は 2028 年中ごろ。ほかにアラスカ北斜面・ウルグアイの探鉱がある。

優良さと弱いところ

堀は「在庫の質」より「契約と持ち分の構造」に近い。パーミアンは日量 26 万 boe 規模で、同じ盆地のダイヤモンドバック・エナジー(日量 100 万 boe 超)、オキシデンタル・ペトロリアム、コノコフィリップス、エクソンモービルより小さく、規模の費用優位は無い。4〜6 月期の現金費用(LOE・GP&T・生産税・G&A)は 1 boe あたり約 15 ドルで、FANG の 10.96 ドルより約 4 ドル高い。エジプトの税バレルやシノペック持ち分、北海の固定費が混ざるためで、単純な比較はできないが、優良さは EOG やダイヤモンドバックに及ばない。

一方で、エジプトは契約の条件が安定していて法人税が会社の費用にならず、ガスの最低価格(2.65 ドル/MMBtu)もある。EGPC の延滞金はエジプト政府が 2026 年 6 月に外国パートナーへ全額を清算した(61 億ドルからゼロ。政府発表)ものの、IMF は EGPC の財務が弱いままと見る。スリナムは 3 つの条件が良い。キャリーで APA の負担は総投資の一部、プラトーが 4 年、損益分岐は低いとされる(未確認)。

財務の傷は深い。ROE は 2022 年の 868%(自己資本がほぼゼロ)から 2024 年の 15%、2025 年の 23.5% と大きく動き、2020〜21 年は自己資本がマイナスだった。直近は借金を減らして純負債 33 億ドル(時価総額の約 2 割)まで来たが、2015〜16 年の減損と 2020 年の下げ(株価 −85%)を経た会社である。ガバナンスは、買収(2024 年のカロン・ペトロリアム)後に借金を返す方針を守っているが、高値の年の自社株買いが価値を壊さないかは見る必要がある。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

石油・ガスの探鉱・生産は価格を決められない循環産業である。2026 年は中東の戦争(ホルムズ海峡の封鎖を伴う)で Brent が年平均 96 ドル、9 月は月平均 114 ドルまで上がった。EIA は 2027 年に 84 ドル、2028 年に 81 ドルへ戻ると見る。業界ノートの中立は、2028 年に WTI 76 ドル、2035 年に名目 97 ドル(今のドル価値で約 72 ドル。新規の井戸の採算 63〜70 ドルに余裕を足した水準)で、全社共通で使う。

需要は、米国の電動化で 10 年のガソリン需要が微減する一方、石油化学・航空・新興国が支える。供給は、OPEC+ が戦争で湾岸が止まる間は価格を決められないが、収束後は余剰能力で価格を抑える側へ戻る。米国のシェールは設備投資の規律が強まり、統合が進んだ(エクソンモービル+パイオニア、シェブロン+ヘス、コノコフィリップス+マラソン・オイル、オキシデンタル+クラウンロック、ダイヤモンドバック+ダブルイーグル、デボン+コテラ)。

競合の中での位置:米国の原油 13.7 百万 b/d のうち APA は 0.9% にすぎず、ダイヤモンドバック(日量 52 万バレル・約 3.8%)の 4 分の 1。エジプトでは、国のガス生産 約 38 億立方フィート/日に対して APA のガス(総 5.4 億)が約 14%、エニ・BP と並ぶ主要な外資である。営業利益率は 2025 年に 31% で、EOG・ダイヤモンドバックの 32% と並ぶが、これはエジプトの税バレルが売上に入るため見かけ上高く出ており、税引前の質では米国専業に劣る。

スリナムは新しい産油地域で、隣のガイアナ(エクソンモービルのスタブローク鉱区が日量約 90 万バレル)のように、浮体式設備で量が一気に立ち上がる。トタルエナジーズが運営する GranMorgu が日量 22 万バレルで、APA はその持ち分を得る。10 年の価格は物価並みに上がるが費用も同じ速さで上がるため、利益率は物価で勝手に下がらない。

