結論
滋賀銀行は、滋賀県の預金と貸出のおよそ半分を握る地方銀行だ。筆者の結論は、金利上昇の追い風は本物だが、いまの値段はその先の利益まで織り込みすぎている、というものである。
稼ぎの中心は、県内の企業と家計への貸出である。短期金利が上がると貸出の金利は預金の金利より早く上がり、利ざやが広がる。直近の純利益は212億円と過去最高で、会社は今期285億円を見込む。
ただし、足元の利益は質に注意がいる。昨年度は低利回りの債券を大量に売って損を出し、反対に保有株の売却益が下支えした。どちらも一度きりの動きで、そのまま先へ伸ばせない。
中期経営計画は、2029年3月期に純利益400億円、ROE8%を掲げる。筆者は中立でほぼこの線を見る。ただ、自己資本が膨らんでおり、ROEは7%台にとどまる。資本コスト7.75%を少し超える程度の稼ぎに、PBR1.27倍という値段は高い。確率で重みづけた本質価値は、今の時価総額(約6,474億円)に対し10年で−34.2%、「割高」と見る(資本コスト7.75%、10年の筋書きだけで測る)。池田泉州HDとの提携が統合へ進めば上振れの余地はあるが、それを確率に入れても結論は変わらない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、滋賀銀行は「良い地銀だが、払う値段に安全域がない」と映る。
10年後も、この銀行は存在し、県内での存在感は変わらない。この点は安心できる。金利が上がる時代に、預金の太い銀行が有利なのも確かだ。
一方、株主のものになる利益、つまりオーナー利益は、見かけより小さい。利益の一部は保有株の売却益で、これは含み益の取り崩しにすぎない。債券の入れ替え損もあり、利益の波はまだ大きい。自己資本には株の含み益が約1,800億円(税引き後)入っており、相場が崩れれば削られる。
資本の使い方は、方向が変わってきた。政策保有株の縮減、配当性向40%、自社株買いは、いずれも評価できる。ただ、ROE4.5%の銀行が、PBR1.27倍で評価されている。この値段は、会社の計画がほぼ完璧に実現する前提を置いている。
筆者は、計画が実現してもなお、資本コストを少し上回る程度の稼ぎだと見る。そこに安全域は薄い。悪い局面では、含み益が消えて自己資本が減る。優良な銀行でも、買う値段を間違えれば成果は出ない。
何で稼ぐ会社か
滋賀銀行の事業は、県内で預金を集めて県内の企業と家計に貸す、地方銀行の王道である。預金は約6兆円、貸出は約4.6兆円。県内の預金の47.6%、貸出の48.5%を握る(2025年3月末)。
稼ぎ方は4本ある。1本目は事業性貸出と法人向けの手数料だ。県内と京都が中心で、大阪・東京にも貸している。ただし、東京や大阪の低い金利の貸出は、採算を優先してあえて絞っている。
2本目は個人向けの貸出だ。住宅ローンは県内シェア5割を目指す。もう一つの柱がダイレクト型消費者ローンで、申し込みから契約までネットで完結し、全国から不動産担保の借入を集める。残高は約2,400億円、中期計画の最終年度に4,000億円超を狙う。
3本目は、海外市場型ローン、国内のストラクチャードファイナンス(案件ごとに返済原資を切り分ける貸出)、ファンド投資である。貸出が伸びにくい県内を補い、利ざやの高い資産を積む役目を負う。
4本目は有価証券の運用で、国債・地方債・外債・株式に約1.7兆円を持つ。日銀の当座預金にも約1兆円を置く。金利が上がるほど、この運用資産が稼ぎを押し上げる。
子会社の利益は10億円ほどにすぎず、中心は銀行本体だ。2026年4月には池田泉州ホールディングスと資本業務提携を結んだ。
優良さと弱いところ
滋賀銀行の最大の強みは、県内に根を張った顧客基盤である。預金と貸出の県内シェアはともに5割近く、個人預金は約4.3兆円ある。預金が安定しているので、金利が上がっても調達に困りにくい。
堀、つまり他行がまねできない強みは「地元で圧倒的な顔」だ。企業の取引社数でも県内で6割を超える水準にあるとされる(2021年の調査)。この関係は10年先も続くと見る。ただし、堀が守るのは「量」で、価格を決める力は強くない。預金金利も貸出金利も、市場に合わせて動くからだ。
弱みは資本効率である。ROEは4.5%にとどまり、経費率(OHR)も75%と重い。純資産には保有株の含み益が大きく乗っており、実力の自己資本はそれより薄い。稼ぎが有価証券や株の売却に左右されやすい点も、筆者は気にしている。
経営は変わりつつある。ROE目標を2年続けて引き上げ、政策保有株の縮減を進め、還元方針を配当性向40%目安へ改めた。方向は正しい。あとは、約束した資本効率を数字で示せるかが問われる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
地方銀行は、金利のある世界に入り、稼ぎ方が変わった。短期金利が2%へ向かうと、貸出の利ざやが広がる。貸出の「量」は人口減で伸びないが、「利ざや」で補える。これが業界全体の追い風だ。
滋賀県は、その中でも恵まれた地盤である。人口の減り方は全国で8番目に緩く、年少人口の割合は2位、ものづくりが県の経済の約半分を占める。三菱総合研究所の推計でも、貸出市場がまだ伸びる数少ない県とされる。
