株譜
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リバティ・メディア・コーポレーション FWONA

独占的な世界スポーツ権利は強いが、成熟後の利益と重い負債では現在の時価総額を支えにくい

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)31.46 ドル81 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-30)85.1 ドル220 億ドル差 −63.0%
10 年後から見ると 割高 価値 31.46 ドル81 億ドル · 差 −63.0% · 期待の年率 −4.3%
期待の年率リターン(10 年)−4.3%資本コスト比 −12.3 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率は、5つの筋書きから求めた期待CFのIRRです。期間の還元・追加負担を中間時点、終価を期間末に置く仮定で、価値の割引時期とそろえています。実際の配当日を予測した値や、筋書きごとのIRRの平均ではありません。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの終価と還元を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

利益と必要資本から、将来の留保余力を見込む場合があります。この推定は、維持更新投資や運転資金、借換後の現金計画を確認した値ではありません。

総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

終価・還元は現在株主全体の取り分です。1株表示は現株数への換算で、還元には配当・自社株買いを含みます。持分・支払時点は簡略化しており、買戻しに売却参加せず同じ株数を持ち続ける場合の将来株価・受取配当とは別です。

結論

リバティ・メディアは、フォーミュラ1(F1)とMotoGPという二つの世界選手権の商業権を束ねる会社である。F1の権利は2110年まで、MotoGPは2060年まで続き、代替の利かないライブ・スポーツ資産として質は高い。それでも筆者の結論は割高である。10年後の利益成長と株主還元を認めても、確率加重した現在価値は約81億ドルとなり、台帳の時価総額212億ドルを約62%下回る。

数量の上限は意外に低い。F1はチームの同意を要する24戦前後、MotoGPも22戦前後が実務上の天井であり、伸びの中心は放映権、開催料、スポンサー、ホスピタリティを一戦当たりで高く売ることになる。中立ではF1の一戦当たり売上を10年で約1.55倍、MotoGPを約1.64倍とし、売上69.5億ドル、営業利益13.7億ドル、純利益8.5億ドルを見込む。権利の希少性は残るが、成長率は成熟へ向かう。

2026年上期のF1は開催時期のずれで見かけの減収となったが、既存契約の値上げ、スポンサー、ホスピタリティは伸びた。MotoGPも統合後の契約更新を進めている。一方、連結純レバレッジは3倍台で、残る16%持分の取得、転換社債、支配株主の議決権が少数株主の取り分を曖昧にする。良い事業と良い投資は同じではなく、今の値段には成功が二重に織り込まれている。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、欲しいのはレース数ではなく、何十年も値上げできる権利である。その条件をF1とMotoGPはかなり満たす。競技の歴史、世界のファン、開催都市の観光効果、放送局の生中継需要が互いを補強し、別の会社が同じ資産を作るのは難しい。10年後も事業が存在する確率は高く、ブランドが今より強くなっている可能性も十分ある。

それでも、オーナー利益は見かけほど自由ではない。チームへの分配、開催費用、利払い、MotoGPの少数株主、権利維持の投資を引いた後に初めて普通株主のものになる。2025年のフリーキャッシュフローは7.5億ドルだったが、純負債は40.7億ドルあり、取得後の財務余力は厚くない。

さらにA株の1票は、B株を通じた支配株主の約半分の議決権の前では決定力が弱い。複雑な再編や株式対価を使う資本配分を、少数株主は止めにくい。良い権利を適切な値段で買うなら長く持てるが、現在は中立の10年後時価総額を大きく先取りしている。安全域がない以上、事業の魅力だけで高い値を正当化すべきではない。

何で稼ぐ会社か

事業の核はスポーツの商業権であり、F1は2025年に24戦を21カ国で開催して売上38.73億ドル、営業利益6.32億ドルを稼いだ。売上の31.3%がテレビ・配信などのメディア権、26.7%が開催地から受け取るレース開催料、21.7%がスポンサーで、残りはホスピタリティ、ライセンス、関連商品の販売などである。開催契約は概ね3〜7年、放映契約は3〜5年で、固定率または物価に連動する年次値上げが入る。チームとの協定は2030年まで続き、原則24戦を超えるには同意が要る。

