結論
PG&E(PCG)は、カリフォルニア北・中部で電気(約 550 万)とガス(約 450 万)を売る規制公益の持株会社。収益基盤(認可された投資の残高)は 2025 年末の 690 億ドルから 2030 年に 1,060 億ドル(年約 9%)へ伸ばす計画で、5 年で 730 億ドルを投じ、会社は増資を要らないと説明している。2025 年の売上は約 249 億ドル、GAAP の純利益は約 27 億ドル(山火事基金の拠出の償却を費用に含む)、時価総額は約 288 億ドル。
事業の質は悪くない。許可 ROE は 9.98%(自己資本 52%)で全米の平均並み、運営費は年 2〜4% 減らす計画が実績に出ており、2026 年のコア利益は約 10% 増、2027〜2030 年は年 9% 超を目標にしている。弱みは 3 つ。山火事の責任(2018 年のキャンプ火災で破産申請した前例)、純有利子負債 604 億ドルと自己資本 325 億ドルの薄い財務、手頃さの政治で料金の上がりが抑えられること。2026 年 8 月末には、責任の上限を決める法案(SB 492)が会期末に見送られ、株価は約 2 割急落した。
バリュー投資の観点では、資本コスト k は基本 8.0% に quality +0.50% を足した 8.5%(規制公益で景気に強いが、山火事の責任と純負債の重さを debt +1.0% に入れた)、倍率は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立の上限 12.3 倍。ROE 9.4%・g 4.0% で RONIC 9.0%)のほぼ上限(0.98 倍)に置き、10 年の中立は 12.1 倍。収益基盤は伸びるので利益は 10 年で約 2.3 倍になるが、その価値が株主のものになるかは、制度改革と格付けの回復にかかる。悲観を 10 年で 16% と厚く置いた上で、筋書きを重ねた値と今の時価総額の差は計算に任せる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。地域独占の電気とガス、送電網は、電化とデータセンターで需要が増える今後 10 年も残り、収益基盤は年 9% 前後で広がる。堀は広がる側にあるが、堀の大部分は州の委員会と議会の手にあり、価格を決める力は無い。
次にオーナー利益を見る。2025 年の GAAP の純利益 約 27 億ドルのうち配当はわずか(性向 7%)で、FCF は −31 億ドル。稼いだ利益の大半を設備に戻して収益基盤を増やす会社であり、株主が自由に取り出せる利益は小さい。10 年の中立では純利益の合計約 470 億ドルのうち配当に回るのは約 3 割。残りは収益基盤の増加(約 680 億ドル)の元手になる。
資本配分は規制の枠の中でよいが、山火事という「一度で資本が消える」リスクがある。安全域は、k を 8.5%(基本 8.0% + quality +0.50%)に置き、悲観の確率を 10 年で 16% と厚くして確保した。確信度は送電・配電の部分では高いが、山火事の責任制度と手頃さの政治では低い。わかりにくい部分を割り引いたうえで、優良な事業を適正〜やや安く買えるかは、最後は計算で判断する。
何で稼ぐ会社か
事業は規制公益で、収益基盤(認可された投資の残高)× 自己資本比率 × 許可 ROE で利益が決まる。4 つの部門に分けて見ると、配電(CPUC 規制、収益基盤 約 290 億ドル)、送電(FERC 規制、約 131 億ドル)、発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池、約 90 億ドル)、ガスの配給・輸送(約 179 億ドル)の順に大きい(内訳は推定)。燃料費・購入電力費・ガス調達費は料金に転嫁するので、売上の増減と利益の増減は別物である。
地域独占で競合は無いが、価格は州の公益事業委員会(CPUC)が決める。2025 年 12 月の資本コストの決定で、許可 ROE は 9.98%・自己資本 52% と、会社の要求(11.30%)より低く決まった。2027 年の料金改定(GRC)は提案決定が 2027 年 3 月、最終決定が 5 月の予定で、会社は暫定の料金回収を 2027 年 1 月からと要請している。
成長の源は、地中化・強化電柱・停電の減少(資本計画 730 億ドルのうち約 160 億ドルが安全・強靭化、約 230 億ドルが容量と新規接続)と、データセンターである。引き合いは 2026 年 6 月に 12,710 MW(3 月は 5,090 MW)に増えたが、最終設計が 3,880 MW、接続の工事契約が 490 MW、建設中が 140 MW にとどまる。会社は 2030 年までに 1.8 GW の稼働を見込む。1 GW 増えると顧客の料金を 1% ほど下げられる、が会社の説明で、手頃さの政治の解になりうる。
ガスは、ビルの電化でカリフォルニアの顧客が減る方向で、同じ設備費を少ない顧客で負担するため、将来の請求額が上がる弱みがある。
優良さと弱いところ
堀は 2 層。第 1 は地域独占(約 550 万の電力顧客・約 450 万のガス顧客)。第 2 は規模と実績で、運営費を年 2〜4% 減らし、資本の費用に対する比率を 1.0 から 2030 年に 1.7 へ上げる(同業は 2.0 超)計画が、2026 年上期の運営費の減少(第 2 四半期 25.36 億ドルで前年 28.60 億ドル)で裏づけられている。停電は 2025 年に対して 2026 年はここまで 23% 改善し、会社の設備による建物の焼失は 4 年続けてゼロと説明している。
