結論
エヴァジー(EVRG)は、カンザス州とミズーリ州で電気を売る規制公益の持株会社で、カンザス・セントラル、カンザス・メトロ、ミズーリ・メトロ、ミズーリ・ウェストの 4 つの規制会社を持つ。2025 年の売上は約 59 億ドル、GAAP 純利益は約 8.6 億ドル(調整後は約 8.9 億ドル)。料金は 2 州の委員会が決める地域独占で、利益は「レートベース × 自己資本比率 × 許可 ROE」で決まる。
会社は 2026〜2030 年に 216 億ドルを投じ(前の計画より 41 億ドル増。うち発電が 34 億ドル)、レートベースを年 約 11.5%(2025 年末 約 207 億ドル → 2030 年 約 357 億ドル。資料の抜き出しからの推定)で伸ばす計画を持つ。主因は、データセンターの電力供給契約(ESA)5 件・定常で約 2.5 GW(その他の大口と合わせて約 3 GW、システムのピークの約 2〜3 割)と、SPP(系統運用者)の準備率の引き上げ。1 株利益は 2026 年を起点に年 6〜8% 超、2028〜2030 年は年 8% 超と言うが、2026・2027 年は目標の下半分。株の売り出しは年 7〜9 億ドルで、レートベースの伸び(11.5%)と 1 株利益の伸びの差が、増資による薄まりである。
バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality -0.75% を足した 7.25%(公益の規制事業で需要と値決めは安定、借金は重い)。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)(RONIC=k+1/2×(ROE−k))の上限(10 年の中立は ROE 9.3%・g 3.7% で 15.6 倍)の 8.8 割の 13.8 倍に置いた。同じ領域のアメレンとほぼ同じ倍率(13.8 倍と 13.7 倍)で、k は 7.25% と 7.0% で近く、ROE が低め(9.3%。許可 ROE 9.7% から規制ラグを引く)。強みは契約済みの需要と大口料金(最低請求 80%)、弱みは FFO/負債 約 14%・純負債 154 億ドル・2025 年に目標を外した実績・加速が 2028 年以降に偏る計画。筋書きを重ねた価値と今の時価総額の差は計算に任せる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。カンザス・ミズーリの電気の地域独占、原子力・送電網は、電化とデータセンターで需要が増える今後 10 年も確実に残り、堀は広がる側にある。ただし堀の大部分は 2 州の委員会の手にあり、価格を決める力は無い。許可 ROE 9.7% 前後がその現れで、超過収益は顧客と分ける。
次にオーナー利益を見る。2025 年の調整後純利益は約 8.9 億ドル、配当は約 6.2 億ドルだが、FCF は −8 億ドルで、不足は借金と増資で埋めている。10 年の中立では、純利益の合計(約 151 億ドル)のうち、増資の払い込み(約 47 億ドル)と株式報酬を引いた後に株主の手元に残る正味の還元は約 37 億ドルで、2 割台半ばにとどまる。成長を買うために資本を足し続ける構造なので、レートベースの伸び(年 11.5%)がそのまま株主の価値の伸びにならない。
資本配分は規制の枠の中でよいが、216 億ドル、さらに 2030 年以降も続く投資の大きさが、工期・費用・認可の失敗を抱え込む。契約済みの需要(約 2.5 GW、最低請求 80%、解約金付き)は強みだが、顧客は 5 件の少数で、定常化は 2033 年ごろまでかかる。安全域は、資本コストを 7.25%(基本 8.0% + quality -0.75%)と置き、悲観を 10 年 12% と厚くして確保した。確信度は、規制事業の安定は高く、契約の立ち上がりの時期と、手頃さの政治の中での許可 ROE は低い。わかりにくい部分を割り引いたうえで、優良な事業を適正〜やや割高で買うことになるかは、計算で判断する。
何で稼ぐ会社か
事業は 4 つの規制会社に分かれる(割り振りは推定。会社は管轄別のレートベースを公表していない)。カンザス・セントラル(旧ウェスターのカンザス。レートベース 約 90 億ドル)が最大で、原子力のウルフ・クリーク(共同保有)・石炭・ガス・風力を持つ。ミズーリ・メトロ(約 56 億ドル)はカンザスシティのミズーリ側、ミズーリ・ウェスト(約 39 億ドル)は西部・農村、カンザス・メトロ(約 22 億ドル)はカンザスシティのカンザス側。合計で約 207 億ドルと推定する。燃料費・購入電力費は料金に転嫁するので、売上の増減と利益の増減は別物で、利益はレートベースの返しで決まる。
2026〜2030 年の投資 216 億ドルのうち、前の計画からの増加分の大半(34 億ドル)は発電。カンザスでは 2025 年 7 月に KCC が、ヴァイオラ(サムナー郡・2029 年 1 月予定)とマクニュー(レノ郡・2030 年 1 月予定)の複合サイクル 2 基(各 約 710 MW)の費用回収の合意を承認した。カンザス・セントラルとミズーリ・ウェストが 50% ずつ持ち、カンザス側の費用は各 約 7.9 億・8.0 億ドル。ミズーリの委員会の承認は 2025 年の資料の時点で未決だった(その後を確認しきれていない)。資金は営業キャッシュ 135 億ドル、借入とハイブリッド債 84 億ドル、普通株 33 億ドル(2026〜2029 年に年 7〜9 億ドル、2030 年は無し)。
需要は、2025 年の販売電力量が +0.3% と弱かったあと、2026 年に +3〜4%、2027〜2030 年に年約 7%(会社の想定)。2030 年の予想にはデータセンター 1.3 GW だけが入り、残りは 2030 年以降に立ち上がる。契約済みは 5 件・約 2.5 GW(10-Q は 2.6 GW)、その他の大口(パナソニックの電池工場など)約 0.5 GW、既存地点の拡張余地 2〜2.5 GW、2026 年中に少なくとも 1 件の追加を見込む(計画に未算入)。大口料金(LLPS)は 2025 年後半にカンザス・ミズーリとも承認され、既存の産業料金より 15〜20% 高く、契約容量の 80% 以上の最低請求・最低期間・担保・解約金が付く。10-Q の大口契約の残存履行義務は約 89 億ドル、加重平均で残り 15 年。
優良さと弱いところ
