結論
ネクステラ・エナジーは、フロリダの規制電力 FPL と、風力・太陽光・蓄電池の開発・運営で世界最大級のエナジー・リソーシズ(旧 NEER)を持つ公益事業の持株会社である。2025 年の調整後利益は約 76 億ドル、調整後の 1 株利益は前年比 8% 超の伸びで、内訳は FPL が約 6 割、エナジー・リソーシズが約 4 割強。2026 年 5 月にはドミニオン・エナジー(Dominion Energy)を全株式で買収する合意を発表し、完了すれば全米最大の規制公益になる。
事業の質は公益事業の中で突出している。FPL はフロリダ州で許可 ROE の中央値 10.95%・自己資本比率 59.6% という全米屈指に有利な料金合意(2026〜2029 年)を持ち、年 9 万超の顧客増に支えられて規制資本が年 8〜9% で増える。エナジー・リソーシズは受注残 35.1 GW と、税額控除の縮小の中でも蓄電池と電力会社向けの契約で伸びる。
バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality +0.50% を足した 8.5%(フロリダの規制電力は強いが、純負債が時価総額の 56% と重く、再エネの税額控除と買収の行方に左右される)。正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)(ROE は帳簿の自己資本 ROE の 11〜13%、g 4.0%、RONIC=k+1/2×(ROE−k))で、10 年後の中立は上限 13.3 倍の約 8 割の 11.1 倍。今の PER は調整後で 21 倍台、GAAP では 24 倍で、上限を上回る。ドミニオン買収は未成立なので数字に入れず(成立時の成長と持ち分の薄まりはほぼ相殺と見る)、FPL とエナジー・リソーシズを数量 × 価格(規制資本・GW)で積み上げると、10 年後の純利益は今の調整後の約 1.7 倍、時価総額は倍率が縮むため今の約 0.9 倍になる。増資の払い込み(10 年 213〜440 億ドル)を配当から引いて筋書きを確率で重ねると、割り引いた価値は今の時価総額の約 47% 下の「割高」。事業は優良だが、利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は先に成長を織り込んでおり、悲観の幅も残る、というのが結論である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。FPL の規制電力は、人口が増えるフロリダで確実に残り、むしろ今より大きい。エナジー・リソーシズの再エネ・蓄電池・原子力も、電力不足とデータセンターの中で需要は残る。堀は FPL の地域独占・認可の質と、NEER の規模・調達力で、広がる方向にあるが、税額控除と規制の政治に左右される。
次にオーナー利益を見る。規制公益は利益の半分近くを再投資に回さないと成長しない。2025 年の調整後利益 76 億ドルのうち、配当は約 47 億ドルだが、FCF は 32 億ドルにすぎず、不足は借金と増資で埋めている。株主が自由に取り出せる利益は小さく、成長のためにさらに資本を預ける事業である。ドミニオン買収後は、旧株主の持ち分が約 3/4 になり、同じ利益の伸びでも 1 株には 3/4 しか届かない。
安全域では、帳簿の ROE 11〜13%・成長 4.0%・資本コスト 8.5% の正当化 PER の上限が 10 年後に 13.3 倍で、中立はその約 8 割(11.1 倍)に置いた。今は調整後で 21 倍台・GAAP で 24 倍で、上限を超えており余白は無い。10 年の中立で、時価総額と還元の合計は今の約 1.1 倍、年率 約 1.2% で資本コストに届かない。リーマン級でも規制資本の裏付けで PBR 1 倍前後が床になる。確信度は FPL について高く、再エネの税額控除と買収の行方は低い。安全域は無いが、払う値段は事業の質に見合う。
何で稼ぐ会社か
FPL はフロリダ州で約 600 万件の顧客に電気を売る地域独占の電力会社で、料金は州公益事業委員会が決める。発電(ガス・太陽光・原子力)・送配電・小売を一体で持ち、顧客は年 9 万超増える。利益はレートベース(認可された投資残高)に許可 ROE を掛けた分で決まり、燃料費は料金に転嫁されるため、売上は燃料価格と物価で動くが利益は投資の認可で決まる。2025 年に承認された 4 年間の料金合意で、増収は 2026 年 9.45 億ドル・2027 年 7.05 億ドル、2032 年までの投資は 900〜1,000 億ドルに上る。
エナジー・リソーシズ(NEER)は、風力・太陽光・蓄電池を開発し、電力会社や企業に長期契約で売る事業で、利益には税額控除(生産税額控除・投資税額控除)の売却益が大きく乗る。運転中の設備は約 40 GW、受注残は 35.1 GW(2026 年 4〜6 月に 3.6 GW 増え、うち蓄電池 2 GW)。ガス・原子力(デュエイン・アーノルドの再稼働は 2029 年第 1 四半期予定)も持ち、データセンター向けの電源供給(グーグル(Google)との原子力再稼働の契約を含む)が新しい需要である。
