結論
アライアント・エナジー(LNT)は、アイオワ州(IPL)とウィスコンシン州(WPL)で電気(約 100 万件)と都市ガス(約 43.5 万件)を売る規制公益の持株会社で、利益の 95% 超が規制事業。2025 年の売上は約 44 億ドル、GAAP の純利益は約 8.1 億ドル。会社は 2026〜2029 年に 134 億ドルを投じ、レートベース(建設仮勘定込み)を 2025 年の約 169 億ドルから 2029 年に約 262 億ドル(投資の年率約 12%)へ増やし、1 株利益を 2027〜2029 年に年 7% 超で伸ばす計画を持つ。
伸びの中心はデータセンターである。QTS(シーダーラピッズ)・グーグル(シーダーラピッズ)・メタ(ウィスコンシンのビーバーダム)・QTS の 2 つ目のアイオワ案件など、署名済みの電力供給契約(ESA)が 5 件あり、約 3 GW がすでに会社計画に入っている。2031 年に最大需要が 2025 年比で約 5 割増え、小売電力量は年約 11% で伸びる設計で、追加で 2〜4 GW を交渉中だが計画には入っていない。アイオワは電力の基本料金を 2029 年まで据え置くと約束し、税額控除を使って許可 ROE まで稼ぐ独自の仕組みで投資を回収する。
バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality -0.75% を足した 7.25%(公益の規制事業で需要と値決めは安定、借金は重い)。倍率は利益ベースの正当化 PER で、10 年の中立の上限は g 3.7%・ROE 9.7%・RONIC 8.5% で 15.9 倍。中立は上限の約 8 割(13.2 倍)に置いた。弱みは、純有利子負債 118 億ドル・FCF −13 億ドル・自己資本比率 28% の財務、税額控除に頼ったアイオワの利益、データセンターの政治(一時停止を求める声)である。契約済みの約 3 GW だけを中立に入れ、追加の交渉分は楽観の筋書きに回し、悲観は厚めに置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。アイオワとウィスコンシンの地域独占の電気とガス、風力・蓄電・ガス発電と ATC の送電網は、電化とデータセンターで需要が増える今後 10 年も確実に残り、堀は量の面で厚くなる側にある。ただし堀の大部分は州の委員会の手にあり、価格を決める力は無い。IPL の 9.87%、WPL の 9.8% の許可 ROE がその現れで、アイオワの据え置き約束は規制との取引の産物である。
次にオーナー利益を見る。2025 年の純利益 約 8.1 億ドルのうち配当は約 5.2 億ドルだが、FCF は −13 億ドルで、不足は借金と増資で埋めている。経営者が自由に取れる利益は小さい。10 年の中立では純利益の合計が約 129 億ドル、配当が約 82 億ドル、増資の払い込みが約 56 億ドルで、正味の還元は約 27 億ドルと純利益の 2 割弱にとどまる。株主の価値の増加は、レートベースの年約 8% の伸びの先にしか無い。
資本配分は規制の枠の中でよいが、4 年 134 億ドルの投資の大きさが、工期・費用・認可の失敗を抱え込む。ウィスコンシンの新設ガス貯蔵や風力で費用が超過した時、あるいはアイオワの税額控除の売却価格が下がった時が最大の穴になる。安全域は、資本コストを 7.25%(基本 8.0% + quality -0.75%)と置き、悲観の確率を 10 年 12% と厚くして確保した。確信度は規制事業の部分では高いが、データセンターの追加契約・税額控除の継続・手頃さの政治では低く、そこは中立に入れず楽観の筋書きにだけ置いた。優良な事業を適正〜やや安く買えるかは、最後は計算で判断する。
何で稼ぐ会社か
事業は 2 つの規制子会社と送電の持ち分でできている(レートベースは会社の資料、売上と営業利益は推定)。アイオワのインターステート・パワー・アンド・ライト(IPL)は電力・ガスの垂直統合で、2025 年のレートベース(建設仮勘定込み)は約 92 億ドル。許可 ROE は電力でブレンド 9.87%、自己資本 51.0%。ウィスコンシンのウィスコンシン・パワー・アンド・ライト(WPL)は約 76.5 億ドルで、許可 ROE 9.8%、規制上の自己資本約 54.5%。2026・2027 年の料金は全員一致の和解(増収 79 百万・73 百万ドル、要求の約 76%)で決まり済み。送電会社 ATC は 16% の持ち分で、LNT 持ち分のレートベースは約 8.75 億ドル、許可 ROE 10.48%、配当性向 80%。
2025 年末のレートベースの内訳は、再エネ・蓄電 31%、電力配電 43%、ガス配電 7%、ガス発電 10%、石炭 8%。2026〜2029 年の 134 億ドルは、蓄電・再エネに 50 億ドル(蓄電約 1,000 MW・新規再エネ約 1,300 MW・風力の更新約 450 MW)、ガス発電に 41 億ドル(新設約 1,600 MW・既存の増強約 410 MW・LNG とガス導管)、電力配電 23 億ドルほかに入る。再エネ・蓄電の税額控除は 100% 着工済みで、年 3 億ドル規模の控除を売却して資金に充てる。
