結論
リアルティ・インカム(Realty Income)は、小売・工業・ゲーミングの物件約 1.56 万件を約 1,800 社の借り手に貸す、世界最大のネットリース REIT である(占有 98.8%、欧州が収入の 20.5%)。借り手が税・保険・修繕を負担する 10〜20 年の長期契約で、賃料は固定の上げ幅(年 1〜2%)で増える。2026 年の AFFO は 1 株で年 4% 強の伸びを見込み、投資額の見通しは過去最大の 100 億ドルに上げられた。
事業の質は高い。A3・A-・A の格付けで資金コストが競合より低く、残り 8.6 年の長い契約と業種・借り手の分散(最大の借り手でも収入の 3.3%)で賃料が崩れにくい。ただし賃料の上げ幅は物価(3.5%)に追いつかず、成長は買収で作る。取得利回り 7.3% と借金 5.75% の差は小さく、増資を続けるので、会社全体の AFFO が年 7% で増えても 1 株の伸びは年 3.5〜4% にとどまる。
バリュー投資の観点では、強さの大半はすでに値段に入っている。資本コストは基本 8% + quality +0.0%(景気循環 −0.5%・負債 +0.5%)= 8.0%。オーナー利益(会社の AFFO から株式報酬・借金の割引償却などの足し戻しを除いた約 40 億ドル)に対し時価総額 531 億ドルは約 13 倍で、利益ベースの正当化 PER の上限は約 15.9 倍。中立はその 7.9 割の 12.5 倍に置いた。筋書きの確率の加重で価値は今の値段を約 3% 下回り、「適正」とみる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後も存在するかを問う。答えは、はい。必需の小売と工業の物件を長い契約で貸す事業は、景気後退でも占有が崩れず、コロナでも配当を守った。ただし堀は「資金の安さと分散」で、物件や借り手を縛る力ではない。10 年後も強いが、今より強くなる保証はなく、競合の資金流入で取得利回りが下がれば、成長の旨みは薄れる。
次にオーナー利益を見る。2026 年のオーナー利益は約 40 億ドル(会社の AFFO 約 42 億ドルから株式報酬などを引いた値。建物の維持は借り手が負担するので、償却を戻しても引く設備投資はほとんどない)で、配当は約 31 億ドル。残りの約 9 億ドルでは物件の取得を賄いきれず、毎年 90〜100 億ドル規模の買収のうち半分以上を増資と借金で調達する。株主の手元に残る利益は、増資の分を差し引くと配当の約 1 割しかなく、会社全体の AFFO の伸び(年 7%)が 1 株では年 3.5〜4% に薄まる。
資本配分は、A 格を守りつつ買収の利回りが調達コスト(約 7〜8%)を上回る範囲で行えば価値を壊さない。ただし株価が割安に見える局面の増資は値打ちを減らす。
安全域は薄い。中立の倍率は 12.5 倍で、今の約 13 倍を少し下回る(今の値段は利益 40 億ドルの約 13 倍)。楽観の 10 年で今の 2.6 倍、悲観の 10 年で時価総額は今の約 6 割(還元を足しても約 10 割)で、下値はそれほど堅くない。わかる事業なので確信度は高いが、価格に余裕は大きくない。
何で稼ぐ会社か
収益の中心は、米国と欧州の約 1.56 万件のネットリース(トリプルネット)物件の賃料である。ABR(年換算の基本賃料)の構成は小売 78.3%・工業 16.2%・ゲーミング 3.1%・その他 2.4%、地域は米国 79.5%・英国 15.0%・欧州大陸 5.5%。借り手は約 1,800 社・92 業種で、最大のダラー・ジェネラルでも 3.3%、上位 20 社で 34.8%。契約は 10〜20 年と長く、年 1〜2% の固定の上げ幅がつく。再契約の賃料は直前の 102.7%、占有は 98.8%(2026 年 6 月末)。同一物件の賃料の伸びは 1.2% で、物価より低い。
数量は賃貸中の面積(約 4 億平方フィートと推定)、価格は 1 平方フィートあたりの収入(約 14 ドル)である。成長の手段は 3 つ。第 1 に買収で、2026 年の投資は 100 億ドル(4〜6 月期は 26 億ドル、持ち分比例 21 億ドル、初年度の現金利回り 7.3%)。第 2 に信用投資(貸付 34 億ドルで利回り 8.6%、優先出資 15 億ドルで 7.7%)、データセンターの合弁(最大 14 億ドルを出して持ち分 45%)。第 3 に私募ファンドの運用報酬で、第三者の運用資産は 35 億ドル。アポロは約 500 物件の合弁に 10 億ドルを出し、GIC は米国のコアプラスファンドの中核の出資者になった。
純利益は減価償却で小さく(2025 年 11 億ドル、ROE 2.7%)、見る利益は AFFO(償却を戻した現金の利益。2026 年上期 20.8 億ドル)である。株式報酬(約 0.8 億ドル)を引いた正味 AFFO で価値を測る。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は資金の安さで、格付け A3・A-・A はネットリースで最上位に近く、無担保債・ユーロ債・私募ファンド・ATM(市場での増資)を使い分けて資金を集められる。競合の NNN(ナショナル・リテール・プロパティーズ)やアグリー・リアルティ、W・P・ケアリーは取得利回り 7.2〜7.5% で O と同じ土俵だが、規模の差で調達の幅が違う。第 2 は分散で、1.56 万件・1,800 社・92 業種・米欧と、最大の借り手でも収入の 3.3%。テナントが破産してもほかで埋める力がある(再契約の賃料 102.7%)。第 3 は買収の目利きと取引の流れで、年 100 億ドル規模の物件を継続して見られる市場の位置。
