結論
フェデラル・リアルティ(Federal Realty、以下 FRT)は、米国東西海岸の人口密度と所得が高い立地に 103 物件・商業床 2,880 万平方フィート・住宅約 2,500 戸を持つ屋外型の REIT である(占有 93.8%、契約済み 96.1%、2026 年 6 月末)。収入の約 69% は全国・地域チェーン、約 10% は地元の小売、約 12% は複合開発の中のオフィス、約 9% は住宅で、中核は食品スーパー核の近隣型センターと、サンタナ・ロウ、ベセスダ・ロウ、パイク・アンド・ローズなどの複合開発である。2026 年の FFO(償却を戻した利益)は約 6.5 億ドル(前年比 5.9〜7.1% 増)の見通しで、同一物件の収益は年 3.25〜3.75% 伸びる。
ただし見るのは、FFO からテナントの内装・仲介料などのリース・維持の設備投資と非現金の収益を引いた正味 AFFO で、2026 年は約 5.1 億ドル(FFO の約 78%)。時価総額 93 億ドルは正味 AFFO の約 18 倍、FFO の約 14 倍で、純負債(約 47 億ドル)は時価総額の約 50%。株式報酬(年 0.1〜0.15 億ドル)は FFO の一般管理費ですでに費用なので二重には引いていない。
バリュー投資の観点では、これは 10 年後も存在し、立地という堀が広がる数少ない屋外型である。一方で、利益ベースの正当化 PER(資本コスト 8.75%=基本 8% + quality +0.75%、成長は上限の 4.0%、ROE 17.6% の RONIC 式)で測ると上限は約 14.7 倍で、その 7.8 割の 11.4 倍が成熟後の中立の倍率になり、今の約 18 倍を大きく下回って、価値は今の値段より 40% 低く出る。私募の市場が 5% 前後の利回りで物件を買う事実は割安さの根拠だが、この会社は借金の金利(約 5.75%)がその利回りより高く、売却益の顕在化にも限りがある。質は最上位でも、値段は質をすでに十分に織り込んでいるとみる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後も存在するかを問う。答えは、はい。人口密度・所得が高い地域の食品スーパー核の屋外型と複合開発は、EC で置き換えにくく、新築が止まって既存の物件が強い。堀は立地そのもので、広がる方向にある(賃料の上がりが物価に並び、複合開発の街がブランドになる)。
次にオーナー利益を見る。2026 年の FFO は約 6.5 億ドル、そこからリース・維持の設備投資(約 1.2〜1.4 億ドル)と非現金収益を引いた正味 AFFO は約 5.1 億ドルで、配当(約 4.05 億ドル)の後に残る自由資金は約 1 億ドル(経営陣は 2026 年に 1 億ドル超、2028 年に約 1.5 億ドルと話す)。株式報酬は FFO の中で費用にしてあるので二重に引いていない。配当は正味 AFFO の約 79% で、残りを住宅・再開発(利回り 6.5〜10%)に回す。
資本配分は、低成長の物件を 5% 前後で売り、高成長の物件に入れ替え、複合開発を土地ごと育てる点が堅実である。ただし、売却の利回り(約 5%)より借金の金利(5.75%)が高く、増資(2025 年は株が 2.7% 増)で取得を伸ばすと、成長が価値を薄める危険がある。
安全域は薄い。借金は純負債÷EBITDA 5.4 倍・時価総額の約 50% と重く、式で測る価値は今の値段より約 4 割低い。堀も事業の確かさも高く確信度は高いが、安い値段ではない。値段が下がれば(正味 AFFO の 11〜12 倍)、質に見合う値段になる。
何で稼ぐ会社か
収益の大半は、全米の人口密度・所得の高い地域(ワシントン DC 圏・ボストン・ニューヨーク圏・サンフランシスコ湾岸・南カリフォルニア・マイアミなど)の屋外型センターの賃料である。90% の物件が全米の郡の上位 5% の所得密度の地域にあり、3 マイル圏の世帯所得は平均約 18 万ドル。核テナントは食品スーパー(ハリス・ティーターなど)や値ごろ業態で、その周りの小型店(飲食・美容・サービス・フィットネス)が高い賃料を払う。
事業は 4 つに分けて見る。第 1 は食品スーパー核の近隣型センター(収入の約 55%)で、新築が止まっているため占有が埋まり、更新のたびに賃料が上がる(直近 12 か月の更新の賃料の上がりは約 17%、2026 年 4〜6 月期の新規・更新契約の上がりは現金ベースで約 15%、直線ベースで約 28%)。第 2 は複合開発の小売(約 24%)で、サンタナ・ロウ、ベセスダ・ロウ、パイク・アンド・ローズ、アッセンブリー・ロウなど、小売の上に住宅とオフィスを重ねた街で、賃料の水準が最も高く、駐車料・催事など付随収入が伸びている(付随収入は同一物件で前年比約 20% 増)。第 3 は複合開発の中のオフィス(約 12%)、第 4 は住宅(約 9%、約 2,500 戸)。住宅は「小売の上に住宅」を重ねる再開発で増やしており、ザ・ブレア(総額 4 億ドル、3 分の 2 が契約済み)、ホボーケンの 301 ワシントン(2027 年 1〜3 月期)、サンタナ・ロウの 12 区画(2027 年後半)などが続く。
数量は賃貸中の貸床面積(約 2,700 万平方フィート。占有 93.8%)と住戸数、価格は 1 平方フィートあたりの収入(賃料と共益費の回収)と 1 戸あたりの賃料。FRT はセグメントごとの面積・収入を細かく開示しないので、収入の構成比(69・10・12・9%)と面積・戸数から按分した推定である(各セグメントの how に書いた)。FFO は NAREIT の定義で、株式報酬は一般管理費の中で費用になっており、足し戻していない。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は立地で、人口密度・所得が高い地域の屋外型は、新築が極端に少なく(金利 5% では開発の採算が合わず、小売の新規建設は在庫の 1% に満たない)、EC で置き換えにくい業態(食品・サービス・飲食・フィットネス)が中心。2026 年 4〜6 月期は過去最大の契約面積(81.9 万平方フィート、124 件)を積み、小型店の占有は 3 か月で 1pt 上がり 92.3% になった。第 2 は複合開発で、サンタナ・ロウなどは土地を小売・住宅・オフィスで何重にも使い、他社が真似しにくい(キムコ・リージェンシーの屋外型は食品スーパー核の単純な形が中心)。第 3 は財務で、格付けは S&P BBB+・ムーディーズ Baa1、EBITDA の 90% が無担保の資産から出て、手元の流動性は 12 億ドル、2026 年 8 月の 0.3 億ドル(利率 7.5%)の次は 2027 年半ばまで満期が無い。第 4 は 59 年連続の増配という資本配分の規律。
