株譜
AI 銘柄分析 · 公益事業 · 試作

ナイソース NI

規制ガス・電力の質は高く GenCo の 4 GW も確約だが、借金と手頃さの政治を k 7.00% に織り込んで評価すると、中立でも今の値段は先取り気味

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)34.13 ドル162 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)43.7 ドル207 億ドル差 −21.9%
10 年後から見ると やや割高 価値 34.13 ドル162 億ドル · 差 −21.9% · 期待の年率 +4.0%
期待の年率リターン(10 年)+4.0%資本コスト比 −3.0 pt
推定の資本コスト7.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ナイソース(NI)は、インディアナ州の電気とガス(NIPSCO)と、オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランドのガス配給(コロンビア・ガス)を持つ、約 380 万件の複合の規制公益。2025 年は売上 約 66 億ドル、GAAP 純利益(普通株の帰属分)は約 9.3 億ドルで、調整後は約 9.1 億ドル。会社は 2026〜2030 年に 286 億ドル(基礎 210 億ドル+データセンター向け 76 億ドル)を投じ、レートベース(認可された投資残高。2025 年末 約 251 億ドル)を年 9〜11% で伸ばし、調整後の 1 株利益を 2033 年まで年 9〜10% で伸ばすと言う。

新しいのは、アマゾンとアルファベットのデータセンターに電気を売るために作った発電子会社 GenCo で、署名済みの負荷は 4 GW、引き合い全体は 9 GW(残りの 5 GW は交渉中か視野の段階)。GenCo と NIPSCO の一部はブラックストーンが少数持分を持つので、純利益は少数持分を引いたあとの帰属分で書き、株数と二重に引かない。ただし GenCo の寄与(2030 年に調整後 1 株利益の 1 割強、純利益で 1.5 億ドル前後と会社は説明)は全体の 1 割台にとどまり、利益の大半は 5 州のガス配給と NIPSCO の既存事業が稼ぐ。

バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8.0% に quality −1.00% を足した 7.0%(規制ガス・電力で需要と値決めは安定、純負債は時価総額の約 8 割と重い)、倍率は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立の上限 16.5 倍。ROE 9.6%・g 3.5%)の 7〜10 割に置いた(10 年の中立 14.5 倍)。伸びはレートベースの伸び(投資計画 × 認可 ROE × 自己資本比率)で置き、中立は 2028 年までは年 9.3%・2028〜35 年で年 8.0%(会社の下限 9% をやや下回る)。弱みは、インディアナが 2026 年の手頃さ法で ROE と多年度料金計画の調査を始めたこと、2026 年 4 月のロックアウトに見える労務の費用、借金と増資で成長を買う財務、GenCo の確約が 4 GW 止まりなこと。筋書きを重ねた価値と今の時価総額の差は計算に任せる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業が存在し今より強いかを問う。ガスと電気の配給は 10 年後も必要で、堀(地域独占・回収の速い料金の仕組み)は広がる側にある。ただし堀の大半は州の委員会の手にあり、価格を決める力は無い。インディアナで始まった ROE の調査は、堀が政治に左右される現れである。

次にオーナー利益。2025 年の調整後純利益 約 9.1 億ドルのうち配当は約 5.3 億ドルだが、FCF は -4 億ドルで、不足は借金と増資で埋める。10 年の中立では純利益の合計 約 146 億ドルに対し、配当 約 85 億ドル、増資 約 55 億ドルで、正味の還元は約 30 億ドルにとどまる(純利益の 2 割)。経営者が自由に取り出せる利益は小さく、株主の価値の増加はレートベースの伸びの先にしかない。

資本配分は、少数持分の売却で増資を抑えた点がよい。一方で 286 億ドル(さらに 10 年で 600 億ドル規模)の投資は、工期・費用・認可の失敗を抱え込み、2018 年のガス爆発のような安全上の傷も残る。安全域は、k を 7.0%(基本 8.0% + quality −1.00%)と置き、悲観の確率を 10 年 12% と厚くして確保した。確信度は配管更新・基礎計画では高いが、GenCo の追加契約・インディアナの規制では低い。わからない部分を割り引いたうえで、今の値段が見合うかは計算で判断する。

何で稼ぐ会社か

事業は 4 つ。①コロンビア・ガス(5 州の都市ガス配給)は収益の最大部分で、レートベースの半分ほどを占める推定。州ごとに許可 ROE は 9.6〜10.0%(オハイオ 9.60%・ペンシルベニア 10.00%・メリーランド 9.80%・ケンタッキーとバージニア 9.75%)で、ペンシルベニア・オハイオには配管の更新費を先に料金へ乗せるトラッカーがあり、投資の約 85% は 12 か月以内に料金へ回収される(会社の説明)。②NIPSCO 電力(インディアナ北部の発電・送配電)は、石炭火力の退役と代替電源(ガス・再エネ・蓄電池)の投資で伸び、許可 ROE 9.75%。2025 年 7 月と 2026 年 3 月の 2 段階の料金改定で 2.57 億ドルが認可された(申請 3.69 億ドル)。③NIPSCO ガスも許可 ROE 9.75%。④GenCo は、データセンター向けに NIPSCO とは別の会社が発電所を建て、NIPSCO が購入契約で電気を買って大口顧客に売る構造。

