結論
ウェアーハウザー(Weyerhaeuser)は、米国で約 970 万エーカーの森林を所有し(カナダにも 1,400 万エーカーの長期ライセンスを持つ)、その丸太を自社の製材所・OSB 工場・EWP(木質建材)工場で建材にして売る、米国最大の木材 REIT である。稼ぎは 3 本。森林(丸太)、戦略的土地ソリューション(転用地の売却・鉱物・気候)、木材製品(製材・OSB・EWP)。2025 年は売上 69 億ドル、GAAP の純利益 3.2 億ドル(特別項目を除くと 1.4 億ドル)まで落ちた。製材と OSB の単価が下がり、10〜12 月期は木材製品が赤字になったためである。2026 年は製材が戻り、4〜6 月期の調整後 EBITDA は 3.1 億ドル、上半期の純利益は 3.2 億ドル(特別項目を除くと 1.7 億ドル)。
バリュー投資の観点では、この会社には 2 つの顔がある。森林は帳簿に 115 億ドルで載っているが、1 エーカー 2,000 ドル(最近の売買 1,800〜6,800 ドルの下のほう)でも時価は約 190 億ドルあり、帳簿との差が大きい含み益になる。一方で木材製品は住宅着工と製材価格に連動して利益が何倍も動く。そこで利益は「ならした水準」(2023〜2024 年の収益力を物価で引き上げた形)で置き、循環の山や谷の年の利益に倍率を掛けず、住宅不況の確率とひどさを悲観の筋書きで表した。60% は仮に置いた)で数える。10 年後は、中立と楽観は収益と g に含めて二重に数えない。
結果として、中立の 10 年目は利益ベースの正当化 PER の内側の 10.5 倍(上限 11.1 倍の 9.5 割、資本コスト 9.5%)。本質価値は今の時価総額に対し -36% となり、割高と見る。今の値段(PBR 1.5 倍・GAAP の PER 44 倍)は、2025 年の安い収益に対して高く見える。森林の時価と製材の戻りを織り込んでも、堀が弱い木材の収益に高い倍率は掛けられない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後も木は育ち、家は建つかを問う。答えは「はい」で、森林の事業は無くならない。堀は広くはないが確かにある。米国最大の民有林は買い集めるしかなく、立木は時間が価値を増やす。一方で、製材・OSB・EWP は商品で、堀はなく、住宅の循環に利益を持っていかれる。
オーナー利益は、会計の純利益ではなく見るべき。2025 年の GAAP の純利益 1.4 億ドル(特別項目を除く)は、住宅の谷での木材製品の赤字と、非課税の森林の償却 2.6 億ドルを含む。調整後 FAD で 2026 年上半期 2.65 億ドル(年換算 5 億ドル強)、時価総額 142 億ドルに対し約 3.5% の利回りで、5%の国債より低い。森林の含み益は、2,000 ドル/エーカーで約 80 億ドル(税引き後 約 63 億ドル)あるが、これは「売れば手に入る」資産で、毎年のオーナー利益には出ない。
経営は、売れる森林は高値で売り(オレゴン 6,800 ドル/エーカー)、割安なら自社株を買う点を評価する。一方で、2025 年の GAAP の純利益を超える配当は、好況の年を前提にした設計である。
確信度は「中」。収益を中立(2023〜2024 年並みを物価で引き上げ)に置いても、本質価値は今を 36% 下回り、判定は「割高」。安全域は、森林の含み益(悲観の床)が支える。売買の勧めではなく、住宅の循環の底で買い、山で売る機会を待つ種類の事業という評価である。
何で稼ぐ会社か
収益は 3 つの部門に分かれる。第 1 は森林部門で、2025 年の売上は約 21.0 億ドル(部門間を含む)、調整後 EBITDA は 5.81 億ドル。伐採量は約 3,480 万トン(南部 2,480 万、西部 900 万、北部 100 万)で、丸太は自社の製材所と第三者に売られ、西部の一部は日本・韓国などへ輸出される。伐採は森林全体の年約 2% で、全伐採地に植林する。
第 2 は戦略的土地ソリューション(2026 年に旧「不動産・エネルギー・天然資源」から改名)で、2025 年の調整後 EBITDA は 4.11 億ドル、2026 年の見通しは約 4.5 億ドルに引き上げられた。住宅・商業に転用できる土地を平均 8,200 ドル/エーカー超で売り、鉱物・石油ガスのロイヤルティ、風力・太陽光の用地、保全地役権や炭素クレジットなどの気候ソリューションが加わる。売った土地の簿価(売上の 15〜30%)が費用に残る。2026 年の第 1 四半期にはフロリダで 0.94 億ドルの保全地役権を実行した。
第 3 は木材製品で、売上は約 49 億ドルと全体の 7 割だが、利益は小さい。製材(北米の工場)、OSB、EWP(I ジョイスト・LVL・MDF・ソリッドセクション)、流通で構成され、EWP と流通が安定した稼ぎ手、製材と OSB が景気に応じて黒字と赤字を行き来する。2025 年の調整後 EBITDA は 2.5 億ドルで、10〜12 月期の製材は -0.57 億ドル、OSB は 2026 年 4〜6 月期でも -0.06 億ドルの赤字だった。
税務では、森林を持つ部分は REIT として税がかからず(西部は 2022 年、南部は 2025 年から)、木材製品と一部の土地・森林が課税の子会社で、利益が出る年は税を払う。この「森林は非課税・工場は課税」の構造が、利益の質を決める。2025 年は森林の売却(バージニア 10.8 万エーカーを 1.92 億ドル、ジョージア・アラバマ 8.6 万エーカーを 2.16 億ドル、オレゴン 2.8 万エーカーを 1.90 億ドル)と買収(ノースカロライナ・バージニア 11.7 万エーカーを 3.75 億ドル)で入れ替えを進め、プリンストンの製材所を売った。設備投資は 2026 年 4.0〜4.5 億ドルに加え、アーカンソーの新しい EWP 工場に約 3 億ドル。
