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アルファベット GOOGL

検索の寡占と急伸するクラウドを持つ最強級の事業だが、設備投資の重さと PER 31 倍の値段が成長を大きく先取りしている(割高)

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)240.44 ドル2.94 兆ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)324.2 ドル3.97 兆ドル差 −25.8%
10 年後から見ると やや割高 価値 240.44 ドル2.94 兆ドル · 差 −25.8% · 期待の年率 +3.9%
期待の年率リターン(10 年)+3.9%資本コスト比 −4.1 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アルファベットは、検索(AI による概要と AI モードを含む)・ユーチューブ・ネットワーク広告で世界の広告を握り、クラウド(TPU と AI 基盤)・購読・自動運転のウェイモを加えた会社である。2025 年に売上 4,030 億ドル・営業利益 1,327 億ドル(営業利益率 33%)を稼ぎ、2026 年 4〜6 月は売上 1,198 億ドル(前年比 +24%)、クラウド +82%、未消化の契約残高 5,140 億ドルと、AI で成長がむしろ加速した。純利益 1,121 億ドルはアンスロピックとスペースエックスの持分の含み益(約 980 億ドル)で膨らんだ一過性の値で、本業の利益ではない。

事業の質は最上級で、10 年後も存在し、おそらく今より強い。ただし値段の論点は設備投資である。2026 年の設備投資は 1,950〜2,050 億ドルに上がり、2027 年はさらに増えると会社自身が言い、2026 年 4〜6 月のフリーキャッシュフローは約 20 年ぶりにマイナスになった。事業ごとに数量と単価を積み上げると、中立の筋書きで 2035 年の売上は約 1 兆ドル、営業利益率は 32%(2025 年の 33% より低い)。帳簿の ROE は設備投資で約 4 割から 22% に下がり、利益ベースの正当化 PER は、その ROE が先で k へ 3 分の 1 薄れる(強い堀)として g 4.0% で式 19.3 倍、AI の回答による検索の置き換えと設備投資の回収の読みにくさから上限の 85%、×(1+g) で約 17 倍。持分(税引き後 約 2,000 億ドル)は帳簿の値で足す。

10 年後の中立の時価総額は今の約 1.16 倍で、還元込みの 10 年の年率は 3〜4%。資本コスト 8.0% で割り引くと今の時価総額(4.2 兆ドル)に遠く届かず、確率で加重した本質価値は今より約 3 割低い(やや割高)。AI がグーグルの検索を置き換えるかどうかと、設備投資の回収という 2 つの不確実さに、4 兆ドル規模の値段が乗っている。優れた会社であることと、その値段で買ってよいことは別、というのが結論である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資家なら、まず「10 年後もあるか」を問う。答えは、ある。検索の習慣とデータは当分壊れず、AI の全層を持つ会社は少ない。ただし検索そのものが AI の回答へ移る過程で、グーグルが入口の座を守れるかは、10 年の中で最大の問いである。

次にオーナー利益を見る。営業利益 1,327 億ドルから株式報酬(年 250 億ドル前後)を費用として引き、成長のための設備投資が減価償却を大きく上回る分を引くと、株主が自由にできる利益はフリーキャッシュフローの水準に近づく。2026 年 4〜6 月のフリーキャッシュフローはマイナスで、利益の数字と株主のものになる利益に大きな差が開いている。さらに、2026 年 4〜6 月の純利益 1,121 億ドルの約 7 割は持分の含み益で、これは稼ぐ力ではない。

安全域の議論では、中立の 10 年の年率は 3〜4% で資本コスト 8.0% に遠く届かない。楽観なら年 1 割強と報われるが、悲観は 6〜8 割の下落になる。事業の質は 2.5 兆ドル前後の企業価値を正当化しうるが、今の 4.2 兆ドルは AI の回答面での広告化・クラウドの高成長・設備投資の回収という 3 つが同時に当たる前提に近い。分かりやすい事業(広告)と分かりにくい事業(AI の設備投資)が同居する会社として、確信度は中程度である。

何で稼ぐ会社か

売上の約 7 割は広告である。検索その他(2025 年に約 2,260 億ドル)は、検索の回答に出る広告で、購買に近い意図に課金するため単価が高い。ユーチューブ広告(約 405 億ドル)は長尺・ショート・TV の動画で、メタ(Meta)の SNS やティックトック(TikTok)、ネットフリックス(Netflix)の広告つきプランと広告費を奪い合う。ネットワーク広告(約 290 億ドル)は他社サイト・アプリへの配信で、アドセンスやアド・マネージャーを含み、アマゾンの広告配信や独立系に押されて横ばいから微減。

成長を担うのは 2 つ。1 つはグーグル・クラウド(2025 年に約 590 億ドル、2026 年 4〜6 月に 248 億ドル・営業利益率 35.6%)で、AWS・マイクロソフトの次に位置し、TPU(自前の AI 半導体)と生成 AI の基盤、データ基盤を売る。TPU はアンスロピックなどの大口契約と、外部への販売(本格化は 2027 年)で需要が膨らみ、供給(電力・半導体)が成長を縛っている。もう 1 つは購読・プラットフォーム・デバイス(約 465 億ドル、前年比 +15%)で、ユーチューブ・プレミアム、グーグル・ワン、プレイの手数料、ピクセルを含む。

その他の事業のウェイモは週 50 万回超の自動運転の乗車に達し、2026 年末に 100 万回を目標にしているが、その他の事業全体で年 75 億ドル前後の赤字を出す。持分としてアンスロピック(約 1,240 億ドル)とスペースエックス(2026 年 6 月上場、約 940 億ドル)を持ち、利益の変動を大きくしている。

