結論
アメリカン・タワー(American Tower)は、世界で約 14 万本規模の通信タワーを持ち、携帯会社に区画を貸す不動産会社(REIT)である。2026 年の見通しは、物件収入 約 107.7 億ドル、調整後 EBITDA 約 72.7 億ドル、AFFO 約 51.8 億ドル。収益の約 5 割が米国・カナダ、約 4 割が海外(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州)、残りが買収したデータセンター事業のコアサイト(CoreSite)である。
契約は 10 年前後の長期で、年 3% 前後の固定の上げ幅が入るため、景気に強い。一方で 2026 年は、米国で DISH(エコースターの携帯事業)の契約が破綻・解約で抜け(物件収入の約 2%、米国・カナダでは約 4%)、借金の借換えで金利が上がり、AFFO の伸びは年 3% で底になる。経営は 2027 年から AFFO の伸びが 1 桁台半ば〜後半に戻ると見ている。
バリュー投資の観点では、10 年後もタワーは必要で、競合は 3 社に絞られ、堀は広いと見る。ただし契約の上げ幅が固定で、物価 3.5% には届かず、実質の価格は毎年少しずつ目減りする。資本コストは基本 8% に、借換えで金利が 3.7% から 5.75% へ上がる借金の重さを足し、景気に強い需要と契約の堀で相殺した 8.0%。株式報酬を引いた正味の AFFO(約 50 億ドル)に、利益ベースの正当化 PER の内側に置く。中立の 10 年は 15.9 倍(正当化 PER 21.6 倍の 7.4 割)。確率で加重した本質価値は、今の時価総額に対し -2% で適正。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。携帯の通信量は増え続け、タワーはそれを運ぶ設備で、立地は複製できない。堀は広いが、衛星の直接通信が長期で地方の需要を削る芽を無視しない。
次にオーナー利益を見る。2026 年の AFFO は約 51.8 億ドルだが、株式報酬(約 1.5 億ドル)を費用に戻した正味は約 50 億ドル。配当(約 33 億ドル)を除いた残りの 17 億ドルが、設備投資の自由に使える元手になる。成長のために再投資するのは AFFO の約 3 割で、その投資の利回りは 8〜10% と、資本コスト 8.0% をわずかに上回るにとどまる。つまり、増設は価値を大きく増やしてはいない。
資本配分は、配当が着実で、大型買収で価値を壊した跡はないが、コアサイトの買収(2021 年)は金利上昇で見直しの余地が残る。借金が純負債 ÷ EBITDA で 4.9 倍と重く、固定の上げ幅が物価に届かない実質の目減りを、借金の増加で補う形は望ましくない。
安全域は、正味の AFFO の約 17 倍という今の時価総額に対し、10 年後の中立に置いた倍率が 15.9 倍で、広くはない。事業の確信度は高い。ただし、値段に安全域は薄い。払った値段に見合う利回りが得られるが、それ以上ではない。
何で稼ぐ会社か
主力は通信タワーの区画貸しである。携帯会社(AT&T・ベライゾン・T モバイルなど)が、タワーの上に機器を載せるための場所を長期契約で借りる。契約は 10 年前後、年 3% 前後の固定の上げ幅が入り、解約は少ない。1 つのタワーに 2 社目・3 社目が入るほど、追加の費用がほとんど要らず、利益が積み上がる。米国・カナダの部門は、2026 年 4〜6 月期の売上 12.7 億ドルに対し、部門の営業利益率が 79% と高い。
海外は 3 つの地域に分かれる。中南米(ブラジル・メキシコなど)は 2026 年 4〜6 月期で売上 4.4 億ドル、アフリカ・アジア太平洋は 4.2 億ドル(有機の伸び 10.6%)、欧州は 2.6 億ドル(有機の伸び 4.1%)。契約は現地の物価に連動する上げ幅が多く、物価の高い地域で伸びが大きい反面、通貨の変動が収益に直接効く。2026 年はフィリピンとバングラデシュの事業を売却して海外を整理した。
データセンターのコアサイトは 2021 年に買収し、4〜6 月期の売上は 3.0 億ドル(+13.4%)、2026 年は約 15% 増を見込み、過去最高の賃貸が続いている。サービス(タワーの設置工事など)は売上が小さく、4〜6 月期は 38% 減った。2026 年の見通しは、物件収入 106.95〜108.45 億ドル、AFFO 51.35〜52.15 億ドル、設備投資 18.05〜19.15 億ドル。配当は四半期ごとに前年比 +5.3% で、総額で年約 33 億ドル。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は立地の独占で、タワーが建つ土地・許認可・既存の電源と回線は簡単には複製できない。新しいタワーを同じ場所に建てるより、既存のタワーに載せる方が携帯会社にとって安く早い。第 2 は切り替えの費用で、機器を載せ替えると信号が止まるため、契約は長期で自動更新に近く、10 年前後の契約と固定の上げ幅(年 3% 前後、推定)が収益の見通しを支える。第 3 は規模と資金力で、投資適格の格付けにより、借入れが小さな競合より安い。
資本効率は、会計上の自己資本が配当と自社株買いで小さく(比率 6%)、今の ROE 69% は見かけである。バリュー投資の観点では、減価償却を引く前の AFFO から株式報酬を引いた正味の AFFO と、成長のための投資の利回りで測る。成長投資は、新規のタワー・コアサイトの増設で年 10〜15 億ドル、その利回りは 8〜10%(推定)、AFFO の約 3 割を再投資して年 4% 前後を伸ばす形になる。