優良さと弱いところ
優良さの根拠は 4 つ。第 1 は資産の希少性。米国最大の民有林で、新しく森林を持つことは買収でしかできず、立木は成長する間に価値を増やす。第 2 は垂直統合。丸太から製材・EWP までを自社で持ち、森林の収益が木材製品の赤字を埋められる(2025 年は森林と土地で EBITDA 約 9.9 億ドル、木材製品は 2.5 億ドル)。第 3 は REIT の税の有利さ。森林の利益には税がかからず、配当を出しやすい。第 4 は経営の資本配分。割安と見れば自社株を買い(2025 年は 9 か月で 1.5 億ドル)、高く売れる森林は売る(2025〜2026 年に 3 件で約 6 億ドル)。
弱みも大きい。第 1 に、製材・OSB・EWP は市況商品で価格を決める力がない。製材は北米の供給過剰、カナダ産への関税、住宅の買いづらさで単価が動く。第 2 に、木材製品の固定費が重く、価格が 10% 動くと営業利益が数億ドル動く(2025 年は製材 4.5 十億ボードフィートに対し単価 100 ドルで 4.5 億ドル)。第 3 に、森林の帳簿は古い取得原価で、会計の ROE(2025 年 3.4%)は経済の稼ぐ力を表さない。逆に会計の償却は小さく利益を大きく見せる側面もある(償却は帳簿の取得原価ベース)。第 4 に、森林の収益利回りは低い(調整後 EBITDA 5.8 億ドルを時価約 190 億ドルで割ると約 3%)。含み益は「売れば実現する」が、売却には買い手が要る。
帳簿の ROE は 2014 年 34% から 2025 年 3.4% まで大きく動く。資本効率が高いから伸びるのではなく、住宅の循環と土地の売却で動く数字なので、伸び率は市場(住宅着工・価格)から出し、ROE は還元に回せる割合を決めるだけにした。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の木材産業は、住宅着工にほぼ連動する。2025 年の米住宅着工は 130 万戸台前半(推定)で、住宅不足は数百万戸と言われるが、住宅ローン金利の高止まりと価格の高さで買いづらさが続く。経営者は 2026 年 4〜6 月期の決算で住宅が「2 速のまま」(回復は遅く消費者の信頼感が弱い)と述べた。製材は 4〜6 月期に販売単価が前期比 +15%(季節需要、製材所の閉鎖、欧州からの輸入減)と戻したが、OSB は供給過剰で赤字が続く。
競合は事業ごとに分かれる。製材は、ウエストフレーザー(West Fraser)・カナフォー(Canfor)・インターフォー(Interfor)など北米の大手がしのぎを削り、カナダ産に米国が課す関税・反ダンピング関税が単価と各社の収益を動かす。OSB は、ウエストフレーザー(ノーボードを買収)、ルイジアナ・パシフィック(Louisiana-Pacific)、アインズワース(Ainsworth)が競合し、新設で供給過剰が続く。EWP は、ボイジー・カスケード(Boise Cascade)、ルイジアナ・パシフィック、ロゼバーグなど。森林は、レイオニア(Rayonier)、ポトラッチデルティック(PotlatchDeltic)、機関投資家向けの運用会社(TIMO)が競合・売り手・買い手になり、森林の取引は 1,800〜6,800 ドル/エーカーで動いている。
今後 10 年は、物価 3.5%・金利 5%の世界である。住宅ローン金利が下がらないと着工の戻りは遅く、製材は物価に届かない可能性が高い。供給側では、高コストの北米の製材所が閉鎖を続ける(WY もプリンストンを売った)ことが価格の下支えになる。森林は、立木の成長と物価に連動する値上がりが期待でき、転用地は金利が高くても需要が残る。山火事(西部)と気候が供給と保険費用に響く。
景気では、2007〜2009 年に住宅着工が約 7 割落ち、WY の株価は山から -67%、2020 年は -43%、2022 年の利上げ局面は -30% だった。今の WY は既に 1 年で最安値圏(2026 年 10 月 2 日の終値が 1 年で最安、8 日続落で -14%)にあり、このうち住宅循環で説明できる部分がどこまでかが評価の分かれ目になる。
資本政策と M&A
還元は配当と自社株買い。通常配当は年 6 億ドル前後で、2025 年の配当は 6 億ドル、自社株買いは 2 億ドル弱(9 か月で 1.5 億ドル)。ただし 2025 年は GAAP の純利益(特別除く 1.4 億ドル)を超えて配当しており、森林の償却(非現金)を差し引いた現金の収入(調整後 FAD)で賄っている。2026 年は上半期で調整後 FAD が 2.65 億ドルに回復した。
財務は、長期借入 50.5 億ドルと 1 年内返済 5.2 億ドル、現金 5 億ドル弱(純負債 52 億ドル。時価総額比 37%)。平均金利は約 4.7% で、借り換えのたびに 5.75% 程度へ上がる前提では利息が 10 年で約 0.65 億ドル増える。純負債の EBITDA 倍率は 2025 年で約 5 倍と、住宅の谷では 8〜10 倍に跳ねるため、配当を絞る・森林を売る余地が下の備えになる。
資産の入れ替えは規律的。森林の売却で約 6 億ドル、買収で 3.75 億ドルと、売却額が買収額を上回る。目標は 2030 年までに 2024 年比で調整後 EBITDA を 15 億ドル増やすこと(確定した施策 10 億ドル+価格の改善 5 億ドル。内訳は木材製品 4.4 億、土地ソリューション 2.3 億・うち気候ソリューション 1.7 億、全社 1.8 億、森林 1.5 億)。バリュー投資の観点では、この目標を丸呑みせず、半分程度の実現を中立の目安に置いた。M&A は、森林の売り買いが中心で、大型の統合(2016 年のプラムクリーク)以降は小粒。TOB は考えにくい(時価総額 142 億ドルは大きく、非課税の森林 REIT の再編は複雑)が、森林と木材製品の分離は株主が求める可能性がある(楽観の筋書きの一部)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
