結論
リバティ・グローバルは、英国、オランダ、ベルギー、アイルランドの通信会社を束ね、非中核資産を売り、子会社を分離して株主へ渡す持株会社である。筆者の結論はやや割安だ。親会社の現金とLiberty Growthの投資資産だけでも現在の時価総額に近い一方、通信子会社には重い借金があり、光回線との競争で契約数と料金が削られているため、見かけの資産価値をそのまま足すことはできない。
2026年7月にはZiggo GroupがVodafoneZiggoを100%保有する取引を完了し、リバティ・グローバルはZiggo Groupの90%を保有した。これをTelenetと合わせ、2027年に既存株主へ分配する計画が進む。2028年の調整後の自由現金(FCF)約5億ユーロ、純負債倍率約4.5倍という目標が実現すれば、複雑な持株会社の割引は縮む。ただしVMO2では固定の一契約あたり収入(ARPU)が前年同期比4.6%下がり、Ziggo Groupでも資産売却と負債削減が前提である。分離は価値を作る魔法ではなく、負債を見えやすくする作業でもある。
中立では、10年後の帰属純利益を約6.5億ドル、現金還元を累計約22億ドルと見る。5つの筋書きを資本コスト9.5%で割り引いた確率加重価値は約34億ドルとなり、台帳の時価総額約27億ドルを約28%上回る。安全域はあるが、通信の堀が狭まり、資本配分の成否で価値が大きく振れるため、安定した複利成長株ではない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、第一に「通信が10年後も必要か」ではなく、「その通信会社が10年後も十分な価格を取れるか」を問う。データ通信は必需品であり、各社の網は消えない。しかし顧客は光回線や低価格ブランドへ移れる。値上げが物価に負け、契約数も減るなら、見かけの高いEBITDAは維持投資と利払いに吸われ、オーナー利益は薄い。
第二に、親会社の現金約20億ドルという目標とLiberty Growth約29億ドルの公正価値は大きな下支えになる。ただし税、売却費用、投資先の値下がり、親会社費用、通信子会社への追加資金を引く必要がある。市場価格がこの合計を下回るから即座に割安なのではなく、経営が現金化して株主へ戻せるかが重要である。過去の投資売却と株数削減は実績だが、買収後の減損も同じ記録に含まれる。
第三に、借金の返済順位は株主より上である。現在の安さは、Ziggo Groupの分離と負債削減が予定どおり進むことをある程度必要とする。長く持つなら、目標数字より、実際の自由現金、負債残高、ARPU、株数を見るべきだ。十分な安全域はあるが、予測しやすい優良企業ではなく、資産の現金化能力へ投資する会社である。
何で稼ぐ会社か
事業は二つの財布から成る。Liberty Telecomは、英国のVMO2を50%保有し、オランダのVodafoneZiggoとベルギーのTelenetをZiggo Group経由で90%保有し、Virgin Media Irelandを直接持つ。固定通信では家庭へブロードバンド、映像、固定電話を売り、移動体では月額契約と端末を売る。法人向け通信、卸売、ネットワーク利用料も入る。2026年6月末の固定顧客は、VMO2が約550万、VodafoneZiggoが約308万、Telenetが約191万、アイルランドが約37万である。各社の稼ぎは、契約数に一契約あたり収入を掛け、そこから番組費、販売費、保守費、減価償却を引く構造だ。
数量の市場は各社の通信網が届く世帯である。固定顧客をホームパスで割ると、VMO2は約29%、VodafoneZiggoは約40%、Telenetは約45%、アイルランドは約36%で、地域独占というより複数社競争の中の有力事業者である。移動体を組み合わせた世帯の比率は、オランダ52%、ベルギー56%と高く、セット契約が解約を抑える。英国では固定と移動体の合計約2,091万契約に対し、会社全体の収入を割った年額を単価として数量と価格を組み立てた。
Liberty Growthは約70社・ファンドへの投資群で、2026年6月時点の公正価値は約29億ドルだった。2026年前半だけで約9億ドルを売却し、EdgeConneXでは30%超の内部収益率を実現した。通信の会計売上にはVMO2の持分が入らず、VodafoneZiggoも2026年7月まで持分法だったため、添付のFY2025売上48.8億ドルは事業規模を小さく見せる。株主の経済価値には、これらの持分会社も保有比率に応じて寄与する。
優良さと弱いところ
強みは、既設の同軸・光回線、周波数、数百万件の請求関係、固定と移動体を束ねる販売力である。通信は毎月課金され、景気後退でも需要が消えにくい。オランダとベルギーでは半数を超えるブロードバンド世帯が移動体も契約しており、解約の手間は小さくない。既存ケーブルを高速化するDOCSIS 4.0で最大8Gbpsを提供できれば、全地域を掘り返すより少ない投資で光回線へ対抗できる。
しかし堀、つまり長く価格を決められる力は狭まっている。2026年4〜6月はVMO2の固定ARPUが4.6%低下し、Telenetも0.5%低下した。VodafoneZiggoは0.6%上がったが、値下げした新規料金と再契約の圧力が続く。光回線、卸売、低価格ブランド、固定無線が増え、ネットワークを持つだけでは値上げを物価並みに通せない。映像契約も長期では減る。
