結論
リバティ・グローバルは、オランダ、ベルギー、英国、アイルランドの固定通信と移動体に、投資持分と共通サービスを組み合わせた持株会社である。筆者の結論は割安だ。ただし、安定して利益を複利で増やす会社ではない。ジゴ・グループの分離、負債削減、投資資産の現金化が予定どおり進んで初めて価値が届く再編株である。
2025年の純損失71億ドルは、VMO2の巨額のれん減損、為替・デリバティブ損、持分法損失が重なったためで、通信網の経常的な稼ぎをそのまま示さない。2026年7月にはボーダフォンジゴの残り50%買収を完了し、テレネットと合わせたジゴ・グループの90%を2027年に株主へ分配してアムステルダムへ上場させる計画が具体化した。Q2ではテレネットとボーダフォンジゴの加入動向が改善した一方、VMO2の固定の顧客単価(ARPU)は4.6%下がり、英国とアイルランドの競争はなお厳しい。
中立では2035年の持分換算売上を約155億ドル、営業利益を15億ドル、純利益を8億ドルとみる。ジゴ・グループと残るLBTYAを合算した時価総額は73.6億ドル、10年間の正味還元は36億ドルである。5筋書きの確率を加重した現在価値は約46億ドルとなり、台帳の時価総額27億ドルを約7割上回る。安全域はあるが、その中身は堀の強さより、資産価値と市場価格の差である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、これは高い資本効率で利益を積み上げる複利株ではなく、通信資産と持分を解きほぐす特殊な持株会社である。10年後も接続需要は残るが、光ファイバーとの競争で価格を自由に決める力は弱くなる。通信網の減価償却は大きいものの、更新投資を止めれば顧客を失うため、会計利益へ単純に足し戻せない。
中立のオーナー利益は、2035年の会計基準どおりの純利益(GAAP)8億ドルを軸に、設備投資と借金返済を終えた後に株主へ回せる現金を年3〜5億ドルと考える。ジゴ・グループの2028年FCF目標は有力な手掛かりだが、レバレッジ4.5倍はなお高い。VMO2の配当、リバティ・グロースの売却益、共通サービスの利益は予測の幅が広く、確信を持って10年連続の成長を置けない。
安全域は、会社現金と投資ポートフォリオだけで今の時価総額を上回るように見える点にある。ただし各事業の借金、税、親会社費用、投資の値下がりを引く必要があり、議決権の集中も無視できない。安値で買い戻し、資産を高く売り、借金を減らす順序が守られるなら魅力は大きい。再び買収と複雑化へ向かうなら、見かけの資産価値は株主に届かない。
何で稼ぐ会社か
この会社は、連結売上だけを見ても実態がつかめない。2025年末はテレネットとヴァージン・メディア・アイルランドを連結し、英国のVMO2とオランダのボーダフォンジゴを50%持分法で保有していた。2026年7月の買収後はボーダフォンジゴを連結する一方、ボーダフォンがジゴ・グループの10%を持つ。買収後の株主の経済持分は、ジゴ・グループ90%、VMO2 50%、ヴァージン・メディア・アイルランド100%である。
ジゴ・グループは、テレネットとボーダフォンジゴを束ねるベネルクス通信会社である。2025年末の固定顧客は合計523万件、ブロードバンドは475万件、移動体は843万回線で、持分換算売上は約70億ドルとなる。VMO2は英国で579万件の固定顧客と3,631万の移動体回線を持ち、50%持分換算売上は約67億ドルである。
ヴァージン・メディア・アイルランドは固定顧客38万件の小規模事業だ。リバティ・サービスは約8,000万の接続基盤へ技術・調達・財務サービスを供給し、年約7億ドルを得る。リバティ・グロースは約70社・ファンドに投資し、2026年6月末の公正価値は29億ドルだった。
通信の稼ぎは、既設網の上に固定、移動体、映像、法人、卸の契約を重ねることから生まれる。契約が維持され、値上げが通れば追加利益は大きい。反対に、光ファイバーへの乗り換えや値引きで顧客が減ると、設備と利払いは残るため利益が急に細る。投資部門の売却益は厚い年もあるが再現性は低く、2027年にジゴ・グループが分離されても、現在の株主が受け取るジゴ株と残るLBTYAの合計が、一つの所有者持分として残る。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねしにくい強みは、地域ごとに敷いた同軸・光の混合網(HFC)と光網、周波数、顧客基盤、固定と移動体の抱き合わせにある。オランダとベルギーでは有力な全国事業者であり、英国でもVMO2は固定と移動体の両方を持つ。回線は生活の基盤なので景気後退にも契約が急減しにくい。
ただし光ファイバーが広がり、ケーブルだけが高速だった時代は終わった。値引きと乗り換えが増え、堀は広がるのでなく狭まる側にある。
資本効率の実績は弱い。過去10年のROE中央値はマイナスで、2025年末の自己資本は97億ドルまで減った。2014年から2025年までの自社株買いは合計約216億ドルに達したが、事業売却や分離を挟んでも株主価値が一貫して増えたとは言いにくい。通信網の維持と光化には大きな設備投資が必要で、借金の借り換え金利も利益を削る。