弱い所は賃料の伸びで、固定上げ幅は年 1〜2%(欧州の一部は物価連動)と物価に追いつかず、実質では毎年目減りする。堀は広がらず、成長は外部の資金頼みで、新しい自己資本の利益率は 8% 台(資本コスト 8.00% をわずかに上回る程度)。借金は純有利子負債が時価総額の約 6 割で、借り換えで平均金利が 3.8% から 5.75% に上がる。
資本効率:帳簿の ROE 2.7% は減価償却の見かけで、AFFO ベースの ROE は約 10%。倍率の上限は、筋書きの正味 AFFO を自己資本で割った帳簿の ROE(10〜15%)で決めた。新しく入れる自己資本あたりの追加の正味 AFFO は約 8.4%(2029〜35 年の中立)で、これが帳簿の値より低いので、上限の 7.8 割に置いた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ネットリース市場は米国だけで数千億ドル規模の物件が年 500〜600 億ドルほど取引される(推定)。小売(ドラッグストア・ディスカウント・コンビニ・自動車用品)と工業・物流が中心で、買い手は O・NNN・アグリー・W・P・ケアリー・ヴィシ・プロパティーズ(VICI)など。2022 年からの金利上昇で取引は凍りついたが、2026 年は回復し、O の取得利回り 7.3%・NNN 7.3%・W・P・ケアリー 7.2〜7.5% と各社そろう。競争が増えれば利回りは下がる(資金が不動産に戻り、キャップレートが締まる)のが論点。
小売の空室は米国全体で 5.7%、新築は極端に少ないので、必需の業態の店舗は埋まりやすい。一方で、薬局(ウォルグリーン)・映画館・ホームファニシングなど弱い業態の閉店は続き、O でも売却と再賃貸で毎年処理する(2026 年上期の処分 3.5 億ドル、利回り 7.8%)。EC は食品・ディスカウント・サービス(理髪・ジム・自動車整備)をほとんど代替できない。
構造の変化は 3 つ。第 1 に金利 5% の世界で、買収の利回りと借金の金利の差が小さくなり、資本の安さが決め手になる。第 2 に欧州(英国が中心)の買収で、取得利回りが高めで分散にもなる。第 3 に信用投資・データセンターなど周辺の事業が増え、純粋なネットリースの会社ではなくなる。景気後退では、コロナの時(2020 年)の株価は −36% で、占有は 98% 台で崩れなかった。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、年換算の配当は 2026 年に約 31 億ドル(AFFO の約 73%)。月次配当を 100 回以上続けて増やす点が個人の資金を集める。自社株買いはほとんどなく、むしろ増資で資金を作る。株数は 2025 年末の 9.34 億株から 2026 年 6 月末の 9.46 億株へ増え、先渡しの未決済が 2,110 万株ある。そのため payout_oku は配当から増資の払い込みを引いた正味で書く(増資を続ける REIT の扱い)。
借金は純有利子 304 億ドル、純負債÷EBITDAre 5.4 倍(目標 5.5 倍)。平均金利 3.8%・平均残存 5.1 年で、満期は 2026 年 24 億・2027 年 39 億・2028 年 38 億・2029 年 44 億ドルと毎年続き、借り換えで 5.75% になる分で 10 年に約 5 億ドルの利払い増。
M&A は 2024 年のスピリット・リアルティの買収(株式交換)が最大で、O は規模を作って A 格を保った。今後は物件単位の買収と、信用投資・データセンターの合弁・私募ファンドで資本を広げる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
O は規模・格付け・分散のすべてで競合より上にいる。A3・A-・A の格付けで借金の新規金利は競合より低く、同じ取得利回り 7.3% でも利ざやが厚い。2026 年上期は AFFO が 1 株で 5.2% 伸び、通期見通しを引き上げ、投資額の見通しも 95 億ドルから 100 億ドルに上げた。
信用投資(利回り 8.6%)・データセンターの合弁・私募ファンドの報酬は、単なるネットリースを超える利益の柱で、収入の 1 割に育ちうる。欧州は取得利回りが高く、契約には物価連動もある。借り手 1,800 社で最大でも 3.3% なので、破産が相次いでも全体は崩れず、再契約の賃料は 102.7%。
10 年で買収を年 1,000 億ドルを超える規模まで伸ばし、1 株の AFFO を年 4.5% 伸ばす道筋が見える。配当も年 4% 近く伸び、月次配当の実績が続く。倍率は今の約 13 倍を超えて 16 倍台まで上がる。
慎重な見方
買収で伸びる会社は、利回りと資金コストの差が全てだが、その差が小さい。取得利回り 7.3% に対し、借金は 5.75%(借り換え)、株の資本コストは 8.00%。資金の 4 割強を借金、残りを増資で賄うと、追加の正味 AFFO は新しい自己資本の 8% 台にしかならず、資本コストをわずかに上回るだけで、増資のたびに 1 株の伸びが薄まる。会社全体の AFFO が年 7% で増えても、1 株では年 3.5% 前後。10 年で増資が約 350 億ドルに上り、配当約 430 億ドルの 8 割を増資で戻す形になる。
賃料の上げ幅は年 1.2% で物価の 3.5% に届かず、実質で毎年目減りする。同じネットリースの NNN・アグリー・W・P・ケアリーも取得利回りは 7.2〜7.5% で同じ。資金が戻れば利回りが下がり、O の優位は縮む。借り換えで平均金利が 3.8% から 5.75% に上がり、10 年で約 5 億ドルの利払い増。弱い業態(薬局・映画館・ホームファニシング)の閉店は続く。
