結論
ウィリアムズ・カンパニーズ(Williams Companies)は、米国の天然ガスの約 3 分の 1 が通ると会社が説明する大きな導管網を持つ、ガス専業のミッドストリーム会社である。柱は、東海岸へガスを運ぶ最大の幹線トランスコ(Transco)、ノースウエスト・パイプライン、2023 年に買った MountainWest を合わせた送ガス・メキシコ湾の事業で、料金は規制と長期の take-or-pay で決まる。その外側に、マーセラス・ユティカの集荷(北東部)と、ヘインズビル・イーグルフォード・バーネットなどの集荷処理(西部)、ガスと NGL の転売がある。2025 年は売上 118 億ドル、営業利益 42 億ドル(営業利益率 35%、同業 4 社の平均は 23%)、純利益 26 億ドルで、ROE は 20% である。
今の成長の中心は 2 つ。第 1 は、トランスコの増強(ニューヨーク向け NESE は 2027 年 4Q、パワー・エクスプレス 750 MMcf/d など)と、2026 年 8 月に発表したヘインズビルの集荷会社モメンタム・ミッドストリーム(最大 55 億ドル)。第 2 は、電力会社でなくデータセンター側に電気を売る「パワー・イノベーション」で、確定案件 73 億ドルが 2029 年に年約 14 億ドルの EBITDA を生む計画である。会社は 2030 年まで EBITDA 年 11% 超の成長を掲げ、2026 年の EBITDA は 83〜85 億ドルの見通しである。
バリュー投資の観点では、事業の質は同業の中で最上位に近い。ただし値段は別の話である。今の時価総額 873 億ドルは 2025 年の純利益の 33 倍で、純負債 295 億ドルは 2026〜27 年に増え、利益が伸びるのは 2028 年以降という段取りである。資本コストは 7.5%、倍率は利益ベースの正当化 PER(k 7.5%・g 4%。10 年の中立は 18.7 倍)で、未成立のモメンタムは数字に入れず今の会社だけで書いた。悪い筋書き(借金の重さ・新事業の外れ・配当削減)を厚めに置いた確率加重の本質価値は今の時価総額を 3 割ほど下回り、やや割高になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、10 年後もこの事業は存在し、今より強いか、と問えば、存在する可能性が高い。ガスの導管は新設が難しく、電力と LNG の需要は物価に連動して残る。堀(立地・規制・契約)は、既存の導管を使い続ける限り狭まりにくく、拡張の機会があるぶん広がる面もある。10 年の見通しが立てやすい、予測可能性の高い部類の事業である。
オーナー利益(株主のものになる利益)は、純利益の 26 億ドルに減価償却を足して、維持の設備投資を引いたもの。維持の投資は帳簿の減価償却より大きいと見るので、オーナー利益は純利益の 7〜8 割で、実質の配当余力は純利益の 7〜8 割である。そこから成長の投資を借金で賄う形なので、配当を払いながら株主の持ち分の価値が増えるかは、新しい案件の利回りが金利を上回るかにかかる。
今の時価総額は純利益の 33 倍で、EV/EBITDA でも 13〜14 倍(同業の成熟後の 9〜11 倍より高い)。利益ベースの正当化 PER(k 7.5%・g 4%)で作ると、10 年後の中立は 19 倍程度で、今の 33 倍より低い。つまり今の値段は、会社の計画が全部うまくいく前提に近い。安全域は無い。経営は誠実で事業は強いが、払う値段が高く、バリュー投資なら強い会社を少し高い値段で持つことになり、安全域は無い。
何で稼ぐ会社か
売上は、ガスを通す料金(導管の使用料)、集荷・処理の料金、メキシコ湾の深海の処理、ガスと NGL の転売、そして始まったばかりの発電からなる。利益の 9 割前後は、規制料金か長期契約の固定の料金で、商品価格に直接さらされるのは転売と一部の NGL に限られる。このメモでは 5 つに分けた(ガス通過量 Bcf/d × 1 Mcf あたりの売上で置く)。
送ガス・メキシコ湾:最大の稼ぎ頭で、営業利益の 6 割前後。トランスコは約 1 万マイルの導管で南東部・大西洋岸(ニューヨーク・ニュージャージー・南東部の電力と都市ガス)へ運び、容量の大半を電力・ガス会社が 10 年超の契約で押さえている。ノースウエスト(太平洋岸北西部)と MountainWest(ロッキー・ユタ)が加わる。新設が難しい導管なので、既存の価値は上がりやすい。
北東部の集荷:マーセラス・ユティカのシェールガスを集める事業。生産者が相手で、量は伸びにくいが契約の中身は固い。西部の集荷処理:ヘインズビル(LNG 向けのガス)、イーグルフォード、バーネットなど。モメンタムの買収で、ヘインズビルの専用鉱区 100 万エーカー超・処理能力 60 億 cf/d を足す。ガスと NGL の転売は売上の 2 割弱を占めるが利益はほとんど出ない。
パワー・イノベーションは、データセンターなどの敷地内にガス火力を置いて電気を売る事業で、ソクラテス(オハイオ。第 1 期は完成)、アポロ、アクイラ、ソクラテス・ザ・ヤンガー(340 MW、2H28)などで契約期間は 12.5 年。ブラックストーン主導の JV が 53.4 億ドルを 6.35% で調達している。2026 年の成長投資は 73〜79 億ドルで、全額が契約済みと会社は説明する。
優良さと弱いところ