弱点は 3 つ。第 1 に、固定の上げ幅は物価 3.5% を下回り、実質は目減りする。第 2 に、顧客が AT&T・ベライゾン・T モバイルの 3 社に集中し、DISH のように顧客が倒れると解約で収入が 4% 抜ける。第 3 に、純負債が約 354 億ドル(純負債 ÷ EBITDA は 4.9 倍)と重く、借換えのたびに利払いが増える。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の通信タワーは、アメリカン・タワー、クラウン・キャッスル(CCI)、SBA コミュニケーションズ(SBAC)の 3 社がほぼ寡占する(業界ノート)。契約は 10 年前後で、毎年約 3% の固定の上げ幅が入り、有機の伸びは「上げ幅 約 3% + 区画の追加 − 解約」で決まる。2026 年は DISH の解約が重なり、各社とも有機の伸びが底で、CCI は約 3.5%、アメリカン・タワーは約 1%(DISH を除くと約 4%)と見ている。
循環の位置は、米国の携帯各社の設備投資が一服した谷にあり、2027 年から新しい周波数の整備と通信量の増加で緩やかに戻るのが中立の置き方である(業界ノート:中立の有機成長は年 4%、楽観は 5〜6%、悲観は 0〜1%)。構造の変化は 3 つ。第 1 に、携帯会社の統合は一巡し、これ以上は起こりにくい。第 2 に、衛星の直接通信(スターリンクなど)が、地方の空白地帯を中心にタワーの需要を長期で削る可能性がある。第 3 に、DISH の周波数が AT&T と衛星事業者へ移る動きで、DISH の区画の一部が他社に引き継がれるか、空きになるかが当面の焦点になる。
海外は、インド(2024 年売却)を除くアフリカ・中南米・欧州で、人口増と 4G・5G の整備が続き、区画の増加が米国より大きい。反面、現地通貨の下落と競合の取り合いで、中南米の有機の伸びは 2026 年 4〜6 月期でマイナス 2.4% だった。データセンター(コアサイト)は、北米の空室率が 1.4% と過去最低の追い風の中にある。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、2026 年は四半期ごとに前年比 +5.3% の増配を続け、総額は年 約 33 億ドル(AFFO の約 65%)。REIT は課税所得の 9 割を配当に回す義務があり、増配は AFFO の伸びにほぼ連動する。自社株買いは小さく(2026 年上期で約 2 億ドル)、株式報酬の分を打ち消す程度である。増資の予定は見当たらず、payout_oku は配当を置いた(株式報酬は先に正味 AFFO から引いた)。
資金は、設備投資(2026 年 18〜19 億ドル。うち維持は小さく、増設・コアサイトの開発が過半)を AFFO と配当後の現金(約 18 億ドル)でほぼ賄い、純負債は横ばいで比率が下がる形である。借金の借換えは進み、2026 年の現金の利払いは 13.8〜14.0 億ドル。借換えで平均金利が約 3.7% から新規調達の水準(10 年国債 5% + 上乗せ 0.75% ≒ 5.75%)へ上がるため、brief の推定どおり 10 年で 8 億ドルの税前の減益が AFFO に効く。
M&A は、過去にコアサイト(2021 年)とテレフォニカのタワー事業(2022 年)を買い、2024 年にインドを売却、2026 年にフィリピンとバングラデシュを売却した。今後は大型買収よりも、低収益の海外の資産の整理と、データセンターへの増設が中心になる。国内の大型買収は独占禁止の上限で難しく、TOB の対象にするには大きすぎる(時価総額 約 820 億ドル)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
アメリカン・タワーの契約は、年 3% の固定の上げ幅で毎年自動的に収入が増え、景気後退でも崩れない。2026 年の有機の伸びが約 1% にまで下がったのは DISH の解約という 1 回きりの要因で、DISH を除くと約 4% が出ている。2027 年からは AFFO の伸びが 1 桁台半ば〜後半に戻る、と経営は見ている。
海外は、アフリカ・アジア太平洋の有機の伸びが 10.6% と高く、欧州も 4.1%。契約が現地の物価に連動するので、物価が高い地域ほど収入が伸び、タワーの利益率は 2030 年までに 2〜3 ポイント上がる、と会社は目標を示している。データセンターのコアサイトは、北米の空室率が 1.4% と過去最低で、2026 年は 15% 増収、過去最高の賃貸が続く。AI の通信需要は、データの置き場だけでなく、通信を運ぶタワーにも波及する。
DISH の空いた区画は、周波数を得た AT&T や衛星事業者が使い、一部が戻る。破産手続きで DISH から損害賠償を得る余地もある。10 年で AFFO が年 6% 近く伸びれば、正味の AFFO は約 90 億ドルまで届き、倍率 18〜20 倍で時価総額は 1,700〜2,000 億ドルになる。
慎重な見方
今の値段は、AFFO の伸びが 2027 年に戻るという経営の言葉を前提にしている。ところが、固定の上げ幅は年 3% で、物価 3.5% には届かず、実質で毎年 0.5% ずつ目減りする。区画の追加が止まれば、売上の伸びは物価を下回る。DISH の解約で米国・カナダの有機の伸びは 0.7% まで下がり、これは 1 回きりではなく、周波数が AT&T と衛星事業者へ移ると、DISH の区画は空きのまま残る可能性が高い。