資本効率の読みづらさはさらに大きい。2025年にはVMO2の巨額ののれん減損が親会社の純損失を膨らませ、過去10年のROE中央値はマイナスだった。VodafoneZiggo取得後のプロフォーマでは有利子負債が約195億ドル、現金が約13億ドルとなり、負債は各信用区分に分かれていても株主価値への感応度は高い。クラスCは経済的権利が他の普通株と同順位だが議決権がなく、資本配分を止める力を持たない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
欧州の固定通信は成熟市場で、数量は人口よりシェアの奪い合いで決まる。英国の固定ブロードバンドは2026年1〜3月に2,940万回線で、VMO2の固定顧客550万件は約19%に当たる。オランダでは規制当局がKPNとVodafoneZiggoを各35〜40%、オディドを10〜15%、デルタ・ファイバーを5〜10%とする。ベルギーではTelenetの固定市場の売上シェアが30〜40%で、ケーブルは回線全体の52%を占めるが、光回線の世帯カバー率は2026年初めに35.7%まで上がった。アイルランドの固定ブロードバンドは176.5万回線で、Virgin Media Irelandは20.2%、エア27.7%、ボーダフォン20.7%、スカイ15.8%である。
2026年4〜6月の動きは一様ではない。VMO2はブロードバンドを2.8万件、後払い移動体を6.3万件失い、アイルランドも小売ブロードバンドを0.5万件失った。一方、VodafoneZiggoはブロードバンドを0.7万件、後払い移動体を3.2万件増やし、Telenetもブロードバンドを0.6万件増やした。10月の会社発表では、VodafoneZiggoの7〜9月は2019年以来で最良のブロードバンド純増となり、売上も増えたという。改善は見えるが、まだ一四半期の証拠である。
10年の中立では、固定契約数は英国とアイルランドで年1〜2%減り、オランダとベルギーはほぼ横ばいと見る。単価は名目で年2〜3%上がるが、物価3.5%には届かない。映像の減少を移動体、法人、卸売が一部補う。設備投資は光化と5Gで高いままだが、ベルギーの共同敷設やオランダのDOCSIS 4.0は重複投資を抑える。勝敗は最高速度だけでなく、解約率、再契約時の値引き、顧客対応、そして負債を増やさず網を更新できるかで決まる。
資本政策と M&A
資本配分はこの会社の価値そのものである。添付の実績では2014〜2025年の自社株買いは累計約216億ドル、株式報酬を引いた正味でも約193億ドルに達した。株数は大きく減ったが、同時に買収、持分会社化、売却、分離を繰り返し、VMO2の減損が示すように、投入額がすべて株主価値になったわけではない。2026年は当初買い戻し枠がなく、7月に今後12か月で最大2億ドルの選択的買い戻しが認められた。
最大の案件は、約10億ユーロの現金とZiggo Groupの10%を対価にVodafoneZiggoの残り半分を取得したことだ。会社はZiggo Groupの90%を2027年に株主へ分配し、2028年までに調整後FCF約5億ユーロ、レバレッジ約4.5倍、相乗効果の現在価値約10億ユーロを掲げる。さらに12〜14億ユーロの資産売却を負債返済へ回す。目標は合理的だが、良い資産を売って借金を返すだけでは価値は増えない。
2027年の分配は現金還元ではなく、既存株主の持分を二つの上場株に分ける取引である。現金の正味還元は、配当と自社株買いから株式報酬を差し引いて見る必要がある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
現在の時価総額は、親会社が年末に目標とする現金約20億ドルと、Liberty Growthの公正価値約29億ドルの合計を大きく下回る。税と費用を十分に引いても、通信持分に付く値段は小さい。ところが通信網は毎月料金を生み、VMO2だけでも約1,881万世帯へサービス可能である。2026年4〜6月の調整後EBITDAから設備投資を引いた額は改善し、英国の全光化、ベルギーの共同敷設、オランダのDOCSIS 4.0で将来の投資負担は下がりうる。
Ziggo Groupは価値を見えやすくする触媒になる。90%が既存株主へ直接渡り、2028年に調整後FCF約5億ユーロ、レバレッジ約4.5倍を達成すれば、持株会社の複雑さと負債への懸念が同時に薄れる。VodafoneZiggoは2026年4〜6月にブロードバンド純増へ戻り、7〜9月には2019年以来で最良の結果となった。Telenetも5四半期連続でブロードバンド純増を続けた。値下げを伴う獲得でも、解約率を下げ、固定と移動体のセット比率を上げれば利益は戻る。
Liberty GrowthではEdgeConneXを30%超の内部収益率で売却し、現金化能力を示した。通信子会社の負債が減り、投資資産を簿価以上で売り、安い時だけ買い戻すなら、現在の小さな時価総額に対して一つ一つの資本配分が大きく効く。AIも通信そのものを代替せず、顧客対応やネットワーク運用の費用を下げる側に働く。
慎重な見方
資産価値の合計は、典型的な持株会社の罠にもなりうる。親会社の現金はVodafoneZiggo取得、再編費用、投資先支援に使われ、通信子会社の現金は各信用区分の債権者に囲まれている。VodafoneZiggo取得後のプロフォーマ有利子負債は約195億ドルで、借り換え金利が5.75%前後へ上がれば、営業改善の多くが利払いへ消える。平均債務年限も2026年6月時点で2.6年と短い。