森林は帳簿 115 億ドルに対し時価が 190 億ドル以上あり、時価総額 142 億ドルは森林の時価に対しても約 3 割安い。最近の売買は、オレゴン 6,800 ドル、買収 3,200 ドル、ジョージア・アラバマ 2,500 ドル、バージニア 1,800 ドルで、平均 2,000 ドルは控えめ。この上に、木材製品と土地ソリューションが「ただ」で付いてくる。
住宅は構造的に不足しており、製材と OSB は 2025 年の実質安値から戻り始めた(Q1 +13%、Q2 +15%)。製材所の閉鎖と欧州からの輸入減が供給を絞り、EWP と流通は着実に伸びる。アーカンソーの EWP 工場(約 3 億ドル)、気候ソリューション(2030 年までに +1.7 億ドル)、全社の費用削減で、2030 年までに EBITDA が 15 億ドル増えるという会社の目標が実現すれば、2024 年の 12.9 億ドルから 27 億ドル超になる。
借入は 52 億ドルの純負債で、金利 5% の世界でも EBITDA 比は 5 倍と管理可能。森林の売却で借入を返せる。住宅の循環の谷が深くても、森林の含み益は純資産の床になる。楽観の筋書きでは、住宅着工が 150 万戸台に戻り、製材が 950 ドル/千ボードフィートを超え、森林を分離する再編まで起きうる。
慎重な見方
森林の含み益は「売れば手に入る」ものだが、WY は売り手ではなく事業者で、毎年の収益には出ない。森林部門の調整後 EBITDA は 5.8 億ドルで、時価(190 億ドル)に対し約 3% の利回りしかなく、金利 5% の世界で国債にも劣る。含み益があっても、株主の取り分は毎年の利益で決まる。
木材製品が稼げない。2025 年は通年で調整後 EBITDA 2.5 億ドル、10〜12 月期は赤字で、製材は 2 年続けて実質安値圏にある。OSB は新設で供給過剰が続き、2026 年 4〜6 月期も赤字。2026 年の製材の戻りは、季節需要と製材所の閉鎖という一時的な要因で、住宅ローン金利が下がらなければ着工は戻らない。住宅は「2 速のまま」(経営者)である。
会社の目標(EBITDA を 15 億ドル増やす)の約半分は「価格の改善」で、会社が決められない。気候ソリューションは炭素クレジットの市場が未成熟で、実現が遅れやすい。配当は 2025 年の純利益を超え、借入は 52 億ドルで、住宅の谷では EBITDA 比が 8〜10 倍に跳ね、配当は絞られる。2007〜2009 年に株価は -67%、2020 年は -43% 下がった。GAAP の PER 44 倍は、森林の含み益を足しても高い。
どちらに重みを置いたか
含み益の事実は強気が正しいが、毎年の利益には出ない点と木材製品の弱さは慎重な見方が強い。そこで、収益の中立(2023〜2024 年並みを物価で引き上げ)に確率を 34〜35% 置き、悲観とやや悲観を合わせて 38% と、住宅の循環の谷を厚く置いた。楽観は 8%、やや楽観は 20%。含み益は、悲観の床(含み込みの純資産)だけに使った。結果は、本質価値が今の時価総額に対し -36%(資本コスト 9.5%)。判定は「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 16.99 ドル123 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 9.11 ドル66 億ドル)。 今の値に割り戻すと 12.64 ドル91 億ドル、今との差 −36.2%、 期待の年率 +2.8%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 27.24 ドル197 億ドル | 14.37 ドル104 億ドル | +110.0% | +7.7% | 3.33 ドル24 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 21.77 ドル158 億ドル | 12.92 ドル94 億ドル | +75.0% | +5.8% | 6.94 ドル50 億ドル |
| 中立 | 34% | 16.11 ドル117 億ドル | 10.23 ドル74 億ドル | +32.9% | +2.9% | 8.96 ドル65 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 15.13 ドル110 億ドル | 5.80 ドル42 億ドル | +5.6% | +0.6% | 5.23 ドル38 億ドル |
| 悲観 | 13% | 9.19 ドル67 億ドル | 3.46 ドル25 億ドル | −36.2% | −4.4% | 1.64 ドル12 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 16.99 ドル123 億ドル | 9.11 ドル66 億ドル | +31.7% | +2.8% | 26.10 ドル189 億ドル |
今の株価時価総額 19.82 ドル143 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:住宅の供給不足の解消が 10 年続き、製材と森林が高く売れる 利益 19 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 27.24 ドル197 億ドル