堀は 3 層ある。第 1 は地域独占で競合が無い。第 2 は規制の質で、カンザスは 2025 年の料金改定で許可 ROE を 9.4% から 9.7%(送電の料金に使う)へ引き上げ、新設ガスの費用回収を認めた。第 3 は大口料金の設計で、データセンターが自分で費用を負担し、一般の顧客の料金を押し上げない仕組みが最低請求 80%・担保・解約金で担保されている。
弱みは 4 つ。第 1 に財務の薄さ:純有利子負債 154 億ドルは時価総額の 79%、自己資本比率は 29%、FFO/負債は約 14%、FCF は 2025 年に −8 億ドル。投資の半分を株で賄う想定で、レートベースの伸びのうち 3〜4 ポイントは増資の薄まりに消える。第 2 に 2025 年に会社の目標を外した(天候・製油所の停止・産業需要の弱さ)という信頼の傷で、2026・2027 年は目標の下半分と先に言っている。第 3 に計画の後ろ寄りで、年 8% 超の伸びは 2028 年以降。第 4 に許可 ROE の水準で、カンザスの 9.7% は超過収益の半分を顧客に返す条件付きで上は限られ、ミズーリ・メトロは申請(要求 10.5%)が通らず 9.7% 前後に落ちる公算が大きい。
資本効率は、GAAP の自己資本 ROE が 2025 年 8.4%(調整後で約 8.8%)と、許可 ROE(9.7% 前後)を規制ラグの分だけ下回る。経営の過去の傷は、2018 年の旧グレート・プレーンズ・エナジーとウェスターの合併後、2020 年にアクティビスト(エリオット)が経営と費用の見直しを求め、新しい経営陣のもとで費用削減と投資の増強に動いたこと。株主の資本が毀損した前例は目立たないが、増資を積む成長の運営はこれから試される。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の電力需要は 2025 年に過去最高(約 4,200 TWh)で、EIA は 2026〜2027 年に年 +1.9% と見る(業界ノート)。エヴァジーの地域は中部で、土地・送電の余裕・SPP の電源の不足が、データセンターの誘致の材料になる。会社は 2027〜2030 年の販売電力量を年約 7% と見て、これは 25 社のノートの中立(年 +1.7%)を大きく上回る。伸びの中身は 2030 年に新規データセンター 1.3 GW(約 10 TWh)が加わることで、残りの契約(約 1.2 GW)と拡張の余地(2〜2.5 GW)は 2030 年以降に出る。
競争の形は、州の委員会との交渉と、大口の誘致競争である。隣のアメレン(署名済み 2.8 GW)、南のエンタージ・サザン(契約済み 17 GW)、ミズーリ・カンザスのほかの電力会社と、土地・電力の確保・電気料金・手続きの速さで競う。エヴァジーの優位は、SPP の中で電源の余裕を新設ガスで作る道筋があること、LLPS が 2025 年後半に承認済みで手続きが読めること。逆に、ガスタービンの価格・納期(業界ノートで 2019 年比 約 3 倍・納期 5〜7 年)が新設電源の工期と費用を左右し、タービンを先に確保した会社が契約を取る。
手頃さの政治は業界全体の分かれ目で、住宅料金は 2026 年に全米で約 +5%(業界ノート)。ミズーリ・ウェストは物価を上回る料金上昇を会社自身が見込み、規制の反発を受けやすい。M&A は、ネクステラ・エナジーによるドミニオンの買収合意など再編が動くが、エヴァジーの関与は報じられておらず、時価総額(約 195 億ドル)と借金から大型の再編に加わる可能性は低い。規制電力どうしの合併は州の承認が重い。
資本政策と M&A
資本政策の中心は、借金・ハイブリッド債・普通株の売り出しで投資を賄い、配当を伸ばすことである。2026〜2030 年は営業キャッシュ 135 億ドルで足りず、借入とハイブリッド債 84 億ドル(うち 10 億ドルは資本とみなされる)、普通株 33 億ドル(2026〜2029 年に年 7〜9 億ドル、2030 年は無し)を足す。2026 年は先渡し売却で約 4.25 億ドルが 2026 年 6 月末までに値決め済み。配当は 5 年で 36 億ドル、目標の配当性向 50〜60%(以前は 60〜70%)、配当の伸びは 1 株利益の伸びより低くする方針。2025 年の配当は 4% 増。
借金は借換えで金利が上がる。転換社債(4.50%・2027 年満期)は 2026 年 1 月に約 2.4 億ドルを買い戻し、約 11.6 億ドルが残り、転換すれば株が増える。brief の推定で利払いの増加は 10 年後 3 億ドルで、会社の 2026 年の目標に織り込み済み。M&A の歴史は、2018 年のグレート・プレーンズ・エナジーとウェスターの合併が中心で、買収で大きくなる会社ではない。資本配分で評価できる点は、許可 ROE を上回る見込みの新設ガスを持ち分で積むこと、悪い点は、2025 年の目標を外し、増資の額が時価総額の約 17%(5 年)と大きいこと。会社全体の時価総額で書くので、増資は払い込みを還元から引いて織り込み、株式報酬(年 約 0.2 億ドル)も引いた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
計画の上振れの余地が大きい。会社は 2030 年の予想にデータセンター 1.3 GW しか入れていないのに、契約済みは約 2.5 GW、その他の大口を合わせて約 3 GW、既存地点の拡張余地が 2〜2.5 GW、2026 年中に少なくとも 1 件の追加契約を見込む。契約は大口料金(既存の産業料金より 15〜20% 高く、契約容量の 80% 以上の最低請求・解約金・担保)で、10-Q の残存履行義務は約 89 億ドル、加重平均で 15 年。需要が確約されているので、新設の電源が認可される限り、レートベースの伸びは計画(年 11.5%)以上になる。
規制の環境も良い。カンザスは 2025 年に許可 ROE を 9.4% から 9.7% へ上げ、新設ガス 2 基(各 約 710 MW)の費用回収を承認した。ミズーリ・メトロの料金改定は 2027 年 1 月に反映され、要求の 10.5% が全部通らなくても、レートベースの拡大が 1 株利益の伸びを押し上げる。会社は 2028 年からの 1 株利益の伸びを年 8% 超と言い、2026 年は天候の戻りと需要の増加で目標の中央に乗る。10 年の中立 13.8 倍(正当化 PER 15.6 倍の 8.8 割)は、財務が薄くても高成長の規制電力として成り立つ水準である。
慎重な見方
