結論
オリックスは法人営業・輸送機器リース、不動産、事業投資・コンセッション、環境エネルギー、保険、銀行・クレジットという性質の異なる事業を10前後のセグメントで束ねる、「その他金融業」の中でも唯一の総合金融コングロマリットである。単一の需要単位に落とし込めないため、ここではセグメントごとに投下資産残高×セグメント資産利益率(ROA)で積み上げ、環境エネルギーだけは発電設備容量(GW)という実物の数量で見た。2026〜2028年度の新中期経営計画はROE11%・信用格付A格維持を掲げ、2035年の長期ビジョンではROE15%を視野に入れる。短期金利が2%へ上がる過程は、リース・銀行の利ざやを構造的に広げる追い風になる一方、事業投資・コンセッションの利益にはGreenko(インド再エネ)株式売却のようなキャピタルリサイクリングの一時益が相当含まれており、ここでは正常化した水準を土台に置いた。資本コストは基本の7.5%に、循環・寿命の調整+0.25%を足した7.75%とし、個別のリスク(海外M&Aの実行力・ガバナンス・事業ポートフォリオの入れ替え)はkに足さず、確率と筋書きの幅に反映した。倍率は利益ベースの正当化 PER で決め、今の利益はそのまま残り、資本コスト7.75%を超える稼ぎが薄れるのは新しく投じるお金(RONIC は超える分の半分)だけとみて、売却益の時期で振れる利益の質に合わせて上限の 7.8 割に置いた。自己資本は今の値+期間の純利益−還元で流してROEを結果として出した。結果、中立シナリオでは10年後のROEが新中計・長期ビジョンの目標に届かず、今の株価にほぼ沿う水準にとどまり、楽観側でようやく明確に上回る。中立は 10 年後に ROE 10.0%・PER 11.7 倍(PBR 1.18 倍)。今の株価は、新中期経営計画の実行とキャピタルリサイクリングの継続をかなり素直に織り込んだ値段で、10 年の本質価値は今の時価総額より約 4% 高く、「適正」と見る。
バリュー投資の観点から
オーナー利益の面では、法人営業・輸送機器リースという安定した事業が生むキャッシュフローを、事業投資・コンセッションや環境エネルギーといったリターンの高い分野へ再投資し続けてきた資本配分は、バリュー投資の観点では評価できる。ロベコ・DHCの買収やGreenkoの段階的な売却は「買って育てて売る」という経営の型が一度きりでなく繰り返し機能してきたことを示しており、堀の広さというより「資本配分の規律」そのものが堀になっている稀有な会社である。一方で、事業の数が多いために個々の事業の競争優位性は銀行・保険・リースの専業他社に比べて相対的に薄く、海外PE・インフラ投資は自社で制御できない政治・経済リスクを抱える。最後の安全域の判断では、今の株価は新中期経営計画のROE11%目標の実行とキャピタルリサイクリングの継続をかなり素直に織り込んだ値段になっており、2035年の長期ビジョンROE15%の実現まで買われている部分は限られる。この「まだ買われ切っていない長期の伸び」こそが、この会社を評価するうえでの核心だと見る。
何で稼ぐ会社か
法人営業・輸送機器リースが創業以来の中核で、国内外の法人向けOA機器・自動車・医療機器のリース・レンタルと、航空機・船舶・コンテナ等の輸送機器リースを担う。不動産はオフィス・商業施設・ホテル・リゾートの開発・賃貸・運営と、上場・私募の不動産投資法人の資産運用を行う。事業投資・コンセッションは未上場企業へのプライベートエクイティ出資、空港・水事業などの公共施設運営権(コンセッション)、化粧品・健康食品のDHC(2022年、事業承継目的で約3,000億円で買収)のような事業承継型M&Aを担い、「買って育てて売る」キャピタルリサイクリングを繰り返す。環境エネルギーは国内外の太陽光・風力・バイオマス発電と電力小売を、保険は生命保険の引受と資産運用を、銀行・クレジットはインターネット銀行のオリックス銀行と信用金庫向けの業務支援を担う。2013年に買収した欧州の資産運用大手ロベコ(Robeco)は資産運用の海外拠点として、海外のPE・リース・事業投資とともにグループの国際展開を支えている。性質の異なる事業を一つの経営の型(資産を買い、育て、売り、再投資する)でつなぐのがオリックスの事業構造である。
優良さと弱いところ
最大の強みは、単一事業の循環に依存しない多角化そのものにある。法人営業・輸送機器リースの安定したキャッシュフローが、事業投資・コンセッションや環境エネルギーといったブレの大きい事業への再投資の原資になり、どれか一つの事業が沈んでも他の事業が支える構造になっている。「買って育てて売る」キャピタルリサイクリングを長年実行してきた実績(ロベコ・DHCなどの買収、Greenkoなどの売却)は、資本配分の規律という点で評価できる。信用格付A格の維持を新中期経営計画の重要指標に掲げている点も、拡大一辺倒ではなく財務の健全性を保つ姿勢の表れである。弱点は、事業の数が多いだけに経営の目が届きにくい部分が生まれやすく、海外PE・インフラ投資は現地の政治・経済情勢という自社では制御できないリスクを抱える点である。単純な自己資本比率は25%で、過去に2度の希薄化(2010年・2013年)を経験しており、リーマン・ショック時には不動産・PE投資の評価損とリースの貸倒増で純損益が急減した実例がある。多角化は分散にはなるが、無敵ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
