結論
オラクルは、世界の企業の基幹データを預かるデータベースとその保守契約(ソフト売上 245 億ドル、利益率 7 割)、企業の会計・人事・サプライチェーンのクラウドアプリ(159 億ドル)、AI の計算基盤 OCI(181 億ドル、前年比 +77%)の 3 つで、2026 年 5 月期に売上 674 億ドル・営業利益 224 億ドルを稼いだ。契約残高(RPO)は 6,640 億ドルまで積み上がり、2027 年 5 月期の売上は 900 億ドル以上と会社は見る。OCI は直近の四半期で前年の 2.2 倍に伸びた。
古い現金製造機(データベースと保守)が、新しい巨額投資(AI のデータセンター)を借金で支える会社に変わった。2026 年 5 月期の設備投資は 557 億ドルで営業キャッシュフローを大きく上回り、フリーキャッシュフローは 237 億ドルの赤字、純有利子負債は 1,355 億ドルに達した。2027 年 5 月期は 400 億ドルを債務と株式で調達する計画で、すでに普通株 200 億ドルを売った。格付け会社は見通しを下げ、投機的格付けの 1 段上に位置する。さらに契約残高の半分近くが、黒字化していないオープンエーアイ(OpenAI)1 社の約 3,000 億ドルの契約に結びつく。
バリュー投資の観点では、事業の質より資金の質を問う。事業ごとに数量と価格を積み上げ、悲観の確率と深さを厚く置いて計算した。資本コストは基本 8% に、借金(純負債は時価総額の 36%・FCF 赤字)+1.0% と寿命(オープンエーアイ 1 社への偏り・GPU の陳腐化)+0.5% を足した 9.5%、悲観の確率とひどさは別に表した。倍率は利益ベースの正当化 PER(堀は普通・g 4.0%)の 7.5 割(10 年中立で事業 10.1 倍)に置き、確率で加重した本質価値は今の時価総額を 4 割強下回り、評価は「割高」。ただし楽観と悲観の幅が極端に広く、安全域は無い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後に存在するかを問う。データベースの保守契約は存在し、物価並みに値上げされ続ける。ここは疑いにくい。AI の計算基盤は、契約が履行されれば大きな利益を生むが、価格を決める力が弱く、堀が浅い事業である。
次にオーナー利益を見る。純利益 171 億ドルは、株式報酬(年 50 億ドル前後)を費用に入れ、設備投資が減価償却を年 400 億ドル以上上回る分を引くと、フリーキャッシュフローは 237 億ドルの赤字で、株主が自由にできる利益はまだない。この赤字は、契約残高が売上に変わる 2028 年以降に黒字化する前提で、その間は借金と株式の発行で資金をつなぐ。ここが他の基盤ソフトとの決定的な違いである。
安全域の議論では、勝てば(楽観・やや楽観)今の値段を大きく超えるが、負ければ(悲観)時価総額が 9 割超下がる。確率の分布が悲観側に太い。わかる部分(データベース・保守)とわからない部分(オープンエーアイの履行・GPU の価格・資金調達の継続)が同居し、後者が価値の大きな変動を決める。事業の質は高いが、財務が弱くなったために、今の値段への確信は持てない。借金の大きさは資本コストでなく、悲観の確率と深さで表した。
何で稼ぐ会社か
ソフトウェア(ライセンスと保守)は 245 億ドルで、オラクルデータベースを中心に、ミドルウェアや業務パッケージの更新契約から利益率 7 割前後で稼ぐ。銀行・保険・政府など基幹システムでは、データベースの入れ替えが数年がかりの大工事になるため、顧客は保守料の値上げを受け入れ続ける。売上はクラウド移行に伴って前年比 1〜2% 減ったが、移行先の OCI やマルチクラウド上のデータベースにも課金されるので、顧客を失うわけではない。
クラウドアプリ(フュージョン ERP・NetSuite・人事・サプライチェーン・医療のサーナー)は 159 億ドルで +11%。エスエーピー(SAP)、ワークデイ(Workday)、セールスフォース(Salesforce)と競うが、データベースと同じ会社が一括して提供する点が強みである。
OCI(クラウド基盤)は 181 億ドルで、2025 年以降の主役。オープンエーアイ向けのスターゲート(Stargate)をはじめ、メタ(Meta)、エックスエーアイ(xAI)などがエヌビディア(NVIDIA)の GPU を使う AI 学習・推論の大型契約と、データベースを他社クラウド(アマゾン・マイクロソフト・グーグル)の中で動かす形態からなる。AI 向けは粗利率が 1 割台〜3 割台と低く、そのかわり契約が長期で、前払いを受ける契約もある。ハードウェア(エクサデータ)とサービス(コンサル・教育)は合計約 89 億ドルで成熟している。
優良さと弱いところ
堀は事業ごとに違う。データベースは第 1 の堀で、顧客のデータ・業務ロジック・社員の技能が全部オラクル形式で固まっており、切り替えの費用は最大級。ここは今後 10 年も存在し、物価並みの値上げができる。クラウドアプリは中程度の堀で、導入後は離れにくいが、新規ではエスエーピーやワークデイと互角にとどまる。OCI は堀が浅い。GPU とデータセンターの規模を買えば誰でも参入でき、アマゾン・マイクロソフト・グーグル、コアウィーブ(CoreWeave)と同じ土俵で価格を競う。ここでの強みは、データベースの顧客基盤を使って売れること、電力と土地を先に確保したこと、契約残高が大きいことだけである。