AIエージェント代替の型には当たらない。AIは通信契約そのものを不要にせず、むしろデータ利用を増やす一方、顧客対応とネットワーク運用を自動化して費用を下げる余地がある。ガバナンスではA株1票に対しB株10票、C株は原則無議決権で、議決権の約3割が特定株主に集中する。少数株主は経営の資産配分を止めにくく、会社の複雑さと合わせて質を一段下げる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
欧州の固定通信は、ケーブル対電話会社という二者構造から、複数の光ファイバー網を含む競争へ変わった。オランダ競争・通信当局ACMによると、2026年Q2に光契約が353万件、ケーブルが302万件となり、KPNとボーダフォンジゴはいずれも35〜40%のシェアを持つ。ボーダフォンジゴはブロードバンドを7,200件純増し、固定ARPUも0.6%上がったが、設備の信頼性と販促へ投資したためEBITDAは減った。
ベルギー通信規制当局BIPTの統計ではHFCがなお主流で、テレネットは固定ブロードバンドでおおむね3〜4割を持つ。2026年Q2は6,100件の純増に戻ったが、光の利用可能世帯は同年初めに35.7%まで上がった。英国Ofcomによると固定ブロードバンドは2,930万回線で、VMO2の固定顧客579万件は約2割に相当する。オープンリーチやシティファイバーなどの光網が広がり、Q2のVMO2はブロードバンドを2.82万件失い、固定ARPUが4.6%下がった。
アイルランドComRegによるとヴァージン・メディアの固定シェアは19.9%だが、ケーブル回線は2026年Q1に前年同期比11.9%減り、家庭までの光回線(FTTP)は20.5%増えた。エアとサイロの光化に対し、自社網の更新と卸販売が遅れると数量を守れない。各国の規制当局は卸開放と共同敷設を促し、既設網の独占利潤を削る方向にある。
10年の中立は、ベネルクスの固定顧客が年1.6%ほど減り、英国が年2.3%ほど減る一方、移動体、法人、卸を含む1顧客あたり売上が物価より低い年2〜3%で上がる姿である。ケーブル網は既設同軸を高速化するDOCSIS 4.0で掘削を抑えつつ高速化できるが、競合も同等の速度へ追いつく。市場全体は名目で伸びても、シェアを守れなければ会社の売上は伸びない。
資本政策と M&A
最大の資本政策はジゴ・グループの切り出しである。2026年7月にボーダフォンジゴの残り50%を約10億ユーロの現金とジゴ・グループ株10%で取得し、LBTYAは90%を保有した。会社は2027年半ばのアムステルダム上場と、その90%の株主への分配を計画する。
ジゴ・グループは2028年に合算調整後の自由に使える現金(FCF)約5億ユーロ、レバレッジ約4.5倍を目標とする。上場前に非中核資産を12〜14億ユーロ売り、資金を債務削減へ回す方針だ。オランダの鉄塔は6.69億ユーロで売却合意した。2026年の会社見通しは、テレネットが横ばいから小幅増益、VMO2とボーダフォンジゴが減収・減益で、再編前の稼ぎは弱い。
親会社では2026年上期の資産現金化が約12億ドルに達し、年末の会社現金目標を20億ドルへ引き上げた。2026年7月の新しい買い戻し権限は、任意の12か月で最大2億ドルと過去より小さい。配当は払っておらず、定量的な長期還元約束もない。
資本配分の評価は混合である。サンライズのような分離と投資売却には価値を顕在化させた実績があるが、巨額の買い戻し、複雑な持分、為替ヘッジ、買収後の減損で帳簿価値も株価も削られた。今回の分離は価値を作るのでなく、すでにある価値を見える形に直す作業だ。負債を先に減らし、残った現金を安い時だけ返せるかが試金石となる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ベネルクスでは、ボーダフォンジゴが2026年Q2に6年ぶりの良好なブロードバンド純増へ戻り、テレネットも5四半期連続で改善して、事業の底打ちが見え始めた。両社をジゴ・グループにまとめれば、調達、技術、商品開発、財務で規模が効く。会社が示す相乗効果と追加サービスの正味現在価値は10億ユーロで、2028年の調整後FCF目標は5億ユーロである。鉄塔などの売却を借金返済へ回し、上場時のレバレッジを4.5倍へ下げれば、現金を生む通信会社として単独で評価されやすくなる。
現在の株主はジゴ・グループの90%を直接受け取り、残るLBTYAにはVMO2の50%、ヴァージン・メディア・アイルランド、リバティ・グロース、共通サービス、会社現金が残る。2026年Q2時点でリバティ・グロースの公正価値は29億ドル、年末の会社現金目標は20億ドルで、合計は今の時価総額を大きく上回る。すべてを額面どおり数える必要はない。それでも投資売却、VMO2の分配、選択的な買い戻しが続けば、市場が付ける持株会社の値引きは縮む。
技術面でもケーブルは終わっていない。DOCSIS 4.0は既設線を使って高速化でき、全面的な掘削より資本負担が軽い。固定と移動体の一体商品、法人・卸、AIによる顧客対応の効率化が解約と費用を抑える。数量が急減せず、名目単価が物価の大半を取り戻せば、今の値段は悲観を織り込み過ぎている。
慎重な見方
分離は価値を自動で生まず、ジゴ・グループの2社は光ファイバーへ顧客を奪われ、動画契約が減り、設備投資と利払いが重い。2028年にレバレッジ4.5倍へ下げても、金利5%の世界では高い。ボーダフォンジゴの2026年Q2 EBITDAは7.6%減り、VMO2はサービス売上が3〜5%減る見通しである。英国の固定ARPU下落とアイルランドのケーブル減少が続けば、値上げより解約防止の割引が優先される。