「その他金融業」の中でオリックスは唯一の総合金融コングロマリットで、直接の同業は少なく、事業ごとに三菱HC・三井住友ファイナンス&リース(リース)、総合商社・独立系PEファンド(事業投資)、電力会社・再エネ専業(環境エネルギー)、メガバンク・ネット銀行(銀行・クレジット)と競合する。短期金利が2%へ上がる過程は、リース・銀行の調達コストが先に上がり、貸出・リース料率への転嫁は後から追いつくため、2〜3年は利ざやが薄くなりやすいが、その後は緩やかに改善する。環境エネルギーは、再エネ導入目標に沿って設備容量が拡大する一方、FIT(固定価格買取)の優良案件の比重が下がるほど卸電力価格に近い単価に近づき、ここが長期の収益性を左右する。事業投資・コンセッションは株式市場・M&A市況次第でブレが大きく、Exit(売却)が続く局面では一時益が積極的に業績を押し上げるが、市況が悪化すれば評価損が逆に効く。2026年4月の新中期経営計画はROE11%・AUM(運用資産)を63兆円から100兆円規模へ拡大する計画を掲げ、資本効率性が低い事業・資産はキャピタルリサイクリングで回転を速める方針を明確にしている。2035年の長期ビジョンROE15%は、多角化モデルが「日本版バークシャー型」として機能し続けられるかという、より長い時間軸の試金石になる。
資本政策と M&A
2026年5月、好調な2026年3月期決算(最終利益27%増)と同時に、上限9.1%(約1億株)・2,500億円という大規模な自社株買い(2026年5月22日〜2027年3月31日)を発表した。株主優待は廃止済みで、累進的な配当方針と自社株買いを組み合わせた株主還元に軸足を置いている。M&Aはロベコ(2013年、欧州の資産運用大手を約2,400億円で買収)、DHC(2022年、事業承継目的で約3,000億円で買収)という形で事業の軸を広げてきた一方、Greenko(インドの再生可能エネルギー会社)の段階的な株式売却のように、資本効率の低い事業・資産を売ってより成長性の高い分野(次世代エネルギーのAM Greenへの再投資など)へ資金を回すキャピタルリサイクリングを常態的に実行している。多角化コングロマリットとして自らが買収対象になる可能性は実質的に低く、再編の主体として事業ポートフォリオの入れ替えを続ける立場にある。
還元の点検(P3 2026-10-19):2,500億円の自社株買いのうち、期末(1,098.6百万株)から8/31(1,083.6百万株)の株数減(約15百万株分で約830億円と推定)は実行ずみで株数に反映ずみ。二重なので全筋書きの還元から830億円(推定)除いた(純資産は据え置き)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
短期金利が2%へ向けて上がる過程で、法人営業・輸送機器リースと銀行・クレジットの利ざやは構造的に拡大し、リース料率の改定は銀行の貸出より速いため、他の金融機関より早く恩恵が効く。事業投資・コンセッションでは、Greenkoの段階的な株式売却に続くキャピタルリサイクリングが途切れず、売却益と再投資先の成長が二重に業績を押し上げる。環境エネルギーは設備容量が新中期経営計画の想定より前倒しで拡大し、AUM(運用資産)を63兆円から100兆円規模へ拡大する計画も、ロベコ・DHCのような事業承継型M&Aを機動的に積み重ねれば十分に射程に入る。2026年5月に発表した上限9.1%・2,500億円の自社株買いは、経営が自社の株価を割安と見ている強いシグナルであり、資本配分の規律が改善を続けている証拠でもある。信用格付A格を維持しながらROEを高める新中期経営計画の目標は、過去に何度も「買って育てて売る」を実行してきた実績を踏まえれば、2035年の長期ビジョンROE15%に向けて前倒しで届く可能性がある。多角化は弱さではなく、一つの事業の循環に縛られずに資本を最も高いリターンの先に動かせる強さである。
慎重な見方
短期金利が2%まで上がる過程は、法人営業・輸送機器リースと銀行・クレジットの調達コストを先に押し上げ、貸出・リース料率への転嫁が追いつくまでの2〜3年は利ざやが薄くなる。事業投資・コンセッションの好業績はGreenkoの株式売却のような一時的なキャピタルリサイクリング益に大きく依存しており、Exit(売却)できる優良案件が尽きれば業績のブレが一気に下に出る。海外のPE・インフラ投資は政治・経済リスクという自社で制御できない要素を抱え、資産獲得競争が激しくなれば割高な買収で価値を壊す可能性もある。環境エネルギーはFIT(固定価格買取)の優良案件の比重が下がるほど卸電力価格に収益が近づき、設備容量が拡大しても単価の低下で利益が思うように伸びない。単純な自己資本比率は25%と低めで、過去に2度の希薄化を経験し、リーマン・ショック時には不動産・PE投資の評価損とリースの貸倒増で純損益が急減した実例もある。10年という長さで見れば、国内の法人営業・リース・銀行の縮小を海外・PE・インフラの拡大で補い続けられるかは、本質的に不確かである。今の株価は新中期経営計画のROE11%目標の達成とキャピタルリサイクリングの継続をすでに織り込んでおり、Exitの弾が尽きるだけで割高に見える値段である。
どちらに重みを置いたか
