結論
NECキャピタルソリューションは、NECの販売金融を出発点とする中堅のリース会社だ。10年の価値は今の時価総額を3%ほど上回るだけで、筆者は「適正」と見る。安全域は厚くない。借金で資産を積む事業なのに、自己資本比率が10%を切っているからだ。
稼ぎの柱は、官公庁・自治体向けのICT機器リースである。取引先は約1,800にのぼり、学校や役所のパソコンを貸して回収する手堅い商売だが、料率競争で粗利は薄い。そこにファンド運営のリサ・パートナーズ、不動産・再エネ、海外の投融資が重なる。
筆頭株主は、2024年にNECなどから株を買ったSBI新生銀行で、いまは43%を持つ。NECは持分を大きく減らした。完全子会社化の発表はないが、持分が過半へ進む筋は残る。
中期計画2028は、純利益を100億円から120億円へ引き上げる。前の計画は100億円に届かなかった。筆者は計画の方向を認めつつ、10年の中心を目標よりやや低く置いた。
倍率は、ROEが資本コストに届かない会社として低めに置く。資産が伸びても自己資本が追いつかない点が、いちばんの弱みだ。
バリュー投資の観点から
事業の本質は、他人の資本を借りて資産を回す金融の薄利多売だ。バリュー投資の観点で好ましいのは、少ない資本で稼ぐ会社である。この会社は逆で、自己資本比率は10%を切る。
堀は狭い。官公庁とNECの顧客基盤は固いが、値段は市場が決める。資本の使い方も、利益のぶれが大きい不動産やファンドへ寄りつつある。
安全域は、数字の見かけほど厚くない。割安に寄る数字は、10年後の稼ぐ力を確率で割り引いた結果にすぎず、資産の厚みには頼れない。自己資本の裏にあるのは、貸付と投資の質だ。
オーナーとして持ちたいかと問われれば、答えは条件付きになる。SBI新生銀行の傘の下で、自己資本比率の改善と粗利率の上昇が目に見えるなら持ちたい。利益の半分が一過性の売却益に頼る年が続くなら、見送る。わからない部分が多い事業だけに、確信は高くない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は、資産を借金で買って貸し、利ざやと手数料を得ることだ。新しい中期計画は、事業を5つに分けた。
公共・ICTインフラは最大の事業で、営業資産の半分強を占める。官公庁・自治体向けはリース契約実行高の約6割にのぼり、GIGAスクールのパソコン更新が追い風になった。ICT機器の取り扱いは約8割で、NEC製品の販売金融という出自が、そのまま強みになっている。
コーポレートファイナンスは、企業向け融資、ファクタリング(売掛金の買い取り)、バイアウトファイナンスを担う。M&Aの助言会社キーストーンも傘下に入れた。
不動産・エネルギーは、子会社のNCSアールイーキャピタルが営む。ヘルスケア施設や賃貸レジデンスへの投融資と、太陽光などの再エネ発電だ。資産を積み、売って利益を出す回転型の事業になる。
グローバルは、米国・シンガポール・マレーシアの現地法人を足場に、データセンターや航空機、海外不動産へ投融資する。
インベストメントは、リサ・パートナーズの事業だ。企業投資、債権投資、不動産ファンドを手がけ、利益の波が大きい。
営業資産は約1.2兆円で、自己資本は約1,300億円。資産は自己資本のおよそ9倍まで膨らんでいる。
優良さと弱いところ
堀は薄い。官公庁リースの実績とNECとの縁は本物だが、貸すお金の値段で他社と争う商売で、値決めの力は限られる。
強みは二つある。一つは官公庁・自治体の約1,800の取引先と、PFI(民間資金で公共施設を整える仕組み)まで含めた案件のこなし方だ。もう一つは、満了したパソコンを再利用するライフサイクル管理の知見である。ただ、ベンダーファイナンス(機器メーカーの販売を金融で支える事業)は料率競争が激しく、会社自身が一部の見直しに動いた。
弱みは三つある。第一に資本の薄さで、自己資本比率は10%を切る。第二に利益のぶれで、不動産の売却益やファンド報酬に左右される。第三に規模で、純利益は100億円足らずと、大手に比べて小さい。
経営は、資本の使い方に慎重さを増している。2025年度にリスクの許容額を決める仕組みを入れた。一方、前の計画は純利益100億円に届かなかった。計画を出す力より、達成する力の証明が先だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
リース業界は、国内の設備投資が伸びても取扱高は年0〜2%ほどしか増えない成熟市場だ。業界全体の取扱高は2025年度に5.2兆円、前年比3%増だった。
同社の主戦場であるICTリースの需要には、二つの波がある。一つは学校のパソコンを入れ替えるGIGAスクールで、第2期の更新が2026年度に一巡する。もう一つは、行政のシステム更新と、AIや業務自動化に向けた投資だ。波が引いたあとは、小口リースやファクタリングの残高が減ると会社自身も見ている。
金利の影響は大きい。短期金利が2%に向かう間は、借入の金利が先に上がり、リース料率への転嫁が後から追いつく。官公庁リースは契約が固定で、転嫁がさらに遅れやすい。
競合は、銀行系・メーカー系の総合リース各社だ。同社は官公庁とNEC製品に強みを絞り、規模では争わない。
