結論
ドミニオン・エナジー(D)は、バージニア州の電力会社ドミニオン・エナジー・バージニア(DEV)、サウスカロライナ州の電力・ガス(DESC)、原子力ミルストーンなどの契約エネルギーの 3 本を持つ垂直統合の公益。2025 年の営業利益は約 29 億ドル、GAAP の純利益は約 30 億ドル、売上は 167 億ドル。2026 年 4〜6 月期は営業利益 7.1 億ドルで通期の営業 EPS 見通し(中位)を維持したが、GAAP は非規制の RNG・太陽光の減損 約 9 億ドルで大きく削られた。
会社は 2026〜2030 年に約 650 億ドル(従来約 500 億ドル。増分の 9 割超がバージニア)を投じ、投資基盤を年約 10% 伸ばす一方、EPS の伸びは 5〜7%(起点は 2025 年の 45Z 抜き)に抑える。差は新株・親会社の利払い・長期工事の資金コストで、成長が株主の利益に変わる割合が低い。NEE(ネクステラ・エナジー)が全株式交換(0.8138 株)で買収する合意をしているが、未成立なので今の会社だけで書く。
バリュー投資の観点では、純有利子負債 493 億ドル(時価総額の 91%)・自己資本比率 25.1%・FCF −73 億ドルと、同領域で最も借金が重い。バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality +0.25% を足した 8.25%(公益の規制事業だが、純負債が時価総額の 9 割と重く借り換えの金利が利益を削る)。倍率は利益ベースの正当化 PER(moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 12.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.6%)の 9.8 割の 12.3 倍。今の GAAP の PER 18 倍は、この水準を上回る。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 41% 下で、結論は「割高」である。事業の質は高く、バージニアは 12 GW のデータセンター契約という追い風があるが、利益の伸びのかなりの部分が増資と借金に消える構造で、安全域は薄い。筋書きを重ねた価値と今の時価総額の差は計算に任せる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。バージニアの電力はデータセンターという代わりのきかない需要に支えられ、10 年後も確実に残り、収益基盤は今より大きい。堀は地域独占と原子力で、広がる側にある。ただし料金も認可も SCC の手の中にあり、価格を決める力は無い。
次にオーナー利益。営業利益 29 億ドルのうち配当が約 23.5 億ドル(性向約 80%)で、FCF は −73 億ドル。配当を払ったうえで伸びに要る投資は、新株・ハイブリッド債・借金で賄う。10 年の中立では純利益の合計が約 400 億ドル、配当が約 290 億ドル、増資の払い込みが約 170 億ドルで、株主に正味で渡るのは約 120 億ドル。成長は大きいが、株主の手に残る利益は小さい。
資本配分は、規制の枠の中ではまとも(原子力の延長・送電)だが、CVOW の費用超過・RNG の減損・SCANA の原発放棄と、数十億ドルを壊した前歴がある。安全域は、資本コストを 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)と置き、悲観を 10 年で 14% と厚くして確保した。確信度はバージニアの需要には高く、CVOW の完成・認可の継続・NEE との取引の帰結には低い。安全域では、利益ベースの正当化 PER 12.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.6%・k 8.25%・moat=normal)に対して、10 年の中立を 12.3 倍に置いた。今の PER 18 倍はこれより高く、安全域はない。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 41% 下で、結論は「割高」である。
何で稼ぐ会社か
収益は 3 つの柱。
バージニア(DEV)は利益の約 8 割。ノーザン・バージニア(ループドン郡の「データセンター街」)を含む州の約 300 万の顧客に、発電・送電・配電を一貫して提供する。料金は州公益事業委員会(SCC)が 2 年ごとの審査(2026・2027 年分は 2025 年 11 月に最終命令)で決め、洋上風力 CVOW・ガス火力・送電は個別のライダー(追加料金)で回収する。2026 年の上期営業利益は 13.4 億ドル(前年 11.1 億)。2027 年から 25 MW 以上の新しい料金区分 GS-5 が始まり、14 年契約・送配電 85%・発電 60% の最低負担を課す。
サウスカロライナ(DESC)は旧 SCANA の電力・ガスで、利益は約 5 億ドル弱。SCANA が V.C. サマー原発を放棄した 2017 年の傷跡がまだ残り、成長はバージニアより遅い。
契約エネルギーは、コネチカットのミルストーン原子力(長期契約)と契約型の再エネで、利益は約 3 億ドル。2026 年は RNG(家畜ふん尿由来のガス)の設備に 8.2 億ドルの減損を計上し、45Z 税額控除も縮んだ。全社・その他は親会社の利払いで、2026 年上期に −1.6 億ドル(前年同期 −0.75 億)へ拡大した。