借金は純負債 354 億ドルで、純負債 ÷ EBITDA は 4.9 倍。借換えで金利が 3.7% から 5.75% へ上がり、brief の推定では 10 年で 8 億ドルの減益となる。AFFO の約 17 倍という今の倍率は、10 年後の中立に置いた 15.9 倍(g 4%・k 8.0%)をまだ上回り、成長を織り込んだ分は残らない。中南米は 2026 年 4〜6 月期の有機の伸びがマイナス 2.4%、通貨が下がれば、ドルで見た収益は減る。
長期では、衛星の直接通信(スターリンクなど)が地方の需要を削り、携帯会社が設備投資を絞れば、区画の増加が止まる。CCI や SBAC との値下げ競争で、新規の区画の賃料が下がる可能性もある。式で測ると、10 年後の価値を割り引いた額は今の時価総額にほぼ並び、安全域は薄い。
どちらに重みを置いたか
事業の質は強気の見方が強く、確率を少し楽観側に寄せた(10 年の楽観・やや楽観の合計 34%、やや悲観・悲観の合計 32%)。値段は慎重な見方が強い。式どおりの倍率(中立 約 15.9 倍)なら、中立の 10 年後は今の時価総額を大きく上回るが、割り引くと今の値段にほぼ並ぶ。10 年の構造的な負け(衛星・統合・顧客の破綻)は 12% に置いた。結論は「優良だが、値段に余裕は薄い」。 倍率は利益ベースの正当化 PER の 7 割台に置いた。本質価値は今の時価総額に対し -2% で、判定は適正。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 261.80 ドル1,227 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 89.60 ドル420 億ドル)。 今の値に割り戻すと 182.25 ドル854 億ドル、今との差 +0.4%、 期待の年率 +6.8%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 390.10 ドル1,829 億ドル | 103.25 ドル484 億ドル | +171.7% | +10.5% | 59.20 ドル278 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 331.15 ドル1,552 億ドル | 98.99 ドル464 億ドル | +136.9% | +9.0% | 94.63 ドル444 億ドル |
| 中立 | 34% | 277.80 ドル1,302 億ドル | 93.44 ドル438 億ドル | +104.5% | +7.4% | 126.22 ドル592 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 172.52 ドル809 億ドル | 82.35 ドル386 億ドル | +40.4% | +3.4% | 50.97 ドル239 億ドル |
| 悲観 | 12% | 109.87 ドル515 億ドル | 59.95 ドル281 億ドル | −6.5% | −0.7% | 20.38 ドル96 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 261.80 ドル1,227 億ドル | 89.60 ドル420 億ドル | +93.5% | +6.8% | 351.40 ドル1,647 億ドル |
今の株価時価総額 181.57 ドル851 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:区画が増え続け、海外とデータセンターが高成長を保つ 利益 97 億ドル · PER 18.9 倍 · 株価時価総額 390.10 ドル1,829 億ドル
10 年後、新しい周波数の整備が数回続き、米国・カナダの区画は 2025 年比 +8%(10.8 万)、価格は年 +3.4% で売上 80 億ドル。海外は人口増と 4G・5G で区画 +20%(15 万)、価格 年 +4.2% で売上 76.6 億ドル(為替は 2026 年の水準)。コアサイトは容量 700 MW・売上 42 億ドル。EBITDA は約 136 億ドル、正味の AFFO は 97 億ドル。配当は年 6% 近く増える。競合の CCI・SBAC に対しても新規の区画の取り分を守り、衛星の直接通信は地方を補う役にとどまる。借金は DC の増設で増えるが、EBITDA の伸びで比率は下がる。g 4.0%・ROE 46.0%・k 8.00% の式(正当化 PER 22.0 倍)の 8.6 割にあたる 18.89 倍を利益に掛けて、時価総額は約 1829 億ドル。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 713 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 522 億ドル(10 年の減価償却ほか約 192 億ドルを引いた後)。自己資本は今 36.5 + 累計 − 還元 484 で約 74 億ドル。
- 米国・カナダのタワー:数量 108(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 74(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 80 億ドル・営業利益 66 億ドル。区画 +8%・価格 年 +3.4%
