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全保連 5845

家賃債務保証の専業で、MUFG傘下に入って利益率が上がり始めた。ROEは20%台と高いが、市場は成熟し料率は下がりやすい。今の値段は妥当圏と見る

適正
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)1,265 円332 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,193 円313 億円差 +6.1%
10 年後から見ると 適正 価値 1,265 円332 億円 · 差 +6.1% · 期待の年率 +8.1%
期待の年率リターン(10 年)+8.1%資本コスト比 −0.6 pt
推定の資本コスト8.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

全保連は、賃貸住宅の入居者の家賃を家主に保証する専業の会社だ。入居者が滞納すれば立て替え、後で本人に請求する。筆者の結論は、今の値段は事業の価値に近い、というものだ。

稼ぐ力は上向いている。2026年3月期の営業利益は32億円で、3年前の1.7倍になった。2025年4月に三菱UFJニコスの公開買付けでMUFGの連結子会社になり、2027年3月期の営業利益予想は40億円へ引き上げられた。AIによる審査と回収の強化で、貸倒れの負担が軽くなっている。

強みは、全国5万8千拠点の協定会社網と、ROE20%台の軽い資本だ。一方、市場はすでに成熟している。保証会社を付けるのは賃貸の標準に近く、新規契約は年に26万件ほどと、2年続けて減速した。参入の壁は高くなく、料率は下がりやすい。

10年後の中立は、売上が約375億円、営業利益が約56億円、ROEは18.7%。強気はMUFGのカード連携と高齢者向けが育つ姿、弱気は料率の崩れと貸倒れの急増だ。確率を重ねた価値は、今の時価総額とほぼ等しい。

バリュー投資の観点から

事業の質と、資本の使い方を分けて見る。

事業の質は、悪くない。家賃の保証は、景気が悪くても住まいがある限り続く。回収率は96%を超え、AI審査で貸倒れの負担が減っている。軽い資本で、ROEが20%を超える。

ただ、成長の余地は限られる。保証会社の利用は標準に近づき、新規契約は2年続けて減速した。料率の相場は競争で下がりやすく、参入の壁も高くない。営業利益率が12%から17%へ上がる計画は、貸倒れの低下に頼っている。景気が悪くなれば、この改善は戻る。

資本の使い方は、堅実だ。無理な拡大を避け、利益の半分以上を配当に回す方針は、成熟した事業に合っている。親会社のMUFGが後ろにいることで、信用とカード連携の追い風が加わった。

安全域は、あまり大きくない。純資産は81億円で、時価総額の4分の1にすぎず、資産の裏づけは薄い。価値は稼ぐ力で測るしかない。筆者が見たいのは、貸倒れの低下が景気の悪化でも保たれるかと、親会社との関係が少数株主に不利にならないかだ。

何で稼ぐ会社か

全保連は、家賃債務保証の単一事業の会社だ。賃借人が家賃を払えなくなったとき、保証会社が家主に立て替えて払う。これを代位弁済といい、後で賃借人に請求して回収する。

収入は三つある。2026年3月期の売上262億円のうち、初回保証料が120億円で46%を占める。契約のとき、月額賃料の半分ほどを受け取る形が一般的だ。次が年間保証料の87億円(33%)。更新のたびに入る。三つ目が事務手数料や収納代行などのその他収入で54億円(21%)だ。

売り先は個人の入居者だが、集客の窓口は不動産会社だ。全国の管理会社や仲介会社と協定を結び、その拠点数は5万8千を超える。累計の保証契約は450万件に達した。営業の拠点は国内19カ所で、従業員は575名と少ない。

費用の中心は、代位弁済のうち回収できない分と、人件費、協定会社への手数料だ。30日以内に入金されず代位弁済に回る率は0.45%、立て替えた額の回収率は96.4%だった。審査と回収が、利益を左右する。

