結論
UDR は、米国の主要都市に約 6.0 万戸(2026 年 6 月:合弁と開発中 685 戸を含む 60,259 戸)の賃貸住宅を持つ上場 REIT で、同一物件の NOI の構成は西海岸 32%・北東部 20%・中部大西洋岸 19%・サンベルトなど 28%。2026 年の見通し(4〜6 月期に引き上げ)は、同一物件の売上 +0.75〜2.0%・費用 +2.75〜3.75%・NOI 0〜+1.25%、FFOA(調整後 FFO)は 1 株 2.49〜2.57。OP・DownREIT ユニットを含む会社全体の FFOA は約 8.8 億ドルで、維持の設備投資 約 0.9 億ドルを引いた AFFO は約 8.0 億ドル。UDR の AFFO は株式報酬を足し戻さないので、これがそのままオーナー利益になる。
同じ領域の ESS・MAA と違うのは、地域が沿岸と内陸の両方にまたがり、借金が重い点である。純負債は時価総額の 5 割強で、資本コストは基本 8% + quality +0.75%(負債)= 8.75%。借金 58 億ドルの平均金利 3.4% は、借換えのたびに 5.75% 前後へ向かい、10 年で AFFO を約 1.4 億ドル(約 17%)削る。賃料は西海岸・北東部で伸び、サンベルトは新築の供給で下がっている。
バリュー投資の観点では、中立の 10 年後の AFFO は 10.3 億ドル(今の 1.3 倍)、倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC の式)の内側で、10 年後は ROE 24.0% の上限 15.9 倍の 7.2 割にあたる 11.4 倍。筋書きを確率で重ねた価値は、会社全体の今の時価総額を 31% 下回り(割高)、安全域はない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。人が住む限り賃貸の需要は続き、沿岸の高賃料地域は新築が建ちにくい。ただし堀は広がらない。賃料は市場に動き、強さは立地と運営の規模に宿るが、他社が追いつけない差ではない。
オーナー利益は AFFO で見て約 8.0 億ドル(FFOA 約 8.8 億ドルから維持の設備投資 約 0.9 億ドルを引いた値で、株式報酬は引いた後)。配当約 6.0 億ドルを払うと残りは約 2 億ドルで、成長の元手としては小さい。しかも借金の入れ替えで、この AFFO は 10 年で約 1.4 億ドル(約 17%)削られる。再投資の収益率(ROIC 8% 前後)は借入金利 5.75% をやや上回る程度で、借金で買って伸ばす型は儲けが薄い。
資本配分は柔軟で、割安なら自社株買い・割高なら売却と動く点は評価できる。一方で、売り買いと合弁の入れ替えが多く、株主にとっての成果が見えにくい。安全域はなく、今の価格は、サンベルトの供給の山が 2027 年に越えることを織り込み、式で測った価値(今より 2 割弱低い)を上回る。予測のしやすさは中程度(賃料は読めるが、供給・規制・金利は読みにくい)。
何で稼ぐ会社か
収益のほぼ全部が賃貸料(付帯収入込み)。契約は 1 年以内が中心で、更新と入れ替えのたびに賃料が市場へ動く。2026 年 4〜6 月期は同一物件の売上 +1.8%・費用 +2.6%・NOI +1.4%、占有 96.6%、年換算の入居者の定着率は 60%(季節調整で過去最高)。新規+更新の賃料は沿岸で +3.8%、サンベルトで 約 −2%(説明会の要約)。
セグメントは四つ。西海岸(NOI の 32.4%)はサンフランシスコ・ロサンゼルス・シアトルなどで、4〜6 月期の NOI は +3.7%。北東部(20.2%)はニューヨーク・ボストンで +3.4%。中部大西洋岸(19.0%)はワシントン DC 周辺などで、売上 +1.6% に対し費用 +3.5% で NOI は +0.6% にとどまる。サンベルトなど(南東 12.5%・南西 10.9%・その他 5.0%)は NOI が −2.0%〜−1.4%。
収益の外側に、合弁(投資残高 約 7.3 億ドル。ラサール合弁は 8.5 億ドル・2,564 戸)と、債務・優先出資(DPE。利回り 約 8%、残高 約 3.8 億ドルを 2.5〜3.0 億ドルへ縮める方針)がある。UDR は「革新」と呼ぶ運営の工夫(定着率の改善・共用施設の有料化・Wi-Fi・不良債権の削減)で、2018 年から約 0.5 億ドルの NOI を積み、2026 年以降にさらに約 0.55 億ドルを見込む。開発は小さく、北バージニアの 385 戸(総額 1.8 億ドル)が中心。
優良さと弱いところ
優良さは、規模・運営のデータと、都市圏の分散にある。西海岸と北東部の高賃料地域に NOI の半分強があり、新築の少ない地域で既存物件の希少性が保たれる。運営面では、定着率が過去最高の 60% で、退去と入れ替えの費用が減り、人件費の効率が利益率を下支えする。借金は平均金利 3.4%・残存 3.9 年・純負債/EBITDAre 5.6 倍・流動性 約 8.85 億ドルで、2026 年の残りの満期は 3.28 億ドルと小さく、存続の心配はない。
ただし弱い所が三つある。第一に、堀は広がりにくい。賃料は 1 年契約で市場に動き、価格を決める力は需給と規制に縛られる。第二に、借金が重く、金利 3.4% の低利の借金が 5.75% 前後へ入れ替わる 10 年で、利益が目減りする(ESS の純負債/EBITDAre 5.4 倍とほぼ同じ重さ。MAA は 4.5 倍で軽い)。第三に、サンベルトの比率(28%)があり、ここは供給が重い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
集合住宅 REIT は、沿岸と内陸で二極化している。ESS の同一物件の NOI は 2026 年 +2.8%(見通し)、AVB は +0.3% 前後、MAA は −0.9%、CPT は −0.5% の案内で、UDR は +0.6%(中央値)とちょうど真ん中にいる。新築の引き渡しは 2024 年の 69.6 万戸が山で、2026 年は 約 42 万戸、2027 年はさらに約 24% 減る見込みで、建設着工は減った。賃料が 2028 年にかけて戻る前提は共通だが、サンベルトの供給の消化は 2〜3 年遅れる。
