結論
ヘルスピーク・プロパティーズ(Healthpeak)は、医療オフィス(外来医療)・ライフサイエンス研究所(ラボ)・高齢者住宅の 3 つを持つ医療施設の REIT。2025 年末の物件の利益(NOI 相当、4〜12 月期の年率)は外来医療が約 8.2 億ドル、ラボが約 5.6 億ドル、高齢者住宅が約 1.7 億ドルで、2026 年 3 月に高齢者住宅を Janus Living(JAN)として上場させ(持ち分 73.6%)、7 月には外来医療の 86 物件の 49% をブルックフィールドへ約 10.25 億ドルで売った。純負債は EBITDA の 4.7 倍。
会計の純利益は減価償却で小さく(今の PER は 189 倍)、見るのはオーナー利益、つまり GAAP 純利益に減価償却を足し戻し、売却益と維持の支出を引いた値。2026 年は GAAP 約 1.8 + 償却 約 10.5 − 売却益 0 − 維持 約 1.4 = 約 10.9 億ドル(会社の AFFO 約 11.3 億ドルから株式報酬を引いた値と一致)。今の時価総額(約 134 億ドル)はその約 12.3 倍で、同じ領域のベンタス(約 29 倍)・ウェルタワーとは別の値段がついている。理由はラボで、占有は 78.5%、空室は 250 万 sf を超え、ボストンは供給過剰、借り手の決断は案内から契約まで 3〜9 か月かかる。
資本コストは基本 8% + quality +1.5%(負債 +1.0%・寿命 +0.5%)= 9.5%。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC の式)の内側で、10 年後の中立は上限 13.5 倍の 7.9 割にあたる AFFO の 10.7 倍(自己資本は減価償却と還元で痩せるので ROIC の式で出した)。中立の筋書きは 10 年後に AFFO が約 1.65 倍、還元を入れた年率は約 8.1% で、資本コスト 9.5%を下回る。ただしラボの空室の山が定着する筋書き(やや悲観・悲観)は 合わせて 42% と厚く置き、悲観はラボの稼働が 63% 台に落ちて AFFO が 4 割台に縮み、時価総額が今の 3 割程度になる。確率を悲観へ寄せた総合は今の時価総額の約 8% 下の「適正」。谷では深く下がる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。外来医療は医療の外来化と高齢化に支えられ、堀は広がらないが狭まりにくい。高齢者住宅は高齢化で需要が確実。ただしラボは違う。製薬・バイオの研究の場所の需要は景気と資金調達の波に大きく左右され、供給が余った今は予測が難しい。わからない部分は確信度を下げる。
次にオーナー利益。会計の純利益は建物の減価償却で小さい(2025 年は約 0.7 億ドル)。2026 年は GAAP 約 1.8 + 減価償却 約 10.5 − 売却益 0 − 維持の支出 約 1.4 = 約 10.9 億ドルと見る。会社の AFFO(FFO の約 92% で約 11.3 億ドル)との差は、株式報酬(推定 約 0.35 億ドル)を費用として引く分だ。今の時価総額(約 134 億ドル)は AFFO の約 12 倍で、利回りは約 8%。同じ領域のベンタス(約 29 倍)・ウェルタワーに比べて安いのは、ラボの空室・負債・Janus の成長の外部持ち分を市場が割り引いているため。
資本配分は、外来医療の安定した物件を 5.9% 前後の利回りで売り、返済と高齢者住宅に回し、株価が低い時に自社株を買った。ここは評価できる。一方、2024 年の合併の相乗効果は数字にまだ出きっていない。
安全域:中立で 10 年後に AFFO は約 1.7 倍、倍率は 12.8 倍(利益ベースの正当化 PER の 7 割)で、今の値段との差は 5% ほどと薄い。悲観(ラボの稼働 63%・利益率 50%・外来医療の売却を迫られる)では AFFO が 4 割台に縮み、時価総額が今の 3 割程度に下がる。ラボの空室の山が消えなければ、割安に見えて割安でない。事業への確信は中程度で、安全域は薄く、ラボの山を確率で厚く置いて測っている。
何で稼ぐ会社か
収益は 3 本。第 1 は外来医療オフィス(約 3,650 万 sf・約 500 物件)。病院の敷地や近くに建つ医療オフィスを医師・病院系列に貸し、占有は 90.7%、更新時の現金賃料は +5% 前後、更新の継続率は 79%(2025 年)。年換算の NOI は約 8.2 億ドル、利益率は約 65%。2026 年 7 月に 86 物件(560 万 sf、占有 95%)の 49% をブルックフィールドへ売り(総額 21 億ドル、キャップレート 約 5.9%、1 sf あたり約 380 ドル)、残りの 51% は保有・運営を続ける。
第 2 はライフサイエンス研究所(ラボ)。約 1,150 万 sf の稼働中の建物と開発・再開発 143 万 sf、開発用地(帳簿 約 8.1 億ドル)を持ち、サウスサンフランシスコ・サンディエゴ(トーリーパインズ)・ボストンに集中する。年換算の基本賃料は約 6.2 億ドル(賃貸中 984 万 sf、1 sf 約 63 ドル)。占有は 2026 年 6 月で 78.5%(2025 年末 77.1%)、空室は 250 万 sf 超。同一物件の NOI は −3.2%(2026 年 4〜6 月期)、年換算の NOI は約 5.4 億ドルで、2027〜2030 年の賃貸満了が毎年 60 万〜120 万 sf ある。
第 3 は高齢者住宅(Janus Living)。介護付き・自立型・生涯居住型(ライフプラン、15 か所・約 7,000 戸)と運営型 19 か所の合計 34 か所で、フロリダ・テキサスが中心。2026 年 4〜6 月期の収入は 2.16 億ドル(前年同期比 +45%)、調整後 NOI 0.58 億ドル、同一物件 NOI +19.2%。7〜8 月に約 10 億ドルを買い、約 0.6 億ドルを契約済み。Janus は無借金で現金 約 5.6 億ドル。