2035 年までの平均で米住宅着工が 150 万戸台に定着し、製材は物価(1.41 倍)を超えて 950 ドル/千ボードフィート、OSB は 410 ドル。木材製品の営業利益は 13.2 億ドル(製材 5.97・OSB 1.78・EWP 5.46)、森林は 9.41 億ドル、土地ソリューションは気候ソリューションの拡大で 6.18 億ドル。ならした営業利益 25.4 億ドル、純利益 18.72 億ドルは、2021〜2022 年の好況の 8 割ほどの水準。競合のウエストフレーザー(West Fraser)やカナフォー(Canfor)より低コストの南部の森林と EWP で利益率を上げる。g 4.0%・ROE 18.2%・k 9.50% の式(正当化 PER 12.3 倍)の 8.6 割にあたる 10.53 倍を利益に掛けて、時価総額は約 197 億ドル。
- 森林(丸太):数量 35.5(伐採量(百万トン))× 価格 96(1 トンあたり売上(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 9 億ドル。伐採量は売却済みの森林分だけ減る
- 戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候):数量 60.0(売却面積に換算した千エーカー)× 価格 14,500(1 エーカー相当の売上(ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 6 億ドル。売却面積は千エーカー相当への換算
- 製材:数量 4.9(出荷量(十億ボードフィート))× 価格 950(1 千ボードフィートあたり価格(ドル))→ 売上 47 億ドル・営業利益 6 億ドル。出荷量は製材所の閉鎖と操業調整を含む
- OSB(配向性ストランドボード):数量 3.1(出荷量(十億平方フィート))× 価格 410(1 千平方フィートあたり価格(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。供給過剰の度合いで単価と利益が動く
- EWP・流通・その他:数量 158(米国の住宅着工(万戸))× 価格 2,120(着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み))→ 売上 34 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量は米住宅着工(万戸)
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 4.0%(市場の実質 0.5% × 価格 3.5%、シェアは横ばい)で、式の値はその分だけ上限より低い。 事業の ROE は筋書きの利益 18.7 ÷ 自己資本 103.1 = 18.2%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 弱い(残る割合 0.33)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.4%、正当化 PER は 12.3 倍。 上限は利益 18.7 × 12.3 倍 = 230 億ドル。置いた 10.53 倍は上限の 8.6 割。
確率:楽観は 8% に置く。10 年平均で 150 万戸台の着工が続く必要がある。米国の住宅不足は大きいが、金利 5% の世界で買いづらさが解消する根拠は弱く、好況に近い利益を 10 年の標準にするのは強気に過ぎる。
やや楽観 20% やや楽観:着工が 150 万戸近くへ戻り、会社の施策が半分実現 利益 15 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 21.77 ドル158 億ドル
着工が 10 年平均で 150 万戸、製材は 855 ドル/千ボードフィート(物価並みに実質 +12%)、OSB は 370 ドル。アーカンソーの EWP 工場と EWP の増販、気候ソリューションなど投資家説明会の施策の半分が実現し、営業利益は 21.01 億ドル(森林 8.17・土地 5.56・製材 4.38・OSB 1.42・EWP 4.78・全社 -3.3)。純利益 14.96 億ドル。南部の丸太価格は物価並みに上がり、森林の価値は帳簿を大きく上回って積み上がる。g 4.0%・ROE 15.8%・k 9.50% の式(正当化 PER 11.9 倍)の 8.8 割にあたる 10.53 倍を利益に掛けて、時価総額は約 158 億ドル。
- 森林(丸太):数量 35.0(伐採量(百万トン))× 価格 92(1 トンあたり売上(ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 8 億ドル。伐採量は売却済みの森林分だけ減る
- 戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候):数量 58.0(売却面積に換算した千エーカー)× 価格 13,700(1 エーカー相当の売上(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 6 億ドル。売却面積は千エーカー相当への換算
- 製材:数量 4.7(出荷量(十億ボードフィート))× 価格 855(1 千ボードフィートあたり価格(ドル))→ 売上 40 億ドル・営業利益 4 億ドル。出荷量は製材所の閉鎖と操業調整を含む
- OSB(配向性ストランドボード):数量 3.0(出荷量(十億平方フィート))× 価格 370(1 千平方フィートあたり価格(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。供給過剰の度合いで単価と利益が動く