MotoGPは2025年7月に84%を取得した。通年換算では22戦、売上5.73億ドル、営業利益0.54億ドルで、メディア権41.2%、開催料33.7%、スポンサー12.7%、その他12.4%という構成である。F1より収益化が浅く、既存スポンサーへの横展開、法人向け接待、配信の改善に余地がある。メーカーとチームの契約は2031年まで更新され、商業権は2060年まで続く。

数量は各選手権の開催数、価格は一戦当たりの全収入で測る。F1は24戦と一戦当たり約1.61億ドル、MotoGPは22戦と約0.26億ドルが現在地である。これは単なる割り算ではなく、契約本数、開催枠、観客、放映地域、スポンサー在庫を一つの単位に束ねたものだ。2025年末のLiberty Live分離後は会社の価値がほぼこの二資産に集約され、同じ経済価値を持つA・B・C各株式の議決権は、それぞれ1票、10票、原則無議決権となる。

優良さと弱いところ

堀、つまり他社がまねしにくい強みは強く、F1とMotoGPはそれぞれ世界最高峰を名乗れる唯一の選手権である。チーム、メーカー、開催都市、放送局、スポンサー、ファンが同じ場所に集まり、F1の商業権は2110年、MotoGPは2060年まで確保されている。既存契約には年次値上げが組み込まれ、F1は2025年に観客670万人、世界のファン8億人超を集め、19戦が完売した。希少なライブ視聴は録画や一般動画に置き換わりにくく、スポンサーは世界を一度に買える。

ただし、堀の所有権は無条件ではない。FIAやFIMとの契約、チーム協定、安全規則を守れなければ権利を失いうる。売上が増えるほどチームへの分配も増え、開催地や放送局が採算を疑えば値上げは止まる。MotoGPは取得価格が大きく、買収時の無形資産償却と16%の少数株主持分が、会計利益と株主利益の間に差を作る。

資本効率は、分離と買収で過去の数字が大きく歪んでいる。2025年の自己資本利益率は7.1%で、まだ資本コストに届かない。中立では営業利益率が約20%へ上がり、自己資本利益率は9%台へ改善するが、これは開催数ではなく単価と利益構成の改善による。強い権利資産を持つ一方、純負債と支配株主構造が質を一段下げている。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

市場は「モータースポーツの売上総額」より、希少な世界選手権の視聴時間と広告在庫として見るほうが正しい。F1は24前後、MotoGPは22前後しか年間の販売枠がなく、各シリーズ内の商業権シェアは事実上100%である。広い市場では、サッカー、NFL、NBA、NASCAR、インディカー、フォーミュラE、世界耐久選手権、ワールドSBKが、視聴時間、開催都市、スポンサー予算を奪い合う。F1は世界のファン8億人超と2025年の観客670万人、MotoGPは観客360万人超を持ち、前者は世界展開で優位、後者は二輪市場の大きい欧州・アジアで強い。

10年の数量は、試合数より観客接点が増えるかで決まる。中立ではF1の開催数を24で横ばい、MotoGPも22で横ばいとし、配信地域、スポンサー枠、ホスピタリティの利用率を一戦当たり価格に入れた。F1はアップルとの米国放映、ラスベガスの長期延長、スポンサー更新が支えになる。MotoGPはF1の営業網を使い、広いファン層を収益に変えられるかが勝負である。

2026年4〜6月のF1は5戦で前年の9戦を下回り、売上の見かけが弱かった。会社は年間23戦を前提とし、既存契約の値上げとホスピタリティは増えた。MotoGPは同四半期7戦で、売上1.70億ドル、営業利益0.37億ドルだった。日程ずれを需要減と誤解してはいけないが、地政学で一戦消えるだけでも利益は動く。

