結論
エバーソース・エナジー(ES)は、コネチカット・マサチューセッツ・ニューハンプシャーの 3 州で電気(送電・配電)とガスを届ける規制公益で、2026 年 6 月 30 日に水道事業の Aquarion(アクアリオン)の売却を終え、純粋な電力・ガス会社になった。売上は 2025 年 136 億ドル、GAAP の純利益は 17 億ドル。2026 年の非 GAAP の純利益は、会社の 1 株利益の見通し(中央値)に約 3.77 億株を掛けて約 17.5 億ドル、GAAP は Aquarion の売却損・洋上風力の偶発債務・FERC の ROE 返還見込みで約 14.3 億ドルになる。
成長の核は 2026〜2030 年の 265 億ドルの投資(レートベースは年 8.3%)で、会社は 1 株利益を 2030 年まで年 5〜7% で伸ばす目標を掲げる。一方の弱みは、FERC が 2026 年 3 月に送電の基本 ROE を 10.57% から 9.57% へ下げたこと、コネチカットとマサチューセッツの電気料金への反発(手頃さの政治)、約 14 億ドルの嵐費用の回収の争い、洋上風力の売却後に残る GIP への偶発の支払い、そして純有利子負債 301 億ドル(時価総額の約 121%)・自己資本比率 25% の財務である。
バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality −0.50% を足した 7.5%(規制公益で景気に強く、洋上風力の後始末と借金の厚さ=純負債が時価総額の 1.2 倍を debt +0.75% に入れた)。倍率は利益ベースの正当化 PER(moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 16.1 倍(g 4.0%・RONIC 9.1%)の 9.2 割の 14.8 倍。今の GAAP の PER 14.7 倍は、この水準を上回る。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 4% 上で、結論は「適正」である。差は小さく、借金の厚さと規制の質(PURA・FERC)を k に入れたうえで、今の値段はほぼ見合っている。事業の質は中の上で、悪い面は k の debt の項と筋書き・確率(やや悲観・悲観の合計を 10 年 38%)で表し、今の時価総額との差は計算に任せる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。ニューイングランドの送配電とガスの独占は、電化と老朽設備の更新で今後 10 年も残り、事業としては堅い。ただし堀の大部分は州と FERC の手にあり、価格を決める力は無い。FERC の ROE の 1 ポイントの引き下げと PURA の否決は、その弱さの現れ。
次にオーナー利益を見る。2025 年の GAAP 純利益 17 億ドルに対し配当は約 11 億ドルだが、FCF は 2023〜2024 年に大きな赤字で、不足は借金と増資で埋めてきた。10 年の中立では増資の払い込み(約 25 億ドル)を引いた正味の還元は約 125.7 億ドルで、配当の約 8.3 割。株主の価値の増加は、レートベースの年 6% 前後の伸びの先にしかない。
資本配分は、洋上風力への参入と撤退(17.7 億ドルの減損)で価値を壊した一方、水道の売却と規制事業への集中は筋が良い。純負債が時価総額の約 121% ある構造は、金利の上昇・認可の遅れ・嵐の費用に弱い。安全域は、k を 7.5%(基本 8.0% + quality −0.50%)と置き、悲観の確率を厚くして確保した。確信度は送配電の独占の部分では高いが、規制の質と洋上風力の後始末では低い。優良な事業を安く買えるかは、最後は計算で判断する。安全域では、利益ベースの正当化 PER 16.1 倍(g 4.0%・RONIC 9.1%・k 7.50%・moat=normal)に対して、10 年の中立を 14.8 倍に置いた。今の PER 14.7 倍はこれより高く、安全域はない。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 4% 上で、結論は「適正」である。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 本柱と本社。第 1 は送電(ニューイングランドの送電網。FERC が ROE を決める)。コネチカット・マサチューセッツ・ニューハンプシャーの送電を一括して持ち、2025 年の利益は前年より下がったが、利益の約 4 割を占める最大の柱。2026 年 3 月の FERC の決定で基本 ROE が 10.57% から 9.57% へ下がり、2026 年の下期から利益が薄くなる。投資は ISO ニューイングランドの増強計画に沿って続き、予備選定の案件は計画の上積みの余地になる。
第 2 は電力配電(コネチカット・ライト・アンド・パワー、NSTAR エレクトリック、ニューハンプシャーのパブリック・サービス)。料金は各州の規制当局(コネチカットは PURA、マサチューセッツは DPU、ニューハンプシャーは PUC)が決める。2026 年はマサチューセッツとニューハンプシャーの基本料金の引き上げが利益を押し上げ、コネチカットは 2026 年 7 月に 4.51 億ドル(嵐費用を含めると 7.27 億ドル)の改定を申請し、新料金は 2027 年 7 月が目標。第 3 はガス配給(コネチカットのヤンキー・ガス、NSTAR ガスなど)で、2025 年 11 月 1 日の料金引き上げが 2026 年上半期の利益を押し上げた。第 4 の水道は 2026 年 6 月 30 日に売却を終え、総額 約 24 億ドル(長期債 約 6.5 億ドルを含む)・純受取 約 17 億ドルで親会社の借金を返す。