弱い所も 4 つ。第 1 に、純負債÷EBITDA は 5.4 倍とキムコ(5.2 倍)より高く、純負債は時価総額の約 50%。第 2 に、コスト:契約の固定の上げ幅(年 2% 前後)は物価(3.5%)に届かず、更新時の上がりで補う。リース・維持の設備投資は FFO の約 22% を食う。第 3 に、複合開発のオフィス(収入の約 12%)は空室が重く、住宅の追加は利回り(6.5〜7%)が借金の金利(5.75%)をわずかに上回るだけで、成長が資本コストをどれだけ上回るかが薄い。第 4 に、同業のキムコは占有 96.4%、リージェンシーは 96.9% と数字では FRT(占有 93.8%、契約済み 96.1%)より高いが、FRT は複合開発と住宅を含み、直接の比較は難しい。
資本効率:帳簿の ROE 12.6%(2025 年)は物件の売却益で膨らんだ見かけで、2023〜24 年は 8〜9%。式に入れる ROE は、帳簿でなく ROIC(正味 AFFO に利払いを足した運用利益 ÷(自己資本+純負債)=約 8.1%)から、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利 5.75%)× 純負債÷自己資本(1 倍まで)で約 10.5% に直し、各筋書きの時点ごとに同じ式で出した(約 9〜15%)。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の屋外型は、キムコ・リージェンシー・フェデラル・リアルティが上位で、ブリックスマー・フィリップス・エジソンなどが続く。食品スーパー・ディスカウント・サービスの店は店舗網を広げたく、新築が止まっているので、貸し手が強い。全米の小売の空室は 5.7%(キャッシュマン・アンド・ウェイクフィールド、2025 年 10〜12 月期)、屋外型はそれより低い。FRT の 2026 年の同一物件の収益見通しは 3.25〜3.75%、キムコは 3.0〜3.5%、リージェンシーは 3.7〜4.1%。
物件の取引は金利の上昇で一度凍り、今は回復している。経営陣によれば、質の高い物件の売買利回りは圧縮されて 5% を切る取引もあり、機関投資家の資金が小売に入って価格を押し上げている。FRT は 2025〜26 年に約 5.4 億ドルを平均 5.4% の利回りで売り(2026 年のここまでで 2.25 億ドル、約 5%)、取得は 2025 年に 7.5 億ドル、2021〜26 年の合計で取得 22 億ドル・売却 9 億ドル。中西部のカンザスシティ・オマハなど新しい市場に入り、3〜5 市場を増やす方針で、取得の目標は 6% 前後の利回りと、5 年で NOI 年 4〜5% の伸び(10 年の無借金の内部収益率 8〜10% 以上)。
構造の変化は 3 つ。第 1 に、EC に置き換わる業態は縮み、食品・サービス・フィットネスが増える。第 2 に、金利 5% で複合開発の新規着工の採算は厳しく、利回り 6.5〜7% が着工の目安で、それを下回る案件は進めない。第 3 に、機関投資家の資金の流入で取得の利回りが下がり、公開の REIT が買う側として不利になる一方、売る側の物件の価値は上がる(FRT は低成長の物件を売って成長の高い物件に入れ替える方針で、売る物件は買う物件より年 2〜3pt 成長が低い)。景気後退では、リーマン(2007〜09 年)の FRT の株価は山から −52%、コロナ(2020 年)は −45%、2022 年の利上げ局面は −32% と、同じ領域のキムコ(−82%・−53%)より浅く済んだ。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、年約 4.05 億ドル(正味 AFFO の約 79%、FFO の約 62%)。優先株の配当(年約 0.075 億ドル)は FFO の段階で引いてある。FRT は 59 年連続で増配しており、景気後退でも配当を維持する伝統が強い。自社株買いはしない。2026 年 4〜6 月期は ATM(市場売却型の増資)で 0.61 億ドルを調達しており、2025 年は取得に合わせて株数が約 2.7% 増えた。2026 年以降は、取得・開発の資金を売却(2.25 億ドル、約 5% の利回り)と配当後の自由資金(2026 年に 1 億ドル超、2028 年に約 1.5 億ドル)と借金で賄い、ATM は年 0.5 億ドル程度に抑える前提で書いた。payout_oku は配当から増資の払い込みを引いた正味。
借金は有利子負債 47.7 億ドル・現金 1.1 億ドル(2026 年 6 月末)。ベセスダ・ロウの約 2 億ドルの抵当が 2027 年に満期(延長権あり、経営陣は持ち分の一部を合弁として売る案を検討)。平均の利率は 4% 台と推定(brief.py と同じ置き方)で、借り換えで約 5.75% になると、10 年で全部が替わると約 0.9 億ドル(正味 AFFO の約 18%)の利払い増。
M&A は取得(2025 年に 7.5 億ドル)と売却を組み合わせた資産の入れ替えが中心で、買収で会社ごと規模を作る型ではない。TOB の対象になる可能性は、時価総額 93 億ドル・純負債込みで約 140 億ドルと大きいが、私募の資金には届き、質の高い立地を持つので、低くはない(私募の買い手は 5% 前後の利回りで物件を買う)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