AIエージェント代替の型には当たらない。価値は人月、席課金、操作画面ではなく、現実の競技と独占的な権利にある。AIは映像制作、価格設定、個別配信を安くするが、競技そのものを置き換えない。むしろ問題は、配信の入口を巨大プラットフォームに握られ、交渉力の一部を失うことだ。

資本政策と M&A

資本配分の大きな転換は、2017年のF1取得、2025年7月のMotoGP取得、同年12月のLiberty Live分離である。2026年5月には追跡株の名残を解消し、F1とMotoGPを直接表す普通株へ整理した。MotoGPは84%を約36.6億ドルで取得し、残る16%には段階的な売却請求権と買付権がある。将来の対価は現金だけでなくC株でも払い得るため、価値ある買収でも既存株主の取り分が薄まる可能性がある。

2026年6月末の連結純レバレッジは3.4倍で、F1は2.7倍、MotoGPは4.5倍だった。会社は8月に2032年満期の2.375%転換社債を6.9億ドル発行し、2027年満期債の返済と希薄化対策に充てた。借り換えとして合理的だが、成長資金ではなく過去の資本構成を整える取引である。

配当はなく、2026年5〜7月にも自社株買いはなかった。買い戻し枠は11億ドル残るが、当面は負債削減、MotoGP統合、残存持分への備えが先である。会社は長期の数値目標を約束していない。中立の10年還元55億ドルは、株式報酬、転換、少数持分の買い取りを差し引いた正味額であり、早期の大規模還元を前提にしていない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

F1は競技の枠数を増やさなくても、同じ一戦からもっと稼げる。2025年は世界のファンが8億人を超え、観客は670万人、19戦が完売した。米国ではアップルが新たな放映パートナーとなり、ラスベガスは2037年まで延長された。

開催都市は観光客と国際露出を買い、放送局は広告を飛ばされにくい生中継を買う。スポンサーは一つの契約で世界を回れるため、三者に対する価格は一般の広告や映像配信より長く物価を上回り得る。更新のたびに値上げできれば、開催数の天井は利益成長の天井にならない。

MotoGPは収益化の余地がさらに大きく、観客は360万人を超えるのに一戦当たり売上はF1の6分の1ほどしかない。F1のスポンサー営業、ホスピタリティ、映像制作、データ商品を移植すれば、開催数を増やさず利益を伸ばせる。メーカーとチームは2031年まで参加を約束し、主要開催地と放送契約も更新された。取得後の統合で営業利益率が上がれば、買収は資本コストを上回る。

強い筋書きでは、F1の一戦当たり売上が年6%、MotoGPが年8%弱で伸びる。2035年の売上は81億ドル、営業利益は19億ドル近く、純利益は12億ドルを超える。負債を減らした後に買い戻しが進み、10年の正味還元は85億ドルとなる。独占的権利が二つに増えたことで、交渉力と顧客当たり売上が同時に上がる世界である。

慎重な見方

開催数の天井は明確で、F1は24戦を超えるのにチームの同意が必要となり、MotoGPも移動負担、安全、メーカー予算から22戦前後が限界だ。したがって成長は値上げに依存する。開催地が赤字を嫌い、放送局が視聴者の分散を理由に契約額を抑え、スポンサーが高すぎると判断すれば、数量で埋め合わせられない。2026年は地政学で年間23戦となり、一つの開催中止が収益に直結する弱さも見えた。

権利が長いことと、自由に値段を決められることは同じではない。FIA、FIM、チーム、メーカーとの関係が崩れれば、競技の正統性が傷つく。F1の収入増はチーム分配を押し上げ、MotoGPの利益は買収償却と16%の少数株主に削られる。事故、安全規制、政治的反発、環境負荷も開催地とスポンサーを減らし得る。

