株譜
AI 銘柄分析 · エネルギー · 試作

バレロ・エナジー VLO

米国最大級の製油会社。2026 年の戦争の高値を織り込んだ今の値段は、利益ベースの正当化 PER では中立のクラックに届かない(割高)

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)131.29 ドル386 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-21)436.8 ドル1,284 億ドル差 −69.9%
10 年後から見ると 割高 価値 131.29 ドル386 億ドル · 差 −69.9% · 期待の年率 −5.3%
期待の年率リターン(10 年)−5.3%資本コスト比 −15.3 pt
推定の資本コスト10.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 10.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

バレロ・エナジーは、米国・カナダ・英国に 14 の製油所(能力 約 300 万バレル/日)を持つ米国最大級の独立系製油会社で、再生可能ディーゼルの合弁(ダイヤモンド・グリーン・ディーゼル=DGD、ダーリング・インガディエンツと折半、年 12 億ガロン)と、米中西部のエタノール 12 工場(年 17 億ガロン)を持つ。2025 年は売上 1,227 億ドル、純利益 23 億ドル(調整後 33 億ドル)。2026 年はホルムズ海峡の封鎖で世界の製品が足りなくなり、4〜6 月期の純利益だけで 37 億ドル、上期で約 50 億ドルに達した。

バリュー投資の観点では、強みは三つある。重質サワー原油を安く処理できる複雑度とメキシコ湾岸の立地、純負債が時価総額の 5% しかない強い財務(現金 79 億ドル)、そして営業 CF の 50% 以上を必ず返す還元の規律である。弱みは、製品の値段も値幅も外から決まる価格受容者であること、ガソリン需要が 10 年で緩やかに減ること、再生可能ディーゼルが政策(RIN・税額控除)の影響を強く受けること、そして MPC のような料金型の安定収益が無いことである。

数量 × 価格で積み上げると、業界共通の 3-2-1 クラック(2035 年 28 ドル/バレル)の中立で、10 年後の純利益は 36 億ドルと、2025 年の調整後(33 億ドル)から名目でほぼ横ばい、実質では目減りする。資本コストは 10.0%(8.0% + quality 2.0%)、倍率は利益ベースの正当化 PER の 8〜8.5 割で、10 年の中立は 9.2 倍。確率で加重した価値は今の時価総額 1,307 億ドルを 7 割ほど下回り、はっきり割高と出る。今の値段は 2026 年の異常なクラックを恒久と見ている。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、バレロは『10 年後も存在するか』と聞かれれば存在するが、『今より強いか』は微妙である。米国の製油は寡占に近く、閉鎖が供給を絞り、バレロは強い財務と高い複雑度を持つ点は評価できる。ただし堀は『複雑度と立地と調達力』で、価格を決める力ではない。ガソリン需要が 10 年で緩やかに減るので、堀は広がるというより『縮む市場で最後まで残る側』になる。

オーナー利益で見ると、2025 年の調整後の純利益 33 億ドルから、維持の設備投資(年 17 億ドルで減価償却とほぼ同額)を引いても大きくは変わらず、株主のものは 30 億ドル前後。2025 年の期末 PER は 21 倍、今は 56 倍。これは 2026 年 4〜6 月の異常に高いクラック(9 月 63 ドル)を見て株価が先に走り(12 か月で約 3 倍)、足元の利益 37 億ドル/四半期が続くと見ているからで、クラックが 2028 年に 26 ドルへ戻れば利益は 2026 年の 4 割ほどになる。

資本配分は、高いクラックの時に自社株買いで株を減らす点は評価できるが、株価が高い今、同じ金額の買い戻しで得られる価値は薄い。経営は『自社株買いの 10 年の収益率は 20% 超』と述べるが、それは 5〜10 倍の PER で買った期間の話である。再生可能ディーゼルは政策次第で、過去 2 年のうち 1 年は赤字だった。事業は読みにくく(クラックと RIN は外から決まる)、確信度は中程度に下げ、価格の道筋を中立に置いたうえで、悲観の確率を厚めにした。

何で稼ぐ会社か

売上は三つの事業から成る。製油(Refining)が売上の 95% 以上を占め、メキシコ湾岸(ポートアーサー・コーパスクリスティ・セント・チャールズ・テキサスシティ・ヒューストンなど。2026 年 4〜6 月で 183 万 b/d)、中西部(マッキー・アードモア・メンフィス。49 万)、北大西洋(カナダのケベックと英国のペンブローク。51 万)、西海岸(ウィルミントン。13 万)で合計 約 295 万 b/d を処理し、ガソリン・ディーゼル・ジェット燃料を卸売りと輸出で売る。カリフォルニアのベニシア(約 14.5 万 b/d)は 2026 年 4 月末に全停止し、西海岸の処理量は前年の 26 万から 13 万に半減した。2025 年の精製値幅は 1 バレル 12.3 ドル、運転費 5.0 ドル、減価償却 2.5 ドルで、営業利益は 1 バレル約 4.8 ドル(精製の営業利益 51.7 億ドル。減損を除く)。