FRT の強みは、複製できない立地と、複合開発の街が生む成長にある。90% の物件が全米の郡の上位 5% の所得密度にあり、3 マイル圏の世帯所得は約 18 万ドル。小売の新築は在庫の 1% に満たず、食品スーパーとサービス業は店舗を増やしたいので、2026 年 4〜6 月期は過去最大の契約面積(81.9 万平方フィート)を積み、新規・更新の賃料は現金で約 15%、直線ベースで約 28% 上がった。署名済み未開業の賃料で今後 18 か月に 0.31 億ドルの収入が乗り、占有は 2026 年末に 94% 台の半ば〜後半へ、核は 98% 台になる。
投資日の目標(2028 年まで FFO 年 5〜7.5%、AFFO 年 7〜10%)は、賃料の上がり・住宅の引き渡し(ブレア・ホボーケン・サンタナ・ロウ)・付随収入(年 +10% 超)で説明がつく。さらに、物件の売却が 5% 前後で通る(2025〜26 年で 5.4 億ドルを 5.4%)一方、会社全体は NOI の約 6.8% の利回りで評価されており、私募との差は大きい。売却と借金返済で財務を軽くしつつ価値を顕在化でき、買収提案が来れば値段は大きく跳ねる。
借り換えの重しも小さい。2027 年半ばまで満期が無く、格付けは BBB+・Baa1。純負債÷EBITDA は 5.4 倍に下がり、配当後の自由資金は 2028 年に約 1.5 億ドルへ増える。
慎重な見方
成長の大半は、賃料の上がりと開発への資本の投下で、借金の金利が上がる中では価値を作りにくい。契約の固定の上げ幅は年 2% 前後で物価(3.5%)に届かず、リース・維持の設備投資が FFO の約 22% を食い、非現金収益も多いので、FFO で約 14 倍に見える倍率は正味 AFFO で約 18 倍になる。借り換えで利払いは 10 年で約 0.9 億ドル増え、正味 AFFO の約 18% を食う。
質が高いことは周知で、値段に織り込み済み。純負債は時価総額の約 50%、純負債÷EBITDA は 5.4 倍で、キムコ(5.2 倍)より重い。住宅(利回り 6.5〜7%)は借金の金利 5.75% との差が小さく、増資(2025 年は株が 2.7% 増)を挟むと既存の株主の持ち分あたりの価値は増えない。複合開発のオフィス(収入の約 12%)は空室が重く、景気後退では小型店・オフィス・住宅が同時に傷む。コロナで −45%、リーマンで −52% と、質が高くても大きく下がった。
利益ベースの正当化 PER で測ると、資本コスト 8.75%・成長の上限 4.0%・元手の利益率(ROIC から直して)約 18% から上限は約 14.7 倍で、中立は 11.4 倍。今の約 18 倍より大きく低い。期待の年率は資本コストを下回り、質への対価はすでに払わされている。
どちらに重みを置いたか
強気の主張の事実(立地・契約の勢い・複合開発・私募との価格差)は厚く、楽観とやや楽観にわずかに確率を寄せた(12%・27%)。ただし、慎重な主張(借金の重さ・正味 AFFO の質・住宅の資金利回り・倍率の縮み)は式に組み込んだ:k に基本 8% + quality、g に市場と価格の内訳、ROE に ROIC から直した値を入れ、倍率は正当化 PER の 6.5〜9.2 割に置いた。私募との価格差は、金利が 5% 台に居座る間は借金の金利が売却利回りを上回るため、顕在化の余地を限って筋書きに入れた(楽観で一部実現)。悲観は 10%。結果、価値は今の値段を -40%(割高)。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 79.73 ドル70 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 44.09 ドル39 億ドル)。 今の値に割り戻すと 63.45 ドル55 億ドル、今との差 −41.7%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 107.16 ドル94 億ドル | 43.92 ドル38 億ドル | +38.8% | +3.3% | 18.13 ドル16 億ドル |
| やや楽観 | 27% | 95.38 ドル83 億ドル | 44.60 ドル39 億ドル | +28.6% | +2.5% | 37.80 ドル33 億ドル |
| 中立 | 34% | 85.32 ドル75 億ドル | 45.06 ドル39 億ドル | +19.7% | +1.8% | 44.33 ドル39 億ドル |
| やや悲観 | 17% | 54.89 ドル48 億ドル | 44.03 ドル39 億ドル | −9.1% | −1.0% | 16.82 ドル15 億ドル |
| 悲観 | 10% | 27.79 ドル24 億ドル | 39.68 ドル35 億ドル | −38.0% | −4.7% | 6.75 ドル6 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 79.73 ドル70 億ドル | 44.09 ドル39 億ドル | +13.7% | +1.3% | 123.82 ドル108 億ドル |
今の株価時価総額 108.88 ドル95 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:立地の希少さが広がり、賃料は物価を上回り、複合開発が街のブランドに 利益 7 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 107.16 ドル94 億ドル
10 年後の 2035 年、売上は約 21 億ドル。人口密度と所得が高い立地の希少さが効き続け、新築が止まった状態が 10 年続く。賃料は更新時の上がりで物価(1.41 倍)を上回る 1.47 倍、貸床面積は取得・再開発で年 +0.5%、占有は 95〜96% で安定。住宅は 4,000 戸超の計画が進み約 5,000 戸、複合開発の街が FRT のブランドになる。売却を 5% 前後でこなし、買収の利回りが 6% を超える案件を選び、純負債÷EBITDA は 5.0 倍まで下がる。借り換えは全て 5.75% で、約 0.9 億ドルの利払い増が重しになるが、賃料の伸びが上回る。AFFO は 2026 年の約 5.1 億ドルから 2035 年に約 7.4 億ドル、期間の GAAP 純利益の累計は約 35.7 億ドル(償却を引いた後。AFFO の累計は約 61.8 億ドル)。 g 4.0%・ROE 20.0%・k 8.75% の式(正当化 PER 15.2 倍)の 8.3 割にあたる 12.68 倍を利益に掛けて、時価総額は約 94 億ドル。