燃料費・購入電力費は料金に転嫁される(営業費用の約 5〜5.5 割が各種の自動調整で回収)ので、売上の増減と利益の増減は別物で、利益は「レートベース × 自己資本比率 × 許可 ROE」と税額控除・ATC の持ち分利益で決まる。数量は販売電力量(市場の伸び)と大口契約、シェアは地域独占で 1、価格は 1 kWh あたりの収益(物価 3.5% を下回って伸びる)。2026 年の販売電力量は +2〜3% に上方修正され、大口の立ち上がりが 2027〜2031 年に本格化する。
優良さと弱いところ
堀は 3 層ある。第 1 は地域独占で、アイオワの 75%・ウィスコンシンの 40% の自治体に供給する。第 2 は規制の枠組みで、アイオワには「税額控除(ITC は必要な分だけ・PTC は発生どおり)を使って許可 ROE まで稼ぎ、基本料金を据え置く」仕組みと、大型投資の事前承認がある。ウィスコンシンは 2 年先の予測で料金を決める 2 年ごとの見直しで、規制のラグが小さい。第 3 は料金の水準で、IPL・WPL の電力料金は全米平均より 5% 前後低く、手頃さの政治に対する余裕がある。
弱みは 3 つ。第 1 に財務で、純有利子負債は時価総額の 67%、自己資本比率は 28%、FCF は 2025 年に −13 億ドル、投資の 18% を株式、36% を新規借入で賄う。第 2 にアイオワの利益のかさ上げが税額控除に依存し、2026〜2028 年は ITC(蓄電)が大きいが、制度や売却価格が変われば許可 ROE まで稼げなくなる。第 3 に大口顧客がデータセンターに偏り、アイオワ・ウィスコンシンでは「データセンターの一時停止」を主張する候補者がいる。
資本効率は、GAAP の自己資本 ROE が 2025 年に 11.0%(税額控除のかさ上げで許可 ROE の 9.8% 前後を上回る)、2017〜2025 年の 1 株利益の伸びは年約 6.5%(会社目標の「5〜7%」の中)。過去の傷として、2023〜2024 年のリストラ費用・資産評価損・IPL のランシング発電所の減損があるが、規制の枠内で吸収した。経営は規制の枠組みの作り方(アイオワの据え置き、ウィスコンシンの和解)が巧みで、資本配分は規制資産の積み上げに集中している。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の電力需要は 2025 年に過去最高の約 4,195 TWh で、EIA は 2026〜2027 年に年 +1.9% と見る。伸びの中心はデータセンターで、発表済みの大口プロジェクトは約 55 GW・約 8,900 億ドル(業界ノート)。ただし引き合いは確約ではなく、テキサスの ERCOT は 2030 年の見通しを 208 GW から 138 GW に切り下げた。アライアントの強みは、約 3 GW がすでに ESA で署名され、うち 3 件(QTS 1・グーグル・メタ)が着工済みで、個別需要家料金(ICR)が州の委員会で承認されていること。ESA には最低需要料金・担保・退出条項があり、引き合いの段階の他社より契約の質が高い。
競争は料金でなく誘致である。アイオワではミッドアメリカン(バークシャー・ハサウェイ・エナジー傘下)が最大の電力会社で風力に強く、ミネソタ・ウィスコンシンのエクセル・エナジー、イリノイのアメレン、ウィスコンシンの WEC エナジーとデータセンターの誘致を競う。アライアントの優位は、土地と送電の余裕・MISO の接続待ちの上位・アイオワの税制(データセンターの売上税免除)・個別料金の速さ。逆に新設ガス(約 1,600 MW)や蓄電が間に合わなければ、契約が遅れる。ガスタービンの価格は 2019 年比で約 3 倍・納期 5〜7 年だが、アライアントは計画内のガス・風力のタービンを予約済み。
手頃さの政治は業界全体の分かれ目で、住宅料金は 2026 年に全米で約 +5%。アライアントは電力料金が全米平均より低く、アイオワは基本料金を 2029 年まで据え置く約束。M&A では、アライアントは買い手でも売り手でもなく、時価総額(約 176 億ドル)と借金の大きさから大型の再編に加わる可能性は低い。ATC の送電は MISO の長距離送電計画で第 1 期約 12 億ドル・第 2 期 20 億ドル超が見込まれる。
資本政策と M&A
資本政策の中心は、配当(性向 60〜70%)と、借金・ハイブリッド債・先渡しの株式売却・税額控除の売却による資金調達である。4 年の投資 134 億ドルの資金源は、営業キャッシュ 34%・税額控除の売却 12%・新規借入(ハイブリッドを含む)36%・株式 18%。株式は 4 年で 24 億ドル必要で、うち約 18 億ドルは先渡しで調達済み(Q2 時点)、残りは約 5 億ドル。2026 年の残りの長期借入は最大 8 億ドル(IPL 5 億・WPL 3 億)、2026 年 3 月に転換社債 5.75 億ドルが満期。
借金の金利は、先渡しの SOFR を 3.1% 前後に固定したスワップがあるが、低金利の社債(1.4% など)の借換えで利払いは増える。brief.py の推定では 10 年後に 2 億ドル利益が減る(純負債は借換えで約 5.75%)。会社のガイダンスには「高い資金調達コスト・株式の希薄化」がすでに入っているので、純利益は会社の目標の経路に沿って置いた。