逆風は2つある。1つは預金の競争だ。ネット銀行の台頭で預金の競争が強まり、地銀の預金コストが想定より早く上がる恐れがある。もう1つは住宅ローンの価格競争で、全国のネット銀行が県内にも入ってくる。
もう1つの大きな動きは再編だ。千葉銀行と千葉興業銀行、しずおかFGと名古屋銀行が統合に合意するなど、「1県1行」への流れが進む。群馬銀行と第四北越FGも、業務提携から統合に進んだ。滋賀銀行と池田泉州HDの提携も、近畿でその第一歩と見る向きが多い。
筆者は、再編に乗れた銀行と乗れない銀行で、10年後の資本効率に差がつくと見ている。滋賀銀行は規模で劣勢に立つ側ではないが、単独で経費率を50%台まで下げるのは容易ではない。
資本政策と M&A
資本政策は、この1年で「ためる」から「還す」へ大きく舵を切った。2026年5月に還元方針を改め、配当性向40%を目安に、機動的な自社株買いを組み合わせる(直近5年の総還元性向は4割ほど。10年の中立は買いを足した5割に置いた)。2026年1月には自社株買いと消却も実施した。
政策保有株は減らしている。簿価は1,006億円から328億円まで縮み、2029年3月期までにさらに10%以上減らす計画だ。売却益は成長投資と還元に回す。ただし、この売却益は一度きりの収益で、利益に永続的な色を付けてはいけない。
自己資本の管理は、普通株式等Tier1比率(包括利益を除く)で行う。現在は約10.5%で、11%台を目標とする。リスク資産が増える分を稼ぎでまかないつつ、余剰は還元する考えだ。
2026年4月に株式を5分割し、株主優待も拡充した。個人株主を増やす狙いである。
M&Aは池田泉州HDとの提携が焦点だ。互いの発行済株式の0.5〜1%程度を持ち合う。両社とも統合は否定するが、滋賀銀行の頭取は将来の可能性を完全には否定していない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
金利が上がる世界は、預金の太い滋賀銀行にいちばん有利である。会社の試算では、政策金利が0.5%上がるごとに粗利益が約100億円増える。2%まで上がれば、利益は今の2倍を超えうる。
足元でも、その兆しは出ている。貸出金利は預金金利の約1.7倍の速さで上がり(追随率は貸出55%、預金32%)、利ざやは広がっている。日銀の当座預金に置く約1兆円も、金利上昇でそのまま稼ぎに変わる。
去年は低利回りの債券を2,200億円以上売り、損を出した。この痛みは先払いで、再投資で利回りが1%以上改善し、年22億円以上の増益効果が出る。今期の純利益285億円は、そのうえでの予想だ。
会社は中期計画のROE目標を2年続けて引き上げた。自社株買いと配当で資本を絞れば、8%は射程に入る。ダイレクト型ローンとストラクチャードファイナンスは、利ざやが高い資産だ。池田泉州HDとの提携が統合に進めば、システムと店舗のコスト削減が加わる。
会社自身の「金利急上昇」シナリオでは、2029年3月期の純利益は約500億円、ROEは10%になる。この水準が実現すれば、今の時価総額でも割高とは言えなくなる。
慎重な見方
利益は上がっているが、値段はそれ以上に上がった。PBRは1年半前の0.55倍から1.27倍へ倍以上になった。ROEは4.5%で、資本コストを下回っている。
まず、与信費用が異常に低い。直近は戻り益でほぼゼロだが、これが続くはずはない。今期の予想は32億円で、景気が悪化すれば数倍になる。ダイレクト型ローンは全国のネット申込で、顧客の顔が見えない。ファンド投資やオルタナティブ資産も、危機では価格が一斉に下がる。
次に、預金のコストだ。預金金利はまだ遅れて上がる途中で、ネット銀行との競争で追随率は上がりやすい。利ざやの拡大は、会社の試算ほど素直には進まない。経費も、人件費・システム費の増加で毎年40億円規模で増える。
さらに、純資産の質が悪い。含み益は主に政策保有株で、株価が下がれば自己資本が削られる。債券にもヘッジ後で約600億円の含み損がある。株の売却益は有限で、売り切れば利益から消える。
池田泉州HDとの提携も、規模が近い2行が組む話で、統合しても県境をまたぐため、コスト削減の効果は限られる。値段の高さを考えれば、期待が少し外れただけで株価は大きく下がる。
どちらに重みを置いたか
利益が伸びる点には争いがない。分かれるのは「いくらで買うか」だ。慎重な見方のほうが強いと判断した。
強気の見方の柱は、会社自身の「金利急上昇」シナリオが、筆者の前提(短期金利2%)とほぼ重なる点にある。
一方、中立は会社目標の線を、悲観は与信費用の急増と含み益の消失を重く見た。やや悲観の確率を22%と厚めにし、悲観を12〜13%とした。ROEが資本コストを少し超える程度にとどまる以上、倍率を高く置く根拠は弱い。