優良さと弱いところ

堀は 3 層ある。第 1 は検索の習慣とデータで、世界の検索の約 9 割を握り、広告主は成果が測れるため予算を集中させる。2025 年末の司法省の検索訴訟の最終判決は、クロームの分離ではなく、配信契約の制限とデータの共有・検索の提供にとどまり、現時点で致命傷にはなっていない。第 2 は AI の全部の層を持つこと。自前の半導体(TPU)、モデル(ジェミニ・月間利用者 9.5 億人)、配布(検索・アンドロイド・クローム・ユーチューブ・ワークスペース)を一社で持つのは世界でほかにない。第 3 は規模の経済で、クラウドは AWS・マイクロソフトとの 3 社寡占、広告はグーグル・メタ・アマゾンで米国のデジタル広告の約 6 割。

資本効率は ROE 32% と高く、営業利益率 33% は過去最高に近い。ただし 2026 年は設備投資が営業利益を上回って ROE が下がる局面に入る。経営はサンダー・ピチャイ氏の下で、買収は小さく自前投資が中心(2022 年のマンディアントのほかは大型なし)。資本配分は、設備投資・自社株買い・配当を併用するが、2026 年は設備投資にキャッシュが吸い込まれた。

弱点は、検索の AI 置き換え(ジェミニを含め、チャット型が入口を取る可能性)、規制(検索・広告技術の 2 件の訴訟、EU の DMA)、設備投資の回収、ウェイモなどの赤字事業、持分の評価益の一過性である。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

世界の広告費は 2026 年に約 1.3 兆ドルで、デジタルが約 7 割。米国のデジタル広告は 2025 年に 2,946 億ドル(前年比 +13.9%)で、検索 1,142 億ドル、SNS 1,177 億ドル、デジタル動画 780 億ドル。AI により広告の成果が高まり、検索とショート動画への集中が進む。業界ノートの中立の見通しは、10 年で売上 年 +7〜7.5%。検索のクエリ数は AI の機能で増えているとピチャイ氏が述べ、検索その他は 2026 年 4〜6 月に +17% の 633 億ドルと、市場を上回る。

クラウドは情報技術の業界ノートの前提(市場約 5,500 億ドル、10 年で 1.5 兆ドル前後)を使い、グーグルのシェアは 10.7% から 2026 年に 15% 台へ急上昇している。AWS(アマゾン)・マイクロソフト・オラクルとの競争で、AI の計算は供給不足で単価が保たれているが、2027〜28 年に各社の増設が稼働すると単価が下がりやすい。循環でいえば、広告は景気の山の近くにいて、クラウドは設備投資の山の手前にいる。

競合は、検索ではオープンエーアイのチャットジーピーティー(ChatGPT)・アンスロピック・マイクロソフトのビング・アップル・パープレキシティ(Perplexity)、SNS ではメタ、動画ではティックトック・ネットフリックス。2026 年 9 月に広告技術の訴訟は分離を免れ、6 年の行為規制と監視となった。検索の訴訟は控訴中。

資本政策と M&A

還元は、配当(四半期ごとに増配・年約 100 億ドル)と自社株買い(2024 年 622 億ドル・2025 年 457 億ドル)で、株式報酬による株数増を打ち消して株数は減ってきた(2020 年代で年 2% 前後)。ところが 2026 年は設備投資が 2,000 億ドル規模に膨らみ、自社株買いは細くなり、フリーキャッシュフローは一時マイナスに転じた。正味の還元(自社株買い・配当から株式報酬の分を引く)は小さい。

M&A は、2022 年のマンディアント(約 54 億ドル)以外に大型がない。ウィズ(Wiz)の約 320 億ドルの買収は 2026 年に完了している。大型買収は規制(FTC・司法省・EU)で事実上できず、買われる側の可能性もない。代わりにアンスロピックへの出資(累計約 133 億ドル・追加で最大 300 億ドルの約束)と、スペースエックスの持分(上場後の公正価値約 940 億ドル)が利益の一過性の変動を生む。

鍵になる資本配分は、設備投資の収益が資本コスト 8.0% を上回るか、そして持分の含み益を本業の利益と混同していないかである。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

検索は AI で終わらず、むしろ強くなっている。検索その他は 2026 年 4〜6 月に +17% の 633 億ドルと加速し、ジェミニは月間利用者 9.5 億人、日次利用者は 3 倍になった。AI による概要と AI モードの広告は、回答の文脈に合う広告として購買意図の高い面を作り、単価の下落よりクリックの増加が大きい。クラウドは前年比 +82%、営業利益率 35.6%、契約残高 5,140 億ドル(約半分は 2 年内に売上へ変わる)と、AI の需要を TPU・ジェミニ・基盤の全層で受ける唯一の会社で、外部への TPU の販売は 2027 年に本格化する。

さらに、設備投資は将来の売上の先行であり、需要が供給を上回る間は回収される。アンスロピックの持分は約 1,240 億ドル、スペースエックスは約 940 億ドルで、それだけで時価総額の 5% を占める。ウェイモは週 50 万回の乗車が 1 年足らずで倍になり、次の 1 兆ドル事業になりうる。司法省の訴訟も、分離は免れた。10 年後の売上は 1.4 兆ドルを超えうる。

慎重な見方

利益の質が落ちている。2026 年の設備投資は 2,000 億ドルに迫り、営業利益を超え、2026 年 4〜6 月にフリーキャッシュフローは約 20 年ぶりにマイナスになった。純利益の 1,121 億ドルの約 7 割は含み益で、2025 年の ROE 32% の水準は今後下がる。クラウドの高成長は、アンスロピックをはじめ少数の AI 企業の契約に集中し、その資金調達が止まれば契約残高の質は一気に下がる。2027〜28 年に各社の増設が稼働すれば、AI の計算の単価は崩れ、減価償却だけが残る。

