株譜
AI 銘柄分析 · 公益事業 · 試作

アメレン AEE

ミズーリとイリノイの規制電力・ガスで、収益基盤の年 10.6% の伸びを借金と増資で賄う。大口のデータセンター契約 2.8 GW の確度と財務の薄さを確率に織り込み、本質価値は計算で判断する

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)85.63 ドル233 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)108.9 ドル297 億ドル差 −21.4%
10 年後から見ると やや割高 価値 85.63 ドル233 億ドル · 差 −21.4% · 期待の年率 +3.9%
期待の年率リターン(10 年)+3.9%資本コスト比 −3.1 pt
推定の資本コスト7.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アメレン(AEE)は、ミズーリ州とイリノイ州で電気(約 250 万件)と都市ガス(約 90 万件)を売る規制公益の持株会社。2025 年の売上は約 88 億ドル、GAAP 純利益は約 14.6 億ドル(税の一時の戻りを含み、調整後は約 13.4 億ドルと推定)。会社は 2026〜2030 年に 318 億ドルを投じ、収益基盤を年 約 10.6%(2025 年末 288 億ドル → 2030 年 477 億ドル)で伸ばし、1 株利益を年 6〜8%(上限寄り)で伸ばす計画を持つ。

ミズーリでは、グーグルとアマゾンの 2 つのデータセンター(計 250 億ドルの投資、建設は 2026 年第 2 四半期に開始)を含め、署名済みの電力供給契約が 2.8 GW、建設合意が 0.6 GW、接続調査済みの案件が 5 GW ある。署名済みの分は 2027 年下期に販売が始まり、2029 年末にミズーリの販売電力量が 2025 年比 +60% になる設計だが、会社の現行計画は 1.2 GW しか織り込んでおらず、2026 年 11 月の第 3 四半期決算で見通しを引き上げる予定である。大口料金は 12 年・最低需要 80%・担保 2 年分と堅い。

バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality -1.00% を足した 7.00%(公益の規制事業で需要と値決めは安定、借金は重い)。倍率は利益ベースの正当化 PER(moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 16.5 倍(g 3.5%・RONIC 8.3%)の 8.3 割の 13.7 倍。今の GAAP の PER 19.8 倍は、この水準を上回る。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 19% 下で、結論は「やや割高」である。弱みは、純有利子負債 198 億ドル・FCF −8 億ドル・自己資本比率 28% の財務、イリノイ電力配電の許可 ROE 8.72% とミズーリの許可 ROE の水準、大口契約の確度とガス新設の費用超過である。事業の質は高いが借金と増資で成長を買う構造なので、悲観は厚めに置き、筋書きを重ねた価値と今の時価総額の差は計算に任せる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。ミズーリとイリノイの地域独占の電気とガス、原子力(カラウェイ)・送電網は、電化とデータセンターで需要が増える今後 10 年も確実に残り、堀は広がる側にある。ミズーリでは、署名済みの契約が建設に入っており、堀が量の面でも厚くなっている。ただし堀の大部分は州の委員会の手にあり、価格を決める力は無い。イリノイの 8.72% とミズーリの 9.7% 前後の許可 ROE がその現れである。

次にオーナー利益を見る。2025 年の調整後純利益 約 13.4 億ドルのうち配当は約 7.7 億ドルだが、FCF は −8 億ドルで、不足は借金と増資で埋めている。経営者が自由に取り出せる利益は小さく、収益基盤の年 約 10% の伸びの先にしか株主の価値の増加はない。10 年の中立では増資の払い込み(約 61 億ドルの累計に当たる額)を引いた正味の還元は約 60 億ドルで、純利益の合計(約 215 億ドル)の 3 割弱にとどまる。

資本配分は規制の枠の中でよいが、318 億ドル、さらに 10 年で 710 億ドル超の投資の大きさが、工期・費用・認可の失敗を抱え込む。サザンのボーグル 3・4 号機(当初見込みの 2 倍超)や SCANA のサマー原発の放棄が前例である。安全域は、資本コストを 7.00%(基本 8.0% + quality -1.00%)と置き、悲観の確率を 10 年 12% と厚くして確保した。確信度は送電・規制電力の部分では高いが、大口契約の確度(2.8 GW が全部予定どおり稼働するか)・ガス新設の費用・手頃さの政治では低い。安全域では、利益ベースの正当化 PER 16.5 倍(g 3.5%・RONIC 8.3%・k 7.00%・moat=normal)に対して、10 年の中立を 13.7 倍に置いた。今の PER 19.8 倍はこれより高く、安全域はない。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 19% 下で、結論は「やや割高」である。

何で稼ぐ会社か

事業は規制公益で、4 つの規制の枠組みに分かれる(収益基盤は会社の資料、売上と営業利益は推定)。ミズーリ(アメレン・ミズーリ、MoPSC 規制)は電力約 130 万件・ガス約 10 万件、発電容量 約 9.7 GW を持つ最大の部門で、収益基盤は 153 億ドル(2025 年末)。イリノイ電力配電(約 120 万件、ICC 規制)は 45 億ドル、イリノイ都市ガス(約 80 万件)は 30 億ドル、送電(アメレン・イリノイとアトキシ、FERC 規制)は平均 60 億ドル。燃料費・購入電力費は料金に転嫁するので、売上の増減と利益の増減は別物で、利益は「収益基盤 × 自己資本比率 × 許可 ROE」で決まる。