リース会計の新基準は、借り手の賃借を貸借対照表に載せるもので、2027年4月以後に始まる年度から強制になる。貸し手の収益の形はほとんど変わらないが、借り手がレンタルやサービス型の契約へ動く余地はある。
資本政策と M&A
資本政策の焦点は、SBI新生銀行との関係だ。同行は2024年にNECと三井住友ファイナンス&リース(SMFL)から株を買い、2025年のTOB(公開買い付け)で持分を43%台まで高めた。持分法適用の関連会社で、上場は維持されている。NECは17%台、SMFLは11%台の株主として残る。
再編の筋は残る。SBI新生銀行が過半を取りに来る場合、少数株主への値付けは、前回のように市場価格に近い水準になりがちだ。前回のTOBは小幅な割引価格だった。筆者はこの点を重く見ている。
還元は安定配当が基本で、配当性向とDOE(株主資本配当率)の両方を目安にする。配当性向は3〜5割、DOEは2.7%だ。成長に自己資本を回す局面なので、自社株買いの余地は小さい。
M&Aは、リサ・パートナーズ(2010年)やキーストーンの子会社化など、小さな買収が中心だ。計画は買収を含む成長手法の活用を掲げている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
純利益の拡大は偶然ではなく、構造から出る。官公庁リースは手数料とサービスで稼ぐ形へ変わりつつあり、中期計画は公共・ICTインフラの粗利を2028年度までに2割ほど増やす。資産が減っても利益は伸びる設計だ。
成長の芽は別にもある。不動産・エネルギーは資産が3割増え、グローバルは6割増える。SBI新生銀行グループの案件が入るため、自力では取れなかった大型の不動産や再エネの案件が来る。リサ・パートナーズは資産2,000億円の早期達成を掲げ、ファンド報酬が積み上がる。
金利上昇は逆風だが、料率への転嫁が済めば粗利率は戻る。借入の置き換えが一巡したあとは、利ざやが安定する。
中期計画は純利益を2030年度に150億円とし、経営はそのためにレバレッジを使い、格付けの向上を狙う。今の時価総額は、この会社の稼ぐ力をまだ安く見ている。
SBI新生銀行が筆頭株主になった意味も大きい。同行は不動産と再エネの案件を持ち込み、調達の信用力も支える。NECとの縁を残したまま、金融グループの中核ノンバンクへ役割が広がる。株主の顔ぶれが変わったことで、資本効率を高める圧力も強まった。
慎重な見方
自己資本比率が10%を切る会社に、利益のぶれは致命傷になりかねない。2026年3月期の純利益は過去最高だが、不動産の売却益に支えられた面がある。過去4期の純利益は70億円前後だった。
計画の数字も割り引くべきだ。前の中期計画は、純利益100億円もROA0.9%も未達に終わった。しかも次の計画は、官公庁リースの残高が減ることを自ら認め、その穴を不動産・再エネ・海外・投資で埋める。いずれも信用と市況のぶれが大きく、経験の浅い分野だ。
金利の転嫁は遅れる。官公庁リースは契約が固定で、調達コストの上昇を取り戻すまでに年単位かかる。純有利子負債は1兆円を超え、調達コストの上昇は営業資産全体の利ざやを削る。
GIGAスクールの更新需要は一巡し、ベンダーファイナンスは料率競争が激しい。さらに、SBI新生銀行の意向次第では、出口が小幅な割引のTOBになる筋もある。今の安さは、その不確実さの値段だ。
そもそも、資産の9割が借金で買われている会社の利益は、金利が1%動くだけで大きく揺れる。強気の見方が頼る『転嫁が済めば元に戻る』は、戻るまでの間に自己資本が削られないことが前提になる。その前提を置く根拠は薄い。
どちらに重みを置いたか
資産規模の割に利益が小さく、自己資本が薄い点では、慎重な見方が重い。一方で、官公庁リースという安定した足場と、SBI新生銀行の案件を取り込める点は、強気の見方に分がある。確率は中立にいちばん厚く置き、やや悲観と悲観を合わせて、楽観側よりやや厚くした。前の計画の未達と、自己資本の薄さが理由だ。結果として10年の価値は今の時価総額を3%ほど上回るにとどまり、適正の範囲に収まる。安全域は厚くない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 7,213 円1,554 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,020 円435 億円)。 今の値に割り戻すと 4,533 円977 億円、今との差 +11.8%、 期待の年率 +8.6%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 16,864 円3,634 億円 | 3,541 円763 億円 | +403.2% | +17.5% | 1,632 円352 億円 |
| やや楽観 | 20% | 11,626 円2,505 億円 | 2,808 円605 億円 | +255.9% | +13.5% | 2,887 円622 億円 |
| 中立 | 35% | 7,695 円1,658 億円 | 2,139 円461 億円 | +142.5% | +9.3% | 3,442 円742 億円 |