検索については、AI の回答(チャットジーピーティー・アンスロピック・アップル)が入口を取れば、リンクのクリックと広告の枠そのものが減る。司法省の検索訴訟は控訴中で、デフォルト契約の制限とデータ共有は、AI の時代の囲い込みを弱める。広告技術も 6 年の監視が付く。PER 31 倍は、検索の守りとクラウドの高成長と設備投資の回収を、すべて割り引かずに織り込んでいる。

どちらに重みを置いたか

事業の質と成長では強気の見方が強く、クラウド・検索ともに楽観・やや楽観を合わせて 10 年で 4 割弱に寄せた。一方、値段の議論では慎重な見方が強い。中立の筋書きの 10 年の期待リターンは年 3〜4% で、資本コスト 8.0% を大きく下回り、割り引くと今の時価総額の 7 割前後にとどまる。確率は中立を最大に、悲観は 12%(検索の置き換えと設備投資の失敗)。結論は「最強級の事業だが、値段は成長の持続と高い ROE の維持を大きく先取りしている(割高)」。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 383.94 ドル4.70 兆ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 91.99 ドル1.13 兆ドル)。 今の値に割り戻すと 240.44 ドル2.94 兆ドル、今との差 −25.8%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 8.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 13% 669.98 ドル8.19 兆ドル 126.74 ドル1.55 兆ドル +145.7% +9.4% 103.57 ドル1.27 兆ドル
やや楽観 25% 499.87 ドル6.11 兆ドル 110.38 ドル1.35 兆ドル +88.2% +6.5% 152.56 ドル1.87 兆ドル
中立 32% 393.84 ドル4.82 兆ドル 102.21 ドル1.25 兆ドル +53.0% +4.3% 158.74 ドル1.94 兆ドル
やや悲観 18% 203.15 ドル2.48 兆ドル 65.41 ドル8,000 億ドル −17.2% −1.9% 48.34 ドル5,912 億ドル
悲観 12% 77.35 ドル9,460 億ドル 28.62 ドル3,500 億ドル −67.3% −10.6% 12.72 ドル1,555 億ドル
加重平均100% 383.94 ドル4.70 兆ドル91.99 ドル1.13 兆ドル +46.8% +3.9% 475.93 ドル5.82 兆ドル

今の株価時価総額 324.22 ドル3.97 兆ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。

楽観 13% 楽観:AI の回答面でも検索が勝ち、クラウドの上位 3 社の 1 つで定着 利益 4,609 億ドル · PER 17.5 倍 · 株価時価総額 669.98 ドル8.19 兆ドル

10 年後、AI の回答が検索の主な面になるが、グーグルは自社のジェミニと検索の広告を一体で売り、世界の検索市場 1 兆ドルのシェア 58% を保つ。AI が広告の成果を高めて単価も上がり、市場は年 +10% で伸びる。クラウドは 1.75 兆ドルの市場でシェア 28%(売上約 4,900 億ドル)、営業利益率は 40%。TPU は AI の標準的な選択肢になる。ユーチューブは 6,800 億ドルの市場でシェア 19%。ウェイモは年 7 億回の乗車で黒字化し、約 200 億ドルの売上と 25% の利益率になる。設備投資は売上の 2 割に戻り、フリーキャッシュフローが純利益の 8 割まで回復して、還元が増える。PER は式どおり約 23 倍(純現金と持分を足すと純利益の約 24 倍)。

  • 検索その他の広告:数量 374(グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア)× 価格 16(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 5,800 億ドル・営業利益 2,726 億ドル。名目市場 10000 億ドル × シェア 58.0%(単価 1.55)。検索市場とシェア
  • ユーチューブ広告:数量 86.1(ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア)× 価格 15(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 1,292 億ドル・営業利益 491 億ドル。名目市場 6800 億ドル × シェア 19.0%(単価 1.5)。動画市場とシェア
  • ネットワーク広告:数量 27.2(グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア)× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 340 億ドル・営業利益 129 億ドル。名目市場 2000 億ドル × シェア 17.0%(単価 1.25)。配信市場とシェア
  • 購読・プラットフォーム・デバイス:数量 8.0(有料購読等の件数(億件))× 価格 260(1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル))→ 売上 2,080 億ドル・営業利益 478 億ドル。購読件数と単価
  • グーグル・クラウド:数量 402(グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 4,900 億ドル・営業利益 1,960 億ドル。名目市場 17500 億ドル × シェア 28.0%(単価 1.22)。クラウド市場とシェア
  • その他の事業(ウェイモほか):数量 7.0(ウェイモの有料乗車数(億回))× 価格 28(1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル))→ 売上 196 億ドル・営業利益 49 億ドル。自動運転の乗車数

倍率:利益ベースの正当化 PER。k 8.0%(基本 8.0%+quality +0.0%)、g 4.0%(広告の数量 +1%・単価は物価並み、上限の 4%)。事業の ROE 24.5%(その時点の純利益(余った現金の税後の利息を除く) ÷ 帳簿の自己資本(余った現金を除く)。のれん込み)。 moat=strong(残る割合 0.67)で RONIC=19.0%、式の PER=19.7 倍、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 20.5 倍。 置いたのは 17.45 倍(上限の 85%)。検索とユーチューブの堀は強いが、AI の回答が検索の広告を置き換える危険と、設備投資の回収の読みにくさがあるので、式の値より低めに置いた。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。持分(アンスロピック・スペースエックス)は余った現金として別に足してある。

確率:検索の AI 化・クラウドの成長・自動運転が 10 年とも当たり、規制も大きく外れる展開。大型で 10 年これが続く確率は 1〜2 割。

やや楽観 25% やや楽観:検索は守られ、クラウドは 3 位として伸びる 利益 3,472 億ドル · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 499.87 ドル6.11 兆ドル