- 海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州):数量 150(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 51(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 77 億ドル・営業利益 50 億ドル。区画 +20%・価格 年 +4.2%
- データセンター(コアサイト):数量 700(貸出中の電力容量(MW、推定))× 価格 600(1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む))→ 売上 42 億ドル・営業利益 24 億ドル。容量 700 MW
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 74.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 131% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 96.8 + 借入金利 5.75% × 純負債 434)÷(今の自己資本 36 + 純負債 434)= 25.9%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 46.0%。 moat は 強い(残る割合 0.67)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 33.4%、正当化 PER は 22.0 倍。 上限は利益 96.8 × 22.0 倍 = 2130 億ドル。置いた 18.89 倍は上限の 8.6 割。
確率:新しい周波数の整備が続き、衛星が補完にとどまる確率を 12% に置く。タワーは契約が長く、10 年後も存在し強い可能性が高い。
やや楽観 22% やや楽観:物価並みの価格と堅調な区画の増加 利益 90 億ドル · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 331.15 ドル1,552 億ドル
10 年後、米国・カナダの区画は +6.5%(10.7 万)、価格は年 +3.25%(固定の上げ幅に更新時の上積み)で売上 77.7 億ドル。海外は区画 +18%、価格 年 +3.8% で 72.5 億ドル。コアサイトは容量 640 MW・売上 36.8 億ドル。EBITDA は約 128 億ドル、正味の AFFO は 90 億ドル。配当は 10 年で 464 億ドル。DISH の穴は完全に埋まり、携帯会社の統合や衛星の置き換えは限定的で、CCI・SBAC との競争も秩序を保つ。g 4.0%・ROE 43.2%・k 8.00% の式(正当化 PER 21.8 倍)の 7.9 割にあたる 17.21 倍を利益に掛けて、時価総額は約 1552 億ドル。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 685 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 494 億ドル(10 年の減価償却ほか約 192 億ドルを引いた後)。自己資本は今 36.5 + 累計 − 還元 464 で約 66 億ドル。
- 米国・カナダのタワー:数量 107(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 73(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 78 億ドル・営業利益 64 億ドル。区画 +6.5%・価格 年 +3.25%
- 海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州):数量 147(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 49(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 73 億ドル・営業利益 46 億ドル。区画 +18%・価格 年 +3.8%
- データセンター(コアサイト):数量 640(貸出中の電力容量(MW、推定))× 価格 575(1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む))→ 売上 37 億ドル・営業利益 21 億ドル。容量 640 MW
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 66.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 137% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 90.2 + 借入金利 5.75% × 純負債 434)÷(今の自己資本 36 + 純負債 434)= 24.5%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 43.2%。 moat は 強い(残る割合 0.67)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 31.5%、正当化 PER は 21.8 倍。 上限は利益 90.2 × 21.8 倍 = 1969 億ドル。置いた 17.21 倍は上限の 7.9 割。