中立の倍率は 12.5 倍で、今の約 13 倍を少し下回る。値段は成長を織り込み済みで、期待の年率は約 7.3%。
どちらに重みを置いたか
強気の主張(規模・A 格の資金コスト・分散・信用投資の拡大)は事実の裏付けが厚く、確率を楽観側にやや寄せた。慎重な主張(利ざやの薄さ・増資による 1 株の伸びの鈍り・物価に届かない賃料)は、帳簿の ROE から出した正当化 PER の 6.5〜9.5 割に置くことで価値に反映した。確率は 楽観 12%・やや楽観 26%・中立 34%・やや悲観 18%・悲観 10% で、悲観を 1 割・やや悲観を 2 割弱に厚めに置いた。利益を株主の手に残るオーナー利益に揃えた結果、価値は今の値段を約 3% 下回り、強気と慎重の中間で適正になった。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 104.10 ドル948 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 9.22 ドル84 億ドル)。 今の値に割り戻すと 54.49 ドル496 億ドル、今との差 −4.5%、 期待の年率 +7.1%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 147.87 ドル1,347 億ドル | 2.09 ドル19 億ドル | +162.8% | +10.1% | 17.99 ドル164 億ドル |
| やや楽観 | 26% | 124.59 ドル1,135 億ドル | 5.27 ドル48 億ドル | +127.6% | +8.6% | 33.76 ドル308 億ドル |
| 中立 | 34% | 104.96 ドル956 億ドル | 8.56 ドル78 億ドル | +99.0% | +7.1% | 38.60 ドル352 億ドル |
| やや悲観 | 18% | 82.33 ドル750 億ドル | 15.37 ドル140 億ドル | +71.2% | +5.5% | 17.58 ドル160 億ドル |
| 悲観 | 10% | 34.60 ドル315 億ドル | 19.21 ドル175 億ドル | −5.7% | −0.6% | 5.38 ドル49 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 104.10 ドル948 億ドル | 9.22 ドル84 億ドル | +98.6% | +7.1% | 113.32 ドル1,032 億ドル |
今の株価時価総額 57.06 ドル520 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:A 格と私募ファンドで 10 年買収を伸ばし、欧州・信用が第二の柱になる 利益 95 億ドル · PER 14.2 倍 · 株価時価総額 147.87 ドル1,347 億ドル
2035 年、買収は年 1,400 億ドルに達し(市場の伸び 名目 3.5% + シェア拡大 1.5%)、累計で 10 年に約 1 兆ドル。ネットリースの借り手 1,800 社超から、欧州(収入の約 26%)・信用投資・データセンター・私募ファンドの報酬が加わり、収入は約 1,680 億ドル。賃料の固定上げ幅は年 1.8% と物価(3.5%)より低く、価格は 10 年で実質 −20% 弱だが、面積と件数が収入を支える。借り換えは全て約 5.75% で利払いは約 5 億ドル増。AFFO(株式報酬を引いた値) は約 97 億ドル(2026 年の 2.4 倍、2025 年から年 +10%)。増資は 10 年で約 470 億ドルで、1 株の AFFO は年 4.5% 前後。競合の NNN・アグリー・W・P・ケアリーとの差は広がり、規模と A 格で資金コストが最も低い会社として残る。 オーナー利益は、会社の AFFO の道筋から株式報酬のほか借金の割引償却・合併費用の足し戻し分(年 約 0.8 億ドル)を引いた約 95 億ドル。GAAP 純利益の累計は約 150 億ドル(10 年の減価償却と減損を引いた後。2025 年の GAAP 純利益は FFO の約 3 割)。 g 4.0%・ROE 14.6%・k 8.00% の式(正当化 PER 16.2 倍)の 8.8 割にあたる 14.15 倍を利益に掛けて、時価総額は約 1347 億ドル。
- 米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース:数量 617(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 17(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収))→ 売上 106 億ドル・営業利益 62 億ドル。買収で面積が倍増
- 欧州(英国・欧州大陸)のネットリース:数量 265(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 16(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 44 億ドル・営業利益 26 億ドル。欧州が収入の約 26%
- 信用投資・データセンター・私募ファンド:数量 201(運用・投資の残高(億ドル))× 価格 0.09(残高あたりの収益率)→ 売上 19 億ドル・営業利益 14 億ドル。信用・データセンター・ファンドが育つ