資本配分の評価点は、投資の約 7 割を許可 ROE を稼げる規制資産(再エネ・蓄電・配電・ガス)に置き、ESA で需要家に増強費用を払わせる設計にしていること。悪い点は、投資額が時価総額の 76% に達する大きさと、増資を重ねる構造。会社全体の時価総額で書くので、増資は払い込みを還元から引いて織り込んだ。買収は無く、追加の ATC 持ち分の拡大も計画に無い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
計画の確度が高い。署名済みの契約が 5 件あり、約 3 GW がすでに計画に入り、QTS 1・グーグル・メタは着工済みで、アイオワの 2 件の個別料金(TF-2025-0007・TF-2025-0047)とウィスコンシンのメタ向けは承認済み。再エネ・蓄電は税額控除を 100% 着工済みにし、ガス・風力のタービンも予約済みなので、2026〜2029 年の 134 億ドルは実行段階にある。2026 年は電力量の見通しが +1% から +2〜3% へ上がり、ガイダンスの上半分に入っている。
計画に入っていない上振れの余地が大きい。追加で 2〜4 GW を交渉中で、追加の 1 GW あたり利益は約 1.4 億ドル増え、1 株利益の目標(5〜7% 超)を引き上げる材料になる。アイオワは基本料金の凍結を 2029 年まで約束し、データセンターが数百 MW 加われば延長できる。ウィスコンシンは 2 年ごとの見直しで 9.8% が維持され、ATC は MISO の長距離送電計画で投資が積み上がる。
資本コスト 7.25% の規制電力で、レートベースが年 10% 前後伸び、ROE が 10% を超えるなら、正当化 PER の上限は 16 倍台が成り立つ。今の GAAP の PER 約 22 倍は上限を超えるが、投資の伸びが続く間は倍率が縮んでも株価は崩れない、と見る。
慎重な見方
借金と増資で成長を買っている会社である。純有利子負債は 118 億ドルで時価総額の 67%、自己資本比率は 28%、FCF は 2025 年に −13 億ドル。4 年で 134 億ドル(時価総額の 76%)を投じ、不足は新規借入 36%・株式 18% で埋めるため、借換えの金利が 5.75% 前後に上がり、既存の株主の持ち分は薄まり続ける。リーマンの谷では株価が山から −42% と下がった。
アイオワの利益の質に疑問がある。許可 ROE まで稼げるのは税額控除(年 3 億ドル規模)を使って利益を補うからで、制度や売却価格が変われば利益のかさ上げが消える。基本料金の据え置きは 2029 年までで、その先に投資を回収するには料金見直しが要り、手頃さの政治(住宅料金は全米で 2026 年に約 +5%)が壁になる。アイオワ・ウィスコンシンの候補者がデータセンターの一時停止を主張し、ウィスコンシンは大口料金の申請を控えている。
大口契約は ESA で守られているが、顧客はグーグル・メタ・QTS の少数に偏り、立ち上がりは 2027〜2031 年。ガスタービンの価格は 2019 年比で約 3 倍で、費用の超過が認可されなければ直接の損失になる。k 7.25% で今の PER 約 22 倍は、上限(15〜16 倍)を超え、金利 5% の世界では高すぎる。
どちらに重みを置いたか
規制事業の質と、署名済み・着工済みの大口契約が計画に入っている点は強気の見方が上回るが、財務の薄さ・税額控除への依存・政治は慎重な見方が突いている。契約済みの約 3 GW だけを中立に入れ、追加の交渉分は楽観の筋書きに回した。倍率は k 7.25%・帳簿の ROE・g 3.7% の正当化 PER の 7〜10 割に置き(中立は 10 年 13.2 倍)、確率は中立に寄せ、楽観・やや楽観の合計を 10 年 29%、やや悲観・悲観の合計を 10 年 34% とした。署名済みの契約があり、アイオワの料金に余裕があるので悲観を深くしすぎないが、リーマンの谷が −42% だった財務の薄さと税額控除への依存の分は 10 年で悲観を 12% と厚めに置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 85.81 ドル221 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 10.29 ドル27 億ドル)。 今の値に割り戻すと 49.87 ドル129 億ドル、今との差 −29.1%、 期待の年率 +3.2%(資本コスト 7.2%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 125.10 ドル323 億ドル | 7.76 ドル20 億ドル | +89.0% | +6.6% | 9.30 ドル24 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 106.25 ドル274 億ドル | 9.31 ドル24 億ドル | +64.4% | +5.1% | 25.42 ドル66 億ドル |
| 中立 | 37% | 87.04 ドル224 億ドル | 10.47 ドル27 億ドル | +38.7% | +3.3% | 36.08 ドル93 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 72.03 ドル186 億ドル | 11.25 ドル29 億ドル | +18.5% | +1.7% | 18.32 ドル47 億ドル |