結果として確率で重みづけた価値は、今の時価総額を2割台後半下回る(−27.5%)。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 2,862 円6,580 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 869 円1,998 億円)。 今の値に割り戻すと 1,955 円4,495 億円、今との差 −24.0%、 期待の年率 +3.8%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 4,774 円1.10 兆円 | 1,084 円2,493 億円 | +127.7% | +8.6% | 644 円1,481 億円 |
| やや楽観 | 24% | 3,953 円9,088 億円 | 958 円2,203 億円 | +90.9% | +6.7% | 1,179 円2,710 億円 |
| 中立 | 30% | 3,118 円7,169 億円 | 831 円1,910 億円 | +53.5% | +4.4% | 1,185 円2,724 億円 |
| やや悲観 | 22% | 1,667 円3,831 億円 | 870 円2,000 億円 | −1.4% | −0.1% | 558 円1,283 億円 |
| 悲観 | 13% | 664 円1,527 億円 | 609 円1,400 億円 | −50.5% | −6.8% | 166 円381 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,862 円6,580 億円 | 869 円1,998 億円 | +45.0% | +3.8% | 3,732 円8,578 億円 |
今の株価時価総額 2,573 円5,915 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 11% 統合と新しい収益の柱で、全国水準の資本効率へ 利益 746 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 4,774 円1.10 兆円
池田泉州HDとの関係が統合に進み、システムの一本化と店舗の再編で経費率が50%を切る。近畿を代表する大手地銀として、再編の主役に立つ。
ダイレクト型ローンは全国で育ち、ファイナンス部門とあわせて利益の柱になる。短期金利2%・長期金利3%が定着し、預貸の利ざやは高い水準で安定する。
与信費用は景気の波を一度越えても平均内にとどまる。政策保有株は売却を終え、利益の質が上がる。自社株買いを含む還元が積み上がり、ROEは10%ほどになる。県内シェア5割の堀は、さらに近畿へ広がる。
競合では、京都を地盤とする銀行や全国のネット銀行が、預金と住宅ローンで迫り続ける。それでも統合後の規模と費用の低さが、価格競争に耐える力になる。
- 事業性貸出・法人取引:数量 2.5(事業性貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.9%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 725 億円・営業利益 424 億円。残高 2.52 兆円(実質)× 利ざや 2.15%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 58%
- 個人向け貸出:数量 1.5(個人向け貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.2%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 494 億円・営業利益 305 億円。残高 1.54 兆円(実質)× 利ざや 2.40%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 62%
- ファイナンス・新しい資産:数量 0.5(ファイナンス室の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.4%(残高あたりの収益率(%)× 物価指数)→ 売上 182 億円・営業利益 161 億円。残高 0.54 兆円(実質)× 利ざや 2.50%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 88%
- 有価証券運用:数量 1.7(運用資産の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.2%(残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数)→ 売上 371 億円・営業利益 336 億円。残高 1.68 兆円(実質)× 利ざや 1.65%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 91%
倍率:事業の純利益 746 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.1% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.71 倍、時価総額 10,974 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:統合の成功、新しい資産の成長、与信費用の平均内という3つが重なる必要があり、1割強と置いた。統合の相手がすでに決まっている点は、他の地銀より実現性を高める。