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 10.6 + 不動産の減価償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 合弁・持ち分の調整 0.2 = FFO 38.6 億ドル、ここから賃料の見かけの増分(定額法の賃料 −1.7)と買収した契約の償却の戻し(+0.5)、テナント改装・仲介費(−0.1。ネットリースは建物の維持を借り手が負担するので小さい)を加減し、貸倒引当の非現金分(+0.4。損失は筋書きと確率で見る)を戻して 37.7 億ドル。会社の AFFO 38.9 億ドルとの差 1.2 は、株式報酬 0.3・借金の割引償却 0.5・合併や取引の費用 0.4 を会社が足し戻している分で、ここでは足し戻さない。各筋書きの net_oku は、会社の AFFO の道筋からこの差(2026 年で株式報酬は引き済み、残りの約 0.8 億ドル、約 2%)を引いた値。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 95.2 ÷ 自己資本 651.0 = 14.6%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.3%、正当化 PER は 16.2 倍。 上限は利益 95.2 × 16.2 倍 = 1538 億ドル。置いた 14.15 倍は上限の 8.8 割。
確率:年 950 億ドルから始めて毎年 5% 増やし、利回り 7.3% を 10 年保つ確率を 12% に置く。取引市場が今より大きくならなければ届かず、資本の流入での利回り低下が最大の障害。
やや楽観 26% やや楽観:買収は市場並みより少し上、1 株の AFFO は年 4% 台 利益 85 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 124.59 ドル1,135 億ドル
2035 年、買収は年 1,160 億ドル、取得利回りは 7.1%。収入は約 1,500 億ドルで、欧州は約 24%。賃料の固定上げ幅は年 1.5%。占有は 98% 前後で、ダラー・ジェネラルなど生活必需の借り手が中心のまま。ゲーミング(VICI との競合)や工業施設も増える。借り換えは全て約 5.75%。AFFO(株式報酬を引いた値) は約 87 億ドル(2025 年から年 +8.6%)。増資は 10 年で約 410 億ドル。1 株の AFFO は年 4% 前後で、配当は年 3.5〜4% 伸びる。堀は広がらないが狭まりもせず、資金力が成長を支える成熟した会社になる。 オーナー利益は、会社の AFFO の道筋から株式報酬のほか借金の割引償却・合併費用の足し戻し分(年 約 0.8 億ドル)を引いた約 85 億ドル。GAAP 純利益の累計は約 141 億ドル(10 年の減価償却と減損を引いた後。2025 年の GAAP 純利益は FFO の約 3 割)。 g 4.0%・ROE 14.3%・k 8.00% の式(正当化 PER 16.0 倍)の 8.3 割にあたる 13.29 倍を利益に掛けて、時価総額は約 1135 億ドル。
- 米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース:数量 596(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 17(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収))→ 売上 99 億ドル・営業利益 58 億ドル。買収で面積が増える
- 欧州(英国・欧州大陸)のネットリース:数量 226(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 16(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 36 億ドル・営業利益 21 億ドル。欧州が収入の約 24%
- 信用投資・データセンター・私募ファンド:数量 167(運用・投資の残高(億ドル))× 価格 0.09(残高あたりの収益率)→ 売上 15 億ドル・営業利益 11 億ドル。信用投資が増える
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 10.6 + 不動産の減価償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 合弁・持ち分の調整 0.2 = FFO 38.6 億ドル、ここから賃料の見かけの増分(定額法の賃料 −1.7)と買収した契約の償却の戻し(+0.5)、テナント改装・仲介費(−0.1。ネットリースは建物の維持を借り手が負担するので小さい)を加減し、貸倒引当の非現金分(+0.4。損失は筋書きと確率で見る)を戻して 37.7 億ドル。会社の AFFO 38.9 億ドルとの差 1.2 は、株式報酬 0.3・借金の割引償却 0.5・合併や取引の費用 0.4 を会社が足し戻している分で、ここでは足し戻さない。各筋書きの net_oku は、会社の AFFO の道筋からこの差(2026 年で株式報酬は引き済み、残りの約 0.8 億ドル、約 2%)を引いた値。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 85.4 ÷ 自己資本 598.0 = 14.3%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.1%、正当化 PER は 16.0 倍。 上限は利益 85.4 × 16.0 倍 = 1368 億ドル。置いた 13.29 倍は上限の 8.3 割。