財務には失敗を吸収する余裕が小さく、2025年の純負債は40.7億ドル、2026年6月末の連結純レバレッジは3.4倍だった。転換社債は金利を抑える代わりにC株の希薄化を残し、残存MotoGP持分の買い取りにも資金が要る。支配株主は約半分の議決権を持ち、A株主が再編を止める力は弱い。開催数と単価がともに鈍り、無形資産の減損まで起きる構造的な負けでは、2035年の時価総額が売れる権利の税後価値44億ドルまで落ちても不思議ではない。

どちらに重みを置いたか

事業の質では強い見方が勝つ。権利の寿命、世界的なファン、契約の値上げ条項は本物であり、AIや一般配信が競技を消すとは考えにくい。しかし投資判断では慎重な見方が勝つ。開催数の天井、MotoGP統合、純負債、支配構造に対し、現在の時価総額は単価上昇と利益率改善を先取りしている。

確率は中立34%、上側31%、下側35%とし、強い堀を認めながらも安全域の不足を結論に反映した。現在のA株がC株より安くても、経済価値は同じで、支配株主の前では1票の追加価値は小さい。したがって株式クラスの値差を安全域とは見なさない。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 39.38 ドル102 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 19.42 ドル50 億ドル)。 今の値に割り戻すと 31.46 ドル81 億ドル、今との差 −63.0%、 期待の年率 −4.3%(資本コスト 8.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価還元の換算額還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・還元込み年率確率 × (終価+還元)
楽観 10% 70.54 ドル182 億ドル 32.95 ドル85 億ドル +21.6% +2.4% 10.35 ドル27 億ドル
やや楽観 21% 53.95 ドル139 億ドル 25.19 ドル65 億ドル −7.0% −0.9% 16.62 ドル43 億ドル
中立 34% 43.84 ドル113 億ドル 21.32 ドル55 億ドル −23.5% −3.1% 22.15 ドル57 億ドル
やや悲観 23% 17.60 ドル45 億ドル 13.57 ドル35 億ドル −63.4% −11.6% 7.17 ドル18 億ドル
悲観 12% 17.05 ドル44 億ドル 3.88 ドル10 億ドル −75.4% −14.0% 2.51 ドル6 億ドル
加重平均100% 39.38 ドル102 億ドル19.42 ドル50 億ドル −30.9% −4.3% 58.80 ドル152 億ドル

今の株価時価総額 85.13 ドル220 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。

楽観 10% 二つの世界選手権を一体で売り、単価と利益率が大きく上がる 利益 12 億ドル · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 70.54 ドル182 億ドル

F1は年間24戦を維持し、一戦当たり売上が年6.0%で増える。アップルを含む放映契約、ラスベガス、スポンサー、法人向け接待が互いを押し上げ、売上は69.3億ドル、営業利益率は25%になる。MotoGPは22戦を保ち、F1の営業網と映像制作を移植して一戦当たり売上が年7.8%で伸び、売上12.1億ドル、営業利益率27%に達する。広いスポーツ視聴市場でも両シリーズのシェアが上がる。

営業利益は本社費を引いて18.9億ドル、税、利払い、MotoGPの少数株主持分を引いたGAAP純利益は12.3億ドルとなる。連結レバレッジは2倍を下回り、残るMotoGP持分を現金中心で取得しても、株式報酬と転換社債の希薄化を差し引いた正味還元は85億ドルに届く。権利の堀が広がり、二つの顧客基盤を束ねた資本配分が成功する世界である。

  • フォーミュラ1:数量 24.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 289(一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計))→ 売上 69 億ドル・営業利益 17 億ドル。開催数は上限付近で横ばい。一戦当たり売上は年6.0%で増える。
  • MotoGP:数量 22.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 55(一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。開催数は横ばい。F1の営業手法の移植で一戦当たり売上は年7.8%増える。