10 年後、検索市場は 9,000 億ドルまで伸びるが、AI のチャットとの競合でシェアは 55% に下がる。クラウドは市場 1.58 兆ドル・シェア 25% で売上約 3,950 億ドル、営業利益率 36%。ユーチューブは購読の伸びとショート動画で 1,050 億ドル。ウェイモは年 4.5 億回の乗車で小幅黒字。設備投資の減価償却が重く、全社の営業利益率は 34%。設備投資は 2030 年代前半に売上の 2 割台へ戻り、フリーキャッシュフローが回復して自社株買いが再開する。アンスロピックなど顧客の集中は残るが、契約は実際の売上に変わる。AI のチャットとの競合でリンク広告は減るが、回答面の広告が補い、検索の売上は年 +7% 台に収まる。純利益は 3,460 億ドル(2025 年の 2.6 倍)、PER は約 23 倍(純現金と持分込みで純利益の約 23.6 倍)。

  • 検索その他の広告:数量 335(グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア)× 価格 15(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 4,950 億ドル・営業利益 2,178 億ドル。名目市場 9000 億ドル × シェア 55.0%(単価 1.48)。検索市場とシェア
  • ユーチューブ広告:数量 72.4(ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア)× 価格 15(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 1,050 億ドル・営業利益 378 億ドル。名目市場 6000 億ドル × シェア 17.5%(単価 1.45)。動画市場とシェア
  • ネットワーク広告:数量 23.2(グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 278 億ドル・営業利益 100 億ドル。名目市場 1850 億ドル × シェア 15.0%(単価 1.2)。配信市場とシェア
  • 購読・プラットフォーム・デバイス:数量 7.2(有料購読等の件数(億件))× 価格 232(1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル))→ 売上 1,670 億ドル・営業利益 351 億ドル。購読件数と単価
  • グーグル・クラウド:数量 341(グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 3,950 億ドル・営業利益 1,422 億ドル。名目市場 15800 億ドル × シェア 25.0%(単価 1.16)。クラウド市場とシェア
  • その他の事業(ウェイモほか):数量 4.5(ウェイモの有料乗車数(億回))× 価格 27(1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル))→ 売上 122 億ドル・営業利益 24 億ドル。自動運転の乗車数

倍率:利益ベースの正当化 PER。k 8.0%(基本 8.0%+quality +0.0%)、g 4.0%(広告の数量 +1%・単価は物価並み、上限の 4%)。事業の ROE 22.9%(その時点の純利益(余った現金の税後の利息を除く) ÷ 帳簿の自己資本(余った現金を除く)。のれん込み)。 moat=strong(残る割合 0.67)で RONIC=17.9%、式の PER=19.4 倍、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 20.2 倍。 置いたのは 17.17 倍(上限の 85%)。検索とユーチューブの堀は強いが、AI の回答が検索の広告を置き換える危険と、設備投資の回収の読みにくさがあるので、式の値より低めに置いた。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。持分(アンスロピック・スペースエックス)は余った現金として別に足してある。

確率:検索の寡占は崩れず、クラウドの契約残高も実際の売上に変わるが、AI の単価競争で利益率は 2026 年より落ちる。

中立 32% 中立:優良だが資本を食う成熟企業。成長は年 9〜10%、PER は平常化 利益 2,731 億ドル · PER 17.1 倍 · 株価時価総額 393.84 ドル4.82 兆ドル

10 年後、売上は約 1 兆ドル(2025 年の 2.5 倍、年 +9.6%)。検索は市場 8,200 億ドル・シェア 52%(約 4,260 億ドル)。AI の回答への移行で、リンクの検索のクリックは減るが、回答の中の広告で補う。クラウドは市場 1.45 兆ドル・シェア 22% で約 3,190 億ドル、営業利益率は 34%。購読は 6.5 億件・単価は今の約 1.35 倍。ウェイモは年 3 億回の乗車で小幅黒字。2026〜30 年の設備投資の累積が 1 兆ドルを超え、減価償却で全社の営業利益率は 32% と今より低い。ROE は 18% に下がるが、2030 年代前半にフリーキャッシュフローが回復し還元は戻る。純利益は 2,720 億ドル、PER は式どおり 22.5 倍、持分を足して純利益の約 23 倍で、時価総額は今の約 1.5 倍。

  • 検索その他の広告:数量 302(グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア)× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 4,264 億ドル・営業利益 1,791 億ドル。名目市場 8200 億ドル × シェア 52.0%(単価 1.41)。検索市場とシェア
  • ユーチューブ広告:数量 64.4(ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア)× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 908 億ドル・営業利益 309 億ドル。名目市場 5500 億ドル × シェア 16.5%(単価 1.41)。動画市場とシェア
  • ネットワーク広告:数量 19.2(グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 221 億ドル・営業利益 77 億ドル。名目市場 1700 億ドル × シェア 13.0%(単価 1.15)。配信市場とシェア
  • 購読・プラットフォーム・デバイス:数量 6.5(有料購読等の件数(億件))× 価格 219(1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル))→ 売上 1,424 億ドル・営業利益 285 億ドル。購読件数と単価
  • グーグル・クラウド:数量 290(グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア)× 価格 11(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 3,190 億ドル・営業利益 1,085 億ドル。名目市場 14500 億ドル × シェア 22.0%(単価 1.1)。クラウド市場とシェア
  • その他の事業(ウェイモほか):数量 3.0(ウェイモの有料乗車数(億回))× 価格 28(1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル))→ 売上 84 億ドル・営業利益 13 億ドル。自動運転の乗車数