弱みは州の委員会との関係と山火事である。カリフォルニアは手頃さの政治が強く、許可 ROE は同業の平均 9.8% 台と並ぶが、実現 ROE は規制の遅れで下がりやすい。山火事は、2018 年のキャンプ火災の損害で 2019 年に破産申請し、2020 年に脱した。基金(山火事基金)の拠出の償却が GAAP の利益を毎年削る(2026 年上期で税引き後 1.64 億ドル)。
資本効率は、2025 年の GAAP の ROE が 8.3%(コアでは 10% 前後)と、許可 ROE を下回る。財務は薄く、純有利子負債 604 億ドルは時価総額の約 2.1 倍、自己資本比率は 21%(帳簿の総資産ベース)、FFO/負債は 14%(会社の目標は 10 台半ば)。S&P は 2026 年 4 月に投資適格の 1 段下へ上げたが、投資適格には責任改革が要ると会社自身が説明している。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の電力需要は 2025 年に過去最高で、EIA は 2026〜2027 年に年 +1.9% と見る(業界ノート)。伸びの中心はデータセンターだが、カリフォルニアは屋根の太陽光とエネルギー効率で全体の伸びは鈍く、PG&E 自身の引き合い 12.7 GW も確約ではない(業界全体で ERCOT が見通しを切り下げた前例)。料金は 2026 年に全米の住宅用が約 +5%、手頃さの政治が許可 ROE と投資の認可を左右する。
この領域の同業と比べると、カリフォルニアの 2 社(PG&E・エジソン・インターナショナル)は PER が 9〜11 倍・PBR 0.9 前後で、全米の電力 25 社の中央(PER 20 倍前後)より大きく低い。理由は山火事の責任が会社に戻る制度の恐れである。エジソンは 2025 年 1 月のイートン火災で 3 万件超の訴訟を抱え、基金の使用が現実になりつつある。2025 年の SB 254 で最大 180 億ドルの継続口座ができたが、保険会社が会社に求償できる仕組み(代位求償)の扱いが決まらず、2026 年 8 月末の SB 492 は会期末に採決されなかった。
カリフォルニアの特徴は、地域電力の購入集団(CCA)が増え、顧客が電源の調達を市の団体に移していること。収益基盤(配電・送電)は残るが、売る電力量と発電の役割が縮む。ガスは電化で量が減る。設備では、ガスタービンの価格が 2019 年比で約 3 倍・納期 5〜7 年と高く、既存の原子力・送電網の価値が上がる(ディアブロ・キャニオンの 2030 年以降の運転は州の承認待ち)。M&A は、ネクステラ・エナジーとドミニオンなど再編が動くが、PG&E は時価総額の大きさと山火事の責任から、買う側にも買われる側にもなりにくい。
資本政策と M&A
資本政策の中心は、増資を要らないという会社の説明(資本計画 730 億ドルを、内部資金・借入・資産の見直しで賄う)と、配当性向を 2025 年の 7% から 2028 年に 20% へ上げる方針である。配当の水準はまだ小さい。2026 年の借入は上期で 44 億ドル(6 月に 22 億ドルの社債)、義務転換優先株を持ち(希薄化後の株数 22.85 億株は普通株 22.02 億株の約 4% 多い)、2026 年第 2 四半期の優先株配当は 0.28 億ドルと 0.24 億ドルの 2 種類。
M&A の歴史では、買収で規模を増やす会社ではない。破産を脱した 2020 年以降は、規制の投資を積み上げる会社である。山火事の和解と山火事基金への拠出が、株主の資本を直接削る。基金の拠出は、会社の年 3 億ドル(2029〜2045 年)、PG&E の負担割合は 47.85% に見直された。責任の上限は、火元になった時点の送配電の自己資本の収益基盤の 20%。
全社の時価総額で書くので、増資はしない前提を、悲観の筋書きでは約 20〜80 億ドルの増資の払い込みを還元から引いて織り込んだ。資本配分でいちばんの問いは、730 億ドルの投資が許可 ROE を生むか、山火事の費用が認可されるかである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
計画の確度が上がっている。会社は 2026 年のコア利益を約 10% 増、2027〜2030 年を年 9% 超とし、収益基盤を 2030 年に 1,060 億ドルへ伸ばす計画を据え置いた。運営費は第 2 四半期に前年比 11% 減り、停電も改善している。S&P は 2026 年 4 月に投資適格の 1 段下へ引き上げ、格付けの方向は上である。データセンターの引き合いは 3 か月で 5,090 MW から 12,710 MW に増え、最終設計は 3,880 MW に達した。1 GW あたり顧客の料金を 1% 下げられるという説明は、手頃さの政治の出口にもなる。
山火事の制度は着実に整ってきている。2025 年の SB 254 で継続口座 180 億ドルができ、PG&E の基金の負担割合は 64.20% から 47.85% に下がった。責任の上限は送配電の自己資本の収益基盤の 20% と決まっており、最初の 10 億ドルは顧客負担の自己保険である。SB 492 が見送られても、特別会期で再挑戦する話があり、CEO も改革を求めている。
