株譜
AI 銘柄分析 · 倉庫・運輸関連業 · 試作

中央倉庫 9319

京都の倉庫・運送に持ち合い株が時価総額の半分あるが稼ぐ力は細く、酒類物流の買収も重く、今の値段は割高

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)1,126 円200 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,630 円290 億円差 −30.9%
10 年後から見ると 割高 価値 1,126 円200 億円 · 差 −30.9% · 期待の年率 +2.2%
期待の年率リターン(10 年)+2.2%資本コスト比 −5.0 pt
推定の資本コスト7.2%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.2% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

中央倉庫は、京都に本社を置く1927年創業の物流会社だ。倉庫と運送の国内物流が売上の8割、通関や梱包の国際貨物が2割弱で、京都・梅小路のホテル賃貸が小さく添う。筆者の結論は割高。財布の中身は厚いのに、稼ぐ力が細いからだ。

2026年3月期の営業利益は約20億円で、自己資本利益率(ROE)は4%台にとどまる。純資産491億円のうち、持ち合い株などの投資有価証券が155億円、現金が63億円を占める。資本コストの8%を下回る使い道が長く続いてきた。

転機は2026年10月だ。宝ホールディングス傘下のタカラ物流システムの7割を、約60億円で取得すると決めた。売上は4割ほど増えるが、買値は同社の純資産の2倍を超え、のれんが残る。筆者は規模の拡大より、その稼ぎが資本コストを超えるかを見る。

10年後の中立は、営業利益35億円、純利益21億円、ROE4%弱。物価並みに稼ぎは増えても、資本の効率は変わらない。確率で重みを付けた本質価値は今の時価総額を4割ほど下回る。差を縮める材料は、持ち合い株を売って自社株買いに回す速さだ。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、この会社を丸ごと買うつもりで見ても、今の値段は割高だ。

守りは厚い。自己資本比率は76%、純借入は小さく、2024年問題の中でも赤字にならなかった。倉庫と土地は壊れにくい。ただしオーナーの目で見るべきは、ためた利益に資本コスト以上の稼ぎがあるかどうかだ。ROE4%は、会社に残した利益が額面を下回る値打ちにしかならないことを示す。

持ち合い株は155億円。配当は利益に入っているが、利回りが低い。売って自社株買いに回すのが筋で、会社もその方向にいる。進みが遅いことが、価値を測るうえでの最大の不満だ。

資本の配分で気になるのは、タカラ物流システムの買収だ。買値は同社の純資産の2倍強、税引き後の稼ぎは買値の5%台に見える。荷主が宝酒造に偏る点と、その取扱量が長く減ると見られている点も重い。買収が資本コストを超えるのは、外販の荷が育った時だけだ。安全域は、売れる資産が時価総額を支えていることにある。ただしそれは悲観の床であって、中立の価値を押し上げるものではない。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの8割は国内物流だ。倉庫業は保管と入出庫で売上79億円、運送業はトラック輸送で144億円。自前のトラックは約230台で、傘下の中倉陸運が走らせる。国内は9つの部・支店と26の営業所で成り立ち、京都と滋賀に厚く、九州にも事務所を出した。

国際貨物は売上54億円。通関、輸出向けの梱包、海外への輸送手配を扱い、上海に事務所がある。2023年に京都の梱包会社テスパックを買い、梱包を厚くした。

不動産賃貸は売上4億円と小さい。本社に隣り合う梅小路の旧倉庫跡地に、180室の和風ホテルを建て、共立メンテナンスに運営を任せている。賃貸の営業利益率は4割を超え、遊んでいた倉庫の土地を別の稼ぎに変えた例だ。

これからの柱は3つある。愛知県あま市の新倉庫、輸入化学品の取引拡大、そしてタカラ物流システムだ。同社は宝酒造の酒類を運び、保管し、通販物流まで手がける。売上は126億円、営業利益は6.8億円。取得は2027年4月の予定で、公正取引委員会の審査を待つ。荷主は製造業や流通業に広く、長期の保管と運送の契約が収益の土台になっている。

優良さと弱いところ

堀は薄い。倉庫と運送は、荷主が値段で選べる競争の事業だ。唯一の優位は、京都・滋賀という地盤の濃さと、長い付き合いの荷主にある。2024年問題で運賃の改定が進んだが、人件費も同じ速さで上がり、利益率は動かなかった。国内物流の利益率は11%でも、本社費用を引いた全社の営業利益率は7%台にとどまる。