やや楽観 24% 新しい資産が育ち、ROEは9%台へ 利益 651 億円 · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 3,953 円9,088 億円
短期金利2%・長期金利3%が定着し、利ざやは高めで安定する。ダイレクト型ローンと、ストラクチャードファイナンスなどの新しい資産が、貸出の伸びにくい県内を補う。
池田泉州HDとの連携は、統合までは行かずとも、共同の商品開発や事業承継の支援で成果を出す。経費率は50%台に下がる。
政策保有株の縮減は予定どおり進み、売却益への依存は薄れる。与信費用は一度の景気後退で膨らむが、期間を通せば平均の範囲に収まる。ROEは9%ほどになる。
競合のネット銀行には預金を一部奪われるが、事業承継や資産形成で法人と個人の接点を深め、取引の厚みで守る。堀はおおむね保たれる。
- 事業性貸出・法人取引:数量 2.5(事業性貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.8%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 680 億円・営業利益 379 億円。残高 2.46 兆円(実質)× 利ざや 2.06%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 56%
- 個人向け貸出:数量 1.5(個人向け貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.1%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 460 億円・営業利益 271 億円。残高 1.47 兆円(実質)× 利ざや 2.33%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 59%
- ファイナンス・新しい資産:数量 0.5(ファイナンス室の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.3%(残高あたりの収益率(%)× 物価指数)→ 売上 166 億円・営業利益 145 億円。残高 0.51 兆円(実質)× 利ざや 2.43%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 87%
- 有価証券運用:数量 1.6(運用資産の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.1%(残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数)→ 売上 342 億円・営業利益 307 億円。残高 1.65 兆円(実質)× 利ざや 1.55%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 90%
倍率:事業の純利益 651 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.0% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.0 倍。全体の PER 13.96 倍、時価総額 9,088 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社が目標を2年続けて引き上げてきた実績と、金利の追い風が10年続くことから、上振れの目を4分の1置いた。
中立 30% 中立:県内の基盤を守り、ROEは8%近くに 利益 551 億円 · PER 13.0 倍 · 株価時価総額 3,118 円7,169 億円
短期金利2%・長期金利3%が定着し、県内の利ざやは高めで安定する。県内の貸出の量は人口減で伸びないが、利ざやと、新しい資産の伸びで補う。
ダイレクト型ローンは全国で緩やかに伸びる。ファイナンス部門は2倍近い規模になるが、景気の波で収益は揺れる。
経費は物価の上昇に沿って増えるが、システム投資の効果で経費率は50%台半ばに下がる。与信費用は一度の不況を挟んで、平均的な水準に戻る。池田泉州HDとは提携が続くか、緩やかな統合に進む。ROEは8%近くに上がる。
ネット銀行や京都の銀行との競争は続くが、県内の取引先の約半分を押さえる地位は大きく崩れない。株主還元は、配当性向40%を土台に自社株買いを重ね、自己資本の伸びを抑える。
- 事業性貸出・法人取引:数量 2.4(事業性貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.6%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 637 億円・営業利益 336 億円。残高 2.41 兆円(実質)× 利ざや 1.97%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 53%