堀は「立地」「規制と契約」「新設の難しさ」の 3 つである。トランスコは需要の大きい東海岸に直結し、並行して新しい導管を作るのは州の許認可と FERC の認可が重く、長年かかる。そのため、既存の導管の増強(拡張)は、新設よりずっと安い建設費で収益を増やせる。この点で同業のキンダーモルガン(KMI)と並ぶ最上位の質で、利益率はキンダーモルガンを上回る。ROE は 20%、営業利益率は 35% と、同業 4 社の平均(ROE 16%・営業利益率 23%)より高い。
一方で、強みは資本の「軽さ」ではない。純負債は 295 億ドルで時価総額の 34%、自己資本比率 21%、レバレッジは 2026 年に 3.9 倍前後と目標(3.5〜4 倍)の上限にある。成長投資は年 73〜79 億ドルで、営業 CF では賄えず借金と JV で補う。FCF は 2025 年に 9 億ドルしかない。つまり、利益の成長は借金と新しい資本で買っている面があり、金利が高い今の世界では、新しい案件の収益率(建設費の 5〜8 倍の EBITDA で買う、つまり 12〜20% の利回り)が借金の金利(約 5.75%)を上回る間だけ、価値が増える。
経営は慎重で、2016 年にエナジー・トランスファー(ET)との合併に失敗した後は配当を削り、買収も控えめで、MountainWest(約 15 億ドル)の後は小さな案件が多かった。モメンタムは久しぶりの大きな買収で、価格は EBITDA の約 8.5 倍と同社の水準より安い。弱い所は、パワー・イノベーションが電力会社でない新しい種類の商売であること、データセンターの需要が外れた時の契約の相手の信用、そして政治(ニューヨークの NESE のような許認可)である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国のガス需要は、LNG 輸出(2026 年 17.0 → 2027 年 18.6 Bcf/d、建設中の設備は 2030 年までに 13.5 Bcf/d)と、データセンター・電力で伸びる。供給側はハイネスビル(ヘインズビル)・パーミアンの随伴ガスで応えるため、導管の需要は産地から沿岸・都市への流れで増える。業界ノートの中立は、ガス幹線の数量が 10 年で年 +2.5%、料金は年 +3%(FERC の指数)、4 社の純利益は 10 年で年 +5% であり、WMB はこれより高い計画(EBITDA 年 11% 超)を置いているのは、パワー・イノベーションとモメンタムの上乗せがあるためである。
競合は、キンダーモルガン(米国のガスの約 4 割を運ぶとされる網、案件残高 96 億ドル)、エナジー・トランスファー(ET)、エンタープライズ・プロダクツ、エンブリッジ(テキサス・イースタン)、TC エナジー(コロンビア・ガス)、東海岸の新設で競う MVP(エクイトランス・EQT)など。パーミアンの出口は 2026 年後半にブラックコム・ヒュー・ブリンソンなどが稼働して Waha の割引が解消に向かう。
注意すべきは、ガスの需要が電力・LNG で増えると導管の建設費(パイプ・タービン)が先に上がること、商品としての転売ではなく固定料金の事業なので価格の上振れは直接は利益に入らないこと、そして 10 年先は州の許認可・脱炭素の政策が導管の新設と契約の更新を左右することである。ガスの価格が高い期間が続けば、パワー・イノベーションの顧客(データセンター側)の採算も揺らぐ。業界の中での WMB は、数量の伸びより料金の守りと新設困難で稼ぐ、規制色の濃い塊に入る。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、年約 5% の増配を続けており、2025 年の配当は 24 億ドル、純利益の約 9 割に近い(FCF では賄えず借金に頼る面がある)。自社株買いは 2023 年に少額あっただけで、株数は 10 年ほぼ横ばい(2023〜25 年の増減は 0.1% 前後)。モメンタムの対価には約 20 億ドルの新株(時価総額の約 2%)が含まれるが、まだ成立していないので筋書きには入れず、今の会社だけで書く(成立すれば西部の量が増え、借金と株が少し増える。得失は小さい)。
資本の使い方は、年 73〜79 億ドルの成長投資(全額契約済み)。大きな案件は JV で外部資本を入れる形(パワー・イノベーションの JV は 6.35% の低コスト)で、自分の貸借対照表を軽くしている。レバレッジの目標は 3.5〜4 倍で、2026 年末に 3.9 倍、モメンタムを含めた通年換算で 3.75 倍と会社は説明している。
M&A は、2023 年の MountainWest(約 15 億ドル)、2026 年のモメンタム(最大 55 億ドル、EBITDA の約 8.5 倍)。買収の相手は、導管・集荷の隣接資産で、規模より立地を重視する。株式交換でなく大半が現金・債務のため、今の時価総額に大きな変化は起こさない。高い自社株買いで価値を壊すタイプではなく、借金の増え方と新規案件の収益率が資本配分の良し悪しを決める。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
トランスコの増強は、顧客が先に 10 年超の契約を結んでから作る。NESE は 2027 年 4Q、パワー・エクスプレスは 750 MMcf/d に増強、リーディー・アクセスとガーデン・コネクターも契約済みで、新規の建設費は 5〜8 倍の EBITDA で買える(利回り 12〜20%)。借金の金利は約 5.75% なので、差は大きい。