資本効率は、ROE が 40% を超えるが、自社株買いで自己資本が削られた結果の見かけの数字である。AI の設備投資が始まってからは、フリーキャッシュフローが赤字に転じ、投下した資本に見合う利益が出るかが未確定になった。創業者ラリー・エリソン氏は筆頭株主で、クラウド化の判断を果断にしてきたが、AI 投資の規模は会社の財務の限界に近づいており、資本配分の評価は割れる。
弱点は 3 つ。①契約残高の半分近くがオープンエーアイ 1 社に集中する。②借金が大きく、格付けが投機的の 1 段上である。③OCI の粗利率が低く、利益の質が落ちている。事業の質は高いが、財務の質は 10 年前より大きく落ちた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
業界は、AI を起点に基盤ソフトとクラウドの需要が拡大している。Gartner は 2026 年の世界の IT 支出を 6.37 兆ドル(+14%)、ソフト全体を約 1.43 兆ドルと見る。クラウド基盤(IaaS・PaaS・AI 計算)の対象市場は約 6,500 億ドル(推定)で、10 年後に約 1.5 兆ドル(年 +9%)という中立の見通しを使う。AI 計算は需要が供給を上回る状態が続くが、価格は半導体の進歩で物価ほどには上がらない。
競争は、クラウド基盤ではアマゾンの AWS(約 3 割)、マイクロソフト(約 2 割)、グーグルクラウド(1 割強)が大手 3 社で、オラクルの今のシェアは 3% に満たない。そこへコアウィーブやネビウスなど AI 専業が加わる。オラクルは大型の長期契約でシェアを急に上げる戦略で、勝てば 10 年で 1 割前後に届き、負ければオープンエーアイの契約の再交渉で 5% 以下に戻る。データベースでは、マイクロソフトの SQL Server・アマゾンの Aurora・ポストグレス系・スノーフレークなどが中小のシステムを侵食するが、基幹用途では大きな変化はない。
循環でいえば、AI 設備投資の山の手前から山の中にいる。2027〜2028 年に各社の増設が一斉に稼働すると、計算の単価は下がりやすい。分かれ目は、オラクルの契約残高が実際に売上になり、粗利率が 3 割を保てるか、そして資金調達を市場が受け入れ続けるかである。
資本政策と M&A
還元は配当が年 59 億ドルほどで、自社株買いは 2026 年にほぼ止めた(2 億ドル)。かつて 2018〜2021 年に純利益を超える自社株買いで株を年 8〜12% 減らしたが、その時代は終わった。今は反対に、普通株を ATM(市場で少しずつ売る方式)で 200 億ドル売り、株式報酬も加わって株数は年 2% 以上増えている。この分析は会社全体の価値で書き、株数の増加で持ち分を縮めない代わりに、払い込みが入る前提で純利益と事業の価値に入れた。
M&A は、2022 年のサーナー(Cerner、約 280 億ドル)が最後の大型で、医療クラウドへ参入したが利益率は低い。今は M&A より自前の設備投資で、データセンターの一部はリースやプロジェクトファイナンス(テキサス・ウィスコンシン・ニューメキシコ)の形で、借入金に出ない負債にもなっている。時価総額 3,700 億ドルでは、買われる側になる可能性は現実的でない。
今後の鍵は、設備投資の回収率が資本コスト 9% を上回るか、格付けを投機的に落とさず調達を続けられるか。借金 約 1,670 億ドルは借り換えで金利が約 5.75% に上がり、利払いは税前で 3 年後に年 14 億ドル、10 年後に年 24 億ドルほど増える(純利益から引いた)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
契約は、会計上の売上より確かな資産である。契約残高 6,640 億ドルは、今の売上の約 10 年分にあたる。しかも直近の 3 か月で 260 億ドル増え、OCI は前年の 2.2 倍に伸びている。会社の 2030 年 5 月期の目標は売上 2,250 億ドル、OCI 1,660 億ドルで、実現すれば純利益は 600 億ドル前後に達する。オープンエーアイは評価額が大きく、ソフトバンク・エヌビディア・マイクロソフトなど大きな出資者が資金をつなぐので、履行は途切れにくい。
データベースの顧客基盤(世界の大企業の大半)は、AI の時代にこそ価値が上がる。企業のデータは AI の燃料で、データを預かる者が AI の推論を売る場所を持つ。電力・土地・GPU を先に確保したことは、供給不足の中で競争上の大きな優位になる。借金は大きいが、契約の前払いと営業キャッシュフロー(直近の四半期で 231 億ドルの過去最高)が返済の原資で、市場は借り換えに応じている。10 年後の売上は 3,000 億ドルを超え、利益率も 3 割台を保てる。
慎重な見方