倍率:k 8.0%、g 4.0%(開催数は横ばい、単価は物価3.5%+実質0.5%)、事業ROE 15.0%。moat=strongで超過収益の残る割合を2/3とし、RONICは12.7%。正当化PERは17.1倍、10年目利益に掛けるため×1.04で上限17.8倍。放映・開催料の交渉と事故・地政学の振れを残し、上限の83%で14.8倍とした。純利益はGAAPで、利払いと少数株主持分を控除済み。

確率:F1の世界展開とMotoGPの収益化が同時に成功し、負債削減後に大きな還元まで進む筋書きである。権利の希少性は本物だが、年6〜8%の単価上昇を10年続けるには放送局、開催地、スポンサーの全てが耐える必要があるため10%とした。

やや楽観 21% F1の値上げとMotoGPの収益化が進み、負債も計画的に減る 利益 10 億ドル · PER 14.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 53.95 ドル139 億ドル

F1は24戦を維持し、一戦当たり売上が年5.0%で増える。放映権、開催料、スポンサーは物価を上回るが、契約更改のたびに買い手の採算も意識され、売上は63.1億ドル、営業利益率は23.5%となる。MotoGPは22戦、一戦当たり売上が年6.3%で伸び、売上10.6億ドル、営業利益率24%に上がる。F1との共同営業は効くが、二輪市場の地域性は残る。

本社費を引いた営業利益は15.5億ドル、GAAP純利益は9.8億ドルとなる。会社はMotoGPの残存持分を現金と限定的なC株で取得し、純レバレッジを2倍台へ下げる。買い戻し枠は負債削減後に使われ、株式報酬、転換、取得対価を差し引いた正味還元は65億ドルとなる。堀は保たれ、利益率は改善するが、F1とMotoGPの値上げ速度は次第に成熟する。

  • フォーミュラ1:数量 24.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 263(一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計))→ 売上 63 億ドル・営業利益 15 億ドル。開催数は横ばい。一戦当たり売上は年5.0%で伸びる。
  • MotoGP:数量 22.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 48(一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計))→ 売上 11 億ドル・営業利益 3 億ドル。開催数は横ばい。共同営業と接待商品の拡大で単価は年6.3%増える。

倍率:k 8.0%、g 4.0%(開催数は横ばい、単価は物価3.5%+実質0.5%)、事業ROE 11.0%。moat=strongでRONICは10.0%。正当化PERは15.0倍、10年目利益に掛けるため×1.04で上限15.6倍。MotoGP統合と負債削減が進む一方、権利更改の相手方が強いので上限の91%で14.2倍とした。純利益はGAAP。

確率:既存契約の値上げとMotoGPの統合効果が順当に出る筋書きである。F1の強い需要とMotoGPの未収益化余地から十分あり得るが、買収後の高いレバレッジと開催数の上限を考え21%とした。

中立 34% 開催数は増えず、契約単価とMotoGPの改善で利益が緩やかに伸びる 利益 9 億ドル · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 43.84 ドル113 億ドル

F1は24戦で横ばいだが、一戦当たり売上は年4.5%で増え、売上60.1億ドルとなる。物価3.5%にスポンサー、ホスピタリティ、配信地域の拡大を少し上乗せする一方、チーム分配と制作費を差し引き、営業利益率は22.5%まで上がる。MotoGPは22戦、一戦当たり売上が年5.1%で伸び、売上9.4億ドルとなる。F1の営業網を使うが、地域差とメーカー予算を考え、営業利益率は21%にとどめる。

全社の営業利益は13.7億ドル、税、利払い、16%の少数株主持分を引いた純利益は8.5億ドルとなる。負債と残存持分を先に処理し、その後の買い戻しを含む10年の正味還元は55億ドルである。各選手権内の独占的シェアは維持するが、広いスポーツ視聴市場でのシェアは緩やかな上昇にとどまり、10年後は成熟した権利会社になる。