資本政策と M&A

資本配分は 3 つの順で動く。第 1 に純負債を 30 億ドルへ(現在の先物で 2027 年に到達見込み。2026 年 6 月末は 33 億ドル)。第 2 に年の FCF の 60% 以上を株主へ返す(2021 年からの方針で、2026 年も適用。配当は四半期ごと、残りは自社株買い)。第 3 に残りで借金返済と探鉱。2026 年は上期だけで債券 7.5 億ドルを返し、年換算の利払いは 1.55 億ドル以上減った。2026 年 4〜6 月期の還元は 1.9 億ドルで、7〜9 月期は 1,050 万株を買い戻した(Q3 の補足資料)。

M&A は、2024 年のカロン・ペトロリアム(パーミアンの隣接鉱区)が最後の大型。2025〜26 年は非中核資産(ガス・メキシコ湾の売却など)を売る側。アラスカでは 2026 年末までにサバント・アラスカ(パイプラインと処理設備)を 0.7 億ドルで買う予定だが、未成立なので筋書きには入れない。ウルグアイでは、エニが最初の探鉱井の費用の大半を負担する(2027 年後半)。

このメモでは、純負債 30 億ドルまで FCF のほぼ全額で返し(2027 年)、その後は FCF の全額を配当と買い戻しに回すと置いた(推定。会社は 60% 以上と言うのみ)。株式報酬は年 1 億ドル前後(2026 年 Q3 の G&A は株価連動で膨らんだ)で、正味の還元から差し引いた。増資は置かない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

パーミアンの原油は低い費用で掘れ、会社は 4〜4.5 本のリグで原油日量 12.3 万バレルを保ち、効率化(月 350 万ドルの費用削減、1 本あたりの掘削日数の短縮)が進む。2026 年は WTI 90 ドル近い年で FCF 約 23 億ドル、純負債は 2027 年に 30 億ドルへ着き、それ以降は FCF の全額を株主へ返せる。ガスは Waha の割引が新しい輸送管(ブラックコム、ヒュー・ブリンソン)で縮み、1 boe あたりの実現価格が上がる。

スリナムの GranMorgu は、2028 年中ごろの初油が予定どおり・予算どおりで進み、トタルエナジーズの運営で日量 22 万バレルのプラトーが 4 年続く。APA の負担はキャリーで一部、受け取りは持ち分の約 40% から政府の取り分を引いた分で、プラトーの日量 66 千 boe(推定)、WTI 76 ドルの世界でも年 12 億ドル前後の税引前利益を生み、会社の利益を 2028 年の約 16 億ドルから 2030 年の約 23 億ドルへ 4 割強増やす。ブロック 58 にはまだ発見(サパカラ・サウス、クラブデグー)があり、2 基目の浮体式設備が出れば 2030 年代にもう一段の伸びがある。

エジプトは 2026 年 6 月の延滞金の全額清算で支払いが正常化し、ガスの改定価格が増産分に適用される。北海の廃止費は 40% の税の戻りがある。実質 WTI 90 ドル(名目 123 ドル)が続くなら、純利益は 2025 年の約 4 倍になる。これが強気の見方で、楽観の筋書きの下敷きである。

慎重な見方

今の利益は戦争の高値で押し上げられた「山」の利益である。2025 年は WTI 65 ドルで純利益 14 億ドル、2026 年 4〜6 月期の 7.5 億ドルは WTI 90 ドル台。収束すれば Brent は 2027 年 84 ドル、2028 年 81 ドル(EIA)へ戻り、OPEC+ の余剰能力が価格を抑える。2008 年・2014 年・2020 年に Brent は 7 割以上下がり、APA の株価はコロナで 85% 下がった。2015〜16 年は減損で純損失が 104 億ドル・14 億ドル、2020 年は自己資本がマイナスになった。

APA の質は EOG・ダイヤモンドバックに劣る。現金費用は 1 boe あたり約 15 ドル(FANG は 11 ドル)、エジプトの利益の 3 分の 1 はシノペック、税バレルは売上に入るが現金にならない。北海は 2030 年前に生産が終わり、廃止費(ARO 28.8 億ドル、さらにメキシコ湾の売却済み資産の偶発債務 7.8 億ドル)が残る。スリナムは一本の浮体式設備に頼り、遅れ・費用超過・トタルエナジーズの運営の質に左右される。ブロック 58 の次の探鉱井も 2027 年へ延びた。