ドミニオンは、バージニア・ノースカロライナ・サウスカロライナの規制電力・ガスを持ち、バージニアはデータセンター集積地(アッシュバーン)で、レートベースは年 10% 前後で伸びる。買収で統合後のレートベースは約 1,380 億ドルになり、ドミニオン株主に 0.8138 株を渡して旧 NEE 株主の持ち分は約 74.5% になる。本社部門は金利と持株会社の費用を負担する。
優良さと弱いところ
堀は 3 層ある。第 1 は FPL の地域独占と規制の質で、フロリダは認可が早く許可 ROE が高く、実現 ROE は 2025 年に 11% 台(二次情報)と、全米の許可平均 9.8% を 1 ポイント以上上回った。第 2 はエナジー・リソーシズの規模で、世界最大級の再エネ開発者として調達・開発・系統接続・税額控除の売却の経験が競合(ブルックフィールド、AES、オーステッドなど)より厚く、蓄電池の併設で契約単価も保てる。第 3 は資本調達力で、公益事業で最大の時価総額と投資適格の信用が、年 600〜700 億ドル規模の投資を安く調達できる土台になる。
資本効率は規制公益として高く、2025 年の ROE は GAAP で 12.5%(調整後では 14% 前後)。ただし税額控除の売却益と持分利益が利益を押し上げているため、料金で決まる FPL の利益ほど予測しやすくない。ドミニオン買収後は株式交換で自己資本が約 570 億ドル膨らみ、のれんが増えるので、ROE は 10% 前後へ下がる。
弱点は 3 つ。第 1 に、利益の約 4 割が税額控除や契約の条件に左右され、2025 年の包括税制法で風力・太陽光の着工期限が決まり、中国由来の部材の規制(FEOC)も効く。第 2 に、有利子負債が約 960 億ドルと大きく、純負債は時価総額の 56% で、金利 5% では借り換えのたびに利払いが増える。第 3 に、フロリダのハリケーンと、手頃さ(料金の上昇)の政治が許可 ROE の標的になりうる点である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の電力需要は 2025 年に過去最高の 4,195 TWh、EIA は 2027 年まで年 +1.9% と見る。伸びを引っ張るのは商業用(データセンター)で、EEI の集計では発表済みの大口案件が約 55 GW。NEE 自身の引き合いも 21 GW あるが、確約と引き合いは別で、ERCOT が 2030 年の見通しを 208 GW から 138 GW へ切り下げたように、見込みは削られる。業界の投資は 2025〜2029 年で 1.1 兆ドル超に上り、規制公益のレートベースは年 7〜10% で伸びる。
規制公益の競争は各州の委員会との関係で、フロリダ・ジョージア・テキサスは認可が早く、ニュージャージー・ニューヨーク・カリフォルニアは手頃さの圧力が強い。住宅の平均料金は 2026 年に前年比 約 +5% で、ニューヨークは +12%。料金の上がりが続くと許可 ROE と投資の認可が政治の標的になる、というのが業界全体の分かれ目である。ガスタービンは新設の建設費が 2023 年の約 1.4 倍、納期 5〜7 年で、既存の発電所・原子力・送電網の価値が上がる。
再エネの開発市場は、2025 年の包括税制法で風力・太陽光の税額控除が縮み、2026 年 7 月 4 日までに着工しなければ 2027 年末までの運転開始が要る。ただしデータセンターと電力不足で電力会社向けの契約単価は上がり、蓄電池(投資税額控除が残る)と原子力が相対的に強くなる。再編では、NEE–ドミニオン、AES の買収、コンステレーションのカルパイン買収が相次ぎ、規模の経済と承認の重さがせめぎ合っている。
資本政策と M&A
資本政策の柱は、規制資本を年 8〜9% で増やす投資と、配当(年 6% 増、2028 年まで)、そして株式の売り出し・転換型エクイティの併用である。自社株買いはほぼ無く、2025 年の配当は約 47 億ドルで純利益の約 7 割、投資は FCF を大きく上回って純負債が毎年約 100 億ドル増える(2025 年 931 億ドル)。配当性向は 2030 年に 55% 未満へ下げる目標。
M&A の中心は 2026 年 5 月に発表したドミニオンの全株式買収(事業価値 約 668 億ドル)。統合後の目標は、2025 年を起点に 2032 年まで調整後 1 株利益を年 9% 以上、規制資本を年 約 11% で伸ばすこと。承認はバージニア・ノースカロライナ・サウスカロライナの 3 州と FERC・NRC で、料金還元 22.5 億ドル(2 年)と一時金 3.6 億ドルを約束した。時期は 2027 年下期の見込み。過去には 2017 年のオンコア(Oncor)買収・2016 年のハワイアン・エレクトリック(Hawaiian Electric)買収が州の反対で破談した前例がある。
資本配分の評価は、FPL への投資は高い許可 ROE で価値を生む一方、NEER の再エネは税額控除の縮小で超過収益が薄まり、ドミニオン買収は株式を割安にも割高にも渡しうる。バリュー投資家は、旧株主の持ち分が約 3/4 に薄まる分を、買収後の利益の伸びで取り戻せるかを見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