GenCo の中身は、アマゾン向けにガス火力 2 基(各 1.3 GW)と蓄電池 400 MW、アルファベット向けに GenCo 所有の電源群と市場からの容量購入(約 340 MW+最大 175 MW)で、アルファベットは 2026 年夏に通電して 2030 年に満載になる。2026 年 7 月にアマゾンは 400 MW を追加する修正を申請し、最終命令は 11 月の見込み。署名済みは合計 4 GW、引き合いの全体は 9 GW(交渉中 3 GW・視野に入る 約 2 GW)で、GenCo への投資は 76 億ドル(2030 年まで)。会社の説明では、既存の NIPSCO 電力顧客の請求額が約 14 億ドル下がる(契約期間の合計)。

売上は燃料費・ガスの仕入れ費を料金へ転嫁するため、売上の増減と利益の増減は別物で、利益は「レートベース × 自己資本比率 × 許可 ROE」で決まる。そこで売上 = 数量 × 価格を、レートベース(数量)× レートベースあたりの売上(価格)で置く。データセンターの大口料金は最低使用量と長期契約(アマゾンは 15 年)が付き、一般の顧客に費用を回さない設計。

優良さと弱いところ

堀は規制が与える。第 1 は地域独占で、インディアナ北部の電気とガス・5 州のガス配給のどれにも競合する供給者はいない。第 2 は回収の速さで、コロンビアの配管更新トラッカーと NIPSCO の電力・ガスの 2 段階料金改定により、投資の約 85% が 12 か月以内に料金へ乗る。第 3 は、2023 年にブラックストーンへ NIPSCO の 19.9% を 21.6 億ドル(企業価値の評価は高め)で売り、自己資本を厚くして格付けを守った点。これは資本配分として評価できる。

弱みは 4 つ。(1) インディアナの政治:2026 年の手頃さ法(HEA 1002)で IURC が ROE とトラッカーの調査 2 件を始め、多年度料金計画(2028 年下期に申請が必要)のリスクを見直している。NIPSCO ガスの近代化投資についても 2026 年 8 月の命令で「効果の証明」を求められた。(2) 労務:2026 年 4 月の NIPSCO のロックアウトで上半期の調整費が 2,140 万ドル出て、組合交渉で O&M が増えた。(3) 財務:純負債 161 億ドル、自己資本比率 約 26%(連結の総資産ベース)、FCF は 2025 年に -4 億ドル、リーマンの谷は配当込みで -54%。(4) 帳簿の ROE は 9.8%(2025 年)と許可の 9.75% 並みで、同業のレートベース型(アメレン・CMS エナジーの 10% 前後)を上回っていない。

資本効率は規制の枠内で、数字の上では「普通」。優良さは堀の広さと伸びる投資残高にあり、価格を決める力は無い。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国の電力需要は 2025 年に過去最高の約 4,195 TWh、EIA は 2026〜2027 年に年 +1.9% と見る(業界ノート)。ただしナイソースの主力はガス配給で、住宅用ガスの販売量は省エネと電化で実質横ばい〜微減。伸びはレートベースの積み増し(配管更新・安全・電源の入れ替え)に由来し、需要の伸びではない。データセンターは GenCo と NIPSCO 電力を通じて上乗せになる。

競合と比べる。同じガス+電力の複合では、CMS エナジー(ミシガン、レートベース年 10.5%、1 GW のデータセンター契約)、DTE エナジー(約 3 GW の追加負荷)、WEC エナジー、アメレン(署名済み 2.8 GW)がデータセンターの大口契約で先行し、ナイソースの署名済み 4 GW はその中で上位。純ガス配給のアトモス・エナジーやセンターポイント・エナジーは配管更新の投資で年 8〜10% のレートベース成長を持つが、電力側の上振れが無い。ナイソースが勝てば(GenCo の 9 GW が全部契約になり、基礎計画の上振れ 20 億ドルも認可)、2033 年にかけてレートベースが年 11% 近くで伸び、利益は会社目標の上限(年 10%)に届く。負ければ(インディアナの ROE が 9% 台前半に抑えられ、GenCo の追加が止まる)、レートベースは年 7% 前後・利益の伸びは年 5〜6% と、ガス配給の同業並みに落ちる。

業界全体の分かれ目は手頃さの政治で、住宅の電気料金は 2026 年に全米で約 +5%。インディアナは大口顧客が費用を負担する設計と、既存顧客の請求が下がる説明(約 14 億ドル)を軸に、データセンターを料金の味方にしようとしている。一方で IURC の調査は、ROE と投資の認可が政治の標的になる前触れでもある。M&A は、ナイソース自身が買い手でも売り手でもなく、少数持分の売却(NIPSCO・GenCo)で資金を作る側に立っている。

資本政策と M&A

資金計画は、営業キャッシュフロー 45〜50%・新規負債 40〜45%・株式 5〜10%・少数持分の拠出 3〜5%。株式は年 4〜6 億ドルの増資(先渡しと ATM。2026 年 6 月末で約 11.5 億ドルの枠、2028 年末まで)で、FFO ÷ 負債の目標は毎年 14〜16%。配当性向は 55〜65%。2023 年のブラックストーンへの NIPSCO 19.9% の売却(21.6 億ドル+追加 2.5 億ドル)と、2025 年 10 月の GenCo の少数持分(ブラックストーン、ジェネレーション・ホールディングス II)は、増資の代わりに使う手段で、少数持分は帰属利益から引かれる。

借金は借り換えのたびに高い金利になり、brief.py の推定では 10 年後に利払いが 3 億ドル増える。この分は料金で回収される公益の借金と持株会社の借金が混ざるため、純利益ではレートベースあたりの利益率を 3.6% 前後(2025 年の調整後実績)で保ち、わずかな悪化を悲観側で表した。M&A は、買収で大きくなる会社ではなく、自社の投資残高を増やす会社。評価できる点は少数持分での資金調達、悪い点は 2018 年のコロンビア・ガスのガス爆発(メリマック・バレー)で受けた損失と罰金(約 20 億ドル規模と推定)という過去の傷。会社全体の時価総額で書くので、増資は払い込みを正味の還元から引いて織り込んだ。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