確率:物価並みの価格と区画の増加が続く確率を 22% に置く。
中立 34% 中立:区画は緩やかに増え、価格は物価を少し下回る 利益 82 億ドル · PER 15.9 倍 · 株価時価総額 277.80 ドル1,302 億ドル
10 年後、米国・カナダの区画は +5%(10.5 万)、価格は年 +3.1%(固定の上げ幅 3% に更新時の上積み。物価 3.5% には届かず実質で目減り)で売上 75.5 億ドル、部門の営業利益率 81%(会社の 2030 年の目標 +2〜3 ポイントに沿う)。海外は区画 +16%・価格 年 +3.3% で売上 68.5 億ドル。コアサイトは容量 531 MW・売上 29.4 億ドル。EBITDA は約 117 億ドル、正味の AFFO は 82 億ドル。純負債は 360 億ドル前後で、借換えは全て約 5.75%(利払い 約 22 億ドル)。10 年の配当は 438 億ドル。g 4.0%・ROE 39.7%・k 8.00% の式(正当化 PER 21.6 倍)の 7.4 割にあたる 15.90 倍を利益に掛けて、時価総額は約 1302 億ドル。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 650 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 458 億ドル(10 年の減価償却ほか約 192 億ドルを引いた後)。自己資本は今 36.5 + 累計 − 還元 438 で約 57 億ドル。
- 米国・カナダのタワー:数量 105(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 72(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 76 億ドル・営業利益 61 億ドル。区画 +5%・価格 年 +3.1%
- 海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州):数量 145(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 47(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 69 億ドル・営業利益 43 億ドル。区画 +16%・価格 年 +3.3%
- データセンター(コアサイト):数量 531(貸出中の電力容量(MW、推定))× 価格 554(1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む))→ 売上 29 億ドル・営業利益 17 億ドル。容量 531 MW
倍率:【オーナー利益】2026 年の見通しは GAAP 純利益 32.4 + 減価償却・償却 20.6 − 売却益 0(見通しに売却益はない)− 維持の設備投資 1.9(資本改善 1.75・本社 0.15)− 非現金のストレートライン収益 0.7 = 50.4 億ドル。会社の AFFO 51.8 から株式報酬 1.5 を引くと 50.3 億ドルで、差 0.1 は金利の非現金分など。この筋書きの net_oku は 50.3 億ドルを起点にした正味の AFFO で、GAAP の純利益より償却の分だけ大きい。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 4.0%(市場(区画数)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 57.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 144% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 81.9 + 借入金利 5.75% × 純負債 434)÷(今の自己資本 36 + 純負債 434)= 22.7%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 39.7%。 moat は 強い(残る割合 0.67)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 29.1%、正当化 PER は 21.6 倍。 上限は利益 81.9 × 21.6 倍 = 1766 億ドル。置いた 15.90 倍は上限の 7.4 割。
確率:業界ノートの中立(有機 年 +4%)に沿い、成長が 10 年後に g 4% へ落ち着く筋書きを 34% に置く。
やや悲観 20% やや悲観:区画が頭打ちで、海外の伸びも鈍る 利益 66 億ドル · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 172.52 ドル809 億ドル