- 個人向け貸出:数量 1.4(個人向け貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.0%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 425 億円・営業利益 236 億円。残高 1.41 兆円(実質)× 利ざや 2.25%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 56%
- ファイナンス・新しい資産:数量 0.5(ファイナンス室の平均残高(兆円・実質))× 価格 3.1%(残高あたりの収益率(%)× 物価指数)→ 売上 150 億円・営業利益 129 億円。残高 0.48 兆円(実質)× 利ざや 2.35%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 86%
- 有価証券運用:数量 1.6(運用資産の平均残高(兆円・実質))× 価格 1.9%(残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数)→ 売上 311 億円・営業利益 276 億円。残高 1.60 兆円(実質)× 利ざや 1.45%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 89%
倍率:事業の純利益 551 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.9% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.0 倍。全体の PER 13.01 倍、時価総額 7,168 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:金利が定常化し、県内の基盤が続き、与信費用が景気循環を経て平均に戻る、最も重みを置く中心の想定。
やや悲観 22% 再編の遅れと預金競争で、資本コストをわずかに上回る程度 利益 330 億円 · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 1,667 円3,831 億円
県内の人口減少が計画より速く進み、貸出の量が縮み始める。ネット銀行との預金・住宅ローンの競争で、利ざやは想定ほど広がらない。
池田泉州HDとの提携は成果が小さく、統合も進まない。経費率は60%を下回れない。新しい資産では、ダイレクト型ローンの代位弁済が増え、ファンド投資が損を出す。
与信費用は平均より高い水準が続く。政策保有株の売却益も尽き、利益の質が落ちる。ROEは6%まで下がり、資本コストを下回る年が続く。市場は、再編に乗れなかった銀行として評価する。
県内の取引基盤そのものは残るが、預金と住宅ローンで少しずつシェアを落とし、堀は狭まる。株主還元は、資本の余裕が乏しくなって細る。
- 事業性貸出・法人取引:数量 2.3(事業性貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.4%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 558 億円・営業利益 257 億円。残高 2.29 兆円(実質)× 利ざや 1.82%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 46%
- 個人向け貸出:数量 1.3(個人向け貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.8%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 364 億円・営業利益 175 億円。残高 1.31 兆円(実質)× 利ざや 2.08%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 48%
- ファイナンス・新しい資産:数量 0.4(ファイナンス室の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.9%(残高あたりの収益率(%)× 物価指数)→ 売上 119 億円・営業利益 98 億円。残高 0.41 兆円(実質)× 利ざや 2.18%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 82%
- 有価証券運用:数量 1.5(運用資産の平均残高(兆円・実質))× 価格 1.7%(残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数)→ 売上 261 億円・営業利益 226 億円。残高 1.52 兆円(実質)× 利ざや 1.28%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 87%