競争は分散している。上場 REIT は全米の賃貸のごく一部(推定)で、主な競合は、沿岸の AVB(アバロンベイ)・EQR(エクイティ・レジデンシャル)・ESS(エセックス)、サンベルトの MAA(ミッドアメリカ)・CPT(カムデン)、そして私募の大手。賃料の最適化ソフトを巡る訴訟は同業全体の論点で、ESS は 2026 年に和解費用を計上した。UDR は人手の運営で定着率を上げる路線で、価格のソフトだけに頼らない点は強みとも言える。
構造では、住宅ローン金利 6〜7% が家を買えない層を賃貸にとどめる追い風と、家賃規制(ニューヨーク・カリフォルニア・ワシントン州)の拡大、保険と固定資産税の上昇という逆風がある。サンベルト REIT の統合・非公開化は 2025〜26 年に話題になった(推定)。
資本政策と M&A
資本政策は、資産の入れ替えと自社株買いが中心である。2025 年 9 月以降の自社株買いは 約 1,150 万株・4.18 億ドルで、2026 年 4〜6 月だけで約 2.0 億ドル。原資は売却で、2026 年の売却は成立すれば約 6.6 億ドル(ナッシュビルの 206 戸と契約済みの 3 物件 808 戸、約 2.5 億ドルを含む)。一方で、DPE の合弁の清算で取った 584 戸(ポートランド 2・ロサンゼルス 1)や、ラサール合弁への 4 物件の拠出で約 2.0 億ドルの現金を受け取るなど、売る・買う・合弁へ移すを繰り返す。
M&A:月次配当(増配 1.2%)は AFFO の約 75%。借換えで AFFO が目減りするため、増配の余地は小さい。サンベルト REIT の再編が話題になる中、UDR は買われる側にも、買う側にもなりうる(推定。確認できた発表はない)。
株数の注意:台帳の株数は普通株(3.31 億株、古い)で、会社全体は普通株 3.21 億株と OP・DownREIT ユニット 約 0.22 億の合計 約 3.44 億株。筋書きは会社全体で書く。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
沿岸の強さは本物で、会社の半分強を占める。サンフランシスコは AI の採用増で賃料が急騰し、4〜6 月期の沿岸の新規+更新は +3.8%。西海岸・北東部の NOI は +3.4〜3.7% で伸び、定着率は過去最高の 60%。新築の供給は 2027 年に約 24% 減り、着工が減った 2028 年以降は新築の空白が 2〜3 年続く。内陸の賃料も 2028 年には物価並みに戻り、サンベルト(売上の 28%)は反発に転じる。
運営の工夫は利益率を押し上げる。革新の取り組みは、2018 年から約 0.5 億ドルの NOI を積み、2026 年以降に約 0.55 億ドルが見込まれる。定着率の改善だけで年 約 0.35 億ドルの増収とされる。売却で得た資金で自社株買いを続ければ、会社全体の価値は割安なうちに積み上がる。
金利は国債 5% の世界でも、借換えの 5.75% より物件の利回り(6% 台)が高く、賃料が年 4% を超えれば AFFO は年 6% 近くで伸びる。10 年後の AFFO は 13.4 億ドル、倍率は式で 19.6 倍、時価総額は 261.9 億ドルに達する。
慎重な見方
借換えの重さは確実に来る。純負債 58 億ドルの平均金利 3.4% は、10 年で全部が 5.75% 前後になり、AFFO を 10 年で約 1.4 億ドル削る。賃料が物価並みに伸びても、利払いの増加で AFFO の伸びは年 2% 台にとどまり、物価に届かない。
サンベルトの供給は一度の山では終わらないかもしれない。新規契約は −2% で、移住の減速が重なれば、売上の 28% が 3 年以上下がる。中部大西洋岸も、連邦政府の雇用が減れば、費用 +3.5% に売上 +1.6% が追いつかず、NOI が減る。ニューヨークとカリフォルニアの家賃規制は強まる方向にしか動きにくい。
最大の弱みは、ROIC(8% 前後)が借入金利(5.75%)を少し上回るだけで、成長に回した資金の収益が薄いこと。成長しても価値があまり増えない。構造的に負ければ、AFFO は 10 年で 4.7 億ドルに下がり、時価総額は 54.5 億ドルへ下がる。
どちらに重みを置いたか
強気の根拠は沿岸と運営の効率に集中し、サンベルトの反発は時期が読みにくい。慎重な根拠(借換え・サンベルトの供給・規制・成長の収益が薄いこと)は、全社に広く効き、起きる確率も高い。ただし占有 96.6%・流動性 8.85 億ドル・満期の分散で、悲観は倒産でなく利益の長い停滞にとどまる。
確率は 10 年で中立 35% を中心に、楽観・やや楽観の合計 32% と、やや悲観・悲観の合計 33% でほぼ均衡させ、悲観は構造的な負けとして 12% に置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 31.76 ドル109 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 14.90 ドル51 億ドル)。 今の値に割り戻すと 23.52 ドル81 億ドル、今との差 −35.0%、 期待の年率 +2.6%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 45.62 ドル157 億ドル | 18.11 ドル62 億ドル | +76.1% | +5.8% | 6.37 ドル22 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 39.07 ドル134 億ドル | 16.74 ドル58 億ドル | +54.3% | +4.4% | 12.28 ドル42 億ドル |
| 中立 | 35% | 34.38 ドル118 億ドル | 15.55 ドル53 億ドル | +38.0% | +3.3% | 17.47 ドル60 億ドル |