| 悲観 | 12% | 46.86 ドル121 億ドル | 11.25 ドル29 億ドル | −17.3% | −1.9% | 6.97 ドル18 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 85.81 ドル221 億ドル | 10.29 ドル27 億ドル | +36.7% | +3.2% | 96.10 ドル248 億ドル |
今の株価時価総額 70.30 ドル181 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:追加の大口契約を取り、レートベースが年 10% で伸び続ける 利益 21 億ドル · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 125.10 ドル323 億ドル
2035 年末、契約済みの約 3 GW に追加の約 2.5 GW が稼働し、アイオワとウィスコンシンの追加発電(ガス・蓄電・再エネ・原子力の検討)と送電(MISO の長距離送電計画の第 2 期 20 億ドル超を含む ATC の投資)が続く。レートベース(建設仮勘定込み)は約 436 億ドル(10 年で年約 10%)。追加の 1 GW あたり約 1.4 億ドルの純利益が積み上がり、純利益は約 20.7 億ドル(2025 年の約 2.6 倍)。エクセル・エナジーやミッドアメリカンとの誘致競争に勝ち続け、アイオワは料金凍結を 2030 年代へ延ばす。増資は 10 年で約 70 億ドルと大きく、配当は約 90 億ドルで、正味の還元は約 20 億ドル。倍率は正当化 PER 16.4 倍(ROE 10.3%・g 3.7%・RONIC 8.8%・moat 普通)に対し 0.95 倍の 15.6 倍に置く。
- アイオワ(IPL:電力・ガス):数量 275(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.23(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 64 億ドル・営業利益 18 億ドル。レートベース+建設仮勘定 275 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.2314
- ウィスコンシン(WPL:電力・ガス):数量 160(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.18(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 9 億ドル。レートベース+建設仮勘定 160 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.1843
- 送電 ATC 持ち分・親会社ほか:数量 21.7(ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル))× 価格 0.07(持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。ATC の LNT 持ち分レートベース 21.7 億ドル × 持ち分利益の価格 0.0650
倍率:正当化 PER 16.4 倍(g 3.7%・RONIC 8.8%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 15.6 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。
確率:交渉中の 2〜4 GW のうち約 2.5 GW が 2035 年までに稼働し、アイオワの料金凍結と税額控除の仕組みが 2030 年代も続く。10 年でも重なる確率は 1 割未満の 7%。
やや楽観 22% やや楽観:追加の契約が一部実現し、レートベースは年 9% 利益 19 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 106.25 ドル274 億ドル
2035 年末、契約済みの約 3 GW に追加の約 1 GW が加わり、レートベース(建設仮勘定込み)は約 400 億ドル(10 年で年約 9%)。ウィスコンシンは 2 年ごとの見直しで許可 ROE 9.8% 前後を保ち、アイオワは電力の基本料金の凍結を 2029 年より先へ延ばす。純利益は約 18.8 億ドル(2025 年の約 2.3 倍)、実現 ROE は許可に近い。増資は約 63 億ドル、配当は約 86 億ドルで正味の還元は約 24 億ドル。倍率は正当化 PER 16.2 倍(ROE 10.1%・g 3.7%・RONIC 8.7%・moat 普通)に対し 0.90 倍の 14.6 倍に置く。
- アイオワ(IPL:電力・ガス):数量 246(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.23(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 56 億ドル・営業利益 16 億ドル。レートベース+建設仮勘定 246 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.2256