倍率:10年後のROE6.0%(純利益330億円÷自己資本5,504億円)は k7.75% 以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=12.9倍までが上限。競争や統合の遅れで稼ぐ力が鈍る姿。上限の9.0割に置き、11.61倍。今の自己資本5,090億円に対する倍率は0.75倍。稼ぐ力から出した値で、自己資本の何割という置き方はしていない。
確率:10年は長く、再編に乗れない・人口減が加速する・預金競争が続く、のどれか一つでも当たれば、この姿に近づく。2割強と厚めに置いた。
悲観 13% 構造的に負け、資本効率が戻らない 利益 148 億円 · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 664 円1,527 億円
10年のどこかで世界的な信用収縮が起き、そのうえ県内の人口減少が想定を超えて加速する。貸出の需要が縮み、ネット銀行に預金と住宅ローンを奪われる。
ダイレクト型ローンとファイナンスの新しい資産が、景気後退で多額の損失を出す。池田泉州HDとの提携は成果を出せず、統合も失敗に終わる。経費率は改善しないまま、収益だけが細る。
ROEは3%台に沈み、資本コストを大きく下回る。もう優良な銀行とは見なされず、PBR0.45倍の評価にとどまる。県内の基盤は残るが、資本効率は戻らない。
再編の波は周りの銀行を通り過ぎ、規模で劣る単独の地銀として、費用の重さを抱え続ける。株主還元も細り、投資家の期待は戻らない。
- 事業性貸出・法人取引:数量 2.1(事業性貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.2%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 472 億円・営業利益 180 億円。残高 2.13 兆円(実質)× 利ざや 1.65%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 38%
- 個人向け貸出:数量 1.2(個人向け貸出の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.5%(残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数)→ 売上 298 億円・営業利益 114 億円。残高 1.20 兆円(実質)× 利ざや 1.85%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 38%
- ファイナンス・新しい資産:数量 0.3(ファイナンス室の平均残高(兆円・実質))× 価格 2.7%(残高あたりの収益率(%)× 物価指数)→ 売上 89 億円・営業利益 69 億円。残高 0.33 兆円(実質)× 利ざや 2.00%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 78%
- 有価証券運用:数量 1.4(運用資産の平均残高(兆円・実質))× 価格 1.5%(残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数)→ 売上 222 億円・営業利益 188 億円。残高 1.44 兆円(実質)× 利ざや 1.15%(物価指数 1.34 倍を乗せた価格)、利益率 85%
倍率:10年後のROE3.2%(純利益148億円÷自己資本4,594億円)は k7.75% 以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=12.9倍までが上限。構造的に負けて優良でなくなった姿。上限の8.0割に置き、10.32倍。今の自己資本5,090億円に対する倍率は0.30倍。稼ぐ力から出した値で、自己資本の何割という置き方はしていない。
確率:リーマン級の信用収縮に、人口減の加速、新しい資産の失敗、統合の失敗のいずれかが重なる構造的な負け。株の含み益や有価証券の比率が高いため、谷の傷みが深くなりやすいと見て、1割強とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
事業性貸出・法人取引
県内・京都を軸に、大阪・東京にも貸す事業性貸出と、法人向けの手数料・預金の運用益。
| 数量事業性貸出の平均残高(兆円・実質) | 価格残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2.5 | 1.6% | 394 | 179 |
| 10 年後 中立 | 2.4 | 2.6% | 637 | 336 |