再生可能ディーゼル(DGD。バレロ連結、持ち分は 50%)は、使用済み食用油・動物油脂を原料に、ルイジアナとテキサスで年 12 億ガロンの再生可能ディーゼルと持続可能な航空燃料(SAF)を作る。利益は RIN(再生可能燃料の証書)と連邦・州の税額控除に大きく左右され、2025 年は営業損失 1.6 億ドル、2026 年 4〜6 月は 7.2 億ドル(1 ガロン 2.5 ドル)。パートナーの持ち分(約半分)は純利益から引かれる(4〜6 月で 3.5 億ドル)。

エタノール(米中西部 12 工場)は 2025 年に営業利益 3.7 億ドル(1 ガロンの値幅 0.63 ドル)、2026 年 4〜6 月は 3.2 億ドル。収益の構造は、精製が 3-2-1 クラック 1 ドル/バレルあたり税引き前で約 6.5 億ドル動く(処理量 2.95 百万 b/d × 365 日 × 0.60。推定)のに対し、再生可能ディーゼルとエタノールは政策と原料・製品の差で動く。

優良さと弱いところ

製油会社は価格受容者で、優良さは『どのクラックでも利益を残せる複雑度と立地』と『財務の余裕』で決まる。バレロの堀は三つある。第 1 に、重質サワー原油を処理できる高転換の設備で、原油のブレント・マヤの差(2026 年 4〜6 月で 8 ドル)と、ベネズエラ重質の最大の買い手としての調達力を、そのまま値幅に変える。第 2 に、メキシコ湾岸の製油所群の規模と輸出の出口(パイプライン・桟橋)。第 3 に、資本配分の規律で、営業 CF の 50% 以上の還元を明文で約束し、2025 年は 67%、2026 年 4〜6 月は 59% を返しつつ、純負債を時価総額の 5% に保っている。

弱みも明確にある。①精製は価格を決められず、2020 年(純損失 14 億ドル)や 2021 年のように価格が崩れると利益が消える。②再生可能ディーゼルは政策次第で、2025 年は赤字、2026 年は RIN の不足で大きな黒字と、年ごとの振れが大きい。バレロ自身も政策の不確実さから増設の意思は薄いと述べている。③西海岸はカリフォルニアの規制で閉鎖が続く地域で、ベニシアは停止、ウィルミントンも減損の対象になった。④MPC の MPLX(料金型)のような安定収益が無く、波がそのまま利益に出る。⑤2025 年にはポートアーサーの火災・設備の修理(約 2.5 億ドル)など、大型設備の事故の影響も受けている。経営は最高経営責任者ラインのもとで継続性が高く、現金目標 40〜50 億ドルを守る規律も明確である。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

2026 年の米国の製油は、ホルムズ海峡の封鎖と湾岸・ロシアの製油所の被害(ロシアの製油能力 170〜190 万 b/d が停止と経営は見る)で世界の製品が足りず、3-2-1 クラックが 3 月に 55 ドル超、9 月に約 63 ドル/バレル(2022 年 5 月の最高 75.9 ドルに近い)に達した。バレロの精製値幅は 4〜6 月に 1 バレル 23.6 ドル(前年同期の 12.4 ドルの 2 倍)、3 社(バレロ・MPC・フィリップス 66)の純利益は 4〜6 月だけで 126 億ドル(2022 年以来最大)。

しかしこの高値は戦争の産物で、湾岸の製油(約 300 万 b/d の停止と推計)が戻れば下がる。業界ノートの中立は 3-2-1 が 2029 年に 26・2036 年に 28 ドル(今のドル価値で 20)で、2022 年の高値も 1 年後には大きく戻った前例がある。バレロの経営は『北西欧のハイドロスキミング(炭素費用・物価込み)が中期のクラックの床を決めるので、床は上がった』と述べるが、これはまだ見通しにとどまる。米国の製油能力は 2025〜26 年に LyondellBasell のヒューストン、フィリップス 66 のロサンゼルス、バレロのベニシアが閉じて約 55 万 b/d(3%)縮み、床を支える。長期の構造では、EV と効率化でガソリン需要が 10 年で緩やかに減り、中東(ドゥクム・ジャザン)・アジア・ナイジェリア(ダンゴテ)の大型製油所が輸出で競合する。

競合は、マラソン・ペトロリアム(MPC。バレロと同規模だが MPLX の料金収入を持つ)、フィリップス 66(化学・ミッドストリーム・販売の多角)、エクソンモービル・シェブロン(製油は小さな一部)。バレロは米国最大級の精製の専業で、強みは複雑度と輸出の出口。再生可能ディーゼルは同業のフィリップス 66(ロデオ)やネステ・MPC の合弁と競い、エタノールはアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)・POET・グリーン・プレーンズと競う。

資本政策と M&A

還元は配当と自社株買い。2025 年は 40 億ドル(営業 CF の 67%)、2026 年 4〜6 月は 26 億ドル(59%)。配当は四半期ごとに増やし(2026 年 1 月に引き上げ)、自社株買いは残りの枠の範囲で続く。経営は『最低 50% の還元は守り、高い局面では現金を厚くしつつそれを上回る』と述べる。現金は 2026 年 6 月末で 79 億ドル(長期の目標 40〜50 億ドルを超える)、総負債 91 億ドルとファイナンスリース 22 億ドルで、純負債は約 34 億ドル(純負債の対資本比率 11%)。株式報酬は小さく、正味の還元の補正は年 1〜2 億ドル。