| やや悲観 | 24% | 2,376 円512 億円 | 1,448 円312 億円 | −5.7% | −0.6% | 918 円198 億円 |
| 悲観 | 13% | 2,116 円456 億円 | 603 円130 億円 | −32.9% | −3.9% | 354 円76 億円 |
| 加重平均 | 100% | 7,213 円1,554 億円 | 2,020 円435 億円 | +127.7% | +8.6% | 9,233 円1,989 億円 |
今の株価時価総額 4,055 円874 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:計画の路線が定着し、ROE が 12% 近くへ上がる 利益 272 億円 · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 16,864 円3,634 億円
官公庁リースの収益性改善が定着し、中期計画の路線が10年続く。公共・ICTインフラは残高が減っても、手数料とサービスで稼ぐ割合が増え、粗利の率が上がる。SBI新生銀行グループの案件で不動産・再エネの残高が積み上がり、売却と運用の両方で利益が出る。グローバルは米国のパートナーと組み、データセンターや航空機などのインフラ資産を広げる。リサ・パートナーズはファンド報酬が増え、利益の波が小さくなる。金利が上がっても料率への転嫁が進み、粗利率は削られない。販管費は物価で増えるが、デジタル化で実質 1 割抑える。純利益は2030年度の150億円目標を超え、ROEは12%近くまで上がる。自己資本比率も10%台の後半へ向かう。
- 公共・ICTインフラ:数量 6,080(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 249 億円・営業利益 249 億円。手数料とサービスの比率が上がる
- コーポレートファイナンス:数量 1,446(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 76 億円・営業利益 76 億円。資産入れ替えで利益が伸びる
- 不動産・エネルギー:数量 2,580(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 123 億円・営業利益 123 億円。SBI新生銀行の案件で残高が積み上がる
- グローバル:数量 1,547(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 83 億円・営業利益 83 億円。インフラ資産が大きく伸びる
- インベストメント(リサ・パートナーズ):数量 2,743(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.08(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 208 億円・営業利益 208 億円。ファンド報酬が増え波が小さくなる
倍率:事業の純利益 272 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.5% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.4 倍。全体の PER 13.36 倍、時価総額 3,634 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:官公庁リースの粗利改善、SBI新生銀行グループの案件、投資事業の安定化が同時に実る必要がある。前の中期計画が未達だった事実を重く見て、確率は小さく置いた。
やや楽観 20% やや楽観:計画どおりに進み、ROE が 10% に近づく 利益 204 億円 · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 11,626 円2,505 億円
計画どおりに進み、少し先へ伸びる。官公庁リースの足場は崩れず、GIGAスクールの一巡後も、行政のシステム更新が需要を支える。公共・ICTは残高の減りを粗利率の改善で補い、不動産・エネルギーとグローバルの残高が着実に増える。インベストメントも安定して稼ぐ。2030年度の純利益150億円は達成し、その後は物価の伸びを少し上回る成長が続く。販管費は物価で増えるが、デジタル化で実質 7% 抑える。ROEは10%に近づくが、自己資本比率の改善は配当と成長投資のせめぎ合いで緩やかにとどまる。会社が掲げる「ROE10%以上」にほぼ届く10年になる。SBI新生銀行との協業は案件の供給源として働き続け、NECとの関係も保たれる。
- 公共・ICTインフラ:数量 5,760(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 224 億円・営業利益 224 億円。残高の減りを粗利率で補う
- コーポレートファイナンス:数量 1,339(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 67 億円・営業利益 67 億円。着実に伸びる
