結論
カムデンは、テキサス・フロリダ・アリゾナ・ノースカロライナ・ジョージア・コロラド・テネシーとワシントン DC 首都圏に約 5.7 万戸の賃貸住宅を持つ上場 REIT。2026 年 7 月にカリフォルニアの 11 物件・3,620 戸を約 16.25 億ドルで売り(買い手は BlackRock 系)、約 9 億ドルで借金を返し、残りを築 5 年ほどの物件の買収(1 年目の利回りは 4% 台後半)に回す。自社株買いは 2025 年下期から 2026 年上期で 6.94 億ドルを済ませた。2026 年のコア FFO は中央値で約 7.0 億ドル(OP ユニットを含む会社全体の値)。維持の設備投資 約 1.1 億ドルを引いたオーナー利益(AFFO)は約 5.9 億ドル、同一物件(カリフォルニアを除く)の NOI は −0.6% の見通しで、稼働は 95.7%。新規契約は 1〜3 月期の −5.5% から 4〜6 月期の −3.3% へ縮み、更新は +2.8%、混合は 6〜7 月にプラスへ転じた。
事業は安定しているが堀は深くない。物件の売買市場の値付け(今回の売却は FFO の約 18 倍)と株式市場の値付け(今は FFO の約 14.6 倍、AFFO の約 17 倍)の差が大きく、会社はこれを理由に自社株買いを優先してきた。バリュー投資の観点では、資本コストは基本 8% + quality +0.5% = 8.5%、倍率は AFFO に利益ベースの正当化 PER を当てる。事業の ROIC は、NOI から本社費と維持の設備投資を引いた利益を物価で付け替えた投下資本で割った 4〜8%、g は筋書きごとに 2.5〜4.5%。中立の 10 年後は AFFO(7.0 億ドル)の 11.8 倍で、確率で加重した本質価値は今の時価総額に対し約 32% 下の割高。優良な運営に相応の値段が付き、安全域は薄いという結論である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。ある。人が住む限り賃貸の需要は続き、築の新しい物件を持ち、借金も重くない。ただし堀は広がらない。サンベルトは土地が広く新築が戻りやすいので、賃料を決める力は強くなく、強みは運営の規律と資本の配り方に宿る。
オーナー利益は、会社全体(OP ユニット込み)のコア FFO 約 7.0 億ドルから維持の設備投資(年 1.1 億ドル)を引いた AFFO で約 5.9 億ドル。これを倍率の土台にした(2025 年は GAAP 純利益 3.8 億ドルに減価償却を足し、売却益を引いて 6.4 億ドル)。株式報酬(年 0.18 億ドル)はカムデンの FFO にすでに費用として入っている。配当は約 4.4 億ドルで、残りの約 1.5 億ドルが内装改修(年 0.8 億ドル弱)や開発に回る。再投資の利回りは買収で 5% 前後、開発で 5% 台後半〜6% と、借金の金利 5% 台と大差なく、再投資で価値が積み上がる余地は小さい。
資本配分は、売り時にカリフォルニアを売り、割安と見た自社株を 6.94 億ドル買った点で評価できる。一方で、割安と見て買った自社株の後に株価がさらに下がり、NAV との乖離がむしろ広がったように、市場の値付けに先回りするのは難しい。安全域は、私募市場の値付けを重く見るか、式で測る価値を重く見るかで大きく変わる。予測のしやすさは中程度(賃料は読みやすいが、供給の山の越え方と借換えは読みにくい)。
何で稼ぐ会社か
収益のほぼ全部が賃貸料と付帯収入(2025 年は売上 15.7 億ドルのうち賃料 14.0 億・その他 1.7 億)。契約は 1 年以内が中心で、更新と入れ替えのたびに賃料が市場へ動く。2026 年 4〜6 月期の混合賃料は −0.2%(新規 −3.3%、更新 +2.8%)、7 月の署名済み更新は +4% 超、8〜9 月の更新提示は平均 +4.2%。年間の入れ替え率は約 39%、転出のうち持ち家の購入は 10.4%、州外からの入居は 16%。
売却後の運営中は約 5.3 万戸で、同一物件の NOI の構成は、DC 16%・ヒューストン 11%・フェニックス 9%・南東フロリダ 8%・ダラス 8%・アトランタ 8%・オーランド 8%・タンパ 7%・シャーロット 7%・デンバー 6%・ローリー 5%・オースティン 5%・ナッシュビル 2%。ここでは三つに分けた。供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル、NOI の約 4 割)、大型の主力(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ、約 4 割強)、DC(約 16%)。
収益の外側に開発がある。建設中は 3 件・1,162 戸・総額 4.92 億ドル(安定時の利回り 5% 台後半〜6%)、リースアップ中が 1 件、パイプラインが 932 戸。維持の設備投資は 2026 年に年 1.1 億ドル台、内装改修などの収益向上型投資が年 0.8 億ドル弱。保険は費用の約 7%。
優良さと弱いところ
強みは三つ。第一に、運営の規律。稼働を 95〜96% に保ちながら、費用を同一物件で年 +2.5% に抑える(水道・ごみ・保険の契約見直しで 2026 年の費用見通しを 0.5 ポイント下げた)。第二に、財務。無担保債が負債の約 9 割、平均金利 4.1%・残存 5.4 年で、売却後の純負債/EBITDAre は約 4.5 倍へ下がる見込み。第三に、資本配分の機動性。カリフォルニアは賃料規制と固定資産税の見直し(買い手が払う税の増加を含めると売却の利回りは約 0.3 ポイント下がる)で伸びにくいとみて、高く売れる時に売って、サンベルトの新しい物件と自社株に振り向けた。
弱みも明確。サンベルトは土地が広く、新築が戻りやすい市場で、堀と言えるのは物件の新しさと運営の質くらいしかない。競合のミッドアメリカ(Mid-America Apartment Communities、MAA)は戸数が約 2 倍で市場の密度も高く、UDR・グレイスター・私募の新築と賃料で戦う。価格付けソフト(RealPage)を巡る集団訴訟では 5,300 万ドルを払う和解をした(コア FFO からは除外)。また、2030 年に満期を迎える 7.5 億ドルは金利 2.9% で、置き換えで利払いが増える。DC とヒューストンの売却は損益を落とさず済むかが読めない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