倍率:利益ベースの正当化 PER。k 8.0%(基本 8.0%+quality +0.0%)、g 4.0%(広告の数量 +1%・単価は物価並みで物価+0.5%、上限の 4%)。事業の ROE 22.4%(その時点の純利益(余った現金の税後の利息を除く) ÷ 帳簿の自己資本(余った現金を除く)。のれん込み)。 moat=strong(残る割合 0.67)で RONIC=17.6%、式の PER=19.3 倍、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 20.1 倍。 置いたのは 17.08 倍(上限の 85%)。検索とユーチューブの堀は強いが、AI の回答が検索の広告を置き換える危険と、設備投資の回収の読みにくさがあるので、式の値より低めに置いた。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。持分(アンスロピック・スペースエックス)は余った現金として別に足してある。

確率:業界ノートの中立(市場 年 +7〜7.5%、検索のシェアは AI で 5 ポイント下がる)に、クラウドの高い成長を足した。

やや悲観 18% やや悲観:AI のチャットに接点を奪われ、クラウドの利益率も下がる 利益 1,565 億ドル · PER 15.1 倍 · 株価時価総額 203.15 ドル2.48 兆ドル

10 年後、AI のチャットとアシスタント(オープンエーアイ(OpenAI)・アンスロピック(Anthropic)・メタ・アップルなど)が情報探索の入口を取り、グーグルの検索のシェアは市場 7,000 億ドルの 45% まで下がる。司法省の検索訴訟のデフォルト契約の制限と、広告技術の 6 年の監視で、囲い込みの効きが弱まる。クラウドは価格競争で市場 1.3 兆ドルのシェア 19%・営業利益率 26%。ユーチューブは動画の他社(ティックトックなど)に取られ、シェア 14%。純利益は 1,560 億ドルで、2025 年を少し上回る程度。成長は 1 桁前半に落ち、PER は式どおり約 18 倍(持分込みで約 19.6 倍)。

  • 検索その他の広告:数量 242(グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア)× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 3,150 億ドル・営業利益 1,102 億ドル。名目市場 7000 億ドル × シェア 45.0%(単価 1.3)。検索市場とシェア
  • ユーチューブ広告:数量 51.7(ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア)× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 672 億ドル・営業利益 188 億ドル。名目市場 4800 億ドル × シェア 14.0%(単価 1.3)。動画市場とシェア
  • ネットワーク広告:数量 14.3(グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア)× 価格 11(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 150 億ドル・営業利益 42 億ドル。名目市場 1500 億ドル × シェア 10.0%(単価 1.05)。配信市場とシェア
  • 購読・プラットフォーム・デバイス:数量 5.5(有料購読等の件数(億件))× 価格 200(1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル))→ 売上 1,100 億ドル・営業利益 165 億ドル。購読件数と単価
  • グーグル・クラウド:数量 269(グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア)× 価格 9.20(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 2,470 億ドル・営業利益 642 億ドル。名目市場 13000 億ドル × シェア 19.0%(単価 0.92)。クラウド市場とシェア
  • その他の事業(ウェイモほか):数量 1.5(ウェイモの有料乗車数(億回))× 価格 24(1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル))→ 売上 36 億ドル・営業利益 −4 億ドル。自動運転の乗車数

倍率:利益ベースの正当化 PER。k 8.0%(基本 8.0%+quality +0.0%)、g 4.0%(物価+0.5%)。事業の ROE 15.0%(その時点の純利益(余った現金の税後の利息を除く) ÷ 帳簿の自己資本(余った現金を除く)。のれん込み)。 moat=strong(残る割合 0.67)で RONIC=12.7%、式の PER=17.1 倍、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.8 倍。 置いたのは 15.12 倍(上限の 85%)。検索とユーチューブの堀は強いが、AI の回答が検索の広告を置き換える危険と、設備投資の回収の読みにくさがあるので、式の値より低めに置いた。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。持分(アンスロピック・スペースエックス)は余った現金として別に足してある。

確率:AI のチャットの台頭は現在すでに進行しており、起きても不思議はない。

悲観 12% 悲観:構造変化で優良企業でなくなる(検索の置き換え・設備投資の損失・規制) 利益 766 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 77.35 ドル9,460 億ドル

10 年後、AI の回答がリンクの検索を置き換え、検索のシェアは市場 5,800 億ドルの 40% まで下がる。広告の単価は崩れ、自社の AI の計算費用が利益率を削る。クラウドは市場 1.1 兆ドルのシェア 15% で、過剰設備の減損が続く。ユーチューブも縮小、ネットワーク広告はほぼ消える。規制(検索の分離・広告技術の分離の再審)が重なり、営業利益は 920 億ドル(2025 年の 7 割)、純利益は 760 億ドルまで下がる。成長が止まり、持分の評価損も出る。時価総額は、優良企業ではなく普通の広告・クラウド会社としての値付けになる。

  • 検索その他の広告:数量 193(グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 2,320 億ドル・営業利益 742 億ドル。名目市場 5800 億ドル × シェア 40.0%(単価 1.2)。検索市場とシェア
  • ユーチューブ広告:数量 34.8(ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア)× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 418 億ドル・営業利益 75 億ドル。名目市場 3800 億ドル × シェア 11.0%(単価 1.2)。動画市場とシェア
  • ネットワーク広告:数量 6.9(グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア)× 価格 9.50(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 66 億ドル・営業利益 10 億ドル。名目市場 1100 億ドル × シェア 6.0%(単価 0.95)。配信市場とシェア
  • 購読・プラットフォーム・デバイス:数量 4.0(有料購読等の件数(億件))× 価格 165(1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル))→ 売上 660 億ドル・営業利益 53 億ドル。購読件数と単価
  • グーグル・クラウド:数量 188(グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア)× 価格 8.80(1 単位の値段(億ドル。2025 年=10))→ 売上 1,650 億ドル・営業利益 280 億ドル。名目市場 11000 億ドル × シェア 15.0%(単価 0.88)。クラウド市場とシェア
  • その他の事業(ウェイモほか):数量 0.5(ウェイモの有料乗車数(億回))× 価格 22(1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 −8 億ドル。自動運転の乗車数