計画の中心はミズーリで、2026〜2030 年の 318 億ドルのうち 213 億ドル(67%)が入り、収益基盤は 153 億ドルから 290 億ドル(年 13.6%)に増える。新設の電源は 2026 年 IRP(9 月に提出)で、ガス 1.9 GW(2027〜30 年)と 4.9 GW(2031〜35 年)、蓄電池 2.4 GW、太陽光 1.3 GW、燃料電池 0.5 GW、原子力 1.2 GW(2040 年)。西アルトンの複合サイクル 2.1 GW(2031 年第 4 四半期)が最大の案件で、既存のカラウェイ原発(1.2 GW)は免許を 2044 年より先へ延ばす申請を予定する。送電は MISO の長距離送電計画で 13 億ドルの割当と約 7 億ドルの競争受注があり、2032〜2034 年に稼働する。

大口需要は、ミズーリで 2.8 GW の契約が署名済み、建設合意(契約なし)0.6 GW、接続調査済み 5 GW。大口料金は 75 MW 超が対象で基本料金は 1 kWh あたり約 6.2 セント(会社の推定)。仮に 2.8 GW が 8 割強の負荷率で動けば年 約 21 TWh、売上で 約 13 億ドル(2025 年のミズーリの売上の 3 割弱)に相当する(推定。燃料費の転嫁を含む)。2025 年のミズーリ電力は料金改定(2025 年 6 月)と販売電力量の増加で利益が伸び、2026 年は投資の追跡料金(PISA)と建設中の資産の収益が最大の増益要因になる見通し(会社の資料)。

優良さと弱いところ

堀は 3 層ある。第 1 は地域独占で、競合は無い。第 2 は規制の枠組みの質で、ミズーリには投資が出来上がる前から料金に反映される PISA(2035 年まで。2040 年までの延長は要承認)と燃料費調整条項があり、送電は FERC の公式料金(許可 ROE 10.48%・毎年 1 月に改定、実績との差は後で精算)で、規制のラグが小さい。第 3 は料金の水準で、ミズーリの住宅料金は全米平均より約 25% 低く、イリノイも約 5% 低いので、手頃さの政治に対して余裕がある。ここが、住宅料金の上がりが大きい東海岸の会社との違い。

弱みは 3 つ。第 1 にイリノイ電力配電の許可 ROE が 8.72%(多年度計画は 2027 年まで)と全社で最も低く、イリノイ商業委員会(ICC)は 2028〜2031 年のグリッド計画で、申請した投資 27 億ドルから 1.4〜3.1 億ドルの削減をスタッフが求めている。第 2 に、ミズーリの許可 ROE は和解のため非公表で、2024 年の見直しではスタッフの中点が 9.74% と、サザンやデュークと同じ 9.7〜9.9% の水準。今回の申請(増収 3.43 億ドル・収益基盤 167 億ドル・ROE 要求 10.25%・自己資本比率 52%)は 2027 年 5 月に決まる。第 3 に財務で、純有利子負債は時価総額の 68%、自己資本比率は 28%(総資産ベース)、FCF は 2025 年に −8 億ドル、格付けは持株会社 BBB+・Baa1。

資本効率は、GAAP の自己資本 ROE 10.9%(2025 年。税の一時の戻りを除くと約 10%)と、許可 ROE の平均(約 9.7%)をやや上回る。送電(許可 ROE 10.48%・自己資本比率 約 56%)が押し上げている。経営の過去の傷は、ラッシュ島の石炭火力に関する大気浄化法の和解(2024 年に追加の緩和費用を計上)と、MISO の許可 ROE の FERC 命令による返金(2024 年第 3 四半期)。いずれも調整後の利益から除かれた一時の費用だが、環境規制の対応の遅れが株主の資本を削った前例である。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国の電力需要は 2025 年に過去最高の約 4,195 TWh、EIA は 2026〜2027 年に年 +1.9% と見る(業界ノート)。伸びの中心は商業用(データセンター)で、発表済みの大口プロジェクトは約 55 GW・約 8,900 億ドル。ただし引き合いは確約ではなく、テキサスの系統運用者 ERCOT は 2030 年の見通しを 208 GW から 138 GW へ切り下げた。アメレンの強みは、すでに契約が署名され建設が始まっていること(2.8 GW)。大口料金に最低需要 80%・担保 2 年分・退出の通知 2 年・最低請求の最長 5 年分の退出料が付き、契約の質は引き合いの段階の他社より高い。

競争の形は州の委員会との交渉と、データセンターの誘致競争である。隣接する州の電力会社(カンザス・ミズーリを持つエヴァジー、南のエンタージ、南部のサザン)と誘致を競い、アメレンの優位は、電力料金が全米平均より低いこと・MISO 域内で土地と送電に余裕があること・大口料金が 2025 年 11 月に承認済みで手続きが読めること。逆に、新設電源(ガス 1.9 GW・蓄電池・太陽光)が間に合わなければ、契約が遅れる。ガスタービンの価格は 2019 年比で約 3 倍・納期 5〜7 年と高く、アメレンはすでに 800 MW の単純サイクルガス 2 基(2027 年第 4 四半期・2028 年第 3 四半期)を自社建設で確保した点が先行している。

手頃さの政治は業界全体の分かれ目で、住宅料金は 2026 年に全米で約 +5%。ミズーリは SB 4(大口顧客が電力と設備の費用を 100% 負担する)で、データセンターが一般の顧客の料金を押し上げない設計を法律に入れた。M&A は、ネクステラ・エナジー(NEE)によるドミニオンの買収合意など再編が動くが、アメレンは買い手でも売り手でもなく、時価総額(約 288 億ドル)と借金の大きさから大型の再編に加わる可能性は低い。