設備投資は 2026 年に約 20 億ドル(維持 17 億・成長 3 億)で、セント・チャールズの FCC 最適化(2.3 億ドル。7〜9 月稼働)とポートアーサーの水素化脱硫設備の修理(約 2.5 億ドル、保険あり、年末まで)が主な個別事業。DGD は増設しない。

M&A:バレロは大型買収を重ねてきた会社ではなく、『戦略的な価値が強いものだけ』と述べる。2025 年にベニシアとウィルミントンの減損(計 11 億ドル)を出して停止・縮小を決めたように、弱い製油所は閉める側にいる。借り換えは国債 5% + 0.5〜1% になり、純負債に対する利払いの増加は 10 年で約 1 億ドル(推定。純利益に反映)。時価総額が大きく TOB を受ける可能性は低い。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

バレロは製油会社の中で最も『波に強く、波の高い時に最も稼ぐ』作りにした。複雑度が高く、重質サワー原油の値引き(4〜6 月は北米・ベネズエラ重質で拡大)をそのまま値幅に変え、4〜6 月は 1 バレルの営業利益が 16.6 ドルと前年の 3.5 倍に達した。ベニシアの停止で採算の悪い西海岸を整理し、セント・チャールズの FCC 最適化(2.3 億ドル)で高付加価値の製品を増やす。財務は純負債が時価総額の 5%、現金は目標を上回る 79 億ドルで、不況でも配当と最低 50% の還元を守れる。

供給側では米国の製油能力が 2025〜26 年に約 55 万 b/d 閉じ、新設の計画はほぼ無い。湾岸の製油(約 300 万 b/d)の復旧は遅れ、ロシアの製油所への攻撃も続くので、2028 年でもクラックが 30 ドル台に居座る可能性は高い。経営は北西欧のハイドロスキミング・値幅(炭素費用込み)が中期のクラックの床を引き上げたと見る。再生可能ディーゼルも RIN の銀行が 2026 年末〜2027 年に尽きると見て、構造的な不足が続くなら 2025 年の赤字は一時の谷にすぎない。クラック 30 ドルなら純利益は 70 億ドルを超え、倍率が 17 倍でも今の時価総額に近づく。

慎重な見方

製油は価格を決められず、2026 年の高値は戦争の産物である。2022 年の最高から 1 年でクラックは大きく戻り、2024 年の純利益は 28 億ドル、2025 年は調整後でも 33 億ドルまで落ちた。湾岸の製油が復旧すれば、2027 年に 3-2-1 は 30 ドル台前半へ下がり、中立の 2028 年は 26 ドルで、2022 年の最高の 3 分の 1 でしかない。人件費・修繕費は物価で上がるので、クラックが物価並みに上がるだけでは利益は増えない(運転費は 10 年で 41% 増)。

再生可能ディーゼルは政策頼みで、2025 年は赤字、2026 年の 7 億ドルは RIN の一時の不足にすぎず、増設の意思が無いのは採算に自信が無いからでもある。時価総額 1,307 億ドル・PER 56 倍は 2026 年の利益を恒久と見ており、自己資本 237 億ドルの 5.5 倍に当たる。自社株買いは株価が高い今ほど価値を生まない。10 年の構造では、EV と効率化でガソリン需要が減り、湾岸・アジア・ナイジェリアの新設製油所が輸出で競合し、米国の製油所が輸出で稼ぐ余地が縮む。西海岸の規制リスクも消えていない(ウィルミントンは減損の対象)。MPC と違い、料金収入の安定した第二の足が無いので、不況の年は利益がそのまま消える。

どちらに重みを置いたか

中立の筋書きは業界ノートの共通の価格(3-2-1:2035 年 28 ドル)をそのまま使い、物価の上昇が人件費・修繕費で食われる分を引いた。強気の見方は財務の強さと複雑度、閉鎖による供給の抑制を正しく突くので、楽観・やや楽観の確率も合計 20% 確保した。悲観の床は、稼ぐ力と、残る設備などを売った税後の手取りから純負債を返した残りの大きい方に置いた。慎重な見方は価格受容者であること、今の高値が戦争の産物であること、MPC のような料金型の安定収益が無いことを正しく突くので、悲観・やや悲観の確率の合計を 44% と厚くした。結果は慎重な見方の側にはっきり寄り(割高)、今の値段は 2026 年の異常値を織り込んでいる。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 107.59 ドル316 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 144.63 ドル425 億ドル)。 今の値に割り戻すと 131.29 ドル386 億ドル、今との差 −69.9%、 期待の年率 −5.3%(資本コスト 10.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 5% 372.62 ドル1,096 億ドル 314.97 ドル926 億ドル +57.4% +4.6% 34.38 ドル101 億ドル
やや楽観 15% 231.53 ドル681 億ドル 234.01 ドル688 億ドル +6.6% +0.6% 69.83 ドル205 億ドル
中立 36% 112.65 ドル331 億ドル 160.88 ドル473 億ドル −37.4% −4.6% 98.47 ドル290 億ドル
やや悲観 26% 40.82 ドル120 億ドル 90.14 ドル265 億ドル −70.0% −11.3% 34.05 ドル100 億ドル
悲観 18% 17.01 ドル50 億ドル 69.05 ドル203 億ドル −80.3% −15.0% 15.49 ドル46 億ドル
加重平均100% 107.59 ドル316 億ドル144.63 ドル425 億ドル −42.3% −5.3% 252.22 ドル742 億ドル