VMO2は50%持分で、もう一方の株主と資本配分を共有する。2025年には50億ドル規模ののれん減損が起き、持分法損失が親会社の純利益を大きく振らせた。リバティ・グロースも上位5投資で過半を占め、公正価値は売れる値段とは限らず、景気後退では資金調達と出口が同時に細る。会社現金もボーダフォンジゴ買収、税、親会社費用、子会社支援に使われ、すべてが株主へ戻るわけではない。
過去12年の買い戻しは約216億ドルだったが、2025年末の時価総額は27億ドルにすぎない。事業売却や分離を考慮しても、資本配分が常に価値を増やしたとは言えない。B株の強い議決権とC株の無議決権により、少数株主は再び大型取引へ進む経営を止めにくい。資産が多いことと、その価値が株主へ届くことは別である。
どちらに重みを置いたか
強い材料は、ジゴ・グループの分離が具体化し、現金化と借金返済が実際に進んでいることだ。慎重な材料は、通信の数量減、4倍台のレバレッジ、VMO2と投資持分の読みづらさ、過去の資本配分である。事業の方向では慎重な見方をやや上とし、確率は楽観6%、やや楽観16%、中立34%、やや悲観29%、悲観15%として悲観側を44%に厚くした。それでも割安という結論になるのは、成長期待ではなく、再編後に残る稼ぐ力と売れる資産の価値が今の時価総額を上回るためである。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 19.19 ドル66 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 9.09 ドル31 億ドル)。 今の値に割り戻すと 13.52 ドル46 億ドル、今との差 +74.0%、 期待の年率 +17.7%(資本コスト 9.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 46.02 ドル158 億ドル | 18.99 ドル65 億ドル | +736.6% | +31.6% | 3.90 ドル13 億ドル |
| やや楽観 | 16% | 32.93 ドル113 億ドル | 14.61 ドル50 億ドル | +511.8% | +26.2% | 7.61 ドル26 億ドル |
| 中立 | 34% | 21.50 ドル74 億ドル | 10.52 ドル36 億ドル | +312.1% | +19.9% | 10.89 ドル37 億ドル |
| やや悲観 | 29% | 10.26 ドル35 億ドル | 6.43 ドル22 億ドル | +114.7% | +10.3% | 4.84 ドル17 億ドル |
| 悲観 | 15% | 5.84 ドル20 億ドル | 1.17 ドル4 億ドル | −9.8% | −1.1% | 1.05 ドル4 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 19.19 ドル66 億ドル | 9.09 ドル31 億ドル | +264.0% | +17.7% | 28.28 ドル97 億ドル |
今の株価時価総額 7.77 ドル27 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 6% 分離と負債削減が成功し、通信の数量が下げ止まる 利益 15 億ドル · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 46.02 ドル158 億ドル
ジゴ・グループは2027年に予定どおり分離され、非中核資産の売却とFCFでレバレッジが4倍前後へ下がる。KPNとプロキシマス系の光網が広がっても、DOCSIS 4.0と固定・移動体の抱き合わせで、ベネルクスの固定顧客は510万件を守る。持分換算単価は10年で1.55倍となり、規制当局の卸開放にも法人と卸の成長で対応する。VMO2もオープンリーチとシティファイバーに対して光化を進め、固定顧客550万件を維持する。
ヴァージン・メディア・アイルランド、リバティ・サービス、リバティ・グロースも利益に寄与し、営業利益は27億ドル、GAAP純利益は15億ドルとなる。FY2025の巨額減損は繰り返さず、2026〜2028年に黒字へ戻った後、投資売却益の波を伴いながら利益が伸びる。10年のGAAP純利益累計は105億ドル、正味還元は65億ドルで、自己資本は137.4億ドルとなる。資産売却はまず債務削減へ回し、その後に選択的な買い戻しを再開するため、ジゴ株と残るLBTYAの合計価値が明確になり、持株会社の値引きが大きく縮む。
- ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ):数量 5.1(固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース))× 価格 2,060(固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み))→ 売上 105 億ドル・営業利益 20 億ドル。固定顧客はほぼ横ばい、単価は物価並みとサービス構成改善