- EWP・流通・その他:数量 150(米国の住宅着工(万戸))× 価格 2,070(着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み))→ 売上 31 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量は米住宅着工(万戸)
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 15.0 ÷ 自己資本 94.8 = 15.8%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 弱い(残る割合 0.33)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.6%、正当化 PER は 11.9 倍。 上限は利益 15.0 × 11.9 倍 = 178 億ドル。置いた 10.53 倍は上限の 8.8 割。
確率:やや楽観は 20% に置く。2026 年に製材が戻り、会社も説明会で大きな目標を掲げた。ただし目標の半分が実現するだけで済む筋書きなので、確率は中立より低く置く。
中立 34% 中立:2023〜2024 年のような水準が、物価分だけ名目で伸びる 利益 11 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 16.11 ドル117 億ドル
着工は 10 年平均で 138 万戸、製材は 790 ドル/千ボードフィート(実質 +5%)、OSB は 330 ドル。2023〜2024 年(営業利益 11 億・7 億ドル)の水準を物価で引き上げ、会社の施策(EWP の増販、気候ソリューション、全社の費用削減)の半分弱を足した姿。営業利益 16.38 億ドルの内訳は森林 6.73・土地 5.03・製材 2.89・OSB 0.86・EWP 3.97、全社 -3.1 億ドル。利息は借り換えで 3.15 億ドル、税 2.36 億ドルで純利益 11.07 億ドル。森林の時価(約 1 エーカー 2,000 ドル)が帳簿を上回る分は、収益の g に含め、純資産には足さない(二重に数えない)。競合のレイオニア(Rayonier)やインターフォー(Interfor)と同じ程度の収益力にとどまる。 g 4.0%・ROE 11.7%・k 9.50% の式(正当化 PER 11.1 倍)の 9.5 割にあたる 10.53 倍を利益に掛けて、時価総額は約 117 億ドル。
- 森林(丸太):数量 34.6(伐採量(百万トン))× 価格 87(1 トンあたり売上(ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 7 億ドル。伐採量は売却済みの森林分だけ減る
- 戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候):数量 57.0(売却面積に換算した千エーカー)× 価格 12,600(1 エーカー相当の売上(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 5 億ドル。売却面積は千エーカー相当への換算
- 製材:数量 4.6(出荷量(十億ボードフィート))× 価格 790(1 千ボードフィートあたり価格(ドル))→ 売上 36 億ドル・営業利益 3 億ドル。出荷量は製材所の閉鎖と操業調整を含む
- OSB(配向性ストランドボード):数量 3.0(出荷量(十億平方フィート))× 価格 330(1 千平方フィートあたり価格(ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。供給過剰の度合いで単価と利益が動く
- EWP・流通・その他:数量 138(米国の住宅着工(万戸))× 価格 2,015(着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み))→ 売上 28 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量は米住宅着工(万戸)
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 3.6%(市場の実質 0.5% × 価格 3.1%、シェアは横ばい)で、式の値はその分だけ上限より低い。 事業の ROE は筋書きの利益 11.1 ÷ 自己資本 94.9 = 11.7%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 弱い(残る割合 0.33)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.2%、正当化 PER は 11.1 倍。 上限は利益 11.1 × 11.1 倍 = 123 億ドル。置いた 10.53 倍は上限の 9.5 割。
確率:中立は 34% に置く。2023〜2024 年並みの実質的な収益力が続くという落としどころで、会社が公表した目標の半分弱だけを織り込む。10 年の間に 2 回以上景気後退が起きても、ならした水準でこの値と考える。
やや悲観 25% やや悲観:製材と OSB が儲からない状態が続き、2025 年の収益力から実質で伸びない 利益 5 億ドル · PBR 1.1 倍 · 株価時価総額 15.13 ドル110 億ドル
着工は平均 128 万戸、製材は物価に届かず 700 ドル/千ボードフィート、OSB は 275 ドル。木材製品は固定費を賄う程度(営業利益 3.2 億ドル)で、森林は丸太価格が物価に追いつかず 4.69 億ドル、土地は 4.23 億ドル。営業利益 9.02 億ドル、利息 3.2 億ドルで純利益は 4.91 億ドル(2025 年の特別除く 1.4 億ドルの 3 倍強だが、物価で戻すと実質 2 倍強にとどまる)。会計の ROE は 5% 台に落ちるが、森林の時価は帳簿を大きく上回って残る。時価総額は収益で割った倍率(式で PBR 0.42 倍まで下がる)ではなく、含み益を足した純資産(約 199 億ドル)の 55% で測る。