借金と増資で成長を買っている会社である。純有利子負債は 154 億ドルで時価総額の 79%、FFO/負債は約 14%、FCF は 2025 年に −8 億ドル。5 年で 216 億ドルを投じ、普通株 33 億ドル(時価総額の約 17%)を足すので、レートベースが年 11.5% で伸びても、1 株の伸びは 6〜8% に薄まる。2025 年は天候・製油所の停止・産業需要の弱さで会社の目標を外し、2026・2027 年も目標の下半分と先に言っている。伸びが年 8% 超になるのは 2028 年からで、計画の後ろ寄りである。
契約は 5 件の少数の顧客に偏り、定常化は 2033 年ごろまでかかる。2030 年の予想に入っているのは 1.3 GW だけで、残りは時期が不確かで、新設ガス(ヴァイオラ・マクニュー)のタービン費用・納期の悪化の直撃を受ける。SPP の準備率の引き上げで新設が義務のように積み上がるぶん、住宅料金が上がり、手頃さの政治(全米で 2026 年に +5%)が許可 ROE と認可を削る。ミズーリ・メトロの要求 ROE 10.5% は 9.7% 前後に落ち、カンザスの 9.7% には超過収益の半分を顧客に返す条件が付く。今の GAAP の PER 19.8 倍は、k 7.25%・ROE 9% 台の上限(15 倍前後)を超え、高すぎる。
どちらに重みを置いたか
規制事業の質と、契約済みの需要で計画が上振れする余地は強気の見方が上回る。一方で、財務の薄さ・増資の薄まり・2025 年の目標割れ・後半に偏る加速は慎重な見方が突いている。倍率は k 7.25%・帳簿の ROE・g 3.7% の正当化 PER の 7〜10 割に置く(10 年の中立 13.8 倍=上限 15.6 倍の 0.88 倍)。他社への寄せはしない。利益は会社目標の下半分〜中位(2027 年まで)に置き、2028 年以降の加速は契約が 2030 年までに定常になる範囲に限った。確率は中立に寄せ、悲観の側(やや悲観と悲観)を 10 年 34% と、楽観側(32%・30%)より少し厚くした。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 113.79 ドル266 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 15.10 ドル35 億ドル)。 今の値に割り戻すと 67.15 ドル157 億ドル、今との差 −21.0%、 期待の年率 +4.3%(資本コスト 7.2%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 179.20 ドル419 億ドル | 2.14 ドル5 億ドル | +113.5% | +7.9% | 14.51 ドル34 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 144.05 ドル337 億ドル | 9.59 ドル22 億ドル | +80.9% | +6.1% | 33.80 ドル79 億ドル |
| 中立 | 36% | 117.12 ドル274 億ドル | 16.01 ドル37 億ドル | +56.7% | +4.6% | 47.93 ドル112 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 92.51 ドル216 億ドル | 20.38 ドル48 億ドル | +32.9% | +2.9% | 24.83 ドル58 億ドル |
| 悲観 | 12% | 43.75 ドル102 億ドル | 21.40 ドル50 億ドル | −23.3% | −2.6% | 7.82 ドル18 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 113.79 ドル266 億ドル | 15.10 ドル35 億ドル | +51.7% | +4.3% | 128.89 ドル301 億ドル |
今の株価時価総額 84.95 ドル198 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:契約が積み上がり、データセンターの増設が続く 利益 28 億ドル · PER 15.2 倍 · 株価時価総額 179.20 ドル419 億ドル
契約済み 2.5 GW が定常に達したうえ、既存地点の拡張(2〜2.5 GW)と 2026 年以降の新規契約の大半も契約になり、2035 年のデータセンター負荷は約 5 GW、販売電力量は 2025 年の約 2 倍に近づく。レートベースは 2030 年に会社計画を 6% 上回り、その後も新設ガス・送電・蓄電池・原子力の延命で年 9% で伸びる。許可 ROE は 9.9% 前後まで上がり、手頃さの政治は、大口が負担を引き受ける料金設計(既存の産業料金より 15〜20% 高い・最低請求・解約金)で保たれる。アメレン(署名済み 2.8 GW)、サザン、エンタージとの誘致の競争に勝ち続け、全米の規制電力 25 社の中でレートベースの伸びが上位に入る。純利益は約 27.5 億ドル。 2035 年末のレートベースは約 584 億ドル(10 年で年 10.9%。2025 年末 約 207 億ドル)、販売電力量は約 77.0 TWh(2025 年 約 39 TWh)、実現 ROE は約 9.8%、純利益は約 27.5 億ドル(2025 年の調整後の約 3.1 倍)。増資は 10 年で約 98 億ドル、配当は約 105 億ドルで、株式報酬を引いた正味の還元は約 5.0 億ドル。1 kWh あたり売上は 2025 年の約 1.52 倍(物価の 1.41 倍が基本で、レートベースの伸びが販売量の伸びを上回る分だけ上乗せ)。倍率は正当化 PER 16.0 倍(ROE 9.8%・g 3.7%・RONIC 8.5%・moat 普通)に対し 0.95 倍の 15.2 倍に置く。
- カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル):数量 29.3(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.52(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 74 億ドル・営業利益 24 億ドル。販売電力量 29.3 TWh × 1 TWh あたり売上 2.5159(レートベース 約 251 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ):数量 21.6(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.46(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 53 億ドル・営業利益 14 億ドル。販売電力量 21.6 TWh × 1 TWh あたり売上 2.461(レートベース 約 149 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト):数量 17.7(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.97(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 35 億ドル・営業利益 12 億ドル。販売電力量 17.7 TWh × 1 TWh あたり売上 1.9671(レートベース 約 129 億ドルが営業利益を決める)
- カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ):数量 8.5(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.99(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 17 億ドル・営業利益 5 億ドル。販売電力量 8.5 TWh × 1 TWh あたり売上 1.9898(レートベース 約 55 億ドルが営業利益を決める)
倍率:正当化 PER 16.0 倍(g 3.7%・RONIC 8.5%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.8%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 15.2 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。
確率:契約済みに加えて拡張・新規の契約が大半実現し、許可 ROE も上がる、が重なる確率。10 年でも 1 割未満の 8%。
やや楽観 22% やや楽観:計画どおり、2030 年のあとも年 7.5% で伸びる 利益 24 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 144.05 ドル337 億ドル
5 年の投資計画(216 億ドル)が認可どおり進み、2030 年のレートベースは約 357 億ドル。契約済みの 2.5 GW は 2033 年までに定常になり、2030 年以降も既存地点の拡張の一部(0.5〜1 GW)が加わる。ミズーリ・ウェストとカンザスの新設ガスの持ち分も認可され、その後の投資は年 7.5% で伸びる。許可 ROE は 9.7〜9.8%、実現 ROE は 9.5% 前後。競合に対しては、契約の質(最低請求 80%・長期)で後れを取らず、アメレンと並ぶ成長になる筋書き。 2035 年末のレートベースは約 512 億ドル(10 年で年 9.5%。2025 年末 約 207 億ドル)、販売電力量は約 67.0 TWh(2025 年 約 39 TWh)、実現 ROE は約 9.6%、純利益は約 23.6 億ドル(2025 年の調整後の約 2.6 倍)。増資は 10 年で約 71 億ドル、配当は約 96 億ドルで、株式報酬を引いた正味の還元は約 22.4 億ドル。1 kWh あたり売上は 2025 年の約 1.50 倍(物価の 1.41 倍が基本で、レートベースの伸びが販売量の伸びを上回る分だけ上乗せ)。倍率は正当化 PER 15.8 倍(ROE 9.6%・g 3.7%・RONIC 8.4%・moat 普通)に対し 0.90 倍の 14.3 倍に置く。
- カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル):数量 25.5(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.48(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 63 億ドル・営業利益 21 億ドル。販売電力量 25.5 TWh × 1 TWh あたり売上 2.4828(レートベース 約 220 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ):数量 18.8(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.43(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 46 億ドル・営業利益 12 億ドル。販売電力量 18.8 TWh × 1 TWh あたり売上 2.4286(レートベース 約 131 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト):数量 15.4(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.94(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 11 億ドル。販売電力量 15.4 TWh × 1 TWh あたり売上 1.9412(レートベース 約 113 億ドルが営業利益を決める)
- カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ):数量 7.4(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.96(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 15 億ドル・営業利益 5 億ドル。販売電力量 7.4 TWh × 1 TWh あたり売上 1.9636(レートベース 約 49 億ドルが営業利益を決める)
倍率:正当化 PER 15.8 倍(g 3.7%・RONIC 8.4%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.6%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.3 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。
確率:5 年の投資計画が認可どおり進み、2030 年以降も年 7.5% で伸びる筋書き。契約済みの質(最低請求 80%・解約金)と SPP の準備率の引き上げで需要の裏付けがあるので 22%。