今の株価時価総額 436.75 ドル1,284 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。

楽観 5% 楽観:クラックが実質 28 ドルに居座り、閉鎖が続く 利益 102 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 372.62 ドル1,096 億ドル

2035 年の 3-2-1 は名目 39 ドル(今のドル価値で 28)、Brent 127 ドル。米国の製油能力が縮んだまま、中東・アジアの新設が遅れ、EV の普及も遅い。処理量は 291 万 b/d を保ち、1 バレルの値幅は 22.8 ドル。精製の営業利益は 133 億ドル、再生可能ディーゼルは 14 億ドル、エタノールは 10 億ドル(E15 の通年販売と 45Z)。純利益は 102 億ドルで、2025 年の調整後の 3 倍。倍率は利益ベースの正当化 PER で 10.74 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。還元は 10 年で 926 億ドル。2022 年級の利益が構造として続く、供給の抑制が前提の上振れである。

  • 製油(Refining):数量 2.9(製油所の総処理量(百万 b/日))× 価格 187(処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか))→ 売上 1,981 億ドル・営業利益 133 億ドル。処理量×製品の売値(Brent+値幅+その他)
  • 再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結):数量 3.5(販売量(百万ガロン/日))× 価格 6.76(1 ガロンあたりの売値(ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 14 億ドル。DGD の 100% 連結(持ち分は約半分)
  • エタノール:数量 4.9(生産量(百万ガロン/日))× 価格 4.26(1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み))→ 売上 75 億ドル・営業利益 10 億ドル。生産量×売値(副産物込み)

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 25.4% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 17.7%(moat normal)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 12.9 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 13.4 倍に対し、クラックで大きく振れる市況の事業で、上振れは供給の抑制が前提なので、上限の 8.0 割(10.74 倍)に置いた。

確率:米国の閉鎖が続き、湾岸・アジアの新設が遅れ、ガソリン需要の減少が緩やかな場合のみ。供給側の構造(新設の製油所)と逆向きなので 5%。

やや楽観 15% やや楽観:クラックは実質 23 ドル、バレロの複雑度と原油調達が効く 利益 67 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 231.53 ドル681 億ドル

2035 年の 3-2-1 は名目 33 ドル(今のドル価値で 23)、Brent 114 ドル。稼働率が高く保たれ、処理量は 287 万 b/d、重質サワー原油の値引きと高転換設備で 1 バレルの値幅は 19.2 ドル。精製の営業利益は 94 億ドル、再生可能ディーゼルは 9 億ドル、エタノールは 7 億ドル。純利益は 67 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 10.16 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。還元は 10 年で 688 億ドル。西海岸はウィルミントンの稼働が続き、カリフォルニアの供給の逼迫で値幅が高く残る。再生可能ディーゼルは RIN の不足が続き、エタノールは E15 の通年販売で需要が保たれる。

  • 製油(Refining):数量 2.9(製油所の総処理量(百万 b/日))× 価格 170(処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか))→ 売上 1,780 億ドル・営業利益 94 億ドル。処理量×製品の売値(Brent+値幅+その他)
  • 再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結):数量 3.4(販売量(百万ガロン/日))× 価格 6.36(1 ガロンあたりの売値(ドル))→ 売上 79 億ドル・営業利益 9 億ドル。DGD の 100% 連結(持ち分は約半分)
  • エタノール:数量 4.8(生産量(百万ガロン/日))× 価格 4.11(1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み))→ 売上 72 億ドル・営業利益 7 億ドル。生産量×売値(副産物込み)

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 19.9% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 15.0%(moat normal)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 12.2 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 12.7 倍に対し、同じく市況の事業なので、上限の 8.0 割(10.16 倍)に置いた。

確率:実質 23 ドルは 2025 年の約 22 とほぼ同じ水準で、閉鎖が続けば十分ありうる。15%。

中立 36% 中立:クラックは実質 20 ドル、費用の上昇と需要の微減が利益を削る 利益 36 億ドル · PER 9.2 倍 · 株価時価総額 112.65 ドル331 億ドル

2035 年の 3-2-1 は名目 28 ドル(今のドル価値で 20)、Brent 101 ドル。米国のガソリン需要は微減(年 −0.5%)で、閉鎖が相殺し、処理量は 278 万 b/d。1 バレルの値幅は 16.2 ドル、運転費 7.0 ドル(2025 年比 41% 増)と減価償却 3.3 ドルを引くと営業利益は 1 バレル 6.0 ドルで、精製の営業利益は 60 億ドル。再生可能ディーゼルは政策の支えが弱まって 3.5 億ドル、エタノールは 4.5 億ドル。純利益は 36 億ドルで、2025 年の調整後(33 億ドル)より名目で 1 割増、実質では 3 割減。倍率は利益ベースの正当化 PER で 9.2 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。還元は 10 年で 473 億ドル。