計画の確度が高い。レートベースは年 9〜11% を 2033 年まで伸ばす計画で、投資の約 85% が 12 か月以内に料金へ乗るので、規制のラグが小さい。GenCo は署名済みが 4 GW、アマゾンは 400 MW を追加し、アルファベットは 2026 年夏に通電、引き合いの全体は 9 GW で交渉中 3 GW・視野 約 2 GW が残る。これが契約になれば GenCo への投資は 76 億ドルでは収まらず、基礎計画の上振れ 20 億ドルとあわせてレートベースの伸びは年 11% 超になる。

大口料金は最低使用量と長期契約(アマゾンは 15 年)が付き、一般の顧客に費用を回さない設計で、既存の NIPSCO 電力顧客の請求は約 14 億ドル下がる。この説明は、手頃さを重視する州の委員会に通りやすい。ブラックストーンという大手が NIPSCO と GenCo の少数持分を買っていること自体が、規制と契約の確かさへの外部の評価になっている。

資本コスト 7% の規制公益で、レートベースが年 9% 前後伸び ROE が 9.7% なら、正当化 PER の上限は 16〜17 倍で、楽観ではその近くが成り立ち、成長を買う分の増資は少数持分で和らげられる。

慎重な見方

借金と増資で成長を買っている会社である。純負債は時価総額の約 8 割、自己資本比率は 26%、FCF は -4 億ドルで、5 年で 286 億ドルを投じれば不足は借金と増資で埋めるしかない。借り換えの金利が 5.75% 前後に上がり、純利益の目標の経路は資金調達の費用に削られる。リーマンの谷は配当込みで -54%、コロナ -23%、2022 年の利上げ -20% と、電力・複合の中では下げが大きい。

インディアナの政治が最大の不安で、2026 年の手頃さ法で ROE と多年度料金計画の調査が始まり、NIPSCO ガスの近代化投資には効果の証明が求められた。許可 ROE が 9.75% から 9.3% 前後に下げられれば、レートベースあたりの利益率は 1 割近く落ちる。2026 年 4 月のロックアウトは労使関係の弱さを示し、組合交渉の O&M の増加は料金へ乗せきれない。

GenCo の確約は 4 GW で、引き合いの 5 GW は契約になっていない。データセンターは顧客がアマゾンとアルファベットの 2 社に偏り、発電所を建てた後に顧客が計画を縮めれば費用は GenCo に残る。2018 年のコロンビア・ガスの爆発のような安全上の事故は、1 件で数十億ドルの損失になる。今の GAAP の PER 21.8 倍は、k 7.0% の世界でも高い。

どちらに重みを置いたか

基礎の規制事業の質と GenCo の確約(4 GW)は強気の見方が上回るが、財務の薄さ・インディアナの政治・GenCo の追加契約の不確かさは慎重な見方が突いている。倍率は k 7.0%・帳簿の ROE・g 3.5% の正当化 PER の 7〜10 割に置いた(中立は 10 年 14.5 倍)。利益はレートベースの伸びに正比例させ、中立は会社目標の下限(レートベース年 9%)をやや上回る年 9.3%(2028 年まで)、2028〜35 年は下回る年 8.0% とした。確率は中立に寄せ、楽観・やや楽観の合計を 10 年 30%、やや悲観・悲観の合計を 10 年 34% とした。借金の厚さとインディアナの調査があるため、アメレンや CMS エナジーより悲観を厚く置いた。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 57.94 ドル275 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 6.57 ドル31 億ドル)。 今の値に割り戻すと 34.13 ドル162 億ドル、今との差 −21.9%、 期待の年率 +4.0%(資本コスト 7.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 8% 84.13 ドル399 億ドル 2.93 ドル14 億ドル +99.3% +7.1% 6.96 ドル33 億ドル
やや楽観 22% 71.09 ドル337 億ドル 4.64 ドル22 億ドル +73.3% +5.7% 16.66 ドル79 億ドル
中立 36% 61.81 ドル293 億ドル 6.22 ドル30 億ドル +55.7% +4.5% 24.49 ドル116 億ドル
やや悲観 22% 49.65 ドル236 億ドル 8.54 ドル41 億ドル +33.2% +2.9% 12.80 ドル61 億ドル
悲観 12% 19.92 ドル95 億ドル 9.97 ドル47 億ドル −31.6% −3.7% 3.59 ドル17 億ドル
加重平均100% 57.94 ドル275 億ドル6.57 ドル31 億ドル +47.6% +4.0% 64.50 ドル306 億ドル

今の株価時価総額 43.69 ドル207 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。

楽観 8% 楽観:9 GW が契約になり、レートベースが年 10.6% で伸びる 利益 25 億ドル · PER 16.0 倍 · 株価時価総額 84.13 ドル399 億ドル

2035 年末、GenCo は署名済みの 4 GW に、交渉中・視野の約 5 GW が契約になって 9 GW に届き、GenCo のレートベースは約 150 億ドル(今の計画の約 2 倍)。基礎計画の上振れ 20 億ドルとガス配管の更新が認可され、連結のレートベースは約 666 億ドル(10 年で年 10.6%。2033 年に会社目標の上限 11% に近い)。インディアナの ROE は 9.75〜10.0%、多年度料金計画は小さな変更で通り、コロンビアの 5 州の回収の仕組みは維持される。純利益は約 25.0 億ドル(2025 年の調整後の約 2.8 倍)。増資は 10 年で約 84 億ドル、配当は約 98 億ドルで、正味の還元は約 14 億ドル。倍率は正当化 PER 16.8 倍(ROE 10.0%・g 3.5%・RONIC 8.5%・moat 普通)に対し 0.95 倍の 16.0 倍に置く。

  • コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給):数量 249(レートベース(億ドル))× 価格 0.26(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 65 億ドル・営業利益 23 億ドル。コロンビア・ガス:レートベース 249 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2627
  • NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電):数量 204(レートベース(億ドル))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 21 億ドル。NIPSCO 電力:レートベース 204 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2176
  • NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給):数量 63.0(レートベース(億ドル))× 価格 0.28(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 18 億ドル・営業利益 8 億ドル。NIPSCO ガス:レートベース 63 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2841
  • GenCo(データセンター向けの発電):数量 150(レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 33 億ドル・営業利益 5 億ドル。GenCo:レートベース 150 億ドル × レートベースあたりの売上 0.22

倍率:正当化 PER 16.8 倍(g 3.5%・RONIC 8.5%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 10.0%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 16.0 倍(9.5 割)に置いた。規制の質が高く投資の回収が計画どおり進む筋書きなので、上限の 9.5 割。

確率:GenCo の引き合い 9 GW が全部契約になり、基礎の上振れも認可され、ROE も保たれる。10 年でも重なる確率は 1 割未満の 8%。

やや楽観 22% やや楽観:会社目標の中ほど、レートベースは年 9.3% 利益 23 億ドル · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 71.09 ドル337 億ドル

2035 年末、署名済み 4 GW に加え約 2 GW が契約になり、GenCo のレートベースは約 100 億ドル。連結のレートベースは約 611 億ドル(10 年で年 9.3%)で、会社目標 9〜11% の中ほど。インディアナの ROE は 9.75% を保ち、コロンビアのトラッカーは続く。純利益は約 22.5 億ドル(調整後の約 2.5 倍)。増資は約 69 億ドル、配当は約 91 億ドルで、正味の還元は約 22 億ドル。倍率は正当化 PER 16.7 倍(ROE 9.8%・g 3.5%・RONIC 8.4%・moat 普通)に対し 0.90 倍の 15.0 倍に置く。コロンビア・NIPSCO ガスの 2 つのガス配給は販売量が微減のまま、配管更新の積み増しで年 6.5% 台で伸びる。

  • コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給):数量 246(レートベース(億ドル))× 価格 0.26(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 64 億ドル・営業利益 21 億ドル。コロンビア・ガス:レートベース 246 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2614
  • NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電):数量 202(レートベース(億ドル))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 19 億ドル。NIPSCO 電力:レートベース 202 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2158
  • NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給):数量 63.0(レートベース(億ドル))× 価格 0.28(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 18 億ドル・営業利益 8 億ドル。NIPSCO ガス:レートベース 63 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2794
  • GenCo(データセンター向けの発電):数量 100(レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。GenCo:レートベース 100 億ドル × レートベースあたりの売上 0.22

倍率:正当化 PER 16.7 倍(g 3.5%・RONIC 8.4%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.8%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 15.0 倍(9 割)に置いた。許可 ROE がおおむね保たれ投資が計画どおり進むので、上限の 9 割。

確率:計画の中ほどどおりに認可され、GenCo の追加が約 2 GW 加わる。強気の見方が通る確率として 22%。

中立 36% 中立:レートベースは年 8.4%、ROE は 9.75% 付近 利益 20 億ドル · PER 14.5 倍 · 株価時価総額 61.81 ドル293 億ドル

2035 年末、レートベースは約 562 億ドル(10 年で年 8.4%。2030 年に約 391 億ドル、その後は年 8%)。署名済みの 4 GW は稼働するが、引き合いの 5 GW は契約にならず、GenCo のレートベースは約 82 億ドル。インディアナの ROE は 9.75% 付近を保ち、NIPSCO 電力は石炭火力の退役と代替電源で年 8% 台、コロンビアは配管更新で年 6.5%、ガスの販売量は微減。純利益は約 20.2 億ドル(調整後の約 2.2 倍)。増資は 10 年で約 55 億ドル、配当は約 85 億ドルで、正味の還元は約 30 億ドル。倍率は正当化 PER 16.5 倍(ROE 9.6%・g 3.5%・RONIC 8.3%・moat 普通)に対し 0.88 倍の 14.5 倍に置く。

  • コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給):数量 231(レートベース(億ドル))× 価格 0.26(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 60 億ドル・営業利益 20 億ドル。コロンビア・ガス:レートベース 231 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2602
  • NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電):数量 190(レートベース(億ドル))× 価格 0.21(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 41 億ドル・営業利益 18 億ドル。NIPSCO 電力:レートベース 190 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2147
  • NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給):数量 59.0(レートベース(億ドル))× 価格 0.28(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 17 億ドル・営業利益 7 億ドル。NIPSCO ガス:レートベース 59 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2797
  • GenCo(データセンター向けの発電):数量 82.0(レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル。GenCo:レートベース 82 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2195

倍率:正当化 PER 16.5 倍(g 3.5%・RONIC 8.3%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.6%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 14.5 倍(8.8 割)に置いた。規制の質は高いが、ROE が k を超える幅は限られ、増資で薄まるので、上限の 8.8 割。