金利正常化が構造的に効くという点と、「買って育てて売る」資本配分の実績という点では強気の見方に分があるが、事業投資の利益が一時益に依存しやすい点と、海外PE・インフラの政治・経済リスクという点では慎重な見方の指摘も軽くない。確率は新中期経営計画の期間中であることを踏まえ中立に最も重みを置き、過去に繰り返しキャピタルリサイクリングを実行してきた経営の実行力を踏まえて楽観側をやや厚めに、ただしリーマン級の信用収縮とExitの弾切れという悲観の尾も相応に残した。新しく投じるお金の稼ぎだけが薄れる利益ベースの PER を上限の 8 割に置いて引き直しても、10 年の本質価値は今の時価総額より約 4% 高い「適正」で、上振れは楽観側の実行に頼る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 10,062 円10.90 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 3,058 円3.31 兆円)。 今の値に割り戻すと 6,875 円7.45 兆円、今との差 +19.3%、 期待の年率 +8.6%(資本コスト 7.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 26,520 円28.74 兆円 | 6,236 円6.76 兆円 | +468.2% | +19.0% | 3,931 円4.26 兆円 |
| やや楽観 | 23% | 14,552 円15.77 兆円 | 4,097 円4.44 兆円 | +223.5% | +12.5% | 4,289 円4.65 兆円 |
| 中立 | 32% | 9,161 円9.93 兆円 | 3,034 円3.29 兆円 | +111.5% | +7.8% | 3,902 円4.23 兆円 |
| やや悲観 | 21% | 1,917 円2.08 兆円 | 1,574 円1.71 兆円 | −39.4% | −4.9% | 733 円7,945 億円 |
| 悲観 | 12% | 1,655 円1.79 兆円 | 551 円5,970 億円 | −61.7% | −9.2% | 265 円2,868 億円 |
| 加重平均 | 100% | 10,062 円10.90 兆円 | 3,058 円3.31 兆円 | +127.6% | +8.6% | 13,120 円14.22 兆円 |
今の株価時価総額 5,765 円6.25 兆円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:長期ビジョンを前倒しで達成 利益 15,069 億円 · PER 19.1 倍 · 株価時価総額 26,520 円28.74 兆円
10年の間に、法人営業・輸送機器リースと銀行・クレジットは海外展開も含めて資産を大きく積み上げ、利ざやも金利正常化の定着で安定して高い水準になる。事業投資・コンセッションはExitと再投資を繰り返すキャピタルリサイクリングが経営の型として定着し、資産とROAの両方が改善する。環境エネルギーは設備容量が倍増し、高採算の次世代エネルギー案件が主体になる。2035年に掲げる長期ビジョンのROE15%を前倒しで達成・上回り、「日本版バークシャー型」の多角化モデルが本質的に正しかったことが示される10年になる。
- 法人営業・輸送機器リース:数量 4.8(投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計))× 価格 7.5%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 3,590 億円・営業利益 3,590 億円。海外展開も含めリースの資産が大きく積み上がる
- 不動産:数量 1.8(投下資産残高(兆円))× 価格 8.0%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,434 億円・営業利益 1,434 億円。AM事業が運用資産主導で拡大
- 事業投資・コンセッション:数量 2.7(投下資産残高(兆円))× 価格 16.0%(セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後))→ 売上 4,373 億円・営業利益 4,373 億円。Exitを繰り返すキャピタルリサイクリングが定着し資産も利益率も上がる
- 環境エネルギー:数量 10.8(稼働中発電設備容量(GW))× 価格 280(設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW))→ 売上 3,027 億円・営業利益 3,027 億円。設備容量が倍増し高採算案件が主体になる
- 保険:数量 4.6(投下資産残高(兆円))× 価格 4.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 2,226 億円・営業利益 2,226 億円。海外保険事業の拡大で資産が増える
- 銀行・クレジット:数量 5.0(投下資産残高(兆円))× 価格 1.6%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 803 億円・営業利益 803 億円。預金・貸出基盤が拡大し利ざやも定着