取り方:2026 年 3 月期の事業性(国内営業)の平均残高 2.54 兆円。事業性融資利息 269 億円と法人コンサルティング手数料 40 億円に、預金の運用益のうちこの部門の持ち分を足した粗利益(預金の調達費用を引いたあと)を約 394 億円と置き、残高あたり 1.55% とした。経費を約 215 億円割り振って営業の利益 179 億円。残高は今の値段のままの実質で置き、物価の分は価格の指数(3 年 1.09 倍・10 年 1.34 倍)に入れる。(点検 2026-10-19:数量は実質、率に物価指数1.34倍を掛ける形(B)。物価を除いた率の動きは10年で+27%。数量が名目でないので二重がけなし) (R23c 点検:率の上昇の理由)短期金利が今の1%前後から2%へ+1ポイント上がる前提。貸出金利は先に上がり、預金金利は預金ベータ換算で約58%だけ追うので、中立の率は10年で1.55%→1.97%(+0.42ポイント)。物価の分は価格の指数(1.34倍)に別に入れてあり、ここは物価を除いた率の動き。
個人向け貸出
住宅ローン(県内シェア 5 割を目指す)と、ネット完結の全国型ダイレクト型消費者ローン。
| 数量個人向け貸出の平均残高(兆円・実質) | 価格残高あたりの粗利益率(利ざや+手数料、%)× 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.3 | 2.0% | 250 | 115 |
| 10 年後 中立 | 1.4 | 3.0% | 425 | 236 |
取り方:個人向け貸出の平均残高 1.28 兆円(住宅ローン 1.08 兆円、ダイレクト型 0.20 兆円)。住宅ローン収益 114 億円、ダイレクト型 40 億円(保証料控除後)、個人コンサルティング手数料 35 億円に預金の運用益の持ち分を足して粗利益約 250 億円、残高あたり 1.95%。経費約 135 億円を引いて営業の利益 115 億円。残高は実質、物価は価格の指数に入れる。(点検 2026-10-19:数量は実質、率に物価指数1.34倍を掛ける形(B)。物価を除いた率の動きは10年で+15%。数量が名目でないので二重がけなし) (R23c 点検:率の上昇の理由)短期金利が今の1%前後から2%へ+1ポイント上がる前提。貸出金利は先に上がり、預金金利は預金ベータ換算で約70%だけ追うので、中立の率は10年で1.95%→2.25%(+0.30ポイント)。住宅ローンは固定が多く広がりは遅い。物価の分は価格の指数(1.34倍)に別に入れてあり、ここは物価を除いた率の動き。
ファイナンス・新しい資産
海外市場型ローン、国内ストラクチャードファイナンス(インフラ・不動産・データセンター等)、ファンド投資。
| 数量ファイナンス室の平均残高(兆円・実質) | 価格残高あたりの収益率(%)× 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.3 | 2.2% | 75 | 60 |
| 10 年後 中立 | 0.5 | 3.1% | 150 | 129 |
取り方:ファイナンス部門の平均残高 0.34 兆円に、部門収益 74 億円(円・外貨の調達費用控除後)を当て、収益率 2.2%。経費約 15 億円を引いて 60 億円。会社は最終年度の収益計画を 80 億円に引き上げている。(点検 2026-10-19:数量は実質、率に物価指数1.34倍を掛ける形(B)。物価を除いた率の動きは10年で+7%。数量が名目でないので二重がけなし)
有価証券運用
国債・地方債・外債・株式(政策保有を除く)などの運用。金利上昇で低利回り債を入れ替え、利ざや 1% のポートフォリオを目指す。
| 数量運用資産の平均残高(兆円・実質) | 価格残高あたりのキャリー収益率(調達費用控除後、%)× 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.6 | 0.8% | 128 | 103 |
| 10 年後 中立 | 1.6 | 1.9% | 311 | 276 |
取り方:運用残高(政策保有株を除く)約 1.6 兆円、足元の利ざやは会社の開示で 0.8% 程度。債券の入れ替えによる売却損(約 180 億円)は一度きりなので、この部門の収益には入れず、全社の調整に入れた。経費約 25 億円を引いて 103 億円。(点検 2026-10-19:数量は実質、率に物価指数1.34倍を掛ける形(B)。物価を除いた率の動きは10年で+81%。数量が名目でないので二重がけなし) (R23c 点検:率の上昇の理由)短期金利が今の1%前後から2%へ、長期金利が3%へ上がる前提。満期を迎えた低利回りの債券が高い利回りに入れ替わる一方、預金コストは預金ベータ換算で約35%だけ追うので、中立の率は10年で0.80%→1.45%(+0.65ポイント)。物価の分は価格の指数(1.34倍)に別に入れてあり、ここは物価を除いた率の動き。
リスクと懸念
与信費用の正常化
直近の与信費用は一般貸倒引当金の戻入でほぼゼロだった。歴史的に低いデフォルト率が続くとは限らず、会社自身も今期は32億円、大口先や県外の高格付け先のデフォルトを警戒している。物価高と金利上昇で中小企業の資金繰りが悪化すれば、費用は数倍に増える。利益285億円のうち、これが数十億円単位で効く。
預金の競争とコスト上昇