確率:最も起きやすい筋書き。2030 年までは計画の下限付近、その後は年 8%。ROE は 9.75% 付近。

やや悲観 22% やや悲観:ROE が 9.3% へ下がり、GenCo の一部が縮む 利益 17 億ドル · PER 13.9 倍 · 株価時価総額 49.65 ドル236 億ドル

2035 年末、レートベースは約 489 億ドル(10 年で年 6.9%)。インディアナで ROE が 9.3% 前後へ下げられ、多年度料金計画で投資の認可が一部削られる。GenCo は署名済みの 4 GW のうち 1 件が縮み、約 70 億ドルにとどまる。バージニア・ケンタッキーなどのコロンビアの回収も遅れる。レートベースあたりの利益率は 3.45%、純利益は約 16.9 億ドル(調整後の約 1.9 倍)。増資は約 35 億ドル、配当は約 75 億ドルで、正味の還元は約 40 億ドル。倍率は正当化 PER 16.2 倍(ROE 9.2%・g 3.5%・RONIC 8.1%・moat 普通)に対し 0.86 倍の 13.9 倍に置く。

  • コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給):数量 202(レートベース(億ドル))× 価格 0.26(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 52 億ドル・営業利益 17 億ドル。コロンビア・ガス:レートベース 202 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2594
  • NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電):数量 165(レートベース(億ドル))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 36 億ドル・営業利益 15 億ドル。NIPSCO 電力:レートベース 165 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2152
  • NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給):数量 51.0(レートベース(億ドル))× 価格 0.28(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 6 億ドル。NIPSCO ガス:レートベース 51 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2824
  • GenCo(データセンター向けの発電):数量 70.0(レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。GenCo:レートベース 70 億ドル × レートベースあたりの売上 0.22

倍率:正当化 PER 16.2 倍(g 3.5%・RONIC 8.1%=k 7.00%+残る割合 0.50×(事業の ROE 9.2%−k)、moat=normal。式 (1−g÷RONIC)÷(k−g))に対して 13.9 倍(8.6 割)に置いた。許可 ROE と投資の認可が絞られ、RONIC が k に近づくので、上限の 8.6 割。

確率:インディアナの ROE が 9.3% に下がり、GenCo の一部が縮む。借金の厚さと調査があるため 22% と、アメレン(20%)より厚く置く。

悲観 12% 悲観:構造的に負け、優良な規制公益ではなくなる 利益 13 億ドル · PBR 1.0 倍 · 株価時価総額 19.92 ドル95 億ドル

2035 年末、構造的に負けて優良な規制公益ではなくなっている。インディアナの手頃さの政治で ROE は 9.0% 前後に下げられ、多年度料金計画で投資の認可も大きく削られる。アマゾンかアルファベットの 1 社が計画を縮め(最低請求の補償は受けるが、発電所が余る)、GenCo は約 55 億ドルで足踏みし、一部は減損になる。安全上の事故(2018 年のコロンビア・ガスの爆発のような)の再発や増資の重さも重なる。レートベースは約 413 億ドル(10 年で年 5.1%)、レートベースあたりの利益率は 3.1%、純利益は約 12.8 億ドル(調整後の約 1.4 倍)。増資は約 18 億ドル、配当は約 65 億ドルで、正味の還元は約 47 億ドル。倒産には至らず、評価は今の自己資本(規制資本)94.5 億ドルに PBR 1.00 倍を掛ける。

  • コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給):数量 172(レートベース(億ドル))× 価格 0.26(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 45 億ドル・営業利益 13 億ドル。コロンビア・ガス:レートベース 172 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2593
  • NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電):数量 141(レートベース(億ドル))× 価格 0.21(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 30 億ドル・営業利益 12 億ドル。NIPSCO 電力:レートベース 141 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2149
  • NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給):数量 44.0(レートベース(億ドル))× 価格 0.28(レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む))→ 売上 12 億ドル・営業利益 5 億ドル。NIPSCO ガス:レートベース 44 億ドル × レートベースあたりの売上 0.2773
  • GenCo(データセンター向けの発電):数量 55.0(レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高))× 価格 0.22(レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。GenCo:レートベース 55 億ドル × レートベースあたりの売上 0.22

倍率:悲観の床は今の自己資本に掛ける決まり(SCHEMA §1-3)なので、規制資本の裏付けである今の自己資本 94.5 億ドルに PBR 1.00 倍を掛けた。この筋書きの実現 ROE は 8.1%(純利益 12.8 億ドル ÷ 自己資本 159 億ドル)で、k 7.00% を上回る(式の PBR は ROE÷k = 1.15 倍)が、構造的に負けた会社を自己資本より高くは評価せず、1.0 倍を上限にした。PER に直すと約 7.4 倍。悲観の確率と利益の落ち込みで表したので、倍率でさらに下げてはいない。純利益は GAAP。

確率:規制の悪化・GenCo の縮小・安全事故が重なり、もう優良ではなくなっている確率を 12% と置く。財務が薄く(純負債が時価総額の約 8 割)損失の吸収余地が小さい。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

コロンビア・ガス(オハイオ・ペンシルベニア・バージニア・ケンタッキー・メリーランド:ガス配給)

5 州の都市ガス配給。州ごとの許可 ROE は 9.6〜10.0%。配管更新のトラッカーで投資が早く料金へ乗る。

数量レートベース(億ドル)価格レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 128 0.28 36 9
10 年後 中立 231 0.26 60 20

取り方:レートベース 約 128 億ドル・売上 約 36 億ドル・営業利益 約 8.8 億ドルはいずれも推定(会社はセグメント別のレートベースを資料で確認できていない。全社 251 億ドル・売上 66.4 億ドル・営業利益 18.4 億ドルを、顧客数と過去の開示から割り振った)。競合は無く、価格は州の委員会が決める。