2026 年の米国の賃貸は、沿岸が強く内陸サンベルトが弱い二極化にある。CoStar によると、全米の新築の引き渡しは 2024 年の 69.6 万戸から 2025 年 53.1 万戸、2026 年 約 42.1 万戸へ減り、2027 年はさらに約 24% 減る。着工はサンベルトで 2022 年のピークの約 75% 減(Marcus & Millichap)。Yardi は全米の募集賃料を 2026 年 +0.5%・2027 年 +1.0%・2028 年 +2.3% と見る。カムデンの経営陣も、多くの市場で供給はピークを過ぎ、来年にかけて需給が逆転しうると述べる。
市場ごとの差は大きい。オースティンの新規契約は 3 月の −11% から 7 月の −3% へ、デンバーの実効新規賃料は −7.7% から −4.3% へ縮んだ。ナッシュビル・ローリー・デンバーは同一物件の NOI が 2 桁近い減少で、オーランド・ダラス・南東フロリダは前年を上回る。
数量と価格で置くと、数量は戸数(買収・開発・売却で年 0〜1%)、価格は 1 戸あたりの売上(物価 3.5%)。持ち家の購入より賃貸が安い(賃料/所得 約 18%)ので賃貸は残る。ただし新築が戻れば賃料は物価に届かず、競合の差は物件の新しさ・立地・運営で決まる。上場の賃貸住宅 REIT 全体でも米国の賃貸の数% で、シェアが価格を決める市場ではない。
規制は賃料規制(カリフォルニア・ニューヨーク・ワシントン州)が中心で、カムデンはカリフォルニアから離れたため直接の影響は小さい。価格付けソフトの訴訟は業界共通の論点。
資本政策と M&A
資本政策は機動型。2025 年下期から 2026 年上期に 6.94 億ドル(FFO 利回り 6.4%)の自社株買いを実行し、残枠は 2.98 億ドル。カリフォルニアの売却代金 16.25 億ドルは、約 9 億ドルで信用枠と CP を返済、10 億ドルを 1031 交換(売却益の課税を繰り延べ、特別配当を避ける)に確保した。内訳は買収 7 物件 6.45 億ドル(築 5 年・1 年目の利回りは 4% 台後半、1〜1.5 年で 5% 台半ば)、用地 0.45 億、契約済み 1.95 億、今後の買収 約 2 億。経営陣は NAV の市場予想に対し株価が約 2 割低いと説明し、乖離が続けば自社株買いを優先、必要なら資産を売る方針。
借金は 2026 年に 5.5 億ドル、2028・2029 年に各 5〜6 億ドル、2030 年に 7.5 億ドル(2.9%)が満期。2026 年 2 月に 4.9%・2036 年の社債 6 億ドルを出した水準が新しい金利の目安で、今は 11 月の満期に長期債の発行を検討している。7 月に 3.5 億ドルの 1 年タームローンを取った。
M&A は自前では買う側より組み替える側。DC とヒューストンの比率を下げ、中西部は注視するが入らない。同業のサンベルト REIT の統合の話は出ているが、具体的な報道は確認できなかった。時価総額が約 100 億ドルと中規模で、売られる側にもなりうる(推定)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
供給の崖が来る。2027 年の引き渡しは 24% 減り、着工は 2022 年のピークの 75% 減で、2028 年には新築の空白が生まれる。カムデンの新規契約はすでに −5.5% から −3.3% へ縮み、混合賃料は 6〜7 月にプラスへ転じ、7 月の署名済み更新は +4% 超。オースティンは −11% から −3%、デンバーは −7.7% から −4.3% へ縮んだ。賃料は 2028 年から年 5% 前後で伸び、10 年で 1.5 倍に近づく。
資本配分も味方する。カリフォルニアを FFO の約 18 倍で売り、約 6.4% の FFO 利回りで自社株を買い、築 5 年の物件を 5% 台半ばの利回りで買う。NAV の市場予想に対し株価は約 2 割安で、非公開化や統合の標的にもなりうる。DC とヒューストンを減らして売却益を新しい物件に回せば、同じ戸数でも NOI 率が上がる。
借金は売却後に純負債/EBITDAre が約 4.5 倍へ下がり、2030 年の借換えまで時間がある。2035 年の AFFO は約 9.6 億ドル、倍率は利益ベースの上限の内側で 14.1 倍、時価総額は約 135 億ドル。
慎重な見方
2026 年の同一物件の NOI は −0.6% で、会社の見通しの下端は −1.65%。新規契約はなお −3% で、更新の +4% も新規の弱さで押さえられる。サンベルトの供給は 2024 年のピークから減っただけで、フェニックス・オースティン・デンバー・ナッシュビル・ローリーは NOI が 2 桁近く落ちている。Yardi は賃料の戻りを 2026 年末から 2027 年末へ延ばした。移住はフロリダ・テキサスで細り、アトランタは純流出。
カリフォルニアの売却で 2026 年に載っている約 0.5 億ドルの NOI が抜け、FFO は 2027 年に 7.0 億ドルから 6.6 億ドル前後へ下がる。買収の利回りは 4% 台後半、借金の金利は 5% 台で、買うほど利ざやが細る。2030 年の 7.5 億ドル(2.9%)は 5.5% 前後で置き換わり、利払いが 1.9 億ドル近く増える。
式で測る資本の元手(自己資本+純負債)は売却後も約 85 億ドルで、ROE は 7% 程度、倍率は FFO の約 13 倍にとどまる。FFO の約 18 倍の売却は私募市場の値付けで、株主が受け取れるのは 6.4% の利回りで買い戻した分だけ。
どちらに重みを置いたか