利益の質が落ちている。営業キャッシュフローは過去最高でも、設備投資がそれを大きく上回り、フリーキャッシュフローは 2026 年 5 月期に 237 億ドルの赤字、2030 年まで赤字が続く見込みである。借金は 1,670 億ドルで、ムーディーズとエスアンドピーは見通しを下げ、純負債が EBITDA の 4 倍を超えると警告している。5 年の CDS(倒産保険料)は 2009 年以来の高さで、ニューメキシコの 180 億ドルのローンは額面の 9 割で取引され、銀行が売り切れない。
契約残高の半分近くが、黒字化していないオープンエーアイ 1 社に依存する。同社の CFO は、契約を履行し続けられるか疑問を示したと報じられた。OCI の粗利率は 1 割台との報道もあり、会社の目標の 3〜4 割に届くか不明である。クラウド大手 3 社も同じ規模の増設をしており、2027〜2028 年に供給が追いつくと計算の単価が下がる。契約の履行が止まれば、オラクルは使われない GPU と借金だけが残る。株式の発行で株数は年 2% 以上増え、持ち分の希薄化も続く。
どちらに重みを置いたか
事業の質は強気の見方が強く、確率は楽観側にも置いたが、財務の強さでは慎重な見方が強い。借金が大きく、オープンエーアイ 1 社への依存が高い会社なので、悲観とやや悲観の確率の合計を 10 年で 4 割台後半と、マイクロソフト(約 3 割)より厚く置いた。悲観の深さも、時価総額の 9 割超の減(リストラと増資を伴い、増資の払い込みは還元から引く)を下敷きにした。資本コストは 9.5%(借金 +1.0%・寿命 +0.5%)とし、それ以上の上乗せはせず、悲観の確率で表した。 倍率は利益ベースの正当化 PER の 7.5 割(10 年中立で事業 10.1 倍)に置き、そのうえで本質価値は今の時価総額を 4 割強下回るので、結論は「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 114.74 ドル3,344 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 40.36 ドル1,176 億ドル)。 今の値に割り戻すと 71.94 ドル2,096 億ドル、今との差 −42.7%、 期待の年率 +2.1%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 369.92 ドル1.08 兆ドル | 137.27 ドル4,000 億ドル | +304.0% | +15.0% | 40.58 ドル1,182 億ドル |
| やや楽観 | 15% | 226.44 ドル6,598 億ドル | 85.79 ドル2,500 億ドル | +148.7% | +9.5% | 46.83 ドル1,365 億ドル |
| 中立 | 30% | 126.19 ドル3,677 億ドル | 51.48 ドル1,500 億ドル | +41.5% | +3.5% | 53.30 ドル1,553 億ドル |
| やや悲観 | 27% | 42.22 ドル1,230 億ドル | 10.30 ドル300 億ドル | −58.2% | −8.3% | 14.18 ドル413 億ドル |
| 悲観 | 20% | 9.63 ドル281 億ドル | −8.58 ドル−250 億ドル | −99.2% | −38.0% | 0.21 ドル6 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 114.74 ドル3,344 億ドル | 40.36 ドル1,176 億ドル | +23.5% | +2.1% | 155.10 ドル4,520 億ドル |
今の株価時価総額 125.54 ドル3,658 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:AI 基盤の第 4 の大手になり、データベースとの束売りが効く 利益 780 億ドル · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 369.92 ドル1.08 兆ドル
10 年後(2036 年 5 月期)、AI の推論が企業のデータの近くで動くようになり、オラクルは大手 4 社目のクラウドとして 1.8 兆ドルの市場で 12.8% のシェアを持つ。OCI は 2,300 億ドル。データベースの顧客に AI 基盤を束売りでき、OCI の営業利益率は 33% に上がる。クラウドアプリは 480 億ドル、ソフトは保守料の値上げで 260 億ドルを保つ。全社の売上は 3,140 億ドル、営業利益 1,070 億ドル、純利益は 780 億ドル。借金は返済が進み、年 400 億ドル規模の株主還元ができる。高成長が終わった後の PER は約 16 倍(帳簿の ROE 49% から出した上限の 8.5 割)。
- OCI(クラウド基盤・AI 計算):数量 189(クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 2,300 億ドル・営業利益 759 億ドル。名目市場 18,000 億ドル × シェア 12.8%、価格 1.22 倍(計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらない)