倍率:利益ベースの正当化 PER。k 8.0%(基本 8.0%+quality +0.0%)、g 3.5%(物価並み)。事業の ROE 7.3%(その時点の純利益(余った現金の税後の利息を除く) ÷ 帳簿の自己資本(余った現金を除く)。のれん込み)。 事業の ROE 7.3% が k 以下なので PER の上限は 1÷k=12.5 倍。 置いたのは 11.25 倍(上限の 90%)。ROE が k に届かず伸びても価値は増えないので、上限 1÷k のほぼそのまま。

確率:リーマン級の景気後退に加え、10 年の間に構造的な負け(AI で検索が置き換わる・設備投資を回収できない・規制)が起きる。確率は 1 割強。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

検索その他の広告

グーグル検索・AI による概要と AI モード・マップ・グーグルプレイの広告。クリックと購買意図に課金する。

数量グーグルが売る検索広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の検索・検索類似広告市場 × シェア価格1 単位の値段(億ドル。2025 年=10)売上営業利益
今 2025/12 226 10 2,262 1,063
10 年後 中立 302 14 4,264 1,791

取り方:検索広告市場は IAB/PwC の米国 1,142 億ドルと、世界のデジタル広告が広告費約 1.3 兆ドルの約 7 割という見方から、世界で約 3,900 億ドル(推定)とし、2025 年の検索その他の売上 2,260 億ドル前後からシェア 58% を置いた。競合はアマゾンの商品検索広告(約 600 億ドル規模で伸びが速い)、マイクロソフトのビング、中国のバイドゥ、そして広告をまだ本格的に載せていない AI のチャット(オープンエーアイなど)。数量は実質の市場 × シェア、価格は広告 1 単位の値段(クリック単価など)で、広告主の売上とともに物価並みに上がるのが基本(中立は 10 年 1.41 倍)。営業利益率はグーグル・サービス全体の利益から配分した推定。

ユーチューブ広告

ユーチューブ(長尺・ショート・コネクテッド TV)の広告。

数量ユーチューブが売る動画広告の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質の世界の動画広告市場 × シェア価格1 単位の値段(億ドル。2025 年=10)売上営業利益
今 2025/12 40.5 10 405 130
10 年後 中立 64.4 14 908 309

取り方:米国のデジタル動画広告 780 億ドルから世界を約 2,530 億ドル(推定)とし、2025 年のユーチューブ広告売上約 405 億ドルからシェア 16% を置いた。競合はメタ(インスタグラムのリール)、ティックトック、ネットフリックスとアマゾンの広告つき配信、テレビ局。数量は実質の市場 × シェア、価格は広告 1 単位の値段(千回表示あたりの単価)で、中立は物価並み(10 年 1.41 倍)。2026 年 4〜6 月は前年比約 13% 増の 110.6 億ドル。

ネットワーク広告

アドセンス・アドモブ・アド・マネージャーなど、他社サイト・アプリへの広告配信。

数量グーグルが仲介する広告配信の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のオープンウェブ・アプリの広告配信市場 × シェア価格1 単位の値段(億ドル。2025 年=10)売上営業利益
今 2025/12 29.0 10 290 116
10 年後 中立 19.2 12 221 77

取り方:オープンウェブとアプリ内広告の配信収益(媒体社への分配後の仲介分)を推定 1,450 億ドルとし、売上約 290 億ドルからシェア 20% と置いた。数年来、横ばいから微減。競合はメタのオーディエンス・ネットワーク、アマゾン、ザ・トレード・デスク、アップラビン(アプリ広告)。仲介の手数料率は司法省の広告技術訴訟と媒体社の圧力で下がる方向にあり、配信 1 単位の値段は物価ほど上がらない(中立は 10 年 1.15 倍)。

購読・プラットフォーム・デバイス

ユーチューブ・プレミアム、グーグル・ワン、アンドロイドとグーグルプレイの手数料、ピクセルなどの機器。

数量有料購読等の件数(億件)価格1 件あたりの年間売上(プレイの手数料・機器を含む平均・ドル)売上営業利益
今 2025/12 3.0 155 465 70
10 年後 中立 6.5 219 1,424 285

取り方:グーグルが開示する有料購読 3 億件前後に、売上約 465 億ドルを割った平均単価。プレイの手数料と機器を含むので、購読料だけの単価より大きい。 単価は購読料の値上げと機器の値段で物価並みに上がるのを中立とした(10 年 1.41 倍)。

グーグル・クラウド

グーグル・クラウド・プラットフォーム(AI 基盤・TPU・データ基盤)とワークスペース。

数量グーグルが売る計算・保存の量(単位=2025 年の価格で 10 億ドル分)= 実質のクラウド基盤・AI 基盤の世界市場 × シェア価格1 単位の値段(億ドル。2025 年=10)売上営業利益
今 2025/12 58.9 10 589 140
10 年後 中立 290 11 3,190 1,085

取り方:業界ノート(情報技術)の対象市場 5,500 億ドルに、2025 年の売上約 590 億ドルからシェア 10.7% を置いた。アマゾンの AWS(約 3 割)、マイクロソフトの Azure(約 2 割)に次ぐ 3 番手で、自社の TPU とジェミニを持つ点がオラクルや CoreWeave との違い。2026 年 4〜6 月は売上 248 億ドル(前年比 82% 増)、営業利益率 35.6%、未消化の契約残高 5,140 億ドルと、足元は 2025 年の水準を大きく超える。数量は実質の市場 × シェア、価格は計算 1 単位の値段。半導体の性能向上で計算の単価は物価ほど上がらない(過去 10 年は実質で下がった)ので、中立は 10 年 1.10 倍と物価(1.41 倍)より低く置き、供給不足が続く楽観は 1.22 倍、増設が一斉に稼働する悲観は値下がりと置いた(マイクロソフトと同じ置き方)。