- ウィスコンシン(WPL:電力・ガス):数量 154(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.18(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 28 億ドル・営業利益 9 億ドル。レートベース+建設仮勘定 154 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.1825
- 送電 ATC 持ち分・親会社ほか:数量 21.1(ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル))× 価格 0.07(持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。ATC の LNT 持ち分レートベース 21.1 億ドル × 持ち分利益の価格 0.0650
倍率:正当化 PER 16.2 倍(g 3.7%・RONIC 8.7%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.1%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.6 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。
確率:交渉中の追加分のうち約 1 GW が実現し、計画の約 3 GW は予定どおり稼働する。強気の見方が通る確率として 22%。
中立 37% 中立:契約済みの約 3 GW だけで、レートベースは年 8% 利益 17 億ドル · PER 13.2 倍 · 株価時価総額 87.04 ドル224 億ドル
2035 年末、レートベース(建設仮勘定込み)は約 368 億ドル(10 年で年約 8%。2029 年は会社計画の約 98%、その後は年 6% 前後)。契約済みの約 3 GW は稼働し、2031 年に需要は 2025 年比で約 5 割増える。その後は更新投資・ATC の送電(MISO の長距離送電計画の第 2 期)・配電が中心で、新規の大口は入れない。IPL 9.87%・WPL 9.8% の許可 ROE がおおむね維持され、純利益は約 17.0 億ドル(2025 年の約 2.1 倍、年約 7.7%)。増資は約 56 億ドル、配当は約 82 億ドルで正味の還元は約 27 億ドル。倍率は正当化 PER 15.9 倍(ROE 9.7%・g 3.7%・RONIC 8.5%・moat 普通)に対し 0.83 倍の 13.2 倍に置く。
- アイオワ(IPL:電力・ガス):数量 221(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.23(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 51 億ドル・営業利益 14 億ドル。レートベース+建設仮勘定 221 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.2292
- ウィスコンシン(WPL:電力・ガス):数量 147(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.18(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 27 億ドル・営業利益 8 億ドル。レートベース+建設仮勘定 147 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.1827
- 送電 ATC 持ち分・親会社ほか:数量 19.9(ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル))× 価格 0.07(持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。ATC の LNT 持ち分レートベース 19.9 億ドル × 持ち分利益の価格 0.0650
倍率:正当化 PER 15.9 倍(g 3.7%・RONIC 8.5%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.7%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.2 倍(8.3 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.3 割。
確率:契約済みの約 3 GW の立ち上がりと既存設備の更新(風力の更新・石炭の置き換え・配電・ATC)だけで、追加の大口契約は入れない。最も起きやすい筋書き。
やや悲観 22% やや悲観:許可 ROE が 9.3% 前後に下がり、投資も縮む 利益 15 億ドル · PER 12.6 倍 · 株価時価総額 72.03 ドル186 億ドル