倍率:事業の純利益 15,069 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 20.3% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 14.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.1 倍。全体の PER 19.07 倍、時価総額 287,366 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2035年の長期ビジョンROE15%を前倒しで達成・上回る上振れ。10年という長さを考えて重みをやや増やした。
やや楽観 23% やや楽観:長期ビジョンにほぼ届く 利益 9,442 億円 · PER 16.7 倍 · 株価時価総額 14,552 円15.77 兆円
法人営業・輸送機器リースの資産が着実に拡大し、事業投資・コンセッションも新興国・PE投資を中心に積み上がる。環境エネルギーは設備容量の拡大が続くが、FIT(固定価格買取)の優良案件の比重が下がり続けるため1GWあたりの利益は緩やかに下がり、容量拡大がそれを補う形になる。保険の海外展開も順調に進み、2035年の長期ビジョンが掲げるROE15%にほぼ届く水準まで資本効率が改善する。多角化による分散の効果と、キャピタルリサイクリングという経営の型が機能し続ける標準的な強気の10年になる。信用格付A格を維持しながらの成長という新中期経営計画の方向性が、10年を通じて裏切られない姿である。
- 法人営業・輸送機器リース:数量 4.3(投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計))× 価格 6.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 2,940 億円・営業利益 2,940 億円。リース資産が着実に拡大
- 不動産:数量 1.6(投下資産残高(兆円))× 価格 7.2%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,157 億円・営業利益 1,157 億円。AM資産が順調に拡大
- 事業投資・コンセッション:数量 1.9(投下資産残高(兆円))× 価格 11.5%(セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後))→ 売上 2,176 億円・営業利益 2,176 億円。新興国・PE投資が着実に積み上がる
- 環境エネルギー:数量 8.9(稼働中発電設備容量(GW))× 価格 240(設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW))→ 売上 2,143 億円・営業利益 2,143 億円。設備容量が着実に拡大
- 保険:数量 4.2(投下資産残高(兆円))× 価格 4.2%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,746 億円・営業利益 1,746 億円。資産運用環境が良好
- 銀行・クレジット:数量 4.5(投下資産残高(兆円))× 価格 1.3%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 581 億円・営業利益 581 億円。利ざや改善と資産拡大が両立
倍率:事業の純利益 9,442 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.6% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.7 倍。全体の PER 16.7 倍、時価総額 157,681 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:長期ビジョンのROE15%にほぼ届く、素直な強気の形。
中立 32% 中立:順調だが長期ビジョンには一歩届かない 利益 6,762 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 9,161 円9.93 兆円
AUM(運用資産)を63兆円から100兆円規模へ拡大する計画は概ね進み、法人営業・銀行は金利正常化の定着で利ざやが構造的に拡大する。事業投資・コンセッションは資産が年率5%程度で積み上がる。環境エネルギーは設備容量が10年で1.7倍程度に拡大する一方、卒FIT案件の比重が上がり続けるため、1GWあたりの利益は物価上昇分だけ上がらず、卸電力価格に近づいた水準まで下がる。資産量の拡大と単価の低下が打ち消し合い、ROEは11%台半ばまで改善するが、2035年の長期ビジョンが掲げるROE15%にはまだ届かず、「順調だが野心的な目標には一歩届かない」という10年になる。
- 法人営業・輸送機器リース:数量 4.0(投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計))× 価格 6.2%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 2,451 億円・営業利益 2,451 億円。名目経済並みの資産拡大とリース料率改定が定着