確率:資金コストの優位が続き、年 850 億ドルから毎年 4% 増える買収が 10 年続く確率を 26% に置く。
中立 34% 中立:買収は市場並み、利回りは 6.9%、1 株の伸びは年 3.5% 前後 利益 77 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 104.96 ドル956 億ドル
2035 年、買収は年 950 億ドル(市場の名目の伸び 3% 前後)、取得利回りは 6.9%。同一物件の賃料は年 1.2% で、価格は 10 年で物価の 1.41 倍に対し 1.13 倍と実質 −20%。面積と件数が増えて収入は約 1,345 億ドル(2025 年の 2.3 倍)。欧州は約 23%、信用投資・データセンター・ファンドが約 9%。借り換えは全て 5.75% で利払いは約 5 億ドル増える。AFFO(株式報酬を引いた値) は約 78 億ドル(2025 年から年 +7.5%)。増資は 10 年で約 350 億ドル、純負債は 600 億ドル。配当は年 3〜3.5% の伸びで、1 株の AFFO は年 3.5%。競合の NNN・アグリー(占有 99%台、取得利回り 7.3%)と並ぶが、規模と A 格の資金コストで首位を守る。 オーナー利益は、会社の AFFO の道筋から株式報酬のほか借金の割引償却・合併費用の足し戻し分(年 約 0.8 億ドル)を引いた約 76 億ドル。GAAP 純利益の累計は約 132 億ドル(10 年の減価償却と減損を引いた後。2025 年の GAAP 純利益は FFO の約 3 割)。 g 4.0%・ROE 14.0%・k 8.00% の式(正当化 PER 15.9 倍)の 7.9 割にあたる 12.50 倍を利益に掛けて、時価総額は約 956 億ドル。
- 米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース:数量 566(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 16(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収))→ 売上 92 億ドル・営業利益 54 億ドル。買収と固定上げ幅で増える
- 欧州(英国・欧州大陸)のネットリース:数量 200(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 15(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 18 億ドル。欧州が収入の約 23%
- 信用投資・データセンター・私募ファンド:数量 136(運用・投資の残高(億ドル))× 価格 0.09(残高あたりの収益率)→ 売上 12 億ドル・営業利益 9 億ドル。信用・DC が収入の約 9%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 10.6 + 不動産の減価償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 合弁・持ち分の調整 0.2 = FFO 38.6 億ドル、ここから賃料の見かけの増分(定額法の賃料 −1.7)と買収した契約の償却の戻し(+0.5)、テナント改装・仲介費(−0.1。ネットリースは建物の維持を借り手が負担するので小さい)を加減し、貸倒引当の非現金分(+0.4。損失は筋書きと確率で見る)を戻して 37.7 億ドル。会社の AFFO 38.9 億ドルとの差 1.2 は、株式報酬 0.3・借金の割引償却 0.5・合併や取引の費用 0.4 を会社が足し戻している分で、ここでは足し戻さない。各筋書きの net_oku は、会社の AFFO の道筋からこの差(2026 年で株式報酬は引き済み、残りの約 0.8 億ドル、約 2%)を引いた値。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 76.5 ÷ 自己資本 547.0 = 14.0%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.0%、正当化 PER は 15.9 倍。 上限は利益 76.5 × 15.9 倍 = 1217 億ドル。置いた 12.50 倍は上限の 7.9 割。
確率:業界ノートの中立(ネットリースの成長は買収で作る年 +4%、買収の利回り 7% − 資金コスト 6〜7% では伸びにくい)に沿い、1 株の AFFO 年 3.5% 前後・賃料の固定上げ幅年 1.2% と置いた。
やや悲観 18% やや悲観:取得利回りが 6.6% に下がり、増資で価値が薄まり続ける 利益 60 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 82.33 ドル750 億ドル