資本コスト 8.5% でも、ROE 約 9.5%・g 4.0% の正当化 PER の上限は 12 倍強あり、今の PER 10.7 倍・PBR 0.89 倍に対し、収益基盤が年 9% 伸びる 10 年を考えれば、今の時価総額は山火事の悲観を織り込みすぎている。
慎重な見方
責任の上限は絵に描いた餅になりうる。2026 年 8 月末の SB 492 は、保険会社が会社に求償する仕組み(代位求償)の扱いで揉め、会期末の採決も見送られた。保険会社の求償が残る限り、1 回の大きな山火事で基金と上限を超える損失が出る可能性は消えず、会社が資本計画を縮める(会社自身が不十分なら資本を振り替えると説明)か、安値で増資をする。2018 年のキャンプ火災の破産は、まさにそうして起きた。
財務は薄い。純有利子負債 604 億ドルは時価総額の 2.1 倍、FFO/負債 14%、FCF は 2025 年に −31 億ドルで、5 年で 730 億ドルを投じる。借換えの金利が 5.75% 前後に上がる(brief の推定で 10 年後に 11 億ドルの減益)。CPUC の許可 ROE は要求 11.30% が 9.98% に決まり、手頃さの政治で次の料金改定(2027 年)でさらに下がりうる。コアの利益は、山火事基金の拠出の償却(上期 1.64 億ドル)など GAAP の費用を除いた数字で、GAAP の ROE は 8.3% にとどまる。
データセンターの引き合い 12.7 GW も、契約が進んだのは 0.5 GW にすぎない。ガスは電化で量が減り、CCA の拡大で発電の役割も縮む。エジソンのイートン火災のように、1 回の事象で株価が半値になる例は現にある。
どちらに重みを置いたか
事業の質と計画の勢いは楽観の見方が上回るが、山火事の責任制度が決まらない点は慎重な見方が突いており、SB 492 の頓挫で決まる時期は遠のいた。倍率は k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.50%)・帳簿の ROE・g 4.0% の正当化 PER の 7〜10 割に置き、10 年の中立は 12.1 倍(上限 12.3 倍の 0.98 倍)とした。確率は悲観側に寄せ、やや悲観・悲観の合計を 10 年 43% と厚くした。悲観を 10 年で 16% と置いたのは、2018 年の前例に加え、2027 年と 2031 年に大きな火災が続き増資を迫られる筋書きの重みである。利益は会社目標の約 9 割で置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 28.96 ドル638 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 6.26 ドル138 億ドル)。 今の値に割り戻すと 16.97 ドル374 億ドル、今との差 +30.8%、 期待の年率 +10.5%(資本コスト 8.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 42.80 ドル943 億ドル | 8.27 ドル182 億ドル | +293.4% | +14.7% | 2.55 ドル56 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 37.52 ドル826 億ドル | 7.45 ドル164 億ドル | +246.5% | +13.2% | 8.10 ドル178 億ドル |
| 中立 | 34% | 33.74 ドル743 億ドル | 6.63 ドル146 億ドル | +211.0% | +12.0% | 13.73 ドル302 億ドル |
| やや悲観 | 27% | 25.44 ドル560 億ドル | 7.27 ドル160 億ドル | +152.0% | +9.7% | 8.83 ドル194 億ドル |
| 悲観 | 16% | 10.79 ドル238 億ドル | 1.82 ドル40 億ドル | −2.9% | −0.3% | 2.02 ドル44 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 28.96 ドル638 億ドル | 6.26 ドル138 億ドル | +171.3% | +10.5% | 35.22 ドル776 億ドル |
今の株価時価総額 12.98 ドル286 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 5% 楽観:責任が制度で限られ、収益基盤が年 9% 台で伸び続ける 利益 73 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 42.80 ドル943 億ドル
2035 年末、山火事の責任は制度で限られ(保険会社の求償の上限・基金の継続)、格付けは投資適格で安定し、借入コストが下がる。データセンターは約 3 GW が稼働し(引き合い 12.7 GW の約 4 分の 1)、新規負荷が固定費を薄めて顧客の請求額は年 0〜3% にとどまり、手頃さの政治も和らぐ。収益基盤は約 1,500 億ドル(2030 年に 1,090 億ドル、10 年で年約 9.2%)、実現 ROE は約 10.2%、純利益は約 73.4 億ドル(2025 年の約 2.7 倍)。配当性向は 50% に上がり、10 年の配当は約 182 億ドル、増資は無い。ディアブロ・キャニオン原子力の延長が認められ、地中化と送電の投資も許可どおり。倍率は正当化 PER 13.0 倍(ROE 10.7%・g 4.0%・RONIC 9.6%・moat 普通)に対し 0.99 倍の 12.8 倍に置く。