  • 製油(Refining):数量 2.8(製油所の総処理量(百万 b/日))× 価格 154(処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか))→ 売上 1,562 億ドル・営業利益 60 億ドル。処理量×製品の売値(Brent+値幅+その他)
  • 再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結):数量 3.4(販売量(百万ガロン/日))× 価格 5.91(1 ガロンあたりの売値(ドル))→ 売上 73 億ドル・営業利益 4 億ドル。DGD の 100% 連結(持ち分は約半分)
  • エタノール:数量 4.7(生産量(百万ガロン/日))× 価格 3.98(1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み))→ 売上 68 億ドル・営業利益 5 億ドル。生産量×売値(副産物込み)

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality +2.0% = 10.0%。事業の帳簿 ROE 11.3% から RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)= 10.6%(moat normal)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 10.4 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 10.8 倍に対し、純粋な製油の振れを見て中立らしく、上限の 8.5 割(9.20 倍)に置いた。

確率:業界ノートの共通の道筋(2036 年の 3-2-1 は名目 28 ドル、今のドル価値で 20)をそのまま使い、最も厚く 36%。

やや悲観 26% やや悲観:湾岸・アジアの新設が輸出に回り、クラックは実質 16 ドルへ 利益 8 億ドル · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 40.82 ドル120 億ドル

2035 年の 3-2-1 は名目 23 ドル(今のドル価値で 16)、Brent 85 ドル。湾岸の復旧に加え中東・アジアの大型製油所が製品を輸出し、EV と効率化で需要が減る。バレロは弱い製油所(ウィルミントンなど)を閉め、処理量は 262 万 b/d。1 バレルの値幅は 13.2 ドル、運転費を 3% 削っても営業利益は 1 バレル 3.2 ドルで、精製の営業利益は 30 億ドル。再生可能ディーゼルは赤字、エタノールは 0.7 億ドル。純利益は 8 億ドル(ROE 3%)。もう優良な製油会社ではなく、時価総額は売れる資産の税後の手取り(床)120 億ドルで測る。還元は 10 年で 265 億ドル(配当中心)。 10 年の還元が純利益の合計を上回る分は、2026〜27 年の高いクラックで積み上がった現金(2026 年 6 月末で 79 億ドル)と営業キャッシュフロー(足りなければ非中核資産の売却)で賄う。

  • 製油(Refining):数量 2.6(製油所の総処理量(百万 b/日))× 価格 135(処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか))→ 売上 1,290 億ドル・営業利益 30 億ドル。処理量×製品の売値(Brent+値幅+その他)
  • 再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結):数量 3.0(販売量(百万ガロン/日))× 価格 5.56(1 ガロンあたりの売値(ドル))→ 売上 61 億ドル・営業利益 −1 億ドル。DGD の 100% 連結(持ち分は約半分)
  • エタノール:数量 4.4(生産量(百万ガロン/日))× 価格 3.76(1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み))→ 売上 60 億ドル・営業利益 1 億ドル。生産量×売値(副産物込み)

倍率:悲観の床は、稼ぐ力(純利益 ÷ k)か、純現金+売れる資産の税後の大きい方(SCHEMA §1-3)。製油所は営業利益 15 億ドルで稼働を続けるが、稼ぐ力(純利益 8 億ドル ÷ k 10.0%)は 約 80 億ドルにとどまる。 売れる資産は、残る製油所の設備を簿価(約 300 億ドルと推定)の半分で 150 億ドル、エタノールと再生可能ディーゼルの持分を 約 40 億ドルとして計 190 億ドル。簿価を下回る売却なので税は 0 とし、純負債 70 億ドルを返して 約 120 億ドル(担当の見積もり)。 時価総額は 120 億ドルで、今の自己資本 237 億ドルに掛けた PBR 0.51 倍に当たる(PBR は床の資産を今の自己資本で割り戻した換算)。EV でも見た:純有利子負債は売れる資産から先に返す前提で、床はその後の株主の取り分。含み益は無いので上乗せしない。

確率:湾岸のドゥクム・ジャザン、アジア、ナイジェリアのダンゴテの新設が製品を輸出に回し、ガソリン需要が減る筋書き。10 年のうちに実際に起きうるので 26%。

悲観 18% 悲観:ガソリン需要が減り、新設製油所に押されて精製が構造的に負ける 利益 −21 億ドル · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 17.01 ドル50 億ドル

2035 年の 3-2-1 は名目 17 ドル(今のドル価値で 12)で張り付き、Brent 72 ドル。米国の製油所は輸出で稼ぐ余地を失い、バレロは数か所を閉めて処理量は 235 万 b/d に縮む。1 バレルの値幅は 9.6 ドルで運転費 6.4 ドル・減価償却 3.3 ドルを賄えず、精製の営業利益は −1 億ドル。再生可能ディーゼル −3 億ドル、エタノール −3 億ドル(E10 需要の減少)で、純利益は −21 億ドル。のれん・製油所の減損で自己資本が目減りする。配当は 2031 年以降半分にし、還元は 10 年で 203 億ドル。時価総額は売れる資産の税後の手取り(床)50 億ドルで測る。 10 年の還元が純利益の合計を上回る分は、2026〜27 年の高いクラックで積み上がった現金(2026 年 6 月末で 79 億ドル)と営業キャッシュフロー(足りなければ非中核資産の売却)で賄う。