CVOW(バージニア沖洋上風力)は事業費 116.5 億ドル(+2%、最終タービンは 2027 年後半へ 6 か月遅れ)で、81% が完成。金融パートナーが費用増の約 3 分の 1 を負担し、完成すれば顧客の燃料費を 10 年で約 50 億ドル下げる、と会社は説明する。
優良さと弱いところ
堀は 3 層。第 1 はバージニアの地域独占で、データセンターの集積が需要を支え、大口契約の署名済み分は約 12 GW、交渉中は 53 GW(2026 年 Q2)。第 2 は規制の枠組みで、GS-5 の長期・最低負担契約が使われなくなったときの費用の押し付けを抑える。第 3 は既存の原子力(バージニアの 2 基地とミルストーン)で、ガスタービンの納期が 5〜7 年となる世界では稼働中の電源の価値が上がる。
資本効率は悪くない。営業利益ベースの ROE は約 10%(自己資本 291 億ドル)。ただし 5 か年投資の約 3 分の 2 はライダー対象でも、CVOW のような長期工事は完成まで利益を生まず、投資基盤が年 10% 伸びても EPS は 5〜7%(株式の増加と親会社の利払いが差)。弱点は 4 つ。第 1 に財務で、純有利子負債 493 億ドル(時価総額の 91%)、FFO/負債 15% 前後、親会社の負債比率 29.3%(目標 30% 未満)。第 2 に CVOW の工期・費用(顧客に回収されない 2025 年 2.6 億ドル・2026 年上期 0.95 億ドル)。第 3 に非規制事業の減損の癖(RNG・太陽光)。第 4 にバージニアの手頃さの政治で、住宅料金の上がりと SCC の審査が収益基盤の認可を左右する。同領域のサザン(ROE 13% 台)やデューク・エナジーと比べ、財務の余裕と ROE は劣る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の電力需要は 2025 年に過去最高の 4,195 TWh で、EIA は 2027 年まで年約 +1.9% と見る。引っ張るのはデータセンターで、バージニアは世界最大の集積地。ドミニオンは 53 GW の交渉・12 GW の署名済みを持つが、見込みと確約は別で、テキサスでは ERCOT 自身が 2030 年の見通しを 208 GW から 138 GW へ切り下げた前例がある。
競合は需要の取り合いではなく投資の認可を取り込む力の競争。隣接するアメリカン・エレクトリック・パワー(AEP、69 GW を契約済みとする)・デューク・エナジー・サザン(契約済み 17 GW 超)と、立地・タービン・送電の資材を取り合う。料金面では PJM の容量価格の高止まりと 2029/30 年分のオークション(2026 年 12 月)、州知事による価格上限の動き、住宅料金 +5% 超の政治がある。
新設ガス火力は 1 kW あたり 2,000〜2,200 ドル(2023 年は 1,500 ドル未満)、納期 5〜7 年で、2030 年代に費用が膨らむ。原子力の運転延長・出力増・小型炉に追い風だが、新設は財務保護が無ければ提案しない、と経営陣は述べる。洋上風力は米国で政策の逆風が強く、CVOW は米国最大級の案件として完成の可否が業界の試金石になる。再編では、NEE のドミニオン買収(全株式交換、完了 2027 年後半見込み)が成立すれば全米最大の規制公益が生まれる。
資本政策と M&A
資金計画は 5 年で、内部 CF 約 60%・ハイブリッド債 約 10%・普通株(配当再投資と ATM)約 10%・負債約 20%。2026 年の普通株の発行は完了。配当は年約 23.5 億ドル(2026 年)で、配当性向を同業並みにするまで据え置く方針。自社株買いはない。格付けの維持に FFO/負債 15% が必要で、親会社の負債比率は 29.3%(目標 30% 未満)。
M&A の歴史は、2018 年の SCANA の買収(V.C. サマー原発の放棄の傷を負った)、2020 年のバークシャー・ハサウェイへのガス送電・貯蔵の売却の破談、2024 年のガス配給 3 社の売却。そして 2026 年 5 月の NEE による買収の合意がある。
全株式交換で完了は 2027 年後半の見込み。バージニア SCC の審理は 2026 年 11 月 17 日、SCC の決定期限は 2027 年 1 月 11 日前後と報じられる。上院議員が連邦エネルギー規制委員会に否決を求め、州議会にも反対論がある。解約金は 22.4 億ドル。未成立なので、筋書きは今のドミニオン単体で置いた。payout_oku は配当から普通株の発行(配当再投資・ATM)を引いた正味の還元とし、増資を続ける分は正味が小さくなる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
バージニアは世界最大のデータセンター集積で、署名済みの ESA は約 12 GW(年初から +5 GW)、交渉中は 53 GW。GS-5 の 14 年契約・最低負担が通り、遊休化のリスクを大口が負う。5 か年投資は 500 億ドルから 650 億ドルに増え、増分の 9 割超がバージニアで、3 分の 2 はライダーで回収が早い。投資基盤は年約 10%、会社の EPS 目標は 2030 年まで年 5〜7%(後半は上半分)。