資本政策と M&A

資本政策の中心は、配当と、借金・先渡しの株式売却・ハイブリッド債による資金調達である。配当は純利益の 5〜6 割(目標は 50〜60%、2026 年は 56%)で、2026 年 2 月に 5.6% 増やし 13 年連続の増配、将来の増配は 1 株利益の伸びに合わせる方針。2026〜2030 年の株式による調達は約 40 億ドル(2027〜2028 年が平均より多い。一部はハイブリッド債で代替)で、2026 年 9 月に 9 億ドルの劣後債(利率 6.45%)を出した。先渡しの株式売却は 2025 年分で約 640 万株が 2026 年末に決済され、2026 年分は約 1,100 万株が今後の必要分に当てられる。

借金は固定金利のみで、2026〜2030 年の満期は年 9〜12 億ドル、このうち 1.95%・1.75% など低い金利の社債が多く、借換えで利払いが上がる。直近の発行は 4.80〜5.75%(担保付き社債)・持株会社の無担保 5.00%。brief.py の推定では 10 年後に 3 億ドル増える。会社の 2026 年の見通しにすでに利払いの増加が入っているため、純利益は会社の目標の経路に沿って置いた。

M&A の歴史では、買収で大きくなる会社ではなく、自社の収益基盤を投資で増やす会社である。資本配分で評価できる点は、投資を許可 ROE が上回る州(送電)と PISA で収益が先に付く州に優先して置いていること、悪い点は、石炭火力の環境規制の対応の遅れで追加の緩和費用を払ったこと。西アルトンのような 2.1 GW の複合サイクルは、費用の超過が認可されなければ直接の損失になる。会社全体の時価総額で書くので、増資は払い込みを還元から引いて織り込んだ。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

計画の確度が高い。会社は収益基盤の年 10.6% と 1 株利益の年 6〜8%(上限寄り)を維持したまま、署名済みの契約を計画に入れていない。計画は大口の需要を 1.2 GW しか織り込んでいないのに、署名済みは 2.8 GW、建設合意が 0.6 GW、接続調査済みが 5 GW。2026 年 IRP は負荷を 2030 年に 2.9 GW・2035 年に 5 GW、高負荷では 3.9 GW・6 GW と置いており、2026 年 11 月の第 3 四半期決算で投資と利益の見通しは上がる側に動く。

大口料金は 12 年・最低需要 80%・担保 2 年分と堅く、顧客はグーグルとアマゾンで信用が高い。ミズーリの住宅料金は全米平均より約 25% 低く、手頃さの政治に余裕がある。PISA(2035 年まで)と燃料費調整条項で投資が先に料金に乗り、送電は許可 ROE 10.48% で毎年改定される。新設電源は、800 MW の単純サイクルガス 2 基を自社建設で確保済み、蓄電池・太陽光の認可も進み、タービンの調達で競合に先行している。

資本コスト 7% 台の規制電力で、収益基盤が年 10% 前後伸びて ROE が 10% 前後なら、倍率は正当化 PER の上限(16〜17 倍台)近くまで成り立つ。今の GAAP の PER 19.8 倍は、投資の伸びを考えれば割高ではない。

慎重な見方

借金と増資で成長を買っている会社である。純有利子負債は 198 億ドルで時価総額の 68%、自己資本比率は 28%、FCF は 2025 年に −8 億ドル。5 年で 318 億ドルを投じ、不足は借金と約 40 億ドルの増資で埋めるため、借換えの金利が 5.75% 前後に上がり、既存の株主の持ち分は薄まり続ける。リーマンの谷での株価は配当込みで −54% と、電力・複合で最大級に下がった財務の薄さがある。

許可 ROE は政治に削られる。イリノイ電力配電は 8.72% と全社で最も低く、ICC のスタッフは 2028〜2031 年の投資 27 億ドルから 1.4〜3.1 億ドルの削減を求める。ミズーリの今回の申請(ROE 要求 10.25%)は 2024 年のスタッフ中点 9.74% に落ち着く公算が大きく、住宅料金が全米で 2026 年に約 +5% 上がる中、手頃さの反発が続けば 9% 前後まで下がる。O&M は前年比 +13% と増えており、費用を料金に乗せきれない。

大口契約の確度は、署名済み 2.8 GW で守られているが、契約は 2027 年下期の開始で、立ち上がりは 2029 年末までかかり、顧客がグーグルとアマゾンの 2 社に偏る。新設電源の費用の超過は、サザンのボーグル 3・4 号機(当初の 2 倍超)や SCANA のサマー原発放棄のように、認可されなければ直接の損失になる。西アルトン 2.1 GW の複合サイクルは 2031 年末の稼働予定で、タービン価格・納期の悪化の直撃を受ける。今の PER 19.8 倍は、利益ベースの正当化 PER(16〜17 倍)より高く、金利 5% の世界では高すぎる。