2026年2月には「三菱UFJカードプラン」を始めた。家賃をカードで払える形で、MUFGの顧客網を使って優良な入居者を取り込む狙いだ。

優良さと弱いところ

堀は、協定会社の網と、審査・回収のノウハウにある。ただ、強い堀ではない。

家賃債務保証に許認可は要らず、参入は形式上自由だ。国は2017年に登録制度を作ったが、登録は任意だ。会社も、保険会社やカード会社の参入をリスクに挙げている。全保連の強みは、5万8千拠点の協定会社と、長年の回収の実績だ。これは時間をかけた蓄積で、新規の参入者がすぐには真似できない。

値決めの力は弱い。保証料の相場は、初回が月額賃料の半分程度と決まっており、競争で下がる方向に動く。管理会社は複数の保証会社から選べる。

資本効率は高い。2026年3月期のROEは21.3%、営業利益率は12.1%。保証料を先に受け取る仕組みで、借入はほぼない。ただ、利益の半分以上を配当に回すので、自己資本が薄く保たれ、ROEが高く出る面もある。

経営は、守りに寄った。無理な売上の拡大を避け、低採算の取引先を解消する方針を掲げる。社長の茨木氏への依存を、会社自身がリスクに挙げている。2026年3月期には、退任取締役への退職慰労金6億円を特別損失にした。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

需要は、世帯の形が決める。国立社会保障・人口問題研究所の2024年推計では、単身世帯が総世帯に占める割合は、2050年に44%に達する。65歳以上の世帯のうち、単身の割合も、2020年の35%から2050年の45%に上がる。高齢で単身の入居者は、連帯保証人を立てにくく、保証会社の出番が増える。

一方、新しく建つ賃貸住宅は減っている。2026年3月期の賃貸住宅の新規着工戸数は、前年から13.5%減った。保証会社の利用はすでに標準に近く、新規契約は自然に増える余地が小さい。全保連の累計契約の増分は、2年前の30万件から26万件に減速した。

市場の大きさは、ある保証会社の推計で2024年に約2,500億円だ。公的な統計ではない。この会社の売上は262億円で、その1割ほどにあたる。

競争は三層だ。大手のカード会社や信販系は、自社の決済網を使う。独立系は協定会社の網で戦う。三つ目が保険会社の参入だ。保証料の相場は、初回が月額賃料の半分程度、以後は年1万円が多いが、この相場は競争で下がりやすい。

数量の物差しは、保有契約件数とする。今は約200万件と推定し、10年後の中立は235万件。1件あたりの売上は、物価で1.34倍になるところ、競争で1.22倍にとどまると置いた。

資本政策と M&A

還元は、累進配当が軸だ。長期経営計画の期間中は、配当を一定額以上か、配当性向50%以上の高いほうにし、減配しない。2026年3月期は総額10.5億円で、純利益の6割にあたる。2027年3月期の配当は、これを大きく上回る予想だ。自社株買いの方針は示されていない。

財務は、見かけ上は強い。現金は94億円で、借入はほぼない。ただ、この現金の大半は事業の約束だ。保証料を先に受け取って、毎期少しずつ収益にするため、前受けの分と預り金が負債にある。負債168億円は総資産の7割近くを占める。自己資本比率は32.5%だ。

2025年4月、三菱UFJニコスの公開買付けで、MUFGの連結子会社になった。買付価格は直前の終値に3割強のプレミアムを乗せた水準で、上場は維持された。親会社が持つ議決権の割合は、確認できていない。親子上場のため、少数株主の利益と親会社の都合が食い違うおそれはある。

希薄化は、過去20年に2025年3月期の一度だけだった。設備投資は小さく、2026年3月期は6億円弱で、営業キャッシュフローの1割ほどだ。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

強気の見方は、親会社の後ろ盾と、貸倒れの低下の定着に頼る。

2026年3月期の営業利益は32億円だったが、2027年3月期の予想は40億円に引き上げられた。第1四半期は営業利益が19%増え、営業利益率は14.4%から16.7%に上がった。会社の長期計画は、2030年3月期に営業利益63億円、ROE27%を掲げる。