- 森林(丸太):数量 33.8(伐採量(百万トン))× 価格 81(1 トンあたり売上(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 5 億ドル。伐採量は売却済みの森林分だけ減る
- 戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候):数量 55.0(売却面積に換算した千エーカー)× 価格 11,300(1 エーカー相当の売上(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。売却面積は千エーカー相当への換算
- 製材:数量 4.4(出荷量(十億ボードフィート))× 価格 700(1 千ボードフィートあたり価格(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 1 億ドル。出荷量は製材所の閉鎖と操業調整を含む
- OSB(配向性ストランドボード):数量 2.9(出荷量(十億平方フィート))× 価格 275(1 千平方フィートあたり価格(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。供給過剰の度合いで単価と利益が動く
- EWP・流通・その他:数量 128(米国の住宅着工(万戸))× 価格 1,930(着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み))→ 売上 25 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量は米住宅着工(万戸)
倍率:式(g 3.1%・ROE 5.1%・k 8.0%)では PBR が 0.42 倍まで下がるが、これは古い簿価の自己資本に対する純利益だけを見た値で、森林の含み益を落としている。森林の時価は 9.5 百万エーカー × 2,000 ドル×1.41×0.90(実質 -10%)= 241 億ドルで、簿価(約 112 億ドル)を上回る分の 8 割(103 億ドル)を足した純資産 199 億ドルの 55% で測る(二重に下げない。SCHEMA §1-3)。簿価の自己資本に対し 1.14 倍。 PBR のまま。この筋書きは谷か赤字で純利益が薄く(ROE 5.1%)、資産で見る。床は PBR 0.35 倍で、置いた PBR 1.14 倍(時価総額 109.5 億ドル)はその上。利益ベースの上限は掛からない。
確率:やや悲観は 25% に置く。木材製品の収益が 2 年連続で 2025 年のように薄く、供給側(カナダ・欧州・新設の OSB)が価格を押さえる状態が長引く確率を、中立より少し低く置く。慎重な見方が強い。
悲観 13% 悲観:構造的に負ける(住宅の小型化・代替材・輸入材・循環の谷が重なる) 利益 −2 億ドル · PBR 0.8 倍 · 株価時価総額 9.19 ドル67 億ドル
10 年のうちに住宅不況が 2 回来て、着工は平均で 110 万戸にとどまり、製材は 640 ドル/千ボードフィート(実質 -16%)、OSB は 240 ドル。木材製品は赤字気味(営業利益 -1.0 億ドル)。森林も輸出の低迷と丸太の国内供給過剰で 2.16 億ドル、土地売却は減る。営業利益 1.45 億ドル、利息 3.3 億ドルで純損益は -1.68 億ドル。配当は半分以下に絞られ、会社は森林の一部を売って借入を返す側に回る。時価総額は赤字の年の利益に倍率を掛けず、含み益を足した純資産(約 148 億ドル)の 45%(簿価の自己資本に対し 0.83 倍)で測る。
- 森林(丸太):数量 31.0(伐採量(百万トン))× 価格 72(1 トンあたり売上(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 2 億ドル。伐採量は売却済みの森林分だけ減る
- 戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候):数量 50.0(売却面積に換算した千エーカー)× 価格 10,000(1 エーカー相当の売上(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。売却面積は千エーカー相当への換算
- 製材:数量 4.0(出荷量(十億ボードフィート))× 価格 640(1 千ボードフィートあたり価格(ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 −1 億ドル。出荷量は製材所の閉鎖と操業調整を含む
- OSB(配向性ストランドボード):数量 2.6(出荷量(十億平方フィート))× 価格 240(1 千平方フィートあたり価格(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 −1 億ドル。供給過剰の度合いで単価と利益が動く
- EWP・流通・その他:数量 110(米国の住宅着工(万戸))× 価格 1,850(着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み))→ 売上 20 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量は米住宅着工(万戸)