2035 年、買収は年 550 億ドルで頭打ちになり、取得利回りは 6.6%、借金は 6%。賃料の固定上げ幅は年 0.8% に鈍り、弱い業態の閉店で賃料が毎年 0.3% 消える。収入は約 1,060 億ドル、AFFO(株式報酬を引いた値) は約 61 億ドル(2025 年から年 +4.9%)。増資は 10 年で約 235 億ドルだが、株価が NAV 近辺で増資が値打ちを減らし、1 株の AFFO は年 1.5% 程度にとどまる。配当は年 2% の伸び。競合の資金流入と買い手の増加で、O の A 格の優位は薄れる。生活必需の借り手が多く、占有は 97% 台で踏みとどまる。 オーナー利益は、会社の AFFO の道筋から株式報酬のほか借金の割引償却・合併費用の足し戻し分(年 約 0.8 億ドル)を引いた約 60 億ドル。GAAP 純利益の累計は約 115 億ドル(10 年の減価償却と減損を引いた後。2025 年の GAAP 純利益は FFO の約 3 割)。 g 4.0%・ROE 13.5%・k 8.00% の式(正当化 PER 15.7 倍)の 8.0 割にあたる 12.50 倍を利益に掛けて、時価総額は約 750 億ドル。
- 米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース:数量 489(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 16(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収))→ 売上 76 億ドル・営業利益 44 億ドル。買収が頭打ち
- 欧州(英国・欧州大陸)のネットリース:数量 150(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 15(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 13 億ドル。欧州が縮小気味
- 信用投資・データセンター・私募ファンド:数量 94.0(運用・投資の残高(億ドル))× 価格 0.09(残高あたりの収益率)→ 売上 8 億ドル・営業利益 6 億ドル。信用投資は横ばい
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 10.6 + 不動産の減価償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 合弁・持ち分の調整 0.2 = FFO 38.6 億ドル、ここから賃料の見かけの増分(定額法の賃料 −1.7)と買収した契約の償却の戻し(+0.5)、テナント改装・仲介費(−0.1。ネットリースは建物の維持を借り手が負担するので小さい)を加減し、貸倒引当の非現金分(+0.4。損失は筋書きと確率で見る)を戻して 37.7 億ドル。会社の AFFO 38.9 億ドルとの差 1.2 は、株式報酬 0.3・借金の割引償却 0.5・合併や取引の費用 0.4 を会社が足し戻している分で、ここでは足し戻さない。各筋書きの net_oku は、会社の AFFO の道筋からこの差(2026 年で株式報酬は引き済み、残りの約 0.8 億ドル、約 2%)を引いた値。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 60.0 ÷ 自己資本 443.0 = 13.5%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.8%、正当化 PER は 15.7 倍。 上限は利益 60.0 × 15.7 倍 = 943 億ドル。置いた 12.50 倍は上限の 8.0 割。
確率:金利 5% でも資金が不動産に戻り、取得利回りが 6.6% に下がる確率を 18% に置く。弱い業態の閉店も毎年賃料の 0.3% を消す。
悲観 10% 悲観:借り手の傷みと資金コストで成長が止まり、優良さが薄れる 利益 36 億ドル · PER 8.8 倍 · 株価時価総額 34.60 ドル315 億ドル
2035 年までに、景気後退と金利高が重なり、弱い小売(ドラッグストア・映画館・ホームファニシング・ダラー系の下位)の閉店が続いて賃料が毎年消え、買収も採算割れになる。取得利回りが 6.3% まで下がり、借金は 6.5% に上がり、買収は年 130 億ドルまで縮む。賃料の固定上げ幅は物価に全く追いつかず(上げ幅はほぼ 0)、弱い業態の閉店で賃料が毎年 2.2% 消え、収入は約 640 億ドルでほぼ横ばい。AFFO(株式報酬を引いた値) は約 36 億ドルと 2026 年から約 1 割減り、配当は据え置き。増資は 10 年で約 130 億ドルにとどまり、物件の売却で借金を減らす。もう伸びる会社ではなく、安定した配当だけを払う会社として評価される。g 4.0%・ROE 10.6%・k 8.00% の式(正当化 PER 14.2 倍)の 6.2 割にあたる 8.83 倍を利益に掛けて、時価総額は約 315 億ドル。配当は 10 年で約 300 億ドル。AFFO の約 8 割を配当にして借金を返し、A 格は維持できるが、堀は狭まる。 オーナー利益は、会社の AFFO の道筋から株式報酬のほか借金の割引償却・合併費用の足し戻し分(年 約 0.8 億ドル)を引いた約 36 億ドル。GAAP 純利益の累計は約 88 億ドル(10 年の減価償却と減損を引いた後。2025 年の GAAP 純利益は FFO の約 3 割)。
- 米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース:数量 328(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 14(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収))→ 売上 47 億ドル・営業利益 26 億ドル。買収が止まり閉店が出る