パワー・イノベーションは確定の 73 億ドルが 2029 年に年約 14 億ドルの EBITDA を生む(約 5 倍)。ほかに約 6 GW の候補があり、契約期間はアポロとアクイラで 10 年から 12.5 年に延びた。データセンターは電力網につなぐ待ち時間が長く、敷地内の発電は買い手が多い。MountainWest・モメンタムで買う西部・ロッキーの導管は EBITDA の 8.5 倍と安く、LNG 輸出(ヘインズビルのガス)が長期の需要になる。
2026 年の EBITDA 見通し 83〜85 億ドルは、会社が 2030 年まで年 11% 超の目標を掲げる中の出発点で、2028 年に利益が大きく伸びる。純利益は 2030 年に 2025 年の 2 倍近くになる。配当は増え続け、規制の守りがあるので、商品価格が崩れても料金は守られる。ガス需要が電力・LNG で伸びる 10 年で、既存の導管を持つ会社が最も得をする。これが強気の見方で、楽観の筋書きの下敷きである。
慎重な見方
利益の伸びは、借金の増加と新しい資本に支えられている。2025 年の FCF は 9 億ドル、配当は 24 億ドルで、足りない分は借金と JV で賄う。純負債 295 億ドルは 2026 年に 3.9 倍前後のレバレッジで、会社が自分で「2026〜27 年は窮屈」と認めている。金利が 5% の世界では、借金が数百億ドル規模で増えるほど、毎年の利払いが利益を削る。
今の PER は 33 倍で、過去の期末 PER の中央値(28 倍)を上回り、同業の成熟後の PER(16〜22 倍)よりずっと高い。倍率を決めているのは、データセンター向けの発電という新しい事業の期待で、これは電力会社でなく WMB が 12.5 年の契約を守れる相手と結ぶ商売である。契約相手の信用、タービン・パイプの建設費の上昇、顧客の需要が外れた時の契約の中身はまだ試されていない。
2015〜16 年にはミッドストリームの評価損で純損失になり、配当を削った前例がある(リーマンで株価 −72%、コロナで −39%)。NESE のようなニューヨークの案件は、環境規制と政治で何度も止まった。10 年では、州の許認可で新設ができず、既存の導管の契約更新で料金が下がり、LNG の中止やデータセンターの鈍化で成長が止まる筋書きがありうる。これが慎重な見方である。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は、契約に裏付けられた増強と電力案件で説得力があり、利益の伸びは 2028 年まで確からしい。慎重な見方は、今の倍率と借金の厚さ、新しい種類の事業の未知数で強い。倍率を、今の 33 倍ではなく利益ベースの正当化 PER(k 7.5%・g 4%)で作ると、中立の 10 年後の時価総額は今の値段とほぼ同じで、悲観側を確率で厚くすると本質価値は今の値段を 3 割ほど下回る。確率は楽観 8%・やや楽観 20%・中立 38%・やや悲観 22%・悲観 12% とし、契約の守りで中立を厚くしつつ、借金と配当削減の前例で悲観側を残した。確率加重ではやや割高になった。未成立のモメンタムは数字に入れていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 64.61 ドル791 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 26.76 ドル328 億ドル)。 今の値に割り戻すと 49.99 ドル612 億ドル、今との差 −29.2%、 期待の年率 +2.6%(資本コスト 7.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 105.05 ドル1,287 億ドル | 32.65 ドル400 億ドル | +95.0% | +6.9% | 11.02 ドル135 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 89.36 ドル1,095 億ドル | 30.61 ドル375 億ドル | +69.9% | +5.4% | 24.00 ドル294 億ドル |
| 中立 | 38% | 72.93 ドル893 億ドル | 28.57 ドル350 億ドル | +43.7% | +3.7% | 38.57 ドル472 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 40.37 ドル495 億ドル | 23.67 ドル290 億ドル | −9.3% | −1.0% | 14.09 ドル173 億ドル |
| 悲観 | 12% | 14.47 ドル177 億ドル | 16.33 ドル200 億ドル | −56.4% | −8.0% | 3.70 ドル45 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 64.61 ドル791 億ドル | 26.76 ドル328 億ドル | +29.4% | +2.6% | 91.37 ドル1,119 億ドル |