よい点は財務だ。自己資本比率は76%で、純有利子負債は8億円と小さい。営業利益は支払利息の18倍あり、赤字の年は過去に無い。ここは崩れにくい。

弱い点は資本の効率だ。ROEは過去10年の中央値で3%台、足元でも4%前後と、資本コストに届かない。投資有価証券155億円の利回りは配当の2%程度で、稼ぐ土台としては痩せている。大口荷主の取引終了で空きが出た年もあり、大津営業所の稼働も順調とは言えなかった。経営はROE5%以上を当面の目標に掲げるが、その目標自体が低い。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

国内の倉庫・物流は、量が伸びない市場だ。2024年の国内港湾のコンテナ取扱量は2,198万TEUで、前年比0.9%増にとどまる。人口が減る国では、荷動きも長くは増えない。一方で、通販向けの物流施設への需要は伸び、建設費の高騰と用地難で新しい供給は抑えられている。既存の倉庫を持つ会社には、稼働率と保管料を支える追い風になる。

トラック輸送は人手不足が最大の制約だ。2024年問題でドライバーの残業に上限がつき、2025年度の不足は約21万人と見られる。2024年の運賃改定で水準は約8%上がったが、人件費の上昇も大きく、運送会社の取り分は増えていない。中央倉庫も運送業が売上の過半を占め、この板挟みがそのまま利益に出る。

競争の形は分散的だ。大手の財閥系倉庫、総合物流会社、商社の特化型物流が入り混じる。中央倉庫の決算説明では、商社が特化型の物流に参入し、取引先が移る動きが課題に挙げられた。後継者難の物流会社を買う動きも広がっており、同社もM&Aを避けて通れない手段と位置づけている。大株主に同業の安田倉庫が入る点も、業界再編の火種になりうる。

資本政策と M&A

還元は、配当と自社株買いの組み合わせだ。2026年3月期は配当6.8億円、自社株買い9.3億円で、計16億円。純利益のおよそ8割に当たる。2027年3月期は増配を予想し、中計は自社株買い30億円を見込む。前の中計が掲げた配当性向40%を、筆者はこの会社の目安と見る。

持ち合い株は上場32銘柄。売却益が純利益を押し上げた2026年3月期のように、毎年少しずつ売って還元や投資に回している。大株主は京都銀行、滋賀銀行、安田倉庫、日本生命、三菱UFJ銀行で、安定株主が厚い。買収防衛策も続けている。

M&Aは2023年のテスパック、2026年10月のタカラ物流システムが続く。後者は7割の取得で、価額は約60億円と報じられた。宝ホールディングスは3割を残す。宝酒造の輸送を確保する狙いと見られるが、契約の中身は開示から読めない。のれんは40億円強と推定し、償却で年3億円ほど利益を押し下げる。

株主優待(QUOカード)の費用は開示から読めないが、年1億円に届かない規模と見て、別枠では足していない。10年の還元は、配当性向40%と自社株買い40億円の合計とした。2026年度に取得ずみの分は除いている。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

持ち合い株155億円と現金63億円は、時価総額約300億円の7割に当たる。売って自社株買いに回せば、1株の価値は一気に上がる。会社はすでに毎年売却を進め、2026年3月期には自社株買いも9億円行った。京都銀行など安定株主が厚く、買収防衛策も整っているため、経営は腰を据えて資本を組み替えられる。

営業利益は、中計で2027年度に25億円と、足元の20億円から2割伸びる計画だ。2027年3月期の予想23億円は、倉庫の値上げと国際貨物の増益で届く水準にある。愛知県あま市の新倉庫が動き、輸入化学品の取引が育てば、国内物流の利益率は11%から12%台へ向かう。

タカラ物流システムは、酒類配送のノウハウと全国の配送網を持つ。食品・飲料は景気に左右されにくく、荷主としての宝酒造も残る。外販を伸ばし、運送の共同化で車の空きを減らせば、買収は利益率を押し上げる。ホテル賃貸は営業利益率が4割あり、賃料が物価に連れて上がる資産でもある。ROE5%への道は見えている。

慎重な見方

ROE4%の会社が、資本コスト7.25%の世界で60億円を買収に使う。買値は営業利益の13倍近く、税引き後の稼ぎは買値の5%台で、資本コストに届かない。のれん40億円強の償却は年3億円ほどで、利益をさらに削る。売上の多くが宝酒造向けと見られ(開示は無い)、その取扱量の中長期の減少が譲渡の背景に挙げられている。