利益は「レートベース × 自己資本比率 × 許可 ROE」で決まる。売上の多くを占める電力・ガスの調達費は料金で転嫁するので、売上と利益は別物。セグメント別のレートベース(送電 150・電力配電 150・ガス 85 億ドル、2025 年)と売上(送電 26・電力配電 85・ガス 21 億ドル)・営業利益は、5 年計画 265 億ドルとレートベースの年 8.3% の成長、会社が示す 2025 年のセグメント別の 1 株利益から逆算した推定。本社他は親会社の借金の利払いが中心で、2026 年は利息費用と税率の上昇で赤字が拡大している。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は地域独占で、3 州の送配電・ガスに競合は無く、需要がある限り投資が認可される。第 2 は送電で、ニューイングランドの老朽設備の更新と電化・再エネの連系の投資が長く続く。第 3 は水道という規制の別の柱を売り、規制の電力・ガスに集中して財務を軽くしたこと。弱みは 5 つ。
第 1 に規制の質で、コネチカットの PURA は 2025 年に Aquarion の売却を一度否決し、嵐費用の回収を係争している。バリュー投資の観点では、この州の規制は同業の中で最も厳しい部類で、認可の見通しが読みにくい。同じ規制公益でも、認可の速いフロリダやテキサスの会社に比べ、実現 ROE が許可を下回る。第 2 に財務で、純有利子負債は 301 億ドル(時価総額の約 121%)、自己資本比率は 25%、FCF は 2023〜2024 年に −27・−23 億ドルと大きな赤字だった。第 3 に FERC の送電 ROE の 1 ポイントの引き下げ。第 4 に洋上風力で、2023 年に 17.7 億ドルの減損を出して赤字になり、2024 年の売却後も GIP への偶発の支払いが 2026 年 4〜6 月にまた増えた。第 5 に 2026 年の利益の質で、GAAP は非 GAAP より約 3 億ドル低い。
資本効率は GAAP の自己資本 ROE 10.4%(2025 年)で、許可 ROE(9.3〜9.6%)並み。2023 年の赤字(−3.1%)と 2024 年(5.4%)が過去 3 年の平均を引き下げている。経営は Joseph Nolan 会長・社長・CEO が率いる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ES の事業地域はニューイングランドで、全米でも電気料金が高い。理由は、燃料のガスの輸入制約、送電の増強の費用、州の脱炭素の法律(マサチューセッツとコネチカットの 2050 年のネットゼロ)に伴う再エネの費用、嵐の費用など。結果として手頃さの政治が強く、規制当局が料金の引き上げに慎重になりやすい。これが ES のいちばんの外部リスクで、同業の成長地域(テキサス・フロリダ・南東部のデータセンター需要)とは違う。
需要は、これまで横ばいに近かったが、電化(ヒートポンプ・EV)で冬のピークが伸び、ISO ニューイングランドは冬のピークが夏を上回る見通しとされる。伸びはテキサスのような大口負荷ではなく、小口の積み上げで緩やか。投資の中身は送電(ISO ニューイングランドの長期の増強、洋上風力の連系)、配電の強靭化(嵐対策)、AMI、ガス配管の更新。
競合は地域では無いが、規制上の比較相手が近隣にいる。ナショナル・グリッド(National Grid、マサチューセッツのほか)、イベルドローラ傘下のアヴァングリッド(Avangrid、コネチカットのユナイテッド・イルミネイティング)、ユニティル(Unitil)。規制当局は費用や信頼度を比べて料金を決めるので、停電の回数・復旧の速さ・費用の効率が認可の質に効く。再編は州の承認が重く、同業の合併は 12〜18 か月かかる。電化で冬の需要が伸びる一方、ガス配給は販売量が減る逆風もあり、料金への転嫁の仕方が各州の政治の争点になる。
資本政策と M&A
資本政策の中心は、配当(四半期配当で年 5〜7% 成長の方針、非 GAAP の純利益の約 6〜7 割)と、借金・資産売却・株式による資金調達。5 年計画 265 億ドルは、営業キャッシュフローと借金で大半を賄い、増資は 5 年で 8〜11 億ドル、2026 年の残りは増資なしと会社が説明している。会社全体の時価総額で書くので、増資の払い込みは還元から引いた。
資産の整理は、洋上風力(2024 年第 3 四半期に Revolution・South Fork・Sunrise の持ち分を GIP へ売却、2023 年第 4 四半期に 17.7 億ドルの減損)と、水道 Aquarion(2026 年 6 月 30 日に完了、総額 約 24 億ドル、純受取 約 17 億ドル)。売却の目的は、規制の電力・ガスへの集中と財務の改善。買い手はコネチカットの地域の水道公社の関連の公的な機関で、PURA は 2025 年 11 月に一度否決し、2026 年 1 月の裁判所の差し戻しを経て 2026 年 3 月に承認した。
M&A の歴史は、2012 年のノースイースト・ユーティリティーズと NSTAR の合併(エバーソースの誕生)、ヤンキー・ガス・NSTAR ガスの取り込み、水道の取得と売却、洋上風力への参入と撤退。洋上風力は資本配分の失敗として、バリュー投資の観点では評価を下げる。今後の再編は、同業の合併が相次ぐ中で候補にも対象にもなりうるが、3 州の承認が必要なので小さな確率で扱う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