中立 36% 中立:契約済みの 2.5 GW だけが定常になり、レートベースは年 8% 利益 20 億ドル · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 117.12 ドル274 億ドル
契約済みの 2.5 GW だけが 2033 年までに定常になり(新規の契約は入れない)、2030 年までの投資は計画の 94%(約 336 億ドル)、その後は年 5.8% に落ちる。許可 ROE は 9.7% 前後で、規制ラグの分だけ実現 ROE は約 9.3% にとどまる。レートベースが約 2.2 倍になるのに対し、販売電力量は約 1.55 倍(契約済みの定常化で 約 18 TWh が加わる)で、平均の 1 kWh あたり売上は物価を少し上回るだけに抑えられる。アメレンやサザンと比べ、エヴァジーは顧客数が少なく、増資で成長を買う度合いが高い。1 株の伸びは会社目標(年 6〜8% 超)の下半分に近く、純利益の伸びの大半が株数の増加で薄まる。 2035 年末のレートベースは約 446 億ドル(10 年で年 8.0%。2025 年末 約 207 億ドル)、販売電力量は約 60.5 TWh(2025 年 約 39 TWh)、実現 ROE は約 9.3%、純利益は約 19.9 億ドル(2025 年の調整後の約 2.2 倍)。増資は 10 年で約 47 億ドル、配当は約 86 億ドルで、株式報酬を引いた正味の還元は約 37.4 億ドル。1 kWh あたり売上は 2025 年の約 1.45 倍(物価の 1.41 倍が基本で、レートベースの伸びが販売量の伸びを上回る分だけ上乗せ)。倍率は正当化 PER 15.6 倍(ROE 9.3%・g 3.7%・RONIC 8.3%・moat 普通)に対し 0.88 倍の 13.8 倍に置く。
- カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル):数量 23.0(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.40(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 55 億ドル・営業利益 18 億ドル。販売電力量 23.0 TWh × 1 TWh あたり売上 2.4(レートベース 約 192 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ):数量 16.9(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.35(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 40 億ドル・営業利益 11 億ドル。販売電力量 16.9 TWh × 1 TWh あたり売上 2.3476(レートベース 約 114 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト):数量 13.9(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.88(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 26 億ドル・営業利益 9 億ドル。販売電力量 13.9 TWh × 1 TWh あたり売上 1.8765(レートベース 約 98 億ドルが営業利益を決める)
- カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ):数量 6.7(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.90(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。販売電力量 6.7 TWh × 1 TWh あたり売上 1.8982(レートベース 約 42 億ドルが営業利益を決める)
倍率:正当化 PER 15.6 倍(g 3.7%・RONIC 8.3%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.8 倍(8.8 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.8 割。
確率:契約済みの 2.5 GW だけが定常になり、2030 年までは計画の 94%、その後は年 5.8% に落ちる最も起きやすい筋書き。36%。
やや悲観 22% やや悲観:許可 ROE が 9% 台前半に下がり、投資が縮む 利益 17 億ドル · PER 13.0 倍 · 株価時価総額 92.51 ドル216 億ドル
手頃さの政治が強まり、カンザスとミズーリの許可 ROE が 9.3〜9.5% へ下がり、投資の認可も削られる。5 年の投資は計画の 87% にとどまり、2030 年のレートベースは約 311 億ドル、その後は年 4.5%。契約済みのデータセンターは稼働するが、定常は想定の 8 割(約 14〜15 TWh)にとどまり、追加の契約は無い。競合の電力会社(アメレン、サザン)に大口の引き合いが流れ、新設電源は余り気味になる。実現 ROE は約 8.9%、純利益は約 16.6 億ドル。 2035 年末のレートベースは約 388 億ドル(10 年で年 6.5%。2025 年末 約 207 億ドル)、販売電力量は約 54.5 TWh(2025 年 約 39 TWh)、実現 ROE は約 8.9%、純利益は約 16.6 億ドル(2025 年の調整後の約 1.9 倍)。増資は 10 年で約 27 億ドル、配当は約 76 億ドルで、株式報酬を引いた正味の還元は約 47.6 億ドル。1 kWh あたり売上は 2025 年の約 1.40 倍(物価の 1.41 倍が基本で、レートベースの伸びが販売量の伸びを上回る分だけ上乗せ)。倍率は正当化 PER 15.3 倍(ROE 8.9%・g 3.7%・RONIC 8.1%・moat 普通)に対し 0.85 倍の 13.0 倍に置く。
- カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル):数量 20.7(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.32(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 48 億ドル・営業利益 15 億ドル。販売電力量 20.7 TWh × 1 TWh あたり売上 2.3172(レートベース 約 167 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ):数量 15.3(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.27(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 35 億ドル・営業利益 9 億ドル。販売電力量 15.3 TWh × 1 TWh あたり売上 2.2667(レートベース 約 99 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト):数量 12.5(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.81(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 23 億ドル・営業利益 8 億ドル。販売電力量 12.5 TWh × 1 TWh あたり売上 1.8118(レートベース 約 85 億ドルが営業利益を決める)
- カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ):数量 6.0(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.83(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 11 億ドル・営業利益 3 億ドル。販売電力量 6.0 TWh × 1 TWh あたり売上 1.8327(レートベース 約 37 億ドルが営業利益を決める)
倍率:正当化 PER 15.3 倍(g 3.7%・RONIC 8.1%=k 7.25%+残る割合 0.50×(事業の ROE 8.9%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.0 倍(8.5 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8.5 割。
確率:手頃さの政治で許可 ROE と認可が削られ、定常が想定の 8 割にとどまる筋書き。レートベース 年 11.5% という計画の高さと、FFO/負債 14% の薄さを理由に 22% と、中立に近い厚さにした。
悲観 12% 悲観:契約が縮み、規制も厳しくなって優良でなくなる 利益 14 億ドル · PBR 1.0 倍 · 株価時価総額 43.75 ドル102 億ドル
構造的に負ける筋書き。契約済みの 5 件のうち 1〜2 件が建設を延期・縮小して解約金を払い、残りの定常化も遅れ(約 9 TWh)、新設のガス・送電は需要より先に費用だけが料金に乗り、住宅料金の上昇で規制が厳しくなる。許可 ROE は 9.0% 前後へ、実現 ROE は約 8.3%、投資の認可は大きく削られてレートベースは 2030 年に約 289 億ドル、その後は年 3%。増資は 2031 年以降は不要になるが、財務の薄さ(FFO/負債 14%)から格付けが下がり、借換えコストが利益を圧迫する。純利益は約 13.9 億ドル。優良な規制資産としての評価(倍率)も縮む。 2035 年末のレートベースは約 335 億ドル(10 年で年 4.9%。2025 年末 約 207 億ドル)、販売電力量は約 49.5 TWh(2025 年 約 39 TWh)、実現 ROE は約 8.3%、純利益は約 13.9 億ドル(2025 年の調整後の約 1.6 倍)。増資は 10 年で約 15 億ドル、配当は約 67 億ドルで、株式報酬を引いた正味の還元は約 50.0 億ドル。1 kWh あたり売上は 2025 年の約 1.35 倍(物価の 1.41 倍が基本で、レートベースの伸びが販売量の伸びを上回る分だけ上乗せ)。評価は今の自己資本(規制資本)102.2 億ドルに PBR 1.0 倍を掛ける(悲観の床は今の自己資本。実現 ROE 8.3% は k 7.25% を上回るが、構造的に負けて優良でなくなった会社を自己資本より高くは評価しない)。
- カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル):数量 18.8(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.23(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 42 億ドル・営業利益 13 億ドル。販売電力量 18.8 TWh × 1 TWh あたり売上 2.2345(レートベース 約 144 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ):数量 13.9(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 2.19(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 8 億ドル。販売電力量 13.9 TWh × 1 TWh あたり売上 2.1857(レートベース 約 85 億ドルが営業利益を決める)
- ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト):数量 11.4(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.75(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 20 億ドル・営業利益 7 億ドル。販売電力量 11.4 TWh × 1 TWh あたり売上 1.7471(レートベース 約 74 億ドルが営業利益を決める)
- カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ):数量 5.4(販売電力量(TWh)= 市場 × シェア)× 価格 1.77(1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。販売電力量 5.4 TWh × 1 TWh あたり売上 1.7673(レートベース 約 32 億ドルが営業利益を決める)