本業も強くない。国内物流の利益率は11%でも、本社費用を引くと全社は7%台だ。2026年3月期は人件費と業務委託費の増加で、営業利益が6%減った。運送は荷主と運転手の両方に挟まれ、2024年問題の運賃改定は人件費に消えた。大津営業所の稼働は順調と言えず、大口取引の終了で空きも出た。

持ち合い株を整理する話は毎年出るが、ROEは過去10年の中央値で3%台のままだ。利回り2%の資産で155億円を抱える限り、自社株買いで見かけを整えても稼ぐ力は変わらない。商社系の物流参入も加わり、荷主は値段で選ぶ。

どちらに重みを置いたか

持ち合い株の厚みと高い自己資本比率は慎重な見方の足元を固めるが、稼ぐ力の細さと買収の割高さは強気の見方を上回る。確率は中立を最も重く置き、強気側より慎重側をやや厚くした。持ち合い株の売却と自社株買いが進む筋書きはやや楽観・楽観に入れた。計算の結論は割高で、差を埋める鍵は資本の組み替えの速さだ。買収の外販が育つかどうかも、確率の動かし方に直結する。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 1,472 円262 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 561 円100 億円)。 今の値に割り戻すと 1,126 円200 億円、今との差 −30.9%、 期待の年率 +2.2%(資本コスト 7.2%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 2,908 円517 億円 933 円166 億円 +135.7% +8.9% 269 円48 億円
やや楽観 19% 2,132 円379 億円 753 円134 億円 +77.0% +5.9% 548 円98 億円
中立 39% 1,598 円284 億円 619 円110 億円 +36.0% +3.1% 864 円154 億円
やや悲観 24% 732 円130 億円 394 円70 億円 −30.9% −3.6% 270 円48 億円
悲観 11% 590 円105 億円 152 円27 億円 −54.5% −7.6% 82 円15 億円
加重平均100% 1,472 円262 億円561 円100 億円 +24.7% +2.2% 2,033 円362 億円

今の株価時価総額 1,630 円290 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。

楽観 7% 持ち合い株の整理と物流の値上げが重なり、資本効率が立ち直る 利益 38 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 2,908 円517 億円

愛知県あま市の新倉庫が早く埋まり、輸入化学品と食品の保管が伸びる。タカラ物流システムは宝酒造の荷を守りつつ、他の飲料・食品メーカーの荷を取り込み、運送の共同化で車の空きを減らす。持ち合い株は70億円ほどを売って自社株買いと借入の返済に回り、会社は資本の効率を第一に考える経営へ移る。国内物流の利益率は13%前後まで戻り、全社の営業利益は60億円台に乗る。ROEは6%台で資本コストにはなお届かないが、PERは上限に近い13.79倍で評価される。株主との対話で評価を取り戻す10年になる。

(名目の前提)保管料・運賃・賃料は物価の動きを基準に置き、数量は実質で置いた。人件費や外注費は物価並みに上がるとして費用を積んだ。減価償却は今ある設備の分を据え置き、新しい投資の分だけ新しい値段で足した(償却費は今の約 18.5 億円から、10 年後に新倉庫と酒類物流を含めて約 30 億円。設備投資は償却を上回り続け、会計の利益はふくらんでも現金は細る)。

(自己資本の流れ)2026 年 3 月期の純利益 21 億円は投資有価証券の売却益を含むため、起点には売却益を除いた約 17 億円を使い、今の自己資本に純利益の合計を足し、還元を引いて流した。のれんは約 42 億円と推定し、15 年で償却して年 2.8 億円を本社の調整に入れた。

  • 倉庫業:数量 45.5(保管面積換算(万㎡、推定))× 価格 3.09(万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価))→ 売上 141 億円・営業利益 25 億円。数量 1.30 倍・価格 1.38 倍(名目)・営業利益率 17.8%
  • 運送業:数量 618(稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定))× 価格 3,299(万円/台・年(売上÷台数))→ 売上 204 億円・営業利益 24 億円。数量 1.03 倍・価格 1.37 倍(名目)・営業利益率 11.5%
  • 国際貨物:数量 25.0(取扱件数(万件、推定))× 価格 3.66(万円/件(通関・梱包・手配の混合単価))→ 売上 92 億円・営業利益 11 億円。数量 1.25 倍・価格 1.37 倍(名目)・営業利益率 11.8%
  • 不動産賃貸:数量 2.0(賃貸面積(万㎡、推定))× 価格 2.61(万円/㎡・年(実効賃料))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。数量 1.00 倍・価格 1.45 倍(名目)・営業利益率 51.9%
  • 酒類・食品物流(タカラ物流システム):数量 50.0(取扱量(万トン、推定))× 価格 3.47(万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価))→ 売上 173 億円・営業利益 16 億円。数量 1.00 倍・価格 1.37 倍(名目)・営業利益率 9.1%(のれん償却は本社の調整に入れた)