FPL は、フロリダの人口流入と許可 ROE の高さで、規制資本が年 9% 近く伸び、利益は 2032 年まで年 8% 以上が見える。2025 年の料金合意は 4 年間続き、2025 年の実現 ROE は 11% 台と、他社の 9% 台との差が大きい。エナジー・リソーシズは受注残 35.1 GW(4〜6 月に 3.6 GW 増え、蓄電池 2 GW)で、電力不足と AI の需要が契約単価を押し上げる。税額控除が縮んでも、蓄電池・原子力・ガスの併設と、最大級の調達力で開発権を持つ同社は市場シェアを取れる。
ドミニオンは、バージニアのデータセンター需要でレートベースが年 10% 超で伸び、買収で統合後のレートベースは 1,380 億ドルに達する。規模で資金調達コストが下がり、年 約 590 億ドルの投資を回せる。会社目標は調整後 1 株利益を 2035 年まで年 9% 以上伸ばすというもので、実現すれば 10 年後の利益は今の 2.3 倍に届く。配当は 2028 年まで年 6% 増える。公益事業で最も予測しやすく、最も成長が速い複合企業である。
慎重な見方
今の PER は調整後で 21 倍台、GAAP で 24 倍と、規制公益の中で高い。資本コスト 8.5% で測ると、10 年後の正当化 PER の上限は 13〜14 倍で、GAAP の利益ではすでにそれを超えている。利益の約 4 割は税額控除の売却益を含むエナジー・リソーシズで、2025 年の包括税制法で風力・太陽光の着工期限が決まり、中国由来の部材の規制(FEOC)もある。受注残の 35 GW が計画通りの利益になるとは限らない。
FCF は 32 億ドルで配当 47 億ドルに届かず、純負債は 931 億ドルと毎年増え、借り換えで利払いが年 10〜16 億ドル増える。ドミニオンは全株式の交換で、旧 NEE 株主の持ち分が約 3/4 に薄まり、承認に 12〜18 か月と 3 州の判断が要る。フロリダのハリケーンと、住宅料金 +5% の政治(ニューヨーク +12%)で許可 ROE が標的になれば、10.95% の優位が崩れる。成長目標 9% 以上は、増資と買収の希薄化を差し引くと 1 株では 6〜7% に落ちる。
どちらに重みを置いたか
事業の質は強気の見方が強く、FPL の許可 ROE と規制資本の伸びは確かなので、悲観の確率は 10 年 12% と、公益事業としては低めに置いた。ただし成長の実現は慎重な見方にも理がある。会社目標の年 9% 以上は買収込みの値で、新株と年 1% の増資を差し引くと 1 株では 6〜7% 前後なので、筋書きは NEE 単体の年 6〜7% を中立に置いた。倍率は資本コスト 8.5%(基本 8.0% + quality +0.50%)の正当化 PER の約 8 割で、10 年後に PER 11.1 倍。確率は中立に厚く寄せ、楽観・やや楽観の合計を 10 年 34%、悲観・やや悲観の合計を 10 年 30% にした。結論は「優良だが、利益ベースの値段では割高」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 68.33 ドル1,415 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 17.90 ドル371 億ドル)。 今の値に割り戻すと 42.12 ドル872 億ドル、今との差 −48.6%、 期待の年率 +0.5%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 109.70 ドル2,271 億ドル | 22.07 ドル457 億ドル | +60.9% | +4.9% | 13.18 ドル273 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 88.87 ドル1,840 億ドル | 20.28 ドル420 億ドル | +33.3% | +2.9% | 26.20 ドル542 億ドル |
| 中立 | 36% | 70.51 ドル1,460 億ドル | 18.98 ドル393 億ドル | +9.3% | +0.9% | 32.22 ドル667 億ドル |
| やや悲観 | 18% | 47.57 ドル985 億ドル | 16.03 ドル332 億ドル | −22.3% | −2.5% | 11.45 ドル237 億ドル |
| 悲観 | 12% | 17.41 ドル360 億ドル | 9.18 ドル190 億ドル | −67.5% | −10.6% | 3.19 ドル66 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 68.33 ドル1,415 億ドル | 17.90 ドル371 億ドル | +5.3% | +0.5% | 86.23 ドル1,785 億ドル |
今の株価時価総額 81.90 ドル1,696 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:データセンター需要が現実になり、利益は 2035 年まで年 8% 台 利益 169 億ドル · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 109.70 ドル2,271 億ドル