NIPSCO 電力(インディアナ:発電・送配電)

インディアナ北部の電気。石炭火力の退役と代替電源の投資が中心。許可 ROE 9.75%。データセンターの大口契約の窓口。

数量レートベース(億ドル)価格レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 86.0 0.23 20 7
10 年後 中立 190 0.21 41 18

取り方:レートベース 約 86 億ドル・売上 約 20 億ドル・営業利益 約 6.5 億ドルは推定(割り振り)。2025 年 7 月と 2026 年 3 月の 2 段階の料金改定で 2.57 億ドルが認可(申請 3.69 億ドル)。多年度料金計画は 2028 年下期に申請が必要。競合は無い。

NIPSCO ガス(インディアナ:ガス配給)

インディアナ北部の都市ガス。許可 ROE 9.75%。近代化投資は 2026 年 8 月の命令で効果の証明を求められた。

数量レートベース(億ドル)価格レートベースあたりの売上(ガスの仕入れ費の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 33.0 0.30 10 3
10 年後 中立 59.0 0.28 17 7

取り方:レートベース 約 33 億ドル・売上 約 10 億ドル・営業利益 約 3.3 億ドルは推定(割り振り)。2024 年 8 月と 2025 年 2 月の 2 段階の料金改定で 1.21 億ドルが認可(申請 1.62 億ドル)。競合は無い。

GenCo(データセンター向けの発電)

NIPSCO の外に作った発電会社。アマゾン・アルファベットなどに NIPSCO 経由で電気を売る。ブラックストーンが少数持分を持つ。署名済み 4 GW。

数量レートベース(億ドル。GenCo の運転中の投資残高)価格レートベースあたりの売上(燃料・購入電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 4.0 0.10 0 0
10 年後 中立 82.0 0.22 18 3

取り方:2025 年末はほぼ建設中で、運転中の残高は約 4 億ドル(推定)。投資 76 億ドルは 2026〜2030 年。2030 年の利益寄与は調整後 1 株利益の 1 割強(会社の説明)で、純利益で約 1.5 億ドル。収益は大口の契約料金(アマゾンは 15 年)で、顧客に費用を回さない。

リスクと懸念

インディアナの規制:ROE と多年度料金計画の調査

2026 年の手頃さ法(HEA 1002)で IURC が ROE とトラッカーの調査 2 件(2026 年 8 月 7 日に技術会議)を始め、NIPSCO は多年度料金計画(2028 年下期に申請が必要)のリスクを見直される。許可 ROE が 9.75% から 9.3% 前後へ下がれば、レートベースあたりの利益率は約 1 割落ちる。NIPSCO ガスの近代化投資は 2026 年 8 月の命令で効果の証明を求められた。

借金と増資に頼る資金繰り

純負債 161 億ドルで時価総額の約 8 割、FCF は 2025 年に -4 億ドル。2026〜2030 年に年 4〜6 億ドルの増資と、借換えで 5.75% 前後に上がる借入金利を吸収する必要がある。FFO ÷ 負債の目標は 14〜16%。brief の推定で利払いは 10 年後に 3 億ドル増える。リーマンの谷では配当込みで -54%。

GenCo の確約と顧客の偏り

署名済みの 4 GW は 15 年の契約などで守られるが、顧客がアマゾンとアルファベットに偏り、引き合い 9 GW のうち 5 GW は契約になっていない。ERCOT のように、引き合いの数字が後で大きく切り下げられた例がある。顧客が計画を縮めれば、建てた発電所の費用が GenCo に残る。アマゾンの追加分(400 MW)の最終命令は 2026 年 11 月。

労務と安全

2026 年 4 月の NIPSCO のロックアウトで上半期の調整費が 2,140 万ドル、組合交渉で O&M が増えた。2018 年のコロンビア・ガスのメリマック・バレーのガス爆発は約 20 億ドル規模(推定)の損失と罰金を出した過去の傷で、配管更新の安全投資が増える一方、同種の事故は 1 件で数十億ドルの損失になりうる。

石炭火力の運転継続と新設電源の費用

シャーファー石炭火力は連邦の 3 回目の命令で運転継続が求められ、NIPSCO は FERC 205 条の申請で費用回収を求める。退役の遅れは代替電源の投資計画とずれ、ガスタービンの価格(2019 年比で約 3 倍)・納期(5〜7 年)の悪化は、基礎計画の 210 億ドルと GenCo の 76 億ドルの両方に費用の超過リスクを持ち込む。

今後の分かれ目

2026 年 11 月までにアマゾンの追加 400 MW の最終命令が出て、交渉中 3 GW のうち 1 件が契約になったら
GenCo のレートベースが計画の 76 億ドルを超える方向に動き、楽観・やや楽観の確率を 10 年で 4 ポイント上げる。命令が遅れる・縮むなら、確率を中立に戻す。
IURC の ROE 調査(46428・46429)が、許可 ROE の引き下げ(9.5% 未満)や多年度料金計画の厳しい条件を示したら
レートベースあたりの利益率が 1 割近く下がり、やや悲観・悲観の確率を各 3 ポイント上げる。9.75% 以上が維持されれば、逆に 3 ポイント下げる。
2028 年下期の NIPSCO 電力の多年度料金計画の申請が、会社の要求に近く認められたら
規制のラグが小さいまま 10 年の投資が続き、10 年のやや悲観・悲観の確率を各 2 ポイント下げる。
データセンター 1 社が計画を縮小・延期したら
最低請求の補償は受けるが発電所が余る。悲観の確率を 5 ポイント上げ、GenCo の追加契約の確度を見直す。
10 年国債の利回りが 5% を大きく超えて上がったら(6% 超)
借換えコストが利益を圧迫し、増資の費用が上がり、倍率が縮む。資本コストの見方を高い側(借金・値決めの目安を悪い側)に寄せる。
配管更新などで安全上の重大事故が起きたら
2018 年のメリマック・バレーの例のように、損失・罰金・投資の認可の遅れが重なる。悲観の確率を 5 ポイント上げる。