会社の計画は 2026〜2030 年に 265 億ドルで、レートベースは年 8.3% で伸びる。前の計画から 23 億ドル積み増された実績があり、送電の予備選定とコネチカットの AMI は計画外の上積みの余地になる。2026 年の見通し(非 GAAP の純利益で約 17.2〜17.8 億ドル)は FERC の ROE 引き下げと Aquarion の利益の消失を織り込んだ後の数字で、2028 年までに目標の上側(年 7%)へ入ると会社は見る。
Aquarion の売却収入で親会社の借金が約 17 億ドル減り、水道という規制の別の柱を整理して財務も事業の姿も軽くなった。2026 年のマサチューセッツ・ニューハンプシャーの基本料金の引き上げとガスの料金引き上げは、すでに上半期の利益に出ている。コネチカットの料金改定は 2027 年半ばまでに決まり、嵐費用の約 14 億ドルは証券化(約 20 年)で顧客の月額負担を小さくできるので、政治の抵抗も弱められる。今の GAAP の PER 14.7 倍は、規制公益としては同業(20 倍前後)より低く、洋上風力の後始末が終われば利益の質も戻る。
慎重な見方
ES は借金で成長を買う会社で、純有利子負債は時価総額の約 121%、自己資本比率は 25%。FCF は 2023〜2024 年に −27・−23 億ドルと大きな赤字で、増資 8〜11 億ドルの計画も株価が下がれば重くなる。リーマンの谷での株価は配当込みで −32%、2022〜23 年の利上げで −22%。
規制の質が最大の弱みで、コネチカットの PURA は 2025 年に Aquarion の売却を一度否決し、嵐費用の約 14 億ドルを別の手続きで争っている。2026 年 7 月申請の料金改定は嵐費用を含めて 7.27 億ドルで、平均 11% の値上げを求めるが、手頃さの政治の中で大幅に削られる前例が多い。FERC は 2026 年 3 月に送電の ROE を 1 ポイント引き下げ、最大の柱の利益が薄くなった。洋上風力は売却後も GIP への偶発の支払いが 2026 年 4〜6 月に 1.64 億ドル(税引き後)増え、2023 年の 17.7 億ドルの減損と合わせ、参入の判断が重荷になり続けている。2026 年の GAAP の純利益は非 GAAP より約 3 億ドル低く、利益の質も悪い。
どちらに重みを置いたか
送配電の独占とレートベースの年 8% の伸びは強気の見方が上回るが、規制の質(PURA・FERC)・借金の厚さ・洋上風力の後始末は慎重な見方が突いている。倍率は正当化 PER の 7〜10 割に置いた(10 年の中立 14.8 倍=正当化 PER 16.1 倍の 9.2 割)。今の PER を見て寄せていない。利益は会社目標(年 5〜7%)の下限〜中位に置いた。確率は中立に寄せ、楽観・やや楽観の合計を 10 年 25%、やや悲観・悲観の合計を 10 年 38% とした。コンソリデーテッド・エジソン(10 年 6/19/37/24/14)より悲観を厚くしたのは、PURA の厳しさと洋上風力・嵐費用という固有の重荷があるため。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 4% 上で、結論は「適正」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 96.97 ドル360 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 31.89 ドル118 億ドル)。 今の値に割り戻すと 69.26 ドル257 億ドル、今との差 +2.1%、 期待の年率 +6.6%(資本コスト 7.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 141.30 ドル525 億ドル | 37.68 ドル140 億ドル | +163.8% | +10.2% | 10.74 ドル40 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 117.82 ドル437 億ドル | 35.88 ドル133 億ドル | +126.6% | +8.5% | 29.20 ドル108 億ドル |
| 中立 | 37% | 107.01 ドル397 億ドル | 33.86 ドル126 億ドル | +107.7% | +7.6% | 52.12 ドル194 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 85.79 ドル319 億ドル | 29.44 ドル109 億ドル | +69.9% | +5.4% | 27.66 ドル103 億ドル |
| 悲観 | 14% | 42.32 ドル157 億ドル | 22.98 ドル85 億ドル | −3.8% | −0.4% | 9.14 ドル34 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 96.97 ドル360 億ドル | 31.89 ドル118 億ドル | +89.9% | +6.6% | 128.86 ドル478 億ドル |
今の株価時価総額 67.84 ドル252 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:北東部の電化と送電の増強が進み、レートベースが 10 年で 2.2 倍になる 利益 32 億ドル · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 141.30 ドル525 億ドル