本社費は年約 0.9 億ドル、利払い(資本化後)は年約 3.3 億ドル。配当は月次で、今の値段で利回り 約 6.4%(AFFO の約 8 割)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は立地と施設の組み合わせで、病院に隣接する外来医療オフィスは借り手の移転が難しく、更新の継続率が 79%、更新時の賃料が毎年 +4〜5% ずつ上がる。ブルックフィールドが 5.9% の利回りで買ったことは、外来医療の物件の値付けが堅いことを示す。第 2 はラボの重要地点(サウスサンフランシスコ・サンディエゴ)の集積で、経営陣は「サウスサンフランシスコは最も需要が強い」と述べ、トーリーパインズの賃貸済みは 65% から 97%(契約と意向書を含む)へ戻った。第 3 は資本の組み替えの力で、外来医療の売却で資金を作り、返済・自社株買い・高齢者住宅の買収へ回し、純負債/EBITDA を 5.2 倍から 4.7 倍へ下げた。
資本効率は低い。会計の ROE は 1% 台で、AFFO で見ても資産の利回り(約 6.5%)は借金の金利(5〜6%)を少し上回る程度で、レバレッジの効きが薄い。新規のラボの賃貸は手数料・改装費が賃料の 20〜25% かかる。
弱点は 5 つ。第 1 にラボの空室(250 万 sf 超)。2025 年上半期がバイオの需要のピークで、供給が余り、ボストンの Route 128 West は市場全体の空室が約 30%。第 2 に借り手の決断が遅い(3〜9 か月)。第 3 に純負債/EBITDA 4.7 倍は軽くない。第 4 に高齢者住宅を子会社として上場させたため、成長した部分の 26.4% は外部の株主のものになる。第 5 に 2024 年のフィジシャンズ・リアルティとの合併で外来医療を厚くしたが、その相乗効果は利益の数字にまだはっきり出ていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
医療施設の REIT の中でヘルスピークは唯一、ラボを大きく持つ。業界ノートのとおり、高齢者住宅は占有 87%→92% の戻りで運営型の NOI が年 +10〜14% 伸びる領域だが、ラボはオフィス・ラボ領域の循環に近い。ラボは 2021〜22 年のバイオの資金調達ブームで供給が膨らみ、2023 年以降の金利上昇で資金が細り、需要が落ちた。2025 年秋から製薬の買収と資本市場が戻り、新規供給は少なく、一部の建物は他の用途へ転換されている。それでも全体の空室は大きく、ボストンは最も厳しい。
需給の見方:占有は 2025 年末 77.1% から 2026 年 6 月 78.5% へ上がり、年末までさらに少し上がる見込み。サウスサンフランシスコとサンディエゴは強く、ボストンは供給過剰。更新時の賃料は 2025 年通期で +5.0% だが 2025 年 10〜12 月は −1.7% と下がった。ラボの賃料は、ピークから大きく下がった後で、物価(年 +3.5%)に追いつく力は弱い。
外来医療は医療の外来化と高齢化に支えられ、新築が少なく、占有 90〜91%・更新時賃料 +5% で安定。ブルックフィールドとの合弁のように、安定した物件を機関投資家へ売って資金を作る流れが続く。高齢者住宅は新築が少なく占有が戻り、2026 年の同一物件 NOI は +19%。ベンタスとウェルタワーも同じ需要の波に乗る。
金利:10 年国債 5% が続き、借り換えは 5.75% 前後へ置き換わる。ヘルスピークの借金は平均で 4% 前後とすでに高めで、brief.py の推定では利払いの増加は 10 年で約 0.2 億ドルにとどまる。買収が割安になる(経営陣は「今後数年はライフサイエンスの買い手の市場」)一方、売り手が少なく資金コストも高い。
資本政策と M&A
方針は 3 つ。第 1 に外来医療の安定した物件を売って(2026 年は売却・合弁・ローン回収で 17.5 億ドル、7 月以降だけで 10 億ドル超)、返済と成長に回す。第 2 に高齢者住宅の Janus Living を 2026 年 3 月 20 日に NYSE へ上場(公開価格で 4,200 万株・8.4 億ドル、初値は公開価格を 17.5% 上回った)。Healthpeak は 73.6% を持ち続け、外部管理の形で運営を担う。無借金の上場子会社が資金を調達して高齢者住宅を買い、2026 年中に規模を倍にする計画。第 3 に自社株買いで、4 月に約 1 億ドル(590 万株)、7 月に新しい 5 億ドルの枠を承認した。
還元は月次配当が中心で、AFFO の約 8 割。借金は 7 月以降だけで約 10 億ドルを返済し、純負債/EBITDA の目標は 5.5 倍を下回る水準。買収は未成立の大型案件を入れず、成立済みのものだけを筋書きに入れる(Janus の約 10 億ドルの買収を含む)。TOB の対象にするには大きすぎる(時価総額 約 134 億ドル)が、ラボの再編が進めば、借り手の市場を活かして自社が集約役になる可能性があり、それは筋書きに入れていない。
株数の注意:台帳の株数(6.96 億株)は普通株 6.895 億株に近い。FFO は OP・DownREIT ユニットと希薄化を含む 7.045 億株で数えるため、会社全体の持ち分としては 7.045 億株が正しい(差 1.2%)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ラボの空室の山は景気が戻れば消える。2025 年の秋から製薬の買収とバイオの資金調達が戻り、新規供給は建設費と金利で止まり、一部の建物は他の用途へ転換されている。2026 年 4〜6 月期の占有は +80bp で、トーリーパインズの賃貸済みは 65% から 97%(契約と意向書を含む)、サウスサンフランシスコは最も需要が強い。ラボの稼働面積が 903 万 sf から 1,000 万 sf を超え、賃料が物価に追いつけば、NOI は 5.4 億ドルから 10 年で 9〜11 億ドルへ届く。外来医療は更新時賃料 +5% と占有 90.7%、ブルックフィールドとの合弁(5.9% の利回り)で値付けが確かめられた。