強気の根拠は、供給の崖と資本配分の巧みさで、どちらもカムデンに固有ではない(MAA・UDR にも同じ崖が来る)。慎重な根拠(新規契約が 2026 年に負のまま、利ざやの薄い買収、2030 年の借換え、元手の大きさから出る低い倍率)は、起きる確率が高く全社に広く効く。ただし稼働 95.7%・純負債/EBITDAre 約 4.5 倍・無担保中心の負債は崩れにくく、悲観は倒産でなく成長の停止にとどまる。確率は中立 36〜40% を中心に、楽観・やや楽観の合計を 30〜31%、やや悲観・悲観の合計を 30〜33% とほぼ均衡させ、10 年の悲観は構造的な負けとして 12% に置いた。 倍率は利益ベースの正当化 PER の内側に置き直した。利益を維持の設備投資を引いたオーナー利益(AFFO)に揃えたので、総合は今の時価総額に対し約 32% 下になり、判定は「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 72.36 ドル74 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 52.58 ドル54 億ドル)。 今の値に割り戻すと 66.97 ドル69 億ドル、今との差 −34.8%、 期待の年率 +2.0%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 110.22 ドル113 億ドル | 60.29 ドル62 億ドル | +66.0% | +5.2% | 15.35 ドル16 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 93.12 ドル95 億ドル | 56.77 ドル58 億ドル | +45.9% | +3.8% | 32.98 ドル34 億ドル |
| 中立 | 36% | 80.51 ドル82 億ドル | 54.82 ドル56 億ドル | +31.7% | +2.8% | 48.72 ドル50 億ドル |
| やや悲観 | 21% | 46.02 ドル47 億ドル | 48.86 ドル50 億ドル | −7.7% | −0.8% | 19.92 ドル20 億ドル |
| 悲観 | 12% | 27.55 ドル28 億ドル | 38.89 ドル40 億ドル | −35.3% | −4.3% | 7.97 ドル8 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 72.36 ドル74 億ドル | 52.58 ドル54 億ドル | +21.6% | +2.0% | 124.94 ドル128 億ドル |
今の株価時価総額 102.74 ドル105 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 9% 楽観:供給が枯れ、賃料が物価を上回って伸びる 利益 10 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 110.22 ドル113 億ドル
供給の山は 2027 年に終わり、州外からの入居と家を買えない層の賃貸滞留で賃料は 2028 年から年 4〜5%。10 年の賃料は 弱含みの市場 +50%・主力 +49%・DC +51%。費用は年 3.5% で NOI 率は 64% から 67% へ上がる。売上 23.8 億ドル・NOI 15.9 億ドル・FFO 約 11.2 億ドル(2026 年見通しの約 1.6 倍)。開発と買い替えで戸数は年 1% 増。借換えで利払いは 3.2 億ドル。10 年の還元は約 62 億ドル。g 4.0%・ROE 22.9%・k 8.50% の式(正当化 PER 16.6 倍)の 7.1 割にあたる 11.76 倍を利益に掛けて、時価総額は約 113 億ドル。競合のミッドアメリカ(MAA)・UDR との差は、運営と物件の新しさで広がり、DC とヒューストンから売った資金が利回りの高い物件に回る。 純利益(会計)の累計は10 年で約 20.4 億ドル:FFOの累計 86.9 億ドル、減価償却など現金の出ない費用の累計 66.5 億ドル(2025 年の実績 6.1 億ドルを中立の売上の伸びで増やす)を引く。自己資本は今 43.6 + 累計 − 還元 61.7 で約 2.3 億ドルになる。 オーナー利益(AFFO)は FFO 11.2 億ドルから維持の設備投資 1.6 億ドルを引いた約 9.6 億ドル(2026 年は約 5.9 億ドル)。GAAP 純利益の累計は約 25 億ドル(10 年の減価償却 約 65 億ドルを引いた後。2026 年のカリフォルニア売却益 約 3.4 億ドルを含む)。
- 供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル):数量 26.7(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 38(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +50%、戸数 +11%
- 大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ):数量 25.8(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 40(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。賃料 +49%、戸数 +11%
- ワシントン DC 首都圏:数量 6.4(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 51(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +51%、戸数 +11%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.8 + 不動産の減価償却 6.0 − 売却益 2.6 + 非支配持ち分などの調整 0.2 − 維持の設備投資 1.1 = 6.4 億ドル(会社のコア AFFO は 6.5 億ドル。差 0.1 は非コア費用の足し戻し)。