| やや悲観 | 21% | 23.58 ドル81 億ドル | 12.87 ドル44 億ドル | +0.7% | +0.1% | 7.65 ドル26 億ドル |
| 悲観 | 12% | 13.45 ドル46 億ドル | 10.54 ドル36 億ドル | −33.7% | −4.0% | 2.88 ドル10 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 31.76 ドル109 億ドル | 14.90 ドル51 億ドル | +29.0% | +2.6% | 46.66 ドル160 億ドル |
今の株価時価総額 36.18 ドル124 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:供給が枯れて賃料が物価を上回り、運営の効率が利益率を押し上げる 利益 13 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 45.62 ドル157 億ドル
2026〜27 年の供給の山を越え、2028 年以降は新築の空白で、西海岸・北東部の賃料が年 +4.5% 前後(10 年で 1.55〜1.62 倍)、中部大西洋岸とサンベルトが年 +4% 前後(1.50 倍)で伸びる。戸数は合弁との入れ替えと小さな開発で西海岸・北東部を中心に年 +0.5%。運営の工夫(定着率・付帯収入)で NOI 率は今より 0.5〜2.4 ポイント上がり、売上は 27.8 億ドル(今の 1.62 倍)、NOI は 18.8 億ドル。借換えは 5.75% に入れ替わり、利払いは 約 3.4 億ドル。AFFO は 13.4 億ドルで、10 年の還元は約 62.2 億ドル(増資なし。株式報酬は AFFO で引いた後)。競合との比較では、AVB・ESS と並ぶ沿岸の運営力を示し、サンベルトの供給に苦しむ MAA・CPT より先に賃料が戻る。g 4.0%・ROE 30.5%・k 8.75% の式(正当化 PER 16.8 倍)の 7.0 割にあたる 11.73 倍を利益に掛けて、時価総額は約 157 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 40 億ドル(AFFO の累計 102 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 62 億ドルを引く)。
- 西海岸:数量 15.0(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 61(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 9 億ドル・営業利益 4 億ドル。賃料 +62.0%(年 +4.9%)・戸数 1.08 倍・NOI 率 71.5%
- 北東部:数量 9.0(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 69(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +55.0%(年 +4.5%)・戸数 1.05 倍・NOI 率 61.5%
- 中部大西洋岸:数量 11.6(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 43(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +50.0%(年 +4.1%)・戸数 1.02 倍・NOI 率 67.2%
- サンベルトほか:数量 18.9(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 40(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +50.0%(年 +4.1%)・戸数 1.02 倍・NOI 率 68.5%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.7 + 不動産の減価償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分 0.3 + 合弁の償却など 0.6 = FFO 8.7 億ドル、維持の設備投資 1.1 を引いて 7.5 億ドル(会社の AFFO 7.9 億ドルとの差 0.4 は、一時費用の足し戻し。株式報酬は会社も足し戻さない)。2026 年は FFOA 約 8.8 から維持 約 0.9 を引いた約 8.0 億ドルで、各筋書きの net_oku はこの AFFO の道筋。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 10.3 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 130% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 13.4 + 借入金利 5.75% × 純負債 60)÷(今の自己資本 33 + 純負債 60)= 18.1%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 30.5%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.6%、正当化 PER は 16.8 倍。 上限は利益 13.4 × 16.8 倍 = 224 億ドル。置いた 11.73 倍は上限の 7.0 割。 EV でも見た:(時価総額 157 + 純有利子負債 60)÷ 営業利益 8 = 29 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 13.4 + 借入金利 5.75% × 純負債)16.8 で割ると 12.9 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:供給が枯れて賃料が物価を上回る展開。サンベルトの反発が早い。確率は 10%(着工がすでに減っているため 5% 以上)。