- VMO2持分(英国):数量 5.5(固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース))× 価格 1,500(固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み))→ 売上 83 億ドル・営業利益 15 億ドル。光化と卸で顧客を守り、50%持分の単価が上がる
- ヴァージン・メディア・アイルランド:数量 0.5(固定顧客関係数(百万件))× 価格 1,750(固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。光化と卸が小売の減少を上回る
- リバティ・サービス:数量 85.0(サービス対象の固定・移動体接続数(百万))× 価格 13(1接続あたり年間サービス売上(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。系列外へのAI・クラウド・調達サービスが育つ
- リバティ・グロース:数量 45.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.15(公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率)→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。売却後も再投資が成功し、公正価値と実現益が増える
倍率:利益ベースの正当化PER。k9.5%、g3.5%(固定顧客は横ばい近く、単価は物価並み)、事業ROE10.9%。moat=weakで超過収益の残る割合を1/3とし、RONIC10.0%、来年利益の式10.8倍、10年目利益用に×1.035で上限11.2倍。利益の質を考え10.5倍、上限の94%とした。純利益はGAAPでSBCを費用に含む。
確率:ジゴ・グループの相乗効果、VMO2の光化、投資売却がすべて良い方向へ重なる必要がある。実現可能だが、競争の現状から1割未満とした。
やや楽観 16% 通信は緩やかに縮むが、分離と資産回転が成果を出す 利益 12 億ドル · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 32.93 ドル113 億ドル
ジゴ・グループの分離は完了し、KPNとプロキシマス系のFTTPに一部を奪われても、ベネルクスの固定顧客は480万件へ緩やかに減る。抱き合わせと値上げで持分換算単価は1.43倍となり、営業利益率は17%を保つ。VMO2はオープンリーチとシティファイバーとの競争を卸と費用削減で補い、固定顧客510万件、単価1.26倍となる。ヴァージン・メディア・アイルランドは卸成長、リバティ・サービスは主要会社との契約、リバティ・グロースは資産回転で利益を残す。
各国の卸開放規制は続くが、DOCSIS 4.0と光化で品質差を縮め、営業利益は20億ドル、GAAP純利益は11.5億ドルとなる。FY2025の減損は繰り返さず、2026年から利益が段階的に回復する。10年の純利益累計は82億ドル、正味還元は50億ドルで、自己資本は129.4億ドルとなる。非中核資産の売却代金の大半を借金返済へ充ててから買い戻しを再開し、通信の堀は弱いままでも資産を直接評価できるため、現在の大きな値引きは半分以上解消する。
- ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ):数量 4.8(固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース))× 価格 1,900(固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み))→ 売上 91 億ドル・営業利益 16 億ドル。固定顧客は年1%弱減、単価は物価を少し下回る
- VMO2持分(英国):数量 5.1(固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース))× 価格 1,450(固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み))→ 売上 74 億ドル・営業利益 11 億ドル。競争は続くが光化と卸で利益率を守る
- ヴァージン・メディア・アイルランド:数量 0.4(固定顧客関係数(百万件))× 価格 1,650(固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。小売減を卸成長が上回る
- リバティ・サービス:数量 70.0(サービス対象の固定・移動体接続数(百万))× 価格 11(1接続あたり年間サービス売上(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。主要な系列契約を維持する
- リバティ・グロース:数量 35.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.12(公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率)→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。公正価値は伸びるが出口は選別される