この筋書きの net_oku は、コア FFO から維持の設備投資を引いた AFFO で、株式報酬は費用に入ったまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 7.6 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 126% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 9.6 + 借入金利 5.75% × 純負債 39)÷(今の自己資本 44 + 純負債 39)= 14.3%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 22.9%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 15.7%、正当化 PER は 16.6 倍。 上限は利益 9.6 × 16.6 倍 = 159 億ドル。置いた 11.76 倍は上限の 7.1 割。 EV でも見た:(時価総額 113 + 純有利子負債 39)÷ 営業利益 7 = 22 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 9.6 + 借入金利 5.75% × 純負債)11.8 で割ると 12.8 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:供給が枯れ、移住と家を買えない層の賃貸滞留で賃料が年 4〜5% で伸びる確率を 9% に置く。ESS(12%)より低いのは、サンベルトは土地が広く、新築が戻りやすいため。
やや楽観 22% やや楽観:山を 2027 年までに越え、賃料が物価並みを少し超える 利益 8 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 93.12 ドル95 億ドル
山を 2027 年までに越え、賃料は 2028 年から年 4% 台。10 年の賃料は 弱含みの市場 +40%・主力 +40%・DC +44%。費用は年 3.5%、NOI 率は 65% 前後を保つ。売上 21.8 億ドル・NOI 14.1 億ドル・FFO 約 9.7 億ドル。戸数は年 0.7% 増、借換えで利払いは 3.0 億ドル。10 年の還元は約 58 億ドル。更新の +4% 台と買収後の賃料無料の解消(買収の利回りは 1〜1.5 年で 5% 台半ばへ)が利益を押し上げる。g 4.0%・ROE 19.3%・k 8.50% の式(正当化 PER 15.8 倍)の 7.4 割にあたる 11.76 倍を利益に掛けて、時価総額は約 95 億ドル。競合のミッドアメリカ(MAA)・UDR も同じ回復をたどるので、差は物件の新しさと DC・ヒューストンの縮小で付き、自社株買いは残枠 3.0 億ドルの範囲で割安な局面にだけ続く。 純利益(会計)の累計は10 年で約 13.1 億ドル:FFOの累計 79.6 億ドル、減価償却など現金の出ない費用の累計 66.5 億ドル(2025 年の実績 6.1 億ドルを中立の売上の伸びで増やす)を引く。自己資本は今 43.6 + 累計 − 還元 58.1 で約 -1.4 億ドルになる。 オーナー利益(AFFO)は FFO 9.7 億ドルから維持の設備投資 1.6 億ドルを引いた約 8.1 億ドル(2026 年は約 5.9 億ドル)。GAAP 純利益の累計は約 18 億ドル(10 年の減価償却 約 65 億ドルを引いた後。2026 年のカリフォルニア売却益 約 3.4 億ドルを含む)。
- 供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル):数量 26.0(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 36(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 9 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +39%、戸数 +8%
- 大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ):数量 25.1(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 38(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。賃料 +40%、戸数 +8%
- ワシントン DC 首都圏:数量 6.2(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 48(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +44%、戸数 +8%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.8 + 不動産の減価償却 6.0 − 売却益 2.6 + 非支配持ち分などの調整 0.2 − 維持の設備投資 1.1 = 6.4 億ドル(会社のコア AFFO は 6.5 億ドル。差 0.1 は非コア費用の足し戻し)。この筋書きの net_oku は、コア FFO から維持の設備投資を引いた AFFO で、株式報酬は費用に入ったまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 4.0%(価格(賃料)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 3.9 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 208% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 8.1 + 借入金利 5.75% × 純負債 39)÷(今の自己資本 44 + 純負債 39)= 12.5%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 19.3%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.9%、正当化 PER は 15.8 倍。 上限は利益 8.1 × 15.8 倍 = 128 億ドル。置いた 11.76 倍は上限の 7.4 割。 EV でも見た:(時価総額 95 + 純有利子負債 39)÷ 営業利益 5 = 26 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 8.1 + 借入金利 5.75% × 純負債)10.3 で割ると 13.0 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:山を 2027 年までに越え、混合が物価並みに戻る。ESS・MAA・INVH と同じ 22%。売却と買い替えで運営の効率が上がることも支える。