やや楽観 22% やや楽観:沿岸が物価を上回り、サンベルトは遅れて追いつく 利益 12 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 39.07 ドル134 億ドル
西海岸・北東部の賃料が物価を上回って年 +4% 台(10 年で 1.47〜1.52 倍)、中部大西洋岸 +3.7%、サンベルトは 2028 年から持ち直し 10 年で 1.43 倍。戸数は年 +0.4% 前後。NOI 率は沿岸で現状並み、サンベルトは供給の消化で 67% へ戻る。売上は 26.0 億ドル、NOI は 17.3 億ドル。利払いは約 3.4 億ドルへ増えるが、賃料の伸びが吸収し、AFFO は 11.7 億ドル(2026 年の約 1.5 倍)。競合の AVB が沿岸で、MAA・CPT がサンベルトで賃料を取り戻す展開の中で、UDR は両方に足場を持つ分、取りこぼしが少ない。g 4.0%・ROE 27.0%・k 8.75% の式(正当化 PER 16.3 倍)の 7.0 割にあたる 11.44 倍を利益に掛けて、時価総額は約 134 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 32 億ドル(AFFO の累計 94 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 62 億ドルを引く)。
- 西海岸:数量 14.7(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 57(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +52.0%(年 +4.3%)・戸数 1.06 倍・NOI 率 70.8%
- 北東部:数量 8.9(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 65(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +47.0%(年 +3.9%)・戸数 1.04 倍・NOI 率 60.5%
- 中部大西洋岸:数量 11.4(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 42(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +44.0%(年 +3.7%)・戸数 1.00 倍・NOI 率 66.5%
- サンベルトほか:数量 18.5(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 38(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +43.0%(年 +3.6%)・戸数 1.00 倍・NOI 率 67.2%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.7 + 不動産の減価償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分 0.3 + 合弁の償却など 0.6 = FFO 8.7 億ドル、維持の設備投資 1.1 を引いて 7.5 億ドル(会社の AFFO 7.9 億ドルとの差 0.4 は、一時費用の足し戻し。株式報酬は会社も足し戻さない)。2026 年は FFOA 約 8.8 から維持 約 0.9 を引いた約 8.0 億ドルで、各筋書きの net_oku はこの AFFO の道筋。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 7.7 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 152% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 11.7 + 借入金利 5.75% × 純負債 60)÷(今の自己資本 33 + 純負債 60)= 16.4%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 27.0%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.9%、正当化 PER は 16.3 倍。 上限は利益 11.7 × 16.3 倍 = 192 億ドル。置いた 11.44 倍は上限の 7.0 割。 EV でも見た:(時価総額 134 + 純有利子負債 60)÷ 営業利益 6 = 32 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 11.7 + 借入金利 5.75% × 純負債)15.2 で割ると 12.8 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:沿岸の強さが続き、サンベルトが遅れて戻る。
中立 35% 中立:賃料も費用も物価並みで、借換えの重さを賃料で吸収する 利益 10 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 34.38 ドル118 億ドル