倍率:利益ベースの正当化PER。k9.5%、g3.0%(数量は微減、価格とサービス構成で名目成長)。事業ROE8.9%はk未満なので上限は1÷kの10.5倍。分離後も借金と共同支配が残るため9.8倍、上限の93%とした。市場の倍率は使わず、GAAP純利益に掛ける。
確率:ジゴ・グループの上場と負債削減は会社が既に進めており、事業改善も一部確認できる。ただし顧客減が完全には止まらないため16%とした。
中立 34% 数量減を単価と資産売却で補い、再編後に中程度の利益を残す 利益 8 億ドル · PER 9.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 21.50 ドル74 億ドル
ジゴ・グループは分離されるが、KPNとプロキシマス系の光化でベネルクスの固定顧客は445万件へ減る。持分換算単価は10年で1.34倍と物価を下回り、営業利益率は14%となる。VMO2はオープンリーチ、シティファイバー、低価格事業者に顧客を奪われ、固定顧客460万件、単価1.17倍、営業利益率12%にとどまる。ヴァージン・メディア・アイルランドは数量をほぼ維持する一方、リバティ・サービスは系列会社の分離で売上が細り、リバティ・グロースは25億ドルへ縮む。
卸開放と共同敷設を促す規制の下で、DOCSIS 4.0は投資負担を抑えるが価格決定力を戻せず、営業利益は15億ドル、GAAP純利益は8億ドルとなる。FY2025の減損と為替損は毎年繰り返さず、2026〜2028年は再編費用を吸収しながら黒字へ戻る。10年の純利益累計は60億ドル、正味還元は36億ドルで、自己資本は121.4億ドルとなる。資産売却とFCFの多くは借金返済へ向かい、買い戻しは安値の時だけ続けるため、価値は成長より再編と現金回収から生まれる。
- ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ):数量 4.5(固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース))× 価格 1,780(固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み))→ 売上 79 億ドル・営業利益 11 億ドル。固定顧客は年1.6%減、単価は物価をやや下回る
- VMO2持分(英国):数量 4.6(固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース))× 価格 1,350(固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み))→ 売上 62 億ドル・営業利益 7 億ドル。固定顧客は年2.3%減、値引きで単価伸びが弱い
- ヴァージン・メディア・アイルランド:数量 0.4(固定顧客関係数(百万件))× 価格 1,550(固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。光化と卸で数量をほぼ維持する
- リバティ・サービス:数量 55.0(サービス対象の固定・移動体接続数(百万))× 価格 11(1接続あたり年間サービス売上(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。分離後に系列契約が減り、単価も物価未満
- リバティ・グロース:数量 25.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.08(公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却で規模が縮み、正常化収益率は8%
倍率:利益ベースの正当化PER。k9.5%、g2.5%(市場の実質成長は小さく、シェア減を価格が一部補う)。事業ROE6.6%はk未満なので上限は1÷kの10.5倍。通信数量の減少、持分法、親会社費用、借金を考え9.2倍、上限の87%とした。純利益はGAAPでSBCと利払いを含む。
確率:ベネルクスの改善と英国・アイルランドの競争を同時に反映した。分離は進むが、通信の数量減と高い資本負担が続く姿を最も厚くした。
やや悲観 29% 分離は進むが、光との競争で利益と還元が細る 利益 5 億ドル · PER 7.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 10.26 ドル35 億ドル
ジゴ・グループの分離は遅れるか、上場しても高い借金のため低い評価にとどまる。KPN、プロキシマス系の光網にシェアを奪われ、ベネルクスの固定顧客は390万件、VMO2はオープンリーチとシティファイバーに押され400万件へ減る。単価は物価を大きく下回り、ヴァージン・メディア・アイルランドはエアとサイロに顧客を奪われる。リバティ・サービスの系列契約は半減し、リバティ・グロースの公正価値は15億ドルへ縮む。
光敷設と卸開放を促す規制も既設ケーブルの優位を削り、営業利益は9億ドル、GAAP純利益は4.5億ドルとなる。2026〜2028年には再編費用と小幅な減損が残り、その後も利益の回復は鈍い。10年の純利益累計は32億ドル、正味還元は22億ドルで、自己資本は107.4億ドルとなる。資産売却は借金返済へ回り、買い戻しは小さいままなので、接続需要は残っても株主が受け取る現金は期待ほど増えず、複雑さの値引きも長く残る。
- ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ):数量 3.9(固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース))× 価格 1,600(固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み))→ 売上 62 億ドル・営業利益 6 億ドル。光へ顧客を失い、販促で単価も物価未満
- VMO2持分(英国):数量 4.0(固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース))× 価格 1,200(固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み))→ 売上 48 億ドル・営業利益 3 億ドル。英国の過剰な光供給と値下げで利益率が低下
- ヴァージン・メディア・アイルランド:数量 0.3(固定顧客関係数(百万件))× 価格 1,450(固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。小売減を卸で補い切れない
- リバティ・サービス:数量 40.0(サービス対象の固定・移動体接続数(百万))× 価格 8.00(1接続あたり年間サービス売上(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。系列会社の内製化と契約終了で縮小
- リバティ・グロース:数量 15.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.04(公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。評価額と出口の両方が弱い
倍率:利益ベースの正当化PER。k9.5%、g1.5%(数量減を弱い値上げで一部補う)。事業ROE4.2%はk未満で上限は10.5倍。再投資が資本コストを下回り、借金と分離遅延で利益の受取時期も遅れるため7.8倍、上限の74%とし、中立より低くした。
確率:英国とアイルランドではすでに数量と単価が弱く、ベネルクスの改善もまだ短い。完全崩壊ではなく、縮む通信会社になる確率を29%とした。
悲観 15% 通信の堀が崩れ、投資損失と減損で資産の床まで下がる 利益 1 億ドル · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5.84 ドル20 億ドル
KPN、プロキシマス系、オープンリーチ、シティファイバーの光網が価格と速度で優位に立ち、ベネルクスの固定顧客は330万件、VMO2は330万件へ減る。単価は10年で1.09倍と物価に大きく負け、卸開放規制もケーブルの値上げを阻む。ヴァージン・メディア・アイルランドとリバティ・サービスはほぼ利益を失い、リバティ・グロースは公正価値8億ドルとなって投資損と追加減損が出る。営業利益は2億ドル、GAAP純利益は0.5億ドルにすぎない。
ジゴ・グループの分離は遅れるか、借金を抱えた低い評価で実施され、資産売却代金は債権者へ回る。2026〜2029年の減損と投資損で、10年のGAAP純利益累計はマイナス20億ドルとなる。正味還元は4億ドルで、自己資本は73.4億ドルまで減り、買い戻しと配当はほぼ止まる。経営が通信網の維持を優先した後に残る稼ぐ力は約5.3億ドルにすぎないため、価値は売れる資産の税後20億ドルを床にする。
- ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ):数量 3.3(固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース))× 価格 1,450(固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み))→ 売上 48 億ドル・営業利益 2 億ドル。固定顧客の4割近くを失い、値上げも通らない
- VMO2持分(英国):数量 3.3(固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース))× 価格 1,050(固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み))→ 売上 35 億ドル・営業利益 1 億ドル。光競争と高い固定費で利益がほぼ消える
- ヴァージン・メディア・アイルランド:数量 0.3(固定顧客関係数(百万件))× 価格 1,300(固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。小売・卸とも弱く赤字
- リバティ・サービス:数量 20.0(サービス対象の固定・移動体接続数(百万))× 価格 5.00(1接続あたり年間サービス売上(ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。分離後の契約が失われ固定費が残る