今の株価時価総額 70.63 ドル865 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:パワー 6 GW 稼働・ガス需要の急増で、EBITDA は 2035 年に 200 億ドル超 利益 66 億ドル · PER 19.4 倍 · 株価時価総額 105.05 ドル1,287 億ドル
2035 年に、データセンター・LNG・電力の需要が予想を上回り、パワー・イノベーションの候補 6 GW が稼働(6,000 MW、契約は更新で上昇)。送ガスの通過量は 2025 年の 1.36 倍、西部のヘインズビルは LNG 向けで 1.5 倍(未成立のモメンタムは入れない)。売上 265 億ドル、営業利益 108 億ドル、純利益 66.2 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 19.44 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。競合のキンダーモルガンは同じ追い風を取るが、導管の立地と電力案件の量で WMB が一歩上になる。還元は 10 年で 400 億ドルで、配当を年 6〜7% ずつ増やす。
- 送ガス・メキシコ湾:数量 35.4(ガス通過量(Bcf/d))× 価格 0.81(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 105 億ドル・営業利益 56 億ドル。数量・料金・利益率
- 北東部の集荷:数量 5.6(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.64(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量・料金・利益率
- 西部の集荷処理:数量 9.4(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.56(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 53 億ドル・営業利益 17 億ドル。単体(未成立のモメンタムは外す)。料金は FERC の指数並みの年 +3%
- ガス・NGL の転売:数量 11.7(取扱量(Bcf/d 相当))× 価格 0.92(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 39 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量・料金・利益率
- パワー・イノベーション:数量 6,000(稼働容量(MW))× 価格 48(容量料金(ドル/kW・月))→ 売上 34 億ドル・営業利益 20 億ドル。容量料金は契約で固定(毎年の上乗せが小さい)ため物価では上げない
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality -0.5% = 7.5%。事業の帳簿 ROE 33.4% から RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)= 24.8%(moat strong)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 24.0 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 24.9 倍に対し、規制と長期契約の幹線で利益は安定するが、ROE が借金の厚い自己資本の薄さで高く出ているため式の上限は割り引いて、上限の 7.8 割(19.44 倍)に置いた。
確率:データセンター・LNG の需要が予想を超える確率。1 割弱。
やや楽観 20% やや楽観:パワー 5,200 MW、ガス需要が堅調で EBITDA 年 7% 利益 56 億ドル · PER 19.4 倍 · 株価時価総額 89.36 ドル1,095 億ドル
2035 年に、ガス通過量が送ガスで 1.33 倍、西部は 2.1 倍、パワーは 5,200 MW。売上 243 億ドル、営業利益 97 億ドル、純利益 56.4 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 19.41 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。2030 年までの高成長が一巡し、その後の g は物価並みの 4% 程度。規制の守りと契約の更新で料金は物価に近く上がる。送ガスは年 +3% の料金に増強の量が乗り、西部はヘインズビルの LNG 向けが伸び、北東部は量が 15% 増える。借金は金利が 5.75% で回るが、新規案件の利回りが 12% 以上あるので利益は借金の増加を上回って伸び、レバレッジは 3.5 倍まで下がる。キンダーモルガンと並ぶ成長と配当の増加を保つ筋書きである。
- 送ガス・メキシコ湾:数量 34.6(ガス通過量(Bcf/d))× 価格 0.80(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 100 億ドル・営業利益 53 億ドル。数量・料金・利益率
- 北東部の集荷:数量 5.2(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.59(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量・料金・利益率