倍率:構造的に負けて優良でなくなった会社として、悲観の床は今の自己資本(規制資本の裏付け)102.2 億ドルに PBR 1.0 倍を掛ける(SCHEMA §1-3。悲観で自己資本を積み上げて掛けない)。この筋書きの実現 ROE は 8.3%(純利益 13.9 億ドル ÷ 自己資本 168 億ドル)で k 7.25% をやや上回るので 1.0 倍を上限にした。PER に直すと約 7.4 倍。契約の縮小・許可 ROE の低下・投資の認可削減は筋書きの利益に入れてあり、倍率でさらに下げてはいない。純利益は GAAP。
確率:構造的に負ける筋書き(契約の縮小・許可 ROE の低下・投資の認可削減)。データセンターは 5 件の少数の顧客に偏り、1〜2 件が抜けるだけで稼働が大きく変わるので 12%(5% 未満ではない)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
カンザス・セントラル(エヴァジー・カンザス・セントラル)
カンザス州中部(ウィチタ・トピカ周辺)の発電・送配電を持つ最大の規制会社。原子力のウルフ・クリーク(共同保有)と石炭・ガス・風力を持つ。新設ガスの 50% を持つ。
| 数量販売電力量(TWh)= 市場 × シェア | 価格1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 14.5 | 1.66 | 24 | 7 |
| 10 年後 中立 | 23.0 | 2.40 | 55 | 18 |
取り方:販売電力量 約 14.5 TWh(推定)× 1 TWh あたり売上 約 1.66 億ドル。数量 = 市場(カンザス中部・ウィチタ・トピカ周辺の電力需要。伸びは電化と産業・データセンター)× シェア 100%(地域独占)、価格は規制料金(物価並みに上がらず、レートベースの返しと償却で決まる)。レートベース 約 90 億ドルは割り振りの推定(会社は管轄別を公表していない)。2025 年の料金改定(増収 1.28 億ドル、要求は 1.96 億ドル)で許可 ROE 9.7%(以前 9.4%)を送電の料金に使うことで合意、超過収益は顧客と半分ずつ。ヴァイオラ・マクニューの複合サイクル 2 基(各 約 710 MW)の 50% を持つ。競合は無い。
ミズーリ・メトロ(エヴァジー・ミズーリ・メトロ)
ミズーリ州カンザスシティ周辺の発電・送配電。データセンターの大口契約の中心の 1 つで、料金改定を申請中。
| 数量販売電力量(TWh)= 市場 × シェア | 価格1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10.5 | 1.62 | 17 | 4 |
| 10 年後 中立 | 16.9 | 2.35 | 40 | 11 |
取り方:販売電力量 約 10.5 TWh(推定)× 1 TWh あたり売上 約 1.62 億ドル。数量 = 市場(カンザスシティのミズーリ側)× シェア 100%、価格は規制料金。レートベース 約 56 億ドルは推定。2026 年 2 月に料金改定を申請(増収 約 1.4 億ドル・許可 ROE 要求 10.5%)。大口顧客が要求を 2,500 万ドル減らす意見を出し、和解協議は 9 月下旬、公聴会は 10 月、新料金は 2027 年 1 月の予定(未決)。データセンターの大口料金(LLPS)が効く。
ミズーリ・ウェスト(エヴァジー・ミズーリ・ウェスト)
ミズーリ州の西部・農村の発電・送配電(旧ミズーリ・ウェスト)。新設ガスの 50% を持ち、料金は物価を上回って上がる見込み。
| 数量販売電力量(TWh)= 市場 × シェア | 価格1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.5 | 1.29 | 11 | 3 |
| 10 年後 中立 | 13.9 | 1.88 | 26 | 9 |
取り方:販売電力量 約 8.5 TWh(推定)× 1 TWh あたり売上 約 1.29 億ドル。数量 = 市場(ミズーリ西部・農村)× シェア 100%、価格は規制料金(会社は物価を上回る料金上昇を見込む)。レートベース 約 39 億ドルは推定。ヴァイオラ・マクニューの 50% を持つ(ミズーリの委員会の承認は当時未決で、確認しきれていない)。許可 ROE は確認できず(9.5〜9.8% と置く)。
カンザス・メトロ(エヴァジー・カンザス・メトロ)
カンザス州カンザスシティ周辺(カンザス側)の送配電・発電。4 つの規制会社で最も小さい。
| 数量販売電力量(TWh)= 市場 × シェア | 価格1 TWh あたり売上(億ドル。燃料費・購入電力・送電収入の転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.5 | 1.31 | 7 | 2 |
| 10 年後 中立 | 6.7 | 1.90 | 13 | 4 |
取り方:販売電力量 約 5.5 TWh(推定)× 1 TWh あたり売上 約 1.31 億ドル。数量 = 市場(カンザスシティのカンザス側)× シェア 100%、価格は規制料金。レートベース 約 22 億ドルは推定。4 つの中で最も小さい。許可 ROE は確認できず(9.3〜9.7% と置く)。
リスクと懸念
契約の立ち上がりと顧客の偏り
契約済みの 5 件(約 2.5 GW)は最低請求 80%・担保・解約金が付くが、顧客は少数で、定常化は 2033 年ごろまでかかる。会社は 2030 年の予想に 1.3 GW しか入れておらず、立ち上がりが遅れれば先行した発電・送電の費用が一般の顧客の料金に回り、手頃さの政治を悪化させる。2026 年中の追加契約が出なければ、加速の筋書きの確度が下がる。
借金と増資に頼る資金繰り
純有利子負債 154 億ドルは時価総額の 79%、FFO/負債は約 14%(2026〜2028 年の会社の見通しは 14〜15%)。普通株 33 億ドル(年 7〜9 億ドル)と借入 84 億ドルが要り、FCF は 2025 年に −8 億ドル。10 年国債 5% の世界で借換え金利が上がり、増資のコストも上がれば、1 株の伸びはさらに薄まる。転換社債(約 11.6 億ドル・2027 年満期)の処理も絡む。
許可 ROE と料金改定の結果
カンザス・セントラルは許可 ROE 9.7%(超過収益は半分を顧客に返す)で上が限られる。ミズーリ・メトロの料金改定は要求 10.5% に対し 9.7% 前後に落ちる公算が大きく、2026 年 10 月の公聴会・2027 年 1 月の新料金で決まる。ミズーリ・ウェストは会社自身が物価を上回る料金上昇を見込み、手頃さの反発を招きやすい。