さらに Janus Living は同一物件 NOI +19%、収入 +45%。無借金・現金 5.6 億ドルで 2026 年の買収を倍に増やし、利益率は +250bp ずつ上がる。Healthpeak が持つ 73.6% の価値は、ベンタス(約 29 倍)・ウェルタワーなど同じ領域の評価に近づく。経営陣は「今後数年はライフサイエンスの買い手の市場」「24 か月で集約役になる」と話し、バランスシートは純負債/EBITDA 4.7 倍、目標 5.5 倍の下に余力がある。
今の時価総額は AFFO の約 12 倍で、利回り約 8% は物価の 3.5% と国債の 5% を考えても高い。中立でも 10 年後の AFFO は約 1.7 倍、倍率は利益ベースの正当化 PER の内側で 12.3 倍。ラボの空室の山が低くなるだけで、時価総額は 2〜3 倍になる。
慎重な見方
ラボの空室は景気で消えない。2021〜22 年に建てすぎた供給は残り、ボストンの Route 128 West は市場全体の空室が約 30%、ヘルスピークの占有は 78.5% で空室は 250 万 sf を超える。借り手は慎重で、案内から契約まで 3〜9 か月、新規の賃貸は手数料・改装費が賃料の 20〜25%、2025 年 10〜12 月の更新時賃料は −1.7%。2027〜2030 年の賃貸満了は毎年 60 万〜120 万 sf あり、満了のたびに空室へ変わる危険がある。同一物件 NOI は 2026 年 4〜6 月期に −3.2%。資金調達と M&A の回復が続かなければ、空室は積み上がる。さらに AI による創薬の効率化と、金利 5% が続くことによるバイオの資金の細りは、研究者の数と必要な面積を減らす。
外来医療は利回り 5.9% で売れても、7 年後に買い戻す権利の設計が示すように、売却で稼ぎの 49% を手放している。Janus Living の成長は上場子会社が資金を集められる間だけで、株価が下がれば買収が止まり、成長の 26.4% は外部の株主のもの。純負債/EBITDA 4.7 倍は軽くなく、借り換えは 5.75% 前後へ上がる。同じ値段で見るなら、AFFO の 12 倍は高くない。
どちらに重みを置いたか
ラボの空室が定着する危険は、需要の回復の早さ(占有 +80bp)と供給の少なさを考えても無視できない。外来医療と Janus の質は強気の見方が強いが、ラボの空室の山と借金の重さは慎重な見方が強い。そこで確率はベンタス・ウェルタワーより悲観へ寄せた:悲観(ラボの構造的な負けで稼働 63%)17%・やや悲観 25%。中立は 34%。式の価値は今を 8% ほど下回るだけで、結論は「適正」。谷では、10 年の悲観で今の 3 割程度まで下がる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 22.76 ドル160 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 12.98 ドル91 億ドル)。 今の値に割り戻すと 17.43 ドル123 億ドル、今との差 −9.9%、 期待の年率 +6.3%(資本コスト 9.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 41.50 ドル292 億ドル | 15.47 ドル109 億ドル | +194.6% | +11.4% | 3.42 ドル24 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 33.68 ドル237 億ドル | 14.90 ドル105 億ドル | +151.2% | +9.6% | 8.75 ドル62 億ドル |
| 中立 | 34% | 27.20 ドル192 億ドル | 14.34 ドル101 億ドル | +114.8% | +7.9% | 14.12 ドル99 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 16.59 ドル117 億ドル | 12.78 ドル90 億ドル | +51.9% | +4.3% | 7.34 ドル52 億ドル |
| 悲観 | 17% | 4.78 ドル34 億ドル | 7.67 ドル54 億ドル | −35.6% | −4.3% | 2.12 ドル15 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 22.76 ドル160 億ドル | 12.98 ドル91 億ドル | +84.8% | +6.3% | 35.74 ドル252 億ドル |
今の株価時価総額 19.34 ドル136 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:ラボの空室が消え稼働 91%・利益率 72% 利益 24 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 41.50 ドル292 億ドル