- 不動産:数量 1.4(投下資産残高(兆円))× 価格 6.6%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 938 億円・営業利益 938 億円。AM事業中心に緩やかに拡大
- 事業投資・コンセッション:数量 1.7(投下資産残高(兆円))× 価格 9.5%(セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後))→ 売上 1,627 億円・営業利益 1,627 億円。資産年率5%の積み上げが続く
- 環境エネルギー:数量 8.0(稼働中発電設備容量(GW))× 価格 210(設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW))→ 売上 1,678 億円・営業利益 1,678 億円。設備容量が計画線で拡大しFIT終了で単価はやや下がる
- 保険:数量 3.8(投下資産残高(兆円))× 価格 3.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,458 億円・営業利益 1,458 億円。既契約の入れ替わりで運用利回りが緩やかに改善
- 銀行・クレジット:数量 4.0(投下資産残高(兆円))× 価格 1.2%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 465 億円・営業利益 465 億円。預貸ざやの構造的拡大が定着
倍率:事業の純利益 6,762 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.0% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.68 倍、時価総額 99,266 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:AUMを63兆円から100兆円規模へ拡大する計画が概ね進むが、長期ビジョンのROE15%には届かない中心シナリオ。
やや悲観 21% やや悲観:改善ペースが鈍る 利益 2,684 億円 · PER 7.7 倍 · 株価時価総額 1,917 円2.08 兆円
国内の法人営業・銀行は人口減少と企業の内部留保志向で資産拡大が鈍り、事業投資・コンセッションの新興国・海外PEの伸びも鈍る。環境エネルギーはFIT終了の影響が想定より大きく、卸電力価格の軟化も重なって1GWあたりの利益が大きく下がる。保険・不動産のアセットマネジメントも資産拡大の鈍化で手数料収益が伸び悩み、銀行・クレジットも貸倒コストの循環で利ざや改善の効果が相殺される。国内事業の縮小を海外・PE・インフラの拡大で十分に補えず、ROE改善のペースが新中期経営計画・長期ビジョンの想定より明確に鈍る10年になる。
- 法人営業・輸送機器リース:数量 3.4(投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計))× 価格 5.2%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,766 億円・営業利益 1,766 億円。国内中心に資産拡大が鈍る
- 不動産:数量 1.2(投下資産残高(兆円))× 価格 5.0%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 587 億円・営業利益 587 億円。不動産市況の波で資産拡大が止まる
- 事業投資・コンセッション:数量 1.2(投下資産残高(兆円))× 価格 6.0%(セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後))→ 売上 694 億円・営業利益 694 億円。新興国・海外PEの伸びが鈍る
- 環境エネルギー:数量 6.1(稼働中発電設備容量(GW))× 価格 160(設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW))→ 売上 978 億円・営業利益 978 億円。FIT終了の影響が大きく単価が下がる
- 保険:数量 3.2(投下資産残高(兆円))× 価格 2.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 895 億円・営業利益 895 億円。資産拡大が鈍る
- 銀行・クレジット:数量 3.2(投下資産残高(兆円))× 価格 0.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 259 億円・営業利益 259 億円。貸倒コストの循環で利ざや改善が相殺される
倍率:事業の ROE 4.3% が k 7.75% 以下なので PER は 1÷k=12.9 倍まで。事業投資の売却市況が冷え、ROE が 4% に落ちる年。ROE が k に届かず、ためた利益は額面の価値に届かないので、上限の 6 割に置く。(上限の約 60% の 7.7 倍)
確率:国内のリース・法人金融の縮小を海外・PE・インフラで十分に補えず、ROE改善が鈍る。
悲観 12% 悲観:多角化モデルが機能しない構造的な負け筋 利益 544 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 1,655 円1.79 兆円