- 食品スーパー核の近隣型センター:数量 20.9(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 52(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収))→ 売上 11 億ドル・営業利益 5 億ドル。占有と更新時の賃料の上がりで増える
- 複合開発の小売(サンタナ・ロウ等):数量 4.9(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 103(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。付随収入(駐車・催事)と住宅の街づくりで増える
- 複合開発の中のオフィス:数量 2.8(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 80(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。空室が重く価格は物価より低い
- 住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅):数量 50.0(住戸数(百戸))× 価格 6.67(1 戸あたりの年間収入(万ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 2 億ドル。引き渡しで戸数が増える(利回り 6.5〜7% の案件のみ)
倍率:2025 年の実績(億ドル):GAAP 純利益 4.03 + 償却 3.20 − 売却益 1.50(減損 0.07 は戻す)+ 持ち分などの調整 0.3 = コア FFO 6.11、− 維持の支出(テナント改装・維持・仲介手数料)1.33 − 非現金の賃料 0.28 = AFFO 約 4.5。2026 年は FFO 6.53 − 維持・非現金 1.4(経営陣の「配当後の自由資金 1 億ドル超」と整合)= AFFO 約 5.1。株式報酬は FFO の中で費用のまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 7.4 ÷ 自己資本 37.0 = 20.0%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.4%、正当化 PER は 15.2 倍。 上限は利益 7.4 × 15.2 倍 = 112 億ドル。置いた 12.68 倍は上限の 8.3 割。
確率:立地の希少さが広がり、複合開発が成功し、売却・開発の資本配分も効く姿。12%(KIM は 12%)。
やや楽観 27% やや楽観:賃料は物価をやや上回り、住宅と付随収入が伸びる 利益 7 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 95.38 ドル83 億ドル
2035 年の売上は約 20 億ドル。賃料は更新時の上がりが利いて物価をやや上回る 1.44 倍、貸床面積は年 +0.4%、占有は 95% 台。住宅は約 4,600 戸、複合開発の付随収入が年 +8〜10% で伸びる。借り換えは全て 5.75%。取得と売却は差し引きでやや取得の側に傾くが、増資は年 0.65 億ドル程度。投資日の目標の後(2029 年以降)は、年 4% 前後の伸びで落ち着き、オフィスは横ばい〜やや縮小、複合開発の小売と近隣型が成長の中心になる。立地の質の高さは保たれるが、借り換えの重しで正味 AFFO の伸びは売上の伸びを下回る。AFFO は 2026 年の約 5.1 億ドルから 2035 年に約 7.0 億ドル、期間の GAAP 純利益の累計は約 33.8 億ドル(償却を引いた後。AFFO の累計は約 60.0 億ドル)。 g 4.0%・ROE 18.9%・k 8.75% の式(正当化 PER 15.0 倍)の 8.0 割にあたる 11.95 倍を利益に掛けて、時価総額は約 83 億ドル。
- 食品スーパー核の近隣型センター:数量 20.7(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 51(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収))→ 売上 11 億ドル・営業利益 5 億ドル。占有と更新時の賃料の上がりで増える
- 複合開発の小売(サンタナ・ロウ等):数量 4.8(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 101(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。付随収入(駐車・催事)と住宅の街づくりで増える
- 複合開発の中のオフィス:数量 2.7(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 78(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。空室が重く価格は物価より低い
- 住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅):数量 46.2(住戸数(百戸))× 価格 6.51(1 戸あたりの年間収入(万ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。引き渡しで戸数が増える(利回り 6.5〜7% の案件のみ)