2035 年末、マサチューセッツとコネチカットの脱炭素の法律(2050 年のネットゼロ)に沿って電化が進み、ISO ニューイングランドの冬のピークが夏を上回る。送電の長期の増強とスマートメーター(AMI)・配電の更新が計画 265 億ドルを超えて認可され、レートベースは 2030 年まで年 8%、その後も年 5〜6% で伸びる。手頃さの政治は、託送の費用を負担する大口が増えて和らぎ、PURA の許可 ROE も維持される。洋上風力の偶発債務は小さく収まり、Aquarion の売却収入で借金が減った分、財務は軽い。10 年の純利益は 約 32.3 億ドル(送電 約 14.7・電力配電 約 13.9・ガス 約 7.4・本社他 約 -3.6・特別項目 約 -0.2 億ドル)、自己資本は約 245.6 億ドル。配当は 10 年で約 157.9 億ドル、増資は約 18 億ドルで、正味の還元は約 139.9 億ドル。倍率は 正当化 PER 17.1 倍に対して 16.2 倍(9.5 割)に置いた(規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割)。
- 送電(ニューイングランド):数量 298(レートベース(億ドル))× 価格 0.16(レートベース 1 ドルあたりの売上)→ 売上 49 億ドル・営業利益 27 億ドル。レートベース 297.7 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.163(純利益 約 14.7 億ドル=レートベース × 4.95%)
- 電力配電:数量 284(レートベース(億ドル))× 価格 0.53(レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む))→ 売上 151 億ドル・営業利益 25 億ドル。レートベース 284.1 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.530(純利益 約 13.9 億ドル=レートベース × 4.90%)
- ガス配給:数量 154(レートベース(億ドル))× 価格 0.23(レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む))→ 売上 35 億ドル・営業利益 14 億ドル。レートベース 154.3 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.230(純利益 約 7.4 億ドル=レートベース × 4.80%)
倍率:正当化 PER 17.1 倍(g 4.0%・RONIC 10.0%=k 7.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 12.4%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 16.2 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。g の内訳:販売電力量・ガス需要の実質 +1.2% × シェア 変わらず × 単位あたり収益 +2.5%(物価 3.5% を下回る)= 名目 約 3.7%。純利益は GAAP の考え方。
確率:電化(ヒートポンプ・EV)で冬の需要が伸び、送電の増強が計画に上積みされ、PURA とマサチューセッツ公益事業局(DPU)が許可 ROE を保つ重なりは 6%。
やや楽観 19% やや楽観:計画の 265 億ドルが認可どおり進み、目標の上側で伸びる 利益 29 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 117.82 ドル437 億ドル
2035 年末、5 年 265 億ドルの計画が認可されて進み、その後は年 5% 前後で投資が続く。レートベースは 2030 年まで年 7.6%、その後は年 5.1% の伸び。コネチカットの料金改定は 2027 年に要求の 6 割が認められ、以後の改定でも許可 ROE は 9.3〜9.5% 台を保つ。FERC の送電 ROE は 9.57% のまま。ガス配給は老朽管の更新で年 6% 台で伸びる。10 年の純利益は 約 29.3 億ドル(送電 約 13.7・電力配電 約 12.9・ガス 約 6.9・本社他 約 -4.0・特別項目 約 -0.3 億ドル)、自己資本は約 236.5 億ドル。配当は 10 年で約 154.2 億ドル、増資は約 21 億ドルで、正味の還元は約 133.2 億ドル。倍率は 正当化 PER 16.6 倍に対して 14.9 倍(9 割)に置いた(許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割)。
- 送電(ニューイングランド):数量 283(レートベース(億ドル))× 価格 0.16(レートベース 1 ドルあたりの売上)→ 売上 46 億ドル・営業利益 25 億ドル。レートベース 282.8 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.162(純利益 約 13.7 億ドル=レートベース × 4.85%)
- 電力配電:数量 270(レートベース(億ドル))× 価格 0.53(レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む))→ 売上 142 億ドル・営業利益 24 億ドル。レートベース 269.8 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.525(純利益 約 12.9 億ドル=レートベース × 4.80%)