事業の方向も厳しい。VMO2は固定ARPUが4.6%下がり、固定と移動体の両方で契約を失った。VodafoneZiggoとTelenetの純増は販促と低価格ブランドの効果を含み、顧客数が増えても単価と利益が増えるとは限らない。光回線の競合は網を広げ、映像契約は構造的に減る。資産売却で借金を返せばレバレッジは下がるが、同時に将来のEBITDAも手放す。2025年の巨額減損は、過去に高く買った資産の収益力が弱まった証拠である。
Liberty Growthの公正価値には未上場投資が多く、相場が悪い時の換金額は表示額を下回りうる。さらにクラスCには議決権がなく、複数議決権株を持つ少数の関係者と経営陣が資本配分を主導する。分離後のZiggo株が高い借金を抱えたまま売られ、親会社には費用の高い投資群だけが残る可能性もある。安さは価値ではなく、複雑さ、負債、ガバナンスの対価だという見方である。
どちらに重みを置いたか
資産の現金化実績とZiggo Group分離の具体性は評価できるが、通信各社の負債と値決め力の弱さは一時的ではない。そこで確率は楽観側22%、中立33%、悲観側45%とし、左右対称にしなかった。VodafoneZiggoの足元の改善は上振れ材料だが、VMO2のARPU低下と短い債務年限を重く見たためである。現在の時価総額は悲観をかなり織り込むため確率加重ではやや割安となるが、結論を支えるのは高成長ではなく、投資資産の回収、負債削減、正味の株主還元である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 16.49 ドル56 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 5.15 ドル18 億ドル)。 今の値に割り戻すと 9.92 ドル34 億ドル、今との差 +29.2%、 期待の年率 +12.9%(資本コスト 9.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 44.18 ドル151 億ドル | 13.15 ドル45 億ドル | +646.4% | +27.7% | 4.01 ドル14 億ドル |
| やや楽観 | 15% | 31.60 ドル108 億ドル | 9.35 ドル32 億ドル | +433.2% | +22.2% | 6.14 ドル21 億ドル |
| 中立 | 33% | 18.61 ドル64 億ドル | 6.43 ドル22 億ドル | +226.0% | +15.2% | 8.26 ドル28 億ドル |
| やや悲観 | 28% | 7.20 ドル25 億ドル | 2.34 ドル8 億ドル | +24.2% | +2.5% | 2.67 ドル9 億ドル |
| 悲観 | 17% | 2.92 ドル10 億ドル | 0.29 ドル1 億ドル | −58.2% | −8.7% | 0.55 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 16.49 ドル56 億ドル | 5.15 ドル18 億ドル | +181.7% | +12.9% | 21.63 ドル74 億ドル |
今の株価時価総額 7.68 ドル26 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 通信が下げ止まり、分離と資産回収が複利に変わる 利益 14 億ドル · PER 10.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 44.18 ドル151 億ドル
英国では光回線への乗り換えが一巡し、固定と移動体の合計契約は約2,020万件を保つ。卸売と法人が伸び、単価は10年で約1.43倍となる。オランダは8Gbps対応と固定・移動体のセット契約で純増が続き、ベルギーも共同光網によって重複投資を抑える。通信の地域網は独占には戻らないが、速度と顧客対応で光回線各社と共存し、営業利益率が回復する。
Ziggo Groupは2027年に予定どおり分離され、相乗効果と12〜14億ユーロの資産売却を負債返済へ回す。リバティ・グロースは売却益を再投資し、公正価値が約50億ドルへ増える。純利益は再編中の前半を年3〜5億ドルで始め、負債削減と利益率改善で2035年の約14億ドルへ伸びるため、10年間の帰属純利益は累計約70億ドルとなる。株式報酬を引いた正味還元は約45億ドルである。2035年の純利益は約14億ドルで、分離株と残る親会社を合算した価値として測る。
- VMO2持分:数量 20.2(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 880(1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む))→ 売上 89 億ドル・営業利益 12 億ドル。英国の合計契約数は小幅減、単価は物価並み
- VodafoneZiggo持分:数量 9.0(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 820(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 66 億ドル・営業利益 11 億ドル。オランダで契約増とセット販売が定着