MUFGの連結子会社になり、三菱UFJカードプランが始まった。カードと家賃の支払いが結びつけば、優良な入居者が集まり、貸倒れも減る。AI審査で求償債権の残高も減り、回収率は96.4%まで上がった。

需要は構造的に増える。単身世帯は2050年に44%に達し、高齢の単身者は連帯保証人を立てにくい。地銀との提携と事業用の保証も加わる。

10年後、保有契約が275万件に増え、営業利益率が19%に達すれば、営業利益は92億円になる。保証会社の網が全国に広がるほど、新規契約の1件あたりの費用は下がる。この筋書きの確率は7%とした。

慎重な見方

慎重な見方は、成熟した市場と、貸倒れの循環を指摘する。

新規契約は、累計の増分で30万件、29万件、26万件と減速した。賃貸住宅の新規着工も前年から13.5%減った。保証会社を付けるのは標準に近く、市場そのものは大きく伸びない。

参入の壁は低い。許認可は要らず、保険会社やカード会社が入ってくる。保証料の相場は競争で下がる方向にあり、料率が崩れれば、売上の46%を占める初回保証料が最初に傷む。

貸倒れは、景気で戻る。直近の改善は、優良先への絞り込みとAI審査の効果が大きい。ただ、不況になれば代位弁済は増え、回収率も下がる。営業利益率17%の計画は、この改善が続く前提だ。優良先に絞るほど、取引先の数と新規契約の件数は減り、売上の伸びが削られる。会社の予想の売上は、利益ほどは伸びない。

親子上場の問題もある。親会社の都合が少数株主の利益と食い違えば、価値は割り引かれる。2025年の公開買付けで大株主の持分が入れ替わり、株式の需給も変わった。社長への依存も、会社自身がリスクに挙げている。

どちらに重みを置いたか

結論は、今の値段は妥当圏、というものだ。確率を重ねた価値は約308億円で、時価総額310億円とほぼ等しい。

分かれ目は、直近の利益率の改善が、景気の悪化でも保たれるかだ。会社の予想(営業利益40億円)をそのまま10年伸ばせば、高い評価になる。しかし、貸倒れは循環し、料率は下がりやすい。10年の中立は、営業利益56億円、ROE18.7%と、足元より落ち着いた姿に置いた。

安全域は薄い。資産の裏づけは小さく、純資産は81億円と時価総額の4分の1だ。悲観の筋書きでも、事業の稼ぎが残り、価値は60億円ほどと見る。一方、ROEが20%を超えて続けば、価値は430億円を超える。

見るべき点は三つ。新規契約の件数、代位弁済率と回収率、そしてMUFGのカード連携が数字に出るかだ。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 1,994 円523 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 613 円161 億円)。 今の値に割り戻すと 1,265 円332 億円、今との差 +6.1%、 期待の年率 +8.1%(資本コスト 8.8%)→ 適正

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 3,859 円1,012 億円 877 円230 億円 +297.0% +14.8% 332 円87 億円
やや楽観 20% 3,008 円789 億円 782 円205 億円 +217.7% +12.3% 758 円199 億円
中立 38% 2,247 円589 億円 667 円175 億円 +144.3% +9.3% 1,107 円290 億円
やや悲観 24% 1,025 円269 億円 496 円130 億円 +27.5% +2.5% 365 円96 億円
悲観 11% 207 円54 億円 210 円55 億円 −65.0% −10.0% 46 円12 億円
加重平均100% 1,994 円523 億円613 円161 億円 +118.6% +8.1% 2,608 円684 億円

今の株価時価総額 1,193 円313 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。

楽観 7% MUFGのカード連携が育ち、営業利益率は19%に 利益 64 億円 · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 3,859 円1,012 億円