- ガス配給:数量 147(レートベース(億ドル))× 価格 0.23(レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む))→ 売上 34 億ドル・営業利益 13 億ドル。レートベース 147.2 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.227(純利益 約 6.9 億ドル=レートベース × 4.72%)
倍率:正当化 PER 16.6 倍(g 4.0%・RONIC 9.5%=k 7.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 11.6%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.9 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。g の内訳:販売電力量・ガス需要の実質 +1.2% × シェア 変わらず × 単位あたり収益 +2.5%(物価 3.5% を下回る)= 名目 約 3.7%。純利益は GAAP の考え方。
確率:5 年計画は 2025〜29 年から 2026〜30 年で 15 億ドル積み増された実績があり、計画の積み上げは進んでいる。確率 19%。
中立 37% 中立:レートベースは 2030 年まで年 7%、その後は年 5%、許可 ROE は据え置き 利益 27 億ドル · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 107.01 ドル397 億ドル
2035 年末、5 年計画 265 億ドルの大半が認可されて進み、レートベースは 2030 年まで年 7% 台前半、2030 年以降は年 5% 前後で伸びる(電力・ガスで 10 年に年 約 6%)。許可 ROE は電力配電が 9.3% 前後、送電が 9.57%、ガスが 9.3〜9.5% で据え置き。実現 ROE は許可より 0.3〜0.5 ポイント低い。増資は 2030 年までに計画どおり約 10 億ドル(会社の 8〜11 億ドル。配当再投資・株式報酬の分は別)、以降も信用の維持のために年 約 3 億ドルを足して 10 年で約 25 億ドル。洋上風力の偶発債務は小さな特別項目として出続ける。10 年の純利益は 約 26.9 億ドル(送電 約 13.0・電力配電 約 12.3・ガス 約 6.6・本社他 約 -4.5・特別項目 約 -0.5 億ドル)、自己資本は約 229.8 億ドル。配当は 10 年で約 150.7 億ドル、増資は約 25 億ドルで、正味の還元は約 125.7 億ドル。倍率は 正当化 PER 16.1 倍に対して 14.8 倍(9.2 割)に置いた(規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 9.2 割)。
- 送電(ニューイングランド):数量 271(レートベース(億ドル))× 価格 0.16(レートベース 1 ドルあたりの売上)→ 売上 43 億ドル・営業利益 24 億ドル。レートベース 271.0 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.160(純利益 約 13.0 億ドル=レートベース × 4.80%)
- 電力配電:数量 260(レートベース(億ドル))× 価格 0.52(レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む))→ 売上 135 億ドル・営業利益 23 億ドル。レートベース 259.8 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.520(純利益 約 12.3 億ドル=レートベース × 4.72%)
- ガス配給:数量 142(レートベース(億ドル))× 価格 0.23(レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む))→ 売上 32 億ドル・営業利益 12 億ドル。レートベース 142.4 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.225(純利益 約 6.6 億ドル=レートベース × 4.65%)
倍率:正当化 PER 16.1 倍(g 4.0%・RONIC 9.1%=k 7.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.8%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.8 倍(9.2 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 9.2 割。g の内訳:販売電力量・ガス需要の実質 +1.2% × シェア 変わらず × 単位あたり収益 +2.5%(物価 3.5% を下回る)= 名目 約 3.7%。純利益は GAAP の考え方。
確率:最も起きやすい筋書き。レートベースは会社見通し(年 8.3%)の少し下で伸び、2030 年以降は電化と更新の投資が年 5% 前後で続く。確率 37%。
やや悲観 24% やや悲観:手頃さの政治で ROE と投資が削られ、増資が増える 利益 23 億ドル · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 85.79 ドル319 億ドル