  • 製油(Refining):数量 2.4(製油所の総処理量(百万 b/日))× 価格 118(処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか))→ 売上 1,015 億ドル・営業利益 −1 億ドル。処理量×製品の売値(Brent+値幅+その他)
  • 再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結):数量 2.2(販売量(百万ガロン/日))× 価格 5.26(1 ガロンあたりの売値(ドル))→ 売上 42 億ドル・営業利益 −3 億ドル。DGD の 100% 連結(持ち分は約半分)
  • エタノール:数量 3.8(生産量(百万ガロン/日))× 価格 3.51(1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み))→ 売上 49 億ドル・営業利益 −3 億ドル。生産量×売値(副産物込み)

倍率:悲観の床は、稼ぐ力(純利益 ÷ k)か、純現金+売れる資産の税後の大きい方(SCHEMA §1-3)。赤字の年(純利益 −21 億ドル)なので PER は当てず、稼ぐ力は無い。 売れる資産は、構造の負けで閉鎖後に残る設備を簿価の 4 割(約 120 億ドル)、エタノール・再生可能の持分を 約 30 億ドル、計 150 億ドル。簿価を下回る売却なので税は 0 とし、赤字で増えた純負債(70 + 30 億ドル)を返して 約 50 億ドル(担当の見積もり)。 時価総額は 50 億ドルで、今の自己資本 237 億ドルに掛けた PBR 0.21 倍に当たる(PBR は床の資産を今の自己資本で割り戻した換算)。EV でも見た:純有利子負債は売れる資産から先に返す前提で、床はその後の株主の取り分。含み益は無いので上乗せしない。

確率:EV・効率化で需要が減り、輸出の余地が縮む構造の負け。再生可能ディーゼルの政策頼みもあり、悲観を 18% と厚めに置く(MPC は MPLX の料金収入があるので 16%)。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

製油(Refining)

14 の製油所(米・加・英)で原油を精製し、ガソリン・ディーゼル・ジェットを売る。クラックで利益が動く。

数量製油所の総処理量(百万 b/日)価格処理 1 バレルあたりの売値(ドル。原油+値幅+税・副産物ほか)売上営業利益
今 2025/12 3.0 107 1,162 52
10 年後 中立 2.8 154 1,562 60

取り方:処理量は 2025 年の 298.8 万 b/d(記録)。売値は Brent 68+精製値幅 12.3+その他(税・副産物)約 26 ドルで 106.5 ドル/バレル。営業利益は精製セグメントの 40.4 億ドルに減損 11.3 億ドル(ベニシア・ウィルミントン)を戻した 51.7 億ドル。1 ドルのクラックで約 6.5 億ドル動く(推定)。

再生可能ディーゼル(DGD・100% 連結)

使用済み油脂から再生可能ディーゼル・SAF を作る合弁(ダーリング・インガディエンツと折半)。RIN・税額控除で利益が動く。

数量販売量(百万ガロン/日)価格1 ガロンあたりの売値(ドル)売上営業利益
今 2025/12 3.2 3.94 46 −2
10 年後 中立 3.4 5.91 73 4

取り方:販売量は 2025 年 4Q の 3.1 に年間の動きを足した推定 3.2 百万ガロン/日。売値は 売上 46.0 億ドル(連結の内部取引を含む)から逆算。2025 年のセグメント営業利益は −1.6 億ドル(1 ガロンの値幅 0.42 ドル)。パートナーの持ち分約 49% は純利益の計算で引く。

エタノール

米中西部 12 工場(年 17 億ガロン)でエタノールと副産物(DDGS)を作る。

数量生産量(百万ガロン/日)価格1 ガロンあたりの売値(ドル。副産物込み)売上営業利益
今 2025/12 4.8 2.87 50 4
10 年後 中立 4.7 3.98 68 5

取り方:2025 年の生産量は 4.7〜4.8 百万ガロン/日(4Q は記録の 4.8)。売上 49.8 億ドル(内部取引を含む)から売値 2.87 ドル/ガロンを逆算。営業利益は 3.74 億ドル(値幅 0.63 ドル/ガロン、運転費 0.35、減価償却 0.05)。

リスクと懸念

クラックの正常化(戦争の高値の反動)

2026 年のクラック(9 月 63 ドル/バレル)は戦争の産物。湾岸の製油(約 300 万 b/d が停止と推計)が戻れば、2027 年に 3-2-1 は 34 ドル前後、2028 年は 26 ドルへ下がる。1 ドルのクラックでバレロの精製の税引き前利益は約 6.5 億ドル動くので、10 ドル落ちると約 65 億ドル(2025 年の調整後純利益の約 2 倍)の減益になる。

再生可能ディーゼルの政策・RIN リスク

DGD の利益は RIN の価格と税額控除次第で、2025 年は営業損失 1.6 億ドル、2026 年 4〜6 月は 7.2 億ドル。RIN の銀行が尽きた後に EPA の義務量・小規模製油所の免除(SRE)が緩めば、利益は 1 年で消える。バレロは増設の意思が無いと述べており、悪化させない置き方にした。

西海岸(カリフォルニア)の規制と閉鎖

ベニシアは 2026 年 4 月に停止し、ウィルミントン(約 13 万 b/d)も 2025 年に減損の対象になった。州の燃料規制・地元の反発・需要減で、残りの製油所も閉鎖の候補になりうる。閉鎖は一時の減損と費用(ベニシアで 2026 年 4〜6 月に追加の減価償却 約 0.3 億ドル)を生む。