CVOW は 81% が完成し、31 基の風車が 450 MW 超を送電している。費用増の約 3 分の 1 を金融パートナーが負担し、完成後は顧客の燃料費を 10 年で約 50 億ドル下げる。2025〜26 年に非規制の RNG・太陽光を整理しており、残る契約エネルギーのミルストーンは長期契約で安定する。許可 ROE は 9.8% 前後が保たれ、2026 年上期のバージニアの営業利益は前年から 21% 増えた。データセンターの最低負担契約が現実になれば、利益は計画の上半分に乗る。
NEE への売却は、成立すれば買収の割増が株主に入り、成立しなくても単体で成長が続く。
慎重な見方
借金で成長を買っている会社である。純有利子負債は 493 億ドルで時価総額の 91%、自己資本比率 25.1%、FCF は 2025 年に −73 億ドル。借り換えが 5.75% 前後になれば、親会社の利払いは 2026 年上期だけで前年の 2 倍(−0.75 億ドル→−1.6 億ドル)に膨らんだ。投資基盤は 10% 伸びるのに EPS が 5〜7% なのは、新株と利払いが利益の伸びを食う証拠。
CVOW は工期が 6 か月遅れて 2027 年後半、事業費は 116.5 億ドルに増え、顧客に回収されない費用が 2025 年に 2.6 億ドル、2026 年上期に 0.95 億ドル出ている。非規制では 2026 年上期に RNG と太陽光で約 9 億ドルの減損。サウスカロライナは SCANA の原発放棄の傷から、利益が前年から 11% 減った。
バージニアは住宅料金の反発が強く、SCC が 2026・2027 年の増収を要求より小さくした。53 GW の交渉は確約でなく、ERCOT の見通し切り下げの前例もある。GS-5 は 2027 年から。NEE の買収は SCC の審理が 11 月に始まったばかりで、否決・遅延・州議会の反発の危険がある。
利益ベースの正当化 PER(10 年の中立で 12 倍前後)は、k 8.25%・ROE 9〜10%・g 4.0% までから出た値で、今の 18 倍は高すぎる。
どちらに重みを置いたか
バージニアの需要と投資基盤の伸びは強気の見方が上回るが、株主に残る利益の小ささ(増資・利払い・CVOW の費用)と、借金 91% の財務は慎重な見方が突いている。倍率は正当化 PER の 7〜10 割に置いた(10 年の中立 12.3 倍=正当化 PER 12.6 倍の 9.8 割)。今の PER を見て寄せていない。利益は会社の 2030 年までの目標(年 5〜7%)の約 5% 下に置いた。確率は中立に寄せつつ、やや悲観・悲観の合計を 10 年 40% と、同領域のデューク・エナジー(29%・34%)やセンプラ(32%・37%)より厚くした。借金の重さと CVOW・SCANA の前歴で、損失を吸収する余地が小さいと見たため。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 41% 下で、結論は「割高」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 65.72 ドル562 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 11.85 ドル101 億ドル)。 今の値に割り戻すと 37.72 ドル323 億ドル、今との差 −42.3%、 期待の年率 +1.7%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 91.63 ドル784 億ドル | 17.54 ドル150 億ドル | +66.9% | +5.3% | 5.46 ドル47 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 83.12 ドル711 億ドル | 15.78 ドル135 億ドル | +51.2% | +4.2% | 18.79 ドル161 億ドル |
| 中立 | 36% | 77.21 ドル660 億ドル | 14.03 ドル120 億ドル | +39.5% | +3.4% | 32.85 ドル281 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 55.22 ドル472 億ドル | 9.35 ドル80 億ドル | −1.3% | −0.1% | 16.79 ドル144 億ドル |
| 悲観 | 14% | 22.78 ドル195 億ドル | 3.51 ドル30 億ドル | −59.8% | −8.7% | 3.68 ドル31 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 65.72 ドル562 億ドル | 11.85 ドル101 億ドル | +18.6% | +1.7% | 77.57 ドル663 億ドル |
今の株価時価総額 65.40 ドル559 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 5% 楽観:バージニアの収益基盤が 2035 年までに 2.4 倍、増資も抑えられる 利益 63 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 91.63 ドル784 億ドル