2026 年のガス取引益(税引前 約 9.5 億ドル)は Waha の割引に基づく一時的なもので、輸送管が整えば消える。パーミアンは 4〜4.5 本のリグでの横ばいで、在庫の質が落ちれば維持の費用が増える。電動化で米国のガソリン需要は 10 年で微減し、世界の石油需要も 2030 年代に頭打ちになりうる。これが慎重な見方である。

どちらに重みを置いたか

強気の見方はスリナムの立ち上がりと借金返済の速さで説得力があるが、10 年の価格を中立の実質 72 ドルで置くと、パーミアンとエジプトの利益は物価並みに伸びる程度で、増えるのはスリナム分に限られる。慎重な見方は価格の循環・傷んだ自己資本・一本足のスリナムで強い。確率は楽観 7%・やや楽観 18%・中立 35%・やや悲観 24%・悲観 16% と、OXY・FANG に比べて質(現金費用・自己資本の傷・エジプトと北海の構造)が劣るため、中立から悲観側へ 1〜2 ポイント寄せた。寿命 6.2 年の年金で測ると中立でも倍率が低く、総合はやや割高になった。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 27.09 ドル97 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 53.06 ドル190 億ドル)。 今の値に割り戻すと 43.39 ドル156 億ドル、今との差 −12.2%、 期待の年率 +5.0%(資本コスト 10.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 62.31 ドル224 億ドル 107.52 ドル386 億ドル +243.5% +13.1% 11.89 ドル43 億ドル
やや楽観 18% 42.67 ドル153 億ドル 82.73 ドル297 億ドル +153.6% +9.8% 22.57 ドル81 億ドル
中立 35% 28.83 ドル104 億ドル 58.77 ドル211 億ドル +77.2% +5.9% 30.66 ドル110 億ドル
やや悲観 24% 17.77 ドル64 億ドル 34.54 ドル124 億ドル +5.8% +0.6% 12.55 ドル45 億ドル
悲観 16% 4.32 ドル16 億ドル 11.14 ドル40 億ドル −68.7% −11.0% 2.47 ドル9 億ドル
加重平均100% 27.09 ドル97 億ドル53.06 ドル190 億ドル +62.1% +5.0% 80.15 ドル288 億ドル

今の株価時価総額 49.44 ドル177 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。

楽観 7% 楽観:実質 WTI 90 ドルが続き、スリナムの 2 基目と探鉱の成功で生産が伸びる 利益 55 億ドル · PER 4.1 倍 · 株価時価総額 62.31 ドル224 億ドル

2035 年、実質 WTI 90 ドル(名目 123 ドル)が続き、Brent は 127 ドル。米国は年 +1.5% で日量 300 千 boe、スリナムではブロック 58 の追加発見から 2 基目の浮体式設備が 2033 年ごろ動き、APA の持ち分が日量 75 千 boe(2035 年)。エジプトは価格が高く報告の生産は 118 千 boe に減る。売上 154 億ドルに対し営業利益 87 億ドル、純利益 55 億ドル(2025 年の約 4 倍)、10 年の還元は正味 386 億ドル(今の時価総額の約 2 倍)。純負債は 2035 年に 19 億ドル。競合のダイヤモンドバックは楽観の純利益 121 億ドル(2025 年比 7 倍)で、APA は規模で劣るがスリナムの上積みで追う。ROE は帳簿で 84%(自己資本が還元で小さい)と高く、ROIC から出した値(約 88%)が帳簿を上回るので帳簿の値を使う。倍率は利益ベースの正当化 PER で 4.06 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。

  • 米国(パーミアン):数量 300(生産量(千 boe/d))× 価格 76(実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値))→ 売上 83 億ドル・営業利益 47 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(ドル/boe)・営業利益率
  • エジプト(西部砂漠):数量 118(報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む))× 価格 86(実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重))→ 売上 37 億ドル・営業利益 18 億ドル。報告の生産量(少数株主分と税バレルを含む)・実現価格・営業利益率
  • 英国北海:数量 0.0(生産量(千 boe/d))× 価格 127(実現価格(ドル/boe。Brent 並み))→ 売上 0 億ドル・営業利益 −1 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent 並み)・営業利益率
  • スリナム(ブロック 58・GranMorgu):数量 75.0(APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後))× 価格 124(実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 26 億ドル。持ち分の生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent −3 ドル)・営業利益率