どちらに重みを置いたか

規制事業の質と、署名済みの大口契約が計画に入っていない上振れの余地は強気の見方が上回るが、財務の薄さ・許可 ROE の水準・新設電源の費用超過は慎重な見方が突いている。倍率は正当化 PER の 7〜10 割に置いた(10 年の中立 13.7 倍=正当化 PER 16.5 倍の 8.3 割)。今の PER を見て寄せていない。確率は中立に寄せ、楽観・やや楽観の合計を 10 年 31%、やや悲観・悲観の合計を 10 年 32% とした。署名済みの契約があり、ミズーリの料金の余裕が大きいので XEL(山火事)より悲観を薄くしたが、リーマンの谷が −54% と深かった財務の薄さと、イリノイの低い許可 ROE の分は悲観を 10 年で 12% と厚めに置いた。確率で重ねた総合は今の時価総額の約 19% 下で、結論は「やや割高」である。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 138.66 ドル377 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 21.23 ドル58 億ドル)。 今の値に割り戻すと 85.63 ドル233 億ドル、今との差 −21.4%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 7.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 8% 214.88 ドル585 億ドル 9.55 ドル26 億ドル +106.0% +7.5% 17.95 ドル49 億ドル
やや楽観 23% 178.58 ドル486 億ドル 16.53 ドル45 億ドル +79.1% +6.0% 44.88 ドル122 億ドル
中立 37% 140.23 ドル382 億ドル 22.04 ドル60 億ドル +49.0% +4.1% 60.04 ドル163 億ドル
やや悲観 20% 113.04 ドル308 億ドル 26.45 ドル72 億ドル +28.0% +2.5% 27.90 ドル76 億ドル
悲観 12% 49.23 ドル134 億ドル 26.82 ドル73 億ドル −30.2% −3.5% 9.13 ドル25 億ドル
加重平均100% 138.66 ドル377 億ドル21.23 ドル58 億ドル +46.8% +3.9% 159.89 ドル435 億ドル

今の株価時価総額 108.94 ドル297 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。

楽観 8% 楽観:データセンターと電化で、収益基盤が年 10% で伸び続ける 利益 37 億ドル · PER 16.0 倍 · 株価時価総額 214.88 ドル585 億ドル

2035 年末、ミズーリの大口契約は署名済みの 2.8 GW に加え、建設合意の 0.6 GW と接続調査済み 5 GW のかなりが稼働し、IRP の高負荷(2035 年 6 GW)に届く。収益基盤は約 776 億ドル(10 年で年 10.4%。2030 年まで年 13%)。ミズーリの許可 ROE は 9.9〜10%、PISA は 2040 年まで延長、送電は LRTP(2032〜2034 年稼働)で年 10% 伸びる。純利益は約 36.6 億ドル(2025 年の調整後の約 2.7 倍)。増資は 10 年で約 115 億ドルと巨額だが、配当は約 141 億ドルで、正味の還元は約 26 億ドル。西アルトンを含むガス 6.8 GW の費用が認可される。倍率は 正当化 PER 16.8 倍に対して 16.0 倍(9.5 割)に置いた(規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割)。

  • ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス):数量 516(収益基盤(億ドル))× 価格 0.19(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 99 億ドル・営業利益 35 億ドル。収益基盤 516 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1925
  • イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ):数量 79.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.39(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 31 億ドル・営業利益 8 億ドル。収益基盤 79 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3928
  • イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ):数量 46.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 3 億ドル。収益基盤 46 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2979
  • 送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制):数量 136(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 22 億ドル・営業利益 10 億ドル。収益基盤 136 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1587

倍率:正当化 PER 16.8 倍(g 3.5%・RONIC 8.5%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.0%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 16.0 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(ミズーリの大口負荷・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× kWh あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 3.5%)。純利益は GAAP の考え方。

確率:署名済みの 2.8 GW が全部稼働したうえ接続調査済みの案件が契約に進み、許可 ROE も保たれる。10 年でも重なる確率は 1 割未満の 8%。

やや楽観 23% やや楽観:投資計画がほぼ予定どおり進み、収益基盤は年 9% 利益 32 億ドル · PER 15.1 倍 · 株価時価総額 178.58 ドル486 億ドル

2035 年末、収益基盤は約 696 億ドル(10 年で年 9.2%。2030 年は会社計画の 477 億ドル近く)。署名済みの 2.8 GW が全部稼働し、IRP の 2035 年 5 GW に近づく。ミズーリの許可 ROE は 9.75〜9.9%、PISA は 2040 年まで延長され、イリノイは 9% 台を保つ。純利益は約 32.3 億ドル(調整後の約 2.4 倍)、実現 ROE は 10.2%。増資は約 88 億ドル、配当は約 133 億ドル、正味の還元は約 45 億ドル。倍率は 正当化 PER 16.7 倍に対して 15.1 倍(9 割)に置いた(許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割)。

  • ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス):数量 452(収益基盤(億ドル))× 価格 0.20(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 90 億ドル・営業利益 30 億ドル。収益基盤 452 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2002
  • イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ):数量 75.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.41(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 8 億ドル。収益基盤 75 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4058
  • イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ):数量 45.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。収益基盤 45 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2986
  • 送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制):数量 124(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 20 億ドル・営業利益 9 億ドル。収益基盤 124 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1586

倍率:正当化 PER 16.7 倍(g 3.5%・RONIC 8.4%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.9%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 15.1 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(ミズーリの大口負荷・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× kWh あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 3.5%)。純利益は GAAP の考え方。

確率:計画どおりに認可され、西アルトンなどの新設電源が稼働し、PISA が 2040 年まで延長される筋書き。強気の見方が通る確率として 23%。

中立 37% 中立:収益基盤は年 8%、許可 ROE はおおむね維持 利益 28 億ドル · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 140.23 ドル382 億ドル

2035 年末、収益基盤は約 615 億ドル(10 年で年 7.9%。2030 年は約 462 億ドルで会社計画 477 億ドルの 3% 下、その後は年 6〜7%)。署名済みの 2.8 GW は稼働するが、接続調査済みの 5 GW は半分ほどにとどまり、西アルトンの複合サイクルは費用が上がるが認可される。ミズーリの許可 ROE は 9.7〜9.9%、PISA は延長され、イリノイは 9% 前後。実現 ROE は 9.9%、純利益は約 27.8 億ドル(調整後の約 2.1 倍)。増資は 10 年で約 61 億ドル、配当は約 121 億ドルで、正味の還元は約 60 億ドル。倍率は 正当化 PER 16.5 倍に対して 13.7 倍(8.3 割)に置いた(規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.3 割)。

  • ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス):数量 379(収益基盤(億ドル))× 価格 0.22(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 82 億ドル・営業利益 25 億ドル。収益基盤 379 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2174
  • イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ):数量 71.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.42(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 7 億ドル。収益基盤 71 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4164
  • イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ):数量 44.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。収益基盤 44 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2996
  • 送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制):数量 121(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 19 億ドル・営業利益 9 億ドル。収益基盤 121 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1551

倍率:正当化 PER 16.5 倍(g 3.5%・RONIC 8.3%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.6%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.7 倍(8.3 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.3 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(ミズーリの大口負荷・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× kWh あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 3.5%)。純利益は GAAP の考え方。

確率:最も起きやすい筋書き。計画の遅れと手頃さの政治で 2030 年までは年 10% 弱、その後は年 6〜7%。許可 ROE は電力で 9.7〜9.9%。

やや悲観 20% やや悲観:許可 ROE が 9.3% 前後に下がり、大口の稼働が計画の半分にとどまる 利益 24 億ドル · PER 13.0 倍 · 株価時価総額 113.04 ドル308 億ドル

2035 年末、収益基盤は約 541 億ドル(10 年で年 6.5%)。ミズーリとイリノイの許可 ROE が 9.3% 前後へ下がり、PISA の延長は見送られて 2035 年で終わる。大口契約は署名済みの 2.8 GW にとどまり、風力が見つからず、ガスの増設も縮む。実現 ROE は 9.5%、純利益は約 23.6 億ドル(調整後の約 1.8 倍)。増資は約 39 億ドル、配当は約 111 億ドル、正味の還元は約 72 億ドル。倍率は 正当化 PER 16.3 倍に対して 13.0 倍(8 割)に置いた(許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8 割)。

  • ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス):数量 322(収益基盤(億ドル))× 価格 0.23(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 74 億ドル・営業利益 20 億ドル。収益基盤 322 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2283
  • イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ):数量 67.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.42(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 28 億ドル・営業利益 7 億ドル。収益基盤 67 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4244
  • イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ):数量 42.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。収益基盤 42 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.3018
  • 送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制):数量 110(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 17 億ドル・営業利益 8 億ドル。収益基盤 110 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1553

倍率:正当化 PER 16.3 倍(g 3.5%・RONIC 8.1%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.3%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.0 倍(8 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8 割。g の内訳:販売電力量の実質 +1.5〜2%(ミズーリの大口負荷・電化)× シェア 変わらず(地域独占)× kWh あたり収益 +2.3〜2.5%(物価 3.5% を下回る。手頃さの政治)で、名目の長期 g は 3.9〜4.5%(式の上限は 3.5%)。純利益は GAAP の考え方。

確率:許可 ROE が引き下げられ、PISA の延長が見送られ、大口契約は署名済みの 2.8 GW にとどまる。慎重な見方が通る確率として 20%。

悲観 12% 悲観:構造的に負け、ミズーリの規制が悪化して優良な規制電力ではなくなる 利益 19 億ドル · PBR 1.0 倍 · 株価時価総額 49.23 ドル134 億ドル

2035 年末、データセンターの 1 社が計画を縮小し(退出は 2 年前の通知と最低請求の最長 5 年分の支払いが条件のため補償は受けるが、発電所が余る)、西アルトンなど新設ガスの費用超過が認可されず、PISA が失効し、手頃さの政治でミズーリの許可 ROE は 8.5〜9.0%。サザンのボーグル 3・4 号機や SCANA のサマー原発放棄のような超過・放棄の前例が当てはまる。実現 ROE は 8.3%、収益基盤は約 491 億ドル(10 年で年 5.5%)、純利益は約 18.8 億ドル(調整後の約 1.4 倍)にとどまる。増資は約 31 億ドル、配当は約 104 億ドルで正味の還元は約 73 億ドル。倒産には至らず、規制資本の裏付けが床になり、自己資本の PBR 1.0 倍で測る。

  • ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス):数量 286(収益基盤(億ドル))× 価格 0.23(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 67 億ドル・営業利益 16 億ドル。収益基盤 286 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2335
  • イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ):数量 63.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.43(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 27 億ドル・営業利益 6 億ドル。収益基盤 63 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.4257
  • イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ):数量 41.0(収益基盤(億ドル))× 価格 0.30(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。収益基盤 41 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.2973
  • 送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制):数量 100(収益基盤(億ドル))× 価格 0.16(収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 16 億ドル・営業利益 6 億ドル。収益基盤 100 億ドル × 収益基盤あたりの売上 0.1553

倍率:帳簿の ROE 8.3%・g 3.5% の式なら PBR = (8.3−3.5)÷(7.00−3.5)=約 1.4 倍(のれんは自己資本の 3%)だが、構造的に負けた後は規制資本の裏付けを床にして、今の自己資本 134 億ドルの PBR 1.0 倍で測る。純利益 18.8 億ドルの PER にすると約 7.1 倍で、この筋書きの稼ぐ力(純利益÷k =約 14.3 倍)より低い。悲観の確率 12% と利益の落ち込みで表したので、床をさらに下げてはいない。

確率:大口契約の撤退・西アルトンの費用超過の認可拒否・PISA の失効が重なり、もう優良ではなくなっている確率を 12% と置いた。財務が薄く(負債は資本の約 6 割)損失の吸収余地が小さいため。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

ミズーリ(アメレン・ミズーリ:電力・ガス)

ミズーリ州で発電(約 9.7 GW。原子力カラウェイ 1.2 GW・石炭・ガス・太陽光・水力)から送配電・都市ガスまで持つ最大の子会社。グーグル・アマゾンの大口契約と電源の新設投資の中心。