- 電力の配電(CPUC 規制):数量 630(収益基盤(億ドル))× 価格 0.29(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 183 億ドル・営業利益 55 億ドル。収益基盤 630 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2901
- 電力の送電(FERC 規制):数量 285(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 33 億ドル。収益基盤 285 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1558
- 発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池):数量 196(収益基盤(億ドル))× 価格 0.24(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 46 億ドル・営業利益 11 億ドル。収益基盤 196 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2353
- ガスの配給・輸送:数量 389(収益基盤(億ドル))× 価格 0.39(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 152 億ドル・営業利益 36 億ドル。収益基盤 389 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3908
倍率:正当化 PER 13.0 倍(g 4.0%・RONIC 9.6%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.7%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.8 倍(9.9 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.9 割。
確率:責任改革・格付け・データセンター・料金の政治が全部そろう 5%。10 年でも重なる確率は小さい。
やや楽観 18% やや楽観:会社の計画どおり 2030 年に収益基盤 1,060 億ドル 利益 67 億ドル · PER 12.4 倍 · 株価時価総額 37.52 ドル826 億ドル
2035 年末、収益基盤は約 1,420 億ドル(2030 年に 1,060 億ドル、会社の計画どおり。その後は年約 6%)。山火事の責任は妥協的な制度でおおむね限られ、2029〜2031 年に格付けが投資適格に戻る。データセンターは約 2 GW が稼働。許可 ROE は 9.7〜10% に保たれ、実現 ROE は約 9.8%。純利益は約 66.8 億ドル(2025 年の約 2.5 倍)。配当性向は 48% に上がり、10 年の配当は約 164 億ドル、増資は無い。小規模な山火事は起きても基金と保険の範囲。倍率は正当化 PER 12.6 倍(ROE 10.0%・g 4.0%・RONIC 9.3%・moat 普通)に対し 0.98 倍の 12.4 倍に置く。
- 電力の配電(CPUC 規制):数量 597(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 178 億ドル・営業利益 51 億ドル。収益基盤 597 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2976
- 電力の送電(FERC 規制):数量 270(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 43 億ドル・営業利益 30 億ドル。収益基盤 270 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1599
- 発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池):数量 185(収益基盤(億ドル))× 価格 0.24(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 45 億ドル・営業利益 10 億ドル。収益基盤 185 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2423
- ガスの配給・輸送:数量 368(収益基盤(億ドル))× 価格 0.40(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 148 億ドル・営業利益 33 億ドル。収益基盤 368 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4015
倍率:正当化 PER 12.6 倍(g 4.0%・RONIC 9.3%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.0%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.4 倍(9.8 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9.8 割。