MUFGのカード連携と地銀提携が育ち、優良な入居者が集まる。保有契約は275万件に増え、高齢者向けと事業用の保証が加わる。AI審査で貸倒れは低く保たれ、営業利益率は19%に上がる。

料率は物価並みに上がり、1件あたりの売上は10年で1.34倍になる。利益の多くを配当に回し、10年の還元は230億円に達する。

営業利益は約92億円、純利益は約64億円で、ROEは23%。会社の長期計画をほぼ達成し、その先も伸びる姿だが、成熟した市場で料率を保ち続ける条件が要る。保証会社の市場は2024年で約2,500億円と小さく、ここまで伸びるには、他社から契約を奪い続ける必要がある。

  • 家賃債務保証:数量 275(保有契約件数(万件。推定))× 価格 17,546(1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準))→ 売上 483 億円・営業利益 92 億円。保有契約275万件、売上は物価並み、利益率19%

倍率:事業の純利益 64 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 23.0% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 15.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.7 倍。全体の PER 15.74 倍、時価総額 1,012 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:MUFGの連携、地銀提携、高齢者向けのすべてが育ち、貸倒れも低く保たれる必要がある。成熟した市場で、条件は厳しい。7%に置いた。

やや楽観 20% 営業利益率17%の計画に近づく 利益 51 億円 · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 3,008 円789 億円

カード連携と高齢者向けが着実に育ち、保有契約は255万件に増える。料率は競争で少し削られ、1件あたりの売上は1.28倍にとどまる。

貸倒れは低い水準を保ち、営業利益率は17%に上がる。会社の長期計画の営業利益率と同じ水準だ。この間に、協定会社の網は6万拠点を超え、電子申込も進んで、費用の増え方が売上の伸びより緩やかになる。

営業利益は約73億円、純利益は約51億円。ROEは21%で、今の水準が続く。還元は205億円になり、配当は純利益の4割から5割の間で増え続ける。会社の長期計画に近いが、そこまでは届かない姿だ。

  • 家賃債務保証:数量 255(保有契約件数(万件。推定))× 価格 16,760(1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準))→ 売上 427 億円・営業利益 73 億円。保有契約255万件、売上+28%、利益率17%

倍率:事業の純利益 51 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 21.4% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 15.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.5 倍。全体の PER 15.47 倍、時価総額 789 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:直近の営業利益率の改善は、MUFGの信用力とAI審査という構造的な理由がある。会社の長期計画に近い姿は十分ありうる。ただ、景気の悪化で戻る面もあるので、20%とした。

中立 38% 件数は緩やかに増え、料率が削られてROEは19% 利益 40 億円 · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 2,247 円589 億円

保有契約は235万件に増える。単身世帯と高齢者の増加が支えるが、賃貸の新規着工は減り、増え方は年1.6%ほどにとどまる。1件あたりの売上は、料率が競争で削られて1.22倍と、物価の1.34倍に届かない。

貸倒れの改善は一部が戻る。営業利益率は15%で、会社の計画の17%には届かない。還元は純利益の約6割の175億円に落ち着く。

営業利益は約56億円、営業利益率は15%。純利益は約40億円で、ROEは18.7%。高い水準だが、足元の21%よりは低い。堅実だが、驚きのない筋書きである。MUFGの連携は一定の効果を出すが、それが料率の下落を打ち消すほどではないと見る。

  • 家賃債務保証:数量 235(保有契約件数(万件。推定))× 価格 15,975(1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準))→ 売上 375 億円・営業利益 56 億円。保有契約235万件、売上+22%、利益率15%

倍率:事業の純利益 40 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.7% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.9 倍。全体の PER 14.92 倍、時価総額 589 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:需要は確かに増えるが、新規契約は減速し、料率は競争で下がりやすい。貸倒れの改善は一部が戻る。中立に最も近い姿として、38%に置いた。