倍率:2025 年の実績(億ドル):GAAP 純利益 4.03 + 償却 3.20 − 売却益 1.50(減損 0.07 は戻す)+ 持ち分などの調整 0.3 = コア FFO 6.11、− 維持の支出(テナント改装・維持・仲介手数料)1.33 − 非現金の賃料 0.28 = AFFO 約 4.5。2026 年は FFO 6.53 − 維持・非現金 1.4(経営陣の「配当後の自由資金 1 億ドル超」と整合)= AFFO 約 5.1。株式報酬は FFO の中で費用のまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 7.0 ÷ 自己資本 37.0 = 18.9%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.8%、正当化 PER は 15.0 倍。 上限は利益 7.0 × 15.0 倍 = 104 億ドル。置いた 11.95 倍は上限の 8.0 割。
確率:立地の質と複合開発が並以上に効く。27%(KIM は 26%)。
中立 34% 中立:賃料は物価並み、占有 95% 台、正味 AFFO は年 3% 強 利益 7 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 85.32 ドル75 億ドル
2035 年の売上は約 19.7 億ドル。貸床面積は 10 年で近隣型 +3.5%・複合開発の小売 +5%(年 +0.3〜0.5%:新築が止まる中で、開発と再開発が小さく増やす。シェアは取得と売却の差し引きほぼゼロで増減なし)、価格は物価並みの 1.41 倍。占有は 95% 台。住宅は約 4,300 戸(計画 4,000 戸超のうち、利回り 6.5〜7% を満たす分)、オフィスは横ばい。借り換えは全て 5.75% で約 0.9 億ドルの利払い増。配当は正味 AFFO の約 78%、年約 4.4 億ドルから 5.1 億ドルへ増え、10 年の配当は約 44 億ドル、増資は年 0.5 億ドル(10 年で 5 億ドル)を引いた。AFFO は 2026 年の約 5.1 億ドルから 2035 年に約 6.5 億ドル、期間の GAAP 純利益の累計は約 31.7 億ドル(償却を引いた後。AFFO の累計は約 57.9 億ドル)。 g 4.0%・ROE 17.6%・k 8.75% の式(正当化 PER 14.7 倍)の 7.8 割にあたる 11.43 倍を利益に掛けて、時価総額は約 75 億ドル。
- 食品スーパー核の近隣型センター:数量 20.6(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 50(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収))→ 売上 10 億ドル・営業利益 5 億ドル。占有と更新時の賃料の上がりで増える
- 複合開発の小売(サンタナ・ロウ等):数量 4.7(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 99(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。付随収入(駐車・催事)と住宅の街づくりで増える
- 複合開発の中のオフィス:数量 2.7(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 77(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。空室が重く価格は物価より低い
- 住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅):数量 43.0(住戸数(百戸))× 価格 6.35(1 戸あたりの年間収入(万ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。引き渡しで戸数が増える(利回り 6.5〜7% の案件のみ)
倍率:2025 年の実績(億ドル):GAAP 純利益 4.03 + 償却 3.20 − 売却益 1.50(減損 0.07 は戻す)+ 持ち分などの調整 0.3 = コア FFO 6.11、− 維持の支出(テナント改装・維持・仲介手数料)1.33 − 非現金の賃料 0.28 = AFFO 約 4.5。2026 年は FFO 6.53 − 維持・非現金 1.4(経営陣の「配当後の自由資金 1 億ドル超」と整合)= AFFO 約 5.1。株式報酬は FFO の中で費用のまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 6.5 ÷ 自己資本 37.0 = 17.6%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.2%、正当化 PER は 14.7 倍。 上限は利益 6.5 × 14.7 倍 = 96 億ドル。置いた 11.43 倍は上限の 7.8 割。
確率:賃料は物価並み、占有は 95% 台、住宅は計画の一部が実現。最も確からしいので 34%。
やや悲観 17% やや悲観:賃料が物価に届かず、オフィスと小型店が弱い 利益 6 億ドル · PER 8.7 倍 · 株価時価総額 54.89 ドル48 億ドル
2035 年の売上は約 17.9 億ドル。賃料の上がりが物価に届かず(1.34 倍)、占有は 94% 前後、オフィスは横ばい〜縮小。複合開発の小売は競争(機関投資家の資金で作られた新しい街)で賃料が伸びにくい。住宅は約 3,900 戸で止まる。借り換えは 6% 前後で進み、正味 AFFO の伸びは年 1.5% 前後。配当は維持するが増配は鈍る。立地の質は保たれ、占有は 94% 前後にとどまるが、リース・維持の設備投資が物価で増えて FFO の約 25% を食い、取得の利回りの低さで増資が割に合わず、成長は止まりがちになる。AFFO は 2026 年の約 5.1 億ドルから 2035 年に約 5.5 億ドル、期間の GAAP 純利益の累計は約 27.0 億ドル(償却を引いた後。AFFO の累計は約 53.2 億ドル)。 g 4.0%・ROE 15.0%・k 8.75% の式(正当化 PER 14.0 倍)の 6.2 割にあたる 8.66 倍を利益に掛けて、時価総額は約 48 億ドル。