見ておくもの

  • 2026 年第 3 四半期決算(10 月 28 日)での投資計画・GenCo・EPS 見通しの更新
  • アマゾン追加分の IURC 最終命令(2026 年 11 月)と、アルファベットの 2026 年夏の通電の実績
  • IURC の ROE・トラッカー調査(Cause 46428・46429)の結論と、NIPSCO の多年度料金計画の申請条件
  • バージニア・ケンタッキーの料金改定(2027 年上期)と、NIPSCO ガスの近代化投資の回収方法
  • 交渉中 3 GW・視野 約 2 GW の契約化、GenCo の別セグメントでの開示(2026 年末まで)
  • 増資・少数持分の拠出の額と、FFO ÷ 負債(14〜16%)の維持、借換えの金利
  • 10 年国債 5% の維持と、住宅料金の前年比

倍率と資本コストの決め方

今の PER(GAAP 21.8 倍)を見る前に、レートベースを数量、レートベースあたりの売上を価格として 4 つの事業を積み、純利益をレートベース × 利益率(2025 年の調整後実績 3.6%)で決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE − k)(moat 普通・残る割合 1/2)で上限を出し、その 7〜10 割に置いた。k は基本 8.0% に quality −1.00% を足した 7.0%。10 年の中立は ROE 9.6%・g 3.5%・RONIC 8.3% で正当化 PER 16.5 倍、これに対し 14.5 倍(0.88 倍)。10 年の楽観は正当化 PER 16.8 倍に対し 16.0 倍(0.95 倍)、やや悲観は 16.2 倍に対し 13.9 倍(0.86 倍)に置いた。少数持分は帰属利益に入っているので純利益から二重に引いていない。結果は総合で今の時価総額に対し -20%(やや割高)で、今の株価に寄せて逆算していない。

資本コスト 7.0% = 無リスク金利 5% + β 0.97 × 5%。基本 8.0% + coc.quality -1.00% = 7.00%(4 つの目安と理由は quality_parts・quality_why)。借金の金利(借り換えで 5.75% 前後)より株の k が低くならない(k は 7.00%)。規模は S&P 500 で 0、上乗せ(extra)も 0。インディアナの規制・GenCo の確約・労務という個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と確率(悲観を 9〜12%)で表す。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(multiple.why)。長期の g は 4% まで、かつ k − g ≥ 3.5% なので k 7.00% では g 3.50% が上限。