その他の事業(ウェイモほか)

ウェイモ(自動運転タクシー)・ウィング(ドローン配送)ほか。赤字の実験事業。

数量ウェイモの有料乗車数(億回)価格1 乗車あたりの売上(ウェイモ以外の売上を含む平均・ドル)売上営業利益
今 2025/12 0.2 80 16 −75
10 年後 中立 3.0 28 84 13

取り方:2025 年の有料乗車を約 2,000 万回(週 25 万回から 50 万回への増加を平均)と置き、ほかの事業の売上を足した売上 16 億ドルを割った平均。営業損失は年約 75 億ドル(2026 年 4〜6 月は 1 四半期で約 18 億ドル)。 1 乗車あたりの売上は物価に逆らって下がる(中立で 10 年 0.35 倍)。今の 80 ドルは、わずかな乗車数にほかの事業の売上を割り付けた値で、乗車が 10 倍以上に増えると平均はウェイモの運賃そのもの(20〜30 ドル台)に近づくうえ、車両の費用が下がるにつれて運賃をライドシェアより安く置いて数量を取りにいくため。

リスクと懸念

検索の AI 置き換え

チャット型の AI(チャットジーピーティー・アンスロピック・アップルのシリなど)が情報探索の入口を取れば、リンクの検索のクリックと広告枠が減る。AI の回答面への広告の移行が、数量と単価の両方でリンク広告の穴を埋められるかが分かれ目で、まだ実証されていない。

設備投資の回収

2026 年の設備投資は 1,950〜2,050 億ドル、2027 年はさらに増える。営業利益を上回り、2026 年 4〜6 月のフリーキャッシュフローは約マイナス 59 億ドルだった。AI の消費量が想定より伸びないと、減価償却だけが残りクラウドの利益率が 35% から 25% 前後へ落ちうる。

クラウドの顧客の集中

契約残高 5,140 億ドルは、アンスロピックなど少数の AI 企業に偏る。そうした企業の資金調達が止まる、または他社クラウド・自社の半導体に移ると、契約残高の質と TPU 外販の見込みが揺らぐ。持分の評価損も同時に出る。

規制・訴訟

検索の訴訟(2025 年 12 月の最終判決・双方が控訴中)は、デフォルト契約の制限とデータ・検索の共有を課す。広告技術の訴訟は 2026 年 9 月に分離を免れたが 6 年の行為規制と監視が付く。EU のデジタル市場法(DMA)、子どもの利用規制、個人データ規制も重なる。

利益の質(含み益と株式報酬)

2026 年 4〜6 月の純利益 1,121 億ドルの約 980 億ドルはアンスロピック・スペースエックスの持分の含み益。株式報酬も年 250 億ドル前後ある。見かけの利益や PER を鵜呑みにすると割安に見えるので、本業の営業利益と株主に残る利益で見る必要がある。

赤字事業と自動運転

ウェイモを含むその他の事業は 2026 年 4〜6 月に約 18 億ドルの赤字で、年 75 億ドル前後。自動運転は週 50 万回超の乗車に達したが、リコール(約 1,200 台)など安全の事故が出れば拡大が止まり、投資が回収できないリスクがある。

今後の分かれ目

AI モードとジェミニの回答面の広告が収益化され、検索その他の成長率が 15% 以上を 2027 年まで保ったら
検索の筋書きは楽観・やや楽観の確率を上げてよい。AI 置き換えの懸念が後退し、検索のシェアの置き方を 2〜3 ポイント上げる。
クラウドの成長が 50% を超え続け、営業利益率が 35% を保ち、設備投資の伸びが売上の伸びを下回ったら
クラウドの市場シェアの置き方を上げ、10 年の楽観の確率を 3 ポイント動かす。倍率は成長の減速を先に映すので、時価総額が追いつくとは限らない。
アンスロピック・オープンエーアイなどが資金調達に失敗する、または契約の大半を他社へ移したら
契約残高 5,140 億ドルの質が下がり、やや悲観の確率を大きく上げる。持分の評価損も同時に出る。
AI の計算の単価が 2 年で 3 割以上下がり、各社の増設が稼働したら
クラウドの営業利益率は 25% 台に落ちる。やや悲観・悲観の確率を上げ、倍率を 2〜3 倍下げる。
検索の訴訟の控訴審が、デフォルト契約の全面禁止やクローム・アンドロイドの分離を命じたら
検索の集客コストと配信の取り分が悪化し、検索の営業利益率が数ポイント下がる。10 年の悲観の確率を上げる。
設備投資が売上の 25% 以下に落ち、フリーキャッシュフローが純利益の 8 割まで戻り、自社株買いが再開されたら
オーナー利益の質が改善し、倍率を 2〜3 倍上げてよい。

見ておくもの

  • 検索その他の成長率(固定為替)と、AI モード・ジェミニの広告の開示
  • クラウドの成長率・営業利益率・契約残高と、上位顧客の割合
  • 四半期の設備投資額(対売上比)とフリーキャッシュフロー、正味の株主還元
  • TPU の外部販売(2027 年に本格化)の契約と、アンスロピック・メタなどの採用
  • 検索訴訟の控訴審の結果と、広告技術の行為規制の履行
  • ウェイモの乗車数(週 100 万回の目標)と事故・リコール
  • アンスロピック・スペースエックスの持分の評価(一過性の利益)