- 食品スーパー核の近隣型センター:数量 20.2(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 47(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。占有と更新時の賃料の上がりで増える
- 複合開発の小売(サンタナ・ロウ等):数量 4.6(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 92(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。付随収入(駐車・催事)と住宅の街づくりで増える
- 複合開発の中のオフィス:数量 2.6(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 68(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。空室が重く価格は物価より低い
- 住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅):数量 38.8(住戸数(百戸))× 価格 5.98(1 戸あたりの年間収入(万ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。引き渡しで戸数が増える(利回り 6.5〜7% の案件のみ)
倍率:2025 年の実績(億ドル):GAAP 純利益 4.03 + 償却 3.20 − 売却益 1.50(減損 0.07 は戻す)+ 持ち分などの調整 0.3 = コア FFO 6.11、− 維持の支出(テナント改装・維持・仲介手数料)1.33 − 非現金の賃料 0.28 = AFFO 約 4.5。2026 年は FFO 6.53 − 維持・非現金 1.4(経営陣の「配当後の自由資金 1 億ドル超」と整合)= AFFO 約 5.1。株式報酬は FFO の中で費用のまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 5.5 ÷ 自己資本 37.0 = 15.0%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.9%、正当化 PER は 14.0 倍。 上限は利益 5.5 × 14.0 倍 = 77 億ドル。置いた 8.66 倍は上限の 6.2 割。
確率:オフィスと小型店の弱さが長引き、借り換えが重くなる。17%(KIM は 18%)。FRT は立地の質が高く、わずかに低く置いた。
悲観 10% 悲観:EC・在宅勤務と核の破産で優良さが崩れ、賃料も占有も伸びない 利益 4 億ドル · PER 6.6 倍 · 株価時価総額 27.79 ドル24 億ドル
構造的に負ける姿。EC と在宅勤務で小型店・オフィスの需要が縮み、核テナントの破産(食品以外の核)が続き、複合開発の街の人気も薄れる。賃料は物価の 6 割程度しか上がらず(1.20 倍)、占有は 91〜92%、オフィスは大きく縮む。借金は純負債約 48 億ドルのまま借り換えが 6.4% で進み、利払いが正味 AFFO を食い、増配は止まり、配当は 10 年のうち後半で正味 AFFO の約 85% に下がる。もう優良な REIT とはみられず、倍率は大きく縮む。売却できる物件は売るが、取得の利回りが売却より低く、増資で薄まる。借金の返済に回せる額は限られ、純負債÷EBITDA は 6 倍を超える。AFFO は 2026 年の約 5.1 億ドルから 2035 年に約 3.7 億ドル、期間の GAAP 純利益の累計は約 17.4 億ドル(償却を引いた後。AFFO の累計は約 43.6 億ドル)。 g 4.0%・ROE 9.9%・k 8.75% の式(正当化 PER 12.0 倍)の 5.5 割にあたる 6.61 倍を利益に掛けて、時価総額は約 24 億ドル。
- 食品スーパー核の近隣型センター:数量 19.3(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 42(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。占有と更新時の賃料の上がりで増える
- 複合開発の小売(サンタナ・ロウ等):数量 4.3(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 79(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。付随収入(駐車・催事)と住宅の街づくりで増える
- 複合開発の中のオフィス:数量 2.2(賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定))× 価格 56(1 平方フィートあたりの年間収入(ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。空室が重く価格は物価より低い
- 住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅):数量 32.5(住戸数(百戸))× 価格 5.29(1 戸あたりの年間収入(万ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。引き渡しで戸数が増える(利回り 6.5〜7% の案件のみ)
倍率:2025 年の実績(億ドル):GAAP 純利益 4.03 + 償却 3.20 − 売却益 1.50(減損 0.07 は戻す)+ 持ち分などの調整 0.3 = コア FFO 6.11、− 維持の支出(テナント改装・維持・仲介手数料)1.33 − 非現金の賃料 0.28 = AFFO 約 4.5。2026 年は FFO 6.53 − 維持・非現金 1.4(経営陣の「配当後の自由資金 1 億ドル超」と整合)= AFFO 約 5.1。株式報酬は FFO の中で費用のまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 3.7 ÷ 自己資本 37.0 = 9.9%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.3%、正当化 PER は 12.0 倍。 上限は利益 3.7 × 12.0 倍 = 44 億ドル。置いた 6.61 倍は上限の 5.5 割。