確率:会社の計画どおり進む筋書き。運営費の削減と停電の減少は実績が出ているので 18%。
中立 34% 中立:会社の計画の 97%、格付けは余裕の薄い投資適格 利益 62 億ドル · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 33.74 ドル743 億ドル
2035 年末、収益基盤は約 1,365 億ドル(2030 年に 1,030 億ドル、会社の計画の約 97%。その後は年約 5.8% に鈍る)。山火事の責任は制度が一部整うが完全ではなく、格付けは 2028 年前後に投資適格へ戻るが余裕は薄い。データセンターは約 1.8 GW が稼働(会社の見込みどおり)。許可 ROE は 9.7〜9.98% で、実現 ROE は約 9.4%。純利益は約 61.6 億ドル(2025 年の約 2.3 倍)。配当性向は 45% に上がり、10 年の配当は約 146 億ドル(増資は無く、会社の説明の「増資不要」が守られる想定)。10 年のうちに小〜中規模の山火事が 1〜2 回あるが、損失は基金と顧客負担の自己保険で吸収される。倍率は正当化 PER 12.3 倍(ROE 9.4%・g 4.0%・RONIC 9.0%・moat 普通)に対し 0.98 倍の 12.1 倍に置く。
- 電力の配電(CPUC 規制):数量 574(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 174 億ドル・営業利益 47 億ドル。収益基盤 574 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3036
- 電力の送電(FERC 規制):数量 259(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 42 億ドル・営業利益 28 億ドル。収益基盤 259 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1635
- 発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池):数量 178(収益基盤(億ドル))× 価格 0.25(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 9 億ドル。収益基盤 178 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2471
- ガスの配給・輸送:数量 354(収益基盤(億ドル))× 価格 0.41(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 145 億ドル・営業利益 31 億ドル。収益基盤 354 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4095
倍率:正当化 PER 12.3 倍(g 4.0%・RONIC 9.0%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.4%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.1 倍(9.8 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 9.8 割。
確率:計画の少しの遅れと、改革の未決着が続く標準的な置き方。
やや悲観 27% やや悲観:改革が不十分で資本計画が縮み、実現 ROE が 8% 台 利益 50 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 25.44 ドル560 億ドル
2035 年末、山火事の責任改革は不十分なまま、保険会社が求償する負担が積み上がる。格付けは投資適格の 1 段下に張り付き、会社は資本計画を縮めて収益基盤は約 1,180 億ドル(10 年で年約 5.2%。2030 年に 960 億ドル)にとどまる。許可 ROE は手頃さの政治で 9.2% 前後に下がり、実現 ROE は約 8.6%。純利益は約 49.8 億ドル(2025 年の約 1.8 倍)。計画が小さいので配当性向は 75% まで上がり、10 年の配当は約 180 億ドル、格付け維持の増資は約 20 億ドル。エジソン・インターナショナル(EIX)のイートン火災のように、1 回の大きな事象で数十億ドルの損失が出る場面がある。倍率は正当化 PER 11.8 倍(ROE 8.6%・g 4.0%・RONIC 8.6%・moat 普通)に対し 0.95 倍の 11.2 倍に置く。
- 電力の配電(CPUC 規制):数量 496(収益基盤(億ドル))× 価格 0.32(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 158 億ドル・営業利益 40 億ドル。収益基盤 496 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3193
- 電力の送電(FERC 規制):数量 224(収益基盤(億ドル))× 価格 0.17(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 38 億ドル・営業利益 24 億ドル。収益基盤 224 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1718