  • フォーミュラ1:数量 24.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 250(一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計))→ 売上 60 億ドル・営業利益 14 億ドル。開催数は横ばい。一戦当たり売上は年4.5%で増える。
  • MotoGP:数量 22.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 43(一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。開催数は横ばい。未収益化余地により単価は年5.1%増える。

倍率:k 8.0%、g 3.8%(長期の開催数0%、広い市場でのシェア+0.3%、価格は物価3.5%)、事業ROE 9.1%。moat=strongでRONICは8.8%。正当化PERは13.5倍、10年目利益に掛けるため×1.038で上限14.0倍。利益の契約性は高いが、純負債、チーム分配、MotoGP統合を考え上限の95%で13.3倍とした。純利益はGAAPで、現金利息を分けて足していない。

確率:F1は24戦、MotoGPは22戦前後という数量の天井を認め、成長を契約単価と収益構成の改善に限った。2026年の契約更新と需要の強さ、買収後の負債を両方反映した最も自然な筋書きとして34%とした。

やや悲観 23% 放映権と開催料の値上げが鈍り、MotoGPの統合効果も限定される 利益 4 億ドル · PER 10.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 17.60 ドル45 億ドル

F1は地政学、開催地の採算、移動負担から22戦へ減り、一戦当たり売上は年3.0%にとどまる。物価を下回るため実質単価は低下し、売上47.7億ドル、営業利益率16.5%となる。MotoGPはメーカー撤退や地域ごとの放映競争で20戦に減り、一戦当たり売上も年3.0%、売上7.0億ドル、営業利益率12%にとどまる。両シリーズは最高峰の地位を守るが、広いスポーツ視聴市場でのシェアを失う。

営業利益は7.0億ドル、借り換え金利と少数株主持分を引いた純利益は4.2億ドルとなる。買い戻しは遅れ、10年の正味還元は35億ドルに縮む。税後で売れる権利と現金から負債・契約費用を引いた床は45億ドルで、稼ぐ力による上限52.5億ドルより低い。価値は床を少し上回るが、現在の優良さは明らかに削られている。

  • フォーミュラ1:数量 22.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 217(一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計))→ 売上 48 億ドル・営業利益 8 億ドル。開催数は22戦へ減少。一戦当たり売上は年3.0%で物価を下回る。
  • MotoGP:数量 20.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 35(一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。開催数は20戦へ減少。一戦当たり売上は年3.0%にとどまる。

倍率:k 8.0%、g 3.2%(開催数は縮小、価格も物価3.5%を下回る)。事業ROE 4.6%はk以下なのでPER上限は1÷kの12.5倍。権利は残るが単価と利益率が構造的に弱まり、上限の86%で10.8倍とした。事業純利益4.2億ドル÷kは52.5億ドルで、税後売却資産45億ドルを上回る。

確率:開催地の採算、配信の分散、メーカー予算、地政学が同時に単価と開催数を抑える筋書きである。権利そのものは残るため破綻ではないが、買収後の負債が利益を削る可能性を重く見て23%とした。

悲観 12% 開催地と視聴者を失い、買収減損の後に売れる権利価値だけが残る 利益 2 億ドル · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 17.05 ドル44 億ドル

チームとメーカーの費用負担が限界に達し、代替シリーズや他スポーツへ視聴者とスポンサーが流れる。F1は18戦、一戦当たり売上は年1.5%の伸びにとどまり、売上33.7億ドル、営業利益率13%となる。MotoGPは16戦、一戦当たり売上が年1.0%、売上4.6億ドル、営業利益率7%まで低下する。独占的な契約は残っても、世界選手権としての価格決定力は弱い。

営業利益は3.3億ドル、純利益は1.5億ドルに縮み、中途でMotoGPとF1関連の無形資産を合計約48億ドル減損する。期間純利益の累計は減損込みでマイナス12.6億ドル、正味還元は10億ドルにとどまり、自己資本は55億ドルへ減る。稼ぐ力は18.8億ドルにすぎないため、価値は税後で売れる権利、現金、債務を清算した44億ドルを床とする。もう高収益の権利会社ではなく、再編対象になった世界である。