10 年後、DISH の穴が埋まらず、携帯会社の設備投資も低調で、米国・カナダの区画は 2025 年比 −2%(9.8 万)、価格は年 +2.8% で売上 68.5 億ドル。海外は区画 +8%・価格 年 +2.8% で 61.1 億ドル。コアサイトは供給過剰で容量 440 MW・売上 22 億ドル。EBITDA は約 99 億ドル、正味の AFFO は 66 億ドル(2026 年の 50 億ドルから年 +3%。物価に届かない)。配当の増加は年 3% 前後。CCI・SBAC との新規の取り合いでシェアを失う。g 4.0%・ROE 32.9%・k 8.00% の式(正当化 PER 20.9 倍)の 5.9 割にあたる 12.29 倍を利益に掛けて、時価総額は約 809 億ドル。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 577 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 386 億ドル(10 年の減価償却ほか約 192 億ドルを引いた後)。自己資本は今 36.5 + 累計 − 還元 386 で約 36 億ドル。
- 米国・カナダのタワー:数量 98.0(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 70(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 69 億ドル・営業利益 54 億ドル。区画 −2%・価格 年 +2.8%
- 海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州):数量 135(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 45(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 61 億ドル・営業利益 37 億ドル。区画 +8%・価格 年 +2.8%
- データセンター(コアサイト):数量 440(貸出中の電力容量(MW、推定))× 価格 500(1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む))→ 売上 22 億ドル・営業利益 11 億ドル。容量 440 MW
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 3.3%(市場(区画数)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 36.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 183% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 65.8 + 借入金利 5.75% × 純負債 434)÷(今の自己資本 36 + 純負債 434)= 19.3%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 32.9%。 moat は 強い(残る割合 0.67)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 24.6%、正当化 PER は 20.9 倍。 上限は利益 65.8 × 20.9 倍 = 1377 億ドル。置いた 12.29 倍は上限の 5.9 割。 悲観側の PBR は中立より低い決まり(SCHEMA §1-3)なので、中立の PBR 22.85 倍を下回るよう 14.80 倍から 12.29 倍へ下げた。
確率:区画の頭打ち・CCI と SBAC との競争・海外の伸びの鈍化が重なる確率を 20% に置く。2026 年に DISH と中南米の弱さが現に起きているため。
悲観 12% 悲観:衛星・顧客の破綻で区画が減り、もう優良とは言えない 利益 42 億ドル · PER 12.4 倍 · 株価時価総額 109.87 ドル515 億ドル
10 年後、衛星の直接通信が地方の需要を削り、携帯会社が設備投資を絞って、米国・カナダの区画は 2025 年比 −15%(8.5 万)、価格は年 +2.3% で売上 56.6 億ドル。海外は通貨の下落と解約で区画 −6%、売上 49.8 億ドル(今の為替のまま)。コアサイトは AI 投資の失速で容量 330 MW・売上 13.2 億ドル、営業利益率 40%。EBITDA は約 72 億ドル、正味の AFFO は 41.5 億ドル。配当は 10 年で 281 億ドルに抑え、増配は止まる。純負債 ÷ EBITDA は上がるが、存続に疑いはない。g 4.0%・ROE 22.5%・k 8.00% の式(正当化 PER 19.3 倍)の 6.4 割にあたる 12.41 倍を利益に掛けて、時価総額は約 515 億ドル。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 458 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 266 億ドル(10 年の減価償却ほか約 192 億ドルを引いた後)。自己資本は今 36.5 + 累計 − 還元 281 で約 22 億ドル。
- 米国・カナダのタワー:数量 85.0(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 67(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 57 億ドル・営業利益 43 億ドル。区画 −15%・価格 年 +2.3%