2035 年末、電気料金の高さへの反発で、PURA と DPU が許可 ROE を 9% 前後に抑え、投資の一部が否認される。レートベースは 10 年で年 5〜6% にとどまり、会社の見通しを下回る。FFO/債務を守るために増資は約 35 億ドルに増え、洋上風力の GIP への偶発債務も積み増しが続く。ガス配給は電化で販売量が減り、料金への転嫁が重くなる。10 年の純利益は 約 22.7 億ドル(送電 約 11.7・電力配電 約 11.0・ガス 約 6.0・本社他 約 -5.2・特別項目 約 -0.9 億ドル)、自己資本は約 217.4 億ドル。配当は 10 年で約 144.3 億ドル、増資は約 35 億ドルで、正味の還元は約 109.3 億ドル。倍率は 正当化 PER 14.9 倍に対して 14.0 倍(9.4 割)に置いた(許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 9.4 割)。
- 送電(ニューイングランド):数量 253(レートベース(億ドル))× 価格 0.16(レートベース 1 ドルあたりの売上)→ 売上 40 億ドル・営業利益 22 億ドル。レートベース 252.5 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.157(純利益 約 11.7 億ドル=レートベース × 4.65%)
- 電力配電:数量 242(レートベース(億ドル))× 価格 0.51(レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む))→ 売上 123 億ドル・営業利益 21 億ドル。レートベース 241.9 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.510(純利益 約 11.0 億ドル=レートベース × 4.55%)
- ガス配給:数量 134(レートベース(億ドル))× 価格 0.22(レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 11 億ドル。レートベース 133.9 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.221(純利益 約 6.0 億ドル=レートベース × 4.50%)
倍率:正当化 PER 14.9 倍(g 4.0%・RONIC 8.4%=k 7.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.0 倍(9.4 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 9.4 割。g の内訳:販売電力量・ガス需要の実質 +1.2% × シェア 変わらず × 単位あたり収益 +2.5%(物価 3.5% を下回る)= 名目 約 3.7%。純利益は GAAP の考え方。
確率:北東部は全米でも電気料金が高く、手頃さの政治が強い。ROE の抑制と増資の増加が重なる確率を 24% と厚めに置いた。
悲観 14% 悲観:構造的に負け、規制の悪化と財務の傷みで優良な規制公益ではなくなる 利益 17 億ドル · PBR 1.0 倍 · 株価時価総額 42.32 ドル157 億ドル
2035 年末、コネチカット・マサチューセッツで許可 ROE が 8% 台に下がり、嵐費用の回収や投資の認可が繰り返し否認される。洋上風力の GIP への偶発債務の追加負担と嵐費用の否認で、自己資本が約 14.0 億ドル削られる。FFO/債務が 12% 台に落ちて格下げされ、安い株価で約 50 億ドルの増資を強いられる。レートベースは 10 年で年 4% 台にとどまる。倒産には至らず、規制資本の裏付けが床になる。10 年の純利益は 約 16.7 億ドル(送電 約 9.9・電力配電 約 9.2・ガス 約 5.1・本社他 約 -6.0・特別項目 約 -1.5 億ドル)、自己資本は約 190.5 億ドル(評価損を引いた後)。配当は 10 年で約 135.3 億ドル、増資は約 50 億ドルで、正味の還元は約 85.3 億ドル。
- 送電(ニューイングランド):数量 220(レートベース(億ドル))× 価格 0.15(レートベース 1 ドルあたりの売上)→ 売上 34 億ドル・営業利益 19 億ドル。レートベース 219.8 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.154(純利益 約 9.9 億ドル=レートベース × 4.50%)
- 電力配電:数量 213(レートベース(億ドル))× 価格 0.50(レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む))→ 売上 106 億ドル・営業利益 18 億ドル。レートベース 212.6 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.499(純利益 約 9.2 億ドル=レートベース × 4.35%)
- ガス配給:数量 119(レートベース(億ドル))× 価格 0.22(レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む))→ 売上 26 億ドル・営業利益 10 億ドル。レートベース 119.3 億ドル × 1 ドルあたりの売上 0.216(純利益 約 5.1 億ドル=レートベース × 4.25%)
倍率:実現 ROE(純利益 16.7 億ドル ÷ 評価損を引いた自己資本 230.5 億ドル)7.25% は k 7.50% を下回るので、正しい PBR は ROE÷k = 0.97 倍が上限(SCHEMA §1-1)。悲観の床は今の自己資本に掛ける決まり(SCHEMA §1-3)なので、規制資本の裏付けである今の自己資本 162.0 億ドルに 0.97 倍を掛けた。PER に直すと約 9.4 倍。嵐費用の否認と洋上風力の追加負担による自己資本の削れ(約 14 億ドル)は筋書きの利益と自己資本に入れてあり、二重には下げていない。純利益は GAAP。