ラボの稼働は 91% まで戻り(運営面積 1,300 万 sf、稼働 1,183 万 sf)、賃料は 2028 年以降年 +4.5%(物価に実質 +1%)、利益率は 72%。ラボの NOI は 11.3 億ドルと今の約 2.1 倍。外来医療は更新時賃料が年 +3.8%(NOI 11.8 億ドル)、Janus Living は占有戸数 1.85 万戸・利益率 38%(NOI 9.9 億ドル、100% 連結)。借金は EBITDA の 3 倍台まで下がる。外部持ち分の調整は約 3.7 億ドルへ増え、本社費は 1.2 億ドル。オーナー利益は 23.9 億ドル(今の約 2.2 倍)、10 年で借金も減るので利払いは約 1.5 億ドル。買い手の市場で集約役になる成功は入れていない。 10 年の AFFO(オーナー利益)の累計は約 177 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 46 億ドル(減価償却の累計 151 億ドルを引き、維持の支出の累計 20 億ドルを戻した後)。自己資本は今 75.0 + 累計 − 還元 109.0 で約 12.0 億ドル。 g 4.0%・ROE 28.5%・k 9.50% の式(正当化 PER 14.3 倍)の 8.5 割にあたる 12.22 倍を利益に掛けて、時価総額は約 292 億ドル。
- 外来医療オフィス:数量 36.0(賃貸の面積(百万 sf、連結))× 価格 49(1 sf あたりの年間収入(ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 12 億ドル。賃料 年 +3.8%
- ライフサイエンス研究所(ラボ):数量 11.8(稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有))× 価格 133(稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む))→ 売上 16 億ドル・営業利益 11 億ドル。占有 91.0%・賃料 年 +4.5%
- 高齢者住宅(Janus Living):数量 18.5(占有戸数(千戸、連結 100%))× 価格 140(占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 10 億ドル。占有戸数 18.5 千戸・入居料 年 +4.8%
倍率:2035年のオーナー利益(AFFO 型)23.9 億ドル = GAAP 純利益 7.0 + 減価償却 19.6 − 売却益 0 − 維持の支出 2.6(維持の設備投資・テナント改装費・定額賃料)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 12.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 199% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 23.9 + 借入金利 5.75% × 純負債 98)÷(今の自己資本 75 + 純負債 98)= 17.1%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 28.5%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.0%、正当化 PER は 14.3 倍。 上限は利益 23.9 × 14.3 倍 = 343 億ドル。置いた 12.22 倍は上限の 8.5 割。
確率:ラボが占有 91%・賃料 年 +4.5%、高齢者住宅が倍の規模・外来医療が堅調という全部が重なる必要があるので 6% に置く。
やや楽観 18% やや楽観:占有 88〜89%・利益率 70% 利益 21 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 33.68 ドル237 億ドル
ラボの占有は 88.5%(運営面積 1,280 万 sf、稼働 1,133 万 sf)、賃料は年 +4.0%(2028 年以降)、利益率 70.5%、NOI 10.0 億ドル。外来医療は年 +3.4%(NOI 11.4 億ドル)、Janus は占有戸数 1.68 万戸・利益率 36.5%(NOI 8.3 億ドル)。借り換えは全て 5.75% で、純負債は一定、利払いは約 1.8 億ドル(返済で少し減る)。オーナー利益は 21.0 億ドルで年約 7.5% の伸び。2028 年以降の高齢者住宅の買収は内部留保(年 約 2.5 億ドル)で賄う範囲にとどまる。 10 年の AFFO(オーナー利益)の累計は約 161 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 37 億ドル(減価償却の累計 142 億ドルを引き、維持の支出の累計 19 億ドルを戻した後)。自己資本は今 75.0 + 累計 − 還元 105.0 で約 7.2 億ドル。 g 4.0%・ROE 25.0%・k 9.50% の式(正当化 PER 14.0 倍)の 8.1 割にあたる 11.32 倍を利益に掛けて、時価総額は約 237 億ドル。
- 外来医療オフィス:数量 36.0(賃貸の面積(百万 sf、連結))× 価格 47(1 sf あたりの年間収入(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 11 億ドル。賃料 年 +3.4%
- ライフサイエンス研究所(ラボ):数量 11.3(稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有))× 価格 126(稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 10 億ドル。占有 88.5%・賃料 年 +4.0%
- 高齢者住宅(Janus Living):数量 16.8(占有戸数(千戸、連結 100%))× 価格 135(占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 8 億ドル。占有戸数 16.8 千戸・入居料 年 +4.4%