- 西部の集荷処理:数量 8.9(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.49(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 49 億ドル・営業利益 15 億ドル。単体(未成立のモメンタムは外す)。料金は FERC の指数並みの年 +3%
- ガス・NGL の転売:数量 11.0(取扱量(Bcf/d 相当))× 価格 0.88(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 35 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量・料金・利益率
- パワー・イノベーション:数量 5,200(稼働容量(MW))× 価格 46(容量料金(ドル/kW・月))→ 売上 29 億ドル・営業利益 16 億ドル。容量料金は契約で固定(毎年の上乗せが小さい)ため物価では上げない
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality -0.5% = 7.5%。事業の帳簿 ROE 33.2% から RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)= 24.6%(moat strong)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 23.9 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 24.9 倍に対し、同じく ROE の高さが自己資本の薄さによるため割り引いて、上限の 7.8 割(19.41 倍)に置いた。
確率:規制の守りと契約の更新が効き、成長が少し上振れる。
中立 38% 中立:EBITDA は 2030 年に約 125 億ドル、その後は年 5%、パワーは 4,200 MW 利益 48 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 72.93 ドル893 億ドル
2036 年手前の 2035 年に、高成長の 2030 年(EBITDA 約 125 億ドル)から年 5% の成長に落ち着く。送ガスの通過量は 1.3 倍で年 +2.7%、料金は年 +3%(物価 3.5% を下回るのは FERC の指数と契約改定の遅れ)、西部は 1.34 倍(LNG 向け。未成立のモメンタムは入れない)、パワーは 4,200 MW・契約の更新で容量料金 1.2 倍。売上 221 億ドル、営業利益 86 億ドル、純利益 47.7 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 18.73 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。
- 送ガス・メキシコ湾:数量 33.8(ガス通過量(Bcf/d))× 価格 0.78(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 96 億ドル・営業利益 50 億ドル。数量・料金・利益率
- 北東部の集荷:数量 4.7(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.55(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 13 億ドル。数量・料金・利益率
- 西部の集荷処理:数量 8.3(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.43(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 43 億ドル・営業利益 12 億ドル。単体(未成立のモメンタムは外す)。料金は FERC の指数並みの年 +3%
- ガス・NGL の転売:数量 10.4(取扱量(Bcf/d 相当))× 価格 0.86(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 33 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量・料金・利益率
- パワー・イノベーション:数量 4,200(稼働容量(MW))× 価格 46(容量料金(ドル/kW・月))→ 売上 23 億ドル・営業利益 13 億ドル。容量料金は契約で固定(毎年の上乗せが小さい)ため物価では上げない
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality -0.5% = 7.5%。事業の帳簿 ROE 33.8% から RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)= 25.1%(moat strong)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 24.0 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 25.0 倍に対し、同じく ROE の高さが自己資本の薄さ(純負債が自己資本の 2 倍超)によるため、上限の 7 割台に、上限の 7.5 割(18.73 倍)に置いた。