10 年後(2035 年末)、フロリダの大口契約が現実になり、FPL の規制資本は年 9.3% で 1,900 億ドルに伸びる。エナジー・リソーシズは蓄電池・原子力・ガスの併設で運転中の設備が 95 GW に増え、営業利益は 63 億ドル。NEE 単体の純利益は約 169 億ドル(2025 年の調整後の約 2.2 倍)。ドミニオンは未成立の段階のため数字に入れない(成立していれば規制資本 1,100 億ドル級が加わるが、新株で旧株主の持ち分は約 7 割に薄まる)。成長は名目 4.75% に落ち着き、倍率は正当化 PER 14.1 倍(ROE 13.5%・g 4.0%・RONIC 11.0%・moat 普通)に対し 0.95 倍の 13.4 倍に置く。配当は 1 株で年 5〜6% 増え、10 年の配当の総額は約 670 億ドル。増資の払い込みは 10 年で約 213 億ドル(自己資本の増加 − 純利益の合計 + 配当 から)で、配当 670 億ドルからこれを引いた正味の還元は 457 億ドル。
- FPL(フロリダの規制電力):数量 1,900(規制資本(億ドル))× 価格 0.17(規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む))→ 売上 325 億ドル・営業利益 140 億ドル。規制資本 1,900 億ドル × 売上の率 0.171(規制資本の伸び)
- ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス):数量 0.0(規制資本(億ドル))× 価格 0.26(規制資本あたりの売上)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。未成立の買収なので足さない
- エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発):数量 95.0(運転中の発電・蓄電設備(GW))× 価格 2.20(1 GW あたりの売上(億ドル))→ 売上 209 億ドル・営業利益 63 億ドル。運転中 95 GW × 1 GW あたり 2.20 億ドル
倍率:正当化 PER 14.1 倍(g 4.0%・RONIC 11.0%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 13.5%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.4 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。
確率:データセンターの確約・税額控除後の再エネの採算・3 州の規制の良さがそろう展開。10 年の実現は 1 割。
やや楽観 24% やや楽観:堀は保たれ、規制資本は年 8%、利益は年 7% 利益 149 億ドル · PER 12.4 倍 · 株価時価総額 88.87 ドル1,840 億ドル
10 年後、FPL の規制資本は年 8.7% で 1,800 億ドル。許可 ROE は 10〜11% を保ち、規制の政治は大きく悪化しない。エナジー・リソーシズは 88 GW、税額控除は 2030 年代に縮むが、蓄電池と電力会社向けの長期契約で営業利益は 53 億ドル。NEE 単体の純利益は約 149 億ドル。ROE はのれんの増えない単体で 12% 台を保つ。ドミニオンは未成立のため数字に入れず、成立した場合のバージニアの成長と持ち分の薄まりは、ほぼ相殺と見る。原子力(デュエイン・アーノルドの再稼働)とガスの併設がデータセンター向けの契約を支え、純負債は増えるが投資適格は保つ。成長は名目 4.5% へ落ち着き、倍率は正当化 PER 13.7 倍(ROE 12.4%・g 4.0%・RONIC 10.5%・moat 普通)に対し 0.90 倍の 12.3 倍に置く。配当の総額は 10 年で約 665 億ドル。増資の払い込みは 10 年で約 245 億ドル(自己資本の増加 − 純利益の合計 + 配当 から)で、配当 665 億ドルからこれを引いた正味の還元は 420 億ドル。
- FPL(フロリダの規制電力):数量 1,800(規制資本(億ドル))× 価格 0.17(規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む))→ 売上 312 億ドル・営業利益 134 億ドル。規制資本 1,800 億ドル × 売上の率 0.173(規制資本の伸び)
- ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス):数量 0.0(規制資本(億ドル))× 価格 0.26(規制資本あたりの売上)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。未成立の買収なので足さない
- エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発):数量 88.0(運転中の発電・蓄電設備(GW))× 価格 2.12(1 GW あたりの売上(億ドル))→ 売上 187 億ドル・営業利益 53 億ドル。運転中 88 GW × 1 GW あたり 2.12 億ドル