- Telenet・Wyre持分:数量 5.0(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,230(1契約あたり年間の小売・網収入(ドル))→ 売上 55 億ドル・営業利益 11 億ドル。共同光網で投資効率と利益率が改善
- Virgin Media Ireland:数量 0.6(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,320(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。卸売と移動体が小売固定の弱さを補う
- Liberty Growth:数量 50.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.08(年率の実現投資収益率)→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。投資資産の価値と実現収益率が上振れ
倍率:利益ベースの正当化PER。k 9.5%、g 3.0%(固定契約はほぼ横ばい、単価は物価並み、投資収益も成長)。事業ROEは14.0÷122.4=11.4%。moat=weakで超過ROEの残る割合を1/3としRONICは10.15%、式の来年利益PERは10.84倍、10年目利益用の上限は11.16倍。利益の質が改善する筋書きなので上限の97%に当たる10.8倍とした。純利益は株式報酬、利払い、少数株主を引いたGAAP相当。
確率:英国の顧客減がほぼ止まり、Beneluxの純増、物価並みの単価上昇、投資資産の高収益売却が同時に続く必要がある。足元のVodafoneZiggo改善は追い風だが、VMO2のARPU低下を考え成功確率は1割未満とした。
やや楽観 15% 緩やかな縮小をBeneluxの回復と資産売却が補う 利益 11 億ドル · PER 10.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 31.60 ドル108 億ドル
VMO2の固定と移動体の合計契約は約1,920万件へ減るが、卸売、法人、値上げで単価は約1.33倍になる。VodafoneZiggoは料金を抑えながら契約を増やし、Telenetは共同光網とセット販売で顧客流出を止める。営業利益率は大幅には戻らないものの、2026年の販促とネットワーク改善費が一巡し、通信全体の利益は安定する。
Ziggo Groupの分離は遅れず、塔や網持分の売却代金を負債削減へ充てる。リバティ・グロースは一部の成功案件と失敗案件が相殺し、公正価値は約42億ドルとなる。純利益は初期の約2〜4億ドルから2035年の約10.5億ドルへ緩やかに回復し、10年間の帰属純利益は累計約55億ドルとなる。正味還元は約32億ドルである。2035年の純利益は約10.5億ドルとなり、株主は分離後の二つの企業の価値を合わせて受け取る。
- VMO2持分:数量 19.2(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 820(1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む))→ 売上 79 億ドル・営業利益 9 億ドル。契約減を卸売と名目値上げが補う
- VodafoneZiggo持分:数量 8.6(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 760(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 59 億ドル・営業利益 8 億ドル。回復は続くが価格競争は残る
- Telenet・Wyre持分:数量 4.7(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,150(1契約あたり年間の小売・網収入(ドル))→ 売上 49 億ドル・営業利益 8 億ドル。顧客はほぼ維持し網投資を効率化
- Virgin Media Ireland:数量 0.6(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,250(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。卸売の拡大で全体の数量を保つ
- Liberty Growth:数量 42.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.07(年率の実現投資収益率)→ 売上 3 億ドル・営業利益 2 億ドル。投資回収は良好だがEdgeConneXほどではない
倍率:利益ベースの正当化PER。k 9.5%、g 2.7%(英国は数量減、Beneluxは横ばいから微増、単価は物価未満)。事業ROEは10.5÷120.4=8.7%でk以下のため上限は1÷k=10.53倍。通信の値決め力が十分には戻らず、負債削減も途上なので上限の98%に当たる10.3倍とした。純利益はGAAP相当で株式報酬と5.75%前後への借り換え影響を含む。