ガソリン需要の減少と輸出競合

EV と燃費改善で米国のガソリン需要は 10 年で緩やかに減る(中立で年 −0.5%)。ドゥクム・ジャザン(中東)・アジア・ナイジェリア(ダンゴテ)の大型製油所が製品を輸出し、米国の製油所が輸出で稼ぐ余地を狭める。悲観の構造の負けでは実質クラック 12 ドルが続く。

費用の上昇と設備事故

運転費は 2025 年の 5.0 ドル/バレルから 10 年で 41% 増え、クラックが物価並みに上がっても利益は増えない。ポートアーサーの水素化脱硫設備の修理(約 2.5 億ドル、保険あり)のように、大型設備の事故・停止はクラックが高い年ほど機会損失が大きい。

高い局面での自社株買いの価値

2025〜26 年は営業 CF の 59〜67% を返したが、株価が 12 か月で約 3 倍になった今の買い戻しは、将来の価値の源泉にはなりにくい。クラックが落ちると原資の営業 CF が先に細り、配当の維持が自社株買いより優先される。

エタノールの需要と規制

エタノールはガソリンへの混合に頼るので、EV でガソリン需要が減れば量が減る。E15 の通年販売・45Z(クリーン燃料の税額控除)の扱いと、トウモロコシ価格との差で値幅は 0.5〜1.2 ドル/ガロンの幅で動く。

今後の分かれ目

3-2-1 クラックが 2027 年に 30 ドルを割り、湾岸の製油が全面復旧する
やや悲観に近づき、純利益は 2028 年に 15 億ドル前後。自社株買いは止まり、配当だけ守る。やや悲観・悲観の確率を上げる。
米国の製油所の閉鎖が追加で続き、稼働率が 95% 以上を保つ
やや楽観の筋書きに近づき、純利益は中立より 4〜5 割増える。クラックの床が上がる。
EPA が 2027 年以降の再生可能燃料の義務量を厳しく保ち、RIN の不足が続く
DGD の営業利益が年 10 億ドル(連結)前後で定着し、純利益が 3〜4 億ドル増える(持ち分と税引き後)。
カリフォルニアが燃料規制を強め、ウィルミントンの採算が悪化する
閉鎖と減損(数億ドル〜十数億ドル)が出るが、残りの製油所の稼働率が上がる。
ガソリン需要が想定より早く減り、中東・アジアの新設製油所が輸出を増やす
悲観(構造の負け)に移る。精製の営業利益は赤字になり、時価総額は売れる資産の手取り程度(約 50 億ドル、今の 4%)。
バレロが大型買収に動く(または DGD の持ち分を売却する)
買収は割高な局面では価値を壊す。DGD の売却は政策リスクを減らすが、利益の振れの大きい部分を手放すことになる。

見ておくもの

  • 3-2-1 クラックの 2027 年の水準(34 ドルで落ち着くか、30 ドルを割るか)と湾岸の製油の復旧
  • 米国の製油所の稼働率と閉鎖の追加(特に西海岸・ウィルミントン)
  • RIN 価格と EPA の義務量・小規模製油所の免除、DGD の 1 ガロンの値幅
  • 精製の運転費(1 バレル 4.7〜5.0 ドル)と捕獲率、重質サワー原油の値引き
  • 現金(79 億ドル)の使い方と還元の規模(営業 CF の 50% を超える割合)
  • ガソリン需要・EV の普及、中東・アジアの製油所の新設
  • エタノールの値幅と E15・45Z の扱い

倍率と資本コストの決め方

倍率は式だけで置いた:PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)、残る割合は堀で 普通(1/2)。k は 10.0%(8.0% + quality 2.0%)。上限に対しては、市況で大きく振れる価格受容者として楽観・やや楽観を 8 割、中立を 8.5 割に置いた。悲観は稼ぐ力と、残る設備などを売った税後の手取りから純負債を返した残り(売れる資産)の大きい方で、過去の PBR の底は使わない。今の PER・過去の中央値・業界ノートの倍率には寄せておらず、結果の差と 5 段階はそのまま受け入れた。利益(数量 × 価格)と確率は変えていない。

資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 2.0% = 10.0%(決まり v2。β は使わない)。クラックの振れ・価格受容者・製油所の閉鎖は cycle・pricing・life で見た。借金は軽いので debt は 0。再生可能ディーゼルの政策リスクは k に足さず、筋書きと確率(悲観を厚く)で表した。