やや悲観 24% 料率が下がり、名目の営業利益は10年横ばい 利益 26 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 1,025 円269 億円

競争で料率が下がり、1件あたりの売上は10年で1.12倍にとどまる。保有契約は215万件に増えるが、新規の着工が減り、伸びは鈍い。

貸倒れは平時の水準に戻り、景気の悪化の年には営業利益が大きく落ちる。営業利益率は11.5%と、足元より低い。協定会社への手数料と人件費は物価に合わせて増えるが、料率の低下で売上が追いつかない。

営業利益は約36億円で、今とほぼ同じ。名目では10年間ほぼ横ばいだ。純利益は約26億円、ROEは13.8%で、資本コストは上回るが、今の半分ほどの稼ぎだ。取引先の網は保たれるが、料率を競争で削られ、利益を物価に合わせて伸ばせない。

  • 家賃債務保証:数量 215(保有契約件数(万件。推定))× 価格 14,665(1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準))→ 売上 315 億円・営業利益 36 億円。保有契約215万件、売上+12%、利益率11.5%

倍率:事業の純利益は26億円、ROEは13.8%で資本コストを少し上回る。式の上限は約13.6倍。利益が足元の半分ほどに落ち、成長も鈍いので、上限の8割弱の10.5倍に置いた。

確率:競争で料率が下がり、貸倒れが平時の水準に戻る姿は、十分ありうる。参入の壁が低い事業なので、24%とした。

悲観 11% 料率の崩れと貸倒れの急増で、利益が細る 利益 7 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 207 円54 億円

構造的に負ける。保険会社やカード会社が入り、料率が崩れて、1件あたりの売上は10年で上がらない。景気の悪化で代位弁済が急増し、回収率も下がる。

保有契約は180万件に減り、営業利益率は4%に落ちる。親会社の都合で取引の見直しが入る可能性もあり、自己資本は約30億円削られる。

営業利益は約9億円、純利益は約7億円。配当は大きく減り、還元は55億円にとどまる。残る価値は、協定会社の網と回収の力で稼ぐ小さな利益だ。債務の重さはないので、倒れはしないが、稼ぐ力は大きく損なわれ、ROEも資本コストを下回る。

  • 家賃債務保証:数量 180(保有契約件数(万件。推定))× 価格 13,094(1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準))→ 売上 236 億円・営業利益 9 億円。保有契約180万件、売上据え置き、利益率4%

倍率:純利益7億円、ROEは4.9%で資本コスト8.75%に届かない。ためた利益は額面ほどの価値がなく、倍率は資本コストの逆数の約11.4倍が上限。成長がなく、親会社の都合も絡むので、上限の7割にあたる8.0倍に置いた。

確率:家賃の保証は景気が悪くても続く事業で、構造的に負ける可能性は低い。ただ、料率の崩れと貸倒れの急増が重なる姿は否定できない。11%に置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

家賃債務保証

賃貸住宅の入居者の家賃を家主に保証し、滞納時に立て替える。初回保証料、年間保証料、事務手数料や収納代行などを受け取る。

数量保有契約件数(万件。推定)価格1件あたり年間売上(円。売上÷保有契約。物価で10年に1.34倍が中立の基準)売上営業利益
今 2026/03 200 13,094 262 32
10 年後 中立 235 15,975 375 56

取り方:2026年3月期の実績。売上261.9億円、営業利益31.7億円(利益率12.1%)。保有契約件数は開示されず、2024年3月期の193.6万件に、累計の契約が年26万件増えたことを重ね、約200万件と推定した。1件あたり約1.3万円は、売上を件数で割った値。

リスクと懸念

貸倒れの循環

代位弁済は景気の悪化で増える。直近は30日以内の代位弁済率が0.45%、回収率が96.4%と良好だが、不況ではこれが戻る。求償債権は売上の22.5%あり、回収が遅れると引当が膨らんで利益を削る。