  • フォーミュラ1:数量 18.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 187(一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計))→ 売上 34 億ドル・営業利益 4 億ドル。チーム離脱と開催中止で18戦。一戦当たり売上は年1.5%にとどまる。
  • MotoGP:数量 16.0(年間グランプリ開催数(戦))× 価格 29(一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。メーカー離脱で16戦。一戦当たり売上は年1.0%しか増えない。

倍率:10年目の純利益1.5億ドル÷kは18.8億ドルで、税後の売却可能資産44億ドルを下回るため資産の床を使う。F1・MotoGPの無形資産を減損した後の自己資本55億ドルにPBR 0.80倍を掛けて44億ドル。倍率は過去や同業のPBRから取らず、現金と権利の税後売却価値から逆算した清算的な値である。

確率:F1とMotoGPが同時に正統性を失うには、チーム・メーカー離脱、視聴者減、開催中止、財務悪化が重なる必要がある。確率は高くないが、二つの資産への集中と負債を考え、比較会社と同程度の12%を割り当てた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

フォーミュラ1

世界選手権の商業権を持ち、開催料、メディア権、スポンサー、ホスピタリティ、ライセンスで稼ぐ。

数量年間グランプリ開催数(戦)価格一戦当たり売上(百万ドル。開催料・メディア・スポンサー・その他の合計)売上営業利益
今 2025/12 24.0 161 39 6
10 年後 中立 24.0 250 60 14

取り方:2025年10-KのF1売上38.73億ドルと24戦から一戦当たり1.6138億ドルを算出した。売上内訳はメディア31.3%、開催料26.7%、スポンサー21.7%、その他20.3%。数量は実際の開催枠で、価格に放映地域、観客、スポンサー在庫、ホスピタリティの価値を含めた。

MotoGP

二輪の世界選手権の商業権を持ち、メディア権、開催料、スポンサー、接待、ライセンスで稼ぐ。

数量年間グランプリ開催数(戦)価格一戦当たり売上(百万ドル。メディア・開催料・スポンサー・その他の合計)売上営業利益
今 2025/12 22.0 26 6 1
10 年後 中立 22.0 43 9 2

取り方:取得が2025年7月だったため、10-Kの通年換算売上5.73億ドル、営業利益0.54億ドルと22戦を現在地にした。連結実績の財務値はfactsの44.8億ドルと6.0億ドルを正とする。売上内訳はメディア41.2%、開催料33.7%、スポンサー12.7%、その他12.4%。

リスクと懸念

商業権と参加者の合意

F1の商業権は2110年、MotoGPは2060年まで続くが、FIA・FIMとの契約違反、支配権変更、債務不履行などで失う条項がある。さらにチーム、メーカー、開催地が参加しなければ正統な世界選手権は成立しない。権利期間の長さだけで安全とは言えない。

地政学・安全・気候による開催中止

2026年は中東情勢の影響で年間23戦の前提となった。一戦の中止でも開催料、スポンサー露出、接待収入が消え、固定の制作費は残る。重大事故、渡航制限、異常気象、開催国への政治的批判が重なれば、数量とブランドを同時に傷つける。保険で一部を補えても、長期のブランド毀損は残る。

放映権・開催料・スポンサーの価格限界

10年の成長は試合数ではなく一戦当たり単価に依存する。放送局や配信会社が視聴者の分散を理由に更新額を抑え、開催都市が公費負担に反発し、スポンサーが投資効果を疑えば、物価を上回る値上げは止まる。数量で埋め合わせる余地は小さい。独占権があっても、顧客の予算上限まで消えるわけではない。

MotoGP統合と残存16%持分

MotoGPはF1より一戦当たり収入が小さく、改善余地がある反面、地域ごとの放映価値とメーカー予算に左右される。残る16%には段階的な売却請求権があり、現金またはC株で買い取る可能性がある。統合が遅れれば負債削減と還元が後ろ倒しになる。高い取得価額は、統合失敗時の減損も大きくする。