確率:EC・在宅勤務・核テナントの破産で優良さが崩れる構造的な負け。10 年では 10%(KIM は 10%)。立地の質が高い FRT の構造的な負けは起こりにくいが、借金の重さが傷を深くする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
食品スーパー核の近隣型センター
食品スーパー・値ごろ業態を核に、小型店(飲食・美容・サービス・フィットネス)を周りに置く近隣型・地域型の屋外センター。人口密度と所得の高い地域に集中する。
| 数量賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定) | 価格1 平方フィートあたりの年間収入(ドル。賃料+共益費の回収) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 19.9 | 35 | 7 | 3 |
| 10 年後 中立 | 20.6 | 50 | 10 | 5 |
取り方:2025 年の売上 12.8 億ドルのうち、全国・地域チェーン約 69% と地元の小売約 10%(計 79%)から複合開発の小売(下)を除いた約 7.0 億ドルを、賃貸中の面積約 1,990 万平方フィート(商業床 2,880 万平方フィート × 占有 93.8% 約 2,700 万から、複合開発の小売約 450 万・オフィス約 260 万を除く推定)で割り、1 平方フィートあたり約 35 ドルと置いた(新規契約の初年の賃料は約 34 ドル)。営業利益は償却後で売上の約 41%(営業費用 26%、償却 33%)。価格は物価(10 年 1.41 倍)が中立で、FRT は更新時の上がり(+15〜17%)が強いが、契約の固定の上げ幅が年 2% 前後なので、中立に並べて置く。
複合開発の小売(サンタナ・ロウ等)
サンタナ・ロウ、ベセスダ・ロウ、パイク・アンド・ローズ、アッセンブリー・ロウなど、小売の上に住宅とオフィスを重ねた街の小売部分。賃料が最も高く、付随収入(駐車・催事)も大きい。
| 数量賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定) | 価格1 平方フィートあたりの年間収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.5 | 69 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 4.7 | 99 | 5 | 2 |
取り方:小売の収入約 10.1 億ドルのうち、複合開発の小売を約 31%(3.1 億ドル)と推定し、面積を約 450 万平方フィート(占有ベース)と置いて 1 平方フィートあたり約 69 ドル。近隣型より賃料・付随収入が高い街であることを反映した。営業費用は 28%、償却は 30%。価格の動きは近隣型と同じく物価並みを中立とする。
複合開発の中のオフィス
複合開発(サンタナ・ロウ、パイク・アンド・ローズ、ベセスダ・ロウなど)の中のオフィス。景気と在宅勤務の影響を受けやすい。
| 数量賃貸中の貸床面積(百万平方フィート。推定) | 価格1 平方フィートあたりの年間収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.6 | 59 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.7 | 77 | 2 | 1 |
取り方:投資日の資料の収入構成(複合開発の中のオフィス約 12%)から約 1.54 億ドル。面積を約 260 万平方フィート(占有ベース)と推定して 1 平方フィートあたり約 59 ドル。オフィスは営業費用が重く(40%)、営業利益率は償却後で約 30%。価格は物価より低く置く(在宅勤務で更新時の上がりが弱いため、10 年 1.30 倍)。
住宅(小売の上に重ねる賃貸住宅)
小売の上・隣に重ねた賃貸住宅(約 2,500 戸)。ブレア・ホボーケン・サンタナ・ロウの 12 区画などの新規で戸数が増える。
| 数量住戸数(百戸) | 価格1 戸あたりの年間収入(万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 25.0 | 4.60 | 1 | 1 |
| 10 年後 中立 | 43.0 | 6.35 | 3 | 1 |
取り方:住宅は収入の約 9%(約 1.15 億ドル)。戸数約 2,500 戸で割り、1 戸あたり年約 4.6 万ドル(月約 3,800 ドル。駐車・付随収入を含む。複合開発の家賃は高い)と置いた。営業費用 35%、償却 22%。価格は 1 年更新で物価に追随するので物価並みを中立とする。
リスクと懸念
借り換えと金利
有利子負債 47.7 億ドルの平均の利率は 4% 台。2027 年半ばから満期が来て、5.75% に替えると、10 年で約 0.9 億ドル(正味 AFFO の約 18%)の利払い増。純負債÷EBITDA は 5.4 倍で、キムコの 5.2 倍より重く、長期金利が 6% を超えれば倍率も縮む。ベセスダ・ロウの約 2 億ドルの抵当(2027 年満期)の借り換えも焦点。
複合開発の実行とオフィス・住宅の資金利回り
住宅の新規(ブレア 4 億ドル・ホボーケン・サンタナ・ロウの 12 区画・ウィロー・グローブ)は利回り 6.5〜7% で、借金の金利 5.75% を 1pt 強上回るだけ。建築費の上昇や賃料の弱さで利回りが 6% を割れば価値を作れない。複合開発の中のオフィスは収入の約 12% で空室が重く、在宅勤務の定着で更新時の賃料も弱い。
資本配分:増資による薄まり
2025 年は取得に合わせて株数が約 2.7% 増え、2026 年 4〜6 月期も ATM で 0.61 億ドルを調達した。売却の利回り(約 5%)より借金の金利(5.75%)が高く、取得の利回り(6% 前後)との差が薄いので、増資で取得を伸ばすと持ち分あたりの価値が増えない。