- 海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州):数量 118(貸出中のテナント(区画)数(千、推定))× 価格 42(1 区画あたりの年間賃料(千ドル))→ 売上 50 億ドル・営業利益 27 億ドル。区画 −6%・価格 年 +2.0%
- データセンター(コアサイト):数量 330(貸出中の電力容量(MW、推定))× 価格 400(1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む))→ 売上 13 億ドル・営業利益 5 億ドル。容量 330 MW
倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 2.5%(市場(区画数)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 22.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE 189% は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 41.5 + 借入金利 5.75% × 純負債 434)÷(今の自己資本 36 + 純負債 434)= 14.1%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 22.5%。 moat は 強い(残る割合 0.67)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.7%、正当化 PER は 19.3 倍。 上限は利益 41.5 × 19.3 倍 = 803 億ドル。置いた 12.41 倍は上限の 6.4 割。
確率:衛星の直接通信・顧客の破綻・競合の値下げが重なり優位が崩れる確率を 12% に置く(5% 以上)。CCI の契約解除(2026 年 1 月)や DISH の破綻のように顧客の脱落が実際に起きている。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国・カナダのタワー
携帯会社に長期でタワーの区画を貸す。年 3% 前後の固定の上げ幅。DISH の解約の影響が 2026 年に出る。
| 数量貸出中のテナント(区画)数(千、推定) | 価格1 区画あたりの年間賃料(千ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 53 | 53 | 42 |
| 10 年後 中立 | 105 | 72 | 76 | 61 |
取り方:米国・カナダのタワー約 4 万本(推定)で、貸出中の区画を約 10 万と置き、売上 約 53 億ドル(2026 年 4〜6 月期の 12.7 億ドルと前年同期の水準 13.1 億ドルから、2025 年を換算)を割って 1 区画あたり約 5.3 万ドル。営業利益は部門の営業利益率 79%(2026 年 4〜6 月期)から。
海外タワー(中南米・アフリカ・アジア太平洋・欧州)
海外 3 地域のタワー。物価連動の上げ幅と区画の増加で伸びるが、通貨の影響を受ける。
| 数量貸出中のテナント(区画)数(千、推定) | 価格1 区画あたりの年間賃料(千ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 125 | 32 | 39 | 24 |
| 10 年後 中立 | 145 | 47 | 69 | 43 |
取り方:海外タワー 約 7.5 万本(推定)の区画を約 12.5 万と置き、2025 年の売上 約 39.4 億ドル(中南米 約 16 億・アフリカ・アジア太平洋 約 14 億・欧州 約 9.4 億)で割って 1 区画あたり約 3.2 万ドル。営業利益率は 60%(2026 年 4〜6 月期は 61%)。2026 年の売上は為替の追い風で約 12% 増え、将来の価格はこの為替の水準(今の為替を固定)を起点にした。
データセンター(コアサイト)
2021 年に買収した米国の相互接続型データセンター。賃貸と相互接続の収入。
| 数量貸出中の電力容量(MW、推定) | 価格1 MW あたりの年間収入(万ドル、相互接続・電力転嫁を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 270 | 393 | 11 | 6 |
| 10 年後 中立 | 531 | 554 | 29 | 17 |
取り方:コアサイトの 2025 年の売上 約 10.6 億ドル(2026 年 4〜6 月期の 3.0 億ドルから逆算。2026 年は約 15% 増の見通し)を、貸出中の電力容量 約 270 MW(推定)で割って 1 MW あたり約 393 万ドル(相互接続と電力の転嫁を含む)。営業利益率は 53%(2026 年 4〜6 月期)。
リスクと懸念
DISH の破綻と空いた区画
DISH は 2025 年の物件収入の約 2%、米国・カナダの約 4%(約 2 億ドル)を占めた。契約は 2026 年 6 月 2 日付で解約通知を出し、DISH は 6 月 30 日に連邦破産法 11 条を申請した。周波数は AT&T と衛星事業者へ移る動きで、区画が引き継がれず空きのまま残れば、米国・カナダの有機の伸びは数年にわたり下がる。損害賠償の回収は不確実である。