- 発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池):数量 154(収益基盤(億ドル))× 価格 0.26(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 40 億ドル・営業利益 8 億ドル。収益基盤 154 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2595
- ガスの配給・輸送:数量 306(収益基盤(億ドル))× 価格 0.43(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 132 億ドル・営業利益 26 億ドル。収益基盤 306 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4305
倍率:正当化 PER 11.8 倍(g 4.0%・RONIC 8.6%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 8.6%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 11.2 倍(9.5 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 9.5 割。
確率:改革が決まらず、手頃さの政治で許可 ROE が下がり、資本計画を縮める。10 年は 27% と厚めに置く。
悲観 16% 悲観:山火事が続き増資を重ね、優良な規制公益でなくなる 利益 31 億ドル · PBR 0.7 倍 · 株価時価総額 10.79 ドル238 億ドル
2035 年末、構造的に負ける。2027 年の大規模な山火事(税引き後約 60 億ドル)に続き、2031 年にも大きな火災(約 40 億ドル)が起き、基金の枠と責任の上限が事実上機能しなくなる。格付けは投資不適格に落ち、2028〜2031 年に増資を約 80 億ドル、株価の安い時に迫られる。収益基盤の成長は 2030 年に 900 億ドル、2035 年に約 1,000 億ドル(10 年で年約 3%)まで鈍り、回収されない山火事関連の費用が毎年 約 16 億ドル(税前)残り、実現 ROE は約 6.2%、純利益は約 31.0 億ドル(2025 年の約 1.1 倍)。配当は 10 年で約 120 億ドルだが増資の約 80 億ドルを引いた正味は約 40 億ドル。もう優良な規制公益ではなく、地方の信用の落ちた公益になる。評価は今の自己資本(規制資本)325.4 億ドルに、ROE÷k = 6.2% ÷ 8.50% = 0.73 倍の PBR を掛ける(ROE が k を下回る会社の正しい PBR は ROE÷k 未満)。
- 電力の配電(CPUC 規制):数量 420(収益基盤(億ドル))× 価格 0.36(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 151 億ドル・営業利益 32 億ドル。収益基盤 420 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3594
- 電力の送電(FERC 規制):数量 190(収益基盤(億ドル))× 価格 0.19(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 37 億ドル・営業利益 19 億ドル。収益基盤 190 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.193
- 発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池):数量 130(収益基盤(億ドル))× 価格 0.29(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 38 億ドル・営業利益 6 億ドル。収益基盤 130 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.293
- ガスの配給・輸送:数量 259(収益基盤(億ドル))× 価格 0.48(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む))→ 売上 126 億ドル・営業利益 21 億ドル。収益基盤 259 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4847
倍率:実現 ROE(純利益 31.0 億ドル ÷ 自己資本 500 億ドル)6.2% は k 8.50% を下回るので、正しい PBR は ROE÷k = 0.73 倍が上限(SCHEMA §1-1)。悲観の床は今の自己資本に掛ける決まり(SCHEMA §1-3)なので、今の自己資本 325.4 億ドルに 0.73 倍を掛けた。PER に直すと約 7.7 倍。大規模な山火事 2 回の損失(約 100 億ドル)と増資の約 80 億ドルは筋書きの自己資本・還元に入れてあり、倍率でさらに下げてはいない。純利益は GAAP。