- クラウドアプリ:数量 32.4(企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 15(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 480 億ドル・営業利益 182 億ドル。シェア 8% へ。価格 1.48 倍
- ソフトウェア(データベース・保守):数量 18.4(データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 259 億ドル・営業利益 186 億ドル。価格 1.41 倍・数量 0.75 倍
- ハードウェア・サービス:数量 7.1(関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 100 億ドル・営業利益 13 億ドル。成熟、名目で小幅増
倍率:正当化 PER は 16.3 倍(g 4.0%、RONIC 37.8%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 66.1% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 13.8 倍(8.5 割)に置いた。AI 計算基盤の契約が採算に乗り、データベース・業務ソフトも伸びる筋書きだが、借金と設備投資が重く 8.5 割に留めた。 g の内訳:物価 3.5% に実質 1% を足した 4.5% は上限の 4.0% に打ち止め(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:OCI が大手 4 社目として定着し、データベースの顧客に束売りできる。10 年この状態を保つ確率は 8%。
やや楽観 15% やや楽観:OCI は 1 割強のシェアを持つが、競争で利益率は 3 割どまり 利益 563 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 226.44 ドル6,598 億ドル
10 年後、市場は 1.6 兆ドルで、OCI のシェアは 11.6%、売上は 1,850 億ドル。大手 3 社との価格競争は続き、営業利益率は 30% どまり。クラウドアプリは 400 億ドル、ソフトは 250 億ドル。全社の売上は 2,590 億ドル、営業利益 810 億ドル、純利益 560 億ドル。借金は 2,300 億ドル台でほぼ横ばいに抑える。契約残高は売上になったが、新しい大型契約が積み上がるかが分かれ、成長は物価を少し上回る程度。PER は約 14 倍。 利益率は設備投資の減価償却と価格競争で営業利益率 31% にとどまり、マイクロソフトのクラウド(41〜43%)には及ばない。
- OCI(クラウド基盤・AI 計算):数量 160(クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 1,850 億ドル・営業利益 555 億ドル。名目市場 16,000 億ドル × シェア 11.6%、価格 1.16 倍(計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらない)
- クラウドアプリ:数量 27.8(企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 400 億ドル・営業利益 140 億ドル。シェア 7% へ。価格 1.44 倍
- ソフトウェア(データベース・保守):数量 17.7(データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 250 億ドル・営業利益 178 億ドル。価格 1.41 倍・数量 0.71 倍
- ハードウェア・サービス:数量 6.7(関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 94 億ドル・営業利益 11 億ドル。名目で横ばい
倍率:正当化 PER は 14.6 倍(g 4.0%、RONIC 20.6%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 31.7% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 11.7 倍(8 割)に置いた。計算基盤の稼働が計画どおりに進む筋書きで 8 割。 g の内訳:物価 3.5% に実質 1% を足した 4.5% は上限の 4.0% に打ち止め(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:OCI のシェアは 1 割強を取るが、大手 3 社との価格競争で利益率は 3 割どまり。確率は 15%。