- 欧州(英国・欧州大陸)のネットリース:数量 92.0(賃貸中の面積(百万平方フィート。推定))× 価格 14(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 7 億ドル。欧州も横ばい
- 信用投資・データセンター・私募ファンド:数量 48.0(運用・投資の残高(億ドル))× 価格 0.08(残高あたりの収益率)→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。縮小
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 10.6 + 不動産の減価償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 合弁・持ち分の調整 0.2 = FFO 38.6 億ドル、ここから賃料の見かけの増分(定額法の賃料 −1.7)と買収した契約の償却の戻し(+0.5)、テナント改装・仲介費(−0.1。ネットリースは建物の維持を借り手が負担するので小さい)を加減し、貸倒引当の非現金分(+0.4。損失は筋書きと確率で見る)を戻して 37.7 億ドル。会社の AFFO 38.9 億ドルとの差 1.2 は、株式報酬 0.3・借金の割引償却 0.5・合併や取引の費用 0.4 を会社が足し戻している分で、ここでは足し戻さない。各筋書きの net_oku は、会社の AFFO の道筋からこの差(2026 年で株式報酬は引き済み、残りの約 0.8 億ドル、約 2%)を引いた値。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 35.7 ÷ 自己資本 337.0 = 10.6%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.3%、正当化 PER は 14.2 倍。 上限は利益 35.7 × 14.2 倍 = 508 億ドル。置いた 8.83 倍は上限の 6.2 割。 伸びない会社は買い手が配当の利回りで値付けし、増資も止まるので、上限の 6.2 割に置いた。10 年の還元(配当から増資を引いた正味)を足しても今の時価総額に届かない形にした。
確率:構造的な負け(弱い小売の閉店が続く・資金コストが上がり買収が採算割れ・格付け低下)の確率を 10% に置く。借金が重く、景気後退と金利高が重なれば増配が止まる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国の小売・工業・ゲーミングのネットリース
1 契約 10〜20 年で借り手が税・保険・修繕を負担する賃貸。固定の上げ幅(年 1〜2%)で増え、成長は買収で作る。
| 数量賃貸中の面積(百万平方フィート。推定) | 価格1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+借り手負担の回収) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 300 | 14 | 43 | 19 |
| 10 年後 中立 | 566 | 16 | 92 | 54 |
取り方:売上 58 億ドルのうち欧州と信用・ファンドを引いた約 43 億ドルを、米国の賃貸面積(約 1.55 万件のうち米国分の面積を約 3 億平方フィートと推定)で割り、1 平方フィートあたり約 14 ドルと置いた。営業利益は減価償却後で売上の約 44%(償却前の利益率は約 92%)。価格は固定の上げ幅(年 1〜2%)が物価(3.5%)より低く、10 年で物価並み(1.41 倍)には上がらず中立で 1.13 倍に置く。
欧州(英国・欧州大陸)のネットリース
英国が収入の 15%、欧州大陸が 5.5%。賃料は物価連動の契約が一部ある。
| 数量賃貸中の面積(百万平方フィート。推定) | 価格1 平方フィートあたりの年間収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 80.0 | 14 | 11 | 5 |
| 10 年後 中立 | 200 | 15 | 31 | 18 |
取り方:収入の約 19〜20%(補足資料の ABR 構成 20.5%)を欧州分とし、面積を約 0.8 億平方フィートと推定して割った。営業利益率は米国よりやや低い約 43%。価格は米国と同じ理由(固定の上げ幅が物価より低い。物価連動の契約は一部)で中立 10 年 1.13 倍。
信用投資・データセンター・私募ファンド
貸付(利回り 8.6%)・優先出資(7.7%)の利息、データセンター合弁、私募ファンドの運用報酬。
| 数量運用・投資の残高(億ドル) | 価格残高あたりの収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 45.0 | 0.09 | 4 | 3 |
| 10 年後 中立 | 136 | 0.09 | 12 | 9 |
取り方:信用投資の約 52 億ドルの約 8 割と、データセンター・ファンドの報酬を合わせた残高を約 45 億ドルとし、収益率 8.9% で売上約 4 億ドル。償却が小さく営業利益率は約 75%。
リスクと懸念
増資が 1 株の価値を薄める