2026 年は NOI +0.6% のあと、2027 年は西海岸と北東部が +4%、中部大西洋岸が +3%、サンベルトが 0%、2028 年以降は賃料が物価並みに近い年 +3.5% 前後、費用は +3.8%。10 年後の 1 戸あたり売上は西海岸 1.43 倍・北東部 1.41 倍・中部大西洋岸 1.38 倍・サンベルト 1.36 倍(2025 年比)。戸数は沿岸への入れ替えで年 +0.5%(サンベルトは −0.2%)。売上は 24.4 億ドル(今の 1.42 倍)、NOI は 16.0 億ドル(NOI 率 約 65%)。借換えは 5.75% に入れ替わり、利払いは 約 3.5 億ドル(今の約 1.9 億ドル)。AFFO は 10.3 億ドルで、2026 年見通し(約 8.0 億ドル)から年 2.9%。10 年の還元は約 53.4 億ドル。競合との位置は、沿岸で AVB・ESS に並び、サンベルトで MAA・CPT の後を追う。g 4.0%・ROE 24.0%・k 8.75% の式(正当化 PER 15.9 倍)の 7.2 割にあたる 11.43 倍を利益に掛けて、時価総額は約 118 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 26 億ドル(AFFO の累計 87 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 61 億ドルを引く)。
- 西海岸:数量 14.6(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 53(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +43.0%(年 +3.6%)・戸数 1.05 倍・NOI 率 70.0%
- 北東部:数量 8.9(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 62(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +41.0%(年 +3.5%)・戸数 1.03 倍・NOI 率 59.0%
- 中部大西洋岸:数量 11.4(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 40(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +38.0%(年 +3.3%)・戸数 1.00 倍・NOI 率 64.5%
- サンベルトほか:数量 18.1(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 36(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +36.0%(年 +3.1%)・戸数 0.98 倍・NOI 率 66.0%。新築の供給と移住の減速で、賃料が物価(10 年 1.41 倍)を下回る
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.7 + 不動産の減価償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分 0.3 + 合弁の償却など 0.6 = FFO 8.7 億ドル、維持の設備投資 1.1 を引いて 7.5 億ドル(会社の AFFO 7.9 億ドルとの差 0.4 は、一時費用の足し戻し。株式報酬は会社も足し戻さない)。2026 年は FFOA 約 8.8 から維持 約 0.9 を引いた約 8.0 億ドルで、各筋書きの net_oku はこの AFFO の道筋。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 5.3 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 195% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 10.3 + 借入金利 5.75% × 純負債 60)÷(今の自己資本 33 + 純負債 60)= 14.9%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 24.0%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 16.4%、正当化 PER は 15.9 倍。 上限は利益 10.3 × 15.9 倍 = 164 億ドル。置いた 11.43 倍は上限の 7.2 割。 EV でも見た:(時価総額 118 + 純有利子負債 60)÷ 営業利益 5 = 36 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 10.3 + 借入金利 5.75% × 純負債)13.8 で割ると 12.9 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:業界ノートの中立(賃料 年 +3.5%、費用 +4%)に、UDR の 2026 年見通し(NOI +0.6%)と運営の効率を合わせた。
やや悲観 21% やや悲観:規制と供給過剰で賃料が物価に届かない 利益 8 億ドル · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 23.58 ドル81 億ドル
サンベルトの供給が長引き、賃料は 10 年で 1.24 倍にとどまる。西海岸・北東部は賃料規制で上げ幅が縛られ、1.31〜1.34 倍。戸数は年 −0.2%(売却が買収を上回る)。費用が賃料より速く(年 +4%)伸び、NOI 率は 2〜4 ポイント下がる。売上は 22.0 億ドル、NOI は 13.9 億ドル。利払いは 約 3.5 億ドル。AFFO は 8.1 億ドルで、2026 年(約 8.0 億ドル)をわずかに上回る程度。競合の ESS(沿岸だけ)や INVH(戸建て)より地域が分散しているのに伸びが鈍く、強みが活きない姿。g 4.0%・ROE 19.2%・k 8.75% の式(正当化 PER 15.0 倍)の 6.6 割にあたる 9.96 倍を利益に掛けて、時価総額は約 81 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 15 億ドル(AFFO の累計 76 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 61 億ドルを引く)。