確率:VMO2の顧客減が鈍り、VodafoneZiggoとTelenetの改善が数年続く筋書き。会社の施策に沿うが、単価競争と高い負債が残るため中立より低い15%とした。
中立 33% 英国は縮み、Beneluxは横ばい、資産回収で価値を守る 利益 7 億ドル · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 18.61 ドル64 億ドル
英国の固定と移動体の合計契約は約1,800万件へ減り、単価は10年で約1.22倍にとどまる。オランダは顧客をほぼ維持するが、再契約の割引で価格は物価に届かない。ベルギーとアイルランドでも固定の減少を移動体、法人、卸売が補う。通信網は必要とされ続けるが、光回線との競争で超過利益は薄れ、全社の経済的売上は緩やかに増えても営業利益率は低い。
Ziggo Groupは分離され、資産売却と自由現金で負債を減らすが、2028年目標の達成には少し時間がかかる。リバティ・グロースの公正価値は約35億ドルとなり、売却代金の一部が買い戻しへ回る。取得・分離費用で前半の純利益は小さいが、後半に年5〜7億ドルへ安定するため、10年間の帰属純利益は累計約38億ドルとなる。正味還元は約22億ドルで、自己資本は約113億ドルとなる。2035年の純利益は約6.5億ドルである。
- VMO2持分:数量 18.0(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 750(1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む))→ 売上 68 億ドル・営業利益 7 億ドル。契約は年1%台で減り、単価は物価未満
- VodafoneZiggo持分:数量 8.2(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 720(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 53 億ドル・営業利益 6 億ドル。契約は横ばい、価格改善は緩やか
- Telenet・Wyre持分:数量 4.4(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,080(1契約あたり年間の小売・網収入(ドル))→ 売上 43 億ドル・営業利益 6 億ドル。移動体が固定減を補い利益率は中位
- Virgin Media Ireland:数量 0.5(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,180(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。小売固定減と卸売増が概ね相殺
- Liberty Growth:数量 35.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.06(年率の実現投資収益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 2 億ドル。投資資産は名目で緩やかに増える
倍率:利益ベースの正当化PER。k 9.5%、g 2.0%(通信数量は微減、名目単価は年2%前後、投資収益は横ばい)。事業ROEは6.5÷113.4=5.7%でk以下のため上限は1÷k=10.53倍。再投資が資本コストを下回り、値決め力も弱いので上限の93%に当たる9.8倍とした。借金は純利益の利払いとkで数え、純負債を時価総額からもう一度引かない。
確率:成熟市場で英国とアイルランドの契約減、オランダとベルギーの横ばい、物価未満の単価上昇を組み合わせた。最新四半期の強弱をそのまま延長せず、分離と負債削減は概ね実行される筋書きとして最も高い33%とした。
やや悲観 28% 光回線との価格競争が長引き、還元が細る 利益 3 億ドル · PER 8.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7.20 ドル25 億ドル
英国では光回線への流出と低価格再契約が続き、合計契約は約1,580万件、単価は約1.10倍にしか上がらない。オランダとベルギーも販促をやめられず、顧客数と利益率がともに下がる。アイルランドの卸売成長も小売の縮小を埋められない。固定費と維持投資が残るため、経済的売上の減少以上に営業利益が落ち、通信の網は残っても堀はほぼ消える。
Ziggo Groupは分離されるが、塔や網持分の売却は主に債権者のための返済に使われる。リバティ・グロースは不調な未上場投資を抱え、公正価値が約22億ドルへ減る。前半には再編費用と評価損で小幅赤字の年があり、その後も年1〜3億ドルしか稼げず、10年間の帰属純利益は累計約10億ドルとなる。正味還元は約8億ドルにとどまる。2035年の純利益は約2.8億ドルで、自己資本をためても資本コストに届く収益を生まない会社となる。
- VMO2持分:数量 15.8(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 680(1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む))→ 売上 54 億ドル・営業利益 4 億ドル。顧客流出と再契約値引きが続く