国内の法人営業・リース・銀行が構造的に縮小する一方、それを補うはずの海外・PE・インフラ投資で、資産獲得競争での割高買いや海外M&Aの失敗が重なり、期待したリターンを生まない。環境エネルギーも卒FIT後の卸電力低迷が長引き、1GWあたりの利益が下がったまま戻らず、設備投資の回収も遅れる。保険・不動産も資産の入れ替えが進まず運用効率が上がらない。2035年の長期ビジョンROE15%はおろか、新中期経営計画のROE11%にも届かないまま10年が過ぎ、「日本版バークシャー型」の多角化モデルが機能しなかったことが明らかになる、構造的な負け筋の10年になる。
- 法人営業・輸送機器リース:数量 2.9(投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計))× 価格 4.0%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 1,174 億円・営業利益 1,174 億円。国内リース・法人金融が構造的に縮小し海外で補えない
- 不動産:数量 1.0(投下資産残高(兆円))× 価格 3.5%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 346 億円・営業利益 346 億円。不動産市況の悪化が続き資産が縮小
- 事業投資・コンセッション:数量 0.8(投下資産残高(兆円))× 価格 2.5%(セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後))→ 売上 197 億円・営業利益 197 億円。海外M&Aの失敗や資産獲得競争での割高買いが響き資産が伸びない
- 環境エネルギー:数量 4.9(稼働中発電設備容量(GW))× 価格 120(設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW))→ 売上 592 億円・営業利益 592 億円。卒FIT後の卸電力低迷が続き単価が下がったまま戻らない
- 保険:数量 2.7(投下資産残高(兆円))× 価格 1.8%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 489 億円・営業利益 489 億円。運用環境の悪化が長引く
- 銀行・クレジット:数量 2.8(投下資産残高(兆円))× 価格 0.4%(セグメント資産利益率ROA(%))→ 売上 110 億円・営業利益 110 億円。貸倒コストの高止まりで利ざやが伸びない
倍率:構造的に負けて利益が細る筋書きなので PBR。稼ぐ力は約 7,000 億円、売れる資産の税後は約 17,930 億円で、大きい方の資産の床を採る。今の自己資本 44,825 億円に 0.4 倍を掛けた。
確率:国内事業の縮小を海外・PE・インフラで補えず、海外M&Aの失敗や資産獲得競争での割高買いが重なる構造的な負け筋。10年という長さを考えて重みをやや増やした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
法人営業・輸送機器リース
国内外の法人向けリース・レンタル(OA機器・自動車・医療機器等)と、航空機・船舶・コンテナ等の輸送機器リース(オートリースのオリックス自動車、カーシェアのオリックスカーシェアも含む)。グループの出発点である中核事業。
| 数量投下資産残高(兆円。旧区分の「法人営業」+「輸送機器」の合計) | 価格セグメント資産利益率ROA(%) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3.1 | 5.4% | 1,674 | 1,674 |
| 10 年後 中立 | 4.0 | 6.2% | 2,451 | 2,451 |
取り方:旧セグメント区分の法人営業(資産1兆8,769億円・利益1,007億円)と輸送機器(資産1兆2,113億円・利益666億円)を合算し、投下資産3.088兆円・利益1,673億円・ROA5.4%とした(2026/03期決算補足資料)。リースは3〜5年契約が多く、調達コストの上昇は新規・更新の都度料率に反映されるため、銀行の貸出より利ざやの改善が速い。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は名目の額・率は物価を掛けず、事業の理由(金利・競争・規制)でだけ動かす(A)。二重がけなし。
不動産
オフィス・商業施設・ホテル・リゾートの開発・賃貸・運営と、上場・私募の不動産投資法人の資産運用(アセットマネジメント)業務。
| 数量投下資産残高(兆円) | 価格セグメント資産利益率ROA(%) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.2 | 6.4% | 785 | 785 |
| 10 年後 中立 | 1.4 | 6.6% | 938 | 938 |
取り方:不動産セグメントの資産1兆2,359億円・利益785億円(2026/03期決算補足資料)からROA6.35%を置いた。ホテル・リゾートは訪日客需要の回復、アセットマネジメントは運用資産の積み上げで資産を使わずに手数料が増える部分がある。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は名目の額・率は物価を掛けず、事業の理由(金利・競争・規制)でだけ動かす(A)。二重がけなし。