中立 30% 中立:OCI は 1 割弱のシェア、借金は返せるが優良企業の倍率には戻らない 利益 363 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 126.19 ドル3,677 億ドル
10 年後、売上は 2,120 億ドル(今の 3.1 倍)。市場 1.54 兆ドルでシェア 9.4%、OCI は 1,450 億ドル、営業利益率は 26%。2030 年代前半に契約が売上になるが、その後は新しい契約の獲得で成長が物価並みに落ちる。クラウドアプリは 345 億ドル、ソフトは数量の減少と値上げが相殺して 235 億ドル。純利益は 360 億ドル。借金は返済が進むが、利払いで利益の 3 割を失い、資本配分はデータセンターの更新に偏る。PER は約 12 倍(帳簿の ROE 約 22%・g 4.5%・k 9%・堀は普通の上限 15.7 倍の 7.5 割)。
- OCI(クラウド基盤・AI 計算):数量 132(クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 11(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 1,450 億ドル・営業利益 377 億ドル。名目市場 15,400 億ドル × シェア 9.4%、価格 1.10 倍(計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらない)
- クラウドアプリ:数量 24.5(企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 345 億ドル・営業利益 114 億ドル。価格は物価並み(1.41 倍)、シェアは 6% で横ばい
- ソフトウェア(データベース・保守):数量 16.7(データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 235 億ドル・営業利益 164 億ドル。価格 1.41 倍・数量 0.68 倍
- ハードウェア・サービス:数量 6.4(関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 90 億ドル・営業利益 9 億ドル。名目で横ばい
倍率:正当化 PER は 13.5 倍(g 4.0%、RONIC 15.5%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 21.6% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 10.1 倍(7.5 割)に置いた。データベースと業務ソフトの堀は強いが、計算基盤は設備投資と借金が重く、オープンエーアイへの集中もあるので、中立は 7.5 割に置いた。 g の内訳:物価 3.5% に実質 1% を足した 4.5% は上限の 4.0% に打ち止め(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:契約残高は売上になり、借金も返せるが、OCI は 1 割弱のシェア、利益率は 26% にとどまる。確率は 30%。
やや悲観 27% やや悲観:大手 3 社の価格競争で OCI の利益率が 2 割にとどまる 利益 160 億ドル · PER 7.7 倍 · 株価時価総額 42.22 ドル1,230 億ドル
10 年後、OCI は大手 3 社の価格競争に押され、市場 1.3 兆ドルのシェアは 7.3%、売上 950 億ドルにとどまる。価格は実質で下がり、営業利益率は 21%。オープンエーアイ以外の大型契約が積み上がらず、データセンターの稼働率が落ちる。クラウドアプリは 270 億ドル、ソフトは数量の流出で 200 億ドル。全社の売上は 1,500 億ドル、営業利益 350 億ドル、利払い 150 億ドルを引いて純利益は 160 億ドル。時価総額は今の 4 割弱にとどまり、PER は約 8.5 倍。 オープンエーアイとの契約は期限どおり履行されるが、更新は大幅な値引きになり、契約が切れる 2030 年代前半に売上の山ができる。
- OCI(クラウド基盤・AI 計算):数量 103(クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 9.20(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 950 億ドル・営業利益 200 億ドル。名目市場 13,000 億ドル × シェア 7.3%、価格 0.92 倍(計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらない)
- クラウドアプリ:数量 20.5(企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 271 億ドル・営業利益 76 億ドル。エスエーピー・ワークデイにシェアを奪われ、価格 1.32 倍
- ソフトウェア(データベース・保守):数量 14.8(データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 200 億ドル・営業利益 134 億ドル。数量 0.60 倍