- VodafoneZiggo持分:数量 7.0(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 650(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 4 億ドル。純増が反転し固定・移動体とも縮む
- Telenet・Wyre持分:数量 3.9(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 930(1契約あたり年間の小売・網収入(ドル))→ 売上 33 億ドル・営業利益 4 億ドル。共同網の効果より競争圧力が勝る
- Virgin Media Ireland:数量 0.4(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 1,000(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。小売と卸売の両方が弱る
- Liberty Growth:数量 22.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.04(年率の実現投資収益率)→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。未上場投資の評価と実現利回りが低下
倍率:利益ベースの正当化PER。k 9.5%、g 1.0%(数量減を小幅な名目値上げで一部補うだけ)。事業ROEは2.8÷99.4=2.8%でk以下のため上限は1÷k=10.53倍。利益の縮小、負債優先、投資資産の換金不確実性を反映し上限の84%に当たる8.8倍とした。時価総額24.64億ドルは稼ぐ力2.8÷9.5%=29.5億ドルを超えない。
確率:VMO2のARPU低下が示す値下げ競争が各地域へ広がり、分離後も負債削減を優先する姿は十分ありうる。通信需要は残るため破綻ではないが、資本配分の自由が小さくなる確率を28%とした。
悲観 17% 通信の価格決定力が崩れ、資産売却が負債に吸われる 利益 1 億ドル · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2.92 ドル10 億ドル
英国の合計契約は約1,350万件へ減り、単価は10年でほぼ物価を取り戻せない。オランダとベルギーでも光回線と低価格ブランドに顧客を奪われ、セット契約は値引きの道具になる。映像の縮小と維持投資の重さが重なり、通信の営業利益は利払いを大きく上回れない。アイルランドも規模の利点を失い、事業は必要でも株主に残る利益が乏しくなる。
Ziggo Groupの分離は実行されても、売却資産の減少と再編費用で株主価値は増えない。リバティ・グロースの公正価値は約15億ドルへ下がり、通信資産には追加減損が出る。通信のれんと投資資産に合計約40億ドルの追加減損が出て、残る年の小幅黒字を相殺するため、10年間の帰属純利益累計は約マイナス35億ドルとなる。正味還元は約1億ドルである。この少額還元は投資資産売却後の残余であり、赤字中の恒常的な買い戻しではない。2035年の純利益は約0.8億ドルにすぎず、価値は利益より、親会社現金と換金できる投資資産の税後残価で支えられる。
- VMO2持分:数量 13.5(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 620(1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む))→ 売上 42 億ドル・営業利益 3 億ドル。英国の顧客と実質単価が大きく低下
- VodafoneZiggo持分:数量 5.8(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 580(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 2 億ドル。改善策が失速し契約基盤が縮む
- Telenet・Wyre持分:数量 3.2(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 780(1契約あたり年間の小売・網収入(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 2 億ドル。光回線競争と高い固定費が重なる
- Virgin Media Ireland:数量 0.3(固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件))× 価格 850(1契約あたり年間の全社収入(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。規模不足で利益がほぼ消える
- Liberty Growth:数量 15.0(投資ポートフォリオの公正価値(億ドル))× 価格 0.02(年率の実現投資収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。投資資産を安値で現金化する