倍率:赤字の年で PER は使えない。森林の時価は 9.2 百万エーカー × 2,000 ドル×1.41×0.75(実質 -25%)= 195 億ドルで、簿価 110 億ドルとの差の 8 割(68 億ドル)を自己資本 80 億ドルに足すと 148 億ドル。構造的に負けて優良でなくなった会社は、買い手が収益の利回りで値付けするため含み込みの純資産の 45% で測る(収益で見た価値は約 60 億ドルで、これが下の目安)。簿価に対し 0.83 倍。 PBR のまま。この筋書きは谷か赤字で純利益が薄く(ROE 赤字)、資産で見る。床は PBR 0.35 倍で、置いた PBR 0.83 倍(時価総額 66.5 億ドル)はその上。利益ベースの上限は掛からない。 EV を営業利益で割ると 82 倍と大きい。営業利益は減価償却を引いた後の値だからだ。EV(時価総額に純有利子負債 52 億ドルを足した額)を利払い前のオーナー利益 1.5 億ドルで割ると 81.0 倍。この筋書きは利益が薄く、EV の倍率は高く出る。倍率は谷の底や資産で支えており、EV の倍率だけで割高とは言わない。借金の重さは、k の負債補正と悲観の確率・深さで表した。
確率:悲観は 13% に置く。景気敏感な事業なので 1 割を超える確率で厚く置く。2007〜2009 年の下げ(-67%)と 2020 年(-43%)は、周期の谷でも買い手が見つからない時期があることを示す。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
森林(丸太)
米国の民有林(所有約 970 万エーカー)から出す丸太と、レクリエーション・その他の森林収入。西部(オレゴン・ワシントン)と南部が柱で、売上の一部は自社の製材所への部門間取引。
| 数量伐採量(百万トン) | 価格1 トンあたり売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 34.8 | 60 | 21 | 3 |
| 10 年後 中立 | 34.6 | 87 | 30 | 7 |
取り方:2025 年の伐採量 3,482 万トン(西 900・南 2,483・北 98、10-K)。森林部門の売上は 4 四半期の公表値(5.3・5.4 前後・5.36・約 5.0)から約 21.0 億ドル(推定、部門間取引を含む)。調整後 EBITDA 5.81 億ドルから減価償却・立木の償却約 2.6 億ドルを引いた 3.2 億ドルを営業利益とした。
戦略的土地ソリューション(転用地・鉱物・気候)
森林のうち住宅・商業などへ転用できる土地の売却、鉱物・石油ガスのロイヤルティ、風力・太陽光の用地、炭素クレジットや保全地役権の気候ソリューション。2026 年から旧「不動産・エネルギー・天然資源」を改名。
| 数量売却面積に換算した千エーカー | 価格1 エーカー相当の売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 56.8 | 8,275 | 5 | 3 |
| 10 年後 中立 | 57.0 | 12,600 | 7 | 5 |
取り方:売上は 4.7 億ドル前後(推定。四半期の公表値は 0.94・約 1.6・1.03・約 1.1)。土地の平均単価は 8,200 ドル/エーカー超(2025 年)で、これに鉱物・気候の収入を合わせた 1 エーカー相当に換算。調整後 EBITDA 4.11 億ドルから、売った土地の簿価(売上の 25〜30% の基準額、約 0.9 億)と減価償却 0.1 億を引いて 3.1 億ドル。
製材
北米の製材所(米国とカナダ)で作る針葉樹の製材。住宅の新築と改修が主な需要で、価格は先物と連動して毎週動く。
| 数量出荷量(十億ボードフィート) | 価格1 千ボードフィートあたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.5 | 540 | 24 | −1 |
| 10 年後 中立 | 4.6 | 790 | 36 | 3 |
取り方:出荷量 4.5 十億ボードフィート(推定。公表は前期比のみ)、実現単価 540 ドル/千ボードフィート(2025 年平均の推定。Q3 は前期比 -11%、Q4 はさらに下落)。調整後 EBITDA は Q4 だけで -0.57 億ドルで、通年で約 -0.3 億ドル、償却 1.0 億ドルを引いて -1.3 億ドル(推定)。
OSB(配向性ストランドボード)
住宅の壁・屋根・床の下地に使う構造パネル。製材と同じく住宅着工に連動し、北米では供給過剰で価格が長く低迷している。
| 数量出荷量(十億平方フィート) | 価格1 千平方フィートあたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.0 | 215 | 6 | −1 |
| 10 年後 中立 | 3.0 | 330 | 10 | 1 |
取り方:出荷量 3.0 十億平方フィート(推定)、実現単価 215 ドル/千平方フィート(推定。Q3 は前期比 -18%)。調整後 EBITDA 約 -0.1 億ドル、償却 0.55 億ドルを引いて -0.65 億ドル(推定)。
EWP・流通・その他
I ジョイスト・LVL などの木質建材(EWP)、MDF・ソリッドセクション、自社の流通拠点が他社品も売る流通。新築 1 戸あたりの使用量で売上が決まる。
| 数量米国の住宅着工(万戸) | 価格着工 1 戸あたりの EWP・流通売上(ドル。シェア込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 133 | 1,402 | 19 | 2 |
| 10 年後 中立 | 138 | 2,015 | 28 | 4 |