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 84.8% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 47.4%(moat normal)、g 1.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 10.9 倍。先細りの資源なので寿命 6.2 年の年金(g 1%)が頭を押さえ、4.6 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 4.6 倍に対し、低コストの石油とスリナムの上積みで最も厚い筋書きだが価格受容者なので、上限の 8.8 割(4.06 倍)に置いた。

確率:実質 90 ドルが 10 年続き、スリナムの 2 基目も要る。1 割弱(7%)。

やや楽観 18% やや楽観:実質 80 ドル前後で、米国は年 +0.8%、買い戻しが厚い 利益 39 億ドル · PER 4.0 倍 · 株価時価総額 42.67 ドル153 億ドル

2035 年、実質 80 ドル前後(名目 112 ドル)。米国は年 +0.8% で日量 281 千 boe、スリナムは持ち分日量 48 千 boe(プラトーが 2032 年に終わり減退中)。エジプトは報告 119 千 boe。営業利益 62 億ドル(売上 124 億ドル)、純利益 39 億ドル。価格が高いので純負債は 2027 年に 30 億ドルへ着き、その後は FCF の全額を返し、10 年の還元は正味 297 億ドル。ROE は帳簿で 55% と高く、ROIC から出した値(約 58%)が帳簿を上回るので帳簿の値を使う。倍率は利益ベースの正当化 PER で 3.97 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。業界ノートの塊 B(COP・OXY)の中立は営業利益率 25〜30% で、APA はエジプトの税バレルが売上に入る分、見かけは高く出る。

  • 米国(パーミアン):数量 282(生産量(千 boe/d))× 価格 68(実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値))→ 売上 70 億ドル・営業利益 36 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(ドル/boe)・営業利益率
  • エジプト(西部砂漠):数量 119(報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む))× 価格 79(実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重))→ 売上 34 億ドル・営業利益 16 億ドル。報告の生産量(少数株主分と税バレルを含む)・実現価格・営業利益率
  • 英国北海:数量 0.0(生産量(千 boe/d))× 価格 116(実現価格(ドル/boe。Brent 並み))→ 売上 0 億ドル・営業利益 −1 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent 並み)・営業利益率
  • スリナム(ブロック 58・GranMorgu):数量 48.0(APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後))× 価格 113(実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 15 億ドル。持ち分の生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent −3 ドル)・営業利益率

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 54.4% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 32.2%(moat normal)、g 1.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 10.8 倍。先細りの資源なので寿命 6.2 年の年金(g 1%)が頭を押さえ、4.6 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 4.6 倍に対し、同じく価格受容者なので、上限の 8.6 割(3.97 倍)に置いた。

確率:実質 80 ドル前後で、スリナムが予定どおりに立ち上がり米国が横ばいを超える姿。電動化の天井を考え 18%。

中立 35% 中立:実質 WTI 72 ドル(名目 97)、米国は横ばい、スリナムが 2030 年代前半の利益を支える 利益 26 億ドル · PER 3.9 倍 · 株価時価総額 28.83 ドル104 億ドル

2035 年、実質 WTI 72 ドル(名目 97 ドル)、Brent 101 ドル、ヘンリーハブ 4.9 ドル。米国は日量 264 千 boe で横ばい(実現価格 58 ドル/boe)、エジプトは総生産を日量 207 千 boe で保ち、報告は価格に応じて 124 千 boe。北海は 2030 年前後に生産を終え、廃止費だけが残る。スリナムは 2029〜2032 年がプラトー(持ち分 約 66 千 boe/d)、2035 年は減退して 48 千 boe/d。売上 105 億ドル、営業利益 44 億ドル(率 42%)、純利益 26 億ドルで、うちスリナムが約 3 割。10 年の還元は正味 211 億ドルで、純負債は 20 億ドルまで下がる。競合比:2025 年の営業利益率 31% は EOG・FANG と並ぶが、米国専業ほどの純粋さは無い。倍率は利益ベースの正当化 PER で 3.92 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。