倍率:2035年の純利益0.8億ドルをk 9.5%で割った稼ぐ力は約8.4億ドルで、売れる資産の税後残価10億ドルの方が大きい。そこで自己資本61.4億ドルにPBR 0.163倍を掛け、時価総額を約10億ドルとした。倍率の根拠はこの税後残価と自己資本だけである。通信のれんと設備は追加減損し、債権者への返済後に残る親会社現金と投資資産だけを株主の床とする。
確率:英国の顧客流出が加速し、Beneluxの改善も販促頼みで反転し、投資資産の売却額まで下振れる構造的な負け筋である。複数市場と売れる資産が残るため倒産を中心には置かないが、重い負債と非議決権株の弱さから17%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
VMO2持分
英国の固定ブロードバンド、移動体、法人通信、卸売。親会社の経済持分50%を反映する。
| 数量固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件) | 価格1契約あたり年間の全社収入(ドル、法人・卸売・端末を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06年率換算 | 20.9 | 616 | 64 | 5 |
| 10 年後 中立 | 18.0 | 750 | 68 | 7 |
取り方:固定顧客550.46万件と後払い移動体1540.28万件を合算。2026年4〜6月売上32.203億ドルを年率化し、契約数で割った616ドルを単価とした。revenue_okuは親会社持分50%を反映。営業利益は調整後EBITDAから減価償却を引き、2025年ののれん減損を除いた平常値の推定。
VodafoneZiggo持分
オランダの固定、移動体、法人通信。Ziggo Groupに対する親会社の経済持分90%を反映する。
| 数量固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件) | 価格1契約あたり年間の全社収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06年率換算 | 8.1 | 563 | 41 | 1 |
| 10 年後 中立 | 8.2 | 720 | 53 | 6 |
取り方:固定顧客308.37万件と後払い移動体497.01万件を合算。2026年4〜6月売上11.337億ドルを年率化して単価を求め、2026年7月取得後の親会社持分90%を反映した。営業利益は2025年のU.S. GAAP営業利益を起点に、直近の費用増を含む平常値。
Telenet・Wyre持分
ベルギーの小売通信Telenetと固定網会社Wyre。Ziggo Group経由のTelenet持分と、売却後に親会社へ残るWyre持分を一つの経済単位として見る。
| 数量固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件) | 価格1契約あたり年間の小売・網収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06年率換算 | 4.6 | 833 | 34 | 4 |
| 10 年後 中立 | 4.4 | 1,080 | 43 | 6 |
取り方:固定顧客190.66万件と後払い移動体265.84万件を合算。TelenetとWyreの2026年4〜6月売上を年率化し、網利用料を含む単価を推定した。現在値は親会社持分90%を保守的に反映し、予定するWyre持分売却の代金、残存持分、内部取引の変化は将来筋書きと全社調整で吸収する。
Virgin Media Ireland
アイルランドの固定、移動体、卸売通信。親会社が100%保有する。
| 数量固定顧客と後払い移動体の合計契約数(百万件) | 価格1契約あたり年間の全社収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06年率換算 | 0.5 | 938 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.5 | 1,180 | 6 | 1 |
取り方:固定顧客37.12万件と後払い移動体15.07万件を合算し、2026年4〜6月売上1.224億ドルの年率換算額を割った。小売の減少と卸売の増加を合わせた全社単価である。
Liberty Growth
技術、メディア、スポーツ、インフラの投資群。売却益と分配金が親会社の資本配分原資になる。
| 数量投資ポートフォリオの公正価値(億ドル) | 価格年率の実現投資収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 29.0 | 0.06 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 35.0 | 0.06 | 2 | 2 |
取り方:会社公表の公正価値29億ドルを数量とし、配当・売却益をならした年6%を価格とした。会計売上ではなく株主に帰属する平常的な投資収益であり、2026年前半の約9億ドルの売却額をそのまま毎年繰り返さない。
リスクと懸念
固定通信の顧客減とARPU低下
光回線、低価格ブランド、固定無線との競争で、VMO2は2026年4〜6月にブロードバンドを2.8万件失い、固定ARPUも4.6%下がった。値引きで解約を止めても単価が下がれば、固定費の重い網では売上の減少以上に利益が落ちる。映像契約の減少まで重なると、セット販売で守ってきた顧客単価も下がり、設備更新を先送りできなくなる。