確率:2 段階の成長で倍率が成熟へ落ち着く。落としどころ。
やや悲観 22% やや悲観:許認可と競争で成長が止まり、パワーは 3,300 MW 利益 30 億ドル · PER 16.4 倍 · 株価時価総額 40.37 ドル495 億ドル
2035 年に、州の許認可で新設ができず、既存の導管の契約更新で料金が物価より低くなる(年 +2.6%)。パワーはデータセンターの需要が鈍り 3,300 MW。西部は LNG の一部の中止で 1.7 倍。売上 188 億ドル、営業利益 66 億ドル、純利益 30.1 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 16.43 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。配当は 2 割ほど減らして維持する。借金は金利 5.75% で全部借り換わり、利払いが 35 億ドルに上がるのも利益を押し下げる。レバレッジは 4 倍前後で張り付き、増配のペースは年 3% に落ちる。
- 送ガス・メキシコ湾:数量 30.7(ガス通過量(Bcf/d))× 価格 0.75(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 84 億ドル・営業利益 41 億ドル。数量・料金・利益率
- 北東部の集荷:数量 4.2(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.53(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量・料金・利益率
- 西部の集荷処理:数量 7.2(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.33(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 35 億ドル・営業利益 8 億ドル。単体(未成立のモメンタムは外す)。料金は FERC の指数並みの年 +3%
- ガス・NGL の転売:数量 9.5(取扱量(Bcf/d 相当))× 価格 0.82(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 28 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量・料金・利益率
- パワー・イノベーション:数量 3,300(稼働容量(MW))× 価格 43(容量料金(ドル/kW・月))→ 売上 17 億ドル・営業利益 9 億ドル。容量料金は契約で固定(毎年の上乗せが小さい)ため物価では上げない
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality -0.5% = 7.5%。事業の帳簿 ROE 28.4% から RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)= 21.4%(moat strong)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 23.2 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 24.2 倍に対し、新事業が外れ借金の利払いが重い構造なので質を落として、上限の 6.8 割(16.43 倍)に置いた。
確率:許認可・競争・料金の更新で成長が止まる確率が、10 年では 2 割強ある。
悲観 12% 悲観:構造的に負け、パワーの契約が解約・評価損、配当を半減 利益 11 億ドル · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 14.47 ドル177 億ドル
2035 年までに、新しい導管の新設が州の反対で通らず、LNG とデータセンターの期待が外れ、パワーは 2,300 MW どまり(一部は契約の見直しと評価損)。ヘインズビルの集荷は 1.4 倍にとどまり、北東部は 0.8 倍に減る。営業利益率が下がり、借金の利払い(36 億ドル)が利益を削る。売上 148 億ドル、営業利益 45 億ドル、純利益 11.4 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER で 15.54 倍(k・g・RONIC は倍率の理由に書いた)。配当は 2 回削り、10 年の還元は 200 億ドルに縮む(累積の純利益より多い分は、資産の売却と借入で払った)。2016 年の配当削減の再来で、10 年でも株価が今の 2 割にならない水準を床とした。
- 送ガス・メキシコ湾:数量 28.1(ガス通過量(Bcf/d))× 価格 0.71(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 73 億ドル・営業利益 33 億ドル。数量・料金・利益率