- リバティ・グロース:数量 8.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.02(公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。投資先の評価減と管理費で損失
倍率:利益の稼ぐ力は0.5÷k9.5%=約5.3億ドルにすぎず、下記の売れる資産の税後20億ドルの方が大きい。PBR0.273倍は市場の谷から取った倍率ではなく、床20億ドルを減損後自己資本73.4億ドルで表しただけである。
確率:光への構造的な顧客流出、上場遅延、投資損失が重なる筋書きである。借金は重いが接続資産は残るため、倒産より資産価値の大幅毀損を15%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ジゴ・グループ持分(テレネット・ボーダフォンジゴ)
ベルギー、ルクセンブルク、オランダの固定・移動体・映像・法人通信。2026年7月の買収後にLBTYAが経済持分90%を持つ。
| 数量固定顧客関係数(百万件、両社100%ベース) | 価格固定顧客1件あたり持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・映像込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.2 | 1,330 | 70 | 9 |
| 10 年後 中立 | 4.5 | 1,780 | 79 | 11 |
取り方:2025年Form 10-Kのテレネット売上32.079億ドルとボーダフォンジゴ売上45.185億ドルの合計に、買収後のジゴ・グループ経済持分90%を掛けた。固定顧客は193.41万件と329.59万件の合計。営業利益は両社の持分換算EBITDA29.5億ドルから通常の減価償却と本社費を引いた反復可能利益の推定で、取引損益は除いた。
VMO2持分(英国)
ヴァージン・メディアの固定網とO2の移動体、法人・卸を持つ英国の50%共同事業。
| 数量固定顧客関係数(百万件、事業100%ベース) | 価格固定顧客1件あたり50%持分換算年間売上(ドル、移動体・法人・卸込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.8 | 1,152 | 67 | 4 |
| 10 年後 中立 | 4.6 | 1,350 | 62 | 7 |
取り方:2025年Form 10-Kの売上133.352億ドルに50%を掛け、固定顧客578.93万件で割った。営業利益は同資料の50億ドル規模ののれん減損を除いたGAAP営業利益の50%相当を使う。減損を含む報告営業損失は事業の数量と単価を表さないため、howで分離した。
ヴァージン・メディア・アイルランド
アイルランドの固定ブロードバンド、映像、移動体、卸通信。
| 数量固定顧客関係数(百万件) | 価格固定顧客1件あたり年間売上(ドル、移動体・映像・卸込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.4 | 1,301 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.4 | 1,550 | 6 | 0 |
取り方:2025年Form 10-Kの売上4.948億ドルと固定顧客38.04万件から算出した。営業利益は調整後EBITDA1.803億ドルからネットワークの通常減価償却を引いた推定。2026年Q2決算では小売ブロードバンドが5,000件減った一方、卸は7,200件増えた。
リバティ・サービス
系列会社と第三者へ、製品開発、調達、IT、財務、保険などの共通サービスを提供する。
| 数量サービス対象の固定・移動体接続数(百万) | 価格1接続あたり年間サービス売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 80.0 | 8.75 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 55.0 | 11 | 6 | 0 |
取り方:2025年Form 10-Kの会社開示にある約8,000万接続と年間売上約7億ドルから算出した。売上の大半は連結会社と持分法会社からで、外部市場ではなく系列の接続数が数量の母集団となる。分離後に契約が細る可能性があるため独立した数量として置いた。
リバティ・グロース
テクノロジー、メディア、スポーツ、インフラの少数持分投資。価値は経常売上より売却益と公正価値増減に現れる。
| 数量投資ポートフォリオの公正価値(億ドル) | 価格公正価値に対する正常化した年間実現・評価益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 29.0 | 0.15 | 4 | −1 |
| 10 年後 中立 | 25.0 | 0.08 | 2 | 0 |
取り方:2026年Q2決算の独立評価29億ドルを数量とし、2026年の売却実績とポートフォリオのばらつきをならした15%を価格とした。これはGAAP売上ではなく投資収益の数量×価格表示であり、一般の通信市場規模は当てはまらない。運営費と評価関連費用を見込み営業損失を推定した。
リスクと懸念
光ファイバーとの価格競争