負債、借り換え金利、信用区分の壁
VodafoneZiggo取得後のプロフォーマ有利子負債は約195億ドルで、各事業の現金は親会社が自由に使えない。債務年限の短い区分を5.75%前後で借り換えると利払いが増え、自由現金は株主還元より返済へ回る。分離後の株主価値は債権者の残余である。
Ziggo Group分離と資産売却の実行
2027年の上場・分離には監査、税、規制、資本構成の確定が要る。塔売却など12〜14億ユーロの処分が遅れたり、安値になったりすれば、2028年のレバレッジ約4.5倍と自由現金約5億ユーロの目標は遠のく。分離費用や二重の本社費も残りうる。市場が高レバレッジ通信株を嫌えば、分離そのものが価値顕在化ではなく売り圧力になる。
Liberty Growthの公正価値と換金性
投資群の多くは未上場で、29億ドルという公正価値が現金化額と一致する保証はない。EdgeConneXの成功を毎年繰り返すこともできない。市場悪化時には評価損、売却の遅れ、投資先への追加資金が同時に起き、親会社現金の下支えが薄くなる。持株会社の管理費を賄うために好条件でない売却を急ぐことも、残存資産の質を悪化させる。
非議決権株と資本配分の支配
クラスCは普通株として経済的権利を持つが、通常の議決権を持たない。複数議決権のクラスBと経営陣が、買収、売却、分離、買い戻しの時期を主導する。割安な買い戻しは価値を増やす一方、高値の買収や複雑な再編を少数株主が止めにくい。分離株の条件や親会社費用の配分が不利でも、クラスCだけで是正する手段は限られる。
AIエージェント代替は直接の需要破壊ではない
通信回線、周波数、家庭への物理網はAIエージェントに置き換わらないため、PROMPT_AI_RISKの人月・席課金型には当たらない。むしろ顧客対応の自動化で費用を下げうる。ただし競合が先に解約防止や保守を自動化すれば、費用差と顧客体験の差が広がる。
今後の分かれ目
- VMO2の固定ARPUが前年比プラスへ戻り、ブロードバンド純減が四半期1万件未満になる
- 英国の数量減を年1%未満へ緩め、やや楽観の確率を上げる。値引きだけでなく顧客体験と網品質で解約を止めた証拠になる。
- VodafoneZiggoが4四半期続けてブロードバンド純増となり、調整後EBITDAも前年比プラスへ転じる
- 販促による一時的な純増ではなく、オランダの回復が定着したと判断し、同セグメントの2035年利益率を2ポイントほど上げる。
- Ziggo Groupの2027年分離時に純負債と株主への割当比率が開示され、2028年4.5倍への道筋が確認できる
- 持株会社の複雑さを一段割り引かなくてよくなり、楽観側の確率と正味還元を上げる。分離株の価値はpayoutではなく時価総額に含める。
- 塔・Wyre持分などの資産売却が計12〜14億ユーロに届かず、負債が減らない
- やや悲観と悲観の確率を増やし、借り換え後の利払いを純利益から追加で引く。買い戻しの余力も下げる。
- Liberty Growthの売却額が公正価値を継続して上回り、親会社現金が20億ドルを維持する
- 投資資産の換金割引を縮め、10年の正味還元を増やす。資産価値が単なる表示額でなく株主へ戻る証拠になる。
- クラスCの発行増や株式報酬が買い戻しを上回り、全クラス合計株数が増え始める
- payout_okuを下げ、資本配分の評価を悪化させる。買い戻し総額ではなく、株式報酬を差し引いた正味の株数と還元を見る。
見ておくもの
- VMO2、VodafoneZiggo、Telenet、Virgin Media Irelandの固定顧客純増減と固定ARPU
- 各通信会社の調整後EBITDAから設備投資を引いた額と、実際の自由現金
- Ziggo Groupの分離日程、90%の割当条件、分離時の純負債と借り換え費用
- VodafoneZiggoとTelenetの純負債倍率、資産売却12〜14億ユーロの進捗
- Liberty Growthの公正価値、現金化額、実現内部収益率、追加投資額
- 親会社現金、株式報酬を引いた正味の自社株買い、全クラス合計株数
- DOCSIS 4.0と全光化の投資額、速度だけでなく解約率と顧客対応の改善
倍率と資本コストの決め方
現在の株価や過去・同業のPER、PBRを先に見て価値を合わせていない。各地域の固定・移動体契約数と一契約あたり収入を出発点に、光回線との競争、名目価格、利益率、利払い、投資資産の実現収益を5筋書きで積み上げた。倍率はk 9.5%、事業ROE、数量と価格から出したg、moat=weakによる正当化PERの上限内だけで決めた。悲観は過去の谷の倍率でなく、稼ぐ力と税後で換金できる資産を比較した。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%にquality +1.5%を加えた。純粋ケーブルで負債がより重いチャーター・コミュニケーションズの9.8%より少し低く、コンテンツとパークを持つコムキャストの9.0%より高い。複数地域と親会社資産は下支えだが、再編、非議決権、通信負債の複雑さがあるためである。信用区分ごとの債務は事業継続を直ちに脅かさないのでextraは0とし、再編失敗とガバナンスは確率と悲観の深さで表した。