- 不動産・エネルギー:数量 2,374(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 105 億円・営業利益 105 億円。残高が増える
- グローバル:数量 1,371(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 70 億円・営業利益 70 億円。資産積み上げが計画どおり進む
- インベストメント(リサ・パートナーズ):数量 2,497(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.07(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 186 億円・営業利益 186 億円。安定して稼ぐ
倍率:事業の純利益 204 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.4% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.3 倍。全体の PER 12.28 倍、時価総額 2,505 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中期計画2028は純利益を100億円から120億円へ上げる比較的穏やかな内容で、官公庁リースの足場もある。計画が達成できる素直な強気の形として、厚めに置いた。
中立 35% 中立:方向は正しいが、目標には一段届かない 利益 141 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 7,695 円1,658 億円
中期計画の方向は正しいが、目標には一段届かない。官公庁リースの足場は保たれるが、GIGAスクールのような大きな更新の波は戻らない。公共・ICTは残高が15%ほど減り、粗利率の改善がそれを補う。不動産・再エネ、グローバル、リサ・パートナーズは残高が増えるが、売却益は波を伴い、粗利率はむしろ下がる。販管費は賃金と物価で今の 1.34 倍に増えるところを、デジタル化で実質 5% ほど抑える(今の約 270 億円が約 344 億円)。純利益は 140 億円台にとどまる。ROEは7%前後で、資本コストにわずかに届かない。高いレバレッジに頼る構造のまま、安定配当を続ける10年である。SBI新生銀行の持分は大きく動かず、NECとの関係も細く長く続く。自己資本比率は10%台前半で踏みとどまる。
- 公共・ICTインフラ:数量 5,440(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 198 億円・営業利益 198 億円。残高は15%ほど減り粗利率が改善
- コーポレートファイナンス:数量 1,232(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 59 億円・営業利益 59 億円。緩やかに伸びる
- 不動産・エネルギー:数量 2,150(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 87 億円・営業利益 87 億円。残高は増えるが粗利率は下がる
- グローバル:数量 1,195(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 57 億円・営業利益 57 億円。残高が7割増えるが低利回り資産が混じる
- インベストメント(リサ・パートナーズ):数量 2,270(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.07(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 164 億円・営業利益 164 億円。残高は2割増、粗利率はやや低下
倍率:事業の純利益 141 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.1% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍。全体の PER 11.76 倍、時価総額 1,658 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中期計画の方向は理にかなうが、前の計画が未達だった点と、新分野の経験の浅さから、目標どおりには進まないとみる。議論の落としどころとして最も厚く置いた。
やや悲観 24% やや悲観:更新需要が細り、新分野も伸びない 利益 64 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 2,376 円512 億円
官公庁リースの更新需要が細り、金利の転嫁が遅れ、新分野の質も伸びない。公共・ICTは残高が2割減り、粗利率の改善も限られる。不動産・エネルギーは売却益が出にくくなり、グローバルの資産積み上げでは信用コストを払う。リサ・パートナーズはファンド報酬が増えず、投資先の評価損も出る。販管費は物価で膨らむ一方、粗利は伸びず、営業利益は今より少し増える程度にとどまる。純利益は70億円前後、ROEは4%で、レバレッジの割に稼げない会社になる。SBI新生銀行との協業は続くが、案件の質は選別を強いられ、配当は据え置きが精いっぱいになる。