2035 年末、レートベース(建設仮勘定込み)は約 334 億ドル(10 年で年約 7%)。ウィスコンシンの許可 ROE が 9.3% 前後に下がり、アイオワはレート見直しを再開して投資の回収が遅れる。データセンター 1 社が計画を縮め、新設ガスの一部が不要になる。純利益は約 14.7 億ドル(2025 年の約 1.8 倍)。増資は約 49 億ドル、配当は約 78 億ドルで正味の還元は約 29 億ドル。倍率は正当化 PER 15.4 倍(ROE 9.0%・g 3.7%・RONIC 8.1%・moat 普通)に対し 0.82 倍の 12.6 倍に置く。
- アイオワ(IPL:電力・ガス):数量 200(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.22(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 12 億ドル。レートベース+建設仮勘定 200 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.2198
- ウィスコンシン(WPL:電力・ガス):数量 135(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.19(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 25 億ドル・営業利益 7 億ドル。レートベース+建設仮勘定 135 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.1865
- 送電 ATC 持ち分・親会社ほか:数量 18.9(ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル))× 価格 0.07(持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。ATC の LNT 持ち分レートベース 18.9 億ドル × 持ち分利益の価格 0.0650
倍率:正当化 PER 15.4 倍(g 3.7%・RONIC 8.1%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.0%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.6 倍(8.2 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8.2 割。
確率:手頃さの政治で許可 ROE が引き下げられ、アイオワの料金凍結の延長が見送られ、データセンターの契約の一部が縮む。慎重な見方が通る確率として 22%。
悲観 12% 悲観:構造的に負け、アイオワの仕組みが崩れ優良な規制電力ではなくなる 利益 10 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 46.86 ドル121 億ドル
2035 年末、データセンターの 1 社が撤退・縮小して新設ガスが余り(ESA の最低需要料金と退出料で一部は補償される)、税額控除の縮小でアイオワの利益のかさ上げが消え、手頃さの政治で許可 ROE は 9% を割る。レートベース(建設仮勘定込み)は約 286 億ドル(10 年で年約 5.5%)。実現 ROE は帳簿で約 7.5% まで下がり、純利益は約 10.3 億ドル(2025 年の約 1.3 倍)にとどまる。増資は約 39 億ドル、配当は約 68 億ドルで正味の還元は約 29 億ドル。倒産には至らず、規制資本の裏付けが床になる。倍率は正当化 PER 13.8 倍に対し、構造的に負けて優良でなくなった会社として 0.85 倍の 11.7 倍に置く。
- アイオワ(IPL:電力・ガス):数量 169(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.23(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 38 億ドル・営業利益 8 億ドル。レートベース+建設仮勘定 169 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.2257
- ウィスコンシン(WPL:電力・ガス):数量 118(レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル))× 価格 0.20(1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 23 億ドル・営業利益 5 億ドル。レートベース+建設仮勘定 118 億ドル × 1 億ドルあたりの売上 0.1978
- 送電 ATC 持ち分・親会社ほか:数量 16.9(ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル))× 価格 0.07(持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。ATC の LNT 持ち分レートベース 16.9 億ドル × 持ち分利益の価格 0.0650