料率の下落と競争

保証料の相場は競争で下がる方向にある。許認可は不要で、保険会社やカード会社が入ってくる。初回保証料が売上の46%を占めるので、料率が1割下がれば、利益への影響は大きい。

新規契約の減速

累計契約の増分は、30万件、29万件、26万件と減っている。賃貸住宅の着工も13.5%減った。件数が伸びない中で、低採算先を解消する方針は、売上の伸びを抑える。

親会社との関係

三菱UFJニコスの買付けで、MUFGの連結子会社になった。後ろ盾は信用になるが、親会社の事業の都合で、取引先の絞り込みや配当の方針が変わるおそれがある。少数株主の利益と食い違う可能性もある。

経営者と制度への依存

社長の茨木氏への依存を、会社自身がリスクに挙げている。家賃債務保証は2017年に登録制度ができ、2025年10月に改正された。規制が強まれば、遵守の費用や料率の制約が増える。

システムと情報の事故

システム障害や情報漏洩は、会社が影響度「大」と評価するリスクだ。電子申込が41.4%に増え、AI審査も使うので、事故が起きたときの影響は広がる。

今後の分かれ目

30日以内の代位弁済率が、0.6%を超えて上がった
貸倒れの改善が戻り始めた合図だ。営業利益率の計画を割り引き、慎重な筋書きの確率を上げる。
新規契約の件数が、年30万件を超えて戻った
三菱UFJカードプランや地銀提携が数字に出た証拠だ。強気の確率を上げる。
営業利益率が、17%を超える年が続いた
長期計画の営業利益63億円が現実味を帯びる。中立と強気の確率を上げる。
初回保証料の1件あたり収入が、前年を下回った
料率の下落が表に出た合図だ。競争の激化として、慎重な筋書きの確率を上げる。
親会社が、完全子会社化のための公開買付けを発表した
価格が付く可能性がある。ただし、価格が事業の価値を反映しているかを確かめる。
賃貸住宅の着工が、さらに1割以上減った
新規契約の自然増が細る合図だ。数量の置き方を下げる。

見ておくもの

  • 新規契約の件数(累計の増分)と、保有契約件数
  • 30日代位弁済率と、代位弁済の回収率
  • 営業利益率(17%への道筋)
  • 初回保証料と年間保証料の1件あたり収入
  • 三菱UFJカードプランの契約数と、地銀提携の数
  • 賃貸住宅の新規着工戸数

倍率と資本コストの決め方

本稿は時価から出発していない。起点は2026年3月期の実績で、売上262億円、営業利益32億円だ。会社の2027年3月期の予想(営業利益40億円、純利益28億円)は、第1四半期の好調を受けた上方修正の直後なので、起点に置かなかった。10年後の中立は営業利益56億円と、予想の40億円を物価並みに伸ばした姿だ。

倍率は、収益から決めた。ROEが資本コストを大きく上回る筋書きでは、式の上限の9割弱に置き、ROEが落ちる筋書きは8割弱に置いた。他社や過去の倍率は、判断に使っていない。

資本コストは8.75%とした。同じ保証の領域のイー・ギャランティは8.5%。こちらは親子上場で、貸倒れも景気に動くので、0.25ポイント高い。

保有契約の約200万件は、2024年3月期の193.6万件から推定した値で、開示された最新の数ではない。1件あたりの売上約1.3万円は、売上を件数で割った平均だ。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 14.3→15.74 倍・やや楽観 PER 13.8→15.47 倍・中立 PER 12.8→14.92 倍)。

資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality 1.25% を足した。親会社との関係や貸倒れの急増など個別の事情は、筋書きと確率で表した。