- 西海岸:数量 14.2(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 50(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +34.0%(年 +3.0%)・戸数 1.02 倍・NOI 率 68.5%
- 北東部:数量 8.6(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 58(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +31.0%(年 +2.7%)・戸数 1.00 倍・NOI 率 57.0%
- 中部大西洋岸:数量 11.2(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 37(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +28.0%(年 +2.5%)・戸数 0.98 倍・NOI 率 62.5%
- サンベルトほか:数量 17.6(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 33(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +24.0%(年 +2.2%)・戸数 0.95 倍・NOI 率 63.0%。新築の供給と移住の減速で、賃料が物価(10 年 1.41 倍)を下回る
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.7 + 不動産の減価償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分 0.3 + 合弁の償却など 0.6 = FFO 8.7 億ドル、維持の設備投資 1.1 を引いて 7.5 億ドル(会社の AFFO 7.9 億ドルとの差 0.4 は、一時費用の足し戻し。株式報酬は会社も足し戻さない)。2026 年は FFOA 約 8.8 から維持 約 0.9 を引いた約 8.0 億ドルで、各筋書きの net_oku はこの AFFO の道筋。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 3.5 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 232% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 8.1 + 借入金利 5.75% × 純負債 60)÷(今の自己資本 33 + 純負債 60)= 12.5%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 19.2%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.0%、正当化 PER は 15.0 倍。 上限は利益 8.1 × 15.0 倍 = 122 億ドル。置いた 9.96 倍は上限の 6.6 割。 EV でも見た:(時価総額 81 + 純有利子負債 60)÷ 営業利益 3 = 46 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 8.1 + 借入金利 5.75% × 純負債)11.6 で割ると 12.2 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:サンベルトの供給の山が長引き、規制の上げ幅制限が効く。借金が重く、ESS や MAA より下ぶれしやすいため、やや厚く 21% に置く。
悲観 12% 悲観:構造的に負け、賃料の伸びが止まり、借金だけが残る 利益 5 億ドル · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 13.45 ドル46 億ドル
構造的に負ける。ニューヨークとカリフォルニアで家賃規制が新築以外にも広がり、サンベルトで供給過剰が定着し、保険・固定資産税が年 +5% で伸びる。賃料は 10 年で 1.10〜1.24 倍にとどまり、戸数は年 −0.5〜−0.8%(売却して借金を返す)。NOI 率は 4〜6 ポイント下がる。売上は 18.2 億ドル、NOI は 10.9 億ドル。借換えは 5.75% に入れ替わり、利払いは約 3.7 億ドル。AFFO は 4.7 億ドルで、2026 年(約 8.0 億ドル)の 6 割弱。配当は AFFO の 6 割に減らし、還元は約 36.2 億ドル。競合に比べ、規制と供給に両方負けた姿。g 4.0%・ROE 11.8%・k 8.75% の式(正当化 PER 12.9 倍)の 7.7 割にあたる 9.84 倍を利益に掛けて、時価総額は約 46 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 -4 億ドル(AFFO の累計 54 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 58 億ドルを引く)。
- 西海岸:数量 13.6(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 44(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +18.0%(年 +1.7%)・戸数 0.98 倍・NOI 率 65.0%
- 北東部:数量 8.3(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 50(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。賃料 +12.0%(年 +1.1%)・戸数 0.97 倍・NOI 率 54.0%