- ハードウェア・サービス:数量 5.6(関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 14(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 76 億ドル・営業利益 5 億ドル。縮小
倍率:正当化 PER は 11.0 倍(g 4.0%、RONIC 10.1%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 10.7% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 7.7 倍(7 割)に置いた。計算基盤の採算が悪化し、利益率が戻らない筋書きで 7 割。 g の内訳:物価 3.5% に実質 1% を足した 4.5% は上限の 4.0% に打ち止め(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:大手 3 社の価格競争と、オープンエーアイ以外の契約が積み上がらない展開。OCI の利益率は 2 割程度、利払いが重い。確率は 27% と厚く置いた。
悲観 20% 悲観:構造的に負け、リストラと増資を経て、優良でなくなった会社になる 利益 −130 億ドル · PBR 0.7 倍 · 株価時価総額 9.63 ドル281 億ドル
10 年後、オープンエーアイの破綻や縮小で契約の大半が消え、GPU の陳腐化と大手 3 社の値下げで OCI の売上は 450 億ドル、営業利益率は 6% にとどまる。データベースも他のデータベースへの流出で縮み、ソフトは 150 億ドル。投機的格付けになり、リストラ・増資・資産売却を経て、利払いが営業利益を上回る赤字が続く。もう優良な基盤ソフトではなく、借金を抱えた普通のソフト会社として評価される。谷の純利益は赤字で、時価総額は今の自己資本の 0.66 倍まで下がる。増資は約 450 億ドルに抑え(資産売却で借金の返済に回す)、初めの数年の配当約 200 億ドルを引いた正味 250 億ドルの払い込みは還元から引くので、今の株主に残る価値はほぼ 0。赤字と減損(GPU・データセンターの評価損)で、増資で入った自己資本は使い切られ、自己資本は今の水準に戻る。
- OCI(クラウド基盤・AI 計算):数量 51.1(クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 8.80(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 450 億ドル・営業利益 27 億ドル。名目市場 10,500 億ドル × シェア 4.3%、価格 0.88 倍(計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらない)
- クラウドアプリ:数量 15.8(企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 12(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 190 億ドル・営業利益 30 億ドル。シェア縮小・値下げで価格 1.20 倍
- ソフトウェア(データベース・保守):数量 12.0(データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 150 億ドル・営業利益 87 億ドル。数量 0.45 倍、価格も 1.25 倍にとどまる
- ハードウェア・サービス:数量 4.4(関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分))× 価格 13(1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10))→ 売上 55 億ドル・営業利益 −1 億ドル。大きく縮小
倍率:谷の純利益は赤字(-130 億ドル)で PER も ROE の式も使えないので、今の自己資本 425 億ドルに PBR を掛けて測る。利益ベースの値が付くやや悲観の PBR(時価総額 ÷ 自己資本 0.83 倍)の 8 割の 0.66 倍を置いた(谷の倍率は上限を超えるので採らない)。時価総額 = 425 × 0.66 倍 = 281 億ドル。10 年の増資の払い込み約 450 億ドルから初めの数年の配当約 200 億ドルを引いた正味 250 億ドルは還元から引くので、今の株主に残る価値は時価総額+還元でほぼ 0(約 30 億ドル)。EV(時価総額 + 純有利子負債 1,355 億ドル)÷ 営業利益は 19 倍で、借金が重いぶん利益の倍率だけでは割安とは言えない。
確率:10 年の間に構造的に負ける(オープンエーアイの破綻や縮小、GPU の陳腐化と価格崩れ、格付けの投機的への低下と増資)。もう優良ではなくなった会社。確率は 20%(マイクロソフトの 12% より厚い)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