倍率:正当化 PER 13.7 倍(g 4.0%・RONIC 10.5%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 12.4%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 12.3 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。
確率:FPL の規制が穏やかに続き、エナジー・リソーシズは税額控除の縮小を契約単価で相殺する。起こりやすい。
中立 36% 中立:優良な規制公益として名目並みに成長し、倍率は成熟側へ 利益 132 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 70.51 ドル1,460 億ドル
10 年後、FPL の規制資本は 1,720 億ドル(年 8.2%)で、利益は約 106 億ドル。許可 ROE は 10.95% から 10.5% 前後へ下がり、手頃さの政治で認可はやや遅れる。エナジー・リソーシズは 80 GW、営業利益 43 億ドル(調整後の純利益 約 56 億ドル)に伸びが鈍る。本社・金利の負担 約 30 億ドル(借り換えの利払い増 12 億ドルを含む)を引いて NEE 単体の純利益は約 132 億ドル(2025 年の調整後から年 5.7%)。ドミニオン買収は数字に入れず、成立した場合の得失(バージニアの成長と、持ち分の薄まり・料金還元)はほぼ相殺と見る。倍率は正当化 PER 13.3 倍(ROE 11.5%・g 4.0%・RONIC 10.0%・moat 普通)に対し 0.83 倍の 11.1 倍に置く。配当の総額は 10 年で約 660 億ドル。エナジー・リソーシズの 1 GW あたり売上は今の 1.12 倍にとどまる(物価の 1.41 倍に届かない)。新設は蓄電池と太陽光が中心で 1 GW あたりの売上が低く、契約単価の上昇を打ち消すため。増資の払い込みは 10 年で約 267 億ドル(自己資本の増加 − 純利益の合計 + 配当 から)で、配当 660 億ドルからこれを引いた正味の還元は 393 億ドル。
- FPL(フロリダの規制電力):数量 1,720(規制資本(億ドル))× 価格 0.18(規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む))→ 売上 302 億ドル・営業利益 130 億ドル。規制資本 1,720 億ドル × 売上の率 0.175(規制資本の伸び)
- ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス):数量 0.0(規制資本(億ドル))× 価格 0.26(規制資本あたりの売上)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。未成立の買収なので足さない
- エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発):数量 80.0(運転中の発電・蓄電設備(GW))× 価格 2.05(1 GW あたりの売上(億ドル))→ 売上 164 億ドル・営業利益 43 億ドル。運転中 80 GW × 1 GW あたり 2.05 億ドル
倍率:正当化 PER 13.3 倍(g 4.0%・RONIC 10.0%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 11.5%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 11.1 倍(8.3 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.3 割。
確率:規制公益の一般的な中立(規制資本 年 6.5〜7%・許可 ROE 9.8% 近辺)より FPL は強いが、再エネの税額控除の縮小と純負債の増加を引く。
やや悲観 18% やや悲観:許可 ROE が削られ、再エネの超過収益が消える 利益 98 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 47.57 ドル985 億ドル
10 年後、住宅料金の上昇への反発で、フロリダの許可 ROE が 10% 前後まで下がり、FPL の規制資本は年 7.5% で 1,600 億ドルにとどまる。エナジー・リソーシズは税額控除の縮小と、中国由来の部材の規制(FEOC)・系統接続の遅れで 62 GW、利益率が下がって営業利益は 27 億ドル。純負債の利払い増も効いて、NEE 単体の純利益は約 98 億ドル。ROE は 9% 台で、堀は残るが超過収益は薄れ、倍率は正当化 PER 12.3 倍(ROE 9.3%・g 4.0%・RONIC 8.9%・moat 普通)に対し 0.82 倍の 10.1 倍に置く。配当の総額は 10 年で約 650 億ドル。増資の払い込みは 10 年で約 318 億ドル(自己資本の増加 − 純利益の合計 + 配当 から)で、配当 650 億ドルからこれを引いた正味の還元は 332 億ドル。