倍率:2035年のオーナー利益(AFFO 型)21.0 億ドル = GAAP 純利益 5.5 + 減価償却 17.8 − 売却益 0 − 維持の支出 2.4(維持の設備投資・テナント改装費・定額賃料)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 7.2 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 291% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 21.0 + 借入金利 5.75% × 純負債 98)÷(今の自己資本 75 + 純負債 98)= 15.4%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 25.0%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.3%、正当化 PER は 14.0 倍。 上限は利益 21.0 × 14.0 倍 = 293 億ドル。置いた 11.32 倍は上限の 8.1 割。
確率:ラボの回復が 2030 年ごろまでに占有 88〜89% に届き、Janus の成長も続く確率。18% に置く。
中立 34% 中立:占有 86%、賃料は物価に届かず成熟した REIT 利益 18 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 27.20 ドル192 億ドル
ラボの占有は 86%(運営面積 1,250 万 sf、稼働 1,075 万 sf)、賃料は 2028 年まで年 +2%、その後 +3.5%(物価 3.5% に届く)、利益率 68.5%。ラボの NOI は 8.8 億ドルと今の約 1.6 倍。外来医療は更新時賃料 年 +3%・NOI 10.8 億ドル(面積 3,600 万 sf で売買は均衡)。Janus Living は占有戸数 1.5 万戸(占有 92%、年 +2.5% の取得)・利益率 34.5%(NOI 6.8 億ドル、100% 連結)。外部持ち分と本社費で約 4.1 億ドルを引き、オーナー利益は 17.9 億ドル(今の約 1.65 倍、年 約 5.7%)。借り換えは全て 5.75% で、純負債は一定のまま EBITDA の 3 倍台へ下がるが、その余力での買収は価値を足さないと見て入れない。 10 年の AFFO(オーナー利益)の累計は約 144 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 28 億ドル(減価償却の累計 134 億ドルを引き、維持の支出の累計 18 億ドルを戻した後)。自己資本は今 75.0 + 累計 − 還元 101.0 で約 2.4 億ドル。 g 4.0%・ROE 21.5%・k 9.50% の式(正当化 PER 13.5 倍)の 7.9 割にあたる 10.68 倍を利益に掛けて、時価総額は約 192 億ドル。
- 外来医療オフィス:数量 36.0(賃貸の面積(百万 sf、連結))× 価格 46(1 sf あたりの年間収入(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 11 億ドル。賃料 年 +3.0%
- ライフサイエンス研究所(ラボ):数量 10.8(稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有))× 価格 119(稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 9 億ドル。占有 86.0%・賃料 年 +3.5%
- 高齢者住宅(Janus Living):数量 15.0(占有戸数(千戸、連結 100%))× 価格 130(占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 7 億ドル。占有戸数 15.0 千戸・入居料 年 +4.0%
倍率:2035年のオーナー利益(AFFO 型)17.9 億ドル = GAAP 純利益 4.0 + 減価償却 16.1 − 売却益 0 − 維持の支出 2.1(維持の設備投資・テナント改装費・定額賃料)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 2.4 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 748% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 17.9 + 借入金利 5.75% × 純負債 98)÷(今の自己資本 75 + 純負債 98)= 13.6%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 21.5%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 15.5%、正当化 PER は 13.5 倍。 上限は利益 17.9 × 13.5 倍 = 242 億ドル。置いた 10.68 倍は上限の 7.9 割。
確率:ラボが 2030 年ごろまでに占有 86% へ戻るのが最も素直な置き方で、業界ノートの中立(占有の戻り)に沿う。ただしラボは回復が遅れる前提で、34% に置く(ベンタスの 35% と同程度)。
やや悲観 25% やや悲観:稼働 81%、ボストンの山が残り賃料は物価に負ける 利益 14 億ドル · PER 8.4 倍 · 株価時価総額 16.59 ドル117 億ドル