OCI(クラウド基盤・AI 計算)
AI 学習・推論の GPU 計算とデータベースのクラウド基盤。契約は長期で、消費量課金。
| 数量クラウド基盤の実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分) | 価格1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 18.1 | 10 | 181 | 20 |
| 10 年後 中立 | 132 | 11 | 1,450 | 377 |
取り方:クラウド基盤(IaaS・PaaS・AI 計算)の世界市場は約 6,500 億ドル(推定。マイクロソフトと同じ市場の置き方)。2026 年 5 月期の OCI 売上 181 億ドルはシェア 2.8%。競合はアマゾンの AWS(約 3 割)、マイクロソフト(約 2 割)、グーグル(1 割強)、コアウィーブなど。数量は実質の市場 × シェアを、2026 年度の価格で 10 億ドル分を 1 単位として数え、価格はその 1 単位の値段。計算の単位あたりの値段は半導体の進歩で物価ほど上がらないので、中立は 10 年 1.10 倍、楽観は 1.22 倍、供給過剰の悲観は値下がりと置いた(マイクロソフトのクラウドと同じ見方)。営業利益 20 億ドルは営業利益率 11% の推定(粗利率 1 割台から運営費を引いた)。
クラウドアプリ
フュージョン ERP・NetSuite・人事・サプライチェーン・医療(サーナー)などの業務アプリ。月額課金。
| 数量企業の業務アプリの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分) | 価格1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 15.9 | 10 | 159 | 45 |
| 10 年後 中立 | 24.5 | 14 | 345 | 114 |
取り方:ERP・人事・サプライチェーン・医療の業務アプリの世界市場を約 2,600 億ドル(推定)とすると、売上 159 億ドルはシェア約 6.1%。エスエーピー・ワークデイ・セールスフォース・マイクロソフトの Dynamics が競合。価格は契約上の値上げと物価で中立に 3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍。営業利益率 28% は推定(サーナー等の低採算を含む)。
ソフトウェア(データベース・保守)
オラクルデータベース・ミドルウェアのライセンスと年間保守契約。
| 数量データベース・基盤ソフトの実質の世界市場 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分) | 価格1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 24.5 | 10 | 245 | 167 |
| 10 年後 中立 | 16.7 | 14 | 235 | 164 |
取り方:データベース・ミドルウェアの市場は約 1,100 億ドルで、シェア約 22%(売上 245 億ドル)。保守料は契約上の値上げで物価並みに上がる(3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍)一方、数量はクラウドへの移行と他のデータベースへの流出で年 2〜4% 減る。営業利益率は約 68% の推定(保守の粗利率 9 割弱から運営費を引いた)。
ハードウェア・サービス
エクサデータなどのハード、コンサルティング・教育・サーナーの運用サービス。
| 数量関連市場の実質規模 × シェア(単位=2026 年度の価格で 10 億ドル分) | 価格1 単位の値段(億ドル。2026 年度=10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.9 | 10 | 89 | 11 |
| 10 年後 中立 | 6.4 | 14 | 90 | 9 |
取り方:ハード約 29 億ドルとサービス約 60 億ドルの合計 89 億ドル。関連市場を約 1,500 億ドルと置くとシェア約 6%。成熟事業で数量は縮み、価格は物価並みに上がるため、売上は名目で横ばい。営業利益率は約 12% の推定。
リスクと懸念
オープンエーアイ 1 社への集中
契約残高の半分近くが、黒字化していないオープンエーアイ 1 社の約 3,000 億ドルの契約に結びつく。同社の資金調達が止まる、契約を再交渉する、他社へ移る場合、契約残高の質が一気に落ち、使われないデータセンターと借金が残る。CFO が履行の持続性に疑問を示したとの報道もある。
借金と格付け
有利子負債は約 1,670 億ドルで、純有利子負債は 1,355 億ドル。格付けは投機的の 1 段上で、ムーディーズとエスアンドピーは見通しを下げている。投機的に落ちると借入金利が上がり、プロジェクトファイナンスの条件も悪化する。リースなど借入金に出ない負債も大きい。