- 公共・ICTインフラ:数量 5,120(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.03(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 171 億円・営業利益 171 億円。更新需要が細り残高が2割減る
- コーポレートファイナンス:数量 1,125(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 50 億円・営業利益 50 億円。横ばい
- 不動産・エネルギー:数量 1,806(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 69 億円・営業利益 69 億円。売却益が出にくい
- グローバル:数量 984(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.05(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 45 億円・営業利益 45 億円。信用コストを払いつつ積み上げる
- インベストメント(リサ・パートナーズ):数量 1,987(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.07(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 136 億円・営業利益 136 億円。報酬が増えず評価損も出る
倍率:事業の ROE 4.0% が k 8.5% 以下なので PER は 1÷k の 11.8 倍まで。ROE が k を大きく下回り、稼ぐ力に見合う 7 割弱の 8.0 倍に置いた。
確率:官公庁リースの更新需要は一巡し、金利の転嫁は遅れやすい。新分野は経験が浅く、信用と市況の波を受けやすい。自己資本の薄さも考え、楽観側よりやや厚く置いた。
悲観 13% 悲観:構造的に負け、帳簿の自己資本を割る評価になる 利益 −9 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 2,116 円456 億円
構造的に負ける。ICT機器の販売はメーカー自身の金融やサービス型の契約へ流れ、官公庁リースの強みが薄れる。新分野で積んだ不動産・投資・海外の資産で損失が重なり、評価損と貸倒が営業利益を食う。SBI新生銀行が戦略を変え、同行から入る案件も細る。純利益は赤字に近く、配当も減らさざるを得ない。自己資本比率は10%を割り込み、調達コストが上がる中で資産を縮めながら資産売却で凌ぐ。会社は存続するが、稼ぐ力の証明は失われ、帳簿の自己資本の3分の1強の値段しかつかない。官公庁リースという最後の足場だけが、細い収益源として残る。
- 公共・ICTインフラ:数量 4,480(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.03(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 129 億円・営業利益 129 億円。販売金融が他社に流れ残高が3割減る
- コーポレートファイナンス:数量 964(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 40 億円・営業利益 40 億円。資産入れ替えが進まず縮む
- 不動産・エネルギー:数量 1,548(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.03(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 52 億円・営業利益 52 億円。評価損と貸倒
- グローバル:数量 703(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.04(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 28 億円・営業利益 28 億円。横ばいから縮小
- インベストメント(リサ・パートナーズ):数量 1,608(営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質))× 価格 0.06(営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む))→ 売上 98 億円・営業利益 98 億円。評価損で粗利率が落ちる
倍率:赤字に近く PER は当てられない。今の自己資本 1,303 億円に 0.35 を掛けた。売れる資産の税後(床)は、貸倒と評価損を引くと自己資本のおよそ 3 分の 1 強にしかならないとみた。金融の仕入れ(借金)は残るので、資産を売っても自己資本は戻らない。