ラボの稼働は 81%(運営面積 1,220 万 sf、稼働 988 万 sf)、賃料は 2028 年以降年 +2.5%、利益率 65.5%。ラボの NOI は 6.9 億ドルと今の約 1.3 倍にとどまる。外来医療は面積 3,550 万 sf・賃料 年 +2.5%・NOI 10.0 億ドル(借金を返すための追加の売却で面積が減る)。Janus Living は占有戸数 1.35 万戸・利益率 31%(NOI 5.2 億ドル)で、成長は外部の株主の資金に頼れず内部留保だけ。純負債は 5 億ドル増え、利払いは約 2.6 億ドル。減損 約 8 億ドル。オーナー利益は 14.0 億ドルで年 約 2.8%、物価に届かない。 10 年の AFFO(オーナー利益)の累計は約 122 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 7 億ドル(減価償却の累計 123 億ドルを引き、維持の支出の累計 16 億ドルを戻した後、減損 8.0 億ドル(2026 年 4〜6 月期に計上済みの約 2.3 億ドルを含む)を含む)。自己資本は今 75.0 + 累計 − 還元 90.0 で約 -7.5 億ドル。 g 4.0%・ROE 16.9%・k 9.50% の式(正当化 PER 12.7 倍)の 6.6 割にあたる 8.36 倍を利益に掛けて、時価総額は約 117 億ドル。
- 外来医療オフィス:数量 35.5(賃貸の面積(百万 sf、連結))× 価格 44(1 sf あたりの年間収入(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 10 億ドル。賃料 年 +2.5%
- ライフサイエンス研究所(ラボ):数量 9.9(稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有))× 価格 107(稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む))→ 売上 11 億ドル・営業利益 7 億ドル。占有 81.0%・賃料 年 +2.5%
- 高齢者住宅(Janus Living):数量 13.5(占有戸数(千戸、連結 100%))× 価格 124(占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 5 億ドル。占有戸数 13.5 千戸・入居料 年 +3.5%
倍率:2035年のオーナー利益(AFFO 型)14.0 億ドル = GAAP 純利益 1.7 + 減価償却 14.2 − 売却益 0 − 維持の支出 1.9(維持の設備投資・テナント改装費・定額賃料)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -7.5 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 14.0 + 借入金利 5.75% × 純負債 98)÷(今の自己資本 75 + 純負債 98)= 11.3%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 16.9%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.2%、正当化 PER は 12.7 倍。 上限は利益 14.0 × 12.7 倍 = 177 億ドル。置いた 8.36 倍は上限の 6.6 割。
確率:ボストンの供給過剰が残り、ラボの稼働が 81% にとどまり賃料が年 +2.5%(物価に実質 −1%)にとどまる確率。ラボの需要が 2030 年代もバイオの資金に縛られる場合を含め 25% に置く。ベンタス・ウェルタワーの 20% より厚い。
悲観 17% 悲観:ラボの稼働 63%、構造的に負け優良ではなくなる 利益 5 億ドル · PER 7.2 倍 · 株価時価総額 4.78 ドル34 億ドル
ラボの空室の山が定着し、稼働は 63%(運営面積 1,050 万 sf、稼働 662 万 sf)、賃料は 2026 年から 9 年で名目 −7%(物価に実質 −30%)、利益率 50%。ラボの NOI は 2.8 億ドルと今の半分。借金を返すために外来医療の物件を追加で売り(面積 3,200 万 sf)、賃料も年 +0.5% にとどまり利益率 60%(NOI 7.0 億ドル)。Janus Living も占有 1.1 万戸・利益率 24%(NOI 2.9 億ドル)で成長が止まる。純負債は 25 億ドル増え、借り換えは 7.5% 前後へ上がり、利払いは約 3.9 億ドル。配当は大きく減り、減損 約 30 億ドルで自己資本はマイナス。オーナー利益は 4.7 億ドルと今の 4 割台、もう優良とは言えない。 10 年の AFFO(オーナー利益)の累計は約 68 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 -50 億ドル(減価償却の累計 102 億ドルを引き、維持の支出の累計 13 億ドルを戻した後、減損 30.0 億ドル(2026 年 4〜6 月期に計上済みの約 2.3 億ドルを含む)を含む)。自己資本は今 75.0 + 累計 − 還元 54.0 で約 -29.3 億ドル。 ROE 6.2% が k 9.50% 以下なので、倍率の上限は 1÷k の 10.5 倍。その 6.8 割の 7.15 倍を利益に掛けて、時価総額は約 34 億ドル。
- 外来医療オフィス:数量 32.0(賃貸の面積(百万 sf、連結))× 価格 36(1 sf あたりの年間収入(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 7 億ドル。賃料 年 +0.5%