- FPL(フロリダの規制電力):数量 1,600(規制資本(億ドル))× 価格 0.18(規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む))→ 売上 291 億ドル・営業利益 118 億ドル。規制資本 1,600 億ドル × 売上の率 0.182(規制資本の伸び)
- ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス):数量 0.0(規制資本(億ドル))× 価格 0.27(規制資本あたりの売上)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。未成立の買収なので足さない
- エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発):数量 62.0(運転中の発電・蓄電設備(GW))× 価格 1.95(1 GW あたりの売上(億ドル))→ 売上 121 億ドル・営業利益 27 億ドル。運転中 62 GW × 1 GW あたり 1.95 億ドル
倍率:正当化 PER 12.3 倍(g 4.0%・RONIC 8.9%=k 8.50%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 10.1 倍(8.2 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8.2 割。
確率:手頃さの政治(料金 +5%)と税額控除の縮小が同時に進む展開。起きても不思議はない。
悲観 12% 悲観:構造的に負け、もう優良な公益ではなくなっている 利益 53 億ドル · PBR 0.7 倍 · 株価時価総額 17.41 ドル360 億ドル
10 年後、フロリダの大型ハリケーンの復旧費用が料金に乗らず、手頃さの政治で許可 ROE が 9% 前後まで落ち、FPL の規制資本は年 6.4% で 1,450 億ドル。エナジー・リソーシズは税額控除の喪失で 48 GW・営業利益 13 億ドルに縮み、減損も出る。ドミニオン買収を高値で成立させていれば、のれんの減損がさらに重なる。NEE 単体の純利益は約 53 億ドル、ROE は 5.6%。倒産には至らず、規制資産の裏付け(規制資本)が下の床になるので、自己資本に PBR 0.9 倍で測る。配当の総額は 10 年で約 630 億ドル(減配しない)。増資の払い込みは 10 年で約 440 億ドル(自己資本の増加 − 純利益の合計 + 配当 から)で、配当 630 億ドルからこれを引いた正味の還元は 190 億ドル。
- FPL(フロリダの規制電力):数量 1,450(規制資本(億ドル))× 価格 0.20(規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む))→ 売上 283 億ドル・営業利益 102 億ドル。規制資本 1,450 億ドル × 売上の率 0.195(規制資本の伸び)
- ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス):数量 0.0(規制資本(億ドル))× 価格 0.28(規制資本あたりの売上)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。未成立の買収なので足さない
- エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発):数量 48.0(運転中の発電・蓄電設備(GW))× 価格 1.80(1 GW あたりの売上(億ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 13 億ドル。運転中 48 GW × 1 GW あたり 1.80 億ドル
倍率:悲観の床は今の自己資本に掛ける決まり(SCHEMA §1-3)なので、規制資本の裏付けである今の自己資本 546.1 億ドルに PBR 0.66 倍を掛けた。この筋書きの実現 ROE は 5.6%(純利益 53.0 億ドル ÷ 自己資本 950 億ドル)で、k 8.50% を下回るので、正しい PBR は ROE÷k = 0.66 倍が上限(ためた利益 1 ドルの価値は 1 ドル未満。SCHEMA §1-1)。PER に直すと約 6.8 倍。悲観の確率と利益の落ち込みで表したので、倍率でさらに下げてはいない。純利益は GAAP。
確率:大型ハリケーンの費用・許可 ROE の引き下げ・税額控除の喪失・買収のコストなどが重なる確率を 1 割強と置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
FPL(フロリダの規制電力)
フロリダ州の発電・送配電・小売を一体で持つ地域独占。利益は規制資本(認可された投資残高)に許可 ROE を掛けた分で決まる。
| 数量規制資本(億ドル) | 価格規制資本あたりの売上(燃料費の転嫁分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 780 | 0.24 | 190 | 76 |