中立 36% 中立:山を 2028 年までに越え、賃料は物価をやや下回る伸び 利益 7 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 80.51 ドル82 億ドル
山を 2028 年までに越え、賃料は 2029 年から年 3.5〜3.8%。10 年の賃料は 弱含みの市場 +32%・主力 +34%・DC +38%(物価の 1.41 倍より低いのは、前半の 3 年で賃料がほとんど伸びないため)。費用は年 3.5% で NOI 率は 64% のまま。売上 20.4 億ドル・NOI 12.9 億ドル・FFO 約 8.6 億ドル(2026 年の約 7.0 から年 2.2%。カリフォルニア分を除けば年 3%)。戸数は年 0.6% 増、借換えで平均金利は 4.1% から 4.9% 前後になり、利払いは 2.8 億ドル。10 年の還元は約 56 億ドル。g 4.0%・ROE 16.7%・k 8.50% の式(正当化 PER 15.2 倍)の 7.8 割にあたる 11.76 倍を利益に掛けて、時価総額は約 82 億ドル。 純利益(会計)の累計は10 年で約 7.7 億ドル:FFOの累計 74.2 億ドル、減価償却など現金の出ない費用の累計 66.5 億ドル(2025 年の実績 6.1 億ドルを中立の売上の伸びで増やす)を引く。自己資本は今 43.6 + 累計 − 還元 56.1 で約 -4.8 億ドルになる。 オーナー利益(AFFO)は FFO 8.6 億ドルから維持の設備投資 1.5 億ドルを引いた約 7.0 億ドル(2026 年は約 5.9 億ドル)。GAAP 純利益の累計は約 12 億ドル(10 年の減価償却 約 64 億ドルを引いた後。2026 年のカリフォルニア売却益 約 3.4 億ドルを含む)。
- 供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル):数量 25.6(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 34(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +32%、戸数 +6%
- 大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ):数量 24.7(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 36(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。賃料 +34%、戸数 +6%
- ワシントン DC 首都圏:数量 6.1(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 46(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +38%、戸数 +6%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.8 + 不動産の減価償却 6.0 − 売却益 2.6 + 非支配持ち分などの調整 0.2 − 維持の設備投資 1.1 = 6.4 億ドル(会社のコア AFFO は 6.5 億ドル。差 0.1 は非コア費用の足し戻し)。この筋書きの net_oku は、コア FFO から維持の設備投資を引いた AFFO で、株式報酬は費用に入ったまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 3.6%(価格(賃料)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 0.3 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 2337% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 7.0 + 借入金利 5.75% × 純負債 39)÷(今の自己資本 44 + 純負債 39)= 11.2%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 16.7%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.6%、正当化 PER は 15.2 倍。 上限は利益 7.0 × 15.2 倍 = 106 億ドル。置いた 11.76 倍は上限の 7.8 割。 EV でも見た:(時価総額 82 + 純有利子負債 39)÷ 営業利益 4 = 30 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 7.0 + 借入金利 5.75% × 純負債)9.2 で割ると 13.1 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:山を 2028 年までに越え、賃料は物価をやや下回る伸び(弱含みの市場は 10 年で 1.32 倍、物価は 1.41 倍)。業界ノートの中立に沿う。36%。
やや悲観 21% やや悲観:供給と移住の細りで賃料が物価に負け、借換えが効く 利益 5 億ドル · PER 9.9 倍 · 株価時価総額 46.02 ドル47 億ドル