  • 米国(パーミアン):数量 264(生産量(千 boe/d))× 価格 58(実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値))→ 売上 56 億ドル・営業利益 24 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(ドル/boe)・営業利益率
  • エジプト(西部砂漠):数量 124(報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む))× 価格 70(実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重))→ 売上 31 億ドル・営業利益 14 億ドル。報告の生産量(少数株主分と税バレルを含む)・実現価格・営業利益率
  • 英国北海:数量 0.0(生産量(千 boe/d))× 価格 101(実現価格(ドル/boe。Brent 並み))→ 売上 0 億ドル・営業利益 −1 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent 並み)・営業利益率
  • スリナム(ブロック 58・GranMorgu):数量 48.0(APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後))× 価格 98(実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 12 億ドル。持ち分の生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent −3 ドル)・営業利益率

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 32.6% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 21.3%(moat normal)、g 1.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 10.6 倍。先細りの資源なので寿命 6.2 年の年金(g 1%)が頭を押さえ、4.6 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 4.6 倍に対し、価格が外から決まる事業なので、上限の 8.5 割(3.92 倍)に置いた。

確率:業界ノートの中立(2036 年 WTI 97 ドル・実質 72)に APA の在庫とスリナムの計画を合わせた。議論の落としどころ。確率は FANG の 35% と同じ 35%。

やや悲観 24% やや悲観:実質 60 ドルへ下がり、米国の在庫の質が落ちて利益率が下がる 利益 17 億ドル · PER 3.7 倍 · 株価時価総額 17.77 ドル64 億ドル

2035 年、実質 WTI 60 ドル(名目 85 ドル)。採算の線(新規 63〜70 ドル)をわずかに下回り、米国は年 −1% で日量 239 千 boe、エジプトの総生産も年 −0.5% で報告 126 千 boe。スリナムは半年遅れで初油が 2029 年にずれ、プラトーの水準が 3% 低い(持ち分 50 千 boe/d・2035 年)。2030 年に評価損 5 億ドルを立てる。営業利益 31 億ドル、純利益 17 億ドル(中立の約 3 分の 2)、10 年の還元は正味 124 億ドルに縮む。FANG はやや悲観でも原油部門の営業利益率 32% を保つが、APA は現金費用が高く、エジプト・北海の構造も抱える。倍率は利益ベースの正当化 PER で 3.69 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。

  • 米国(パーミアン):数量 239(生産量(千 boe/d))× 価格 51(実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値))→ 売上 44 億ドル・営業利益 15 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(ドル/boe)・営業利益率
  • エジプト(西部砂漠):数量 126(報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む))× 価格 62(実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重))→ 売上 28 億ドル・営業利益 12 億ドル。報告の生産量(少数株主分と税バレルを含む)・実現価格・営業利益率
  • 英国北海:数量 0.0(生産量(千 boe/d))× 価格 89(実現価格(ドル/boe。Brent 並み))→ 売上 0 億ドル・営業利益 −1 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent 並み)・営業利益率
  • スリナム(ブロック 58・GranMorgu):数量 49.6(APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後))× 価格 86(実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 10 億ドル。持ち分の生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent −3 ドル)・営業利益率

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 19.9% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 14.9%(moat normal)、g 1.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 10.4 倍。先細りの資源なので寿命 6.2 年の年金(g 1%)が頭を押さえ、4.6 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 4.6 倍に対し、現金費用が高くエジプト・北海の構造も抱えるので質を落として、上限の 8.0 割(3.69 倍)に置いた。

確率:実質 60 ドルは新規採算の線の下。2015〜2020 年の大半がこの水準で、慎重な見方は強い。APA の質を理由に OXY・FANG より 1〜2 ポイント厚い 24%。

悲観 16% 悲観:構造的に負け、実質 47 ドルで投資が減り、エジプトも米国も減退する 利益 4 億ドル · PER 3.8 倍 · 株価時価総額 4.32 ドル16 億ドル