確率:2018 年に山火事で破産申請した前例があり、責任が会社に戻る制度の再来を 10 年で 16% と置く(山火事の会社に固有。同じ領域の会社より厚い)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
電力の配電(CPUC 規制)
カリフォルニア北・中部の電力顧客(約 550 万)に届ける配電網。地中化・強化電柱・停電の減少と新規接続(データセンター)の投資が中心で、山火事の火元になりうる設備が集中する。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 290 | 0.37 | 107 | 20 |
| 10 年後 中立 | 574 | 0.30 | 174 | 47 |
取り方:収益基盤 約 290 億ドル(推定。会社は 2025 年末の合計 690 億ドルだけを開示し、内訳は事業ごとの規模から割り振った)、売上 約 107 億ドル(推定)、営業利益 約 20 億ドル(推定)。許可 ROE 9.98%・自己資本 52%(CPUC の 2025 年 12 月の決定、2026 年 1 月から。会社の要求は 11.30%)。競合は無い(地域独占)が、地域電力の購入集団(CCA)に電源の調達を移す顧客が増え、売る電力量の一部は失うが、配電の収益基盤は残る。同じ州のエジソン・インターナショナル(EIX)と比べると、山火事の火元の設備が多く、地中化の投資が重い。
電力の送電(FERC 規制)
高圧の送電網。州ではなく連邦(FERC)が料金を決め、自己資本比率 50%。投資の伸びが速い部門で、データセンターと再エネの接続が効く。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 131 | 0.20 | 26 | 12 |
| 10 年後 中立 | 259 | 0.16 | 42 | 28 |
取り方:収益基盤 約 131 億ドル(推定)、売上 約 26 億ドル(推定)、営業利益 約 12 億ドル(推定)。FERC の許可で自己資本 50%。2026 年第 2 四半期に TO20 の和解で約 0.48 億ドルの調整が入った。送電は州の手頃さの政治から少し離れ、データセンターと再エネ・蓄電池の接続で最も伸びが速い。競合は無い。
発電(原子力・水力・太陽光・蓄電池)
ディアブロ・キャニオン原子力、水力、自社の太陽光と蓄電池。料金は CPUC が認める。原子力の運転延長(2030 年以降)は州の承認待ち。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 90.0 | 0.30 | 27 | 4 |
| 10 年後 中立 | 178 | 0.25 | 44 | 9 |
取り方:収益基盤 約 90 億ドル(推定)、売上 約 27 億ドル(推定)、営業利益 約 4 億ドル(推定)。ディアブロ・キャニオン(2 基、運転延長は 2030 年まで、その先は州の承認待ち)と水力が中心。利益率が低いのは、発電の売上に燃料・購入電力の転嫁が含まれるため。競合は無い。
ガスの配給・輸送
カリフォルニア北・中部のガス顧客(約 450 万)への配給と、ガスの輸送・貯蔵。ビルの電化で量は減る方向だが、更新・安全の投資が続く。
| 数量収益基盤(億ドル) | 価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力費の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 179 | 0.50 | 89 | 13 |
| 10 年後 中立 | 354 | 0.41 | 145 | 31 |
取り方:収益基盤 約 179 億ドル(推定)、売上 約 89 億ドル(推定、ガス調達費の転嫁を含む)、営業利益 約 13 億ドル(推定)。ガスの配給と、パイプライン・貯蔵の安全の投資。カリフォルニアはビルの電化の方針でガスの顧客が減る見込みで、同じ固定費を少ない顧客で負担するので、将来の請求額が上がり手頃さの政治に響く。
リスクと懸念
山火事の責任と代位求償
2018 年のキャンプ火災で破産申請し、2020 年に脱した。2026 年 8 月末に SB 492 は会期末に見送られ、保険会社が会社に求償する仕組み(代位求償)の扱いが決まっていない。会社の設備が火元の火災が起きれば、基金(継続口座 180 億ドル)と責任の上限(送配電の自己資本の収益基盤の 20%)を超える損失の可能性が残る。
財務の薄さと格付け
純有利子負債 604 億ドル(時価総額の約 2.1 倍)、自己資本 325 億ドル、FFO/負債 14%(目標は 10 台半ば)、FCF は 2025 年に −31 億ドル。S&P は 2026 年 4 月に投資適格の 1 段下へ上げたが、責任改革がなければ投資適格に届かず、借入の金利が高いまま利益を圧迫する。
手頃さの政治と許可 ROE
CPUC は 2025 年 12 月に ROE を要求 11.30% より低い 9.98% に決めた。全米の住宅料金は 2026 年に約 +5% で、カリフォルニアは特に敏感。2027 年の料金改定(最終決定は 5 月)で ROE や投資の認可が削られると、収益基盤の伸びと利益率が同時に落ちる。
データセンター需要の確度
引き合いは 12,710 MW だが、最終設計 3,880 MW・接続の工事契約 490 MW・建設中 140 MW と、確約は小さい。会社の見込みは 2030 年に 1.8 GW。先行した設備が一般の料金に回れば手頃さの政治を悪化させ、引き合いが縮めば計画の一部が空振りする。