オランダ、ベルギー、英国、アイルランドで光網が広がり、ケーブルだけが高速だった優位は薄れる。2026年Q2のVMO2では固定ARPUが4.6%下がった。契約数が年2〜4%減り、割引で単価も物価に届かなければ、設備投資と固定費が残るため営業利益は売上以上に減る。
高い借金と借り換え金利
買収後の各信用区分には大きな借金が残り、ジゴ・グループが目指すレバレッジ4.5倍も軽くない。金利5%前後の世界で借り換えが進むと、安定したEBITDAが利払いに吸われる。資産売却とFCFが計画を下回れば、買い戻しと分配は止まり、株主価値の回復が先送りされる。
ジゴ・グループ分離の実行
2027年半ばのアムステルダム上場と株主分配には、監査、規制、税務、借金の整理、市況が関わる。非課税分配の条件や上場時の需要が崩れると、90%持分を予定どおり渡せず、持株会社の値引きが残る。分離費用と重複本社費が相乗効果を打ち消す可能性もある。
VMO2の持分法と共同支配
英国事業は50%持分で、投資、配当、資産売却を共同株主と決める。2026年はサービス売上とEBITDAの減少が見込まれ、分配も小さい。競争が続いて配当が止まると、帳簿上の持分価値があっても親会社の現金にはならない。追加減損はGAAP利益と自己資本を再び大きく揺らす。
投資ポートフォリオと資本配分
リバティ・グロースの公正価値は2026年Q2で29億ドルだが、上位5投資が過半を占める。非上場持分は資金調達環境が悪化すると売却時に大きく値引かれ、評価額が現金にならない。成長投資や追加出資を続ければ回収が遅れ、過去の買収と買い戻しを含む経営の裁量そのものがリスクになる。
為替・デリバティブ・会計の振れ
稼ぎはユーロと英ポンド、報告はドルで、負債とデリバティブも多い。2025年のように為替差損、評価損、持分法損失が営業の改善を覆うことがある。現金を伴わない損失でも自己資本、借入条件、上場時の信用を傷め、資産売却や買い戻しの自由度を下げる。ヘッジが外れた時には逆方向の損失も膨らみうる。
今後の分かれ目
- ジゴ・グループが2027年に分離され、2028年の調整後FCFが5億ユーロ前後、レバレッジが4.5倍以下になる
- 中立からやや楽観へ寄せる。借金返済後も現金が残る証拠となり、ジゴ・グループの数量減を年1%台前半、10年還元を上方修正できる。
- ボーダフォンジゴとテレネットのブロードバンド純増が4四半期続き、固定ARPUが物価の7割以上伸びる
- ベネルクスの顧客数を中立の445万件より高くし、営業利益率14%を引き上げる。DOCSIS 4.0と抱き合わせが解約を抑えたと判断する。
- VMO2のサービス売上減が5%を超え、固定ARPU下落とブロードバンド純減が続く
- やや悲観と悲観を厚くする。2035年の固定顧客を460万件未満へ下げ、50%持分から受け取る利益と還元を減らす。
- 非中核資産の売却が14億ユーロに届かず、鉄塔売却資金も株主還元や新規買収へ回る
- 負債削減の信頼を下げる。資本コストは変えず、やや悲観の利益と確率に反映し、10年の正味還元を引き下げる。
- リバティ・グロースの公正価値が20億ドルを割り、売却益ではなく追加出資が続く
- 投資部門の数量と価格を悲観側へ下げる。会社現金を床として数える割合も減らし、売れる資産の税後価値を見直す。
- 2026年末の会社現金が20億ドル前後に達し、年2億ドル以内の買い戻しが純資産価値を下回る時だけ実行される
- 資本配分の改善とみなし、中立の10年還元36億ドルを増やす。再び大型買収へ向かう場合は逆に悲観側へ寄せる。
見ておくもの
- ジゴ・グループの上場時期、分配比率、上場前レバレッジ
- ボーダフォンジゴとテレネットの固定顧客純増減、ARPU、解約率
- VMO2のサービス売上、固定ARPU、調整後FCFと株主分配
- 各信用区分の純負債÷EBITDAと借り換え金利
- リバティ・グロースの公正価値、上位5投資の比率、年間売却額
- 会社現金残高と年2億ドルの選択的買い戻しの実行価格
- 設備投資比率とDOCSIS 4.0・FTTPの開通世帯数
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額や市場のPERを先に使わず、ジゴ・グループ90%、VMO2 50%、ヴァージン・メディア・アイルランド 100%、リバティ・サービス、リバティ・グロースの順に数量と価格を積み上げた。2027年の分離後も、現在の株主が持つジゴ株と残るLBTYAの合計を会社全体の価値として扱う。kは9.5%で、ケーブルの地域独占が光に崩されるためmoatはweakである。楽観はROE10.9%、g3.5%、RONIC10.0%から10年目上限11.2倍に対し10.5倍。やや楽観以下はROEがk未満なので1÷kの10.5倍を上限とし、中立9.2倍、やや悲観7.8倍へ下げた。悲観は市場倍率でなく、減損後自己資本と売れる資産の税後20億ドルで測った。最後に全種類株の時価総額26.4億ドルと比べた。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。kは基本8.0%+quality1.5%=9.5%。接続需要は景気に強いが、価格競争、借金、ケーブルの堀の縮小を4要素へ反映した。再編とガバナンスはkへ足さず、筋書きと確率で表す。存続危機ではないためextraは0。