2035 年、電動化・需要の天井と OPEC+ の増産で WTI は名目 66 ドル止まり(実質 47 ドル)、Brent 70 ドル。米国は設備投資を減らして年 −2.7% で日量 205 千 boe、エジプトは総生産が年 −2% で報告 121 千 boe。スリナムは 1 年遅れで初油、プラトーが 10% 低く、持ち分 49 千 boe/d(2035 年)。2029〜30 年に評価損 15 億ドル(税前)を立て、自己資本は 2030 年に 55 億ドルまで縮む。営業利益 12 億ドル、純利益 4 億ドル。もう優良な生産会社ではなく、埋蔵量が尽きる前に利益が細る評価(PBR 0.2 倍)になる。還元は 10 年で正味 40 億ドル(配当中心。2029 年の評価損の年は純負債が 34 億ドルまで増え、配当を半分にする想定)。倍率は利益ベースの正当化 PER で 3.79 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。競合の FANG は悲観でも原油部門の営業利益率が 1 割台を保つが、APA はスリナム 1 基への依存が重く、エジプトの相手先の悪化も重なる。

  • 米国(パーミアン):数量 205(生産量(千 boe/d))× 価格 39(実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値))→ 売上 29 億ドル・営業利益 4 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(ドル/boe)・営業利益率
  • エジプト(西部砂漠):数量 121(報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む))× 価格 50(実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重))→ 売上 22 億ドル・営業利益 7 億ドル。報告の生産量(少数株主分と税バレルを含む)・実現価格・営業利益率
  • 英国北海:数量 0.0(生産量(千 boe/d))× 価格 70(実現価格(ドル/boe。Brent 並み))→ 売上 0 億ドル・営業利益 −1 億ドル。生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent 並み)・営業利益率
  • スリナム(ブロック 58・GranMorgu):数量 49.1(APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後))× 価格 67(実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 7 億ドル。持ち分の生産量(千 boe/d)・実現価格(Brent −3 ドル)・営業利益率

倍率:k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。この筋書きの事業の帳簿 ROE 5.1% は k 以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で PER は 1÷k = 10.0 倍が上限。スリナム 1 基への依存とエジプトの相手先の悪化が重なる構造的な負けなので上限の 8.5 割(3.79 倍)。

確率:構造的な負け(需要の天井・OPEC+・スリナムの遅れと超過・エジプトの契約の悪化・北海の廃止費)は 10 年で 1 割台半ば。APA は一本足のスリナムとエジプトの相手先に曝されるので OXY の 15% より 1 ポイント厚い 16%。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

米国(パーミアン)

ミッドランド・デラウェア両盆地の原油・NGL・ガス。生産の約 6 割、2026 年の原油は日量 12.3 万バレル。

数量生産量(千 boe/d)価格実現価格(ドル/boe。原油・NGL・ガスを混ぜた値)売上営業利益
今 2025/12 288 36 38 12
10 年後 中立 264 58 56 24

取り方:2025 年は日量 287.5 千 boe(原油 約 125 千 b/d・推定)、売上 38.2 億ドル(10-K の生産売上)で 1 boe あたり約 36.4 ドル(原油 65.7・NGL 22.1・ガス 1.0 ドル/Mcf の加重)。営業利益は全社の税引前 27.9 億ドルから、費用(LOE・GP&T・生産税・償却)とガス取引・G&A などを割り振った推定(会社は区分ごとの営業利益をこの形では開示していない)。rev_factor は 365 日 ÷ 10 万で、売上=数量×価格×rev_factor(億ドル)。

エジプト(西部砂漠)

統合利権(費用回収 40%・利益配分 30% 固定)。法人税は国営会社が負担(税バレル)、現地子会社の 3 分の 1 はシノペック。

数量報告の生産量(千 boe/d。少数株主分と税バレルを含む)価格実現価格(ドル/boe。原油 6 割・ガス 4 割の加重)売上営業利益
今 2025/12 146 50 26 13
10 年後 中立 124 70 31 14

取り方:2025 年は報告 146.2 千 boe/d(調整後 73.4。差は少数株主分 約 49 と税バレル 約 24)、売上 26.4 億ドル、原油 68.0・ガス 3.59 ドル/Mcf の加重で約 49.5 ドル/boe。営業利益は費用(総生産 日量約 207 千 boe 当たり 約 18.5 ドル:現金 9.2・償却 9.3)を引いた推定。価格が上がると費用回収の分が減り報告の生産が減る(2026 年 4〜6 月期は報告 125 千 boe)。

英国北海

フォーティーズなどの老朽油田。2023 年に掘削を停止、2030 年前に生産を終える見込みで、廃止費が残る。

数量生産量(千 boe/d)価格実現価格(ドル/boe。Brent 並み)売上営業利益
今 2025/12 30.7 69 8 2
10 年後 中立 0.0 101 0 −1