倍率:正当化 PER 13.8 倍(g 3.7%・RONIC 7.3%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 7.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 11.7 倍(8.5 割)に置いた。構造的に負けて優良でなくなった会社として、上限の 8.5 割に置く。許可 ROE と投資の認可の削減は利益に入れてあり、倍率でさらに下げてはいない。
確率:税額控除の縮小や州の政治でアイオワの「税額控除を使って許可 ROE まで稼ぐ」仕組みが崩れ、データセンターの契約が縮み、投資の認可も削られて、もう優良ではなくなっている確率を 12% と置いた。借金が時価総額の 67% あり損失の吸収余地が小さい。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
アイオワ(IPL:電力・ガス)
アイオワ州の垂直統合の電力・都市ガス。データセンター(QTS 1・グーグル・QTS 2)の立ち上がりと、風力・蓄電・ガス発電の新設の中心。電力の基本料金は 2029 年まで据え置き。
| 数量レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル) | 価格1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 92.1 | 0.28 | 26 | 6 |
| 10 年後 中立 | 221 | 0.23 | 51 | 14 |
取り方:レートベース+建設仮勘定 約 92 億ドル(会社の資料。2025 年 13 か月平均)。売上 約 25.7 億ドル・営業利益 約 5.6 億ドルは推定(全社の売上 43.6 億ドル・営業利益 10.2 億ドルから割り振った)。許可 ROE 9.87%(ブレンド)・自己資本 51.0%。数量=電力量(市場の伸び)と大口契約、シェア=地域独占で 1、価格=1 kWh あたりの収益。ITC は許可 ROE まで必要な分だけ認識。競合は無く、誘致ではミッドアメリカンと競う。
ウィスコンシン(WPL:電力・ガス)
ウィスコンシン州の電力・都市ガス。2 年先の予測で料金を決める 2 年ごとの見直し。メタのビーバーダム、風力・蓄電の新設と石炭火力(コロンビア・エッジウォーター)の延命。
| 数量レートベース+建設仮勘定(13 か月平均・億ドル) | 価格1 億ドルのレートベースあたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 76.5 | 0.23 | 17 | 4 |
| 10 年後 中立 | 147 | 0.18 | 27 | 8 |
取り方:レートベース+建設仮勘定 約 76.5 億ドル(会社の資料)。売上 約 17.3 億ドル・営業利益 約 4.1 億ドルは推定。許可 ROE 9.8%・規制上の自己資本 約 54.5%(財務上 53%)。2026・2027 年は全員一致の和解で承認済み(増収 79 百万・73 百万ドル)。電力量は小さい伸びで、メタの個別料金が加わる。競合は無い。
送電 ATC 持ち分・親会社ほか
送電会社 ATC の 16% 持ち分(持ち分利益)と親会社の費用。MISO の長距離送電計画の第 1 期・第 2 期で伸びる。
| 数量ATC の LNT 持ち分レートベース(億ドル) | 価格持ち分レートベースあたりの持ち分利益(営業利益に含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.8 | 0.07 | 1 | 1 |
| 10 年後 中立 | 19.9 | 0.07 | 1 | 1 |
取り方:ATC の 2025 年レートベース 約 55 億ドルの 16% = 約 8.75 億ドル(会社の資料)。許可 ROE 10.48%・仮想自己資本 50%・配当性向 80%。持ち分利益 約 0.6 億ドルは推定で、売上として置いた。親会社の費用・調整は adjust に入れた。ATC の投資は 2026〜2029 年に年 12〜17 億ドル。
リスクと懸念
財務の薄さと借換え・増資
純有利子負債 118 億ドルで時価総額の 67%、自己資本比率 28%、FCF は 2025 年に −13 億ドル。4 年の投資 134 億ドルの 36% を新規借入、18% を株式で賄い、2026 年の残りの長期借入は最大 8 億ドル。1.4% など低金利の社債の借換えで金利が上がり、brief の推定で利払いは 10 年後に 2 億ドル増える。リーマンの谷は −42%。
アイオワの税額控除への依存
アイオワは ITC(蓄電)・PTC を使って許可 ROE まで稼ぐ。控除は 2026〜2028 年に IPL で年 2〜4 億ドル規模。制度の変更や売却価格の低下で利益のかさ上げが消え、基本料金の据え置き(2029 年まで)の先に料金見直しが必要になる。
データセンターの政治と契約の集中
アイオワ・ウィスコンシンの候補者がデータセンターの一時停止を主張し、リン郡は非法人地域で停止を決めた(会社は案件への影響は無いと説明)。顧客はグーグル・メタ・QTS の少数で、立ち上がりは 2027〜2031 年。契約が縮めば先行した発電・送電の投資が一般の顧客の料金に回り、手頃さの政治を悪化させる。
許可 ROE と規制の遅れ