同じ業種(公益事業)の AI 分析

割安 NRG エナジーNRG 電力の卸売・小売とスマートホームを持つ借金の重い独立系。収益力は本物だが、価格は市場と政治が決め、借金が筋書きの振れを増幅する 本質価値との差 +36.5% · 10 年 割安(年 +10.6%) 割安 PG&E CorporationPCG 山火事の責任制度が決まらず格付けも上がらない、収益基盤が年約 9% 伸びる規制電力。値打ちは、責任の上限が会社の外に出るかで決まる 本質価値との差 +30.8% · 10 年 割安(年 +10.5%) やや割安 エジソン・インターナショナルEIX 南カリフォルニアの規制電力。収益基盤は年約 7% で伸びるが、イートン火災の責任の決着が株主の取り分を決める 本質価値との差 +10.7% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) 適正 エバーソース・エナジーES 水道を売り、北東部 3 州の送配電とガスに純化した規制公益。k は 7.5%(借金の厚さは debt に入れた)。手頃さの政治・FERC の ROE 引き下げ・洋上風力の後始末が焦点 本質価値との差 +2.1% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 ファーストエナジーFE 送電と配電のレートベースは年 10% で伸び、データセンターは計画の外の上積み。借金と年 1% の増資・統治の傷・手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −5.3% · 10 年 適正(年 +6.0%) やや割高 パブリック・サービス・エンタープライズ・グループPEG ニュージャージーの送配電と原子力。料金凍結の政治と原子力の契約が、年 6〜8% 成長の達成を左右する 本質価値との差 −10.9% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 DTEエナジーDTE 電気は 3 GW 級のデータセンター負荷で収益基盤が伸び、ガスは穏やか、非公益の税額控除は 2029 年で崖。借金と年 5〜6 億ドルの増資で成長を買う構造を確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 エクセロンEXC コムエド・ペコ・BGE・ペプコの送配電 4 系統を持つ規制会社。レートベース年 7.9% の伸びを借金と増資で賄い、料金の手頃さの政治が最大の弱み。本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 AESAES 契約型の再エネ・規制公益・南米の発電を持つが、借金が時価総額の約 2.7 倍。買収提案を外して単体で評価すると、式の上ではやや割高で、悲観の谷が深い 本質価値との差 −11.9% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 WEC エナジーWEC ウィスコンシンの規制電力とガスで、データセンター向けの設備投資が収益基盤を年 10% 前後押し上げる。許可 ROE と手頃さの政治・借金の厚みを確率に織り込み、価値は計算で判断する 本質価値との差 −14.9% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 CMSエナジーCMS ミシガンの規制電力・ガスで、レートベースを年 10.5% の計画で伸ばし、増資と借金で賄う。ノーススターを手放し公益事業一本へ。データセンター 1 GW の確度と物価以下に抑える委員会が分かれ目。 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 エヴァジーEVRG カンザス・ミズーリの規制電力。契約済み 2.5 GW のデータセンターでレートベースを年 11.5% 伸ばす計画だが、増資と借金が支える成長で、2028 年からの加速の確度が分かれ目 本質価値との差 −21.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 サザン・カンパニーSO データセンター需要で規制資本が年 8〜9% 伸びる南東部の優良電力。基本 8.0% に quality を足した資本コスト 7.00% の正当化 PER で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −21.2% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 アメレンAEE ミズーリとイリノイの規制電力・ガスで、収益基盤の年 10.6% の伸びを借金と増資で賄う。大口のデータセンター契約 2.8 GW の確度と財務の薄さを確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −21.4% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 PPL コーポレーションPPL 送配電中心の規制公益で、レートベースが年 10% 超で伸びる成長型。借金の厚さ・増資・PJM と手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −22.6% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 コンステレーション・エナジーCEG 米国最大の原子力にガス・地熱を加えた独立系の発電会社。堀は本物だが価格は市場と政治が決めて利益の振れが大きく、利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 12 倍)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.8% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 デューク・エナジーDUK 南東部・中西部で収益基盤が年 8〜9% 伸びる大型の規制電力。借金を入れた資本コスト 7.25% で、倍率を利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 13 倍)に置くと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.0% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 センターポイント・エナジーCNP ヒューストンの大口負荷 14 GW 超でレートベースが年 11% 超で伸びる成長型の規制公益。借金の厚さ・増資・ハリケーンと手頃さの政治を悲観の確率に織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −24.2% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 アメリカン・エレクトリック・パワーAEP 全米最大級の送電網とデータセンター契約 69 GW を持つ規制電力。借金で投資を回す構造を k 7.25% と悲観の厚さで測り、倍率を利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 14 倍)に置くと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.4% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 ビストラ・コープVST 独立系で米国最大級の発電(原子力・ガス)と小売の会社。堀はあるが価格は市場と政治が決め借金も重く、利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割(10 年の中立 10.7 倍)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −26.4% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 センプラ・エナジーSRE テキサスの送電網オンコアを軸に収益基盤を年 11% 伸ばす計画の複合公益。借金と山火事の裾を k 8.25% と悲観の厚さで測った価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −26.7% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 コンソリデーテッド・エジソンED ニューヨーク市の電気・ガス・蒸気を独占する規制公益。堀は深いが料金が政治の標的で、財務は薄め。値打ちは計算が決める 本質価値との差 −28.3% · 10 年 やや割高(年 +2.9%) やや割高 アライアント・エナジーLNT アイオワとウィスコンシンの規制電力で、レートベースの年約 12% の伸びを借金と増資で賄う。契約済みのデータセンター約 3 GW だけを中立に入れ、追加分は楽観に置く。 本質価値との差 −29.1% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 エクセル・エナジーXEL 8 州の規制電力で、収益基盤の年 9% 超の伸びを借金と増資で賄う。山火事と許可 ROE の引き下げを悲観の確率に織り込んだ本質価値は、計算で判断する 本質価値との差 −30.0% · 10 年 やや割高(年 +2.9%) 割高 ピナクル・ウェスト・キャピタルPNW フェニックス圏の規制電力で、収益基盤の年 7〜9% の伸びを借金と増資で賄う。契約済み 4.5 GW の大口は中立に、未契約の約 20 GW は楽観に入れ、規制の遅れによる実現 ROE の低さを織り込み、本質価値は計算で判断する 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 エンタージETR メタなどの大口契約を柱に、収益基盤を 5 年で 2 倍にする規制電力。借金と増資で賄う成長と契約の集中を確率に織り込み、価値は計算に任せる 本質価値との差 −36.4% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 アトモス・エナジーATO 米国最大級の純粋なガス配給会社。規制資本が年 10% で伸びる優良な公益だが、ROE が k を 2% 弱しか超えず増資で薄まるため、利益ベースの正当化 PER(13〜16 倍)では今の値段は割高 本質価値との差 −38.9% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 ドミニオン・エナジーD バージニアのデータセンター需要で収益基盤を年 10% 伸ばす垂直統合の公益。ただし借金は時価総額の 9 割、k 8.25% の式の値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 アメリカン・ウォーター・ワークスAWK 米国最大の上場水道。規制に守られた安定成長だが、ROE が k を 2% 前後しか超えず、利益ベースの正当化 PER(13〜15 倍)では今の倍率は高すぎて割高 本質価値との差 −46.8% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 ネクステラ・エナジーNEE フロリダの規制電力と世界最大級の再エネ開発を持つ優良企業。借金を入れた資本コスト 8.50% の正当化 PER で単体で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −48.6% · 10 年 割高(年 +0.5%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. NiSource 2026 年 4〜6 月期の決算発表(8-K)
  2. NiSource 第 2 四半期 2026 決算説明の書き起こし
  3. NiSource 第 1 四半期の決算説明(GenCo の EPS 寄与)
  4. NiSource・アルファベットとの契約の発表(2026-04-16)
  5. NiSource 2025 年次報告(許可 ROE・料金改定)
  6. NiSource 2026 年 6 月期 Form 10-Q(少数持分・負債・発行済株数)
  7. NiSource の時価総額(ad-hoc-news、2026-10-01)
  8. NIPSCO のブラックストーンへの少数持分売却の完了

分析日 2026-10-16