倍率:事業の純利益 38 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.4% が k 7.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 517 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:持ち合い株の整理が加速し、買収も外販の拡大で成功するという、複数の条件が重なる筋書き。中計の 2027 年度目標を超えて伸ばし続ける必要があり、連続して当たる確率は低いので 7% に置いた。

やや楽観 19% 新倉庫と酒類物流が計画に近い形で育つ 利益 28 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 2,132 円379 億円

新倉庫は計画より少し遅れて埋まり、2027年度の営業利益25億円はほぼ達成する。国際貨物は輸入化学品の取引で伸び、運送業は運賃の改定が荷主に通って利益率が10%に乗る。タカラ物流システムは宝酒造向けの減少を外販で埋め、利益率は7%近くまで上がる。持ち合い株の売却は毎年6億円ほど進み、自社株買いが続く。それでもホテル賃貸のような新しい稼ぎは小さく、ROEは5%近くにとどまる。成長は物価を少し上回る程度で、資本コストを超えるほどの伸びは出ない10年になる。

(名目の前提)保管料・運賃・賃料は物価の動きを基準に置き、数量は実質で置いた。人件費や外注費は物価並みに上がるとして費用を積んだ。減価償却は今ある設備の分を据え置き、新しい投資の分だけ新しい値段で足した(償却費は今の約 18.5 億円から、10 年後に新倉庫と酒類物流を含めて約 30 億円。設備投資は償却を上回り続け、会計の利益はふくらんでも現金は細る)。

(自己資本の流れ)2026 年 3 月期の純利益 21 億円は投資有価証券の売却益を含むため、起点には売却益を除いた約 17 億円を使い、今の自己資本に純利益の合計を足し、還元を引いて流した。のれんは約 42 億円と推定し、15 年で償却して年 2.8 億円を本社の調整に入れた。

  • 倉庫業:数量 42.0(保管面積換算(万㎡、推定))× 価格 3.05(万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価))→ 売上 128 億円・営業利益 21 億円。数量 1.20 倍・価格 1.35 倍(名目)・営業利益率 16.2%
  • 運送業:数量 600(稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定))× 価格 3,251(万円/台・年(売上÷台数))→ 売上 195 億円・営業利益 19 億円。数量 1.00 倍・価格 1.35 倍(名目)・営業利益率 9.9%
  • 国際貨物:数量 23.6(取扱件数(万件、推定))× 価格 3.61(万円/件(通関・梱包・手配の混合単価))→ 売上 85 億円・営業利益 9 億円。数量 1.18 倍・価格 1.35 倍(名目)・営業利益率 10.1%
  • 不動産賃貸:数量 2.0(賃貸面積(万㎡、推定))× 価格 2.52(万円/㎡・年(実効賃料))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。数量 1.00 倍・価格 1.40 倍(名目)・営業利益率 50.0%
  • 酒類・食品物流(タカラ物流システム):数量 47.5(取扱量(万トン、推定))× 価格 3.42(万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価))→ 売上 162 億円・営業利益 11 億円。数量 0.95 倍・価格 1.35 倍(名目)・営業利益率 6.9%(のれん償却は本社の調整に入れた)

倍率:事業の純利益 28 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.9% が k 7.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 379 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:中計の 2027 年度目標(営業利益 25 億円)にほぼ届き、買収も計画に近い形で働く筋書き。前の第 7 次中計は途中で下方修正されたので、強気の確率は 2 割弱にとどめた。

中立 39% 物価並みに稼ぎは伸びるが、資本の効率は低いまま 利益 21 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 1,598 円284 億円