供給の裾が長く、移住も細り、賃料は 10 年で 弱含みの市場 +15%・主力 +22%・DC +28%。費用は年 3.9% で NOI 率が 64% から 57% へ下がる。売上 16.9 億ドル・NOI 9.7 億ドル・FFO は約 6.2 億ドルで、2026 年の水準を下回る。売却で戸数は 2% 減り、純負債は約 38 億ドルに収まる。借換えは 5.75%。10 年の還元は約 50 億ドル。g 4.0%・ROE 11.2%・k 8.50% の式(正当化 PER 13.2 倍)の 7.5 割にあたる 9.93 倍を利益に掛けて、時価総額は約 47 億ドル。競合の新築は賃料無料で入居を取り続け、更新の +4% も新規の弱さで鈍る。自社株買いは 2028 年に止まる。 純利益(会計)の累計は10 年で約 -4.2 億ドル:FFOの累計 62.4 億ドル、減価償却など現金の出ない費用の累計 66.5 億ドル(2025 年の実績 6.1 億ドルを中立の売上の伸びで増やす)を引く。自己資本は今 43.6 + 累計 − 還元 50.0 で約 -10.6 億ドルになる。 オーナー利益(AFFO)は FFO 6.2 億ドルから維持の設備投資 1.5 億ドルを引いた約 4.7 億ドル(2026 年は約 5.9 億ドル)。GAAP 純利益の累計は約 1 億ドル(10 年の減価償却 約 63 億ドルを引いた後。2026 年のカリフォルニア売却益 約 3.4 億ドルを含む)。
- 供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル):数量 23.6(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 29(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +15%、戸数 -2%
- 大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ):数量 22.8(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 33(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +22%、戸数 -2%
- ワシントン DC 首都圏:数量 5.6(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 43(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。賃料 +28%、戸数 -2%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.8 + 不動産の減価償却 6.0 − 売却益 2.6 + 非支配持ち分などの調整 0.2 − 維持の設備投資 1.1 = 6.4 億ドル(会社のコア AFFO は 6.5 億ドル。差 0.1 は非コア費用の足し戻し)。この筋書きの net_oku は、コア FFO から維持の設備投資を引いた AFFO で、株式報酬は費用に入ったまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 3.0%(価格(賃料)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 -4.6 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 4.7 + 借入金利 5.75% × 純負債 39)÷(今の自己資本 44 + 純負債 39)= 8.5%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 11.2%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.8%、正当化 PER は 13.2 倍。 上限は利益 4.7 × 13.2 倍 = 62 億ドル。置いた 9.93 倍は上限の 7.5 割。 EV でも見た:(時価総額 47 + 純有利子負債 39)÷ 営業利益 1 = 72 倍と高く出るのは、REIT の営業利益が減価償却後で小さいため。利払い前のオーナー利益(利益 4.7 + 借入金利 5.75% × 純負債)7.0 で割ると 12.3 倍で、利益の倍率で出した値と食い違わない。
確率:供給の裾が長く移住も細り、賃料が物価に負ける筋書き。弱含みの市場は 10 年で 1.15 倍(中立より 13% 低い)。2030 年の低金利債(2.9%、7.5 億ドル)の置き換えも重く、MAA(21%)と同じ 21%。
悲観 12% 悲観:景気後退と費用の急騰で構造的に負ける 利益 3 億ドル · PER 8.4 倍 · 株価時価総額 27.55 ドル28 億ドル
景気後退・税と保険の急騰・家賃規制の波及が重なる。賃料は 10 年で 弱含みの市場 -0%・主力 +10%・DC +17%、費用は年 4.0% で NOI 率は 64% から 52% へ。売上 13.8 億ドル・NOI 7.1 億ドル・FFO 約 4.8 億ドル(2026 年の約 7 割)。約 9% の戸数を安値で売り、純負債を約 20 億ドルへ。借換えは 6.0%。10 年の還元は約 40 億ドル(前半の配当が中心)。ROE 7.8% が k 8.50% 以下なので、倍率の上限は 1÷k の 11.8 倍。その 7.2 割の 8.43 倍を利益に掛けて、時価総額は約 28 億ドル。稼働は 92% 前後まで落ち、配当も約 2 割減る。ただし無担保債が中心で 2034 年までの満期の山は小さく、存続に疑いはない。 純利益(会計)の累計は10 年で約 -13.9 億ドル:FFOの累計 52.6 億ドル、減価償却など現金の出ない費用の累計 66.5 億ドル(2025 年の実績 6.1 億ドルを中立の売上の伸びで増やす)を引く。自己資本は今 43.6 + 累計 − 還元 39.8 で約 -10.1 億ドルになる。 オーナー利益(AFFO)は FFO 4.8 億ドルから維持の設備投資 1.4 億ドルを引いた約 3.4 億ドル(2026 年は約 5.9 億ドル)。GAAP 純利益の累計は約 -8 億ドル(10 年の減価償却 約 62 億ドルを引いた後。2026 年のカリフォルニア売却益 約 3.4 億ドルを含む)。