取得利回り 7.3% に対し、借金は 5.75%、株の資本コストは 8.00%。この差が小さいので、買収を増資で賄うと 1 株の伸びは会社全体の年 7% から年 3.5% 前後に落ちる。10 年で増資は約 350 億ドルに上る。株価が安いときの増資は、既存の株主の持ち分の価値を減らす。
取得利回りが締まる
NNN・アグリー・W・P・ケアリーも取得利回りは 7.2〜7.5% で、O と同じ土俵にいる。資金が不動産に戻れば利回りは下がる。中立は 6.9%、やや悲観は 6.6% に置いた。利回りが借金の金利に近づけば、買収で価値は増えない。
借り換えで利払いが増える
平均金利は 3.8%、満期は 2026 年に 24 億ドル、2027 年に 39 億ドル、2028 年に 38 億ドル、2029 年に 44 億ドル。借り換えのたびに 5.75% 前後へ上がり、10 年で利払いは約 5 億ドル増える。純有利子負債は時価総額の約 6 割と重い。
賃料が物価に追いつかない
契約の固定上げ幅は年 1〜2%(欧州の一部は物価連動)で、物価の 3.5% に届かない。中立は年 1.2%。10 年で価格は実質 2 割ほど目減りする。面積と件数を増やして補う形で、成長は買収に頼る。
弱い業態の閉店が続く
薬局(ウォルグリーン)・映画館・ホームファニシングの閉店は続く。2026 年上期の処分は 3.5 億ドル(利回り 7.8%)。やや悲観では賃料の 0.3% が毎年消え、悲観では 2.2% が消える。再契約の賃料は今 102.7% だが、100% を割れば傷が表に出る。
景気後退と借り手の破産
コロナの 2020 年は株価が 36% 下がったが、占有は 98% 台を保った。次の後退で弱い借り手が倒れると、再契約の賃料が 95% に下がり、増資も止まる。悲観はこの谷を 10% の確率で置いた。配当は守れるが、増配は止まる。
今後の分かれ目
- 取得利回りが 6.9% を割り込んだら
- 買収の利ざやが消える。中立の前提が崩れるので、やや悲観の確率を上げる。
- 公募株の割合が 18% 前後に収まり、私募ファンドの資本が増えたら
- 増資の薄まりが小さくなり、1 株の AFFO は年 4% 台に乗る。楽観・やや楽観の確率を上げる。
- 10 年国債が 6% を超え、借り換えが 6.5% 以上になったら
- 利払い増は約 5 億ドルから 7 億ドル前後へ。k も上がり、中立の倍率(12.5 倍)は 12 倍を割る。
- 再契約の賃料が 100% を割り、弱い業態の閉店が増えたら
- 賃料が毎年 0.3% 消えるやや悲観の筋書きに近づく。やや悲観の確率を上げる。
- 株価が NAV を下回り、先渡しの増資が止まったら
- 買収は年 550 億ドルで頭打ちになる。成長は鈍るが、増資による薄まりも止まる。1 株の伸びは年 1.5% 前後。
- 景気後退で占有が 97% を割ったら
- 悲観に当たる。谷の P/AFFO 9 倍で測る。配当は据え置き、増配は止まる。
見ておくもの
- 取得利回り(今 7.3%)と新規発行債の金利の差(四半期ごと)
- 公募株の割合(2026 年は投資額の 18%)と先渡しの未決済株数(2,110 万株)
- 再契約の賃料(今 102.7%)と占有(今 98.8%)
倍率と資本コストの決め方
今の値段(オーナー利益の約 13 倍)を見る前に、買収額・取得利回り・賃料の上げ幅から会社の AFFO を積み上げ、株式報酬と借金の割引償却・合併費用の足し戻しを引いてオーナー利益にした(2025 年は GAAP 10.6 + 償却 25.2 + 減損 4.3 − 売却益 1.8 + 調整 0.2 − 賃料の見かけの増分と改装費 0.9 + 貸倒引当の非現金分 0.4 = 37.7 億ドル、会社の AFFO は 38.9)。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)÷(k − g)(RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k))に、k 8.0%(基本 8% + quality +0.0%)・g 4.0%・筋書きの帳簿の ROE(11〜15%)を入れ、その上限の 6.2〜9.5 割に置いた。10 年の中立は上限 15.9 倍の 7.9 割で 12.5 倍。楽観 14.2・やや楽観 13.3・やや悲観 12.5・悲観 8.8 倍。買収の利ざやが薄く、増資で 1 株の伸びが薄まるので、割合は 8 割を切る。今の株価には寄せていない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。
同じ業種(不動産)の AI 分析
読んだ資料
- Realty Income Q2 2026 Earnings Release and Supplemental Information
- Realty Income Form 10-K for fiscal year 2025 (SEC EDGAR)
- Realty Income Announces Operating Results for the Three Months and Year Ended December 31, 2025
- Realty Income Establishes Strategic Partnership with GIC
- Realty Income Forms Programmatic Joint Venture with Cloud Capital to Invest in Hyperscale Data Centers (Nasdaq)
- Realty Income (O) Q2 2026 Earnings Call Transcript (Motley Fool)