国内の荷動きは人口減で伸びず、保管量は新倉庫の分だけ増え、運送は車と運転手の不足で数量が少し減る。運賃と保管料は物価並みに上がり、人件費も同じ速さで上がるので、利益率はほぼ今のまま動かない。タカラ物流システムは酒類の取扱量が緩やかに減り、外販でその分を埋めて、売上は横ばいに近い。のれんの償却が年3億円ほど利益を削る。持ち合い株は毎年少しずつ売り、自社株買いと借入の返済に回る。営業利益は35億円、純利益は21億円で、ROEは4%弱のまま。可もなく不可もない会社として評価が落ち着く。

(名目の前提)保管料・運賃・賃料は物価の動きを基準に置き、数量は実質で置いた。人件費や外注費は物価並みに上がるとして費用を積んだ。減価償却は今ある設備の分を据え置き、新しい投資の分だけ新しい値段で足した(償却費は今の約 18.5 億円から、10 年後に新倉庫と酒類物流を含めて約 30 億円。設備投資は償却を上回り続け、会計の利益はふくらんでも現金は細る)。

(自己資本の流れ)2026 年 3 月期の純利益 21 億円は投資有価証券の売却益を含むため、起点には売却益を除いた約 17 億円を使い、今の自己資本に純利益の合計を足し、還元を引いて流した。のれんは約 42 億円と推定し、15 年で償却して年 2.8 億円を本社の調整に入れた。

  • 倉庫業:数量 38.9(保管面積換算(万㎡、推定))× 価格 3.01(万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価))→ 売上 117 億円・営業利益 18 億円。数量 1.11 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 14.9%
  • 運送業:数量 570(稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定))× 価格 3,227(万円/台・年(売上÷台数))→ 売上 184 億円・営業利益 16 億円。数量 0.95 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 8.9%
  • 国際貨物:数量 22.0(取扱件数(万件、推定))× 価格 3.58(万円/件(通関・梱包・手配の混合単価))→ 売上 79 億円・営業利益 7 億円。数量 1.10 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 9.0%
  • 不動産賃貸:数量 2.0(賃貸面積(万㎡、推定))× 価格 2.41(万円/㎡・年(実効賃料))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 47.9%
  • 酒類・食品物流(タカラ物流システム):数量 45.0(取扱量(万トン、推定))× 価格 3.39(万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価))→ 売上 153 億円・営業利益 9 億円。数量 0.90 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 5.8%(のれん償却は本社の調整に入れた)

倍率:事業の純利益 21 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.7% が k 7.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.79 倍、時価総額 284 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:物価並みの値上げと人件費の上昇が相殺し、利益率が今の水準で動かない筋書き。過去 12 年の営業利益率は 5〜8% の帯で、その中に収まる。買収の効果も中立とみて、最も重く置いた。

やや悲観 24% 運賃と人件費が押し合い、買収の利回りが資本コストに届かない 利益 12 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 732 円130 億円

人件費と外注費が運賃より速く上がり、国内物流の利益率は今より下がる。運送業は運転手の確保で外注比率が高まり、利益が薄くなる。新倉庫は稼働に時間がかかり、減価償却の重さだけが先に出る。タカラ物流システムは宝酒造向けの取扱量の減少を外販で埋めきれず、利益が半分近くまで細る。のれんの償却と借入の利息で、純利益は12億円まで落ちる。持ち合い株の売却は進むが、価格の下落で想定より入らない。ROEは2%台で、会社は自社株買いを絞り、配当を守るのが精一杯になる10年になる。

(名目の前提)保管料・運賃・賃料は物価の動きを基準に置き、数量は実質で置いた。人件費や外注費は物価並みに上がるとして費用を積んだ。減価償却は今ある設備の分を据え置き、新しい投資の分だけ新しい値段で足した(償却費は今の約 18.5 億円から、10 年後に新倉庫と酒類物流を含めて約 30 億円。設備投資は償却を上回り続け、会計の利益はふくらんでも現金は細る)。

(自己資本の流れ)2026 年 3 月期の純利益 21 億円は投資有価証券の売却益を含むため、起点には売却益を除いた約 17 億円を使い、今の自己資本に純利益の合計を足し、還元を引いて流した。のれんは約 42 億円と推定し、15 年で償却して年 2.8 億円を本社の調整に入れた。