2035 年末、署名済みの ESA が 30 GW 級に積み上がり、バージニアの収益基盤は約 1,087 億ドル(年 9%)。GS-5 の長期契約が遊休化を防ぎ、SCC は 2 年ごとの審査で許可 ROE 9.8% 前後を維持する。ガス・送電・原子力の延長がライダーで早く回収され、収益基盤あたり利益は 4.95% に保たれて 53.8 億ドル。サウスカロライナは収益基盤 185 億ドルで 8.9 億ドル、契約エネルギーはミルストーンの運転延長と出力増で 4.4 億ドル、親会社は −4.2 億ドル。純利益は約 62.9 億ドル(2025 年の 2.2 倍)。普通株の発行は 10 年で 160 億ドルにとどまり、配当約 310 億ドルから引いた正味の還元は約 150 億ドル。倍率は 正当化 PER 13.1 倍に対して 12.5 倍(9.5 割)に置いた(規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割)。
- バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力):数量 1,087(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 54 億ドル・営業利益 54 億ドル。バージニア:1,087 億ドル × 4.95%(53.8 億ドル)
- サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス):数量 185(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 9 億ドル・営業利益 9 億ドル。サウスカロライナ:185 億ドル × 4.8%(8.9 億ドル)
- 契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG):数量 80.0(投下資本(億ドル))× 価格 0.06(投下資本あたりの営業利益)→ 売上 4 億ドル・営業利益 4 億ドル。契約エネルギー 4.40 億ドル(投下資本 × 5.5%)
倍率:正当化 PER 13.1 倍(g 4.0%・RONIC 9.0%=k 8.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.8%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.5 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(バージニアのデータセンター・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× 単位あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 4.0%)。純利益は GAAP の考え方。 EV(時価総額 784+純有利子負債 493)÷ 営業利益 = 20 倍でも見た。借金が重く EV で見ると高めなので、倍率は上限の内側に収め、高く置く理由にしていない。
確率:大口が確約になり CVOW も完成し、認可も ROE 近くで通る。借金の重い会社の 10 年で重なる確率は 5%。
やや楽観 19% やや楽観:収益基盤は年 8.3%、利益は会社目標の上半分 利益 58 億ドル · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 83.12 ドル711 億ドル
2035 年末の収益基盤は約 1,020 億ドル(バージニア・年 8.3%)。2030 年までは年 10% 近く、その後は大口の一部が縮み年 5.5% 台に鈍る。収益基盤あたり利益は 4.9%。バージニア 50.0 億ドル、サウスカロライナ(収益基盤 175 億ドル)8.3 億ドル、契約エネルギー 4.0 億ドル、親会社 −4.5 億ドル。純利益は約 57.8 億ドル(年 7.1%)。普通株の発行は 10 年で 165 億ドル、配当約 300 億ドルから引いた正味の還元は約 135 億ドル。倍率は 正当化 PER 12.8 倍に対して 12.3 倍(9.6 割)に置いた(許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9.6 割)。
- バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力):数量 1,020(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 50 億ドル・営業利益 50 億ドル。バージニア:1,020 億ドル × 4.9%(50.0 億ドル)
- サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス):数量 175(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 8 億ドル・営業利益 8 億ドル。サウスカロライナ:175 億ドル × 4.75%(8.3 億ドル)
- 契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG):数量 72.7(投下資本(億ドル))× 価格 0.06(投下資本あたりの営業利益)→ 売上 4 億ドル・営業利益 4 億ドル。契約エネルギー 4.00 億ドル(投下資本 × 5.5%)