- 中部大西洋岸:数量 10.8(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 32(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。賃料 +10.0%(年 +1.0%)・戸数 0.95 倍・NOI 率 59.0%
- サンベルトほか:数量 16.7(賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定))× 価格 28(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +5.0%(年 +0.5%)・戸数 0.90 倍・NOI 率 59.0%。新築の供給と移住の減速で、賃料が物価(10 年 1.41 倍)を下回る
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.7 + 不動産の減価償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分 0.3 + 合弁の償却など 0.6 = FFO 8.7 億ドル、維持の設備投資 1.1 を引いて 7.5 億ドル(会社の AFFO 7.9 億ドルとの差 0.4 は、一時費用の足し戻し。株式報酬は会社も足し戻さない)。2026 年は FFOA 約 8.8 から維持 約 0.9 を引いた約 8.0 億ドルで、各筋書きの net_oku はこの AFFO の道筋。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -7.7 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 4.7 + 借入金利 5.75% × 純負債 60)÷(今の自己資本 33 + 純負債 60)= 8.8%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 11.8%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.3%、正当化 PER は 12.9 倍。 上限は利益 4.7 × 12.9 倍 = 60 億ドル。置いた 9.84 倍は上限の 7.6 割。 EV でも見た:(時価総額 46 + 純有利子負債 60)÷ 営業利益 0 = 392 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 4.7 + 借入金利 5.75% × 純負債)8.1 で割ると 13.0 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:10 年で構造的に負ける確率を 12% に置く。リーマン級の下げ(−66%)を経験した会社で、借金も重い。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
西海岸
ベイエリア・ロサンゼルス・シアトルなど西海岸の賃貸住宅(連結)。同一物件 NOI の約 32%。
| 数量賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.9 | 37 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 14.6 | 53 | 8 | 3 |
取り方:サンフランシスコ・ベイエリア、ロサンゼルス・オレンジ郡、シアトル、ポートランドなど。同一物件の NOI 構成 32.4%(2026 年 4〜6 月期の 8-K)、4〜6 月期の NOI は +3.7%。連結の戸数は、保有 6.03 万戸(合弁・開発中を含む)から合弁と開発を除いた推定で、地域への割り振りは NOI 構成と賃料水準からの推定(1 戸あたり年 3.7 万ドル台)。売上は 2025 年 10〜12 月期の総売上 4.33 億ドルの年換算 約 17.2 億ドルを配った推定。NOI 率 71% は推定。営業利益は NOI から減価償却の配分(総額 約 6.5 億ドル)を引いた値。
北東部
ニューヨーク・ボストン都市圏の賃貸住宅(連結)。同一物件 NOI の約 20%。
| 数量賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.6 | 44 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 8.9 | 62 | 6 | 1 |
取り方:ニューヨーク・ボストン都市圏など。NOI 構成 20.2%、4〜6 月期の NOI は +3.4%。固定資産税・人件費・保険が重く NOI 率が低い(推定 60.5%)。1 戸あたりの賃料が最も高い地域(年 4.4 万ドル台、推定)。戸数は推定。
中部大西洋岸
ワシントン DC 都市圏・ボルチモア・リッチモンドの賃貸住宅(連結)。同一物件 NOI の約 19%。
| 数量賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 11.4 | 29 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 11.4 | 40 | 5 | 1 |
取り方:ワシントン DC 都市圏・ボルチモア・リッチモンドなど。NOI 構成 19.0%、4〜6 月期の NOI は +0.6%(売上 +1.6%、費用 +3.5%)。連邦政府の雇用の影響を受ける。戸数は推定。
サンベルトほか
タンパ・オーランド・ナッシュビル・ダラス・オースティンなど内陸・南部の賃貸住宅(連結)。同一物件 NOI の約 28%。
| 数量賃貸住宅の戸数(千戸、連結。推定) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・占有・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 18.5 | 27 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 18.1 | 36 | 7 | 2 |