取り方:2025 年の米住宅着工 約 133 万戸(推定)に、着工 1 戸あたりの EWP・流通売上 1,402 ドルを掛けて約 18.65 億ドル。木材製品部門の売上約 49.4 億ドル(四半期 12.87・約 12.7・12.28・約 11.5)から製材・OSB を引いた残り。調整後 EBITDA 2.9 億ドルから償却 0.65 億を引いて 2.25 億ドル。部門の調整後 EBITDA は 2025 年通年で 2.5 億ドル(9 か月 2.70、Q4 -0.20)。
リスクと懸念
住宅着工と製材・OSB の価格
木材製品の利益は着工と単価で何倍にも動く。製材の単価が 100 ドル/千ボードフィート動くと年 4〜5 億ドルの利益が動き、2025 年は 10〜12 月期に赤字になった。2007〜2009 年は着工が約 7 割落ち、株価は山から -67%。2026 年の戻りが一時的なら再び赤字圏に戻る。
住宅ローン金利と購入のしづらさ
金利 5% が続く世界で、住宅ローン金利は高止まりする。経営者は住宅が「2 速のまま」と述べた。着工が戻らなければ製材・OSB・EWP の数量が伸びず、2030 年までの EBITDA 目標の「価格の改善」分(5 億ドル)は実現しない。
カナダ産への関税と供給過剰
製材はカナダ産に課される関税・反ダンピング関税で米国の価格が決まる。関税が緩むと供給が増えて単価が下がる。OSB は北米で新設が続き、供給過剰で赤字が続く。WY もカナダに製材所を持ち、関税の影響を直接受ける。
森林の含み益は毎年の利益に出ない
森林の時価(1 エーカー 2,000 ドルで約 190 億ドル)は帳簿(115 億ドル)を大きく上回るが、調整後 EBITDA 5.8 億ドルの利回りは約 3%。売却には買い手が要り、金利 5% の世界では森林の取引価格が収益の利回りに引き寄せられうる。含み益を実現できるのは売却と配当の原資になる場面だけ。
山火事・病害虫・気候
西部(オレゴン・ワシントン)の森林は山火事の被害を受けやすく、保険費用や伐採量に響く。立木が燃えれば償却と収益が落ちる。南部は嵐と害虫のリスクがある。気候ソリューション(炭素クレジット・保全地役権)は、市場と規制が未成熟で収益が遅れやすい。
借入と配当
純負債 52 億ドルは 2025 年の EBITDA の約 5 倍。住宅の谷では 8〜10 倍に跳ね、配当(年 6 億ドル前後)は GAAP の純利益を超えているため絞られうる。借り換えで金利が約 4.7% から 5.75% へ上がり、利息が 10 年で約 0.65 億ドル増える。
会社の目標の実現度
2030 年までに EBITDA を 2024 年比で 15 億ドル増やす目標のうち、5 億ドルは製品価格の改善で、会社が決められない。アーカンソーの EWP 工場(約 3 億ドル)の立ち上がりと気候ソリューションの拡大が遅れれば、設備投資が回収できない。
今後の分かれ目
- 製材の単価が 700 ドル/千ボードフィート以上を 2 年続け、着工が 140 万戸を超える
- 木材製品の営業利益が 5 億ドルを超え、やや楽観・楽観へ確率を寄せる。純利益はならした水準で 8 億ドル前後に届く。
- 製材が 500 ドル/千ボードフィートを割り、OSB の赤字が続き、着工が 110 万戸を割る
- 木材製品が通年で赤字になり、純利益は 1 億ドル前後に落ちる。やや悲観・悲観へ確率を寄せ、配当の見直しが現実になる。
- 住宅不況で着工が 4 割落ちる
- 営業利益は赤字(-2.5 億ドル)、純損益は -5 億ドル近くに落ち、配当は半分以下に絞られる。時価総額は含み込みの純資産(約 135 億ドル)の 65% 前後まで下がり、含み益が床になる。
- 森林を 1 エーカー 2,500 ドル超でまとめて売却・分離する案が出る
- 含み益が実現し、時価総額は含み込みの純資産に近づく。楽観の筋書き(森林の時価実現)の確率を上げる。
- 戦略的土地ソリューションの調整後 EBITDA が 2027 年に 5 億ドルを超え、気候ソリューションが 1 億ドル以上を稼ぐ
- 土地部門の営業利益が 4 億ドル超で定着し、g と営業利益を上方に見直す。
- カナダ産への関税が大きく下がる
- 北米の製材供給が増え、単価が 100 ドル/千ボードフィート下がる。年 4〜5 億ドルの営業利益が消え、やや悲観へ確率を寄せる。
見ておくもの
- 米住宅着工(月次)と新築の在庫、住宅ローン金利
- 製材・OSB の単価(先物・四半期の販売単価の前期比)
- 四半期の調整後 EBITDA(森林・土地・木材製品)と調整後 FAD、配当との差
- 土地の売却単価(1 エーカーあたり)、森林の売買の取引価格、気候ソリューションの収益
- 純負債の EBITDA 倍率、借り換えの金利、自社株買いの有無
倍率と資本コストの決め方
今の株価(PBR 1.5 倍、GAAP の PER 44 倍)を見る前に、森林は伐採量 × 1 トンあたり売上、製材・OSB は出荷量 × 単価、EWP は着工 × 1 戸あたり売上、土地は面積換算 × 単価で積み上げ、中立の 10 年目の純利益 11.07 億ドルを出した。倍率はそのあとに、利益ベースの正当化 PER で出した。k 9.5%(基本 8% + quality 1.5%)・g 4.0%・ROE 11.7%・moat 弱い(残る割合 1/3)で、正当化 PER は 11.1 倍。中立は上限の 9.5 割の 10.5 倍に置いた。景気の山・谷の年の利益には倍率を掛けず、谷の年は含み込みの純資産(森林の時価を 2,000 ドル/エーカー前後で置き、税引き後 8 割を足した値)に対する PBR で測った。悲観側は収益でなく含み込みの純資産(floor_assets_oku)の値引きで置いた。今の値段に合わせて確率や倍率を動かしてはいない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。