事業投資・コンセッション
未上場企業への出資(プライベートエクイティ)、空港・水事業などの公共施設運営権(コンセッション)、事業承継型M&A(DHC買収など)、海外の事業投資を含む「買って育てて売る」キャピタルリサイクリング型の事業。
| 数量投下資産残高(兆円) | 価格セグメント資産利益率ROA(%、一時益を除いた正常化後) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.1 | 8.4% | 880 | 880 |
| 10 年後 中立 | 1.7 | 9.5% | 1,627 | 1,627 |
取り方:開示されたセグメント利益は1,256億円(資産1兆506億円、ROA11.95%)だが、インドの再生可能エネルギー会社Greenko株式の段階売却など、キャピタルリサイクリングに伴う一時的な売却益が相当含まれる。本来の投資収益力を測るため、一時益を除いた正常化後の水準としてROAを8.4%(利益880億円)に置き直した。一時益そのものは楽観・やや楽観の筋書きで継続的なExitの上振れとして別に織り込む。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は名目の額・率は物価を掛けず、事業の理由(金利・競争・規制)でだけ動かす(A)。二重がけなし。中立の率1.14倍は資産回収益の上振れで、物価は掛けていない。
環境エネルギー
国内外の太陽光・風力・バイオマス等の再生可能エネルギー発電と、電力小売(オリックス電力)。2025年3月末の稼働中発電設備は国内外合計4.7GW。
| 数量稼働中発電設備容量(GW) | 価格設備容量1GWあたりの年間利益(億円/GW) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4.7 | 246 | 1,158 | 1,158 |
| 10 年後 中立 | 8.0 | 210 | 1,678 | 1,678 |
取り方:稼働中発電設備4.7GW(サステナビリティページ)に、環境エネルギーセグメント利益1,158億円(2026/03期決算補足資料)を割った246億円/GWを単価として置いた。FIT(固定価格買取)の優良案件の比重が高い現在の単価で、FIT期間終了が進むほど下がりやすい。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は設備容量(GW)という物の量、単価は物価を下回る(卒FITで卸電力に近づく)。二重がけなし。
保険
生命保険の引受・資産運用。既契約の資産(責任準備金の裏付け資産)を長期の国内外証券で運用し、利差益・保険関連の手数料を得る。
| 数量投下資産残高(兆円) | 価格セグメント資産利益率ROA(%) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3.2 | 3.2% | 1,030 | 1,030 |
| 10 年後 中立 | 3.8 | 3.8% | 1,458 | 1,458 |
取り方:保険セグメントの資産3兆1,983億円・利益1,030億円(2026/03期決算補足資料)からROA3.2%を置いた。生命保険は資産規模が大きい一方ROAは薄く、新契約の積み上げより既契約資産の運用利回りが利益を左右する。金利上昇は新規購入する債券の利回りを上げるため、既契約の入れ替わりが進むほど中長期の追い風になる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は名目の額・率は物価を掛けず、事業の理由(金利・競争・規制)でだけ動かす(A)。二重がけなし。
銀行・クレジット
オリックス銀行(インターネット銀行)の預金・貸出と、信用金庫向けの業務支援・提携(クレジット業務)。
| 数量投下資産残高(兆円) | 価格セグメント資産利益率ROA(%) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3.2 | 0.8% | 272 | 272 |
| 10 年後 中立 | 4.0 | 1.2% | 465 | 465 |
取り方:銀行・クレジットセグメントの資産3兆2,368億円・利益272億円(2026/03期決算補足資料)からROA0.84%を置いた。資産規模は大きいが銀行業の規制資本・低金利期の利ざやの薄さでROAは低い。短期金利が2%へ上がる過程で、預金金利の追随が貸出金利の上昇より遅れるため、他のメガバンクと同じ構図で利ざやは中長期に拡大する。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は名目の額・率は物価を掛けず、事業の理由(金利・競争・規制)でだけ動かす(A)。二重がけなし。
リスクと懸念
事業投資の一時益への依存
事業投資・コンセッションの好業績はGreenkoの株式売却のようなキャピタルリサイクリング益に相当支えられている。Exit(売却)できる優良案件の供給が細れば、セグメントの利益は正常化後の水準(ROA8%台)まで一気に下がり、業績のブレとして表面化しやすい。
海外PE・インフラ投資の政治・経済リスク