取り方:2025 年は 30.7 千 boe/d、売上 7.7 億ドル(Brent 並みの約 69 ドル/boe)。営業利益は固定費・償却・ARO の増加(年 約 1.0 億ドル)を引いた推定。2026 年 4〜6 月期は 22.1 千 boe/d に減っている。

スリナム(ブロック 58・GranMorgu)

トタルエナジーズが運営。APA は 50%(スタートオイルの参加後は実質 約 40%)、日量 22 万バレルの浮体式設備、初油は 2028 年中ごろ。

数量APA の持ち分の生産量(千 boe/d。ロイヤリティ・国の利益油を引いた後)価格実現価格(ドル/boe。Brent −3 ドル)売上営業利益
今 2025/12 0.0 65 0 0
10 年後 中立 48.0 98 17 12

取り方:2025 年は生産なし(探鉱・開発の段階)。2028 年中ごろの初油から、プラトー 4 年(日量 22 万バレル総)。持ち分は 40% × 75%(政府の取り分を推定で引いた後)で日量 約 66 千 boe。費用は APA の分担が総投資 105 億ドルの最初の 100 億ドルまでは 12.5%、次の 50 億ドルで 25%、それ以上は 37.5%(10-K)。

リスクと懸念

原油と天然ガスの価格(循環)

利益の大半は外から決まる価格で動く。WTI が 1 ドル動くと APA の純利益は年に約 0.5 億ドル動く(エジプトでは価格が上がると報告の生産が減る分、感度が下がる)。2026 年の戦争の高値が収束すると、2027 年は 84 ドル、2028 年は 81 ドルへ戻る(EIA の Brent)。リーマンとコロナでは Brent が 7 割以上下がり、2020 年に APA は −85%。

エジプトの相手先・契約・税

エジプトは生産の約 3 割(報告ベース)を占める。EGPC の延滞金は 2026 年 6 月に政府が全額を清算したが、EGPC の財務は弱いままで、通貨の下落・価格改定・契約の再交渉が再燃しうる。利益の 3 分の 1 はシノペックに流れ、法人税は税バレルとして売上に入るが現金にならない。

スリナム GranMorgu の実行

初油は 2028 年中ごろ、日量 22 万バレル、総投資 105 億ドル。運営はトタルエナジーズで、遅れ・費用超過・立ち上がりの不調は APA の価値に直結する。キャリーの上限(総投資が 100 億ドルを超えると APA の負担割合が上がる)を超える費用超過は、APA の持ち出しを増やす。ブロック 58 の次の探鉱井は 2027 年へ延びた。

北海の廃止と税

北海は 2023 年に掘削を止め、2030 年前に生産を終える見込み。ARO は 2026 年 6 月末で 29.3 億ドル、廃止費は 2026 年に総額で約 2.8 億ドル、40% の税の戻りがある。英国の税(エネルギー利益課税)と評価性引当は費用の波を作り、廃止を巡る元パートナーとの費用負担の係争(フォーティーズ)も残る。

純負債と自己資本の傷

純負債は 2026 年 6 月末で 33 億ドル(時価総額の約 2 割)、目標は 30 億ドル。2020〜21 年は自己資本がマイナスで、2025 年末の APA の自己資本は 61 億ドルと小さく、減損で簡単に縮む。借り換えで利払いが約 5.75〜6% へ上がる。価格が下がれば自社株買いは止まり、配当の維持に FCF の多くが要る。

ガス取引益の一時性とガス輸送

2026 年のガス取引益(税引前 約 9.5 億ドル、基差ヘッジ含む)は、Waha の割引が大きい年の特異な利益で、輸送管が整うと消える。米国のガスの実現価格は 2026 年 4〜6 月期でマイナス 3 ドル/Mcf。GCX の最初の期限は 2029 年で、延長できなければ輸送費が上がる。

費用の上昇と在庫の質

鋼材・サービスの費用は名目で年 3% 台後半で上がる。パーミアンは会社の見立てで 10 年以上横ばいで保てるが、良い井戸から使うため後半は質が下がる。効率化の余地(月 350 万ドルの運転費削減、5 億ドルの費用削減)が尽きれば、同じ生産を保つ投資が増える。