- 北東部の集荷:数量 3.6(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.33(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量・料金・利益率
- 西部の集荷処理:数量 6.0(ガス集荷量(Bcf/d))× 価格 1.19(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 5 億ドル。単体(未成立のモメンタムは外す)。料金は FERC の指数並みの年 +3%
- ガス・NGL の転売:数量 8.1(取扱量(Bcf/d 相当))× 価格 0.73(1 Mcf あたりの売上(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量・料金・利益率
- パワー・イノベーション:数量 2,300(稼働容量(MW))× 価格 38(容量料金(ドル/kW・月))→ 売上 11 億ドル・営業利益 5 億ドル。容量料金は契約で固定(毎年の上乗せが小さい)ため物価では上げない
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)。k = 8.0% + quality -0.5% = 7.5%。事業の帳簿 ROE 13.6% から RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)= 11.5%(moat strong)、g 4.0%(市場の伸びと価格から。k − g ≥ 3.5%)。式の値 18.7 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) を乗せた上限 19.4 倍に対し、配当を削る構造的な負けで稼ぎの質が落ちるため、上限の 8.0 割(15.54 倍)に置いた。
確率:配当削減の前例(2016 年)と、新しい種類の事業の未知数を見て 1 割強とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
送ガス・メキシコ湾
トランスコ・ノースウエスト・MountainWest の天然ガス幹線と、メキシコ湾の深海の処理。規制料金と長期の take-or-pay。
| 数量ガス通過量(Bcf/d) | 価格1 Mcf あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 26.0 | 0.58 | 55 | 27 |
| 10 年後 中立 | 33.8 | 0.78 | 96 | 50 |
取り方:2025 年のガス通過量を約 26 Bcf/d、料金を約 0.58 ドル/Mcf(推定)と置いた。営業利益率は約 49%(推定)。rev_factor は 365 日 ÷ 1 億 × 100 万で、売上=数量×価格×rev_factor(億ドル)。
北東部の集荷
マーセラス・ユティカのシェールガスの集荷(生産者との長期契約)。
| 数量ガス集荷量(Bcf/d) | 価格1 Mcf あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.5 | 1.16 | 19 | 9 |
| 10 年後 中立 | 4.7 | 1.55 | 27 | 13 |
取り方:集荷量 約 4.5 Bcf/d、料金 約 1.16 ドル/Mcf(推定)、営業利益率 約 47%(推定)。
西部の集荷処理
ヘインズビル・イーグルフォード・バーネットなど。2026 年 8 月発表のモメンタム買収は未成立なので数字に入れない(単体)。
| 数量ガス集荷量(Bcf/d) | 価格1 Mcf あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 6.2 | 1.06 | 24 | 6 |
| 10 年後 中立 | 8.3 | 1.43 | 43 | 12 |
取り方:集荷量 約 6.2 Bcf/d、料金 約 1.06 ドル/Mcf(推定)、営業利益率 約 25%(推定)。未成立のモメンタムは入れない。
ガス・NGL の転売
ガスと NGL の仕入れ・転売(売上は大きいが利益はわずか)。
| 数量取扱量(Bcf/d 相当) | 価格1 Mcf あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9.0 | 0.61 | 20 | 1 |
| 10 年後 中立 | 10.4 | 0.86 | 33 | 2 |
取り方:売上は全社から他の 4 つを引いた残りで置いた(推定)。営業利益率は約 5%。
パワー・イノベーション
データセンターなどの敷地内にガス火力を置いて電気を売る新事業。契約期間 12.5 年。
| 数量稼働容量(MW) | 価格容量料金(ドル/kW・月) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 22.0 | 38 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4,200 | 46 | 23 | 13 |
取り方:2025 年は第 1 期の立ち上がり前で売上はほぼゼロ(22 MW・38 ドル/kW・月で 0.1 億ドル)。会社は確定案件 73 億ドルで 2029 年に EBITDA 約 14 億ドル(約 5 倍)と説明。