貸出の金利は早く上がるが、預金の金利は遅れて上がる。いまの利ざや拡大はこの時間差の恩恵が大きい。ネット銀行や大手が預金を取りにくれば、預金の追随率は高まり、利ざやの拡大は想定より小さくなる。会社の試算でも、金利上昇で預金コストは約140億円増える(0.5%上昇の場合)。
有価証券と政策保有株の評価損
純資産には、株式の含み益(税引き後で約1,800億円)が入っている。株価が急落すればこの含み益が消え、自己資本が2割以上減りうる。円債にもヘッジ後で約600億円の含み損があり、金利上昇や外債の損失が重なれば、利益より自己資本の傷みのほうが先に表れる。
新しい資産の信用リスク
ダイレクト型消費者ローンは全国のネット申込で、残高が約2,400億円から4,000億円超へ増える計画だ。代位弁済率は0.2〜0.3%と低いが、景気後退を経験していない。海外市場型ローンやバイアウトファンドも、危機では評価が一斉に悪化する。成長の柱が、そのまま損失の源にもなりうる。
経費の増加と資本効率
人的資本とシステム(BankVisionの自営の勘定系)への投資で、経費は毎年増える。昨年度の経費は38億円増えた。経費率を50%台へ下げる目標は、収益が計画どおり伸びて初めて実現する。収益が鈍れば、経費だけが先に重くなり、ROE8%は遠のく。
提携・統合の実行
池田泉州HDとの資本業務提携は、統合が前提ではないが、その布石とみる向きが強い。統合になれば、システム統合の費用や店舗再編の摩擦が先に出る。両社の規模は近く、対等の統合は主導権や企業文化の調整に時間がかかる。成果が出ない統合は、時間と資本を食うだけに終わる。
県内の人口減少
滋賀県は人口の減り方が緩やかとはいえ、2050年には約86%まで減る。県内の貸出残高は伸びにくく、県外への貸出拡大は競争が激しい。県内の貸出は量が伸びにくく、県外では競争が激しい。量の伸びを利ざやで補う構図は、利ざやが縮む局面に弱く、10年の資本効率を左右する。
今後の分かれ目
- 日銀が政策金利を2%へ、会社想定(1.25%)より速く引き上げたら
- 楽観・やや楽観の確率を上げる。貸出と預金の利回りの差が決算で広がっているかを確かめる。
- 与信費用が四半期で急に増え、大口先の延滞が出たら
- やや悲観・悲観側に重みを移す。業種と地域を確かめ、県内か県外か、新しい資産かを見分ける。
- 預金の追随率が60%近くまで上がったら
- 利ざやの拡大は想定より小さい。中立の利益を下げ、ROE8%の達成時期を後ろへずらす。
- 池田泉州HDとの関係が統合の協議に進んだら
- 統合の費用が先に出るが、10年の筋書きは上方に寄る。統合比率と、システムを一本化する計画を確認する。
- 株価が急落して保有株の含み益が大きく減ったら
- 自己資本が減るため、悲観の自己資本を下げる。一方、残る含み益の分だけ売却益の余地も減ると見る。
- 自社株買いを大型に実施し、ROEが8%へ近づいたら
- 中立から楽観寄りへ。ただし、利益の中身が本業か売却益かを必ず分けて見る。
見ておくもの
- 政策金利の水準と、貸出・預金の利回りの差(預金追随率の推移)
- 与信費用の推移(今期予想32億円に対する実績)と大口先の動き
- 政策保有株の売却進捗と株式等関係損益の大きさ(一度きりの利益の比率)
- ダイレクト型ローン残高(目標4,000億円超)と代位弁済率
- 池田泉州HDとの連携施策(20のWG)の成果と、統合に関する発言
- 経費率(OHR)と連結ROEの推移(目標は29年3月期に8%)
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見ずに決めた。楽観・やや楽観・中立は10年後のROEとk 7.75%(基本7.5%+quality)・g 4.0%から利益ベースの正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の上限を出し、その9.5・9・8.5割に置いた(下限は1÷k=12.9倍。利上げの追い風が経費率の重さで相殺される)。やや悲観・悲観はROEがk以下なので、PERは1÷k=12.9倍が上限で、その9割・8割に置いた。悲観の利益は貸出の利ざやが競争で縮み与信費用が重い構造からROE約2%に置き、過去の底値や今の倍率は根拠にしていない。kが1%高い(8.75%)と10年の中立のPERは11.9倍から10.5倍に下がる。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.97→14.71 倍・やや楽観 PER 12.56→13.96 倍・中立 PER 11.66→13.01 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β 0.60 × 5% + 規模 0.50%。基本7.5%に quality +0.25% を足して k 7.75%(決まり v2。β・規模は使わない。内訳と理由は quality_why)。銀行は預金が仕入れなので利払いの式は当てはめず、利ざやで扱う。個別のリスク(経費率(OHR75%)の重さ)は k に足さず、確率と筋書きで表す。事業は傾いていないので上乗せ(extra)は 0。同じ地方銀行どうしで同じ物差しを使い、差は quality の4部品だけで出している。