確率:手頃さの政治で許可 ROE が 8% 台まで下がり、嵐費用や洋上風力の負担が自己資本を削り、格下げで増資を強いられる重なりを 14% と置いた。純負債が時価総額の 121% と厚く、過去にも PURA の否認が格下げにつながった。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
送電(ニューイングランド)
コネチカット・マサチューセッツ・ニューハンプシャーの送電網。FERC が ROE を決め、2026 年 3 月に 10.57% から 9.57% へ下がった。
| 数量レートベース(億ドル) | 価格レートベース 1 ドルあたりの売上 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 150 | 0.17 | 26 | 13 |
| 10 年後 中立 | 271 | 0.16 | 43 | 24 |
取り方:レートベース 約 150 億ドルは推定(5 年計画 265 億ドルとレートベースの年 8.3% の成長、2025 年の送電の利益 約 7.65 億ドル=2025 年の送電の 1 株利益 × 約 3.66 億株 ÷ 許可 ROE 約 10.6% ÷ 自己資本比率 約 50% から逆算)。売上 約 26 億ドル・営業利益 約 13.0 億ドルは推定(全社の売上 136 億ドル・営業利益 30 億ドルに合わせて割り振り)。純利益は 約 7.65 億ドル(レートベースの 5.1%)。競合は無く、価格は FERC が決める。
電力配電
コネチカット・ライト・アンド・パワー、NSTAR エレクトリック、ニューハンプシャーの配電。2026 年はマサチューセッツとニューハンプシャーの基本料金の引き上げが利益を押し上げ、コネチカットは 2027 年 7 月の新料金を目指す。
| 数量レートベース(億ドル) | 価格レートベース 1 ドルあたりの売上(調達費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 150 | 0.57 | 85 | 12 |
| 10 年後 中立 | 260 | 0.52 | 135 | 23 |
取り方:レートベース 約 150 億ドルは推定(5 年計画と成長率、2025 年の配電の利益 約 6.6 億ドル=2025 年の配電の 1 株利益 × 約 3.66 億株 ÷ 実現 ROE 約 9% ÷ 自己資本比率 約 50% から逆算)。売上 約 85 億ドル・営業利益 約 11.8 億ドルは推定(燃料・購入電力の転嫁を含む)。純利益は 約 6.6 億ドル(レートベースの 4.4%)。競合は無く、価格は各州の規制当局が決める。
ガス配給
コネチカットのヤンキー・ガス、NSTAR ガスなどの 3 州のガス配給。2025 年 11 月 1 日の料金引き上げが 2026 年上半期の利益を押し上げた。
| 数量レートベース(億ドル) | 価格レートベース 1 ドルあたりの売上(ガス調達費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 85.0 | 0.25 | 21 | 7 |
| 10 年後 中立 | 142 | 0.23 | 32 | 12 |
取り方:レートベース 約 85 億ドルは推定(5 年計画と成長率、2025 年のガスの利益 約 3.55 億ドル=2025 年のガスの 1 株利益 × 約 3.66 億株 ÷ 許可 ROE 約 9.5% ÷ 自己資本比率 約 45% から逆算)。売上 約 21 億ドル・営業利益 約 6.5 億ドルは推定。純利益は 約 3.55 億ドル(レートベースの 4.2%)。競合は無く、価格は各州の規制当局が決める。水道(Aquarion、2025 年の純利益 約 0.4 億ドル・売上 約 4 億ドル)は 2026 年 6 月 30 日に売却済みなので、この一覧にも将来の筋書きにも入れていない。
リスクと懸念
規制の質(PURA・DPU)と手頃さの政治
ニューイングランドは全米でも電気料金が高く、規制当局は引き上げに慎重。PURA は 2025 年に Aquarion の売却を一度否決し、2026 年 7 月申請の料金改定(嵐費用を除く不足 4.51 億ドル、含めると 7.27 億ドル、平均 11% 増)は 2027 年半ばまで結論が出ない。許可 ROE が 9% 前後まで抑えられれば、利益の伸びは目標を下回る。
FERC の送電 ROE の引き下げ
2026 年 3 月 19 日の FERC の決定で、ニューイングランドの送電の基本 ROE が 10.57% から 9.57% へ下がった。最大の柱の利益が約 1 割薄くなり、返還見込み(上半期 0.44 億ドル)も出た。再審理・控訴の結果次第で戻る可能性も下がる可能性もある。
財務の薄さと増資・借り換え
純有利子負債は 301 億ドル(時価総額の約 121%)、自己資本比率は 25%。FCF は 2023〜2024 年に −27・−23 億ドルだった。5 年で 8〜11 億ドルの増資と借り換え(5.75% 前後)が続き、格付け会社の見方が厳しくなれば投資の先送りか増資の前倒しになる。リーマンの谷では株価が配当込みで −32%、2022〜23 年の利上げで −22% 下がった。
洋上風力の後始末
2024 年第 3 四半期に Revolution・South Fork・Sunrise の持ち分を GIP へ売却したが、2026 年 4〜6 月に Revolution の追加費用で GIP への将来の支払いが増え、税引き後 1.64 億ドルの特別損失を計上した。2023 年の 17.7 億ドルの減損に続く負担で、追加の費用が出るたびに GAAP の純利益が目減りする。