| 10 年後 中立 | 1,720 | 0.18 | 302 | 130 |
取り方:FPL の 2025 年の規制資本を約 780 億ドル(推定。純利益 約 49 億ドル÷約 6.3%)、売上を約 190 億ドル(推定)と置き、1 単位あたり 0.2436。価格は燃料費の転嫁を含み、規制資本の伸びが売上の伸びより速いので、先で下がる(利益は許可 ROE で決まり、価格で決まらない)。営業利益は推定。市場と照らすと、フロリダ州の電力の顧客 約 1,200 万件のうち FPL は約 600 万件(約 5 割)を持ち、残りはデューク・エナジー・フロリダ、テコ(エメラ傘下)、市営・協同組合。地域独占なので競合と値段で争わず、売上は「規制資本 × 許可 ROE + 燃料費の転嫁」で決まる。規制資本あたりの売上が下がっても値下げではなく、投資の伸びが売上の伸びより速いため。
ドミニオン(買収で加わる規制電力・ガス)
バージニア・ノースカロライナ・サウスカロライナの規制電力とガス。2026 年 5 月に全株式での買収を合意したが未成立(完了は 2027 年下期の見込み)なので、筋書きの数字には入れない。
| 数量規制資本(億ドル) | 価格規制資本あたりの売上 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 0.30 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.26 | 0 | 0 |
取り方:今は NEE の連結に入っておらず、買収も成立していないので、全筋書きで 0(今の時価総額は今の株数で測るので、相手を足すと上振れする)。参考:ドミニオン単独で規制資本 約 530 億ドル・売上 約 160 億ドル・純利益 約 28 億ドル(推定)。ドミニオン株主に 0.8138 株を渡し、完了後は旧 NEE 株主の持ち分が約 74.5% になる。成立した時の得失は筋書きの文章で触れる。
エナジー・リソーシズ(旧 NEER:再エネ・蓄電池の開発)
風力・太陽光・蓄電池・原子力などを開発・運営し、電力会社・企業へ長期契約で売る。利益は税額控除の売却益を含む。
| 数量運転中の発電・蓄電設備(GW) | 価格1 GW あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 1.83 | 73 | 20 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 2.05 | 164 | 43 |
取り方:運転中の設備を約 40 GW(推定)、売上を約 73 億ドル(推定)と置き 1 GW あたり 1.825 億ドル。受注残は 35.1 GW。営業利益 20 億ドルは時価評価損益と減価償却を引いた推定で、調整後の純利益 約 35 億ドルは税額控除・持分利益で営業利益を上回る。市場と照らすと、米国の大規模な再エネ・蓄電池の運転中の設備は約 5 億 kW(500 GW)規模で、NEE のシェアは 1 割弱の首位。ブルックフィールド、AES、インベナジー、オーステッド、電力会社の自社開発が競う。1 GW あたりの売上は中立で物価並みに上げない:新設は蓄電池と太陽光が中心で 1 GW あたりの売上が風力・ガスより低く、この組み合わせの変化が契約単価の上昇(物価並み)を打ち消すため(10 年 1.12 倍)。
リスクと懸念
ドミニオン買収の承認・破談と希薄化
バージニア・ノースカロライナ・サウスカロライナの 3 州と FERC・NRC の承認が要り、12〜18 か月かかる。2016 年のハワイアン・エレクトリック、2017 年のオンコアの買収が州の反対で破談した前例がある。完了しても旧株主の持ち分は約 74.5% に薄まり、料金還元 22.5 億ドル(2 年)の費用も出る。承認の条件が重いと利益の伸びが目標の年 9% 以上に届かない。
再エネの税額控除の縮小・中国由来の部材の規制
2025 年の包括税制法で、風力・太陽光は 2026 年 7 月 4 日までに着工しなければ 2027 年末までの運転開始が要る。中国由来の部材の規制(FEOC)も加わり、エナジー・リソーシズの利益(約 4 割)に効く。蓄電池の投資税額控除と原子力は残るが、新規の開発は鈍り、超過収益は薄まる。
高い倍率と需要の期待
今の PER は調整後で 21 倍台。資本コスト 8.5% の正当化 PER の上限は 10 年後の中立で 13.3 倍(帳簿の ROE 11.5%・成長 4.0%)、中立はその約 8 割の 11.1 倍だが、今の値段にはデータセンター需要への期待も倍率として入っている。需要が確約にならない(ERCOT の見通しの切り下げの前例)と、利益が計画どおりでも倍率が縮んで株価が下がる。
手頃さの政治と許可 ROE
住宅の平均料金は 2026 年に前年比 約 +5%(ニューヨーク +12%)。料金の上がりが続くと、フロリダの許可 ROE(中央値 10.95%)が次の料金の見直し(2029 年以降)で標的になり、他州並みの 9.8% まで下がると利益が 1 割近く減る。ドミニオンのバージニアも同じ圧力を受ける。