数量収益基盤(億ドル)価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 153 0.30 46 10
10 年後 中立 379 0.22 82 25

取り方:収益基盤 約 153 億ドル(会社の資料。2025 年末)。売上 約 46 億ドル・営業利益 約 10 億ドルは推定(会社は子会社別の売上を資料で確認していない。全社 88 億ドル・営業利益 20.3 億ドルから割り振った)。許可 ROE は和解のため非公表(スタッフの中点 9.74%・自己資本 約 52%)。PISA(投資の追跡料金)が 2035 年まで使え、燃料費調整条項もある。競合は無く、価格は州の委員会(MoPSC)が決める。

イリノイ電力配電(アメレン・イリノイ)

イリノイ州の電力配電(約 120 万件)。多年度料金計画(2024〜2027 年、許可 ROE 8.72%)で投資を回収する。

数量収益基盤(億ドル)価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 45.0 0.49 22 5
10 年後 中立 71.0 0.42 30 7

取り方:収益基盤 約 45 億ドル(会社の資料)。売上 約 22 億ドル(電力の調達費の転嫁を含む推定)・営業利益 約 4.6 億ドル(推定)。許可 ROE 8.72% は全社で最も低く、多年度計画は 2027 年で終わり、2028〜2031 年の「グリッド計画」(投資 27 億ドルの申請)と 2027 年第 1 四半期の料金申請で決まり直す。競合は無い。

イリノイ都市ガス(アメレン・イリノイ)

イリノイ州の都市ガス配給(約 80 万件)。将来の試験年度方式で許可 ROE 9.60%。成長は穏やか。

数量収益基盤(億ドル)価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 30.0 0.33 10 2
10 年後 中立 44.0 0.30 13 3

取り方:収益基盤 約 30 億ドル(会社の資料)。売上 約 10 億ドル・営業利益 約 2.1 億ドル(推定)。許可 ROE 9.60%・自己資本 50%。競合は無い。

送電(アメレン・トランスミッション:FERC 規制)

アメレン・イリノイとアトキシ(ATXI)の送電。FERC の公式料金で毎年見直し、許可 ROE 10.48%(MISO 参加の上乗せ込み)・自己資本比率 約 56%。MISO の長距離送電計画(LRTP)で伸びる。

数量収益基盤(億ドル)価格収益基盤あたりの売上(燃料費・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 60.0 0.17 10 4
10 年後 中立 121 0.16 19 9

取り方:平均収益基盤 約 60 億ドル(会社の資料)。売上 約 10 億ドル・営業利益 約 4.3 億ドル(推定)。許可 ROE 10.48%・自己資本比率 約 56% で毎年 1 月に前向きの計算で改定、実績との差は後で精算。MISO の LRTP(2032〜2034 年に稼働)で 13 億ドルが割り当てられ、競争入札で約 7 億ドルを獲得した。

リスクと懸念

大口契約の確度と顧客の偏り

署名済みの 2.8 GW は最低需要 80%・担保 2 年分・退出の通知 2 年・最低請求の最長 5 年分の退出料が付くが、顧客はグーグルとアマゾンの 2 社に偏り、販売は 2027 年下期から 2029 年末までに立ち上がる。計画は 1.2 GW しか織り込んでおらず、見通しの更新は 2026 年 11 月の決算で出る。契約が縮めば、先行した発電・送電の投資が一般の顧客の料金に回り、手頃さの政治を悪化させる。

許可 ROE の水準とイリノイ

イリノイ電力配電の許可 ROE は 8.72%(多年度計画は 2027 年まで)で、2028〜2031 年のグリッド計画(投資 27 億ドルの申請)をスタッフが 1.4〜3.1 億ドル削るよう求めている。ミズーリの申請(ROE 要求 10.25%)は 2027 年 5 月に決まり、スタッフの中点 9.74% に近づけば要求との差は削られる。住宅料金の上がり(全米で約 +5%)が続けば 9% 前後まで下がり、投資の認可も削られる。

借金と増資に頼る資金繰り

純有利子負債 198 億ドルで時価総額の 68%、自己資本比率 28%、FCF は 2025 年に −8 億ドル。2026〜2030 年に約 40 億ドルの株式による調達(一部はハイブリッド債)が要り、2027〜2028 年が重い。借換えで金利が上がり(直近の発行は 4.8〜6.45%)、brief の推定で利払いは 10 年後に 3 億ドル増える。リーマンの谷では配当込みで −54%。

新設電源の費用超過

計画は西アルトン 2.1 GW の複合サイクル(2031 年第 4 四半期)・単純サイクル 800 MW 2 基・蓄電池・太陽光・燃料電池で 5 年で 318 億ドル規模。ガスタービンは 2019 年比で価格が約 3 倍・納期 5〜7 年。超過費用が認可されなければ直接の損失になる(サザンのボーグル 3・4 号機、SCANA のサマー原発放棄の前例)。

PISA の期限と手頃さの政治

投資が先に料金に乗る PISA は 2035 年までで、2040 年までの延長には MoPSC の承認が要る。10 年の悲観・やや悲観では、延長が見送られ、規制のラグが大きくなる。住宅料金の上がりが続けば、SB 4 の枠組みや大口料金の見直しが政治の標的になりうる。

環境規制・天候・費用の増加

ラッシュ島の石炭火力の大気浄化法の和解(2024 年に追加の緩和費用を計上)、2025 年春の竜巻・暴風の復旧、O&M の前年比 +13%(樹木伐採・発電所の保守)が前例。石炭の退出(シオー 2035 年・ラバディ 2042 年)と原子力の免許延長(カラウェイ 2044 年超)は規制と手続きに左右される。