確率:自己資本が薄い金融会社は、信用と評価損が重なると回復が遅い。ICT機器の販売金融が他社に流れる筋と、SBI新生銀行との戦略が変わる筋を合わせて、悲観の尾を残した。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
公共・ICTインフラ
官公庁・自治体向けのICT機器リース(学校・消防・庁舎)、PFI、民間ベンダー向けの金融、PCのライフサイクル管理。最大の事業。
| 数量営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質) | 価格営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,400 | 0.02 | 145 | 145 |
| 10 年後 中立 | 5,440 | 0.04 | 198 | 198 |
取り方:営業資産 6,400 億円(官公庁 4,360・民需 2,040)、売上総利益 145 億円(官公庁 76・民需 69。中期計画2028、2025 年度実績)。売上総利益はリース・割賦の利ざやと手数料。小口リースと一括ファクタリングは減る見込み。 金融業なので売上は売上総利益(調達コスト控除後)で置き、全社の営業利益 106 億円との差(販管費など約 270 億円)は adjust に入れる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は実質・率は物価込み(B)。名目の伸びに物価を重ねていない(二重がけなし)。
コーポレートファイナンス
企業向け融資、ファクタリング、バイアウトファイナンス(ローン・メザニン)、ベンチャーファンド、M&A助言(キーストーン)。
| 数量営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質) | 価格営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,071 | 0.03 | 35 | 35 |
| 10 年後 中立 | 1,232 | 0.05 | 59 | 59 |
取り方:営業資産 1,071 億円、売上総利益 35 億円(関係会社等の営業外収益を含む。中期計画2028)。粗利率は約 3.3%。資産入れ替えで利益を伸ばす方針。 金融業なので売上は売上総利益(調達コスト控除後)で置き、全社の営業利益 106 億円との差(販管費など約 270 億円)は adjust に入れる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は実質・率は物価込み(B)。名目の伸びに物価を重ねていない(二重がけなし)。
不動産・エネルギー
NCSアールイーキャピタルの全事業。不動産ファイナンスと投資(ヘルスケア・賃貸レジデンスの開発・流動化)、再エネのプロジェクトファイナンスと発電。
| 数量営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質) | 価格営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,720 | 0.04 | 61 | 61 |
| 10 年後 中立 | 2,150 | 0.04 | 87 | 87 |
取り方:営業資産 1,720 億円(不動産 1,406・再エネ 313)、売上総利益 61 億円(不動産 51・再エネ 10。中期計画2028)。資産を積み上げる局面で、2026 年度は減益の見通し。売却益が混じり、利益が波打つ。 金融業なので売上は売上総利益(調達コスト控除後)で置き、全社の営業利益 106 億円との差(販管費など約 270 億円)は adjust に入れる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は実質・率は物価込み(B)。名目の伸びに物価を重ねていない(二重がけなし)。
グローバル
米国・シンガポール・マレーシアの現地法人の法人リースとローン、本社主導のインフラ・航空機・海外不動産の投融資。
| 数量営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質) | 価格営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 703 | 0.04 | 28 | 28 |
| 10 年後 中立 | 1,195 | 0.05 | 57 | 57 |
取り方:営業資産 703 億円、売上総利益 28 億円(中期計画2028)。粗利率は約 4.0%。2028 年度に資産 1,150 億円を目指す。 金融業なので売上は売上総利益(調達コスト控除後)で置き、全社の営業利益 106 億円との差(販管費など約 270 億円)は adjust に入れる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は実質・率は物価込み(B)。名目の伸びに物価を重ねていない(二重がけなし)。
インベストメント(リサ・パートナーズ)