負債、転換社債、希薄化

2025年末の純負債は40.7億ドルで、2026年6月末の連結純レバレッジは3.4倍だった。2032年満期の転換社債は低い利率で借り換える一方、株価上昇時にはC株の発行余地を残す。借り換え金利上昇と少数持分の取得が重なると、普通株主への還元が細る。

支配株主と種類株のガバナンス

B株は1株10票で、創業者系の支配株主が議決権の約半分を握る。A株は1票、C株は原則無議決権で、経済価値は同じでも少数株主が再編、買収、株式発行を止めにくい。過去の複雑な分離・追跡株の歴史は、資本配分を読みづらくする。A株の議決権価値を、株価差だけで評価しにくい。

今後の分かれ目

F1の一戦当たり売上が3年連続で年5%以上増え、24戦の大半が完売する
やや楽観の確率を上げる。F1の2035年単価を263百万ドル以上、営業利益率を22%以上に見直し、負債削減後の還元も増やす。
MotoGPの調整後利益が売上を上回る速度で伸び、純レバレッジが3倍未満になる
統合効果が実証されたとみなし、中立のMotoGP営業利益率を18%より上へ、単価の伸びを年5%超へ見直す。
開催都市または放送局の主要更新が横ばいか値下げになり、年間開催が22戦以下へ落ちる
F1の数量と価格をやや悲観へ寄せ、やや悲観と悲観の合計確率を40%以上へ引き上げる。
MotoGPの残存16%を多額のC株で取得する、または転換社債の株式転換が進む
正味還元から増資相当額をさらに差し引く。会社全体の時価総額は保っても、株主への実質的な戻りを下げ、資本配分の評価を悪化させる。
連結純レバレッジが4倍を超え、F1またはMotoGPの契約上限に近づく
買い戻しをゼロにし、借り換え後の利払いを純利益から追加で引く。悲観側の確率と深さを増す。
F1とMotoGPの視聴者、SNS反応、現地観客が同時に減り、スポンサー更新率も低下する
単なる日程ずれではなくブランドの構造悪化と判断する。両セグメントの単価を物価未満に下げ、強い堀の判定も見直す。

見ておくもの

  • F1とMotoGPの年間開催数、開催中止、満員率
  • セグメント別の一戦当たり売上と、その内訳であるメディア・開催料・スポンサー
  • F1のチーム分配額と営業利益率
  • MotoGPの調整後OIBDA、GAAP営業利益、メーカー・チーム契約の更新
  • 連結・F1・MotoGPの純レバレッジと借り換え金利
  • MotoGP残存16%の売却請求権、現金対価とC株発行
  • 自社株買い枠の実行額から株式報酬・転換・増資を引いた正味還元
  • A・B・C株の価格差と支配株主の議決権

倍率と資本コストの決め方

今の株価や現在・過去・同業のPERを先に見ず、F1とMotoGPを開催数×一戦当たり売上で2035年まで積み上げた。中立は24戦と22戦を上限とし、利益率、利払い、税、少数株主持分からGAAP純利益を出した。倍率はk 8.0%、g 3.8%、事業ROE 9.1%、moat=strongの正当化PER上限14.0倍に対し13.3倍である。結果が同じ会社のC株分析と近いことは事後に確認しただけで、価格差へ価値を寄せていない。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。kは基本8.0%+quality 0.0%=8.0%。個別のMotoGP統合、権利契約、支配株主の問題はkに重ねず、各筋書きと確率で表した。存続自体は危うくないためextraは0。

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読んだ資料

  1. Liberty Media Corporation 2025 Form 10-K
  2. Liberty Media Corporation 2026年第2四半期決算
  3. Liberty Media Corporation 2032年満期転換社債の発行(2026年8月13日8-K)

分析日 2026-10-23