  • 倉庫業:数量 36.1(保管面積換算(万㎡、推定))× 価格 2.97(万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価))→ 売上 107 億円・営業利益 14 億円。数量 1.03 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 13.3%
  • 運送業:数量 552(稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定))× 価格 3,179(万円/台・年(売上÷台数))→ 売上 176 億円・営業利益 13 億円。数量 0.92 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 7.2%
  • 国際貨物:数量 20.0(取扱件数(万件、推定))× 価格 3.53(万円/件(通関・梱包・手配の混合単価))→ 売上 71 億円・営業利益 5 億円。数量 1.00 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 7.1%
  • 不動産賃貸:数量 2.0(賃貸面積(万㎡、推定))× 価格 2.38(万円/㎡・年(実効賃料))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。数量 1.00 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 45.8%
  • 酒類・食品物流(タカラ物流システム):数量 40.0(取扱量(万トン、推定))× 価格 3.34(万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価))→ 売上 134 億円・営業利益 5 億円。数量 0.80 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 3.6%(のれん償却は本社の調整に入れた)

倍率:事業の ROE 2.3%(純利益÷自己資本)は資本コスト 7.25% 以下で、ためた利益は額面を下回る値打ち。PER は 1÷k=12.5 倍まで。この会社は堀が普通で、利益の質は買収と持ち合い株の売却益に左右されるため、上限の約 8.4 割の 10.5 倍に置いた。余った現金は立てていない(持ち合い株の配当は利益に入っている)。

確率:人件費の上昇が運賃を上回り、買収の利回りが資本コストを下回る筋書き。前の中計が下方修正された実績と、買収価格の高さから、強気側より厚く置いた。

悲観 11% 荷主の離脱と酒類物流の縮小で、買収が重荷になる 利益 2 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 590 円105 億円

大口荷主の取引終了が続き、商社系の物流会社に荷が移る。倉庫の稼働は落ち、運送は運転手不足で車を減らさざるをえない。酒類の取扱量は宝酒造の都合で一段と細り、タカラ物流システムはほぼ利益を出せず、のれん40億円強を損失に落とす。国内物流の利益率は4%台まで下がり、営業利益は4億円ほどに沈む。配当は守れても自社株買いは止まり、持ち合い株は安値で売らざるをえない。残るのは京都の土地と持ち合い株という資産の値打ちで、事業の稼ぐ力は評価されなくなる10年になる。

(名目の前提)保管料・運賃・賃料は物価の動きを基準に置き、数量は実質で置いた。人件費や外注費は物価並みに上がるとして費用を積んだ。減価償却は今ある設備の分を据え置き、新しい投資の分だけ新しい値段で足した(償却費は今の約 18.5 億円から、10 年後に新倉庫と酒類物流を含めて約 30 億円。設備投資は償却を上回り続け、会計の利益はふくらんでも現金は細る)。

(自己資本の流れ)2026 年 3 月期の純利益 21 億円は投資有価証券の売却益を含むため、起点には売却益を除いた約 17 億円を使い、今の自己資本に純利益の合計を足し、還元を引いて流した。のれんは約 42 億円と推定し、15 年で償却して年 2.8 億円を本社の調整に入れた。

  • 倉庫業:数量 32.2(保管面積換算(万㎡、推定))× 価格 2.90(万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価))→ 売上 93 億円・営業利益 10 億円。数量 0.92 倍・価格 1.29 倍(名目)・営業利益率 11.0%
  • 運送業:数量 492(稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定))× 価格 3,106(万円/台・年(売上÷台数))→ 売上 153 億円・営業利益 7 億円。数量 0.82 倍・価格 1.29 倍(名目)・営業利益率 4.4%
  • 国際貨物:数量 17.6(取扱件数(万件、推定))× 価格 3.45(万円/件(通関・梱包・手配の混合単価))→ 売上 61 億円・営業利益 3 億円。数量 0.88 倍・価格 1.29 倍(名目)・営業利益率 4.6%
  • 不動産賃貸:数量 2.0(賃貸面積(万㎡、推定))× 価格 2.32(万円/㎡・年(実効賃料))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。数量 1.00 倍・価格 1.29 倍(名目)・営業利益率 45.7%
  • 酒類・食品物流(タカラ物流システム):数量 35.0(取扱量(万トン、推定))× 価格 3.26(万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価))→ 売上 114 億円・営業利益 0 億円。数量 0.70 倍・価格 1.29 倍(名目)・営業利益率 0.4%(のれん償却は本社の調整に入れた)

倍率:この筋書きは純利益 2 億円で、稼ぐ力を k 7.25% で割ると約 25 億円にしかならない。売れる資産の税後から純有利子負債を引いた約 105 億円のほうが大きいので、床は売れる資産で置き、今の自己資本 488 億円に約 0.22 倍を掛けた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PBR 0.215 倍・時価総額 105 億円。上の倍率は置き直す前の値)