リサ・パートナーズの全事業。企業投資、債権投資、不動産、ファンド運営、アドバイザリー。
| 数量営業資産残高(億円。今の円の価値で測った実質) | 価格営業資産の単位あたり売上総利益(名目の粗利率。物価上昇分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,892 | 0.06 | 107 | 107 |
| 10 年後 中立 | 2,270 | 0.07 | 164 | 164 |
取り方:営業資産 1,892 億円、売上総利益 107 億円(関係会社等の営業外収益を含む。中期計画2028)。粗利率は約 5.7% と全事業で最も高いが、売却益と評価損で波が大きい。 金融業なので売上は売上総利益(調達コスト控除後)で置き、全社の営業利益 106 億円との差(販管費など約 270 億円)は adjust に入れる。 【数量・率の点検 2026-10-19】数量は実質・率は物価込み(B)。名目の伸びに物価を重ねていない(二重がけなし)。
リスクと懸念
自己資本の薄さ
自己資本比率は10%を切り、営業資産は自己資本の約9倍にのぼる。貸倒や投資の評価損が数年続けば、配当と成長の両方が止まる。会社は10%以上の維持を掲げるが、成長投資が先行する間は余裕が小さい。
利益の質と一過性
2026年3月期の純利益は過去最高だが、不動産の売却益が押し上げた。売却益やファンド報酬は、市況が変われば消える。ならした実力は、過去4期の70億円前後に近い可能性がある。
金利の転嫁の遅れ
短期金利が2%へ向かう間、借入の金利が先に上がる。官公庁リースは契約が固定で、料率への転嫁が遅れやすい。2〜3年は利ざやが薄くなり、計画の純利益を押し下げる。
更新需要の一巡
GIGAスクール第2期の更新が2026年度に一巡する。小口リースと一括ファクタリングの残高も減る見込みで、最大の事業が縮む。縮みを新分野の利益で埋められるかが分かれ目になる。
新分野の経験不足
不動産・再エネ・米国・投資は、いずれも信用と市況のぶれが大きく、会社に経験の浅い領域だ。計画は資産の積み上げを急ぐ。売却益が出ない局面で、評価損や貸倒を払う危険がある。
SBI新生銀行との関係
持分は43%台で、方針はSBI新生銀行の意向に左右される。協業は案件を増やす一方、少数株主への値付けが市場価格に近い水準で決まる筋もある。NECの持分も減り、NEC製品の販売金融という出自が薄れる。
ベンダーとの料率競争
ベンダーファイナンスは料率競争が激しく、会社は一部の事業を見直した。ベンダーとの新しい仕組みづくりも課題として挙げている。機器メーカー自身が金融やサービス型の契約へ動けば、取扱高が細る。
今後の分かれ目
- 2026年度の純利益が100億円に届き、売却益に頼らない粗利が増える
- 利益の質が上がったとみて、中立から楽観側へ確率を寄せる。
- 自己資本比率が10%を割る、または大型の評価損が出る
- 資本の薄さが表に出たとみて、悲観側へ確率を寄せる。
- 短期金利が想定より速く上がり、料率への転嫁が遅れる
- 利ざやが想定以上に削られるため、やや悲観の確率を上げる。
- SBI新生銀行が追加取得や子会社化を発表する
- TOB価格が小幅な割引なら、少数株主の取り分は筋書きの中立に近い水準に収まるとみる。
- 不動産・エネルギーとグローバルの残高が計画どおり積み上がり、粗利率も保たれる
- 新分野の運営力が確かめられたとみて、やや楽観の確率を上げる。
- GIGAスクールの更新後も、官公庁・自治体の契約実行高が減らない
- 最大の事業の足場が固いとみて、悲観の確率を下げる。
見ておくもの
- 中期計画2028の純利益(2026年度 100 億円、2028年度 120 億円)の進み具合
- 自己資本比率(10%以上の維持)と格付けの動き
- 不動産・エネルギー、グローバル、インベストメントの営業資産と売上総利益
- SBI新生銀行の持分の変化と協業案件の数
- 官公庁・自治体の契約実行高と、ベンダーファイナンスの料率
倍率と資本コストの決め方
事業ごとの資産残高(実質)と粗利率の積から10年を組み立て、ROEと資本コスト8.5%から倍率を決めた。ROEが資本コストに届かない中立は、1÷k を上限に8割台半ばで置いた。今の株価や同業の倍率には寄せていない。金融業なので借金の利払いは粗利に含まれ、別建ての利払い調整はしていない。新リース会計基準は借り手の話で、貸し手である同社の利益の形はほぼ変わらず、形をそろえる調整は不要と判断した。
【点検 2026-10-19】販管費(営業利益と粗利の差、今約 270 億円)が中立で 308 億円と、賃金・物価の 1.34 倍(約 362 億円)より低く置かれていた。デジタル化の実質 5% 減だけを認め、中立の販管費を 344 億円に直し、純利益 164→141 億円に流した(悲観側は 1.34 倍のまま)。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.14→13.36 倍・やや楽観 PER 10.99→12.28 倍・中立 PER 10→11.76 倍)。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。