設備投資の超過と認可
5 年で 730 億ドル(安全・強靭化 約 160 億ドル、容量・新規接続 約 230 億ドル、FERC 約 200 億ドル)。ガスタービンは 2019 年比で価格約 3 倍・納期 5〜7 年。費用の超過や認可の否認は直接の損失になり、10 年の悲観の筋書きでは資本計画が縮む。
電力量の減少(CCA・屋根の太陽光・電化)
地域電力の購入集団(CCA)、屋根の太陽光、ビルの電化で、電気の販売量の伸びは鈍り、ガスの顧客は減る。収益基盤は残るが、同じ固定費を少ない顧客で負担するため、請求額が上がり手頃さの政治に響く。カリフォルニアは CCA の拡大と電化の方針が全米でも速く、同業の他州より数量の逆風が強い。
原子力の運転延長と長期の資産
ディアブロ・キャニオンの運転は 2030 年まで認められ、その先は州の承認待ち。延長が認められなければ、発電の収益基盤(約 90 億ドル)と、安定した電源の役割が失われる。代わりの電源は、納期 5〜7 年・価格約 3 倍のガスタービンか、蓄電池と再エネの組み合わせになり、料金への影響が大きい。
今後の分かれ目
- 山火事の責任改革(SB 254 の第 2 段・代位求償の制限)が特別会期などで成立したら
- 投資適格への格上げが近づき、悲観の確率を 10 年で 5 ポイント下げ、楽観・やや楽観を上げる。借入コストが下がり、倍率は式の値のまま、財務の薄さへの懸念が和らぐ。
- 会社の設備が火元になった大規模な山火事が起きたら
- 基金と上限の範囲かが分かれ目。範囲内なら利益への影響は一時的(やや悲観の確率を 3 ポイント上げる)。上限を超えれば自己資本が削られ、増資を迫られる悲観の筋書きに近づく。
- 2027 年の料金改定で許可 ROE が 9.5% 前後に下がったら
- 実現 ROE が約 1 ポイント下がり、純利益の伸びが 1 割落ちる。10 年のやや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。
- データセンターの最終設計から接続の工事契約へ進んだ量が 2027 年末に 2 GW を超えたら
- 収益基盤の伸びが年 9% 超で保たれ、楽観・やや楽観の確率を 3 ポイント上げる。逆に 1 GW 未満で止まれば、中立の収益基盤を 1 割下げる。
- 10 年国債の利回りが 5% を大きく超えて上がったら(6% 超)
- 借換えコストが上がり、CPUC の資本コストの調整機構を通して一部は認可に反映されるが、持株会社の借入と増資の負担が重くなる。k は quality の debt +1.0% を入れた高めのまま、悲観の確率を上げる。
- ディアブロ・キャニオンの 2030 年以降の運転が認められたら
- 発電の収益基盤が維持され、10 年の中立の収益基盤を 3% ほど上げる。認められなければ逆。
見ておくもの
- SB 254 の第 2 段・特別会期での責任改革の成立
- S&P・ムーディーズ・フィッチの格上げ(投資適格への到達)
- 2027 年の料金改定(CPUC の提案決定 2027 年 3 月・最終決定 5 月)での許可 ROE
- キンケード・ディキシー火災の費用回収の提案決定(2026 年 11 月の見込み)
- データセンターの最終設計・接続の工事契約・建設中の MW
- 10 年の地中化計画の申請(2026 年第 3 四半期)と認可
- FFO/負債(14% → 10 台半ば)と運営費の減少(年 2〜4%)
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP 10.7 倍・PBR 0.89 倍)を見る前に、収益基盤を数量、収益基盤あたりの売上を価格として 4 つの部門を積み、純利益を ROE × 自己資本比率(収益基盤の約 48%)で決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE − k)(moat 普通・残る割合 1/2)で上限を出し、その 7〜10 割に置いた。k は基本 8.0% に quality +0.50% を足した 8.5%。10 年の中立は ROE 9.4%・g 4.0%・RONIC 9.0% で正当化 PER 12.3 倍、これに対し 12.1 倍(0.98 倍)。10 年の楽観は正当化 PER 13.0 倍に対し 12.8 倍(0.99 倍)、やや悲観は 11.8 倍に対し 11.2 倍(0.95 倍)に置いた。山火事の恐れは倍率でなく確率(10 年で悲観 16%)で表した。結果は総合で今の時価総額に対し +30%(やや割安)で、今の株価に寄せて逆算していない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 1.45 × 5%。基本 8.0% + coc.quality +0.50% = 8.50%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 8.50%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。個別のリスク(山火事の責任・手頃さの政治・増資)は k に足さず、筋書きの利益と確率(やや悲観・悲観を 43%)と悲観の深さで表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 8.50% では g 4.00% が上限。