- 供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル):数量 21.9(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 25(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。賃料 -0%、戸数 -9%
- 大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ):数量 21.1(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 30(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。賃料 +10%、戸数 -9%
- ワシントン DC 首都圏:数量 5.2(賃貸戸数(千戸、運営中))× 価格 39(1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。賃料 +17%、戸数 -9%
倍率:【オーナー利益】2025 年は GAAP 純利益 3.8 + 不動産の減価償却 6.0 − 売却益 2.6 + 非支配持ち分などの調整 0.2 − 維持の設備投資 1.1 = 6.4 億ドル(会社のコア AFFO は 6.5 億ドル。差 0.1 は非コア費用の足し戻し)。この筋書きの net_oku は、コア FFO から維持の設備投資を引いた AFFO で、株式報酬は費用に入ったまま。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 2.5%(価格(賃料)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 -3.3 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 3.4 + 借入金利 5.75% × 純負債 39)÷(今の自己資本 44 + 純負債 39)= 6.8%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 7.8%。 ROE 7.8% が k 8.50% 以下なので、PER は 1÷k = 11.8 倍まで(ためた利益は額面未満の価値)。 上限は利益 3.4 × 11.8 倍 = 39 億ドル。置いた 8.43 倍は上限の 7.2 割。
確率:景気後退・税と保険の急騰・家賃規制の波及が重なる構造的な負け。弱含みの市場の賃料は 10 年で 1.00 倍。ただし純負債/EBITDAre は 4〜5 倍台で倒産には遠い。12%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
供給の山が重く弱含みの市場(フェニックス・アトランタ・シャーロット・ローリー・デンバー・オースティン・ナッシュビル)
新築の引き渡しが多く、新規契約の賃料が下がっている市場。NOI の約 4 割。
| 数量賃貸戸数(千戸、運営中) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 24.1 | 26 | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 25.6 | 34 | 9 | 2 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の補足資料の市場別戸数(フェニックス 4,414・アトランタ 4,539・シャーロット 4,279・ローリー 4,041・デンバー 2,873・オースティン 4,038・ナッシュビル 1,782=約 2.6 万戸、運営中に換算して 2.41 万戸)に平均月額賃料(1,492〜2,156 ドル)と稼働 95.7%・付帯収入 12%(2025 年の実績比)を掛けた売上 6.14 億ドル。営業利益は NOI 率 61.5%(推定。同一物件 NOI の構成比 41% に合わせた)から減価償却を売上比で配分した値。カリフォルニアを除く 2025 年の姿に置き直した。新築の引き渡しが重く、デンバー −7.5%・ローリー −8.0%・オースティン −3.8%・ナッシュビル −12.0% の NOI 前年比(4〜6 月期)。競合はミッドアメリカ(MAA)・UDR・グレイスターと私募の新築で、シェアで価格を決める市場ではない。
大型の主力市場(ヒューストン・ダラス・オーランド・タンパ・南東フロリダ)
戸数が最も多く、オーランド・ダラス・南東フロリダの NOI が前年を上回る市場。NOI の約 4 割強。
| 数量賃貸戸数(千戸、運営中) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 23.2 | 27 | 6 | 2 |
| 10 年後 中立 | 24.7 | 36 | 9 | 2 |
取り方:ヒューストン 8,207・ダラス 5,773・オーランド 4,564・タンパ 3,464・南東フロリダ 3,050=約 2.5 万戸(運営中に換算して 2.32 万戸)、平均月額賃料 1,650〜2,701 ドル、稼働 95.7%・付帯収入 12% で売上 6.28 億ドル。NOI 率 64%(推定)。同一物件 NOI の前年比はダラス +1.2%・オーランド +3.1%・南東フロリダ +1.1%・タンパ +0.6%・ヒューストン 0.0%。会社はヒューストンの比率を下げ、新しい物件を買い足す方針。競合はグレイスター・MAA・UDR・私募ファンドで、シェアで価格を決める市場ではない。
ワシントン DC 首都圏
賃料が最も高く供給が軽い市場。2026 年はやや弱く NOI −1.0%。NOI の約 16%。
| 数量賃貸戸数(千戸、運営中) | 価格1 戸あたりの年間の売上(千ドル。賃料・稼働・付帯収入込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.8 | 33 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 6.1 | 46 | 3 | 1 |