- ライフサイエンス研究所(ラボ):数量 6.6(稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有))× 価格 84(稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む))→ 売上 6 億ドル・営業利益 3 億ドル。占有 63.0%・賃料 年 -0.5%
- 高齢者住宅(Janus Living):数量 11.0(占有戸数(千戸、連結 100%))× 価格 111(占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。占有戸数 11.0 千戸・入居料 年 +2.0%
倍率:2035年のオーナー利益(AFFO 型)4.7 億ドル = GAAP 純利益 -4.1 + 減価償却 10.1 − 売却益 0 − 維持の支出 1.3(維持の設備投資・テナント改装費・定額賃料)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -29.3 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 4.7 + 借入金利 5.75% × 純負債 98)÷(今の自己資本 75 + 純負債 98)= 6.0%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 6.2%。 ROE 6.2% が k 9.50% 以下なので、PER は 1÷k = 10.5 倍まで(ためた利益は額面未満の価値)。 上限は利益 4.7 × 10.5 倍 = 50 億ドル。置いた 7.15 倍は上限の 6.8 割。
確率:バイオの資金の細り・AI 創薬による研究者数の減・ボストンの供給過剰が重なり、ラボの空室の山が定着して稼働が 63% に落ちる確率を 17% に置く(ベンタスの悲観 13%、ウェルタワー 12% より厚い)。ラボが NOI の約 3 分の 1 を占める会社だから、この確率を厚くする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
外来医療オフィス
病院の敷地や近くの医療オフィスを医師・病院系列に貸す賃貸物件。更新時賃料の自動上昇で伸びる。
| 数量賃貸の面積(百万 sf、連結) | 価格1 sf あたりの年間収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 36.0 | 35 | 13 | 8 |
| 10 年後 中立 | 36.0 | 46 | 17 | 11 |
取り方:2025 年 10〜12 月期の外来医療の現金不動産収入 3.14 億ドルを年に直した 12.5 億ドルを面積 3,648 万 sf で割った 1 sf 約 34.4 ドルに、2026 年の更新時賃料(+2〜3%)を乗せ約 35.1 ドル。面積は 2025 年末 3,648 万 sf から売却(約 60 万 sf)を引いた約 3,600 万 sf(ブルックフィールドとの合弁は連結のまま 100% で数え、49% の持ち分は調整で引く)。NOI は同期の 2.04 億ドルの年率(利益率 65.2%)。fy は basis の表記に合わせ 2025/12 とするが、値は 2026 年の水準。
ライフサイエンス研究所(ラボ)
製薬・バイオの研究施設を貸す賃貸物件。バイオの資金調達と景気で占有と賃料が動く。
| 数量稼働面積(百万 sf = 運営中の面積 × 占有) | 価格稼働 1 sf あたりの年間収入(ドル、費用の回収を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9.0 | 90 | 8 | 5 |
| 10 年後 中立 | 10.8 | 119 | 13 | 9 |
取り方:運営中の面積 約 1,150 万 sf(2025 年末 1,141 万 sf に開発の完工を足し売却を引いた推定)× 占有 78.5%(2026 年 6 月)= 稼働 903 万 sf。2025 年 10〜12 月期のラボ収入 2.07 億ドルの年率 8.27 億ドルを稼働面積(運営中 1,141 万 sf × 占有 約 79%)約 900 万 sf で割った 1 sf 約 92 ドルから、2026 年の同一物件 NOI の案内(−10〜−5%、のち改善)に沿って約 90 ドルに置いた。NOI は同期 1.40 億ドルの年率 5.6 億ドルから 5.4 億ドル(利益率 約 66%)。開発・再開発 143 万 sf と用地は収益を生まない投資として別(筋書きでは完工分だけ面積に入れる)。
高齢者住宅(Janus Living)
介護付き・自立型・生涯居住型の高齢者住宅。占有と入居料で決まり、2026 年 3 月に上場した Janus Living が持つ(持ち分 73.6%)。
| 数量占有戸数(千戸、連結 100%) | 価格占有 1 戸あたりの年間収入(千ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.2 | 91 | 11 | 3 |
| 10 年後 中立 | 15.0 | 130 | 20 | 7 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の高齢者住宅の収入 2.16 億ドルの年率 8.66 億ドルを、期中の総戸数 約 1.06 万戸(ライフプラン 7,067 戸 + 運営型 3,355 戸 + 取得分、推定)× 占有 約 85% = 約 9,000 戸で割った約 96 千ドルが 1 戸の年収。7〜8 月に取得した約 10 億ドル(1 戸 25 万ドルとして約 4,000 戸、占有 80%、1 戸の年収 75 千ドルの推定)を足し、占有 約 12,200 戸・平均 約 90.7 千ドル、収入 約 11.1 億ドル。NOI は 4〜6 月期の利益率(0.58 ÷ 2.16 = 27%)に取得分の高さを少し足した約 27.5%。100% 連結で数え、26.4% の外部持ち分は調整で引く。