同じ業種(その他金融業)の AI 分析

割安 中道リース8594 北海道の中小企業に設備を貸す地場のリース会社。稼ぐ力は資本コストに少し届かないが、今の値段はそれを大きく下回る 本質価値との差 +49.6% · 10 年 割安(年 +12.5%) 割安 インテグラル5842 日本の中堅企業を買って育てる PE の運用会社。利益の大半は売却時の成功報酬で、年ごとに大きく動く。10 年で見ると値打ちは今の値段をやや上回るが、安全域は厚くない 本質価値との差 +44.9% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 ジェイリース7187 家賃保証の独立系大手。件数と利益は急伸したが、利益率は貸倒れ次第で振れ、借入も増えた。今の値段はやや安い 本質価値との差 +35.8% · 10 年 割安(年 +11.0%) 割安 アサックス8772 首都圏の不動産担保ローン専業。貸倒れがほぼ無く自己資本比率も4割だが、資本を抱え込みROEは7%台。金利上昇の転嫁が10年の分かれ目 本質価値との差 +35.6% · 10 年 割安(年 +11.0%) 割安 プレミアグループ7199 中古車ローンと故障保証を束ねる独立系。伸びは本物だが、借金と中古車一本足が安全域を削る 本質価値との差 +31.7% · 10 年 割安(年 +10.4%) やや割安 全国保証7164 銀行の住宅ローンに保証をつけて稼ぐ独立系。利益の安定に比べ、今の値段は安いと筆者は見る 本質価値との差 +28.5% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 クレディセゾン8253 カードに頼らない稼ぎ方へ変わりつつあるが、借金の重さが安全域を削る。事業の力に対して値段は低い 本質価値との差 +28.1% · 10 年 やや割安(年 +9.8%) やや割安 みずほリース8425 みずほ・丸紅・日鉄興和不動産を株主に据え、リースから不動産と海外へ軸足を移す。借金が仕入れの薄利の商売で、利ざやの守り方が値打ちを決める 本質価値との差 +23.6% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 オリックス8591 法人営業・不動産・事業投資・環境エネルギー・金融を束ねる複合金融グループ。中計ROE11%は道半ばで、今の株価は新中計の実行をかなり素直に織り込む水準 本質価値との差 +19.3% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) やや割安 東京センチュリー8439 航空機と海外に厚みのある独立系総合リース。中計2030の利益倍増は7割強の達成と見て、10年の価値は今の時価総額とほぼ釣り合う 本質価値との差 +17.6% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 ニッポンインシュア5843 福岡発の家賃保証会社。回収の腕で高い利益率を保つが、初回の件数は横ばいで、現金を株主に返す気配は薄い 本質価値との差 +16.2% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 Casa7196 独立系の家賃保証。引当の見積りを外して赤字になり、回復は遅い。今の値段はほぼ見合う 本質価値との差 +16.1% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 芙蓉総合リース8424 みずほ系の総合リース。再エネ債権の失敗で利益が沈んだ今期を、傷が癒える前の底と見るか、体質の表れと見るかが分かれ目 本質価値との差 +14.6% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) やや割安 ネットプロテクションズホールディングス7383 後払いの老舗が、企業間決済と分割払いで利益の柱を替えつつある。ただし料率の下落が利益を削る 本質価値との差 +12.8% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 NECキャピタルソリューション8793 NEC の販売金融から SBI 新生銀行の持分法会社へ。自己資本比率 10% を切る薄い資本で稼ぐ、小さなリース会社 本質価値との差 +11.8% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) やや割安 九州リースサービス8596 地方銀行系のリースと不動産の二刀流。低い調達コストが武器だが、金利上昇で利ざやが試される。10 年で見ると適正の範囲 本質価値との差 +10.8% · 10 年 やや割安(年 +8.5%) 適正 三菱HCキャピタル8593 航空機・エンジン・コンテナのグローバルリースで稼ぐ総合リース最大手。2028中計は前回の目標が半分しか埋まらなかった実績の延長で見る 本質価値との差 +6.0% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 SBIアルヒ7198 フラット35の件数で首位を守る専業。稼ぎの回復を織り込んでも、今の値段はほぼ適正とみる 本質価値との差 +5.7% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 フィンテック グローバル8789 事業承継ファンドで稼ぐ軽い投資銀行。