倍率:正当化 PER 12.8 倍(g 4.0%・RONIC 8.8%=k 8.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.3 倍(9.6 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9.6 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(バージニアのデータセンター・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× 単位あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 4.0%)。純利益は GAAP の考え方。 EV(時価総額 711+純有利子負債 493)÷ 営業利益 = 21 倍でも見た。借金が重く EV で見ると高めなので、倍率は上限の内側に収め、高く置く理由にしていない。
確率:会社の目標に近い達成が長期でも続く。バージニアの規制の質は高く、起きやすい上振れで 19%。
中立 36% 中立:収益基盤は 2030 年まで年 9.5%、その後 6% に鈍り、利益は年 6.3% 利益 54 億ドル · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 77.21 ドル660 億ドル
2035 年末の収益基盤は約 969 億ドル(バージニア・10 年で年 7.7%)。2030 年までは年 9.5%(会社計画の約 10% に届かない)で、その後は大口の一部が縮み、ERCOT の見通し切り下げのような前例が重なって年 6% に鈍る。収益基盤あたり利益は工事の資金コストが解消して 4.85%。バージニア 47.0 億ドル、サウスカロライナ(収益基盤 167 億ドル)7.85 億ドル、契約エネルギー 3.75 億ドル(長期契約の更新が焦点)、親会社 −5.0 億ドル(借り換えの金利上昇)。純利益は約 53.6 億ドル(2025 年の 1.8 倍、年 6.3%)。普通株の発行は 10 年で約 170 億ドル、配当約 290 億ドルから引いた正味の還元は約 120 億ドル。倍率は 正当化 PER 12.6 倍に対して 12.3 倍(9.8 割)に置いた(規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 9.8 割)。
- バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力):数量 969(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 47 億ドル・営業利益 47 億ドル。バージニア:969 億ドル × 4.85%(47.0 億ドル)
- サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス):数量 167(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 8 億ドル・営業利益 8 億ドル。サウスカロライナ:167 億ドル × 4.7%(7.85 億ドル)
- 契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG):数量 68.2(投下資本(億ドル))× 価格 0.06(投下資本あたりの営業利益)→ 売上 4 億ドル・営業利益 4 億ドル。契約エネルギー 3.75 億ドル(投下資本 × 5.5%)
倍率:正当化 PER 12.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.6%=k 8.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 8.9%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.3 倍(9.8 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 9.8 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(バージニアのデータセンター・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× 単位あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 4.0%)。純利益は GAAP の考え方。 EV(時価総額 660+純有利子負債 493)÷ 営業利益 = 22 倍でも見た。借金が重く EV で見ると高めなので、倍率は上限の内側に収め、高く置く理由にしていない。
確率:大口需要は大きいが一部は縮み、バージニアの手頃さの議論と増資が利益の伸びを抑える。最も起きやすい。
やや悲観 26% やや悲観:CVOW・手頃さの政治・増資で、利益は年 3.4% の伸びにとどまる 利益 41 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 55.22 ドル472 億ドル