今後の分かれ目

2026 年 11 月の第 3 四半期決算で、署名済みの 2.8 GW を反映して投資と利益の見通しが引き上げられたら
収益基盤の伸びが年 11% 超で保たれ、楽観・やや楽観の確率を 10 年で 5 ポイント上げる。逆に 1.2 GW の前提のままで据え置かれたら、確率を中立に戻す。
ミズーリの料金見直し(2027 年 5 月決定)で許可 ROE が 9.5% を下回ったら
利益の伸びが 1 割下がり、やや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。10.0% を超えれば逆に楽観側へ 3 ポイント寄せる。
ICC がグリッド計画の投資を 3 億ドル超削り、イリノイの許可 ROE が 9% を下回ったら
イリノイ配電・ガスの収益基盤の伸びを 1 割下げ、やや悲観の確率を 3 ポイント上げる。
データセンターの 1 社が計画を縮小・延期したら
退出料(最低請求の最長 5 年分)で補償を受けるが、発電所が余る。悲観の確率を 5 ポイント上げ、西アルトンなど新設電源の認可の確度を見直す。
10 年国債の利回りが 5% を大きく超えて上がったら(6% 超)
借換えコストが利益を圧迫し、増資のコストが上がり、倍率が縮む。資本コストの見方を高い側(借金・値決めの目安を悪い側)に寄せる。
PISA の 2040 年までの延長が承認されたら
規制のラグが小さいまま 10 年の投資が続き、10 年のやや悲観・悲観の確率を各 2 ポイント下げる。

見ておくもの

  • 2026 年第 3 四半期決算(11 月 6 日)での投資・売上・利益の見通しの更新と、2026 年 IRP の認可の見通し
  • ミズーリの料金見直し(ER-2026-0291):許可 ROE・自己資本比率・認められる収益基盤(2027 年 5 月)
  • ICC のグリッド計画(2028〜2031 年)の決定(2026 年 12 月)と、2027 年第 1 四半期の料金申請
  • 署名済みの大口契約の進み方(2027 年下期の販売開始・建設合意 0.6 GW の契約化)
  • 西アルトンの認可と、ガスタービン・変圧器の価格と納期
  • 増資・ハイブリッド債の額と、借換えの金利
  • 10 年国債 5% の維持と、住宅料金の前年比(5% 超が続くか)

倍率と資本コストの決め方

今の PER 19.8 倍を見る前に、数量と価格でセグメントを積み、純利益と自己資本を決め、倍率は利益ベースの正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g)(RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k)、moat=normal)の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は正当化 PER 16.5 倍(g 3.5%・RONIC 8.3%)の 8.3 割の 13.7 倍。借金と増資で成長を買う構造なので ROE が k を超える幅は小さい。今の値段に寄せていない。結論は、総合で今の時価総額の約 19% 下の「やや割高」。

資本コスト 7.0% = 無リスク金利 5% + β 0.81 × 5%。基本 8.0% + coc.quality -1.00% = 7.00%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 7.00%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。許可 ROE の水準・大口契約の確度・新設電源の費用超過という個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と確率(悲観を 9〜12%)で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 7.00% では g 3.50% が上限。