取り方:南東部(タンパ・オーランド・ナッシュビルなど。NOI 構成 12.5%)、南西部(ダラス・オースティンなど。10.9%)、その他(5.0%)の合計 28.4%。4〜6 月期の NOI は −2.0%〜−1.4%。新築の供給が重く新規契約の賃料が下がっている。戸数は推定で、2026 年の売却(ナッシュビル 206 戸・契約済み 808 戸)で減る。
リスクと懸念
借換えで利払いが重くなる
平均金利 3.4% の負債 58 億ドルは、残存 3.9 年で 5.75% 前後へ入れ替わる。10 年で AFFO を約 1.4 億ドル(約 17%)削る。賃料の伸びが物価未満なら、この増加を吸収できず AFFO は減る。
サンベルトの供給と賃料の下落
南東部・南西部・その他(NOI の 28%)は 2026 年 4〜6 月期の NOI が −2.0%〜−1.4%、新規契約の賃料は約 −2%。新築の引き渡しは減る見込みだが、移住の減速が重なれば山の越え方が遅れる。売却で戸数を減らす計画だが、売値が下がれば損が出る。
沿岸の家賃規制
ニューヨーク・カリフォルニア・ワシントン州などで、賃料上げの上限や規制が強まる方向にある。西海岸と北東部は NOI の 53% を占め、規制は更新の賃料の伸びを物価未満に抑える。一度強まった規制は元に戻りにくい。
中部大西洋岸の費用増
2026 年 4〜6 月期は売上 +1.6% に対し費用 +3.5% で NOI が +0.6%。ワシントン DC 周辺は連邦政府の雇用の影響を受け、固定資産税・保険・人件費の上げが賃料を上回る状態が続けば、NOI 構成の 19% の利益率が下がる。
成長に回した資金の収益が薄い
ROIC は 8% 前後で、借入金利 5.75% を少し上回る程度。開発・買収・自社株買いで成長しても価値があまり増えない。DPE を縮めて成長の高い投資へ回す計画の収益が、短期の利益の薄まりに見合うかは見極めが必要。
合弁・優先出資の価値と入れ替え
合弁への投資 約 7.3 億ドルと貸付債権 約 1.7 億ドルが、AFFO のうち約 1.1〜1.4 億ドルの収入を生む。合弁の持ち分の入れ替え(ニューヨークの 710 戸で相手が交代)や貸付の返済で、この収入は変わる。返済された資金を高い利回りで運用できなければ AFFO は目減りする。
賃料算定ソフトを巡る訴訟と規制
同業の ESS が賃料算定ソフトを巡る訴訟で和解した。UDR の名前は確認できていないが、同業共通の論点で、賃料を決める手段が規制されると、賃料の最適化による上乗せ(業界で数十 bp の NOI、推定)がなくなる恐れがある。
今後の分かれ目
- 2027 年にサンベルトの新規契約の賃料が前年比プラスに戻り、供給が目に見えて減ったら
- サンベルトの NOI が 2028 年に +3% へ戻り、楽観・やや楽観の確率を上げる。中立の 10 年後の AFFO(約 10.3 億ドル)を 3% ほど上げて見る。
- 国債 10 年が 5% を超えて上がり続け、借換えの調達金利が 6% を超えたら
- 10 年で AFFO を削る額が約 1.4 億ドルから約 1.7 億ドルへ増え、中立の AFFO(10 年で約 10.3 億ドル)を 1 割弱下げて見る。倍率の k−g も縮む。
- ニューヨークで新築を含む家賃規制が成立する、またはカリフォルニアが上限を下げたら
- 北東部・西海岸の賃料の伸びが物価を下回るため、やや悲観・悲観の確率を上げる。賃料は 10 年で 1.1〜1.2 倍にとどまる見込み。
- 売却の約 6.6 億ドルを、割安な自社株買いに使い切ったら
- 1 株あたりの AFFO は守れるが、会社全体の価値は変わらず、借金の重さも変わらない。売却の利回り(キャップレート)が 6% 前後で、買い戻しの AFFO 利回り(約 7%)を下回らなければ、価値は少し上がる。
- ワシントン DC 周辺の賃料が 2 年連続で前年割れになったら
- 中部大西洋岸(NOI の 19%)の伸びを物価の半分に落とし、やや悲観の確率を上げる。
- DPE の縮小で得た資金を、高い利回り(6% 台)の買収・開発へ回し、AFFO が増えたら
- 成長の収益率が借入金利を上回る証拠で、中立の ROIC を 8% から 9% へ上げて見る。正当化 PER は約 0.9 倍上がり、中立の倍率も上限の 7.2 割の分だけ動く。
見ておくもの
- 西海岸・北東部の新規+更新の賃料と、サンベルトの新規契約の賃料
- 新築の引き渡し・着工件数(2027 年に 約 24% 減る見込みの確認)
- 10 年国債の利回りと、借換えの調達金利(平均 3.4% からの上がり方)
- 同一物件の費用の伸び(固定資産税・保険・人件費。特に中部大西洋岸)
- 定着率(60%)と、運営の工夫による NOI の積み上げ(2026 年以降の約 0.55 億ドル)
- 売却と自社株買いの実行額、DPE の残高の縮小(約 3.8 億ドルから 2.5〜3.0 億ドル)
- 家賃規制(ニューヨーク・カリフォルニア)と賃料算定ソフトの訴訟
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(会社全体で約 118 億ドル)・今の P/AFFO(約 14.8 倍)を見る前に、四つの地域の戸数 × 1 戸あたりの売上を積み、NOI から減価償却・本社費・利払い・維持の設備投資を引いて AFFO を出した。2025 年の AFFO は GAAP 3.7 + 償却 6.5 − 売却益 2.4 + 非支配持ち分・合弁 0.9 − 維持 1.1 = 7.5 億ドル(会社 7.9)。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC の式)の上限の 7〜10 割で、中立は上限 15.9 倍の 7.2 割の 11.4 倍。ROE が k を下回る筋書きは g を下げた式の 7.7 割。今の株価には寄せていない。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。