2035 年末のバージニアの収益基盤は約 822 億ドル(年 6%)。CVOW の費用超過の一部が回収されず、SCC は許可 ROE を 9% 台前半に下げ、データセンターの契約が 4 割縮む。収益基盤あたり利益は 4.55%。バージニア 37.4 億ドル、サウスカロライナ 6.8 億ドル、契約エネルギー 2.8 億ドル(契約更新で単価が下がる)、親会社 −6.0 億ドル。純利益は約 41.0 億ドル。格付け維持のための普通株は 10 年で 190 億ドル、配当約 270 億ドルから引いた正味の還元は約 80 億ドル。倍率は 1÷k = 12.1 倍に対して 11.5 倍(9.5 割)に置いた(許可 ROE と投資の認可が絞られ、事業の ROE が k を下回るので、1÷k の上限の 9.5 割)。
- バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力):数量 822(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 37 億ドル・営業利益 37 億ドル。バージニア:822 億ドル × 4.55%(37.4 億ドル)
- サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス):数量 150(収益基盤(億ドル))× 価格 0.05(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 7 億ドル・営業利益 7 億ドル。サウスカロライナ:150 億ドル × 4.55%(6.8 億ドル)
- 契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG):数量 50.9(投下資本(億ドル))× 価格 0.06(投下資本あたりの営業利益)→ 売上 3 億ドル・営業利益 3 億ドル。契約エネルギー 2.80 億ドル(投下資本 × 5.5%)
倍率:正当化 PER 上限 12.1 倍(事業の ROE 7.9% が k 8.25% 以下なので 1÷k まで。ためた利益 1 ドルの価値は 1 ドル未満)に対して 11.5 倍(9.5 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、事業の ROE が k を下回るので、1÷k の上限の 9.5 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(バージニアのデータセンター・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× 単位あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)。純利益は GAAP の考え方。 EV(時価総額 472+純有利子負債 493)÷ 営業利益 = 24 倍でも見た。借金が重く EV で見ると高めなので、倍率は上限の内側に収め、高く置く理由にしていない。
確率:CVOW の追加の損失と SCC の ROE 引き下げが重なる確率。借金が重く増資が膨らむので、AEP やデューク・エナジーより厚く 26%。
悲観 14% 悲観:CVOW とデータセンターの縮みで利益が減り、もう優良な公益ではなくなっている 利益 27 億ドル · PBR 0.7 倍 · 株価時価総額 22.78 ドル195 億ドル
2035 年末、CVOW の追加の遅れと大幅な費用超過が起き、SCC が一部(約 30 億ドル)を回収させず自己資本が毀損する。データセンターの大口が 53 GW の引き合いの大半を失い、バージニアの収益基盤は約 650 億ドル(年 3.5%)、許可 ROE は 9.0% 前後に下がる。収益基盤あたり利益は 4.0%。バージニア 26.0 億ドル、サウスカロライナ 5.6 億ドル、契約エネルギー 2.0 億ドル、親会社 −7.0 億ドル(借り換えの金利)。純利益は約 26.6 億ドルで 2025 年を下回る。普通株を 220 億ドル発行し、配当約 250 億ドルから引いた正味の還元は約 30 億ドル。倒産には至らず、規制資本の裏付けが床になる。
- バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力):数量 650(収益基盤(億ドル))× 価格 0.04(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 26 億ドル・営業利益 26 億ドル。バージニア:650 億ドル × 4.0%(26.0 億ドル)
- サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス):数量 140(収益基盤(億ドル))× 価格 0.04(収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後))→ 売上 6 億ドル・営業利益 6 億ドル。サウスカロライナ:140 億ドル × 4.0%(5.6 億ドル)
- 契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG):数量 36.4(投下資本(億ドル))× 価格 0.06(投下資本あたりの営業利益)→ 売上 2 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約エネルギー 2.00 億ドル(投下資本 × 5.5%)