新設ガスの費用と工期
ヴァイオラ(2029 年 1 月)・マクニュー(2030 年 1 月)の複合サイクル 2 基(各 約 710 MW)は、タービンの価格・納期(2019 年比 約 3 倍・納期 5〜7 年)の影響を受ける。超過費用が認可されなければ直接の損失になる(サザンのボーグル 3・4 号機や SCANA のサマー原発放棄の前例)。ミズーリ側の持ち分の承認の確認も要る。
2028 年以降に偏る加速の計画
会社は 2026・2027 年を目標の下半分と言い、年 8% 超の伸びは 2028〜2030 年。2025 年に目標を外した前例があり、後ろ寄りの計画は時期がずれやすい。2027 年の料金改定とカンザスの新設電源の稼働(2029〜2030 年)が分かれ目になる。
需要と産業景気の弱さ
2025 年の販売電力量は +0.3% と弱く、製油所の停止・産業需要の弱さ・天候が利益を押し下げた。パナソニックの電池工場(2025 年は立ち上がりが遅れ、その後上昇)など産業の顧客の景気で需要が振れる。リーマン級の不況では商工業が 5〜8% 落ち、契約の稼働も遅れる。
今後の分かれ目
- 2026 年中に 6 件目のデータセンターの契約が成立し、拡張の一部も契約になったら
- 販売電力量の裏付けが厚くなり、楽観・やや楽観の確率を 10 年で 4 ポイント上げる。成立しなければ中立に戻す。
- ミズーリ・メトロの料金改定で許可 ROE が 9.5% を下回ったら
- 利益の伸びが 1 割下がり、やや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。10.0% を超えれば逆に楽観側へ 3 ポイント寄せる。
- 2027 年の 1 株利益の伸びが目標の下限(6%)を割ったら
- 加速の確度に疑いが出て、やや悲観の確率を 3 ポイント上げる。
- データセンターの顧客 1〜2 件が稼働を延期・縮小したら
- 解約金(最低請求の分)で補償されるが、新設電源が余る。悲観の確率を 5 ポイント上げ、ヴァイオラ・マクニューの認可の確度を見直す。
- 10 年国債の利回りが 5% を大きく超えて上がったら(6% 超)
- 借換えコストが利益を圧迫し、増資のコストが上がり、倍率が縮む。資本コストの見方を高い側(借金・値決めの目安を悪い側)に寄せる。
- ミズーリの委員会がミズーリ・ウェストの新設ガスの持ち分を認めなかったら
- カンザス側の持ち分だけになり、レートベースの伸びが 1〜2 ポイント下がる。やや悲観の確率を 3 ポイント上げる。
見ておくもの
- 2026 年第 3 四半期決算(11 月)での追加の契約・投資計画・2027 年の見通しの更新
- ミズーリ・メトロの料金改定(公聴会 2026 年 10 月・新料金 2027 年 1 月)の許可 ROE と認められる増収
- カンザス・セントラルの許可 ROE 9.7% の運用と、超過収益の精算(2025 年の計算は 2026 年 7 月に受理されたとの記事があるが未確認)
- ヴァイオラ・マクニューの建設の進み方と、ミズーリ・ウェストの持ち分の承認
- 契約済みの 5 件の稼働の進み方(販売電力量の前年比 3〜4%・2027 年に約 7%)
- 普通株の売り出し額(年 7〜9 億ドル)・ハイブリッド債・FFO/負債(14% 台を保つか)
- 10 年国債 5% の維持と、住宅料金の前年比(5% 超が続くか)
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP 19.8 倍)を見る前に、販売電力量を数量、1 TWh あたり売上を価格として 4 つの規制会社を積み、利益はレートベース × 自己資本比率 約 48% × 実現 ROE で決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE − k)(moat 普通・残る割合 1/2)で上限を出し、その 7〜10 割に置いた。k は基本 8.0% に quality −0.75% を足した 7.25%(同じ領域のアメレン 7.0%・DTE 7.5% と同程度)。10 年の中立は ROE 9.3%・g 3.7%・RONIC 8.3% で正当化 PER 15.6 倍、これに対し 13.8 倍(0.88 倍)。10 年の楽観は正当化 PER 16.0 倍に対し 15.2 倍(0.95 倍)、やや悲観は 15.3 倍に対し 13.0 倍(0.85 倍)に置いた。成長は ROE から出さず、レートベースの伸びと販売電力量・価格から出している。結果は総合で今の時価総額に対し -19%(やや割高)で、今の株価に寄せて逆算していない。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 5% + β 0.93 × 5%。基本 8.0% + coc.quality -0.75% = 7.25%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 7.25%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。契約の確度・許可 ROE の水準・新設ガスの費用超過という個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と確率(悲観を 10〜12%)で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 7.25% では g 3.75% が上限。
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- Evergy 第 4 四半期 2025 決算説明のまとめ(Yahoo Finance:レートベース 年 11.5%・資金計画・LLPS 料金)
- Evergy 2026 年 3・6 月期 Form 10-Q(SEC:大口契約の残存履行義務)
- カンザス州公益事業委員会:Evergy Kansas Central の料金改定(2025 年 9 月・許可 ROE 9.7%)
- Power Magazine:カンザス委員会がヴァイオラ・マクニューの複合サイクル 2 基を承認(2025 年 7 月)
- Evergy の時価総額(public.com、2026-07-29)