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やや割安 デボン・エナジーDVN デラウェアとマーセラスを併せ持つ合併後の大手シェール会社。戦争の高値を除き、埋蔵量の寿命 8.4 年の年金で測ると、本質価値は今の時価総額を 2 割ほど上回る(やや割安) 本質価値との差 +23.9% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) 適正 ハリバートンHAL 北米の弱さを国際の大型契約で補う油田サービスの最大手。2026 年の利益は谷にあり、利益ベースの正当化 PER で測ると本質価値は今の時価総額を 1 割弱下回る(適正) 本質価値との差 −9.8% · 10 年 適正(年 +6.4%) やや割高 ダイヤモンドバック・エネルギーFANG パーミアン専業の低コスト原油生産会社。戦争の高値を除き、埋蔵量の寿命 10.8 年の年金で頭を押さえた倍率で測ると、本質価値は今の時価総額を 1 割ほど下回る(やや割高) 本質価値との差 −10.4% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 アパッチAPA 石油主体の低コスト生産にエジプトと 2028 年稼働のスリナムを足した会社。戦争の高値を外し、埋蔵量の寿命 6.2 年の年金で測ると、本質価値は今の時価総額を 1 割あまり下回る(やや割高) 本質価値との差 −12.2% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 ベーカー・ヒューズ・カンパニーBKR 電力・LNG の受注残 400 億ドルに乗る産業機器と油田サービスの二本柱に、チャートを足した直後。利益ベースの正当化 PER で測ると本質価値は今の時価総額を 2 割弱下回る(やや割高) 本質価値との差 −14.3% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 エクスパンド・エナジー・コーポレーションEXE 米国最大のガス生産者。ハイネスビルとアパラチアの両輪で LNG 需要を取りに行くが、費用は重く利益はガス価格に直結する。埋蔵量の寿命 9.9 年の年金で測ると、本質価値は今の値段を 1 割半下回る(やや割高) 本質価値との差 −15.1% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 SLB(シュルンベルジェ)SLB 国際・オフショアと油田デジタルに強い世界最大の油田サービス会社。利益ベースの正当化 PER で測ると本質価値は今の時価総額を 1 割半ほど下回る(やや割高) 本質価値との差 −16.5% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 EQTコーポレーションEQT 米国最大級のガス生産者。低コストと純負債 50 億ドルへの接近が強み。埋蔵量の寿命 11.8 年の年金で測ると、本質価値は今の値段を 2 割弱下回る(やや割高)。低コストでも、ガスは価格を決められず、悲観は深い 本質価値との差 −17.8% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 ONEOKOKE NGL・ガス集荷処理・精製品導管を一つにした総合ミッドストリーム。質は上位だが借金が重く、利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は本質価値をやや上回り(やや割高) 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 キンダーモルガンKMI 米国最大級のガス導管網で質は最上位級。ただ成長は同業より遅く、利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は成長を先取りしており、やや割高 本質価値との差 −22.8% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 オキシデンタル・ペトロリアムOXY 借金と優先株を返しながら稼ぐパーミアン中心の石油会社。費用は同業より重く、埋蔵量の寿命 8.7 年の年金で頭を押さえた倍率で測ると、本質価値は今の時価総額を 3 割ほど下回る(やや割高) 本質価値との差 −28.9% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 ウィリアムズ・カンパニーズWMB 天然ガス幹線で米国最大級。契約に守られた成長は本物だが、利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はその成長を先取りし、やや割高 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +2.6%) 割高 EOGリソーシズEOG 無借金に近く費用が最下位級の米国シェール専業。戦争の高値を除き、埋蔵量の寿命 12.2 年の年金で測ると、本質価値は今の時価総額を 3 割ほど下回る(割高) 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +3.1%) 割高 タルガリソースTRGP パーミアンの集荷処理から NGL 分留・LPG 輸出まで一本でつなぐ高成長の会社。質は高いが借金と商品価格への感応があり、利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は成長を先取りしている(割高) 本質価値との差 −44.5% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 エクソンモービルXOM 価格を決められない世界最大級の石油メジャー。低コスト油と厚い財務を持つが、埋蔵量の寿命 11.2 年の年金で頭を押さえた倍率で測ると、本質価値は今の値段を 5 割ほど下回る(割高) 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 −1.3%) 割高 コノコフィリップスCOP 世界最大の独立系石油・ガス会社。2026 年の原油高騰を除き、埋蔵量の寿命 8.8 年の年金で測ると、本質価値は今の時価総額を 5 割ほど下回る(割高) 本質価値との差 −52.9% · 10 年 割高(年 −1.3%) 割高 シェブロンCVX 上流中心の統合石油で財務は厚く、ヘスとテンギズで生産は伸びる。埋蔵量の寿命 7.9 年の年金で頭を押さえた倍率で測ると、本質価値は今の値段を 5 割ほど下回る(割高) 本質価値との差 −53.0% · 10 年 割高(年 −2.2%) 割高 マラソン・ペトロリアムMPC 精製の波を MPLX の安定収益で和らげる米国最大級の製油会社。2026 年の戦争の高値を織り込んだ今の値段は、利益ベースの正当化 PER で測ると中立のクラックでは届かない(割高) 本質価値との差 −58.7% · 10 年 割高(年 −2.3%) 割高 フィリップス66PSX 製油の弱さをミッドストリームと CPChem で補う多角の会社。2026 年の戦争のクラック高を織り込んだ今の値段は、利益ベースの正当化 PER で中立のクラックを測ると届かない(割高) 本質価値との差 −60.6% · 10 年 割高(年 −2.0%) 割高 テキサス・パシフィック・ランドTPL パーミアンの土地・水の通行料で稼ぐ高収益会社。今の値段は成熟後の倍率を大きく先取りしており、寿命 20 年の年金で頭を押さえた倍率で測ると、本質価値は今の 3 割ほど(割高) 本質価値との差 −69.3% · 10 年 割高(年 −5.0%)

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分析日 2026-10-16