今後の分かれ目

WTI の 2027 年の水準が 75 ドルを上回ったまま、先物の形が後ろ下がりにならない
戦争の高値が構造的に残る信号で、楽観・やや楽観の確率を上げる。純負債が 30 億ドルへ早く着き、還元が増える。
湾岸の生産が 2027 年に回復し、OPEC+ が増産する
Brent が 2025 年並みの 69 ドル前後へ戻る信号で、やや悲観・悲観の確率を上げる。2027 年の純負債の目標到達が遅れる。
GranMorgu が 2028 年中ごろまでに初油を出し、日量 22 万バレルへ立ち上がる
中立どおり。立ち上がりが早ければ 2029 年の利益が上振れし、10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。遅れが 1 年を超えれば、やや悲観・悲観の確率を上げる。
エジプト政府が EGPC への支払いを再び遅らせる、またはガス・原油の価格改定で取り分を減らす
報告の売上は変わらなくても現金が入らず、FCF と還元が減る。エジプトの利益の約 3 分の 1 が揺らぐので、悲観側の確率を上げる。
ブロック 58 の追加探鉱(サパカラ・サウス以外の発見)またはアラスカ(サバント・ソッカイ)で大きな発見
在庫と生産が数年分延び、10 年の生産の伸びを上方に直せる。逆に探鉱が連続して失敗すれば、探鉱費の累積が価値を削る。
北海の廃止費がまとまって増える、または元パートナーとの費用負担の係争で APA が負ける
ARO の引き当てと現金支出が増え、2030 年前の FCF を削る。EPL の見直しとの組み合わせで影響が変わる。

見ておくもの

  • WTI・Brent の 2027 年の水準と先物の形(後ろ下がりの深さ)
  • 純負債の推移(30 億ドルの目標)と自社株買いの額(FCF の 60% 以上の約束)
  • GranMorgu の初油の時期(2028 年中ごろ)と日量 22 万バレルへの立ち上がり
  • エジプトの EGPC 支払いの状況、ガス価格の改定、報告の生産量(価格が上がると減る)
  • パーミアンの原油(日量 12.3 万バレル)と設備投資(2026 年 米国 13 億ドル)、1 boe あたりの LOE(4〜6 月期 9.46 ドル)
  • Waha の価格と新しい輸送管、GCX の期限(2029 年)
  • ブロック 58 の探鉱井(2027 年)・アラスカの 2 井(2027 年)・ウルグアイ(2027 年後半)の結果
  • 北海の廃止費と英国の税(エネルギー利益課税)

倍率と資本コストの決め方

倍率は式だけで置いた。先細りの資源なので、PER は式((1 − g/RONIC)/(k − g)、g は 1%)と、埋蔵量の寿命 6.2 年の年金の小さい方で頭を押さえる。k は 10.0%(8.0% + quality 2.0%)で、年金が効く。中立は上限(×(1+g))の 85%、悲観側は 8 割台。価格受容者なので上限いっぱいには置かない。今の PER・過去の倍率・同業の倍率は根拠にしていない。結果の差とやや割高の 5 段階はそのまま受け入れた。利益(数量 × 価格)と確率は変えていない。

資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 2.0% = 10.0%(決まり v2。β は使わない)。価格の振れと価格受容者は cycle・pricing、集中の危うさは life で見た。エジプトの相手先・スリナムの実行・北海の廃止・傷んだ自己資本は k に足さず、筋書き(価格と数量)と悲観の確率で表した。

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  2. APA Corporation 2026 年 7〜9 月期の補足情報(8-K・2026-10-07)
  3. APA Corporation 2025 年 4Q・通年決算(8-K 別紙 99.1)
  4. APA Corporation 10-K(2025 年度)
  5. APA 2026 年 4〜6 月期の決算説明会の書き起こし(Motley Fool)
  6. AGBI:エジプトが外国パートナーへの延滞金を全額清算(2026-06)
  7. APA:北海の廃止(North Sea Decommissioning)
  8. Energy Voice:アパッチがフォーティーズ油田の終了を計画
  9. APA:スリナム GranMorgu の最終投資決定

分析日 2026-10-16