嵐費用の約 14 億ドルの回収
コネチカットの 2018〜2023 年の 43 の嵐の費用 約 14 億ドル(繰延の利息を含む)は、PURA の別の手続きで争われている。利息の一部が否認されれば自己資本の毀損になる。会社は約 20 年の証券化で顧客の月額負担を抑える案を出している。
投資費用の超過と電化の需要の確度
5 年 265 億ドルの投資は、変圧器・送電線の価格と人件費に左右され、費用超過が認められなければ直接の損失。需要は電化(ヒートポンプ・EV)で冬のピークが伸びる見通しだが、小口の積み上げで、テキサスの大口負荷のような確約が無く、伸びが遅ければレートベースの成長も鈍る。
今後の分かれ目
- 2027 年半ばに PURA がコネチカットの料金改定を要求の 5 割以下に削ったら
- 配電の利益の伸びが約 1 割下がり、10 年のやや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。要求の 7 割以上が認められれば、悲観側を 3 ポイント下げる。
- FERC の送電 ROE(9.57%)が再審理・控訴でさらに下がったら
- 送電の利益が約 5% 薄くなり、10 年で中立から悲観側へ 3 ポイント寄せる。一部が戻れば、楽観側へ 2 ポイント寄せる。
- ムーディーズ・S&P が格付けを引き下げる、または FFO/債務が目標を割ったら
- 借り換えコストが上がり、増資が前倒しになる。10 年で悲観の確率を 3 ポイント上げる。改善すれば悲観側を 2 ポイント下げる。
- 洋上風力(Revolution)の追加費用で GIP への偶発の支払いがさらに増えたら
- GAAP の純利益がその分だけ目減りし、特別項目を毎年 0.5 億ドル厚くする。事業の収益力には影響しないが、評価損として自己資本を削る。
- PURA が嵐費用の約 14 億ドルのうち繰延の利息を大きく否認したら
- 自己資本が数億ドル削られ、10 年の悲観の筋書きに近づく。証券化が早く決まれば影響は限られる。
- 送電の予備選定と AMI が計画に上積みされたら
- レートベースの伸びが年 8% 台に乗り、10 年の楽観・やや楽観の確率を各 2 ポイント上げる。
見ておくもの
- 2026 年第 3 四半期決算(2026 年 10 月末〜11 月)での 2026 年の非 GAAP 見通し(非 GAAP の純利益で約 17.5 億ドルの中央以上)と 5 年計画 265 億ドルの更新
- PURA のコネチカットの料金改定(Docket 26-05-10、2027 年半ばに決定)と嵐費用の証券化の決定
- FERC の送電 ROE(9.57%)の再審理・控訴の行方
- 格付け(ムーディーズ・S&P)の見通し、FFO/債務、5 年で 8〜11 億ドルの増資の時期
- 洋上風力(Revolution)の費用超過と GIP への偶発の支払いの積み増し
- マサチューセッツ DPU の配電の基本料金と、ISO ニューイングランドの送電の予備選定・AMI
- 10 年国債 5% の維持と親会社の借り換えコスト
倍率と資本コストの決め方
今の PER 14.7 倍を見る前に、数量と価格でセグメントを積み、純利益と自己資本を決め、倍率は利益ベースの正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g)(RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k)、moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 16.1 倍(g 4.0%・RONIC 9.1%)の 9.2 割の 14.8 倍。今の値段に寄せていない。結論は、総合で今の時価総額の約 4% 上の「適正」。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 1.34 × 5%。基本 8.0% + coc.quality -0.50% = 7.50%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 7.50%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。規制の質・洋上風力・嵐費用という個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と確率(悲観を 11〜14%)で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 7.50% では g 4.00% が上限。
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読んだ資料
- ES 2026 年 4〜6 月期決算(2026-07-30。GAAP・非 GAAP・ガイダンス・Aquarion 売却完了・FERC の ROE)
- ES 2026 年 6 月 30 日の 10-Q
- Nasdaq:ES の 2026 年 4〜6 月期の決算説明会の要約(265 億ドルの計画・増資 8〜11 億ドル・Aquarion の純受取 17 億ドル)
- ES:2025 年通期決算(5 年計画 265 億ドル・レートベース 8.3%・長期 EPS 成長 5〜7%)
- CT Mirror:エバーソースのコネチカットの料金改定(約 11%)
- Hartford Business:PURA の Aquarion 売却の承認(2025 年 11 月の否決を覆す)
- Commonwealth Beacon:エバーソースの洋上風力からの撤退と減損