取り方:DC 首都圏 6,194 戸(運営中に換算して 5.75 千戸)、平均月額賃料 2,392 ドル(前年比 +1.6%)、稼働 95.7%・付帯収入 12% で売上 1.92 億ドル。NOI 率 74.5%(推定。構成比 16% に合わせた)。政府関連の雇用の弱さと、新規供給の軽さの両方が効く(推定)。会社は DC の比率も下げる方針。競合はグレイスター・アバロンベイ・エクイティ・レジデンシャル・私募。
リスクと懸念
サンベルトの新築の山が思ったより長い
フェニックス・オースティン・デンバー・ナッシュビル・ローリーは 2026 年の NOI が 2 桁近く落ちている。Yardi は賃料の戻りを 2027 年末へ延ばした。2027〜28 年も新規契約がマイナスなら、同一物件の NOI は 2028 年まで伸びず、FFO は 6 億ドル台で足踏みする。
2030 年の低金利債の借換え
2030 年に満期の 7.5 億ドルは金利 2.9%。5.5% 前後で置き換えると利払いが年 1.9 億ドル近く増え(FFO の 3 割弱)、2028・2029 年の各 5〜6 億ドル(3.8%)も同じ方向に効く。賃料の伸びが物価未満なら吸収できず FFO は減る。
売却代金の再投資の利ざや
10 億ドルを 1031 交換で買収・用地に回す。買収の 1 年目の利回りは 4% 台後半で、借金の金利 5% 台より低い。賃料無料の解消で 5% 台半ばへ上がる前提に頼る。買い手が競って利回りが下がれば、再投資の価値は薄く、売って買う循環が株主の利益にならない。
DC とヒューストンの売却の損益
経営陣は両市場の比率を下げる方針。両方で NOI の 27% を占め、売却益に課税が出る(1031 交換で繰り延べる範囲に限る)。市場が弱い時に売れば、売却の利回りが上がり、価値の確定が遅れ、1031 交換の期限(買収の特定 45 日・完了 180 日)に追われて高く買う恐れもある。
価格付けソフトを巡る訴訟と規制
RealPage の賃料算定ソフトを巡る集団訴訟で 5,300 万ドルを払う和解をした(コア FFO から除外)。同業大手に共通する論点で、賃料の最適化による収益の上乗せ(業界で数十 bp の NOI、推定)がなくなる恐れがある。
保険と固定資産税の上昇
保険は費用の約 7%。2026 年は更新が想定より良く費用見通しを下げたが、一過性とみる(第 3 四半期の固定資産税の還付による改善もある)。テキサスの固定資産税の見直しと保険の上げが年 4% を超えれば、賃料が物価並みでも NOI 率が下がり、費用の伸びが利益を削る。
株価と NAV の乖離が続く
株価は NAV の市場予想の約 8 割。乖離が続くと経営陣は自社株買いのために資産を売る。株価がさらに下がれば、売却の利回りと自社株の利回りの差が縮み、売って買う循環の旨味が薄れ、資産売却を続ける理由も弱くなる。
今後の分かれ目
- 2027 年前半に新規契約がプラスへ戻り、混合賃料が 3% 台になったら
- 供給の崖が効いた証拠。楽観とやや楽観の確率を上げ、中立の AFFO(10 年で約 7.0 億ドル)を 1 割上げて見る。
- 2027 年も新規契約が −3% 前後のまま、更新も +3% を割ったら
- 山の裾が長い筋書き。やや悲観の確率を上げ、10 年の AFFO を 6 億ドルへ下げて見る。自社株買いは止まる。
- 10 年国債が 5% を超えて上がり続け、売買のキャップレートが 6% 台に戻ったら
- 物件の価値と NAV が下がり、売却の利回りの優位が消える。倍率の式の k−g が縮み、中立の倍率 13.3 倍は 11〜12 倍に下げて見る。
- 11 月の満期の借換えを 5% 台前半で長期債にできたら
- 2030 年の借換えの新金利の目安になる。5.5% を上回れば利払いの増加を大きく見て、やや悲観を厚くする。
- 同業のサンベルト REIT との統合や非公開化の提案が出たら
- 私募市場の値付け(FFO の 17〜18 倍)が株主に届く可能性。楽観の確率を上げるが、実現する前に筋書きへ入れない。
- DC とヒューストンの売却が、買収と同時に進まずに現金のまま残ったら
- 受取利息で FFO は守られるが、再投資の利回りが 4% 台なら価値は増えない。借金返済か自社株買いに回るかで見方を変える。
見ておくもの
- 新規契約と更新・混合賃料(四半期)、市場別(オースティン・デンバー・フェニックス・ナッシュビル)の戻り
- 新築の引き渡し(2027 年 −24%)と着工件数(CoStar・Yardi)
- 同一物件の費用の伸び(税・保険・水道)と NOI 率
- 11 月の社債発行の金利と 2030 年満期(2.9%)の置き換え
- 1031 交換による買収の利回りと、DC・ヒューストンの売却の進み
- 自社株買いの実行額と、株価・NAV の乖離(市場予想)
- 純負債/EBITDAre(4.5 倍の維持)と開発の安定利回り(5% 台後半)
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 102.7 億ドル)・今の P/AFFO(約 17 倍)を見る前に、三つの市場群の戸数 × 1 戸あたりの売上を積み、NOI から本社費等・利払い・維持の設備投資を引いて AFFO を出した。倍率はそのあとに、AFFO に利益ベースの正当化 PER を当てた。自己資本が極小なので、決まりどおり ROIC の式で ROE を出した(分子は NOI − 本社費 − 維持の設備投資で、AFFO と同じ定義。3〜8%)。10 年の中立は、ROE 16.7%・g 4.0%・k 8.5%(基本 8% + quality +0.5%)・moat 普通で正当化 PER 15.2 倍。ROE が k を超えるので 1÷k の 11.8 倍を下回らせない。2025 年の AFFO は GAAP 3.8 + 償却 6.0 − 売却益 2.6 + 調整 0.2 − 維持 1.1 = 6.4 億ドルで、会社のコア AFFO 6.5 億ドルとほぼ一致。カリフォルニアの売却(FFO の約 18 倍)と自社株買いの利回りは参考にとどめた。今の株価には寄せていない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。