足元の純利益は一過性を含み、繰り返せる実力は営業利益で37億円前後と見る。今の値段はやや高い 本質価値との差 +3.3% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 日本証券金融8511 日本で唯一の証券金融会社。独占の地位は本物だが、市況の山にいる利益に今の値段はほぼ見合っている 本質価値との差 +3.2% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 イントラスト7191 家賃保証と医療・介護の費用保証の会社。ROEは20%台で増配も続くが、売上の6割強が一つの取引先に偏る。今の値段はほぼ適正と見る 本質価値との差 +2.3% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 日本モーゲージサービス7192 中小の工務店にフラット35と住宅かし保険をまとめて売る会社。住宅の着工は細るが、顧客の工務店への入り込みで稼ぐ力は保つ。値段はおおむね妥当 本質価値との差 +1.6% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 ジャックス8584 金利の上昇で利ざやが削られ、稼ぐ力が細る信販会社。MUFG の後ろ盾はあるが、値段はやや高め 本質価値との差 −1.6% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 NEXYZ.Group4346 中小企業に省エネ設備を月払いで入れる仕組みが、地銀・信金の紹介で伸びる。ただ解約と貸倒れの重みは過去に一度会社を傾けた。値段はやや高い 本質価値との差 −3.0% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 オリエントコーポレーション8585 車と分割払いを支える老舗の信販会社。利益は薄く借金は重い。みずほ・アイフル・物言う株主の動きが焦点 本質価値との差 −5.2% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 アコム8572 金利の上限規制と貸し倒れの循環の中で、10 年の価値は今の値段を約 2 割下回る 本質価値との差 −9.4% · 10 年 適正(年 +6.3%) やや割高 Jトラスト8508 日本の保証が稼ぎ、アジアの銀行が足を引く。10 年の価値は今の時価総額を 3 割ほど下回る 本質価値との差 −17.5% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 イオンフィナンシャルサービス8570 イオン経済圏とアセアンで稼ぐが、資本の薄さと低い ROE が重い。事業の力に対して今の値段は高め 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 イー・ギャランティ8771 会社間の売掛金に保証をつける軽い資本の会社。事業は良いが、料率の下落に比べて今の値段は高いと筆者は見る 本質価値との差 −24.2% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ヒロセ通商7185 個人向けFXの中堅で利益率は高いが、スプレッド競争と規制の影響を受ける。利益を内部にためて自己資本が膨らむ形で、今の値段は10年の価値を3割ほど上回り割高 本質価値との差 −24.7% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 日本取引所グループ8697 国内現物・デリバティブ・清算をほぼ独占する取引所インフラ。今の株価は中計目標超えの好決算が続く前提をすでに大きく超えて織り込む水準 本質価値との差 −25.4% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 リコーリース8566 ベンダーリースで中小企業を支える堅実な会社。ただ ROE が資本コストに届かず、10 年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −25.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) 割高 信金中央金庫8421 上場しているのは定額配当の優先出資。金庫がいくら稼いでも持ち主の取り分は増えにくく、今の値段は高い 本質価値との差 −54.8% · 10 年 割高(年 −2.6%) 割高 山田再生系債権回収総合事務所4351 債権回収と、創業家の司法書士法人への事務の派遣で稼ぐ小さな会社。本社の費用が稼ぎをほぼ食い、ROEは2%。今の値段は割高 本質価値との差 −81.7% · 10 年 割高(年 −9.4%)

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読んだ資料

  1. 全保連 有価証券報告書(2026年3月期)の要点
  2. 全保連 2027年3月期 業績予想の修正(2026-07-29)
  3. 国土交通省 家賃債務保証業者登録制度の資料

分析日 2026-10-16