確率:荷主の離脱、酒類物流の縮小、のれん損失が同時に起きる複合の筋書き。持ち合い株の厚みと自己資本比率 76% が床になり、事業が崩れても会社が行き詰まる形は考えにくいため、1 割強に置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

倉庫業

荷主の貨物を預かり、保管と入出庫で料金を受け取る事業。京都・滋賀を中心に、愛知県あま市に新倉庫を計画している。

数量保管面積換算(万㎡、推定)価格万円/㎡・年(保管・荷役を合わせた実効単価)売上営業利益
今 2026/03 35.0 2.25 79 12
10 年後 中立 38.9 3.01 117 18

取り方:国内物流のうち倉庫業の売上 78.7 億円(2026/03 期)を、保管面積換算 35 万㎡(推定。開示は無い)で割った実効単価。国内物流のセグメント利益 25.3 億円を倉庫業 12.2 億円・運送業 13.1 億円に分けたのは筆者の推定(倉庫の利益率を運送より高く置いた)。数量は新倉庫の分だけ増え、単価は物価に連れて上がる。

運送業

傘下の中倉陸運を中心に、自前の約 230 台と傭車のトラックで貨物を運ぶ事業。

数量稼働トラック換算台数(台、自社約 230 台+傭車の推定)価格万円/台・年(売上÷台数)売上営業利益
今 2026/03 600 2,408 145 13
10 年後 中立 570 3,227 184 16

取り方:国内物流のうち運送業の売上 144.5 億円(2026/03 期)を、稼働トラック換算 600 台(自社約 230 台に傭車を加えた推定)で割った売上単価。運転手が減るなかで数量は少しずつ減り、単価は人件費に連れて物価並みに上がる。

国際貨物

通関、輸出梱包、海外向けの輸送手配を手がける事業。上海に事務所を持つ。

数量取扱件数(万件、推定)価格万円/件(通関・梱包・手配の混合単価)売上営業利益
今 2026/03 20.0 2.68 54 5
10 年後 中立 22.0 3.58 79 7

取り方:国際貨物の売上 53.5 億円(2026/03 期)を、取扱件数 20 万件(推定。開示は無い)で割った混合単価。輸入化学品の取引拡大と梱包の厚みで数量が増え、単価は物価並みに上がる。

不動産賃貸

京都・梅小路の旧倉庫跡地に建てた和風ホテル(180 室)などを貸す事業。

数量賃貸面積(万㎡、推定)価格万円/㎡・年(実効賃料)売上営業利益
今 2026/03 2.0 1.80 4 2
10 年後 中立 2.0 2.41 5 2

取り方:不動産賃貸の売上 3.6 億円(2026/03 期)を、賃貸面積 2 万㎡(推定)で割った実効賃料。ホテルの賃料は物価に遅れて上がる。賃貸等不動産の簿価は 59 億円、有報の時価は 79 億円。

酒類・食品物流(タカラ物流システム)

宝ホールディングス傘下で酒類の輸送、保管、流通加工、通販物流を行う会社。70% を取得し、2027 年 4 月に連結に入る予定。

数量取扱量(万トン、推定)価格万円/トン(輸送・保管・加工の混合単価)売上営業利益
今 2026/03 50.0 2.53 127 7
10 年後 中立 45.0 3.39 153 9

取り方:取得する会社の 2026/03 期単体の売上 126.5 億円・営業利益 6.76 億円を示した(中央倉庫の連結に入るのは 2027 年 4 月以後で、今の全社の売上には含まれない)。取扱量 50 万トンは売上から逆算した推定で、開示は無い。数量は宝酒造向けの緩やかな減少、単価は物価に連れて上がる。

リスクと懸念

タカラ物流システムの買収が資本コストを下回る

買値は約60億円で、同社の純資産(約26億円)の2倍強。2026年3月期の営業利益6.8億円から税引き後の稼ぎを引くと、買値の5%台にとどまる。のれん40億円強の償却は年3億円ほどで、利益を直接削る。宝酒造向けの取扱量が減れば、減損の可能性も出る。

荷主が宝酒造に偏る

買収先の売上の多くは宝酒造の物流と見られ(開示は無い)、宝側は取扱量の中長期の減少を譲渡の理由の一つに挙げた。宝ホールディングスは3割を残すが、契約の期間や価格は開示から読めない。外販が育たなければ、売上の土台が細る。