WPL は 2026・2027 年は 9.8% で確定済みだが、2028 年以降の見直しは手頃さの政治に左右され、住宅料金は全米で 2026 年に約 +5%。ウィスコンシンは 2026 年内に大口料金を申請予定で、同業のエクセルの「系統全体」方式に合わせる。ミッドアメリカンなどとの誘致競争で料金が競りになる。
新設電源の費用超過
計画はガス約 1,600 MW・蓄電約 1,000 MW・再エネ約 1,300 MW・風力更新 約 450 MW で 134 億ドル規模。ガスタービンは 2019 年比で価格が約 3 倍・納期 5〜7 年。超過費用が認可されなければ直接の損失になる(サザンのボーグル 3・4 号機、SCANA のサマー原発放棄の前例)。
天候・費用の増加・FERC の判断
2026 年第 2 四半期は気温の影響で 1 株利益が前年より下がり、O&M は 2026 年に 2〜4% 増える。FERC の「自己資金のネットワーク増強」の判断待ちで、投資計画に影響しうる。石炭の退出(2040 年まで)と原子力・風力の更新は規制と手続きに左右される。
今後の分かれ目
- 2026 年 11 月の第 3 四半期決算で、4〜5 年の投資計画が引き上げられ、追加のデータセンター契約(2〜4 GW のうち一部)が織り込まれたら
- レートベースの伸びが年 12% 超で保たれ、楽観・やや楽観の確率を 10 年で 4 ポイント上げる。据え置きなら確率は中立に戻す。
- 追加の 1 GW が契約され、約 30 億ドルのレートベースが積まれたら
- 純利益が約 1.4 億ドル(2028 年の中立の約 12%)増える。競合のミッドアメリカン・エクセルに契約を取られれば、その分は入らず中立にとどまる。
- アイオワの税額控除の売却価格が下がる、または制度が縮小されたら
- IPL が許可 ROE まで稼げず、利益の伸びが 1 割下がる。やや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。
- ウィスコンシンの 2028 年以降の料金見直しで、許可 ROE が 9.5% を下回ったら
- WPL の利益が 3〜4% 下がり、やや悲観の確率を 3 ポイント上げる。9.8% が保たれれば変えない。
- データセンターの一時停止が州法になり、署名済みの契約の一部が止まったら
- 悲観の確率を 5 ポイント上げ、ESA の退出料・最低需要料金で補償される分を見直す。
- 10 年国債の利回りが 5% を大きく超えて上がったら(6% 超)
- 借換えコストが利益を圧迫し、増資のコストが上がり、倍率が縮む。資本コストの見方を高い側(借金・値決めの目安を悪い側)に寄せる。
見ておくもの
- 2026 年第 3 四半期決算(11 月)での 4〜5 年の投資計画の更新と、追加のデータセンター契約
- アイオワの税額控除の売却と、2029 年以降の基本料金の据え置きの延長
- ウィスコンシンの 2028 年以降の料金見直しと、大口料金の申請
- 署名済みの 5 件の ESA の立ち上がり(2027 年以降の電力量)
- ガスタービン・変圧器の価格と納期、新設ガス・蓄電の認可
- 増資・ハイブリッド債の額と借換えの金利
- 10 年国債 5% の維持と、住宅料金の前年比(5% 超が続くか)
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP 約 22 倍)を見る前に、IPL・WPL・ATC のレートベースを数量、1 億ドルあたりの売上を価格として積み、純利益をレートベースと会社目標(1 株利益 年 7% 超)に整合する形で置いた。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE − k)(moat 普通・残る割合 1/2)で上限を出し、その 7〜10 割に置いた。k は基本 8.0% に quality −0.75% を足した 7.25%。10 年の中立は ROE 9.7%・g 3.7%・RONIC 8.5% で正当化 PER 15.9 倍、これに対し 13.2 倍(0.83 倍)。10 年の楽観は正当化 PER 16.4 倍に対し 15.6 倍(0.95 倍)、やや悲観は 15.4 倍に対し 12.6 倍(0.82 倍)に置いた。アイオワの利益は税額控除でかさ上げされ ROE が許可より高く出るので、その分は上限の側に効く。結果は総合で今の時価総額に対し -27%(やや割高)で、今の株価に寄せて逆算していない。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 5% + β 0.88 × 5%。基本 8.0% + coc.quality -0.75% = 7.25%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 7.25%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。税額控除への依存・データセンターの政治・費用超過という個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と確率(悲観を 12%)で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 7.25% では g 3.75% が上限。