倍率と資本コストの決め方

今の PER 31.5 倍を見る前に、6 つの事業ごとに実質の市場 × シェア × 単価(検索・動画・配信・クラウド)と、件数 × 単価(購読・自動運転)を積み上げ、次に倍率を決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER:10 年後の中立は k 8.0%(基本 8.0%+quality 0%)・g 4.0%(上限)・余った現金(持分)を除いた帳簿の ROE 22%・moat=strong(残る割合 2/3)で式 19.3 倍。AI の回答による検索の置き換えと設備投資の回収の読みにくさから上限の 85%、×(1+g) で約 17 倍に置き、アンスロピック・スペースエックスの持分(税引き後 約 2,000 億ドル。戻り方 1.0)を帳簿の値で足した。過去の PER や今の 31.5 倍には寄せていない。結果として中立の筋書きでも割り引くと今の時価総額に大きく届かない。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k は基本 8.0% + quality 0% = 8.0%。広告の景気感応度(+0.5%)と、検索・動画の値決め力(−0.5%、強い堀なので下げはここまで)が打ち消し合う。純現金で借金は 0。AI の回答による検索の置き換えと設備投資の回収の読みにくさは k に足さず、確率(悲観 12%)と筋書きのシェア・利益率で表した。持分(アンスロピック・スペースエックス)は事業に要らない資産なので余った現金として足す。事業の存続は危うくないので上乗せは置かない。

同じ業種(コミュニケーション・サービス)の AI 分析

割安 チャーター・コミュニケーションズCHTR 借金 1,100 億ドルの重いケーブル最大手。光と固定無線に押されて縮むが、コックス統合後の現金創出に対して値段が極端に低い 本質価値との差 +140.4% · 10 年 割安(年 +16.9%) 割安 コムキャストCMCSA ケーブルの縮小と借金を抱えるが、スピンオフで姿が見え、ならした利益に対し値段は安い 本質価値との差 +53.9% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 AT&TT 光ファイバーと無線の抱き合わせで守る通信大手。年 180 億ドル超の FCF を稼ぐが借金が重く、利益ベースの倍率で測っても値段は割安 本質価値との差 +46.8% · 10 年 割安(年 +10.6%) やや割安 T-モバイル USTMUS 網の質と契約の伸びで無線の覇者になり FCF も厚いが、価格競争と重い借金が残る。利益ベースの倍率で測っても値段は割安 本質価値との差 +29.0% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 ネットフリックスNFLX 動画配信で唯一、規模と利益率の両方を伸ばす勝者。高い利益率が先で薄れることを倍率に入れても、値段はやや割安 本質価値との差 +26.7% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 ベライゾン・コミュニケーションズVZ 無線の寡占と光ファイバーの抱き合わせで安定して稼ぐが、料金競争と重い借金で成長は鈍く、利益ベースの倍率で測っても値段は割安 本質価値との差 +24.2% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) 適正 ウォルト・ディズニーDIS パークとクルーズが利益の 6 割近くを稼ぐ総合メディア。線形テレビの縮小とスポーツ権料の重さを厚く見ると、本質価値は今の値段を 5% ほど下回る程度で、適正 本質価値との差 −6.3% · 10 年 適正(年 +6.1%) やや割高 トレード・デスクTTD 独立系の広告配信の旗手だが、アマゾンの追い上げで成長が止まった。堀の弱さを倍率に入れると適正にとどまる 本質価値との差 −10.9% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 メタ・プラットフォームズMETA 広告の稼ぐ力は世界最強級だが、設備投資が現金を食う局面で、高い利益率が先で薄れることを倍率に入れると PER 30 倍の値段は割高 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +6.1%) やや割高 フォックス・コーポレーションFOXA ニュースとスポーツで稼ぐ線形テレビの高収益会社。縮みを織り込むと、本質価値は今の値段を 1 割ほど下回る(やや割高) 本質価値との差 −19.7% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 TKOグループ・ホールディングスTKO 権利と放映契約で稼ぐ資産の軽い興行会社だが、値段は放映権の更改が続けて成功することまで織り込み、やや割高 本質価値との差 −21.8% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) 割高 オムニコム・グループOMC 広告の制作・運用・買い付けは AI で置き換わる側。IPG 統合の費用削減を認めても、手数料が削られる前提で見ると今の時価総額はやや割高(-29%) 本質価値との差 −30.3% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 ニューズ・コーポレーションNWSA REA 持分とダウ・ジョーンズが価値の中心の出版・情報会社。強みは確かだが、会社全体の利益で測ると今の値段は成長を大きく織り込み、割高 本質価値との差 −45.7% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 パラマウント・スカイダンスPSKY WBD 買収を終えたばかりで純負債 789 億ドルを抱える巨大メディア。シナジーが出れば今の値段の数倍になるが、外れれば株主価値はほぼ消え、確率を掛けると割高 本質価値との差 −46.5% · 10 年 割高(年 +4.4%) 割高 エコスターECHO 周波数を売って現金とスペース X 株を手にした持ち株会社。値打ちの大半はスペース X 株で、Pay-TV は縮み、無線と衛星は再建の途上 本質価値との差 −51.2% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 ライブ・ネーション・エンターテインメントLYV 動員も手数料も伸びる強い興行会社だが、独占の評決と薄い利益に対し、値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −60.0% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 テイクツー・インタラクティブ・ソフトウェアTTWO GTA VI の成功をほぼ織り込んだ値段。山の後の利益水準を利益ベースの倍率で測ると割高で、安全域はない 本質価値との差 −68.7% · 10 年 割高(年 −3.7%)

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読んだ資料

  1. Alphabet Form 10-Q(2026 年 4〜6 月・SEC)
  2. Alphabet 2026 年 4〜6 月決算リリース
  3. Alphabet Q2:クラウド +82%・設備投資 449 億ドル(aiweekly)
  4. 9to5Google:Alphabet 2026 年 4〜6 月決算(YouTube・購読)
  5. Fortune:アンスロピック・スペースエックスの含み益と最高益
  6. Tech Policy Press:広告技術の救済措置の解説
  7. MarketBeat:Alphabet Q2 決算説明会の要点
  8. Alphabet Form 10-K FY2025(SEC)

分析日 2026-10-16