倍率:悲観の床は今の自己資本に掛ける決まり(SCHEMA §1-3)なので、規制資本の裏付けである今の自己資本 290.8 億ドルに PBR 0.67 倍を掛けた。この筋書きの実現 ROE は 5.5%(純利益 26.6 億ドル ÷ 自己資本 480 億ドル)で、k 8.25% を下回るので、正しい PBR は ROE÷k = 0.67 倍が上限(ためた利益 1 ドルの価値は 1 ドル未満。SCHEMA §1-1)。PER に直すと約 7.3 倍。悲観の確率と利益の落ち込みで表したので、倍率でさらに下げてはいない。純利益は GAAP。 EV(時価総額 195+純有利子負債 493)÷ 営業利益 = 26 倍でも見た。借金が重く EV で見ると高めなので、倍率は上限の内側に収め、高く置く理由にしていない。
確率:CVOW の超過費用の一部不認可・需要の大幅な縮み・ROE の引き下げ・増資の重さが重なる確率。借金が時価総額の 9 割で裾が重く 14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
バージニア(ドミニオン・エナジー・バージニア。垂直統合の電力)
バージニア州の発電・送電・配電。データセンターの集積(ループドン郡)が需要を引っ張り、CVOW・ガス・送電のライダーが成長の核。料金は SCC が 2 年ごとに決める。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 460 | 0.05 | 23 | 23 |
| 10 年後 中立 | 969 | 0.05 | 47 | 47 |
取り方:収益基盤は約 460 億ドル(推定)。2025 年のバージニアの営業利益は上期 11.1 億ドルの実績と通期の営業利益(約 29 億ドル)から逆算して約 22.9 億ドル(推定)。収益基盤は利益 ÷(自己資本比率 約 52% × 実現 ROE 約 9.5%)で置いた。売上は燃料費・購入電力費の転嫁で別物なので、利益を売上と置く(利益率 100%)。会社は 5 年の投資基盤の年成長を約 10% と開示。競合と比べると、デューク・エナジーの収益基盤は約 1,160 億ドルでバージニアの 2.5 倍、AEP のデータセンター契約は 69 GW、サザンは 17 GW 超。
サウスカロライナ(ドミニオン・エナジー・サウスカロライナ。電力・ガス)
旧 SCANA の電力・ガス。成長はバージニアより遅く、2017 年の V.C. サマー原発の放棄の傷が残る。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの営業利益(税引き後・利払い後) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.05 | 5 | 5 |
| 10 年後 中立 | 167 | 0.05 | 8 | 8 |
取り方:収益基盤は約 100 億ドル(推定)。2025 年の営業利益は上期 2.61 億ドルの実績と 2026 年上期 2.31 億ドル(−11%)から、通期で約 4.7 億ドル(推定)。売上は燃料・ガスの転嫁で別物なので利益を売上と置く。収益基盤の年成長は 5〜6% と置く(バージニアの約 10% より遅い)。競合と比べると、同じ南東部のデューク・エナジー(カロライナ 606 億ドル)やサザンは規制が穏やかで利益の伸びが速い。
契約エネルギー(ミルストーン原子力・契約型の再エネ・RNG)
コネチカットのミルストーン原子力(長期契約)と契約型の再エネ。2026 年に非規制の RNG・太陽光を減損し縮小中。
| 数量投下資本(億ドル) | 価格投下資本あたりの営業利益 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 60.0 | 0.06 | 3 | 3 |
| 10 年後 中立 | 68.2 | 0.06 | 4 | 4 |
取り方:投下資本は約 60 億ドル(推定。減損後のミルストーンと契約型再エネ)。2025 年の営業利益は上期 1.56 億ドルの実績から約 3.3 億ドル(45Z の RNG 税額控除 約 0.8 億ドルを含む)。売上は購入契約の転嫁があり別物なので利益を売上と置く。2026 年は 45Z の見込みが縮み、利益は約 3.0〜3.3 億ドルに落ち着く。競合と比べると、コンステレーションのような非規制の原子力は容量・卸価格の上振れ下振れが大きいが、ミルストーンは長期契約で固定された。
リスクと懸念
借金と格付け(純有利子負債が時価総額の 91%)
純有利子負債 493 億ドル、自己資本比率 25.1%、FCF は 2025 年に −73 億ドル。親会社の利払いは 2026 年上期に前年の 2 倍に膨らんだ。借り換えが 5.75% 前後になり、FFO/負債 15% が崩れれば、格下げで資金コストが上がり、増資が増える。10 年の悲観で増資 220 億ドルを置いた。
CVOW の工期・費用・回収
洋上風力 CVOW は 81% 完成、最終タービンは 2027 年後半に 6 か月遅れ、事業費は 116.5 億ドル(+2%)。顧客に回収されない費用が 2025 年に 2.6 億ドル、2026 年上期に 0.95 億ドル出ている。完成後の運転実績と SCC の回収判断で、費用の一部が株主負担になる。
NEE との合併の成否(未成立)
全株式交換 0.8138 株、完了は 2027 年後半の見込み。SCC の審理は 2026 年 11 月 17 日、決定期限は 2027 年 1 月 11 日前後。州議会・上院議員の反対があり、否決・遅延・条件の追加がありうる。成立しても破談でも、単体の成長筋書きとは別に株価が動く。筋書きは単体で置いた。