リスクと懸念
ラボの空室の山が消えない
運営中の面積 1,150 万 sf に対し空室は 250 万 sf 超(占有 78.5%)。ボストンは供給過剰で、2027〜2030 年の賃貸満了は毎年 60 万〜120 万 sf(年換算賃料 0.3〜0.9 億ドル)。満了が空室に変われば占有は 70% 前後へ戻る。確率は 10 年のやや悲観と悲観の合計で 42% に厚く置いた。
バイオの資金調達と創薬の変化
ラボの需要は製薬・バイオの資金と研究の人数で決まる。国債 5% が続くとバイオの資金は細りやすく、AI による創薬は研究者 1 人あたりの面積を減らす可能性がある。借り手の決断は案内から契約まで 3〜9 か月かかる。
借金の重さと借り換え
純負債は約 84 億ドル(EBITDA の 4.7 倍)。借り換えは 5.75% 前後へ置き換わるが、すでに平均は高めで推定は 10 年で約 0.2 億ドルの利払いの増加にとどまる。ただし谷では 6 倍台へ上がり、配当の一部減と、安定した物件を安く売る圧力になる。
Janus Living の外部持ち分
高齢者住宅の成長は上場子会社の 26.4% の外部株主と分け合う。Janus の株価が下がれば新株の発行が止まり、買収が止まる。外部管理の形(Healthpeak の関連会社が運営)で利益相反の懸念も残る。
外来医療の売却と借り手の動き
ブルックフィールドへ 49% を売ったことで稼ぎの一部を手放した。7 年目以降の買い戻しの権利は資金の拘束になる。病院・医療システムの再編や遠隔医療の拡大が借り手の面積需要を減らす危険、メディケアの償還削減の影響もある。
買収・統合の失敗
2024 年のフィジシャンズ・リアルティとの合併の相乗効果はまだ数字に出きっていない。ラボの買収(サウスサンフランシスコのゲートウェイ・クロッシング 141 万 sf を占有 63% で約 6 億ドル)は空室の山をさらに積む危険と回復の賭けの両方を持つ。
今後の分かれ目
- 2027 年にラボの占有が 82% を超え、更新時の賃料が前年を上回ったら
- やや楽観・楽観の確率を上げる。10 年の中立の AFFO(約 17.9 億ドル)を 1 割上げて見る。
- ラボの占有が 2 年続けて 77% を下回り、同一物件 NOI が 2 桁の減少になったら
- やや悲観・悲観の確率を上げ、外来医療の売却で借金を返す前提で見直す。
- ボストンの市場空室が 30% を超えて上がり、ヘルスピークの空室(今 11%)が 2 倍に近づいたら
- ラボの賃料の伸びを物価から 2〜3pt 下げ、稼働を 3〜5pt 下げて見る。
- Janus Living の株価が資本コストを下回る水準へ落ち、新株の発行や買収が止まったら
- 高齢者住宅の成長が内部留保だけに戻り、中立の占有戸数(13,600 戸→15,000 戸)を 1 割下げて見る。
- 純負債/EBITDA が 5.5 倍を超えたら
- 配当の一部減と、外来医療の追加の売却を前提に、倍率を 1〜2 倍下げて見る。
- 経営陣がラボの買収(集約)を始めたら
- 買い手の市場で価値を足すか、空室の山を増やすかを、買う利回りと占有で見分ける。利回りが 7% を下回り占有が低ければ中立の確率を下げる。
見ておくもの
- ラボの占有(今 78.5%)と同一物件 NOI、新規の賃貸 sf、更新時の賃料
- ボストン・サウスサンフランシスコ・サンディエゴの市場の空室と、バイオの資金調達・製薬の買収
- 純負債/EBITDA(4.7 倍)と借り換えの金利、配当と AFFO の割合
- Janus Living の占有・同一物件 NOI・株価の水準と買収の利回り
- 外来医療の占有(90.7%)と更新時の賃料、ブルックフィールド合弁の動き
- 2027〜2030 年のラボの賃貸満了と更新率
倍率と資本コストの決め方
今の P/AFFO 約 12 倍を見る前に、外来医療・ラボ・高齢者住宅の数量 × 価格 × NOI 利益率を積み上げた。利益はオーナー利益(GAAP 純利益 + 減価償却 − 売却益 − 維持の支出。会社の AFFO から株式報酬を引いた値と一致)で、調整後の数字は使っていない。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)÷(k − g) の 7〜10 割。k は 9.5%(基本 8% + quality +1.5%)、moat は普通、g は 4.0%。自己資本は 今 + GAAP の累計 − 還元 で流れ、10 年後は痩せて帳簿の ROE が 40% を超えるので ROIC の式で ROE を出した。中立の 10 年は上限 18.2 倍の 7 割で 12.8 倍。台帳の株数 6.96 億と OP ユニット込み 7.045 億の差は 1.2%。今の値段には寄せていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。
同じ業種(不動産)の AI 分析
読んだ資料
- ヘルスピーク 2026 年 4〜6 月期 決算資料(8-K)
- ヘルスピーク 2026 年 4〜6 月期 決算の発表(概要)
- ヘルスピーク 2025 年 10〜12 月期の決算と戦略の更新(Janus Living の上場計画)
- ヘルスピーク 補足資料 2025 年 12 月 31 日(面積・賃貸満了・2026 年の案内)
- ヘルスピーク 2026 年 4〜6 月期 決算説明会の記録(モトリーフール)
- ヘルスピーク 決算説明会の要約(ヤフーファイナンス)
- Janus Living の上場(公開価格 20 ドル・8.4 億ドル)ルネサンス・キャピタル
- Janus Living の上場(時価 59 億ドルで取引開始)シニアズ・ハウジング・ビジネス