小型店の信用損失と核テナントの破産
小型店の占有は 92.3%(占有)・93.9%(契約済み)で、景気に最も敏感。信用損失の見通しは 60〜85bp だが、景気後退では 2% 超に戻りうる。食品以外の核の破産で再賃貸まで 1〜2 年かかり、その間は共益費の回収も抜けて収入が落ちる。食品スーパー核が中心なので打撃は抑えられるが、収入の約 69% を占める全国・地域チェーンの信用が崩れれば、占有と賃料の両方が下がる。
機関投資家の資金の流入と取得の利回り
経営陣は、質の高い物件の売買利回りが 5% を切る取引もあると話す。取得の目標(6% 前後)に合う物件が減り、成長を取得で作る手段が細る。一方で売る側の価値は上がる。取得の利回りと借金の金利(5.75%)の差が 1pt を切れば、取得は価値を作らず、成長の手段は賃料の上がりと開発だけになる。
物価に届かない契約の上げ幅
契約の固定の上げ幅は年 2% 前後で物価(3.5%)に届かず、更新時の上がり(+12〜17%)を約 1 割の契約に当てて補う。リース・維持の設備投資は FFO の約 22% で、物価で増える。FFO が伸びても正味 AFFO の伸びは細りやすい。
金利が高止まる世界での倍率
10 年国債 5% の世界で、質の高い REIT の P/AFFO が今の約 18 倍に居続ける保証は無い。正当化 PER の内側に置いた中立の倍率は 11.3 倍で、倍率が縮めば、利益が増えても時価総額は増えない。配当利回りが 5% 近い債券と競う世界では、成長の乏しい REIT に高い倍率は付きにくい。
今後の分かれ目
- 小型店の破産が相次ぎ、信用損失が 1.5% を超える
- 小型店の占有が 90% 前後に下がり、同一物件の収益は年 1〜2% に鈍る。やや悲観の筋書きに寄り、倍率は 10 倍台に下がる。
- 署名済み未開業の賃料(18 か月で 0.31 億ドル)が予定どおり開業し、更新時の上がりが +15% を超える
- 同一物件の収益が年 4% 台に乗り、やや楽観〜楽観に寄る。正味 AFFO は 10 年で 6 億ドル前後へ(中立は 6.5 億ドル)。
- 10 年国債が 6% を超え、借り換えが 6% を上回る
- 利払い増が 10 年で 1.2 億ドルを超え、正味 AFFO の伸びが年 2% 台に落ちる。k も上がり、倍率は 2〜3 割下がる。
- 私募の資金から FRT(または同業)への買収提案が出る
- 式で測る価値と私募の価格(キャップレート 5% 前後)の差が埋まり、値段は上振れする。ただし長期の保有価値の評価は変わらない。
- 住宅の着工利回りが 6% を割る、または建築費が上がって計画が止まる
- 住宅の戸数が約 3,500 戸で止まり、g は 3.8% から 3% 台の前半へ。中立の倍率は 11.4 倍(上限 14.7 倍の 7.8 割)に置いてあり、利益(正味 AFFO)の伸びが下がるぶん価値が減る。
- ATM の増資が年 1.5 億ドルを超える
- 取得は伸びるが、持ち分あたりの価値が薄まる。payout の正味が下がり、価値は今より約 5% 低くなる。
見ておくもの
- 同一物件の収益の伸び(2026 年見通し 3.25〜3.75%)と小型店の占有(92.3%)・契約済み(93.9%)
- 署名済み未開業の賃料(18 か月で 0.31 億ドル)の開業時期と、新規・更新の賃料の上がり(現金 +15%)
- 借り換えの金利(2027 年半ばの満期以降)と純負債÷EBITDA(5.4 倍)、ベセスダ・ロウの約 2 億ドルの抵当
- ATM の増資額(2026 年 4〜6 月期 0.61 億ドル)と取得・売却の利回り(売却 5%・取得 6% 前後)
- 住宅の着工利回り(6.5〜7% 以上)と、ブレア・ホボーケン・サンタナ・ロウの 12 区画の契約の進み
- 信用損失(見通し 60〜85bp)とテナントの破産、私募の買い手の動き
倍率と資本コストの決め方
今の値段(正味 AFFO の約 18 倍、FFO の約 14 倍)を見る前に、セグメントごとに貸床面積×1 平方フィートあたりの収入(住宅は戸数×1 戸あたりの収入)で売上を積み上げ、NOI から設備投資・一般管理費・利払い(借り換えで 5.75%)を引いて正味 AFFO を出した。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)÷(k − g)(RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k))に、k 8.75%(基本 8% + quality +0.75%)・g 4.0%・ROE(ROIC から直して 9.9〜20.0%)を入れ、その 7〜10 割に置いた(中立は上限 14.7 倍の 7.8 割で 11.4 倍。楽観 12.7・やや楽観 11.9・やや悲観 8.7・悲観 6.6 倍)。今の約 18 倍に寄せていない。結果は今の値段より 40% 低く(割高)、k が同じ領域のリージェンシーより高いことと、借り換えで利払いが増えることによる。私募の売却が 5% 前後の利回りで通る事実(NAV は式の価値より大きい)は、確率(楽観を少し厚く)で一部を反映した。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。
同じ業種(不動産)の AI 分析
読んだ資料
- Federal Realty 2026 年 4〜6 月期決算と通期見通しの引き上げ(プレスリリース)
- Federal Realty 2026 年 4〜6 月期決算 説明会の議事録(Earnings Whispers)
- Federal Realty 2026 年 4〜6 月期決算(Finviz 転載。FFO の調整・見通し・債務)
- Federal Realty 投資日(2026 年 5 月 21 日)の要約(Quartr)
- Federal Realty BofA 不動産会議 2026 の要約(Quartr)
- Federal Realty 2025 年 10-K(株数・DownREIT ユニット)
- Federal Realty 2025 年通期決算(FFO・Core FFO)