ハリケーンと設備投資の資金調達
フロリダの大型ハリケーンは設備の損傷と復旧費用が大きく、料金で回収する仕組みはあるが遅れる。年 600〜700 億ドル級の投資に対し FCF は 32 億ドルで、純負債 931 億ドルは増え続け、借り換えで利払いが年 10〜16 億ドル増える。増資の頻度が上がれば 1 株の成長は目標を下回る。
原子力の再稼働とガス・タービンのコスト
デュエイン・アーノルド原発の再稼働(2029 年第 1 四半期の予定)の遅れや、ガスタービンの価格(2019 年比で約 3 倍)・納期(5〜7 年)が、FPL の新設コストを押し上げる。超過コストを料金に乗せられないと、サザンのボーグル 3・4 号機のように価値を壊す。
今後の分かれ目
- バージニアなど 3 州の委員会が買収に重い条件を付けるか、反対したら
- 筋書きの数字は単体で書いているので変わらない。破談の費用と、成長の物語が細る分だけ、やや悲観の確率を上げる。倍率は単体の ROE・g 3.75% で上限を取り直し、中立の PER を 1〜2 倍下げて見る。
- データセンターの大口契約が最低料金・担保つきで 10 GW 以上確約になったら
- FPL とドミニオンの規制資本の伸びが年 9〜10% に上がる。楽観・やや楽観の確率を上げ、PER を 1 倍ほど上げて見る。
- フロリダの次の料金の見直しで許可 ROE が 10% を割ったら
- FPL の利益が 1 割近く減り、10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。倍率は 2 倍ほど下げて見る。
- 風力・太陽光の着工期限に間に合わない案件が受注残の 3 割を超えたら
- エナジー・リソーシズの利益の伸びを下げる。税額控除の売却益が営業外で減るので、純利益を 1〜2 割下げて見る。
- 10 年国債の利回りが 5% から 4% 台前半へ下がったら
- 本分析の資本コストは国債の名目利回りでなく基本 8.0% + quality から置いているので、倍率は動かさない。ただし借り換えの利払いが軽くなり、純利益が少し上がる。見直しの合図として扱う。
- 大型ハリケーンがフロリダに上陸し、復旧費用が数十億ドルに達したら
- 料金での回収の速さを見る。回収が 1 年以上遅れる、または認可が下りないなら、悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- FPL の許可 ROE・実現 ROE と規制資本の伸び(次の料金の見直しは 2029 年以降)
- ドミニオン買収の承認(バージニア・ノースカロライナ・サウスカロライナ・FERC・NRC)と完了の時期(2027 年下期の見込み)
- エナジー・リソーシズの受注残(35.1 GW)と着工・運転開始の実績、税額控除の売却の条件、蓄電池の割合
- データセンター大口契約の確約量(FPL とドミニオン)と最低料金・担保の条件
- 調整後 1 株利益(2026 年の目標 3.92〜4.02 の上端)と純負債・FCF・増資の額
- 住宅料金の前年比、PJM の次の容量オークション(2026 年 12 月)、10 年国債の利回り
倍率と資本コストの決め方
今の PER(調整後 21 倍台・GAAP 24 倍)を見る前に、FPL とエナジー・リソーシズを数量 × 価格(規制資本・GW)で積み、NEE 単体(増資の払い込みは還元から引いた)で純利益を決めた。未成立のドミニオン買収は相手の利益も新株も足していない。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE − k)(moat 普通・残る割合 1/2)で上限を出し、その 7〜10 割に置いた。k は基本 8.0% に quality +0.50% を足した 8.5%。10 年の中立は ROE 11.5%・g 4.0%・RONIC 10.0% で正当化 PER 13.3 倍、これに対し 11.1 倍(0.83 倍)。10 年の楽観は正当化 PER 14.1 倍に対し 13.4 倍(0.95 倍)、やや悲観は 12.3 倍に対し 10.1 倍(0.82 倍)に置いた。ROE は帳簿の自己資本 ROE(のれん 約 50 億ドルは除かない)。純利益は GAAP で株式報酬は費用。会社目標(年 9% 以上)は買収込みなので採らなかった。結果は総合で今の時価総額に対し -47%(割高)で、今の株価に寄せて逆算していない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 0.91 × 5%。基本 8.0% + coc.quality +0.50% = 8.50%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 8.50%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。税額控除の縮小・買収の承認・フロリダのハリケーンは k に足さず、悲観・やや悲観の確率と筋書きの利益で表した。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 8.50% では g 4.00% が上限。