バージニアの手頃さの政治
SCC は 2026・2027 年の増収を要求より小さくし、住宅料金は 2027 年までに月 13.5 ドル上がる見通し。PJM の容量価格が上がる中、州知事・議会の関心はデータセンター負担に向かう。許可 ROE と投資の認可の削り方で、バージニアの利益 約 23 億ドルが 1 割動く。
データセンター需要の確度
署名済みは約 12 GW、交渉は 53 GW。ERCOT 自身が 2030 年の見通しを 208 GW から 138 GW に切り下げた前例があり、引き合いは確約でない。GS-5(2027 年〜、14 年契約・最低負担)で押し付けは減るが、実際の接続が遅れれば先行投資の費用が一般の料金に回る。
非規制事業の減損と利益の質
2026 年上期に RNG と太陽光で約 9 億ドルを減損、2025 年の 45Z 税額控除は縮んだ。ミルストーンの長期契約の更新・運転延長も焦点。GAAP の利益は営業利益より大きく振れるので、営業利益の伸びを GAAP で確認する必要がある。
サウスカロライナの傷
SCANA が V.C. サマー原発を 2017 年に放棄し約 90 億ドルを失った前例があり、DESC の利益は 2026 年上期に前年から 11% 減った。成長が遅く、認可も慎重で、10 年の悲観では再び自己資本を毀損する。
今後の分かれ目
- 署名済みの ESA が 20 GW を超え、GS-5 の契約が使われ始めたら
- バージニアの収益基盤が年 10% 台を保ち、楽観・やや楽観の確率を 10 年で 5 ポイント上げる。逆に 53 GW の大半が消えれば、10 年のバージニアの収益基盤は 970 億ドル級でなく 650 億ドル級に落ちる。
- CVOW が 2027 年後半に完工し、運転実績で顧客の燃料費の削減が確認されたら
- 顧客に回収されない費用が止まり、悲観の確率を 10 年で 14% から 10% に下げる。再び遅れて費用が 120 億ドルを超えるなら、やや悲観の確率を 5 ポイント上げる。
- SCC が NEE との合併を条件付きで承認し、完了が 2027 年に決まったら
- 株価は買収の条件で決まるようになり、単体の筋書きの価値との差が開く。否決・破談なら単体の筋書きに戻り、増資と親会社の費用の負担をそのまま見る。
- FFO/負債が 15% を割り、格付け会社が見通しを引き下げたら
- 借り換えの上乗せが広がり、10 年のやや悲観・悲観の確率を 3 ポイントずつ上げ、増資を前倒しにする。
- 2027 年の SCC のライダー審査と 2028 年の審査で許可 ROE が 9.8% を保てたら
- 収益基盤あたり利益を 5% 前後に保てて、中立の利益を約 3% 上げる。9.2% に削られるなら、バージニアの利益を 1 割下げて見る。
- 10 年国債が 6% 台まで上がったら
- 借り換えコストが親会社の費用を増やし、倍率も縮む。k を quality の上側(+1.0% 程度)に寄せ、10 年のやや悲観の倍率 12.0 倍を中立に置く。
見ておくもの
- 署名済みデータセンター ESA の積み上がり(12 GW から)と GS-5 の契約状況
- CVOW の完工(2027 年後半)と SCC の回収判断、顧客に回収されない費用
- NEE との合併の SCC 審理(2026 年 11 月 17 日)と決定(2027 年 1 月前後)、州議会・連邦の動き
- FFO/負債 15% の維持と格付け会社の見通し、親会社の利払い
- SCC の 2 年ごとの審査とライダーの認可(許可 ROE 9.8%)、住宅料金の上がり
- PJM の次の容量オークション(2026 年 12 月)
- ミルストーンの契約更新・運転延長、10 年国債 5% の維持
倍率と資本コストの決め方
今の PER 18 倍を見る前に、数量と価格でセグメントを積み、純利益と自己資本を決め、倍率は利益ベースの正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g)(RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k)、moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 12.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.6%)の 9.8 割の 12.3 倍。今の値段に寄せていない。結論は、総合で今の時価総額の約 41% 下の「割高」。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 5% + β 1.12 × 5%。基本 8.0% + coc.quality +0.25% = 8.25%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 8.25%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。CVOW・NEE との取引・バージニアの手頃さの政治といった個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 8.25% では g 4.00% が上限。