固定の上げ幅と実質の目減り
契約の上げ幅は年 3% 前後で固定され、物価 3.5% には届かない。物価が 3.5% で続くと、実質の価格は毎年約 0.5% 目減りする。人件費や土地の賃借料は物価で上がるため、利益率を保つには区画の追加と効率化が要る。会社は 2030 年までにタワーの現金 EBITDA 利益率を 2〜3 ポイント上げる目標と報じられるが、未達ならば利益は減る。
借換えと純負債
純負債は約 354 億ドル(純負債 ÷ EBITDA は 4.9 倍)。平均金利約 3.7% の借金が借換えで 5.75% へ上がり、10 年で 8 億ドルの減益になる(brief の推定)。2026 年の現金の利払いは約 14 億ドル。金利が 5% を超えて続く世界では、増配の余力が小さくなる。
顧客の集中と携帯会社の設備投資
収入の大半は米国の携帯 3 社と、DISH の抜けた後の少数の顧客に集中する。携帯会社が設備投資を絞れば、区画の追加が止まり、有機の伸びは上げ幅の 3% のみになる。CCI が 2026 年 1 月に契約を解除された例のように、顧客の側の事情で収入が突然抜ける。
衛星の直接通信と技術の置き換え
スターリンクなどの衛星の直接通信が、地方の空白地帯で携帯の電波を補うと、地方のタワーの区画の需要が減り、賃料の交渉で上げ幅が下がる可能性がある。衛星事業者が DISH の周波数を取得した動きは、その入口とも読める。10 年後の構造的な負けの筋書きの中心で、起きれば区画の減少と上げ幅の低下が同時に来る。
海外の通貨と現地の事情
収益の約 4 割が海外で、為替は筋書きで動かさなかったが、現実はレアル・ナイラなどの下落で、ドル建ての収益が目減りする。中南米は 2026 年 4〜6 月期の有機の伸びがマイナス 2.4%、競合による区画の取り合いと、現地の税・規制もある。アフリカでは、電力と治安の費用が増える。
データセンター(コアサイト)の資本配分
2021 年に約 100 億ドルで買収したコアサイトは、金利が上がった今の世界では買収価格を正当化する収益が出にくい。AI 需要で賃貸は好調だが、増設の投資が自己資金を超えれば借金が増える。供給過剰になれば、売却や減損の可能性もある。データセンターは電力の確保が最大の制約でもあり、増設の遅れは売上の見通しを直接削る。
今後の分かれ目
- DISH の破産手続きで、空いた区画が AT&T や衛星事業者に引き継がれ、米国・カナダの有機の伸びが 3% に戻ったら
- 10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。中立の正味 AFFO(10 年後で約 82 億ドル)を 1 割上げて見る。
- 米国・カナダの有機の伸びが 2027 年に 2% を下回ったままなら
- 10 年のやや悲観・悲観の確率を上げ、中立の倍率を 1〜2 倍下げる。区画の追加が止まったと見る。
- 10 年国債が 5% を超えて上がり、借換えの金利が 6% 台になったら
- 利払いの増加で正味 AFFO の成長を 1 ポイント下げ、10 年の倍率を 1〜2 倍下げる。
- AT&T・ベライゾン・T モバイルが設備投資を前年比で 1 割以上減らしたら
- 区画の追加が鈍る。中立の米国・カナダの区画の伸びを半分に下げて見る。
- 衛星の直接通信が地方で本格的に携帯の代替として使われ始めたら
- 10 年の悲観の確率を上げ、区画の減少(−15%)の筋書きを重く見る。
- 中南米・アフリカで通貨が大きく下がり、収益がドルで 2 割目減りしたら
- 海外の売上を 2 割下げて見る。為替を固定にした前提が崩れるので、中立の正味 AFFO を 5% 下げる。
見ておくもの
- 米国・カナダの有機の伸び(四半期)と DISH の区画の行方・破産手続き
- AFFO の伸びの 2027 年の戻り(会社の見通し)
- 携帯 3 社の設備投資と新しい周波数の整備の日程
- 借換えの金利と純負債 ÷ EBITDA(4.9 倍)
- 中南米・アフリカの有機の伸びと現地通貨
- コアサイトの賃貸(空室率 1.4% の北米市場)と増設の投資額
- 衛星の直接通信の普及(地方の携帯の代替)
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(台帳で 868 億ドル)は見る前に、区画(千)× 1 区画あたり賃料で米国・海外を、容量(MW)× 1 MW あたり収入でコアサイトを積んだ。EBITDA から利払い・税・維持の投資・株式報酬を引いて、正味の AFFO(株主の手に残るオーナー利益)を出した。2026 年は GAAP 32.4 + 償却 20.6 − 売却益 0 − 維持 1.9 − ストレートライン 0.7 = 50.4 億ドルで、会社の AFFO から株式報酬を引いた 50.3 億ドルと一致する。倍率はそのあとに、利益ベースの正当化 PER で確かめた。自己資本が極小なので、決まりどおり ROIC の式で ROE を出した(10 年の中立で 37.3%)。moat は強い(残る割合 2/3)。10 年の中立は、g 4.0%・k 8.0%(基本 8% + quality 0%)で正当化 PER 21.6 倍。置いた 15.9 倍は上限の 7.4 割で、7〜10 割の内側。悲観側は上限の 6 割台まで下げた。EQIX(同じ moat 強い)との差は、成長が年 4% と小さいこと。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。