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割安 NRG エナジーNRG 電力の卸売・小売とスマートホームを持つ借金の重い独立系。収益力は本物だが、価格は市場と政治が決め、借金が筋書きの振れを増幅する 本質価値との差 +36.5% · 10 年 割安(年 +10.6%) 割安 PG&E CorporationPCG 山火事の責任制度が決まらず格付けも上がらない、収益基盤が年約 9% 伸びる規制電力。値打ちは、責任の上限が会社の外に出るかで決まる 本質価値との差 +30.8% · 10 年 割安(年 +10.5%) やや割安 エジソン・インターナショナルEIX 南カリフォルニアの規制電力。収益基盤は年約 7% で伸びるが、イートン火災の責任の決着が株主の取り分を決める 本質価値との差 +10.7% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) 適正 エバーソース・エナジーES 水道を売り、北東部 3 州の送配電とガスに純化した規制公益。k は 7.5%(借金の厚さは debt に入れた)。手頃さの政治・FERC の ROE 引き下げ・洋上風力の後始末が焦点 本質価値との差 +2.1% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 ファーストエナジーFE 送電と配電のレートベースは年 10% で伸び、データセンターは計画の外の上積み。借金と年 1% の増資・統治の傷・手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −5.3% · 10 年 適正(年 +6.0%) やや割高 パブリック・サービス・エンタープライズ・グループPEG ニュージャージーの送配電と原子力。料金凍結の政治と原子力の契約が、年 6〜8% 成長の達成を左右する 本質価値との差 −10.9% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 DTEエナジーDTE 電気は 3 GW 級のデータセンター負荷で収益基盤が伸び、ガスは穏やか、非公益の税額控除は 2029 年で崖。借金と年 5〜6 億ドルの増資で成長を買う構造を確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 エクセロンEXC コムエド・ペコ・BGE・ペプコの送配電 4 系統を持つ規制会社。レートベース年 7.9% の伸びを借金と増資で賄い、料金の手頃さの政治が最大の弱み。本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 AESAES 契約型の再エネ・規制公益・南米の発電を持つが、借金が時価総額の約 2.7 倍。買収提案を外して単体で評価すると、式の上ではやや割高で、悲観の谷が深い 本質価値との差 −11.9% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 WEC エナジーWEC ウィスコンシンの規制電力とガスで、データセンター向けの設備投資が収益基盤を年 10% 前後押し上げる。許可 ROE と手頃さの政治・借金の厚みを確率に織り込み、価値は計算で判断する 本質価値との差 −14.9% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 CMSエナジーCMS ミシガンの規制電力・ガスで、レートベースを年 10.5% の計画で伸ばし、増資と借金で賄う。ノーススターを手放し公益事業一本へ。データセンター 1 GW の確度と物価以下に抑える委員会が分かれ目。 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 エヴァジーEVRG カンザス・ミズーリの規制電力。契約済み 2.5 GW のデータセンターでレートベースを年 11.5% 伸ばす計画だが、増資と借金が支える成長で、2028 年からの加速の確度が分かれ目 本質価値との差 −21.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 サザン・カンパニーSO データセンター需要で規制資本が年 8〜9% 伸びる南東部の優良電力。基本 8.0% に quality を足した資本コスト 7.00% の正当化 PER で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −21.2% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 ナイソースNI 規制ガス・電力の質は高く GenCo の 4 GW も確約だが、借金と手頃さの政治を k 7.00% に織り込んで評価すると、中立でも今の値段は先取り気味 本質価値との差 −21.9% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 PPL コーポレーションPPL 送配電中心の規制公益で、レートベースが年 10% 超で伸びる成長型。借金の厚さ・増資・PJM と手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −22.6% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 コンステレーション・エナジーCEG 米国最大の原子力にガス・地熱を加えた独立系の発電会社。堀は本物だが価格は市場と政治が決めて利益の振れが大きく、利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 12 倍)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.8% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 デューク・エナジーDUK 南東部・中西部で収益基盤が年 8〜9% 伸びる大型の規制電力。借金を入れた資本コスト 7.25% で、倍率を利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 13 倍)に置くと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.0% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 センターポイント・エナジーCNP ヒューストンの大口負荷 14 GW 超でレートベースが年 11% 超で伸びる成長型の規制公益。借金の厚さ・増資・ハリケーンと手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −24.2% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 アメリカン・エレクトリック・パワーAEP 全米最大級の送電網とデータセンター契約 69 GW を持つ規制電力。借金で投資を回す構造を k 7.25% と悲観の厚さで測り、倍率を利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 14 倍)に置くと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.4% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 ビストラ・コープVST 独立系で米国最大級の発電(原子力・ガス)と小売の会社。堀はあるが価格は市場と政治が決め借金も重く、利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 10.7 倍)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −26.4% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 センプラ・エナジーSRE テキサスの送電網オンコアを軸に収益基盤を年 11% 伸ばす計画の複合公益。借金と山火事の裾を k 8.25% と悲観の厚さで測った価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −26.7% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 コンソリデーテッド・エジソンED ニューヨーク市の電気・ガス・蒸気を独占する規制公益。堀は深いが料金が政治の標的で、財務は薄め。値打ちは計算が決める 本質価値との差 −28.3% · 10 年 やや割高(年 +2.9%) やや割高 アライアント・エナジーLNT アイオワとウィスコンシンの規制電力で、レートベースの年約 12% の伸びを借金と増資で賄う。契約済みのデータセンター約 3 GW だけを中立に入れ、追加分は楽観に置く。 本質価値との差 −29.1% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 エクセル・エナジーXEL 8 州の規制電力で、収益基盤の年 9% 超の伸びを借金と増資で賄う。山火事と許可 ROE の引き下げを悲観の確率に織り込んだ本質価値は、計算で判断する 本質価値との差 −30.0% · 10 年 やや割高(年 +2.9%) 割高 ピナクル・ウェスト・キャピタルPNW フェニックス圏の規制電力で、収益基盤の年 7〜9% の伸びを借金と増資で賄う。契約済み 4.5 GW の大口は中立に、未契約の約 20 GW は楽観に入れ、規制の遅れによる実現 ROE の低さを織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 エンタージETR メタなどの大口契約を柱に、収益基盤を 5 年で 2 倍にする規制電力。借金と増資で賄う成長と契約の集中を確率に織り込み、価値は計算に任せる 本質価値との差 −36.4% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 アトモス・エナジーATO 米国最大級の純粋なガス配給会社。規制資本が年 10% で伸びる優良な公益だが、ROE が k を 2% 弱しか超えず増資で薄まるため、利益ベースの正当化 PER(13〜16 倍)では今の値段は割高 本質価値との差 −38.9% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 ドミニオン・エナジーD バージニアのデータセンター需要で収益基盤を年 10% 伸ばす垂直統合の公益。ただし借金は時価総額の 9 割、k 8.25% の式の値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 アメリカン・ウォーター・ワークスAWK 米国最大の上場水道。規制に守られた安定成長だが、ROE が k を 2% 前後しか超えず、利益ベースの正当化 PER(13〜15 倍)では今の倍率は高すぎて割高 本質価値との差 −46.8% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 ネクステラ・エナジーNEE フロリダの規制電力と世界最大級の再エネ開発を持つ優良企業。借金を入れた資本コスト 8.50% の正当化 PER で単体で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −48.6% · 10 年 割高(年 +0.5%)

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読んだ資料

  1. Ameren Wolfe 会議の資料(2026 年 10 月 1 日:収益基盤・投資計画・規制・大口契約・IRP)
  2. Ameren 2026 年 4〜6 月期 決算の説明資料
  3. Ameren 第 2 四半期の決算説明のまとめ(Nasdaq)
  4. Ameren (AEE) 2026 年 4〜6 月期の決算まとめ(Quartr)
  5. Ameren 2026 年 6 月期 Form 10-Q(SEC)
  6. Ameren の時価総額(ad-hoc-news、2026-10-15)

分析日 2026-10-16