事業投資・コンセッション、環境エネルギー、保険の海外展開は、現地の政治・経済情勢や通貨の変動、現地規制の変更という自社では制御できないリスクを抱える。資産獲得競争が激しくなれば割高な買収で価値を壊す可能性もある。
環境エネルギーの卒FIT後の単価低下
固定価格買取(FIT)の優良案件の比重が下がるほど、収益は卸電力価格に近づく。設備容量が拡大しても、卸電力価格の軟化や新エネルギー関連の制度変更が続けば、1GWあたりの利益は下がったまま戻らない可能性がある。
金利上昇初期の利ざや圧迫と信用コスト
短期金利が2%へ上がる過程で、法人営業・輸送機器リースと銀行・クレジットの調達コストが先に上がり、貸出・リース料率への転嫁が追いつくまでの2〜3年は利ざやが薄くなる。同時に企業・個人の資金繰りが悪化すれば信用コストも増える。
財務の脆さ(低い自己資本比率と希薄化の経験)
単純な自己資本比率は25%と低めで、純有利子負債は時価総額の80%に達する。過去に2度(2010年・2013年)の資本増強(希薄化)を経験しており、リーマン・ショック時には不動産・PE投資の評価損とリースの貸倒増で純損益が急減した実例がある。
新中期経営計画・長期ビジョンの未達
新中期経営計画が掲げるROE11%、2035年の長期ビジョンROE15%は、キャピタルリサイクリングの継続と海外・PE・インフラ投資の成功が前提になっている。これらが計画より遅れれば、今の株価が織り込む成長期待との差が割高方向に広がる。
多角化による経営の目の届きにくさ
10前後のセグメントを一つの経営陣で統括するため、個々の事業に専業他社ほどの目を配りにくい面がある。どれか一つの事業で想定外の問題(ガバナンス・不正・規制違反など)が起きれば、グループ全体の信用に影響する可能性がある。
今後の分かれ目
- 事業投資・コンセッションでGreenkoに続く大型のExit(売却)が発表されたら
- キャピタルリサイクリングが継続しているとみて楽観側の確率を上げる。売却益が一時的かどうかを確認する。
- 短期金利が2%へ向けて計画より速いペースで上がったら
- 法人営業・輸送機器リースと銀行・クレジットの利ざや拡大が早まるとみて楽観側の確率を上げる。四半期の決算でセグメント利益率を確認する。
- 海外PE・インフラ投資や環境エネルギーで大きな評価損・減損が発生したら
- 海外展開の前提を見直し、悲観側の確率を上げる。
- 新中期経営計画のROE11%目標が上方修正されたら
- 楽観側の筋書きの前提を上方修正し、価値を見直す。
- 大規模な自社株買い・増配が続けて発表されたら
- 資本配分の規律が続いているとみて楽観側をやや上げる。
- 環境エネルギーで新規稼働の遅延やFIT制度の不利な変更が相次いだら
- 環境エネルギーの前提を下方修正し、やや悲観側の確率を上げる。
- 自己資本比率が大きく低下するか、大型の資本増強(希薄化)が発表されたら
- 財務の脆さが実際に表面化したとみて悲観側の確率を上げる。
見ておくもの
- 新中期経営計画(2026〜2028年度)のROE進捗と、信用格付A格の維持
- 事業投資・コンセッションのセグメント利益のうち一時益(Exit益)の比重
- 環境エネルギーの発電設備容量(GW)とFIT終了後の卸電力価格
- 法人営業・銀行・クレジットの利ざや(セグメントROA)の推移
- 自社株買い・配当などの株主還元の規模と政策保有株の圧縮状況
- 海外PE・インフラ投資(コンセッション、保険の海外展開)の業績
倍率と資本コストの決め方
単一の需要単位がないコングロマリットのため、6セグメントを投下資産残高×セグメントROAで積み上げ、その時点のROEと長期の名目成長g(上限4%)、資本コスト7.75%から利益ベースの正当化PERを出し、その8割に置いた(売却益の時期で利益が振れ、複合体の中身も見えにくいため)。事業投資・コンセッションの一時益(Greenko売却等)は正常化してnowに置き、楽観シナリオでのみExit継続の上振れとして積んだ。悲観は稼ぐ力でなく、売れる資産の税後(今の自己資本の約4割)を床にした。kを1%上げると、10年の中立のPERは下がる。今の株価には寄せていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 16.21→19.07 倍・やや楽観 PER 13.36→16.7 倍・中立 PER 11.74→14.68 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。
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読んだ資料
- 経営戦略・経営計画|オリックス株式会社(新中期経営計画2026〜2028年度、ROE11%・AUM拡大)
- セグメント情報|オリックス株式会社
- 決算補足資料 2026年3月期 オリックス株式会社(セグメント別資産・利益)
- オリックスは大幅に4日続伸し新高値、上限9.1%の自社株買いを実施(みんかぶ)
- オリックス、Greenko Energyの株式譲渡契約締結および関連会社への新規投資について発表(日本経済新聞)
- オリックス、次世代エネに1000億円超出資 関連株は売却(日本経済新聞)
- オリックスがロベコグループの買収を完了(2013年、オリックス株式会社ニュースリリース)
- オリックスがDHC買収 3000億円、事業承継で最大規模(日本経済新聞)