フリーキャッシュフローの赤字と増資
2026 年 5 月期のフリーキャッシュフローは 237 億ドルの赤字で、2030 年まで赤字が続く見込み。普通株を ATM で 200 億ドル売り、株式報酬も加えて株数は年 2% 以上増える。調達の市場が閉じれば、設備投資を止めるか、割安な増資を強いられる。
OCI の利益率と価格の崩れ
AI 計算の粗利率は 1 割台との報道もあり、会社の目標 3〜4 割に届くか未確定。アマゾン・マイクロソフト・グーグルが同規模の増設をしており、2027〜2028 年に供給が追いつくと単価が下がる。GPU は 5〜6 年で陳腐化し、減価償却だけが残る危険がある。
データベースの侵食
保守料の値上げで売上は保たれているが、数量はクラウド移行や他のデータベース(マイクロソフトの SQL Server・アマゾンの Aurora・ポストグレス系)への流出で年 2〜4% 減る。顧客が値上げを拒む動きが強まれば、利益の大半を稼ぐ部分が崩れる。
電力・データセンターの稼働遅れ
契約を売上にするには、電力・土地・チップの調達とデータセンターの建設が間に合う必要がある。遅れは売上の計上を後ろにずらしながら、借金の利払いと減価償却は先に始まるため、利益を直接圧迫する。。電力会社との接続や変電設備の納期は読みにくい。
資本配分と創業者への依存
創業者ラリー・エリソン氏は筆頭株主で、大規模な AI 投資の判断は同氏の意向が強いとされる。投資の回収率が資本コストを下回っても止まりにくい。高齢の創業者の後継の問題も長期の不確実さになる。。エリソン家と取締役会の関係にも不透明さが残る。
今後の分かれ目
- オープンエーアイが資金調達に失敗する、または契約の大半を再交渉・縮小したら
- 契約残高の半分近くが揺らぐ。悲観・やや悲観の確率を大きく上げ、減損と増資を織り込む。時価総額は今の 3 割前後まで下がりうる。
- 格付けが投機的に引き下げられたら
- 借入金利が約 1% 上がり、利払いは 3 年後に 30 億ドル前後増える。調達の条件が悪化し、やや悲観の確率を上げる。
- OCI の粗利率が 3 割を超え、フリーキャッシュフローが 2028 年に黒字へ向かったら
- OCI の営業利益率が楽観側に寄る。借金への懸念が後退し、楽観・やや楽観の確率を上げる。
- オープンエーアイ以外(メタ・エックスエーアイ・企業)の大型契約が積み上がったら
- 1 社依存が薄まり、契約残高の質が改善する。悲観の確率を下げてよい。
- クラウド大手の増設が稼働し、AI 計算の単価が 2 年で 3 割以上下がったら
- OCI の利益率は 1 割前後に落ちる。やや悲観・悲観の確率を上げる。
- データベース保守の値上げ拒否や大型の解約が目立ち始めたら
- 利益の大半を稼ぐソフトの部分が崩れる。10 年の悲観の確率を上げ、倍率を 2〜3 倍下げて見る。
見ておくもの
- 契約残高(RPO)の総額と、オープンエーアイが占める割合
- OCI の売上成長と粗利率、四半期の設備投資額と営業キャッシュフローの差
- ムーディーズ・エスアンドピーの格付けと見通し、5 年の CDS、新規債・ローンの取引価格
- ATM などの普通株の発行額と、株数の増加率
- データセンターの稼働(電力・チップの調達)と、前払い契約の金額
- ソフトの保守売上の増減と、データベースの顧客の流出
倍率と資本コストの決め方
今の PER 21.9 倍や時価総額 3,737 億ドルを見る前に、セグメントごとに市場 × シェア × 価格で売上と利益を積み上げ、利払いと税を引いた純利益を出した。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)で置いた。k = 9.5%(基本 8% + 借金 1.0% + 寿命 0.5%)、ROE は検査と同じ帳簿の自己資本に対する純利益(のれん込み。10 年中立で約 22%)、残る割合は普通の 1/2、g は 4.0%。10 年中立の正当化 PER は 13.5 倍で、借金と設備投資の重さ、オープンエーアイへの集中を見てその 7.5 割の 10.1 倍に置いた。事業の見通し(数量・価格・確率)は倍率の置き直しでは変えていない。借金の重さは k に +1.0% 入れたうえで、悲観・やや悲観の確率と悲観の深さにも表した。悲観の PBR は、利益ベースの値が付くやや悲観の PBR の 8 割を今の自己資本に掛け、増資の払い込みは還元から引いた(今の株主に残る価値はほぼ 0)。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.61 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。借金 +1.0%・寿命 +0.5% で quality は +1.5%(k 9.5%。前は β 1.61 から上限 9% に収めた)。格付けの低下・オープンエーアイの破綻は k だけでなく、やや悲観・悲観の確率(10 年で 47%)と、悲観の増資と赤字で表した(k に足しすぎない)。存続そのものは危うくないので上乗せ 0。