運転手不足と人件費の上昇

運送業は売上の過半を占める。2025年度の不足は約21万人と見られ、初任給の引き上げやベースアップ、外注費の増加で、2026年3月期は営業利益が6%減った。2024年の運賃改定を荷主に通せないと、利益率は一段と下がる。

大口荷主の離脱と商社系の参入

大口取引の終了で空き倉庫が出た年があり、商社が特化型の物流に参入して取引先が移る動きも課題に挙がった。倉庫は固定費が重く、稼働が数ポイント落ちるだけで利益が大きく減る。大津営業所の稼働も計画に届いていない。

資本効率が上がらない

ROEは過去10年の中央値で3%台。持ち合い株155億円の利回りは配当の2%程度で、資本コストに遠い。売却と自社株買いのペースが遅ければ、売れる資産の厚みはあっても、株主の取り分は増えない。目標のROE5%も資本コストを下回る。

持ち合い株の価格の下落

投資有価証券155億円は上場32銘柄が中心で、株価が下がると自己資本が目減りする。売って資本を組み替えるにも、安値では売りにくい。悲観の床はこの資産の価値に頼るので、相場の急落は床そのものを削る。

新倉庫・設備投資の重さ

中計は更新に50億円、成長に70億円を投じる。愛知県あま市の新倉庫の稼働が遅れると、減価償却だけが先に出る。設備投資は償却を上回り続け、建築費の上昇で更新の費用も膨らむため、会計の利益より現金の余りは細い。

今後の分かれ目

タカラ物流システムの取得が公正取引委員会の審査を通り、2027年4月に実行されたら
のれんの償却と借入の利息が利益に入り始める。外販の売上比率が開示されれば、買収の稼ぎが資本コストを超えるかを確かめ、中立とやや悲観の確率を見直す。
持ち合い株の売却額が年10億円を超え、自社株買いに回されたら
資本の組み替えが本物になったとみて、楽観・やや楽観の重みを上げる。売却益だけで純利益が増えた年は、稼ぐ力とは分けて見る。
2027年度の営業利益が中計の25億円に届いたら
新倉庫と運賃の改定が働いているとみて、中立からやや楽観へ確率を寄せる。届かなければ、第7次中計に続く下方修正として、やや悲観を厚くする。
大津営業所や新倉庫の稼働率が開示され、計画を大きく下回ったら
減価償却だけが先に出る形が続くとみて、やや悲観・悲観に重みを移す。
宝酒造向けの取扱量が開示され、外販が3割を超えたら
荷主の偏りが解けるとみて、買収の稼ぎの見通しを上方に直す。逆に宝側の取扱量が急に減れば、減損の可能性を考える。
同業や商社が中央倉庫の株を買い増したら
TOBの可能性が上がる。ただし買収防衛策と安定株主の厚さがあるため、プレミアムは本質価値を超えるかを別に確かめる。

見ておくもの

  • 持ち合い株の売却額と自社株買いの実行額(年次の有報・決算短信)
  • 国内物流のセグメント利益率と、運送業の取扱数量
  • タカラ物流システムの取得の実行日、取得価額の最終値、のれんの額
  • 愛知県あま市の新倉庫の竣工時期と稼働率
  • 第8次中計の最終年度(2027年度)の営業利益25億円への進捗

倍率と資本コストの決め方

今の株価やPERから筋書きを作らず、倉庫・運送・国際貨物・不動産・買収先の数量と名目の単価から利益を積み、倍率は利益ベースで、ROEが資本コスト以下なので上限の1÷kに置いた。資本コストは基本7.5%に循環と値決めの+0.5%を足した8.0%で、同じ領域の三菱倉庫(7.75%)などよりやや高い。小さく地域が偏り、荷主の力が強いためだ。持ち合い株と賃貸不動産の価値は、稼ぎ(配当・賃料)が利益に入っているため中立側には足さず、悲観の床だけに使った。新リース会計では、リース債務が1.4億円と小さく自社保有が中心のため、数字の形の変化は軽い。買収の完了が2027年4月で、10年の筋書きには連結後の姿を入れた。結論は割高。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12→13.79 倍・やや楽観 PER 11.5→13.79 倍・中立 PER 11→13.79 倍)。

資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k は基本 7.5% に quality +0.5% を足した 8.0%。事業は傾いていないので extra は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.25%。

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分析日 2026-10-16