リスクと懸念
借金と金利
純負債 295 億ドルで、年 73〜79 億ドルの成長投資は営業 CF を超える。借り換えで金利が約 5.75% に上がり、レバレッジは 2026 年に 3.9 倍前後。信用格付けが下がると、新規案件の資金コストが上がり、増配も止まりやすい。
今の倍率の高さ(33 倍)
PER は同業の成熟後の 16〜22 倍より高く、パワー・イノベーションと 2030 年までの EBITDA 年 11% 超を織り込んでいる。計画の一部が遅れるだけで、利益が増えても倍率が縮み、株価が下がる。利益の伸びより倍率の縮みが大きくなるのが典型的な負け筋である。
パワー・イノベーションの契約相手
データセンター向けの発電は、WMB にとって新しい商売で、12.5 年の契約の相手(ハイパースケーラーなど)の信用と、需要が外れた時の契約の中身が未知。電力網側の増強が早く進むと、敷地内発電の価値が下がる。
許認可と政治
NESE のようなニューヨーク向けの導管は州の環境規制で何度も止まった。10 年では、州の反対・訴訟・脱炭素政策で新設や拡張ができず、既存の導管の契約更新も不利になりうる。拡張が通らなければ、会社が掲げる年 11% の成長のうち導管の分が崩れる。
建設費の上昇
電力と LNG の需要で、パイプ・タービン・人件費が先に上がる。建設費が 5〜8 倍の EBITDA の前提より 3 割上がれば、新規案件の利回りは金利に近づき、価値の増加が小さくなる。会社は全額契約済みと説明するが、建設費の上振れを誰が負担するかは案件ごとに確認が要る。
配当削減の前例
2016 年に配当を削った。商品価格が崩れ、集荷処理の量が減り、資金調達が痛むと、借金の多い今の形(配当は純利益の 9 割近く)では、配当の維持が難しくなる筋書きがある。KMI も 2015 年に配当を 75% 削った同じ型の前例である。
モメンタムの統合
ヘインズビルの集荷は生産者の掘削量に連動するため、ガス価格が 2.5 ドル/MMBtu 前後に下がると、量と処理の稼働が落ちる。固定料金の比率が高い契約でも、最低量を下回る分は料金が減る。買収の成立と統合の進み方は、一次資料ではまだ確認していない。
今後の分かれ目
- モメンタムの買収が成立し、EBITDA 見通し(83〜85 億ドル)の達成が続く
- 中立の利益が確からしくなり、楽観・やや楽観の確率を少し上げる。借金はレバレッジ 3.75 倍が守られるかで見る。
- パワー・イノベーションの追加契約(約 6 GW の候補)が 2027 年までに複数決まり、契約期間が 12.5 年以上
- 10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。設備の稼働率と契約相手の信用を点検し、パワー部門の MW を中立 4,200 から上方に見直す。
- レバレッジが 4 倍を超えて 2027 年も続く、または格付けが下がる
- 資金コストが上がり、配当の増配が止まる。やや悲観・悲観の確率を上げる。
- NESE が 2027 年 4Q までに稼働し、トランスコの増強が計画どおり進む
- 送ガス部門の中立が確かになる。逆に許認可で止まれば、中立の利益は 1 割ほど下がる。
- データセンターの発電需要が鈍化し、契約が打ち切られる
- パワー・イノベーションの MW が中立の半分になり、10 年のやや悲観〜悲観の筋書きに近づく(売上でなく契約の違約金と評価損が出る)。
- ガス価格が 2.5 ドル/MMBtu 前後まで下がり、ヘインズビルの掘削が止まる
- 西部の集荷処理の量が 1〜3 割落ちる。固定料金で守られる送ガスより、集荷の利益が先に下がる。
見ておくもの
- EBITDA の見通し(83〜85 億ドル)と、2030 年までの年 11% の目標の維持
- レバレッジ(3.9 倍 → 3.75 倍)と格付け
- パワー・イノベーションの追加契約(約 6 GW の候補)と稼働の時期(ソクラテス第 2 期は 2026 年 4Q)
- NESE(2027 年 4Q)・パワー・エクスプレス・リーディー・アクセスの工程
- モメンタム買収の成立とヘインズビルの量
- ガス価格(Henry Hub)と LNG 向けの引取量
倍率と資本コストの決め方
倍率は式だけで置いた。PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)、k は 7.5%(8.0% + quality −0.5%)、RONIC は k + 2/3 ×(事業の ROE − k)、g は 4%。ROE の高さは借金が厚く自己資本が薄いことの表れでもあり、式の上限が高く出るので、中立は上限の 7 割台(75%)に置いた。悲観側は上限の 7〜8 割、悲観は上限の 8 割。今の PER・過去の倍率・同業の倍率は根拠にしていない。結果の差とやや割高の 5 段階はそのまま受け入れた。利益(数量 × 価格)と確率は変えていない。未成立のモメンタムは数字に入れていない。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality −0.5% = 7.5%(決まり v2。β は使わない)。契約と規制の幹線で、借金の重さだけを debt で見た。商品価格・許認可・新事業の外れ・配当削減の前例は k に足さず、筋書きと確率(悲観を厚く)で表した。